JP2001259282A

JP2001259282A - 洗濯機

Info

Publication number: JP2001259282A
Application number: JP2000081212A
Authority: JP
Inventors: Yuko Omura; 優子大村; Shunji Imai; 俊次今井; Sadayuki Tamae; 貞之玉江
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2000-03-23
Filing date: 2000-03-23
Publication date: 2001-09-25

Abstract

(57)【要約】【課題】洗い行程で洗濯水位を複数に変更可能とした
洗濯機において、洗い行程の途中で水位を変更し、洗い
前半に低い水位で頑固な汚れを落とし、後半に水位を上
げて糸くずを回収するとともに、洗濯物の偏りを補正し
て次行程の中間脱水を立ち上がりやすくする。【解決手段】洗濯兼脱水槽３内に給水する給水弁１
３、洗濯兼脱水槽３の底部に回転自在に配設したパルセ
ーター２を回転させるモータ６などの動作を制御手段に
より制御する。制御手段は、給水弁１３により設定水位
の半分以下の水位まで給水し、モータ６によりパルセー
ター２を回転させる第１の洗い行程と、この第１の洗い
行程終了後に給水弁１３により設定水位まで給水し、モ
ータ６によりパルセーター２を回転する第２の洗い行程
とを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗い行程で洗濯水
位を複数に変更可能とした洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のパルセーター式洗濯機の構成を図
７を参照しながら説明する。図７に示すように、外槽１
は、底部にパルセーター２を回転自在に配設した洗濯兼
脱水槽３を内包し、吊り棒４により洗濯機外枠５に吊り
下げている。モータ６は、Ｖベルト７および減速機構兼
クラッチ８を介して、パルセーター２または洗濯兼脱水
槽３を駆動する。パルセーター２の裏羽根９の外周部に
はポンプ室１０が形成されており、洗濯兼脱水槽３内の
洗濯液をポンプ室１０から循環水路１１を経由して糸く
ずフィルター１２に送水する。

【０００３】給水弁１３は洗濯兼脱水槽３内に給水する
もので、排水弁１４は洗濯兼脱水槽３内の洗濯液および
すすぎ液を排水するもので、水位検知手段１５は、外槽
１内の水位を検知するものである。制御装置１６は、モ
ータ６、給水弁１３、排水弁１４などを制御して、洗
い、すすぎ、脱水の各行程を逐次制御するものである。

【０００４】上記構成において動作を説明すると、洗濯
兼脱水槽３に洗濯物と洗剤を投入した後、給水弁１３と
水位検知手段１５によって洗濯物の量に適した水量を給
水し、モータ６を駆動させることにより、パルセーター
２を回転させる。パルセーター２の回転により、洗濯物
と洗濯液を撹拌し、布相互の摩擦や布と洗濯兼脱水槽３
の内壁およびパルセーター２との摩擦によって、汚れの
除去を行うとともに、パルセーター２の裏羽根９の回転
により、洗濯兼脱水槽３内の洗濯液を糸くずフィルター
１２に送り、洗濯液中に浮遊する糸くずを回収する。

【０００５】その後、排水弁１４を作動して、洗濯兼脱
水槽３内の洗濯液を排水し、モータ６を駆動して洗濯兼
脱水槽３を回転させ、中間脱水を行い、次行程のすすぎ
に移る。この中間脱水は、洗濯物に含まれる洗剤成分を
絞るので、すすぎ効率を高める効果がある。中間脱水の
後、給水弁１３を作動させて設定水位まで給水し、パル
セーター２を回転させ、すすぎ行程を実行する。その
後、排水弁１４を作動させ洗濯兼脱水槽３内のすすぎ液
を排水し、モータ６を駆動して洗濯兼脱水槽３を回転さ
せ、洗濯物に含まれる水分を脱水する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成の洗濯機の場合、洗い行程で、洗濯物の量に対して設
定水位が高いと、パルセーター２を回転させても、洗濯
物は洗濯液の中で浮力を受けて浮き上がってしまい、洗
濯物に加わる摩擦力が小さくなり、運動着や作業服など
の頑固な汚れが落ちにくい場合があった。

