JPH0852410A - 粉体塗装による立体表面形成方法 - Google Patents

粉体塗装による立体表面形成方法

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JPH0852410A
JPH0852410A JP20823694A JP20823694A JPH0852410A JP H0852410 A JPH0852410 A JP H0852410A JP 20823694 A JP20823694 A JP 20823694A JP 20823694 A JP20823694 A JP 20823694A JP H0852410 A JPH0852410 A JP H0852410A
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JP
Japan
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powder coating
coated
powder
coating
film
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JP20823694A
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English (en)
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Manji Tsutsui
万司 筒井
Susumu Takeda
進 武田
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TSUTSUI KOGYO KK
Original Assignee
TSUTSUI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属板等の被塗装体表面に粉体塗装による立体
表面を形成すること。 【構成】立体表面の凸部に対応する被塗装体表面に付着
媒体を塗布した後、粉体塗料を塗布し、その後付着媒体
により被塗装体に付着した粉体塗料を残し、それ以外の
不要な粉体塗料を吸引等により除去する。 【効果】不要な粉体塗料を吸引等により除去すると、エ
ッジのシャープな凸部膜を形成でき、その除去能率を高
めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装飾や表面補強その他
の目的のために被塗装体に立体表面を形成する粉体塗装
による立体表面形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂、着色剤、溶剤等からなる溶剤型塗
料を用いて金属表面等に高低の段差のある立体模様を形
成することは古くから行われており、例えば次のものを
例示することができる。 マスキングテープを被塗装体表面に貼って塗装した
後、マスキングテープを剥がして模様を形成する方法 油性塗料の酸化重合時の塗膜の膨脹を利用して結晶
模様やチリメン模様を形成する方法 シリコーンオイルのはじき性を利用したハンマート
ーン模様を形成する方法 相溶性のない塗料を混和し、塗膜上で相溶しない塗
料を析出させ模様を形成させる方法
【0003】ところが、最近環境問題に関連して大気汚
染の原因になる有機溶剤を排出する溶剤型塗料の使用は
好ましくないとされていることと、一回の塗装で得られ
る膜厚が溶剤型塗料では5〜15μであるのに対して4
0〜150μと厚くすることができることにより、高級
な外観仕上げと、傷が付きにくい、強靭な保護膜を形成
することができる粉体塗料が注目されるようになってき
た。粉体塗料は、樹脂等の粉体を構成成分とする組成物
であって、被塗装体に塗布されるものであるが、その塗
布方法は、粉体塗料の各粒子を帯電させるとともに、金
属板等の被塗装体をアースし、静電引力により粉体を被
塗装体表面に付着させ、ついで焼付けて造膜する、いわ
ゆる静電塗装や、粉体塗料の融点以上に予熱した被塗装
