JPH0851334A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH0851334A
JPH0851334A JP6242457A JP24245794A JPH0851334A JP H0851334 A JPH0851334 A JP H0851334A JP 6242457 A JP6242457 A JP 6242457A JP 24245794 A JP24245794 A JP 24245794A JP H0851334 A JPH0851334 A JP H0851334A
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surface acoustic
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徹 山田
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俊雄 石崎
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弘三 村上
Kazunori Nishimura
和紀 西村
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
    • H03H9/0023Balance-unbalance or balance-balance networks
    • H03H9/0028Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices
    • H03H9/008Balance-unbalance or balance-balance networks using surface acoustic wave devices having three acoustic tracks

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化、広帯域化を図ることができると共
に、安定した特性を実現することができ、また、平衡入
出力化をも実現することができる弾性表面波フィルタを
提供する 【構成】 圧電基板51上に、IDT電極52a、反射
器電極52b、52cからなる第1のSAW共振器と、
IDT電極53a、反射器電極53b、53cからなる
第2のSAW共振器と、IDT電極54a、反射器電極
54b、54cからなる第3のSAW共振器を形成す
る。IDT電極53aの一方の電極指を、IDT電極5
2aと反射器電極52bとの間隙に設けた電極パターン
を介して接地する。IDT電極53aの他方の電極指
を、IDT電極54aと反射器電極54cとの間隙に設
けた電極パターンを介して接地する。IDT電極の互い
に隣接する部分のバスバー電極を電気的に独立させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無線機の高周波回路な
どに使用される弾性表面波フィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波(SAW)フィルタは、従来
より通信機器の送受信回路内のRF、IF段のフィルタ
として盛んに用いられている。近年、移動体通信のデジ
タル化に伴い、デジタル携帯電話やデジタルコードレス
電話の開発が盛んに推められている。これらに用いられ
る通信方式においては、振幅以外に位相にも情報を持た
せているため、IF段に用いられるフィルタも振幅特性
が良いだけではなく群遅延偏差特性が平坦であることが
重要である。また、隣接チャネルの信号と所望の信号を
区別する選択度についても優れた特性が要求されている
ため、急峻な帯域外減衰量特性が必要とされる。さら
に、最近はセットの小型化に伴う高密度実装化により、
接地強度不足やシールド不足による部品間の結合や干渉
が問題となっており、その影響を抑えるために平衡型回
路の開発が進められている。
【0003】従来、IF段に使用することができるSA
Wフィルタとしては、トランスバーサル型のSAWフィ
ルタと縦モード結合共振器型及び横モード結合共振器型
の2種類のSAW共振器フィルタがよく知られている。
トランスバーサル型のSAWフィルタは優れた群遅延偏
差特性を有するが、挿入損失及びサイズが大きく、帯域
外減衰量特性も悪い。一方、SAW共振器フィルタは優
れた帯域外減衰量特性を有し、挿入損失及びサイズも小
さいが、トランスバーサル型と比較して群遅延偏差特性
が劣る。また、縦モード結合共振器型は通過帯域の近傍
高域側に大きなスプリアスが存在することを特徴とし、
横モード結合共振器型は非常に狭帯域な通過特性を有す
ることを特徴とする。従来の移動体通信用のIFフィル
タとしては、小型で帯域外減衰量特性の優れた横モード
結合共振器型のSAWフィルタがよく用いられてきた。
【0004】以下、従来の横モード結合共振器型SAW
フィルタについて説明する。図24は従来技術における
横モード結合共振器型SAWフィルタの電極パターンを
示す構成図である。図24において、241は単結晶圧
電基板であり、この圧電基板241の上に電極パターン
を形成することにより、弾性表面波を励起させることが
できる。242aはインタデジタルトランスジューサ
(IDT)電極であり、その両側に反射器電極242
b、242cを配置することにより、エネルギー閉じ込
め型のSAW共振器が形成されている。また、IDT電
極243aと反射器電極243b、243cとにより同
様のSAW共振器が形成されている。そして、上記2つ
の共振器は近接配置され、その間に音響結合が生じるこ
とによって第1段のSAW共振器フィルタが構成されて
いる。さらに、圧電基板241の上には、IDT電極2
44a、245a及び反射器電極244b、244c、
245b、245cにより、上記と同様に第2段のSA
W共振器フィルタが構成されている。上記2段のSAW
共振器フィルタは電極パターン246によって電気的に
縦続に接続されており、これにより多段接続のSAWフ
ィルタが構成されている。
【0005】以上のように構成された多段接続のSAW
フィルタは、IDT電極の電極指交差幅と近接配置され
た2つのSAW共振器間の距離とによって圧電基板上に
励起する2種類の弾性表面波のモード周波数が決定さ
れ、フィルタの通過帯域幅が定めらる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
構成された多段接続のSAWフィルタにおいては、実現
可能な帯域幅が非常に狭く、実現されるフィルタの比帯
域幅(フィルタの中心周波数で規格化した帯域幅)は高
々0.1%程度である。また、入出力インピーダンス特
性は、IDT電極の指交差幅の寸法に依存するため、任
意のインピーダンスを実現することは困難である。さら
に、入出力段のIDT電極242a、245aの電極指
の片側は接地されているため、平衡入出力化を実現する
ことはできない。
【0007】また、上記したデジタル化に対応させるた
めには、(1)通過特性をより広帯域化して群遅延偏差
特性の平坦な帯域を広くすること、(2)平衡入出力を
可能にすることが要求される。従来、広帯域化が必要な
場合には、フィルタの段間とアースとの間に伸長コイル
を挿入していた。また、周辺回路へ接続するために、入
出力段に整合回路素子を付加していた。
【0008】しかし、このような構成では、SAWフィ
ルタの外部に伸長コイルや整合回路素子を伴うために、
部品点数が増えて回路全体のサイズが大きくなると共
に、これらの素子のバラツキや結合がフィルタの回路特
性に悪影響を及ぼし、さらに入出力が非平衡であるとい
った問題点があった。
【0009】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、小型化、広帯域化を図ることができると共
に、安定した特性を実現することができ、また、平衡入
出力化をも実現することができる弾性表面波フィルタを
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る弾性表面波フィルタの第1の構成は、
圧電基板上に、インタデジタルトランスジューサ(ID
T)電極の両側に反射器電極を具備した弾性表面波(S
AW)共振器を、SAWの伝搬方向と平行に3個近接配
置して音響結合させ、中央に配置された前記SAW共振
器を構成するIDT電極を全て接地すると共に、外側に
配置された前記SAW共振器を構成するIDT電極を電
気的に独立させたものである。
【0011】また、前記本発明の第1の構成において
は、中央に配置されたSAW共振器を構成するIDT電
極を、外側に配置されたSAW共振器を構成するIDT
電極と反射器電極との間隙に配した電極パターンを介し
て接地するのが好ましい。
【0012】また、前記本発明の第1の構成において
は、圧電基板上に形成された段間接続電極パターンによ
り複数個縦続に接続するのが好ましい。また、この場合
には、段間接続電極パターンの一部にボンディング用の
電極パッドを形成するのが好ましい。また、この場合に
は、段間接続電極パターンを、同一圧電基板上の電極パ
ターンによって形成したリアクタンス素子を介して接地
するのが好ましい。この場合には、さらに、リアクタン
ス素子がスパイラルインダクタであるのが好ましい。
【0013】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第2の構成は、圧電基板上に、IDT電極の両側に反射
器電極を具備したSAW共振器を、SAWの伝搬方向と
平行に3個近接配置して音響結合させ、隣接する前記S
AW共振器間の2箇所のバスバー用電極パターンを分割
すると共に、中央に配置された前記SAW共振器を構成
するIDT電極を全て接地したものである。
【0014】また、前記本発明の第2の構成において