【０００７】また、洗濯物の量に対して設定水位が低い
と、パルセーター２の回転が洗濯物に伝わりやすく、洗
濯物に加わる摩擦力が大きくなり、洗浄効果が大きくな
る反面、水位が低いため、洗濯液が糸くずフィルター１
２まで送水されず、糸くずが回収されない場合があっ
た。

【０００８】また、低い水位でパルセーター２を回転さ
せると洗濯物が偏って位置しやすく、低い水位のままで
はそれを補正できないため、次行程の中間脱水が立ち上
がらない場合があった。

【０００９】本発明は上記課題を解決するもので、洗い
行程の途中で水位を変更し、洗い前半に低い水位で頑固
な汚れを落とし、後半に水位を上げて糸くずを回収する
とともに、洗濯物の偏りを補正して次行程の中間脱水を
立ち上がりやすくすることを第１の目的としている。

【００１０】また、洗濯物の上部の水面から出ている部
分にも、パルセーターの回転が伝わりやすくして、洗い
むらを少なくすることを第２の目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するために、洗濯兼脱水槽内に給水する給水手
段、洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設したパルセー
ターを回転させるパルセーター駆動手段などの動作を制
御手段により制御するよう構成し、制御手段は、給水手
段により設定水位の半分以下の水位まで給水し、パルセ
ーター駆動手段によりパルセーターを回転させる第１の
洗い行程と、この第１の洗い行程終了後に給水手段によ
り設定水位まで給水し、パルセーター駆動手段によりパ
ルセーターを回転する第２の洗い行程とを実行するよう
にしたものである。

【００１２】これにより、洗い行程の途中で水位を変更
し、洗い前半に低い水位で頑固な汚れを落とし、後半に
水位を上げて糸くずを回収するとともに、洗濯物の偏り
を補正することができ、次行程の中間脱水を立ち上がり
やすくすることができる。

【００１３】また、上記第２の目的を達成するために、
洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段、洗濯兼脱水槽の底
部に回転自在に配設したパルセーターを回転させるパル
セーター駆動手段などの動作を制御手段により制御する
よう構成し、制御手段は、給水手段により設定水位より
も低い水位まで給水し、パルセーター駆動手段によりパ
ルセーターを回転させる第１の洗い行程と、この第１の
洗い行程終了後に給水手段により設定水位まで給水し、
パルセーター駆動手段によりパルセーターを回転する第
２の洗い行程とを実行し、第１の洗い行程において、洗
濯液を循環吐出する吐出口より洗濯兼脱水槽の内部に向
け洗濯液を吐出するように構成したものである。

【００１４】これにより、水面から上にある洗濯物にも
洗濯液をかけて含水させることができ、洗濯物の上部に
もパルセーターの回転が伝わり、洗いむらを少なくする
ことができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給
水手段と、前記洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設し
たパルセーターと、前記パルセーターを回転させるパル
セーター駆動手段と、前記給水手段、パルセーター駆動
手段などの動作を制御する制御手段とを備え、前記制御
手段は、前記給水手段により設定水位の半分以下の水位
まで給水し、前記パルセーター駆動手段によりパルセー
ターを回転させる第１の洗い行程と、この第１の洗い行
程終了後に前記給水手段により設定水位まで給水し、前
記パルセーター駆動手段によりパルセーターを回転する
第２の洗い行程とを実行するようにしたものであり、低
い水位の第１の洗い行程でパルセーターを回転すること
により、パルセーターの回転を洗濯物に伝えやすくし、
洗濯物に大きな摩擦力を加え、頑固な汚れを落とすこと
ができる。また、高い水位の第２の洗い行程でパルセー
ターを回転することにより、糸くずを回収し、さらに、
洗濯物の偏りを補正することができ、次行程の中間脱水
の立ち上げをスムーズにすることができる。