体に粉体塗料を散布するふりかけ法、さらには同じく予
熱した被塗装体を流動床から舞い上がる粉体塗料の噴霧
中に入れて塗装する流動浸漬法などによる方法が広く行
われていたり、知られている。このような粉体塗料は、
溶剤型塗料に代わり多くの金属焼付塗装分野で使用され
ており、例えばエポキシ樹脂系粉体塗料は、電気絶縁被
膜、埋設鋼管の外面被覆、金属製家具などに用いられて
おり、また、アクリル樹脂系やポリエステル樹脂系の粉
体塗料は、家庭電気製品の外装被覆や門扉、フェンス等
の塗装に用いられている。最近粉体塗料による塗装は、
例えば電気冷蔵庫、金属製家具、建築材料などの美粧を
目的とする分野では、平滑なモノカラーだけではなく、
付加価値を高めるために立体模様、多色模様、精密印刷
模様などが要求されている。
【0004】粉体塗料による塗装は、被塗装体の全面に
透明あるいは単色の被覆膜を形成することは容易である
が、透明あるいは単色の模様を形成したり、多色塗りを
行う場合には、例えば特開平5─104056号公報に
記載されているように、マスキング材を用いて粉体塗料
を静電塗装し、焼付け前にそのマスキング材を除去する
方法では、そのマスキング材の上の塗料が周囲の塗膜の
上に付着し、また、焼付け後にマスキング材を除去する
方法では、マスキング材の上に塗布された塗料が周囲の
塗膜と一体になり、マスキング材の除去を難しくし、無
理に除去しようとすると、周囲の塗膜を剥がすことにな
り、いずれもエッジのシャープな模様が得られず、境界
線の鮮明な塗り分けができないというような問題があっ
た。そのため、エッジのシャープな模様を形成するよう
な場合にはこのような問題の少ない溶剤型塗料を用いた
塗装が便利であるとされている。なお、同公報には粉体
塗料を塗布した後、ゴム製のへら等で不要部分の粉体塗
料を掻き取り、残った塗料を焼付けて模様を形成する方
法も記載されているが、この方法はへら等で掻き取ると
きに残留させる塗膜のエッジの部分が盛り上がり、この
場合もエッジのシャープな模様が得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような粉体塗料に
よる塗装に伴う問題を解決し、さらに多様化するニーズ
に応えて一品生産的に立体模様を形成したり、自由に色
を塗り分けることができる粉体塗料塗装方法として、特
開平5─104056号公報には、被加工物表面全面
に、被加工物表面の色彩とは異なる色彩の粉体塗料を静
電的に付着させてから、その不要部分の粉体塗料を吸引
除去し、その後残留させた粉体塗料を焼付けることによ
り模様を形成する方法も記載されているが、この方法で
も不要部分の粉体塗料を吸引除去するときに、残留させ
る粉体塗料の塗膜のエッジの部分も吸引されて薄くなっ
てエッジのシャープな模様が得られず、その吸引をない
ようにするために吸引力を弱くすると不要部分の粉体塗
料の除去が完全には行われず、地汚れを生じて商品価値
を損なうという問題があった。本発明の目的は、エッジ
のシャープな立体表面を形成できる粉体塗装による立体
表面形成方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、粉体塗装による膜厚の大きい立体表面形成方法を提
供することにある。本発明のさらに他の目的は、生産性
の高い粉体塗装による立体表面形成方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、被塗装体表面に立体表面を形成する立体
表面形成方法において、粉体塗料に付着性を有する付着
媒体により塗装済み又は未塗装の被塗装体表面に上記立
体表面の凸部に対応する下地膜を形成する凸部下地形成
工程と、該下地膜を含む上記被塗装体表面に上記粉体塗
料を塗布する粉体塗布工程と、該下地膜の付着媒体によ
る付着性に基づいて付着した粉体塗料を除く他の粉体塗
料を除去する表面立体化工程と、該下地膜に付着した粉
体塗料を焼付ける焼付工程を有するる粉体塗装による立
体表面形成方法を提供するものである。この際、付着媒