は、外側に配置された一方のSAW共振器を構成するI
DT電極を平衡型入力端子に接続し、外側に配置された
もう一方のSAW共振器を構成するIDT電極を平衡型
出力端子に接続するのが好ましい。また、この場合に
は、外側に配置されたSAW共振器のIDT電極を構成
するバスバー用電極パターンの線路幅を、中央に配置さ
れたSAW共振器のIDT電極を構成するバスバー用電
極パターンの線路幅よりも大きくするのが好ましい。
【0015】また、前記本発明の第2の構成において
は、中央に配置されたSAW共振器を構成するIDT電
極を、外側に配置されたSAW共振器のIDT電極と反
射器電極との間隙に配した電極パターンを介して接地す
るのが好ましい。
【0016】また、前記本発明の第2の構成において
は、圧電基板上に形成された複数本の段間接続電極パタ
ーンにより複数個縦続に接続するのが好ましい。また、
この場合には、複数本の段間接続電極パターンの一部に
ボンディング用の電極パッドを形成するのが好ましい。
また、この場合には、複数本の段間接続電極パターン同
士をリアクタンス素子を介して接続するのが好ましい。
また、この場合には、複数本の段間接続電極パターンの
一方を接地し、もう一方の段間接続電極パターンをリア
クタンス素子を介して接地するのが好ましい。この場合
には、さらに、リアクタンス素子が同一圧電基板上の電
極パターンによって形成されたスパイラルインダクタで
あるのが好ましい。
【0017】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第3の構成は、圧電基板上に、IDT電極の両側に反射
器電極を具備したSAW共振器を、SAWの伝搬方向と
平行に2個形成し、前記SAW共振器間に、前記SAW
共振器のIDT電極指交差幅と同程度の長さを有するス
トリップライン電極を、前記SAW共振器と同一の電極
周期で並行配置することによって、周期構造状電極列を
形成すると共に、前記SAW共振器と前記周期構造状電
極列を近接配置して音響結合させたものである。
【0018】また、前記本発明の第3の構成において
は、周期構造状電極列を構成する各ストリップライン電
極を、その両端に設けたバスバー電極によって互いに接
続するのが好ましい。また、この場合には、周期構造状
電極を、外側に配置されたSAW共振器のIDT電極と
反射器電極との間隙に配した電極とバスバー電極を介し
て接地するのが好ましい。さらに、この場合には、外側
に配置された一方のSAW共振器電極を平衡型入力端子
に接続し、外側に配置されたもう一方のSAW共振器電
極を平衡型出力端子に接続するのが好ましい。さらに、
この場合には、外側に配置されたSAW共振器を構成す
るIDT電極の、周期構造状電極と隣接する側のバスバ
ー用電極パターンの線路幅を、前記周期構造状電極に形
成したバスバー用電極パターンの線路幅よりも大きくす
るのが好ましい。また、この場合には、圧電基板上に形
成された段間接続電極パターンにより複数個縦続に接続
するのが好ましい。
【0019】また、前記本発明の第3の構成において
は、SAW共振器の周期構造状電極列と隣接する側のI
DT電極と、前記周期構造状電極列を接続するバスバー
電極を一体化すると共に、前記周期構造状電極列を接地
するのが好ましい。また、この場合には、圧電基板上に
形成された複数本の段間接続電極パターンにより複数個
縦続に接続するのが好ましい。また、本発明に係る弾性
表面波フィルタの第4の構成は、圧電基板上に、IDT
電極の両側に反射器電極を具備したSAW共振器を近接
配置して音響結合させたSAW共振器フィルタを2個形
成し、第1のSAW共振器フィルタを構成するSAW共
振器の電極配置は逆相とし、第2のSAW共振器フィル
タを構成するSAW共振器の電極配置は同相とすると共
に、前記第1のSAW共振器フィルタと前記第2のSA
W共振器フィルタを並列に接続したものである。
【0020】前記本発明の第4の構成においては、第1
及び第2のSAW共振器フィルタのうち、いずれか一方
のSAW共振器フィルタの高域側励起周波数と、他方の
SAW共振器フィルタの低域側励起周波数の値を一致さ
せるのが好ましい。
【0021】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第5の構成は、圧電基板上に、IDT電極の両側に反射
器電極を具備したSAW共振器を近接配置して音響結合
させたSAW共振器フィルタを4個形成し、第1及び第
2のSAW共振器フィルタを構成するSAW共振器の電
極配置は逆相とし、第3及び第4のSAW共振器フィル
タを構成するSAW共振器の電極配置は同相とし、前記
第1のSAW共振器フィルタと前記第3のSAW共振器
フィルタを並列に接続し、前記第2のSAW共振器フィ
ルタと前記第4のSAW共振器フィルタを並列に接続す
ると共に、前記第1及び第3のSAW共振器フィルタと
前記第2及び第4のSAW共振器フィルタとの間を前記
圧電基板上に形成された電極パターンにより縦続に接続
したものである。
【0022】また、前記本発明の第5の構成において
は、第1及び第3のSAW共振器フィルタのうち、いず
れか一方のSAW共振器フィルタの高域側励起周波数と
他方のSAW共振器フィルタの低域側励起周波数の値を
一致させ、かつ第2及び第4のSAW共振器フィルタの
うち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側励
起周波数と他方のSAW共振器フィルタの低域側励起周
波数の値を一致させるのが好ましい。
【0023】また、前記本発明の第5の構成において
は、第1のSAW共振器フィルタと第2のSAW共振器
フィルタを弾性表面波が伝搬する方向と平行に隣合わせ
て配置すると共に、第3のSAW共振器フィルタと第4
のSAW共振器フィルタを弾性表面波が伝搬する方向と
平行に隣合わせて配置するのが好ましい。
【0024】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第6の構成は、圧電基板上に、IDT電極の両側に反射
器を具備したSAW共振器を近接配置して音響結合させ
ることによって、SAW共振器フィルタを構成し、前記
SAW共振器フィルタの近接するIDT電極の中央部の
バスバー用電極パターンを分割すると共に、近接配置さ
れた複数個の前記SAW共振器が電気的に独立したバス
バーを有するものである。
【0025】また、前記本発明の第6の構成において
は、弾性表面波フィルタを同一圧電基板上に2個形成
し、第1のSAW共振器フィルタを構成するSAW共振
器の電極配置は逆相とし、第2のSAW共振器フィルタ
を構成するSAW共振器の電極配置は同相とすると共
に、前記第1のSAW共振器フィルタと前記第2のSA
W共振器フィルタを並列に接続するのが好ましい。ま
た、この場合には、第1及び第2のSAW共振器フィル
タのうち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域
側励起周波数と、他方のSAW共振器フィルタの低域側
励起周波数の値を一致させるのが好ましい。
【0026】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第7の構成は、圧電基板上に、IDT電極の両側に反射
器電極を具備したSAW共振器を近接配置して音響結合
させたSAW共振器フィルタの中央部バスバー用電極パ
ターンを分割し、前記SAW共振器フィルタを4個形成
し、第1及び第2のSAW共振器フィルタを構成するS
AW共振器の電極配置は逆相とし、第3及び第4のSA
W共振器フィルタを構成するSAW共振器の電極配置は
同相とし、前記第1のSAW共振器フィルタと前記第3
のSAW共振器フィルタを並列に接続し、前記第2のS
AW共振器フィルタと前記第4のSAW共振器フィルタ
を並列に接続すると共に、前記第1及び第3のSAW共
振器フィルタと前記第2及び第4のSAW共振器フィル
タの間を前記圧電基板上に形成された電極パターンによ
り縦続に接続したものである。
【0027】また、前記本発明の第7の構成において
は、第1及び第3のSAWフィルタのうち、いずれか一
方のSAW共振器フィルタの高域側励起周波数と他方の
SAW共振器フィルタの低域側励起周波数の値を一致さ
せ、かつ、第2及び第4のSAW共振器フィルタのう
ち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側励起
周波数と他方のSAW共振器フィルタの低域側励起周波
数の値を一致させるのが好ましい。
【0028】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第8の構成は、SAWフィルタを構成する電極パターン
の一部を利用してリアクタンス素子を形成したものであ
る。また、前記本発明の第8の構成においては、IDT
電極と反射器電極とを具備し、前記反射器電極を利用し
てリアクタンス素子を形成するのが好ましい。また、こ
の場合には、リアクタンス素子が、反射器電極を構成す
る並行配置されたストリップライン電極を略つずら折状
に接続して形成したインダクタであるのが好ましい。ま
た、この場合には、リアクタンス素子が、反射器電極を
構成する並行配置された複数本のストリップライン電極
を束ねて略つずら折状に接続して形成したインダクタで
あるのが好ましい。また、この場合には、リアクタンス
素子が、反射器電極を構成する並行配置されたストリッ
プ電極をインタデジタル形に接続して形成したキャパシ
タであるのが好ましい。
【0029】また、前記本発明の第8の構成において
は、リアクタンス素子を用いて入出力整合回路を構成す
るのが好ましい。また、前記本発明の第8の構成におい
ては、リアクタンス素子を用いて段間整合回路を構成す
るのが好ましい。
【0030】また、前記本発明の第8の構成において
は、IDT電極の両側に反射器電極を具備したSAW共