【００１６】請求項２に記載の発明は、洗濯兼脱水槽
と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段と、前記洗
濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設したパルセーター
と、前記パルセーターを回転させるパルセーター駆動手
段と、パルセーター回転時のポンプ作用により、洗濯液
を洗濯兼脱水槽の内部に向け循環吐出する吐出口と、前
記給水手段、パルセーター駆動手段などの動作を制御す
る制御手段とを備え、前記制御手段は、前記給水手段に
より設定水位よりも低い水位まで給水し、前記パルセー
ター駆動手段により、パルセーターを回転させる第１の
洗い行程と、この第１の洗い行程終了後に前記給水手段
により設定水位まで給水し、前記パルセーター駆動手段
によりパルセーターを回転する第２の洗い行程とを実行
し、第１の洗い行程において前記吐出口より洗濯液を吐
出するように構成したものであり、低い水位の第１の洗
い行程でパルセーターを回転することにより、パルセー
ターの回転を洗濯物に伝えやすくし、洗濯物に大きな摩
擦力を加え、頑固な汚れを落とすことができ、さらに、
水面から上にある洗濯物にも洗濯液をかけて含水させる
ことにより、洗濯物の上部にもパルセーターの回転が伝
わり、洗いむらを少なくすることができる。また、高い
水位の第２の洗い行程でパルセーターを回転することに
より、糸くずを回収し、さらに、洗濯物の偏りを補正す
ることができ、次行程の中間脱水の立ち上げをスムーズ
にすることができる。

【００１７】請求項３に記載の発明は、上記請求項１ま
たは２に記載の発明において、制御手段は、第１の洗い
行程において、回転数の異なる複数のパルセーター回転
時限を有し、これらを順次自動的に実行可能としたもの
であり、パルセーターを回転させる際に、回転数の異な
るパルセーター回転時限を実行することにより、洗濯物
の動きを複雑に変化させ、布が回りやすくすることがで
き、洗いむらを少なくすることができる。

【００１８】請求項４に記載の発明は、上記請求項１〜
３に記載の発明において、第１の洗い行程と第２の洗い
行程の合計時間を洗い時間とし、洗い時間の変更は、第
１の洗い行程の時間の変更により実行するものであり、
洗い行程の前半の設定水位よりも低い水位での洗い時間
を変更可能とすることにより、洗濯物の汚れ具合に応じ
て、洗浄効果を容易にコントロールでき、設定水位での
洗い行程は一定時間必ず運転することにより、糸くずの
回収、および洗濯物の偏りを補正することにより、次行
程の中間脱水の立ち上げをスムーズにすることができ
る。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは、
同一符号を付して説明を省略する。

【００２０】（実施例１）図１および図２に示すよう
に、制御装置１７は、マイクロコンピューターで構成し
た制御手段１８を有し、パワースイッチング手段１９を
介して、モータ（パルセーター駆動手段）６、給水弁
（給水手段）１３、排水弁１４などの動作を制御し、洗
い、すすぎ、脱水などの一連の行程を逐次制御する。コ
ース設定手段２０は、洗濯コースを設定するもので、水
位設定手段２１は、洗い（後述する第２の洗い行程での
水位）とすすぎ時の水位を設定するものである。

【００２１】また、制御手段１８は、給水手段により設
定水位の半分以下の水位まで給水し、モータ６によりパ
ルセーターを回転させる第１の洗い行程と、この第１の
洗い行程終了後に給水弁１３により設定水位まで給水
し、モータ６によりパルセーターを回転する第２の洗い
行程とを実行するようにしている。

【００２２】すなわち、コース設定手段２０と水位設定
手段２１の信号により、（表１）に示すように、設定水
位の半分以下になるよう、第１の洗い行程での水位を決
定し、給水弁１３および水位検知手段１５によって、洗
濯兼脱水槽３内に給水する。なお、２２は商用電源、２
３は電源スイッチである。

【００２３】

【表１】

【００２４】上記構成において動作を説明する。洗濯兼
脱水槽３に洗濯物を投入し、コース設定手段２０によ
り、強力コースを設定し、水位設定手段２１により水位
（第２の洗い行程での水位およびすすぎ水位）を設定
し、水位に応じた洗剤を投入する。水位設定手段２１の
信号に基づき、制御手段１８が第１の洗い行程での水位
を判定し、給水弁１３を作動して所定量給水する。その
後、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌し、第１
の洗い行程を実行する。

【００２５】このとき、洗濯物の量に対して水位が低い
ので、パルセーター２の回転は、洗濯物に伝わりやす
く、布同士や、布と洗濯兼脱水槽３またはパルセーター
２との摩擦が大きくなり、頑固な汚れが次々に落ちてい
く。

