JPH0857184A - 全自動洗濯機の洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】撹拌翼７に設けた裏羽根７ａにより、撹拌翼７
の回動中ポンプ作用を起こし、洗濯槽３の底面及び、側
壁に設けた噴出口より流出させる。 【効果】洗濯時における洗浄力を高め、布傷みを低減で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、全自動洗濯機に係り、
特に、布傷みが少なく、高い洗浄効果の得られる洗濯機
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、撹拌翼の回転による循環方式の応
用として、衣類から出た布屑を補集するリントフィルタ
装置がある。また、近年この循環水を慣性リングの上面
部より、リントフィルタを介在せず洗濯槽内へもどし、
洗濯槽内にある衣類の上面部より散水して、洗浄効率を
高めるという方法が製品化されているが、しかし、この
方法では洗濯時衣類の上面部に洗濯水を散水するだけで
あり、散水された水の力における洗浄効果は得られない
欠点があった。また、洗濯時における布傷み等に関して
も軽減ができなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明に課せられた課
題は、布傷みが少なく、衣類の汚れを効率的に除去する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、撹拌翼に設け
られた裏羽根により洗濯撹拌時、ポンプ作用を起こし洗
濯槽と外枠の間にある洗濯水を洗濯槽底部もしくは、洗
濯槽の側壁部に設けた複数の吐出穴より噴出させ、洗濯
衣類に当てて衣類の汚れを除去する。

【０００５】

【作用】撹拌翼の裏羽根によるポンプ作用で、洗濯槽底
面部と側壁部に設けた吐出口より、その水流を衣類に当
て洗浄する。このことにより、洗浄効率の向上と布傷み
の低減が図れる。

【０００６】

【実施例】本発明を実施例図に基づいて説明する。図１
は、本発明を採用する全自動洗濯機の縦断面図であり、
動作を、順次、説明する。全自動洗濯機は外枠１の内側
に４本の吊棒５により、外槽２が、外枠１の上部の４隅
にあるコーナプレート２１より支持されている。吊棒５
には、洗濯及び脱水時、振動を吸収する押しばね４を介
在してある。洗濯する場合、蓋１８を開け、衣類を洗濯
槽３内へ投入し、制御部１９の指令より、給水後、モー
タ２０を正逆回転させる。モータ２０は、Ｖベルト１６
を介在し、モータプーリ１７より、クラッチ１４にある
クラッチプーリ１５へ回転を伝達する。伝達された回転
力は、クラッチ１４の操作により洗濯時は、洗濯槽３の
中央部に位置している衣類を動かす撹拌翼７を回動させ
て洗濯する。

【０００７】排水時は、制御部１９の指令よりモータ２
０を休止させ、排水弁１２を開けて、洗濯槽３内の洗濯
又はすすぎ液を排水ホース１３より機外へ排出するもの
である。排水後、脱水工程へ自動進行するが、脱水は衣
類の状態により、外槽２が大きく振れるため、外槽２の
振れを防止するために、洗濯槽３の上部に、バランサ６
を設け、脱水による外槽の振れを防止する。

【０００８】脱水は、モータ２０の回転を洗濯時と同様
にＶベルト１６を介して、クラッチ１４へ回転を伝達
し、クラッチ１４の制御により、洗濯槽３を高速で回転
させ、遠心力により衣類内の水分を洗濯機３に設けてあ
る脱水孔３ａから外槽２へ脱水する。脱水された洗濯水
は、排水弁１２より、排水ホース１３から、機外へ排水
される。

【０００９】図２は、図１で説明した制御部１９の詳細
な説明図である。マイコン３４は、タイマ３３と中央処
理装置（以下ＣＰＵ）３２及び、メモリ３１，Ｉ／Ｏポ
ート２９，３０から構成されている。これらの、マイコ
ン３４の処理は、ＣＰＵ３２とタイマ３３、及びメモリ
３１をデータバスにより、やり取りをし、制御している
ものである。これらの動作制御は、基本的には、周知の
如く、タイマ３３，ＣＰＵ３２，メモリ３１，入力ポー
ト２９，出力ポート３０から成り立っており、洗濯時の
制御指令は、ＣＰＵで行うが、ＣＰＵには、演算部や、
制御部があり、システムの中心と成るものである。ＣＰ
Ｕは基本的には、命令の取り出しと解読，実行指令であ
るが、具体的には算術及び論理演算，メモリの指定アド
レスの内容の読み出しと書き込み制御，入出力装置への
指定アドレスへの入出力制御やプログラムの流れの制御
を行う。

【００１０】メモリ３１は、プログラムとデータを記憶
するもので、読み出しと書き込みの両機能をもつＲＡＭ
と，読み出し機能だけをもつＲＯＭの２種類をそなえて
おり、ＲＡＭは、データを記憶させたり、プログラムを
組むうえでの作業エリアとして用い、ＲＯＭは、きまっ
たプログラムや固定データを入れ、いつでも同じ処理を
する場合に使用する。