振器を複数個近接配置して音響結合させるのが好まし
い。また、この場合には、反射器電極を利用してリアク
タンス素子を構成するのが好ましい。
【0031】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第9の構成は、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を複数個近接配置して音響結合させたS
AW共振器フィルタを同一圧電基板上に複数個形成し、
前記SAW共振器フィルタ間を縦続に接続すると共に、
前記圧電基板上の電極パターンによって形成したリアク
タンス素子を用いて入出力整合回路を構成したものであ
る。
【0032】また、前記本発明の第9の構成において
は、反射器電極を利用してリアクタンス素子を構成する
のが好ましい。また、本発明に係る弾性表面波フィルタ
の第10の構成は、IDT電極の両側に反射器電極を具
備したSAW共振器を複数個近接配置して音響結合させ
たSAW共振器フィルタを同一圧電基板上に複数個形成
し、前記SAW共振器フィルタ間を縦続に接続すると共
に、前記接続点を同一圧電基板上の電極パターンによっ
て形成したリアクタンス素子を介して接地したものであ
る。
【0033】また、前記本発明の第10の構成において
は、リアクタンス素子がスパイラルインダクタであるの
が好ましい。また、この場合には、複数個のSAWフィ
ルタ間のスペースを利用してスパイラルインダクタを形
成するのが好ましい。また、この場合には、スパイラル
インダクタの隣接する巻線電極パターン間を短絡接続す
る短絡電極パターンを少なくとも1箇所に設けるのが好
ましい。
【0034】
【作用】前記本発明の第1の構成によれば、圧電基板上
に、IDT電極の両側に反射器電極を具備したSAW共
振器を、SAWの伝搬方向と平行に3個近接配置して音
響結合させ、中央に配置された前記SAW共振器を構成
するIDT電極を全て接地すると共に、外側に配置され
た前記SAW共振器を構成するIDT電極を電気的に独
立させたことにより、中央に配置されたSAW共振器の
ポテンシャルが自由に分布できると共に、外側に配置さ
れたSAW共振器間でポテンシャルがキャンセルされる
ことはないので、2次モードに関しても強い励振強度を
得ることができる。その結果、3つの励起モードを利用
したSAWフィルタを実現することができ、外部伸長コ
イル等を用いることなく、従来の2つの励起モードを利
用したSAWフィルタよりも広帯域な通過特性を得るこ
とができるので、フィルタ回路の小型化を図ることがで
きる。また、このように3つの励起モードを利用したS
AWフィルタを実現することができるために、従来の2
次のSAWフィルタよりも帯域外減衰傾度特性が急峻と
なり、より良好な選択度特性を得ることもできる。
【0035】また、前記本発明の第1の構成において、
中央に配置されたSAW共振器を構成するIDT電極
を、外側に配置されたSAW共振器を構成するIDT電
極と反射器電極との間隙に配した電極パターンを介して
接地するという好ましい構成によれば、SAW共振器を
構成するIDT電極と反射器電極との間隔を決定する自
由度が増すため、IDT電極と反射器電極との間隔を適
切に定めて帯域外スプリアスを抑制することができる。
その結果、より良好な帯域外特性を得ることができる。
【0036】また、前記本発明の第1の構成において、
圧電基板上に形成された段間接続電極パターンにより複
数個縦続に接続するという好ましい構成によれば、帯域
外減衰量特性が大幅に改善され、より良好なフィルタ特
性を得ることができる。また、この場合、段間接続電極
パターンの一部にボンディング用の電極パッドを形成す
るという好ましい構成によれば、段間接続電極パターン
にインダクタンス等の整合素子を接続して良好な通過特
性を得る場合に、段間接続電極パターンと外部回路との
接続が容易になる。また、この場合、段間接続電極パタ
ーンを、同一圧電基板上の電極パターンによって形成し
たリアクタンス素子を介して接地するという好ましい構
成によれば、外部回路が不要となるため、フィルタ回路
の小型化を図ることができる。この場合、さらに、リア
クタンス素子がスパイラルインダクタであるという好ま
しい構成によれば、リアクタンス素子の小型化を図るこ
とができる。
【0037】また、前記本発明の第2の構成によれば、
圧電基板上に、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を、SAWの伝搬方向と平行に3個近接
配置して音響結合させ、隣接する前記SAW共振器間の
2箇所のバスバー用電極パターンを分割すると共に、中
央に配置された前記SAW共振器を構成するIDT電極
を全て接地したことにより、IDT電極中央部のバスバ
ーを電気的に独立させることができるので、外側に配置
されたSAW共振器のIDT電極を全て独立に配線する
ことができる。従って、SAWフィルタを構成するID
T電極のうち、中央に配置されたSAW共振器のIDT
電極のみが接地されることとなるので、この部分を入出
力端子とは電気的に独立させることができる。その結
果、IDT電極の接地状態がフィルタの入出力特性に直
接影響するはなく、さらに、入出力端子間の信号の直達
成分も大幅に減少するため、フィルタの帯域外減衰量特
性をさらに改善することができる。
【0038】また、前記本発明の第2の構成において、
外側に配置された一方のSAW共振器を構成するIDT
電極を平衡型入力端子に接続し、外側に配置されたもう
一方のSAW共振器を構成するIDT電極を平衡型出力
端子に接続するという好ましい構成によれば、バラン等
の外部回路を用いることなく、フィルタの前後段にIC
等の平衡型素子を接続することができるので、回路全体
のノイズ特性を改善することができる。また、この場
合、外側に配置されたSAW共振器のIDT電極を構成
するバスバー用電極パターンの線路幅を、中央に配置さ
れたSAW共振器のIDT電極を構成するバスバー用電
極パターンの線路幅よりも大きくするという好ましい構
成によれば、フィルタの挿入損失を改善することができ
る。以下に、その理由を説明する。隣接するSAW共振
器のIDT電極を構成する櫛形電極間の距離Gは、2つ
のSAW共振器の結合度を支配し、この距離が小さいほ
どSAW共振器間の結合度が増すために広帯域化には好
ましい。しかし、この距離Gがあまり小さいと、この部
分に設けられているバスバー電極の線路幅W1 、W2
それ以上に小さくなるため、この部分のIDT電極の電
気的抵抗損がフィルタの挿入損失に与える影響を無視す
ることができなくなる。ここで、外側に配置されたバス
バー電極(線路幅W1 )は直接平衡入出力端子の一方に
接続されているが、中央に配置されたバスバー電極(線
路幅W2 )は中央のSAW共振器を構成するIDT電極
を接地するために用いられており、入出力端子とは電気
的に接続されていない。すなわち、中央に配置されたバ
スバー電極の線路幅W2 の大きさはフィルタの挿入損失
には何ら影響を及ぼさない。従って、中央に配置された
バスバー電極の線路幅W2 を小さくする分外側に配置さ
れたバスバー電極の線路幅W1 を大きくすれば、隣接す
るSAW共振器のIDT電極を構成する櫛形電極間の距
離Gの大きさを変えることなく入出力端子への電気抵抗
損を減らすことができるので、フィルタの挿入損失を改
善することができる。
【0039】また、前記本発明の第2の構成において、
中央に配置されたSAW共振器を構成するIDT電極
を、外側に配置されたSAW共振器のIDT電極と反射
器電極との間隙に配した電極パターンを介して接地する
という好ましい構成によれば、SAW共振器を構成する
IDT電極と反射器電極との間隔を決定する自由度が増
すため、IDT電極と反射器電極の間隔を適切に定めて
帯域外スプリアスを抑制することができる。その結果、
より良好な帯域外特性を得ることができる。
【0040】また、前記本発明の第2の構成において、
圧電基板上に形成された複数本の段間接続電極パターン
により複数個縦続に接続するという好ましい構成によれ
ば、帯域外減衰量特性が大幅に改善され、より良好なフ
ィルタ特性を得ることができる。また、この場合、複数
本の段間接続電極パターンの一部にボンディング用の電
極パッドを形成するという好ましい構成によれば、段間
接続電極パターンにインダクタンス等の整合素子を接続
して良好な通過特性を得る場合に、段間接続電極パター
ンと外部回路との接続が容易になる。また、この場合、
複数本の段間接続電極パターン同士をリアクタンス素子
を介して接続するという好ましい構成によれば、良好な
通過特性を得ることができる。また、この場合、複数本
の段間接続電極パターンの一方を接地し、もう一方の段
間接続電極パターンをリアクタンス素子を介して接地す
るという好ましい構成によっても、良好な通過特性を得
ることができる。この場合、さらに、リアクタンス素子
が同一圧電基板上の電極パターンによって形成されたス
パイラルインダクタであるという好ましい構成によれ
ば、リアクタンス素子の小型化を図ることができる。
【0041】また、前記本発明の第3の構成によれば、
圧電基板上に、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を、SAWの伝搬方向と平行に2個形成
し、前記SAW共振器間に、前記SAW共振器のIDT
電極指交差幅と同程度の長さを有するストリップライン
電極を、前記SAW共振器と同一の電極周期で並行配置
することによって、周期構造状電極列を形成すると共
に、前記SAW共振器と前記周期構造状電極列を近接配
置して音響結合させたことにより、中央のSAW共振器
において電極の構造をIDT電極から周期構造のストリ
ップライン電極列に代えても、電極周期が同じであれ
ば、上記第1の発明の場合と同様に弾性表面波の伝搬が
可能となる。その結果、SAWフィルタの広帯域化を図