【００２６】つぎに、給水弁１３を作動させ、設定水位
まで給水し、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌
し、第２の洗い行程を実行する。このとき、洗濯物の量
に対して水位が比較的高いので、パルセーター２の裏羽
根９は、洗濯兼脱水槽３内の洗浄水をポンプ室１０から
循環水路１１を経由して、糸くずフィルター１２に送水
することができ、洗濯液中に浮遊する糸くずを回収する
とともに、第１の洗い行程で偏った洗濯物をバランスよ
く位置補正する。

【００２７】このように、洗い行程の前半に、設定水位
の半分以下の水位まで給水した状態で、パルセーター２
を回転させることにより、洗濯物に加わる摩擦力を大き
くし、頑固な汚れを落とし、その後、設定水位まで給水
し、パルセーター２を回転させることにより、洗濯液を
糸くずフィルター１２に送水して糸くずを回収し、また
洗濯物の偏りを補正することで、洗い後の中間脱水の立
ち上げをスムーズにすることができる。

【００２８】（実施例２）図３に示すように、吐出口２
４は、洗濯兼脱水槽３の高さ途中に設け、パルセーター
２の裏羽根９の外周部に形成したポンプ室１０から、循
環水路２５を経由して洗濯液を循環吐出する。制御装置
２６は、図４に示すよう構成しており、制御手段２７
は、給水弁１３により設定水位よりも低い水位まで給水
し、モータ６によりパルセーター２を回転させる第１の
洗い行程と、この第１の洗い行程終了後に、給水弁１３
により設定水位まで給水し、モータ６によりパルセータ
ー２を回転する第２の洗い行程とを実行し、第１の洗い
行程において吐出口２４より洗濯液を吐出するように構
成している。

【００２９】すなわち、制御手段２７は、コース設定手
段２０と水位設定手段２１の信号により、（表２）に示
すように、設定水位よりも低くなるよう、第１の洗い行
程での水位を決定し、給水弁１３および水位検知手段１
５によって、洗濯兼脱水槽３内に給水する。他の構成は
上記実施例１と同じである。

【００３０】

【表２】

【００３１】上記構成において動作を説明すると、洗濯
兼脱水槽３に洗濯物を投入し、コース設定手段２０によ
り、強力コースを設定し、水位設定手段２１により水位
（第２の洗い行程での水位およびすすぎ水位）を設定
し、水位に応じた洗剤を投入する。水位設定手段２１の
信号に基づき、制御手段２７が第１の洗い行程での水位
を判定し、給水弁１３を作動して、所定量給水する。そ
の後、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌し、第
１の洗い行程を実行する。

【００３２】このとき、洗濯物の量に対して水位が低い
ので、パルセーター２の回転は、洗濯物に伝わりやす
く、布同士や、布と洗濯兼脱水槽３またはパルセーター
２との摩擦が大きくなり、頑固な汚れが次々に落ちてい
く。

【００３３】さらに、パルセーター２の裏羽根９の外周
部に形成されたポンプ室１０から、循環水路２５を経由
して、洗濯兼脱水槽３の高さ途中に設けた吐出口２４よ
り、洗濯液を循環吐出し、水面から上にある洗濯物にも
洗濯液をかけて含水させ、洗濯物の上部にもパルセータ
ー２の回転を伝えやすくする。

【００３４】つぎに、給水弁１３を作動させ、設定水位
まで給水し、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌
し、第２の洗い行程を実行する。このとき、洗濯物の量
に対して水位が比較的高いので、パルセーター２の裏羽
根９は、洗濯兼脱水槽３内の洗浄水をポンプ室１０から
循環水路１１を経由して、糸くずフィルター１２に送水
することができ、洗濯液中に浮遊する糸くずを回収する
とともに、第１の洗い行程で偏った洗濯物をバランスよ
く位置補正する。

【００３５】このように、洗い行程の前半に、設定水位
より低い水位まで給水した状態で、パルセーター２を回
転させることにより、洗濯物に加わる摩擦力を大きく
し、頑固な汚れを落とし、また、洗濯液を循環吐出する
ことにより、水面から上にある洗濯物にも洗濯液をかけ
て含水させ、洗濯物の上部にもパルセーター２の回転が
伝わりやすくして、洗いむらを少なくすることができ
る。

【００３６】その後、設定水位まで給水し、パルセータ
ー２を回転させることにより、洗濯液を糸くずフィルタ
ー１２に送水して糸くずを回収し、また洗濯物を偏りを
補正することで、洗い後の中間脱水の立ち上げをスムー
ズにすることができる。