体が粉体塗料を溶解しない該粉体塗料の融点より高い高
沸点溶剤であることも好ましい。上記において「立体表
面形成方法」は「模様形成方法」とすることもできる。
【0007】本発明において、被塗装体とは金属基材
や、木質基材、コンクリート、鋳物、セラミック製品、
紙製品等の多孔質基材その他後述する静電塗装あるいは
散布による塗装その他粉体塗料を塗布することができる
あらゆる基材を用いることができる。被塗装体表面に立
体表面を形成するとは、凹凸のある表面を形成すること
であり、その目的は装飾のみならず、表面強度を高める
等その他どのような目的でも良い。被塗装体はその表面
が材質そのものの表面でも良いが、既に塗装されている
表面でも良く、この塗装は粉体塗料の塗装に限らず、溶
剤型塗料の塗装でも良い。また、木質基材のような多孔
質の場合にはシーラーにより目止めをし、サンドペーパ
ー等により研磨する、いわゆる空研ぎを行い、その後表
面を平滑にするために中塗り塗料を塗布したものが好ま
しい。このシーラー及び中塗り塗料としては木工塗料と
して使用されるラッカータイプ、アミノアルキッドクリ
ヤー系、ウレタン系、あるいはポリエステル系などが使
用できるが、低温硬化、作業の能率等のためには紫外線
硬化型塗料や電子線硬化型塗料が好ましい。紫外線硬化
型塗料としては、ポリエステル系、ウレタン系、エポキ
シ系、ポリエーテル系、アクリル系などのオリゴマー、
モノビニル系、ジビニル系、トリビニル系、テトラビニ
ル系などの反応性希釈剤とアセトフェノン、ベンゾイン
エーテル系、ベンジルケタール系、ケトン系などの光重
合開始剤を配合して得られるものが挙げられるが、その
塗膜は粉体塗料塗膜形成時の加熱に耐えるもの、その加
熱時に塗膜から溶剤、モノマーなどの揮発分を放出しな
いものほど好ましい。
【0008】本発明において、付着性を有する付着媒体
とは、被塗装体表面に塗布されて付着性を有するものを
いい、流動体であっても良く、粉体でも良い。付着性を
有するとは粉体塗料を被塗装体表面に付着させることを
主としていい、流動体としては液体が挙げられ、その塗
布層の有する付着性により粉体塗料を被塗装物表面に付
着させることができるが、粉体の場合には被塗装物表面
に塗布された後、例えば加熱、溶剤の塗布等により付着
性を生じることが必要である。流動体としては樹脂等の
溶融物、オリゴマー等でも良い。この付着性は粉体塗料
を被塗装体に付着させ、他の付着媒体を介しない粉体塗
料を除くまでの暫時であることが少なくとも必要である
が、永続的であっても良い。この付着媒体が粉体塗料を
良く溶解すると、その付着媒体が例えば溶剤の場合には
溶剤型塗料と同じように、後の焼付け工程の熱により気
泡が塗膜に生じるので、このような気泡の発生が好まし
くない場合にはその溶解性が少ない付着媒体が好まし
く、粉体塗料の非溶解性媒体がさらに好ましい。しか
し、若干の溶解性があることも粉体塗料を被塗装体表面
に良く接着できる場合もあるので、その場合は使用でき
る。本発明において「溶解性を有しない」とは非溶解性
の場合のみならずわずかに溶解性があっても非溶解性に
近いものも含む。
【0009】これらのことから、付着媒体としては、常
温常圧時液体であるものとして、高沸点溶剤が挙げられ
るが、粉体塗料に対する溶解性は使用する粉体塗料に応
じて異なり、一方、沸点は粉体塗料の焼付温度以下であ
っても、以上であっても良いが、後者の場合にはその付
着力を焼付け時まで保持できる点で好ましい。溶剤の沸
点としては、例えは粉体塗料は通常130℃以上で焼付
けるので、150℃以上、さらには170℃以上で蒸気
圧が5mmHg以下の低揮発性溶剤が好ましく、具体的
には、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点1
71℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(沸点
201℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル
アセテート(沸点192℃)等のグリコールエーテル
系、イソホロン(沸点214℃)等のケトン系、ソルベ
ソー150(エクソン・ケミカル社製品)等の炭化水素
系、シクロヘキサノール等のアルコール系、その他ダイ
アセトンアルコール等のケトン・アルコール系などの有
機溶剤が挙げられ、これらは単独又は混合して用いら
れ、さらには他の同様な沸点、蒸気圧の溶剤、他の異な
る沸点、蒸気圧の溶剤と混合しても用いられる。このよ
うに混合して用いるのは、粉体塗料の溶解性の調節、被
塗装体表面に対する濡れ易さ、揮発性の調節、非燃焼
性、コスト等の点からである。付着媒体として液体を使
用した場合には、塗布された粉体塗料を被塗装体表面に
付着させるたげでなく、その表面張力による毛細管現象
により粉体塗料粒子の間隙からその上層部まで上昇し、
粒子同志が強く結合するため、厚膜塗装をすることがで
き、余分な粉体塗料を除去する際、模様の端面を保持
し、シャープなエッジを得ることができる。この際、粉
体塗料を加圧して溶剤をしみださせても良く、加熱して
も良い。
【0010】付着媒体としては、粘ちょうな液体の方が
良い効果が得られ、このようにすると、被塗装体表面に
塗布される溶剤の量も増加するので、塗布された粉体塗
料の付着する量も増加し、300μを越える厚膜塗膜を
形成することができる。粘ちょうな液体としては、例え
ばエチレングリコール(沸点197℃)が挙げられる。
このほか、高沸点であればどのような種類でも良いが、
粉体塗料と相溶性があると、塗膜の光沢を変えたり、塗
膜物性を害する恐れがあるので相溶性がない方が好まし
い。本発明において、付着媒体としては、粉体塗料を溶
解しない該粉体塗料の融点より高い沸点を有する高沸点
溶剤であることも好ましい。溶剤は有機溶剤であること
も好ましい。
【0011】また、加熱することにより流動性を発揮す
る付着媒体としては、ホットメルト型接着剤が挙げら
れ、具体的にはエチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレ
ン性不飽和化合物と酢酸ビニルあるいはさらにその他の
不飽和化合物を共重合させた化合物、ロジン、ロジン誘
導体等が挙げられ、これらは単独又は溶剤その他の添加
物を混合したものでも良い。この場合、粉体塗料の樹脂
成分と同じホットメルト接着剤を使用すると、粉体塗料
とのなじみが良く、接着性等の点で好ましいことがあ
る。
【0012】このような付着媒体を被塗装体表面に塗布
し、得ようとする立体表面の凸部に対応する部分に下地
膜を形成するには、各種印刷方式、刷毛塗り、流動物を
細孔から吐出させながら被塗装体表面に擦り付ける方
法、噴射等が使用できる。
【0013】本発明において、粉体塗料塗布工程、すな
わち下地膜を含む被塗装体表面に粉体塗料を塗布する塗
布方法は、静電塗装方法、例えば空気とともに帯電した
粉体塗料をアースした被塗装体表面に供給し、粉体塗料
を被塗装体表面に静電気的引力により付着させることが
できる静電塗装方法を使用することができるが、これの
みならず、静電気による引力の必要なしに被塗装体表面
に粉体塗料を付着させることができるので、単に粉体塗
料を機械的に散布する方法、例えは粉体塗料をホッパー
から搬送装置により搬送される被塗装体の表面に停止又
は前後に振動している篩を通して散布する方法でも良
く、さらに電圧を印加しないで粉体塗料を吹きつける方
法、密閉した容器の底に設けた多孔板から高圧の空気等
のガスを噴出させ、多孔板にのせた粉体を舞い立たせた
霧の中に被塗装体を入れて塗布する流動浸漬法その他粉
体塗料を供給できるあらゆる方法が適用できる。
【0014】本発明において使用される粉体塗料は、熱
可塑生粉体塗料、熱硬化性粉体塗料のいずれも使用でき
る。粉体塗料は樹脂及び必要に応じて可塑剤、着色剤
(染料や顔料を含む)、流展剤、黄変防止剤等の添加剤
からなる組成物を練り合わせ、粉体化したものである。
木質基材用としてはこれらから顔料を除いた無色透明な
クリヤー又は染料を加えた着色クリヤー塗料を使用する
と生地の模様を活かした仕上げをすることができる。樹