ることができる。また、前記本発明の第3の構成におい
て、周期構造状電極列を構成する各ストリップライン電
極を、その両端に設けたバスバー電極によって互いに接
続するという好ましい構成によれば、周期構造状電極列
を反射器電極と同様の構造にすることができる。また、
この場合、圧電基板上に形成された段間接続電極パター
ンにより複数個縦続に接続するという好ましい構成によ
れば、帯域外減衰量特性が大幅に改善され、より良好な
フィルタ特性を得ることができる。また、この場合、周
期構造状電極列を、外側に配置されたSAW共振器のI
DT電極と反射器電極との間隙に配した電極及びバスバ
ー電極を介して接地するという好ましい構成によれば、
周期構造状電極を入出力端子とは電気的に独立させるこ
とができる。その結果、周期構造状電極の接地状態がフ
ィルタの入出力特性に直接影響するはなく、さらに、入
出力端子間の信号の直達成分も大幅に減少するため、上
記第2の発明の場合と同様にフィルタの帯域外減衰量特
性をさらに改善することができる。また、SAW共振器
を構成するIDT電極及び周期構造状電極と反射器電極
との間隔を決定する自由度が増すため、IDT電極及び
周期構造状電極と反射器電極との間隔を適切に定めて帯
域外スプリアスを抑制することができる。その結果、よ
り良好な帯域外特性を得ることができる。この場合、さ
らに、外側に配置された一方のSAW共振器電極を平衡
型入力端子に接続し、外側に配置されたもう一方のSA
W共振器電極を平衡型出力端子に接続するという好まし
い構成によれば、バラン等の外部回路を用いることな
く、フィルタの前後段にIC等の平衡型素子を接続する
ことができるので、回路全体のノイズ特性を改善するこ
とができる。さらに、この場合、外側に配置されたSA
W共振器を構成するIDT電極の、周期構造状電極と隣
接する側のバスバー用電極パターンの線路幅を、前記周
期構造状電極に形成したバスバー用電極パターンの線路
幅よりも大きくするという好ましい構成によれば、上記
第2の発明の場合よりもさらにフィルタの挿入損失を改
善することができる。なぜなら、上記第2の発明の場合
と比較して、外側に配置されたSAW共振器のIDT電
極を構成する櫛形電極と中央に配置された周期構造状電
極との距離Gにおける電極の存在しない部分の割合が減
少し、その分だけ外側に配置されたSAW共振器を構成
するIDT電極の、周期構造状電極と隣接する側のバス
バー用電極パターンの線路幅W1 を大きくすることがで
きるからである。
【0042】また、前記本発明の第3の構成において、
SAW共振器の周期構造状電極列と隣接する側のIDT
電極と、前記周期構造状電極列を接続するバスバー電極
を一体化すると共に、前記周期構造状電極列を接地する
という好ましい構成によれば、上記第1の発明の場合と
同様に非平衡入出力構成とすることができるが、この場
合にも、SAWフィルタの広帯域化を図ることができ
る。また、この場合、圧電基板上に形成された複数本の
段間接続電極パターンにより複数個縦続に接続するとい
う好ましい構成によれば、帯域外減衰量特性が大幅に改
善され、より良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0043】また、前記本発明の第4の構成によれば、
圧電基板上に、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を近接配置して音響結合させたSAW共
振器フィルタを2個形成し、第1のSAW共振器フィル
タを構成するSAW共振器の電極配置は逆相とし、第2
のSAW共振器フィルタを構成するSAW共振器の電極
配置は同相とすると共に、前記第1のSAW共振器フィ
ルタと前記第2のSAW共振器フィルタを並列に接続し
たことにより、帯域内の通過特性を劣化させることな
く、帯域幅を広げることができる。以下に、その理由を
説明する。単一のSAW共振器フィルタはf1 とf
2 (f1 <f2 )あるいはf3 とf4 (f3 <f4 )と
いう2つの励起周波数を有し、これらの位相関係は互い
に逆相となっている。従って、本発明のように、第1の
SAW共振器フィルタを構成するSAW共振器の電極配
置を逆相とし、第2のSAW共振器フィルタを構成する
SAW共振器の電極配置を同相にすると共に、前記第1
のSAW共振器フィルタと前記第2のSAW共振器フィ
ルタを並列に接続することにより、f1 、f2 の位相関
係とf3 、f4 の位相関係を逆にすることができる。す
なわち、f2 とf3 の位相を同相にすることができるた
め、f2 とf3 の励起周波数を一致させれば、帯域内の
通過特性を劣化させることなく、帯域幅を広げることが
できる。
【0044】また、前記本発明の第5の構成によれば、
圧電基板上に、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を近接配置して音響結合させたSAW共
振器フィルタを4個形成し、第1及び第2のSAW共振
器フィルタを構成するSAW共振器の電極配置は逆相と
し、第3及び第4のSAW共振器フィルタを構成するS
AW共振器の電極配置は同相とし、前記第1のSAW共
振器フィルタと前記第3のSAW共振器フィルタを並列
に接続し、前記第2のSAW共振器フィルタと前記第4
のSAW共振器フィルタを並列に接続すると共に、前記
第1及び第3のSAW共振器フィルタと前記第2及び第
4のSAW共振器フィルタとの間を前記圧電基板上に形
成された電極パターンにより縦続に接続したことによ
り、並列に接続された2組のSAW共振器フィルタがそ
れぞれ上記第1の発明と同様の動作をし、これらが縦続
接続されることによって、フィルタの帯域外減衰量がさ
らに改善される。
【0045】また、前記本発明の第5の構成において、
第1及び第3のSAW共振器フィルタのうち、いずれか
一方のSAW共振器フィルタの高域側励起周波数と他方
のSAW共振器フィルタの低域側励起周波数の値を一致
させ、かつ、第2及び第4のSAW共振器フィルタのう
ち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側励起
周波数と他方のSAW共振器フィルタの低域側励起周波
数の値を一致させるという好ましい構成によれば、上記
第4の発明の場合と同様に、帯域内の通過特性を劣化さ
せることなく、帯域幅を広げることができる。
【0046】また、前記本発明の第5の構成において、
第1のSAW共振器フィルタと第2のSAW共振器フィ
ルタを弾性表面波が伝搬する方向と平行に隣合わせて配
置すると共に、第3のSAW共振器フィルタと第4のS
AW共振器フィルタを弾性表面波が伝搬する方向と平行
に隣合わせて配置するという好ましい構成によれば、縦
続に接続された多段接続のSAWフィルタ間の不要な浮
遊容量を除去することができるので、段間の整合回路が
不要となる。その結果、回路の小型化及びフィルタ特性
の安定化を図ることができる。
【0047】また、前記本発明の第6の構成によれば、
圧電基板上に、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を近接配置して音響結合させることによ
って、SAW共振器フィルタを構成し、前記SAW共振
器フィルタの近接するIDT電極の中央部のバスバー用
電極パターンを分割すると共に、近接配置された複数個
の前記SAW共振器が電気的に独立したバスバーを有す
ることにより、入力用IDT電極と出力用IDT電極の
アース電極を独立に取ることができると共に、SAWフ
ィルタの平衡入出力化が可能となる。その結果、SAW
フィルタのIDT電極を接地する必要がなくなり、SA
W電極の接地状態がフィルタの入出力特性に直接影響す
るはなく、さらに、入出力端子間の信号の直達成分も大
幅に減少するので、フィルタの帯域外減衰量特性を改善
することができる。また、バラン等の外部回路を用いる
ことなくフィルタの前後段に、例えば、差動型IF増幅
器を含むIC等のバランス型素子を接続することが可能
となるので、回路全体のノイズ特性を改善することもで
きる。
【0048】また、前記本発明の第6の構成において、
弾性表面波フィルタを同一圧電基板上に2個形成し、第
1のSAW共振器フィルタを構成するSAW共振器の電
極配置は逆相とし、第2のSAW共振器フィルタを構成
するSAW共振器の電極配置は同相とすると共に、前記
第1のSAW共振器フィルタと前記第2のSAW共振器
フィルタを並列に接続するという好ましい構成によれ
ば、上記第4の発明の場合と同様に、帯域内の通過特性
を劣化させることなく、帯域幅を広げることができる。
【0049】また、前記本発明の第7の構成によれば、
圧電基板上に、IDT電極の両側に反射器電極を具備し
たSAW共振器を近接配置して音響結合させたSAW共
振器フィルタの中央部バスバー用電極パターンを分割
し、前記SAW共振器フィルタを4個形成し、第1及び
第2のSAW共振器フィルタを構成するSAW共振器の
電極配置は逆相とし、第3及び第4のSAW共振器フィ
ルタを構成するSAW共振器の電極配置は同相とし、前
記第1のSAW共振器フィルタと前記第3のSAW共振
器フィルタを並列に接続し、前記第2のSAW共振器フ
ィルタと前記第4のSAW共振器フィルタを並列に接続
すると共に、前記第1及び第3のSAW共振器フィルタ
と前記第2及び第4のSAW共振器フィルタの間を前記
圧電基板上に形成された電極パターンにより縦続に接続
したことにより、並列に接続された2組のSAW共振器
フィルタがそれぞれ上記第6の発明の場合と同様の動作
をし、これらが縦続接続されることによって、フィルタ
の帯域外減衰量がさらに改善される。
【0050】また、前記本発明の第8の構成によれば、
SAWフィルタを構成する電極パターンの一部を利用し
てリアクタンス素子を形成したことにより、電極面積を
新たに確保する必要はないので、従来と同程度の圧電基