【００３７】（実施例３）図４に示す制御手段２７は、
第１の洗い行程において、回転数の異なる複数のパルセ
ーター回転時限を有し、これらを順次自動的に実行可能
としている。他の構成は上記実施例２と同じである。

【００３８】上記構成において動作を説明すると、洗濯
兼脱水槽３に洗濯物を投入し、コース設定手段２０によ
り、強力コースを設定し、水位設定手段２１により水位
（第２の洗い行程での水位およびすすぎ水位）を設定
し、水位に応じた洗剤を投入する。水位設定手段２１の
信号に基づき、制御手段２７が第１の洗い行程での水位
を判定し、給水弁１３を作動して、所定量給水する。そ
の後、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌し、第
１の洗い行程を実行する。

【００３９】この第１行程でのパルセーター２の回転数
と回転時限は、図５に示すように、２種類の回転を一定
時間づつ交互に実行する。まず、高回転数の１２０ｒ／
ｍｉｎで、１秒オン−０．６秒オフで２０秒間、左右に
反転させることにより、パルセーター２の裏羽根９の外
周部に形成されたポンプ室１０から、循環水路２５を経
由して、洗濯兼脱水槽３の高さ途中に設けた吐出口２４
より洗濯液を勢いよく循環吐出し、水面から上にある洗
濯物にも洗濯液をしっかりかけて含水させる。

【００４０】つぎに、低回転数の６０ｒ／ｍｉｎで、長
めのオン時間である、２秒オン−０．６秒オフで３０秒
間、左右に反転させることにより、洗濯物を上下回転さ
せ、洗いむらをなくす。いずれの回転数の場合も、洗濯
物の量に対して水位が低いので、パルセーター２の回転
は洗濯物に伝わりやすく、洗濯物同士や、洗濯物と洗濯
兼脱水槽３またはパルセーター２との摩擦が大きくな
り、頑固な汚れを落とす効果がある。

【００４１】つぎに、給水弁１３を作動させて設定水位
まで給水し、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌
し、第２の洗い行程を実行する。このとき、洗濯物の量
に対して水位が比較的高いので、パルセーター２の裏羽
根９は、洗濯兼脱水槽３内の洗浄水をポンプ室１０から
循環水路１１を経由して、糸くずフィルター１２に送水
することができ、洗濯液中に浮遊する糸くずを回収する
とともに、第１の洗い行程で偏った洗濯物をバランスよ
く位置補正する。

【００４２】このように、洗い行程の前半に、設定水位
より低い水位まで給水した状態で、パルセーター２を回
転させることにより、洗濯物に加わる摩擦力を大きく
し、頑固な汚れを落とし、パルセーター２を回転させる
際に、回転数の異なるパルセーター回転時限を実行する
ことにより、洗濯液の循環吐出を勢いよく行い、水面か
ら上にある洗濯物にも洗濯液をかけて含水させ、洗濯物
の上部にもパルセーター２の回転が伝わりやすくして、
さらに、洗濯物を上下回転させることができるので、洗
いむらを少なくすることができる。

【００４３】その後、設定水位まで給水し、パルセータ
ー２を回転させることにより、洗濯液を糸くずフィルタ
ー１２に送水して糸くずを回収し、また洗濯物を偏りを
補正することで、洗い後の中間脱水の立ち上げをスムー
ズにすることができる。

【００４４】なお、本実施例では、上記実施例２に示す
制御手段２７が、第１の洗い行程において、回転数の異
なる複数のパルセーター回転時限を有し、これらを順次
自動的に実行可能としているが、上記実施例１の制御手
段１８も同様に構成することで、同様に作用効果を得る
ことができる。

【００４５】（実施例４）図６に示すように、洗い時間
設定手段２８は洗い時間を設定するものであり、ここで
洗い時間は第１の洗い行程と第２の洗い行程の合計時間
を洗い時間としている。制御手段２９は、洗い時間設定
手段２８により入力された信号に基づき、第１の洗い行
程の時間を判定し、洗い時間の変更は、（表３）に示す
ように、第１の洗い行程の時間の変更により実行し、第
２の洗い行程時間は一定としている。他の構成は上記実
施例１と同じである。