脂成分としては熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂
系、ポリ塩化ビニル樹脂系、ポリアミド系、ポリエステ
ル系などを使用することができる。また、熱硬化性樹脂
系ではエポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ
樹脂系とポリエステル樹脂系からなるハイブリッド系、
アクリル系などを使用することができる。これらの樹脂
のうち、熱可塑性樹脂の溶融は一般には200℃以上の
加熱を必要とするので、木質基材のように水分や空気を
含む多孔質基材の場合にはこれらによる発泡を避けるた
めにより低温、例えば130℃以上で溶融し、造膜する
熱硬化性樹脂を使用した粉体塗料を使用することが好ま
しい。
【0015】本発明において、表面立体化工程では、塗
布した粉体塗料が下地膜に付着したものを除いて除去さ
れるが、その除去方法としては、負圧を利用して吸引除
去する方法、空気等の加圧気体を吹きつけて吹き飛ばす
方法、被塗装体を傾けたり、裏返すことにより自然落下
させる方法、さらには振動を加えてこの自然落下に加え
て強制落下させる方法等、下地膜に付着した粉体塗料と
その他の表面に単に載置された粉体塗料との下地に対す
る付着力の差を利用したあらゆる方法を用いることがで
きる。
【0016】本発明において、焼付け工程では、下地膜
に付着した塗料が焼付けられる。その加熱は対流加熱
や、近赤外線、遠赤外線(セラミック等を放射体とす
る)の熱線照射による加熱その他のどのような焼付け手
段でも良いが、多孔質基材を被塗装体とする場合には、
熱線照射によりその強度、照射距離、照射時間をコント
ロールすることによる局部加熱が好ましい。なお、この
局部加熱については特願平5─112495号明細書に
詳細に記載されており、その方法を使用できる。
【0017】多孔質基材の場合には、多孔質基材にシー
ラーを塗布する工程と、該シーラー塗装体を研磨する工
程と、該研磨面に中塗り塗料を塗布する工程と、該中塗
り塗膜を介して粉体塗料を塗布する工程と、該粉体塗料
塗布層をほぼ局部加熱する熱線照射工程を有する多孔質
基材粉体塗料塗装体の製造法において、上記粉体塗料を
塗布する工程は、被塗装体表面に立体表面を形成する立
体表面形成方法として、粉体塗料に付着性を有する付着
媒体により塗装済み又は未塗装の被塗装体表面に上記立
体表面の凸部に対応する下地膜を形成する凸部下地形成
工程と、該下地膜を含む上記被塗装体表面に上記粉体塗
料を塗布する粉体塗布工程と、該下地膜の付着媒体によ
る付着性に基づいて付着した粉体塗料を除いて他の粉体
塗料を除去する表面立体化工程と、該下地膜に付着した
粉体塗料を焼付ける焼付工程を有するる粉体塗装による
立体表面形成方法を適用することができる。このように
すると、平坦な基材のみならず曲面の基材についても、
多孔質内部の水分、空気はその放出を抑制され、発泡の
ない平滑な塗膜を得ることができる。
【0018】
【作用】立体表面の凸部に対応する部分に付着性を有す
る付着媒体の下地膜を形成した被塗装体表面に粉体塗料
を塗布すると、その下地膜にその付着力により強く付着
した粉体塗料と、その他の下地膜のない部分に単に物理
的に載置された粉体塗料とはその付着力の点で区別する
ことができ、その付着力の差を利用して後者を前者から
その境界線を明確にして除去することがきる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1中、(イ)に示すように、1は軟鋼板からなる被塗
装体であり、その表面は化成処理されている。その表面
にエチレングリコールモノブチルエーテルを刷毛により
所望の模様に塗布し、下地膜2を形成する。次に、同図
(ロ)に示すように、次の組成の粉体塗料3を静電電圧
を印加しないで粉体塗装機により膜厚約50μの塗膜を
形成するように塗布する。なお、この粉体塗料は通常の
粉体塗料製造法にしたがい、下記成分をプレミックス、
コニーダーによる練合わせ、粉砕の後、150メッシュ