板面積で上記回路構成を実現することができる。
【0051】また、前記本発明の第8の構成において、
IDT電極と反射器電極とを具備し、前記反射器電極を
利用してリアクタンス素子を形成するという好ましい構
成によれば、外付けの回路素子を用いた場合に比べて素
子値のバラツキを低減することができるので、SAWフ
ィルタ回路特性の安定化を図ることができる。また、こ
の場合、リアクタンス素子が、反射器電極を構成する並
行配置されたストリップライン電極を略つずら折状に接
続して形成したインダクタであるという好ましい構成に
よれば、リアクタンス素子の小型化を図ることができ
る。また、この場合、リアクタンス素子が、反射器電極
を構成する並行配置された複数本のストリップライン電
極を束ねて略つずら折状に接続して形成したインダクタ
であるという好ましい実施例によれば、インダクタの抵
抗成分を小さくすることができるので、フィルタ特性の
劣化を防止することができる。また、この場合、リアク
タンス素子が、反射器電極を構成する並行配置されたス
トリップ電極をインタデジタル形に接続して形成したキ
ャパシタであるという好ましい構成によれば、電極パタ
ーンをトリミングすることにより、リアクタンス値を微
調整することができる。
【0052】また、前記本発明の第8の構成において、
リアクタンス素子を用いて入出力整合回路又は段間整合
回路を構成するという好ましい構成によれば、リアクタ
ンス電極パターンがSAWフィルタの整合回路として働
き、その結果、外付けの整合回路が不要となるので、部
品点数を削減して回路全体を小型化することができる。
【0053】また、前記本発明の第8の構成において、
IDT電極の両側に反射器電極を具備したSAW共振器
を複数個近接配置して音響結合させるという好ましい構
成によれば、従来と同程度の圧電基板面積で、エネルギ
ー閉じ込め型のSAW共振器フィルタを実現することが
できる。また、この場合、反射器電極を利用してリアク
タンス素子を構成するという好ましい構成によれば、外
付けの回路素子を用いた場合に比べて素子値のバラツキ
を低減することができるので、SAWフィルタ回路特性
の安定化を図ることができる。
【0054】また、前記本発明の第9の構成によれば、
IDT電極の両側に反射器電極を具備したSAW共振器
を複数個近接配置して音響結合させたSAW共振器フィ
ルタを同一圧電基板上に複数個形成し、前記SAW共振
器フィルタ間を縦続に接続すると共に、前記圧電基板上
の電極パターンによって形成したリアクタンス素子を用
いて入出力整合回路を構成したことにより、外付けの回
路素子を用いた場合に比べて素子値のバラツキを低減す
ることができるので、多段接続のSAWフィルタ回路特
性の安定化を図ることができる。
【0055】また、前記本発明の第10の構成によれ
ば、IDT電極の両側に反射器電極を具備したSAW共
振器を複数個近接配置して音響結合させたSAW共振器
フィルタを同一圧電基板上に複数個形成し、前記SAW
共振器フィルタ間を縦続に接続すると共に、前記接続点
を同一圧電基板上の電極パターンによって形成したリア
クタンス素子を介して接地したことにより、圧電基板上
の電極パターンによって形成したリアクタンス素子がフ
ィルタの段間に対して整合素子として働くので、広帯域
タイプの横モード結合共振器型SAWフィルタ等、従来
段間に伸長コイル等の調整回路を接続する必要のあった
SAWフィルタの段間無調整化を、圧電基板上の電極面
積を新たに増やすことなく実現することができる。
【0056】また、前記本発明の第10の構成におい
て、リアクタンス素子がスパイラルインダクタであると
いう好ましい構成によれば、リアクタンス素子の小型化
を図ることができる。この場合、さらに、複数個のSA
Wフィルタ間のスペースを利用してスパイラルインダク
タを形成するという好ましい構成によれば、圧電基板を
従来よりも大きくする必要はないので、回路の小型化を
も図ることができる。また、この場合、スパイラルイン
ダクタの隣接する巻線電極パターン間を短絡接続する短
絡電極パターンを少なくとも1箇所に設けるという好ま
しい構成によれば、短絡電極パターンをレーザー等でト
リミングすることにより、リアクタンス値を微調整する
ことができるので、SAWフィルタ基板をパッケージに
実装した後にフィルタ特性を微調整することが可能とな
る。
【0057】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 (第1の実施例)図1は本発明に係る弾性表面波フィル
タの第1の実施例を示す構成図である。図1において、
11は単結晶圧電基板であり、この圧電基板11の上に
周期構造ストリップライン状の電極パターンを形成する
ことにより、弾性表面波を励起させることができる。圧
電基板11の上には、インタデジタルトランスジューサ
(IDT)電極12aと反射器電極12b、12cとに
より構成されるエネルギー閉じ込め型の第1のSAW共
振器が形成されている。また、圧電基板11の上には、
IDT電極13aと反射器電極13b、13cとにより
構成される第2のSAW共振器と、IDT電極14aと
反射器電極14b、14cとにより構成される第3のS
AW共振器とが形成されている。そして、上記3つのS
AW共振器は近接配置され、互いに隣接する部分のID
T電極及び反射器電極は共通のバスバーによって接続さ
れている。また、IDT電極12aの外側の電極指は入
力端子に接続され、IDT電極14aの外側の電極指は
出力端子に接続されている。また、IDT電極13aの
一方の電極指は、IDT電極12aの内側の電極指と共
に共通のバスバー及びIDT電極12aと反射器電極1
2bの間隙に設けられた電極パターンを介して接地され
ている。また、IDT電極13aの他方の電極指は、I
DT電極14aの内側の電極指と共に共通のバスバー及
びIDT電極14aと反射器電極14cとの間隙に設け
られた電極パターンを介して接地されている。
【0058】以下、このように構成された弾性表面波フ
ィルタについて、その動作を説明する。図2は本実施例
におけるSAWフィルタの励起モード分布図であり、図
1と対応する部分には同じ番号が付されている。図2に
おいて、(a)は図1に示したSAWフィルタの電極構
成図であり、SAW共振器12、13、14が近接配置
されることによって、その間に音響結合が生じる。これ
により、図2(b)に示すようなポテンシャル分布を有
する1次、2次、3次のモードが励起する。ここで、2
次モードは、モード分布の節の位置が中央に配置された
SAW共振器13のIDT電極が交差する部分に当た
り、その上下でポテンシャル分布の極性が入れ替わって
いる。従って、電極パターンを図2(a)のように構成
しただけでは、2次モードの励振強度は1次、3次のモ
ードと比較してかなり弱くなる。そして、このときのフ
ィルタの50Ω直結での通過帯域特性は、図3(a)に
示すように、帯域中央が沈んだ形となる。このため、1
次モードと3次モードの周波数差が中心周波数で規格化
して0.1%を超える広帯域設計の場合には、整合回路
を付けても帯域内は平坦とならず、良好なフィルタ特性
を得ることができない。従って、図1に示すような電極
構成において良好なフィルタ特性を得るためには、2次
モードを強く励振させて通過特性に利用する必要があ
る。そのためには、(1)中央に配置されたSAW共振
器13のポテンシャルが自由に分布できることと、
(2)外側のSAW共振器12、14間でポテンシャル
がキャンセルしないことが必要である。
【0059】本実施例においては、中央のSAW共振器
13のIDT電極が両側とも接地されており、また、I
DT電極指21、22はそれぞれ入力端子と出力端子に
接続されて電気的に独立しており(図1参照)、上記の
条件(1)、(2)を満たしている。このときのフィル
タの50Ω直結での通過帯域特性は図3(b)のように
なり、2次モードについても強い励振強度を得ることが
できる。従って、3つの励起モードを利用したSAWフ
ィルタを実現することができ、従来の2つの励起モード
を利用したSAWフィルタよりも広帯域な通過特性を得
ることができる。
【0060】ところで、SAW共振器のIDT電極と反
射器電極の間隔は帯域外スプリアスの強度に影響し、そ
の寸法を適切に定めればスプリアスの抑圧が可能とな
る。本実施例においては、中央に配置されたSAW共振
器のIDT電極を接地するための電極パターンがこの部
分に設けられており、これによりIDT電極と反射器電
極の間隔を決定する自由度が増すので、帯域外スプリア
スを抑圧して、より良好な帯域外特性を得ることができ
る。
【0061】また、本実施例におけるSAWフィルタ
は、3つの励起モードを利用しているためにフィルタの
次数が3次となり、次数が2次である従来のSAWフィ
ルタよりも帯域外減衰傾度特性が急峻となるので、より
良好な選択度特性を得ることができる。
【0062】以上のように本実施例によれば、SAW共
振器を3個近接配置し、中央のSAW共振器を構成する
IDT電極を全て接地すると共に、外側のSAW共振器
を構成するIDT電極を電気的に独立させたことによ
り、外部伸長コイル等を用いることなくSAWフィルタ
の広帯域化を実現することができる。
【0063】尚、本実施例においては、一段構成のSA
Wフィルタを例に挙げて説明したが、図4に示すよう
に、同一圧電基板41の上で複数個のSAWフィルタ4
2、43を縦続に接続し、多段接続のSAWフィルタを
構成すれば、挿入損失は若干増えるものの、帯域外減衰
量特性が大幅に改善され、より良好なフィルタ特性を得
ることができる。
【0064】ところで、SAWフィルタの入出力のイン
ピーダンスはSAW共振器のIDT電極対数によって支
配され、任意に設定することができないため、フィルタ
を単純に縦続に接続しただけでは接続時の不整合により
良好な通過特性を得ることができない場合がある。この
場合には、段間縦続接続する電極パターン44にインダ