【００４６】

【表３】

【００４７】上記構成において動作を説明する。洗濯兼
脱水槽３に洗濯物を投入し、コース設定手段２０によ
り、強力コースを設定し、水位設定手段２１により水位
（第２の洗い行程での水位およびすすぎ水位）を設定、
洗い時間設定手段２８により、洗い時間を設定し、水位
に応じた洗剤を投入する。水位設定手段２１の信号に基
づき、制御手段２９が第１の洗い行程での水位を判定
し、給水弁１３を作動して、所定量給水する。

【００４８】制御手段２９は、洗い時間設定手段２８の
信号に基づき、第１の洗い行程時間を（表３）に示すよ
うに判定する。その後、パルセーター２を回転させて洗
濯物を撹拌し、所定時間の第１の洗い行程を実行する。
第１の洗い行程では、洗濯物の量に対して水位が低いの
で、パルセーター２の回転は、洗濯物に伝わりやすく、
洗濯物同士や、洗濯物と洗濯兼脱水槽３またはパルセー
ター２との摩擦が大きくなり、洗浄効果の寄与が高いの
で、洗濯物の汚れ具合に応じて、第１の洗い行程の時間
を変更することは有効である。

【００４９】つぎに、給水弁１３を作動させ、設定水位
まで給水し、パルセーター２を回転させて洗濯物を撹拌
し、第２の洗い行程を実行する。このとき、洗濯物の量
に対して水位が比較的高いので、パルセーター２の裏羽
根９は、洗濯兼脱水槽３内の洗浄水をポンプ室１０から
循環水路１１を経由して、糸くずフィルター１２に送水
することができ、洗浄水中に浮遊する糸くずを回収する
とともに、第１の洗い行程で偏った洗濯物をバランスよ
く位置補正する。

【００５０】このように、洗い行程の前半の設定水位よ
りも低い水位での洗い時間を変更可能とすることによ
り、洗濯物の汚れ具合に応じて、洗浄効果を容易にコン
トロールでき、設定水位での洗い行程は一定時間必ず運
転することにより、糸くずの回収、および洗濯物の偏り
を補正することにより、次行程の中間脱水の立ち上げを
スムーズにすることができる。

【００５１】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
発明によれば、洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に
給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽の底部に回転自
在に配設したパルセーターと、前記パルセーターを回転
させるパルセーター駆動手段と、前記給水手段、パルセ
ーター駆動手段などの動作を制御する制御手段とを備
え、前記制御手段は、前記給水手段により設定水位の半
分以下の水位まで給水し、前記パルセーター駆動手段に
よりパルセーターを回転させる第１の洗い行程と、この
第１の洗い行程終了後に前記給水手段により設定水位ま
で給水し、前記パルセーター駆動手段によりパルセータ
ーを回転する第２の洗い行程とを実行するようにしたか
ら、低い水位の第１の洗い行程でパルセーターを回転す
ることにより、パルセーターの回転を洗濯物に伝えやす
くし、洗濯物に大きな摩擦力を加え、頑固な汚れを落と
すことができる。また、高い水位の第２の洗い行程でパ
ルセーターを回転することにより、糸くずを回収し、さ
らに、洗濯物の偏りを補正することができ、次行程の中
間脱水の立ち上げをスムーズにすることができる。

【００５２】また、請求項２に記載の発明によれば、洗
濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に給水する給水手段
と、前記洗濯兼脱水槽の底部に回転自在に配設したパル
セーターと、前記パルセーターを回転させるパルセータ
ー駆動手段と、パルセーター回転時のポンプ作用によ
り、洗濯液を洗濯兼脱水槽の内部に向け循環吐出する吐
出口と、前記給水手段、パルセーター駆動手段などの動
作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記
給水手段により設定水位よりも低い水位まで給水し、前
記パルセーター駆動手段により、パルセーターを回転さ
せる第１の洗い行程と、この第１の洗い行程終了後に前
記給水手段により設定水位まで給水し、前記パルセータ
ー駆動手段によりパルセーターを回転する第２の洗い行
程とを実行し、第１の洗い行程において前記吐出口より
洗濯液を吐出するように構成したから、低い水位の第１
の洗い行程でパルセーターを回転することにより、パル
セーターの回転を洗濯物に伝えやすくし、洗濯物に大き
な摩擦力を加え、頑固な汚れを落とすことができ、さら
に、水面から上にある洗濯物にも洗濯液をかけて含水さ
せることにより、洗濯物の上部にもパルセーターの回転
が伝わり、洗いむらを少なくすることができる。また、
高い水位の第２の洗い行程でパルセーターを回転するこ
とにより、糸くずを回収し、さらに、洗濯物の偏りを補
正することができ、次行程の中間脱水の立ち上げをスム
ーズにすることができる。