の篩で粗粒子を除いたアクリル系粉体塗料である。 粉体塗料配合 ファインデック A−224S 65重量部 (大日本インキ化学工業(株)製アクリル系熱硬化型樹脂) ドデカン2酸 14重量部 モダフロー 1重量部 (モンサント社製) このようにすると、下地膜のエチレングリコールモノブ
チルエーテルは上記樹脂を溶解しないので、上記粉体塗
料の粒子間隙を毛細管現象により上昇し、塗布層の上層
まで浸透して粉体塗料粒子相互を結合する。この際その
浸透を速めるために加圧あるいは加熱しても良い。この
状態で、同図(ハ)に示すように、電気掃除器の吸引ノ
ズル4により塗布した粉体塗料3を吸引すると、下地膜
2の上の粉体塗料はその下地に対する付着力により残留
するが、それ以外の下地膜2のない下地の粉体塗料は物
理的載置により付着しているだけであるから、吸引力に
より容易に除去され、粉体塗料の***凸部5、5が形成
される。そして、同図(ニ)に示すように、赤外線を照
射することにより、180℃、20分加熱にすると、粉
体塗料粒子を金属面に付着あるいは粒子相互を結合して
いたエチレングリコールモノブチルエーテルが揮発除去
されるとともに、***凸部5、5は溶融する。これを冷
却すると、エッジのシャープな模様の凸部膜6、6が形
成される。
【0020】実施例2 第2図に示すように、同図(ハ)において粉体塗料を吸
引する操作を行う代わりにノズル7から圧力空気(2K
g/cm2 )を吹きつけて下地膜2以外の下地の粉体塗
料を除去した以外は同様にして模様の凸部膜6、6を形
成した。なお、第1図と同一符合は同一構成部分を示
す。
【0021】実施例3 木質基材として、ゴムと米ツガ集成材からなる220×
230×25mm、含水率10%の平板試験片に、水性
紫外線硬化型塗料(玄々化学社製、製品名ウルトラVカ
ラー)を塗布量30g/m2 で塗布し、80W/cm2
の紫外線照射ランプから、照射距離150mm、照射時
間20秒の条件で紫外線を照射し、塗膜を硬化させる。
次に#180のサンドペーパーで塗膜表面を研磨する。
その後、この研磨した塗布面に再度上記水性紫外線硬化
型塗料からなる塗布膜を同じ塗布量、同じ照射条件で設
ける。このようにしてシーラー塗膜及びその研磨面に設
けた中塗り塗膜からなる下地が形成される。以下、実施
例1と同様にして下地膜を形成した後、粉体塗料を塗布
し、その不要部分を除去した。そして、電気加熱型セラ
ミックヒーターと試験片との距離を80cmとし、4分
間赤外線を照射し、塗膜を形成した。なお、図1、図2
中、金属板1を平板試験片1とすることにより、同図の
符合は本実施例の場合にも適用できるが、図示省略し
た。
【0022】実施例4 エチレングリコールを軟鋼板の上に筆で塗布した後、ト
アパウダー#1800黒((株)トウペ製ハイブリッド
型粉体塗料)を静電塗装法あるいは実施例1と同様の方
法により塗布量400g/m2 で塗布する。ついで実施
例1と同様にして電気掃除器の吸引ノズルを用いて、粉
体塗料を吸引して不要の粉体塗料を除去した後、180
℃、20分加熱した。その結果、上記の溶液を塗布した
部分は膜厚250μの粉体塗料塗装膜の凸模様を形成
し、その他の部分は粉体塗料が除かれて、地汚れのない
塗装板を得ることができた。
【0023】上記実施例1その他において、トアパウダ
ー#4300白((株)トウペ製ポリエステル系粉体塗
料)を使用しても良く、次の粉体塗料を使用しても良
い。 アクリル系粉体塗料白 ファインディック A−224S 56.94部 (アクリル樹脂、EQ−54、大日本インキ化学工業(株)製) ドデカン2酸(DDA) 9.72部 (東亜合成製) エピクロン1004 2.78部 (油化シェルエポキシ社製) モダフロー(流展剤) 0.69部 酸化チタン(顔料) 29.87部 合計 100部 但し、焼付条件は180℃、20分 エポキシ樹脂系粉体塗料白 XAC−5017 53.0部 (エポキシ樹脂、エポキシ当量760、日本チバガイギー社製) LS−HO5(硬化剤、フェノール系) 19.1部 2MZ(硬化促進剤、2−イミダゾール、四国化成社製) 