クタンス等のリアクタンス素子を整合素子として接続す
ればよい。この場合、電極パターン44にボンディング
用の電極パッド45を設けておけば、外部回路との接続
が容易になる。また、同一圧電基板41の上にスパイラ
ルインダクタなどのリアクタンス素子を形成し、一端を
電極パターン44に接続し他端を接地すれば、外部回路
が不要となるので、フィルタ回路の小型化を図ることが
できる。
【0065】また、本実施例においては、近接配置する
SAW共振器の数を3個として説明しているが、必ずし
も3個に限定されるものではなく、この数を4個以上に
増やし、さらに高次のモードを利用したSAWフィルタ
を構成することも可能である。しかし、共振器の数が増
えるとフィルタの設計が困難となり、整合回路の素子感
度も高くなるため、良好なフィルタ特性を実現すること
ができなくなる。従って、近接配置するSAW共振器の
数は3個が好ましい。
【0066】(第2の実施例)図5は本発明に係る弾性
表面波フィルタの第2の実施例を示す構成図である。図
5に示すように、単結晶圧電基板51の上には、IDT
電極52aと反射器電極52b、52cとにより構成さ
れる第1のSAW共振器が形成されている。また、圧電
基板51の上には、IDT電極53aと反射器電極53
b、53cとにより構成される第2のSAW共振器と、
IDT電極54aと反射器電極54b、54cとにより
構成される第3のSAW共振器とが形成されている。そ
して、上記3つのSAW共振器は近接配置されている。
また、IDT電極53aの一方の電極指は、IDT電極
52aと反射器電極52bとの間隙に設けられた電極パ
ターンを介して接地されている。また、IDT電極53
aの他方の電極指は、IDT電極54aと反射器電極5
4cとの間隙に設けられた電極パターンを介して接地さ
れている。以上は図1に示す第1の実施例と同様の構成
である。
【0067】第1の実施例と異なる点は、SAW共振器
を構成するIDT電極の互いに隣接する部分のバスバー
電極が電気的に独立しており、また、IDT電極52a
の電極指が平衡型入力端子に接続され、IDT電極54
aの電極指が平衡型出力端子に接続されている点であ
る。
【0068】このように構成された弾性表面波フィルタ
の動作は図2に示した第1の実施例の場合と基本的に同
じであり、SAWフィルタの広帯域化を実現することが
できると共に、帯域外スプリアスを抑圧して、良好な帯
域外特性を得ることができる。さらに、本実施例におい
ては、IDT電極の中央部のバスバーが電気的に独立し
ていることにより、SAW共振器52のIDT電極52
aとSAW共振器54のIDT電極54aを全て独立し
て配線することができるので、図5に示すような端子構
成にしてSAWフィルタの平衡入出力化を実現すること
ができる。
【0069】以上のように本実施例によれば、SAWフ
ィルタを構成するIDT電極のうち、接地されているの
は中央のSAW共振器53のIDT電極53aのみとな
り、この部分は入出力端子とは電気的に独立した状態に
ある。従って、IDT電極の接地状態がフィルタの入出
力特性に直接影響することがなくなり、また、入出力端
子間の信号の直達成分も大幅に減少するため、フィルタ
の帯域外減衰量特性をさらに改善することができる。ま
た、バラン等の外部回路を用いることなくフィルタの前
後段にIC等の平衡型素子を接続することが可能となる
ので、回路全体のノイズ特性をも改善することができ
る。
【0070】図6に、図5においてIDT電極52aと
IDT電極53aが近接配置される部分の拡大図を示
す。IDT電極52aとIDT電極53aを構成する櫛
形電極間の距離Gは2つのSAW共振器52、53の結
合度を支配し、この距離Gが小さいほど共振器間の結合
度が増すため広帯域化には好ましい。しかし、距離Gが
あまり小さいと、この部分に設けられているバスバー電
極61、62の幅W、Wがそれ以上に小さくなり、
この部分におけるIDT電極の電気的抵抗損がフィルタ
の挿入損失に与える影響を無視することができなくな
る。ここで、バスバー電極61は直接平衡入力端子の一
方に接続されているが、バスバー電極62は中央のSA
W共振器を構成しているIDT電極を接地するのに用い
られており、入出力端子とは電気的に接続されていな
い。すなわち、バスバー電極62の幅W の大きさはフ
ィルタの挿入損失には何ら影響を及ぼさない。従って、
バスバー電極62の幅Wを小さくする分バスバー電極
61の幅Wを大きくすれば、距離Gの大きさを変える
ことなく入力端子への電気的抵抗損を減らして、フィル
タの挿入損失を改善することができる。また、出力側、
すなわちIDT電極54aとIDT電極53aが近接配
置される部分についても上記と同様な構成とすることに
より、同様の効果を得ることができる。実験的には、S
T水晶基板の上に240MHz帯のフィルタを構成した
場合、距離Gが1波長(約12μm)のとき、W、W
の大きさが共に0.25波長では挿入損失は3.86
dBとなるが、Wの大きさを0.4波長、Wの大き
さを0.15波長にすれば、挿入損失が2.83dBと
なり、1.03dBも改善することができた。
【0071】また、本実施例においても、図7に示すよ
うに、同一圧電基板71の上で複数個のSAWフィルタ
72、73を縦続に接続し、多段接続のSAWフィルタ
を構成すれば、挿入損失は若干増えるものの、帯域外減
衰量特性が大幅に改善され、より良好なフィルタ特性を
得ることができる。しかし、この場合にも、フィルタを
単純に縦続に接続しただけでは良好な通過特性を得るこ
とができない場合がある。この場合には、第1の実施例
と同様に、段間縦続接続する電極パターン74にインダ
クタンス等のリアクタンス素子を整合素子として接続す
ればよい。接続方法としては平衡電極74、74間に接
続する方法があるが、一方の電極パターン74とアース
との間に接続し、他方の電極パターン74を接地しても
同様の効果を得ることができる。また、この場合、電極
パターン74にボンディング用の電極パッド75を設け
ておけば、外部回路との接続が容易になる。また、同一
圧電基板71の上にスパイラルインダクタなどのリアク
タンス素子を形成し、一端を電極パターン74に接続し
他端を接地すれば、外部回路が不要となるので、フィル
タ回路の小型化を図ることができる。
【0072】以上のように、近接配置されたSAW共振
器のIDT電極を電気的に独立させて形成し、平衡型の
入出力端子構成とすることにより、第1の実施例と同様
の効果が得られると共に、その特性をさらに改善するこ
とができる。
【0073】(第3の実施例)図8は本発明に係る弾性
表面波フィルタの第3の実施例を示す構成図である。図
8に示すように、単結晶圧電基板81の上には、IDT
電極82aと反射器電極82b、82cとにより構成さ
れる第1のSAW共振器と、IDT電極84aと反射器
電極84b、84cとにより構成される第3のSAW共
振器とが形成されている。以上は図5に示す第2の実施
例と同様の構成である。
【0074】第2の実施例と異なる点は、反射器電極8
3b、83cを伴い中央に形成される第2のSAW共振
器のIDT電極部分が反射器電極と同様の構造を有し、
図5におけるIDT電極53aの電極指交差幅と同程度
の長さを持つ周期構造のストリップライン電極列83a
によって構成されている点である。
【0075】第2の実施例と同様に、上記3つのSAW
共振器は近接配置され、IDT電極の互いに隣接する部
分のバスバー電極が電気的に独立している。また、ID
T電極82aの電極指は平衡型入力端子に接続され、I
DT電極84aの電極指は平衡型出力端子に接続されて
いる。さらに、周期構造のストリップライン電極列83
aは、IDT電極82aと反射器電極82cとの間隙に
設けられた電極パターン及びIDT電極84aと反射器
電極84bとの間隙に設けられた電極パターンを介して
接地されている。
【0076】弾性表面波フィルタを以上のように構成す
れば、中央のSAW共振器において電極83aの構造が
IDT電極から周期構造のストリップライン電極列に変
わっても、電極周期が同じであれば、弾性表面波は全く
同様に伝搬することができる。従って、その動作は図2
に示した第1の実施例の場合と基本的に同じであり、S
AWフィルタの広帯域化を実現することができると共
に、帯域外スプリアスを抑圧して、良好な帯域外特性を
得ることができる。また、第2の実施例と同様に、ID
T電極の中央部のバスバーが電気的に独立していること
により、SAWフィルタの平衡入出力化を実現すること
ができるので、フィルタの帯域外減衰量特性を改善する
ことができる。
【0077】図9に、図8においてIDT電極82aと
周期構造のストリップライン電極列83aが近接配置さ
れる部分の拡大図を示す。図6に示す第2の実施例の場
合と比較すれば、Gにおける電極の存在しない部分の割
合が減っており、その分バスバー電極91の幅Wをバ
スバー電極92の幅W2に比べて大きくすることが可能
となる。従って、第2の実施例の場合よりもさらにフィ
ルタの挿入損失を改善することができる。
【0078】以上のように本実施例によれば、第2の実
施例と同様の効果を得ることができると共に、その特性
をさらに改善することができる。尚、本実施例において
は、図8に示すように、IDT電極82aとIDT電極
84aは互いに同相の電極配置となっているが、図10
に示すIDT電極102とIDT電極104のように互
いに逆相の電極配置としても、帯域外スプリアスの現れ
方が若干異なるものの、同様の効果を得ることができ
る。また、図10においては、中央の周期構造のストリ
ップライン電極列103をIDT電極104側の電極パ
ターンのみを介して接地しているが、このように上下の
電極パターンの対称性が多少ずれてもフィルタ特性には
それほど影響せず、外部への配線を簡略化することがで
きる。尚、図10中、101は圧電基板である。