【００１１】入力ポート２９と出力ポート３０は、ＣＰ
Ｕと入力装置，出力装置とのあいだで、データの受け渡
しを行う場合の仲介をする回路で、一般的にＩ／Ｏポー
トと呼んでいる。

【００１２】Ｉ／Ｏポートの入力側には、全自動洗濯機
からの電気的指令が入力される。これは主に、電源スイ
ッチ２３，水位センサ２２，蓋スイッチ２４，プログラ
ム選択スイッチ２５，スタート・ストップスイッチ２
６，布量センサ３５等が接続されている。又、出力側に
は、洗濯用モータ２０，給水弁１０，排水弁１２，クラ
ッチソレノイド２７，報知器２８表示パネル部の進行表
示３６等が接続されており、ＣＰＵの指令によりＩ／Ｏ
ポートの介在で洗濯機が制御され、一連の洗濯動作をす
るものである。従って洗濯機は、カムスイッチより成る
機械的制御と同様に制御されるものである。

【００１３】以上、図２を基に、マイコン制御による全
自動洗濯機の制御を記述したが、これらのマイコン制御
による動作を、図３の工程ブロック図を基に、さらに具
体的に説明すると、洗濯機は、電源スイッチ２３を押
し、プログラム選択スイッチ２５で、例えば、標準的な
洗濯コースを選択し、スタート・ストップスイッチ２６
を押すことにより、給水ホース１１から給水弁１０を介
在し、洗濯槽３の中に給水される。洗濯水が、規定量，
洗濯槽３内に入ったことを、水位センサ２２からの情報
により、ＣＰＵ３２で判断し、規定の洗濯動作を開始す
る。洗濯動作が規定時間終了した後、排水弁１２によ
り、排水ホース１３より機外へ排出する。その後脱水
を行い衣類内の水分を遠心力により、脱水孔３ａから脱
水した後、すすぎ用の給水をし、すすぎを行う。この
様な一連の洗濯作業を、マイコンにより行い洗濯するも
のである。

【００１４】次に図４を基に洗濯時及びすすぎ時に衣類
から出る布屑の捕集方法を説明する。先ず、図４は全自
動洗濯機の部分断面図であり、その構成は、前述したも
のであるが、衣類から洗濯時または、すすぎ時に出る布
屑を捕集するリントフィルタの構成について順次説明す
る。

【００１５】洗濯時、及びすすぎ時は、洗濯槽３の中央
部に位置している撹拌翼７が、正転，逆転の撹拌運転を
し、衣類を動かし洗濯する、この時、撹拌翼７の機械力
や布と布とのこすり合いによる機械力等により、衣類か
ら布屑等が出るこれらの布屑は脱水孔３ａより洗濯槽３
と外槽２の間へ流出するが、撹拌翼７の裏面にある裏羽
根７ａにより、洗濯槽３を支持しているフランジ４２の
孔４２ａより、洗濯水３９と共に布屑が吸い込まれ、洗
濯槽側壁に設けた、循環通路３７より洗濯槽３の上部に
設けてある慣性リング６まで押し上げられ、その出口に
設けてあるフィルタ３８を通過し、洗濯槽３の内部へも
どる循環経路３７で、洗濯中やすすぎ中、たえず洗濯槽
３内の洗濯及びすすぎ水を循環している。

【００１６】リントフィルタ３８は、布屑が通過出来な
い程度の網目となっており、このリントフィルタで布屑
等を補集するものが一般的な全自動洗濯機の布屑捕集機
構である。

【００１７】すなわち、洗濯時及びすすぎ時、撹拌翼７
の回転によりその撹拌翼７の裏面に設けてある裏羽根７
ａにより、ポンプ作用を起こし、洗濯水面より高い部分
まで洗濯水及びすすぎ水を上げ、その出口に設けてある
リントフィルタ３８により布屑等を補集する。

【００１８】次に、撹拌翼７の裏羽根７ａにより洗い時
及び、すすぎ時の循環流量の関係を図５を基に説明す
る。洗濯，すすぎ水面よりリントフィルタ３８の出口ま
での揚程高さＨ(mm)と、撹拌翼７の回動する時に裏羽根
７ａにより、リントフィルタ口からの吐出量(ｌ／min)
の関係は、揚程高さ１０mm程度の場合５０〜６０ｌ／mi
nの循環流量が得られる。また、揚程高さＨが１００mm
程度においても約３０ｌ／min 程度の循環流量が得られ
るため、撹拌時間（洗濯時間）が１０分あると洗濯及
び、すすぎ水が５０ｌの場合２回〜１０回リントフィル
タ３８を通過することになり、この中に含まれる布屑等
が補集される構造としているものが、一般的なリントフ
ィルタ装置として製品化されている。