【００５３】また、請求項３に記載の発明によれば、制
御手段は、第１の洗い行程において、回転数の異なる複
数のパルセーター回転時限を有し、これらを順次自動的
に実行可能としたから、パルセーターを回転させる際
に、回転数の異なるパルセーター回転時限を実行するこ
とにより、洗濯物の動きを複雑に変化させ、布が回りや
すくすることができ、洗いむらを少なくすることができ
る。

【００５４】また、請求項４に記載の発明によれば、第
１の洗い行程と第２の洗い行程の合計時間を洗い時間と
し、洗い時間の変更は、第１の洗い行程の時間の変更に
より実行するから、洗い行程の前半の設定水位よりも低
い水位での洗い時間を変更可能とすることにより、洗濯
物の汚れ具合に応じて、洗浄効果を容易にコントロール
でき、設定水位での洗い行程は一定時間必ず運転するこ
とにより、糸くずの回収、および洗濯物の偏りを補正す
ることにより、次行程の中間脱水の立ち上げをスムーズ
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の洗濯機の縦断面図

【図２】同洗濯機のブロック回路図

【図３】本発明の第２の実施例の洗濯機の縦断面図

【図４】同洗濯機のブロック回路図

【図５】本発明の第３の実施例の洗濯機の第１の洗い行
程の水流の基本パターン図

【図６】本発明の第４の実施例の洗濯機のブロック回路
図

【図７】従来の洗濯機の縦断面図

【符号の説明】

２パルセーター３洗濯兼脱水槽６モータ（パルセーター駆動手段）１３給水弁（給水手段）１８制御手段

フロントページの続き (72)発明者玉江貞之大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内Ｆターム(参考） 3B155 AA01 AA17 BB08 BB10 CA06 CB06 KA19 LA11 LB02 LB17 LB31 MA01 MA07 MA09

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に
給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽の底部に回転自
在に配設したパルセーターと、前記パルセーターを回転
させるパルセーター駆動手段と、前記給水手段、パルセ
ーター駆動手段などの動作を制御する制御手段とを備
え、前記制御手段は、前記給水手段により設定水位の半
分以下の水位まで給水し、前記パルセーター駆動手段に
よりパルセーターを回転させる第１の洗い行程と、この
第１の洗い行程終了後に前記給水手段により設定水位ま
で給水し、前記パルセーター駆動手段によりパルセータ
ーを回転する第２の洗い行程とを実行するようにした洗
濯機。
【請求項２】洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽内に
給水する給水手段と、前記洗濯兼脱水槽の底部に回転自
在に配設したパルセーターと、前記パルセーターを回転
させるパルセーター駆動手段と、パルセーター回転時の
ポンプ作用により、洗濯液を洗濯兼脱水槽の内部に向け
循環吐出する吐出口と、前記給水手段、パルセーター駆
動手段などの動作を制御する制御手段とを備え、前記制
御手段は、前記給水手段により設定水位よりも低い水位
まで給水し、前記パルセーター駆動手段により、パルセ
ーターを回転させる第１の洗い行程と、この第１の洗い
行程終了後に前記給水手段により設定水位まで給水し、
前記パルセーター駆動手段によりパルセーターを回転す
る第２の洗い行程とを実行し、第１の洗い行程において
前記吐出口より洗濯液を吐出するように構成した洗濯
機。
【請求項３】制御手段は、第１の洗い行程において、
回転数の異なる複数のパルセーター回転時限を有し、こ
れらを順次自動的に実行可能とした請求項１または２記
載の洗濯機。
【請求項４】第１の洗い行程と第２の洗い行程の合計
時間を洗い時間とし、洗い時間の変更は、第１の洗い行
程の時間の変更により実行する請求項１〜３のいずれか
１項に記載の洗濯機。