【0079】また、本実施例においても、SAWフィル
タを複数個縦続に接続し、多段接続のSAWフィルタを
構成すれば、帯域外減衰量特性が大幅に改善され、より
良好なフィルタ特性を得ることができる。このときの縦
続接続方法は図7に示した第2の実施例の場合と全く同
様である。
【0080】また、本実施例においては、SAWフィル
タの入出力電極構成を平衡であるとして、第2の実施例
と比較しながら説明してきたが、図11に示すように、
SAW共振器を近接配置した部分を共通バスバーで形成
して非平衡入出力構成とすれば、第1の実施例と比較し
ても同様の効果を得ることができることは明らかであ
る。尚、図11中、111は単結晶圧電基板、112、
114はIDT電極、113は周期構造のストリップラ
イン電極列である。
【0081】(第4の実施例)図12は本発明に係る弾
性表面波フィルタの第4の実施例を示す構成図である。
図12に示すように、単結晶圧電基板121の上には、
IDT電極122a、122bと反射器電極123a、
124a、123b、124bとにより構成される第1
のSAW共振器フィルタが形成されており、IDT電極
122aとIDT電極122bは電極指の位相関係が互
いに逆相となっている。また、同一圧電基板121の上
には、IDT電極125a、125bと反射器電極12
6a、127a、126b、127bとにより構成され
る第2のSAW共振器フィルタが形成されており、ID
T電極125aとIDT電極125bは電極指の位相関
係が互いに同相となっている。これら2個のSAW共振
器フィルタは、配線パターン128a及び電極パターン
128bにより電気的に並列に接続されている。
【0082】以下、このように構成された弾性表面波フ
ィルタについて、その動作を説明する。図13に、本実
施例におけるSAWフィルタの50Ω直結での通過特性
を示す。図13(a)において、131、132は図1
2に示す第1、第2のSAW共振器フィルタいずれか単
独の通過特性である。このように単一のSAW共振器フ
ィルタはfとf(f<f)あるいはfとf
(f<f)という2つの励起周波数を有し、これら
の位相関係は互いに逆相となっている。上記したよう
に、第1のSAW共振器フィルタは逆相のIDT電極配
置、第2のSAW共振器フィルタは同相のIDT電極配
置となっているため(図12)、f、fの位相関係
とf、fの位相関係は逆になる。すなわち、f
の位相は同相となる。従って、fとfの励起周
波数を一致させれば、図13(b)に示す133のよう
に帯域内の通過特性を劣化させることなく帯域幅を広げ
ることができる。
【0083】このとき実際にfとfを完全に一致さ
せることは困難であり、多少のズレが生じるが、f
の場合には通過帯域特性が徐々に悪化する程度であ
る。しかし、f>fの場合には、両者のピークがオ
ーバーラップするために位相の変化が激しくなり、特に
群遅延偏差特性が大きく乱れる。従って、SAWフィル
タの製作偏差等を考慮した場合、ピーク値をf<f
側に多少ずらすことにより、フィルタの歩留まりを向上
させることができる。
【0084】また、圧電基板上の電極パターンを利用し
てSAWフィルタの並列接続の一部を構成することによ
り、ボンディングワイヤ等を引き回すことによる線路の
浮遊容量や不要輻射等を防止することができるので、良
好なフィルタ特性を得ることができる。
【0085】以上のように本実施例によれば、IDT電
極指の位相配置が互いに逆相のSAWフィルタを並列に
接続し、一方のSAWフィルタの高域側励起周波数と他
方のSAWフィルタの低域側励起周波数を一致させるこ
とにより、外部伸長コイル等を用いることなくSAW多
重モードフィルタの広帯域化を実現することができる。
【0086】尚、本実施例においては、並列接続の片側
のみを電極パターン128bを用いて接続しているが、
全ての接続部分に電極パターンを用いることも可能であ
る。 (第5の実施例)図14は本発明に係る弾性表面波フィ
ルタの第5の実施例を示す構成図である。図14に示す
ように、圧電基板141の上には、SAW共振器フィル
タ142、143、144、145が形成されている。
SAW共振器フィルタ142、144は、図12におけ
る第1のSAW共振器フィルタと同様に、近接するID
T電極指が逆相の配置となっている。また、SAW共振
器フィルタ143、145は、図12における第2のS
AW共振器フィルタと同様に、近接するIDT電極指が
同相の配置となっている。そして、SAW共振器フィル
タ142、143及びSAW共振器フィルタ144、1
45はそれぞれボンディングワイヤ146、147や電
極パターン148a、148b、148cにより並列に
接続され、さらにこれら2組の並列接続SAWフィルタ
は電極パターン148a、148bにより縦続に接続さ
れている。尚、図14中、149は異なるSAW共振器
フィルタの弾性表面波の伝搬を遮断するためのアブソー
バである。
【0087】弾性表面波フィルタを以上のように構成す
れば、並列に接続された2組のSAW共振器フィルタが
それぞれ第1の実施例と同様の動作をし、これらが縦続
に接続されることにより、フィルタの帯域外減衰量がさ
らに改善される。
【0088】また、本実施例においても、圧電基板上の
電極パターンを利用してSAWフィルタの並列接続及び
縦続接続を構成することにより、ボンディングワイヤ等
を引き回すことによる線路の浮遊容量や不要輻射等を防
止することができるので、良好なフィルタ特性を得るこ
とができる。
【0089】また、同一の特性を有するSAWフィルタ
を弾性表面波の伝搬方向と平行に隣合わせて配置するこ
とにより、縦続に接続された多段接続のSAWフィルタ
間の不要な浮遊容量を除去することができるので、段間
の整合回路が不要となる。その結果、回路の小型化を用
いることができると共に、フィルタの安定な特性を実現
することができる。しかし、この場合にも、フィルタを
単純に縦続に接続しただけでは良好な通過特性を得るこ
とができない場合がある。この場合には、段間縦続接続
する電極パターン148a、148b、148cにイン
ダクタンス等のリアクタンス素子を整合素子として接続
すればよい。
【0090】以上のように、並列接続されたSAWフィ
ルタを縦続に接続することにより、第4の実施例と同様
の効果を得ることができると共に、その特性をさらに改
善することができる。
【0091】尚、本実施例においては、電極パターン1
48cによって各段ごとに並列接続しているが、この電
極パターン148cを取り除いて各SAWフィルタを縦
続に接続した後、各多段接続のSAWフィルタを並列接
続する構成としても、同様の効果を得ることができる。
【0092】(第6の実施例)図15は本発明に係る弾
性表面波フィルタの第6の実施例を示す構成図である。
図15に示すように、単結晶圧電基板151の上には、
SAW共振器フィルタ152、153が形成されてい
る。SAW共振器フィルタ152は近接するIDT電極
指が逆相の配置となっており、SAW共振器フィルタ1
53は近接するIDT電極指が同相の配置となってい
る。そして、これら2個のSAW共振器フィルタ15
2、153は電極パターン156a、157a及び配線
パターン154aにより電気的に並列に接続されてい
る。以上は図12に示す第4の実施例と同様の構成であ
る。
【0093】第4の実施例と異なる点は、SAW共振器
フィルタ152の近接するIDT電極指の中央部のバス
バー電極158が分割されてそれぞれ電気的に独立した
電極156b、157bが構成され、また、SAW共振
器フィルタ153も同様に中央部のバスバー電極が分割
された構成となっている点である。
【0094】図16は本実施例のSAWフィルタを面実
装用パッケージに実装した場合の構成の一例を示すもの
であり、図15と対応する部分には同じ番号が付されて
いる。図16において、161は面実装用パッケージで
あり、SAWフィルタを形成した圧電基板151が実装
されている。また、162はボンディング用の電極パッ
ドであり、それぞれボンディングワイヤ163により入
力端子電極164a、164b、出力端子電極165
a、165b、接地電極166等に接続されている。
【0095】このように構成された弾性表面波フィルタ
の動作は図13に示した第4の実施例の場合と基本的に
同じであり、SAWフィルタの広帯域化を実現すること
ができる。さらに、本実施例においては、IDT電極中
央部のバスバーを分割していることにより、入力用のI
DT電極部154a、154bと出力用のIDT電極部
155a、155bのアース電極を独立に取ることがで
きるので、154a、154b、155a、155bに
示すような配線を施せば、SAWフィルタの平衡入出力
化を実現することができる。
【0096】従って、本実施例によれば、SAWフィル
タのIDT電極を接地する必要がなくなる。その結果、
第2の実施例と同様に、SAW電極の接地状態がフィル
タの入出力特性に直接影響することがなくなり、また、
入出力端子間の信号の直達成分も大幅に減少するため、
フィルタの帯域外減衰量特性を改善することができる。
また、バラン等の外部回路を用いることなくフィルタの
前後段にIC等の平衡型素子を接続することが可能とな
るので、回路全体のノイズ特性をも改善することができ
る。
【0097】また、図16に示すように、圧電基板15
1の上にボンディング用の電極パッド162を設け、ボ
ンディングワイヤによって面実装用パッケージ161の
端子電極と接続することにより、面実装対応のSAWフ
ィルタを容易に実現することができる。尚、SAWフィ
ルタの中央部のバスバーを分割する構造は、本実施例に
示した並列接続型のSAWフィルタだけではなく図24
に示すような従来のSAWフィルタにも適用することが
できる。
【0098】また、本実施例においては、SAWフィル
タの段数が1段の場合を列に挙げて説明をしたが、第5
の実施例に示したような2段以上の多段接続のSAWフ