【００１９】リントフィルタ３８に補集された布屑等
は、脱水時洗濯槽３の回転により、リントフィルタ３８
内の布屑に含まれた水分も衣類に含まれる水分と同時に
脱水する。脱水終了後は、着脱自在な構成になっている
リントフィルタ３８を慣性リング６より取り出し、リン
トフィルタ３８内の布屑を除去するものである。

【００２０】この様に、洗濯時、撹拌翼７の回動により
撹拌翼７の裏羽根７ａで揚程に変化があるが、図５の実
験結果より約１０〜６０ｌ／min 程度の吐出量が得られ
るものである。

【００２１】本発明は、上記した撹拌翼７による循環流
量を利用したものであり、以下、図６を基に説明する。

【００２２】図６は、本発明を説明するための部分断面
図である。洗濯またはすすぎ時、撹拌翼７の裏羽根７ａ
により、洗濯槽３の脱水孔３ａから外槽２へ流出した水
は、フランジ４２のフランジ孔４２ａより撹拌翼７の裏
羽根７ａで吸い上げられ、洗濯槽３の底面部に設けた流
通路４１を通り、複数個の小さな吐出口４０ａから放出
される。この複数個の吐出口４０ａは、洗濯槽３ａの底
面部全周に位置しており、撹拌翼７の回転と共に撹拌翼
７の裏羽根７ａのポンプ作用で、吐出口４０ａからはリ
ントフィルタ時の循環水量時の効力と同じか、それ以上
の効力で吐出する。吐出口４０ａからの吐出量は、吐出
口４０ａの径が５mmで、その数が２〜十数ヶあるとする
と、吐出口４０ａからの流速Ｖは約０.１〜４ｍ／secの
速さで噴出する。このため、この噴出された水流は、洗
濯槽３内にある洗濯衣類４３の表面に当たり、洗濯衣類
の汚れを除去する効果と吐出口４０ａからの強い水流に
より、少量負荷の洗濯時洗濯衣類４３を上部方向へ押し
上げる効果があるため、撹拌翼７に当たる力が軽減され
るため撹拌翼７の機械力における衣類４３の傷みも大幅
に低減される。また、撹拌翼７へ衣類が当たることが軽
減されることによりモータ２０にかかる負荷が低減さ
れ、入力等も低くおさえることが可能となる。図７は、
図６の詳細説明用部分拡大断面図である。洗濯時及びす
すぎの撹拌時、裏羽根７ａにより外槽２と洗濯槽３の間
にある水は、洗濯槽３を支持しているフランジ４２の吸
水用孔４２ａから吸い上げられ、洗濯槽３の底面部に多
数設けてある吐出口４０ａから、強い水流で洗濯槽３内
へ噴出する。この時、洗濯槽３の中には洗濯衣類４３が
あり、吐出口４０ａから噴出された水は、洗濯衣類４３
の表面部に当たると同時に、洗濯衣類４３を浮き上がせ
る役目をするため、撹拌翼７の衣類４３に対する機械力
も軽減される効果が得られる。

【００２３】この様な構成とすることにより、洗濯時、
効率的に衣類４３の洗浄が出来また衣類の傷みも防止す
ることが出来る。この様な構成を図７に示す洗濯槽３の
底面部で説明したが、洗濯槽底面部だけでなく洗濯槽３
の側壁にも応用すれば洗濯衣類４３は、底部及び側部の
両方から噴出による洗浄効果が得られると同時に、図４
を基に説明したリントフィルタ循環と併せても、同様の
効果が得られる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、撹拌翼７の裏羽根７ａ
によるポンプ作用で、洗濯槽３の底面部及び、側壁部に
ポンプ作用で得た循環流量を複数の吐出口４０ａより噴
出させ、衣類４３に当てることにより、衣類に付着した
汚れを効率的に除去できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】全自動洗濯機の縦断面図。

【図２】マイコン制御のブロック図。

【図３】洗濯全自動コースのブロック図。

【図４】洗濯機の部分縦断面図。

【図５】揚程高さと循環流量の特性図。

【図６】洗濯機の部分断面図。

【図７】洗濯機の部分断面図。

【符号の説明】

３…洗濯槽、７…撹拌翼、７ａ…裏羽根、４０ａ…吐出
口、４３…衣類。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯機において、衣類を動かし洗濯する撹
   拌翼の裏羽根によるポンプ作用を応用し、洗濯槽の底部
   や側壁に設けた複数の吐出口より、ポンプ作用で得た洗
   濯水を噴出させ洗濯衣類に当てて、洗濯することを特徴
   とする全自動洗濯機の洗浄装置。