0.3部 Modaflow Powder 1.1部 (流展剤、モンサントケミカル社製) ベンゾイン 0.2部 (流展剤、和光純薬他) 酸化チタン(顔料、ルチルタイプ) 26.5部 合計 100.2部 但し、焼付条件は140℃、20分 ハイブリッド型粉体塗料白 XAC−5017(上述) 34.9部 ER−8120 31.6部 (ポリエステル樹脂、酸価80、日本エステル社製) C11Z 0.1部 (硬化促進剤、2−ウンデシルイミダゾール、四国化成社製) OMF 0.1部 Modaflow Powder(上述) 0.7部 ベンゾイン 0.3部 酸化チタン 32.9部 合計 99.9部 但し、焼付条件は150〜160℃、20分 ウレタン硬化型ポリエステル樹脂粉体塗料白 ファインディック M8020 48.8部 (酸基含有ポリエステル樹脂、OH価30、大日本インキ化学工業(株) 製) クレランUI 8.9部 (硬化剤、ブロックドIPDI(芳香族ジイソシアネート化合物)、バイ エルジャパン社製) エピクロン−2050 1.8部 (加工性改良剤、エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業(株)) ベンゾイン(流展剤) 0.3部 アクロナール4F 0.3部 (流展剤、BASF社性) 酸化チタン(顔料) 39.9部 ジブチル錫ジラウレート(解離触媒) 0.2部 合計 100.0部 但し、焼付条件 180〜190℃、20分 TGIC硬化ポリエステル粉体塗料白 UlaLaac P3900 61.1部 (酸含有ポリエステル樹脂、DSM、酸価30−36) TGIC(トリグリシジル・イソシアヌレート) 4.6部 (硬化剤、TGIC) Modaflow Powder(上述) 1.0部 ベンゾイン(流展剤) 0.3部 酸化チタン(顔料) 32.8部 合計 100.0部 但し、焼付条件 200℃、10分
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、付着媒体による下地膜
を形成した後粉体塗料を塗布し、不要な粉体塗料を除去
するようにしたので、粉体塗料の塗装装置等による塗布
を妨げず、しかも下地膜により粉体塗料は被塗装体表面
に良く付着するとともに相互にも良く結合するので、不
要部分の粉体塗料の除去のために吸引力や吹き飛ばし圧
その他ふるい落としのための振動等を大きくすることが
でき、これにより下地汚れのない、膜厚の大きい、エッ
ジのシャープな立体表面を形成でき、美麗な外観の模様
等を形成できる。また、不要部分の粉体塗料の除去のた
めの吸引力等を大きくできるので、それだけその除去効
率を高めることができ、生産能率を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の工程説明図である。
【図2】その第2の実施例の工程説明図である。
【符号の説明】
1 被塗装体 2 下地膜 3 粉体塗料 4 吸引ノズル 5 ***凸部 6 模様の凸部膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装体表面に立体表面を形成する立体
    表面形成方法において、粉体塗料に付着性を有する付着
    媒体により塗装済み又は未塗装の被塗装体表面に上記立
    体表面の凸部に対応する下地膜を形成する凸部下地形成
    工程と、該下地膜を含む上記被塗装体表面に上記粉体塗
    料を塗布する粉体塗布工程と、該下地膜の付着媒体によ
    る付着性に基づいて付着した粉体塗料以外の他の粉体塗
    料を除去する表面立体化工程と、該下地膜に付着した粉
    体塗料を焼付ける焼付工程を有するる粉体塗装による立
    体表面形成方法。
  2. 【請求項2】 付着媒体が粉体塗料を溶解しない該粉体
    塗料の融点より高い高沸点溶剤である請求項1記載の粉
    体塗装による立体表面形成方法。
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