ィルタにも適用することができる。
【0099】(第7の実施例)図17は本発明に係る弾
性表面波フィルタの第7の実施例を示す構成図である。
図17に示すように、圧電基板171の上には、IDT
電極172と反射器電極173、174とにより構成さ
れる第1段のSAW共振器フィルタが形成されている。
また、圧電基板171の上には、IDT電極175と反
射器電極176、177とにより構成される第2段のS
AW共振器フィルタが形成されている。そして、上記2
段のSAW共振器フィルタは段間電極パターン178に
よって電気的に縦続に接続されており、これにより多段
接続のSAWフィルタが構成されている。尚、第1段及
び第2段のSAW共振器フィルタは、エネルギー閉じ込
め型の2つのSAW共振器が近接配置され、その間に音
響結合が生じることによって構成されている。
【0100】反射器電極173、176は、それぞれ複
数本のストリップ電極を束ねて略つずら折状に接続した
ミアンダライン形のインダクタ電極を構成しており、そ
れぞれIDT電極172、175の入出力側電極とアー
スとの間に並列に接続されている。また、反射器電極1
74、177はインターデジタル形のキャパシタ電極を
構成しており、それぞれIDT電極172、175の入
出力側電極に直列に接続されている。
【0101】以下、このように構成された弾性表面波フ
ィルタについて、その動作を説明する。図18は本実施
例におけるSAWフィルタ電極パターンの等価回路図で
あり、図17と対応する部分には同じ番号が付されてい
る。尚、図18中、181は第1段のSAWフィルタ、
182は第2段のSAWフィルタを示す。
【0102】図17において、電極パターン173、1
74、及び176、177はSAW多重モードフィルタ
を構成するSAW共振器の弾性的反射器として形成され
ているが、それぞれの電極は伝送線路として見れば電極
パターン173、176はミアンダライン形のインダク
タとして機能し、電極パターン174、177はインタ
デジタル形のキャパシタとして機能する。従って、これ
らの反射器電極をIDT電極172、175の入出力側
電極と上記のように接続することにより、図18に示す
ような整合回路を構成することができる。
【0103】このように圧電基板171の上に構成した
リアクタンス電極パターンがSAWフィルタの整合回路
として働き、その結果、外付けの整合回路が不要となる
ので、部品点数を削減して回路全体を小型化することが
できる。さらに、上記リアクタンス電極パターンがSA
W共振器の反射器電極を利用して形成されているため、
電極面積を新たに確保する必要はないので、従来と同程
度の圧電基板面積で上記回路構成を実現することができ
る。
【0104】また、リアクタンス素子を反射器のストリ
ップ電極によって構成すれば、外付けの回路素子を用い
た場合に比べて素子値のバラツキを低減することができ
るので、SAWフィルタ回路特性の安定化を図ることが
できる。さらに、ミアンダラインの線路を1方向当たり
反射器ストリップ電極数本(図17の173、176に
おいては、それぞれ2本)で構成すれば、インダクタの
抵抗成分を小さくすることができるので、フィルタ特性
の劣化を防止することができる。尚、1線路当たりの反
射器ストリップ電極の本数は、必要なインダクタンス値
及びその場合の抵抗値によって適宜決定すればよい。
【0105】以上のように本実施例によれば、フィルタ
整合回路を圧電基板171の上に一体化したSAWフィ
ルタを実現することができる。尚、本実施例において
は、インダクタを並列に接続し、キャパシタを直列に接
続する構成の整合回路を例に挙げて説明したが、必ずし
もこの構成に限定されるものではなく、回路構成はSA
Wフィルタのインピーダンスに応じて任意に変更するこ
とができる。
【0106】(第8の実施例)図19は本発明に係る弾
性表面波フィルタの第8の実施例を示す構成図である。
図19に示すように、圧電基板191の上には、IDT
電極192と反射器電極193、194とにより構成さ
れる第1段のSAW共振器フィルタが形成されている。
また、圧電基板191の上には、IDT電極195と反
射器電極196、197とにより構成される第2段のS
AW共振器フィルタが形成されている。そして、上記2
段のSAW共振器フィルタは段間電極パターン198に
よって電気的に縦続に接続されており、これにより多段
接続のSAWフィルタが構成されている。尚、第1段及
び第2段のSAW共振器フィルタは、エネルギー閉じ込
め型の2つのSAW共振器が近接配置され、その間に音
響結合が生じることによって構成されている。
【0107】反射器電極193、196は、それぞれ複
数本のストリップ電極を束ねて略つずら折状に接続した
ミアンダライン形のインダクタ電極を構成している。そ
して、反射器電極193のストリップ電極中央には短絡
電極が形成され、反射器電極196はミアンダラインが
ストリップ電極の中央で折り返された構成となってい
る。また、反射器電極194、197はインターデジタ
ル形のキャパシタ電極を構成しており、電極パターンを
トリミングすることにより、リアクタンス値を微調整す
ることができるようにされている。そして、反射器電極
194、197の中央の共通バスバー部分から入出力端
子が取り出されており、それぞれ反射器中央部の電極不
連続部分を極力排除した構成となっている。
【0108】以上のように構成されたSAWフィルタ
は、第7の実施例と同様に入出力段の整合回路が同一圧
電基板191の上に構成されると共に、反射器部分の共
通バスバー電極が存在することにより、近接配置された
SAW共振器間の不要な結合を抑圧することができるの
で、さらに良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0109】尚、本実施例においても、その回路構成は
SAWフィルタのインピーダンスに応じて任意に変更す
ることができる。 (第9の実施例)図20は本発明に係る弾性表面波フィ
ルタの第9の実施例を示す構成図である。図20に示す
ように、圧電基板201の上には、IDT電極202と
反射器電極203、204とにより構成される第1段の
SAW共振器フィルタが形成されている。また、圧電基
板201の上には、IDT電極205と反射器電極20
6、207とにより構成される第2段のSAW共振器フ
ィルタが形成されている。そして、上記2段のSAW共
振器フィルタは段間電極パターン208によって電気的
に縦続に接続されており、これにより多段接続のSAW
フィルタが構成されている。尚、第1段及び第2段のS
AW共振器フィルタは、エネルギー閉じ込め型の2つの
SAW共振器が近接配置され、その間に音響結合が生じ
ることによって構成されている。
【0110】反射器電極203、206はストリップ電
極を略つずら折状に接続したミアンダライン形のインダ
クタ電極を構成しており、それぞれIDT電極202、
205の段間電極パターン208とアースとの間に並列
に接続されている。また、反射器電極204、207は
インターデジタル形のキャパシタ電極を構成しており、
それぞれIDT電極202、205の入出力側電極に直
列に接続されている。
【0111】以下、このように構成された弾性表面波フ
ィルタについて、その動作を説明する。図21は本実施
例におけるSAWフィルタ電極パターンの等価回路図で
あり、図20と対応する部分には同じ番号が付されてい
る。尚、図21中、211は第1段のSAW共振器フィ
ルタ、212は第2段のSAW共振器フィルタを示す。
図21から明らかなように、反射器電極204、207
は第7の実施例と同様に入出力整合回路の一部として働
くが、反射器電極203、206はフィルタの段間に対
して整合素子として働くことが分かる。
【0112】このようにフィルタの段間に反射器電極に
よって構成されたインダクタ素子を接続することによ
り、広帯域タイプの横モード結合共振器型SAWフィル
タ等、従来段間に伸長コイル等の調整回路を接続する必
要のあったSAWフィルタの段間無調整化を、圧電基板
201の上の電極面積を新たに増やすことなく実現する
ことができる。
【0113】また、反射器電極203、206のインダ
クタ素子はそれぞれ段間電極パターン208と並列に接
続されているため、片方の電極パターンを切断すること
により、インダクタンス値を調整することができる。
【0114】以上のように本実施例によれば、フィルタ
の段間調整回路をも圧電基板201の上に一体化したS
AWフィルタを実現することができる。尚、本実施例に
おいては、フィルタの段間にインダクタを並列接続し、
入出力段にキャパシタを直列に接続する構成の整合回路
を例に挙げて説明したが、必ずしもこの構成に限定され
るものではなく、回路構成はSAWフィルタのインピー
ダンスに応じて任意に変更することができる。また、反
射器電極によって構成する整合回路素子が不足する場合
には、圧電基板201の上に新たにリアクタンス電極パ
ターンを構成してもよいし、外部回路を接続してもよ
い。
【0115】また、本実施例における反射器電極パター
ンは、第8の実施例に示した共通バスバーを有する反射
器電極パターンに置き換えることもできる。 (第10の実施例)図22は本発明に係る弾性表面波フ
ィルタの第10の実施例を示す構成図である。図22に
示すように、圧電基板221の上には、IDT電極22
2と反射器電極223、224とにより構成される第1
段のSAW共振器フィルタが形成されている。また、圧
電基板221の上には、IDT電極225と反射器電極
226、227とにより構成される第2段のSAW共振
器フィルタが形成されている。そして、上記2段のSA
W共振器フィルタは段間電極パターン228によって電
気的に縦続に接続されており、これにより多段接続のS
AWフィルタが構成されている。尚、第1段及び第2段
のSAW共振器フィルタは、エネルギー閉じ込め型の2
つのSAW共振器が近接配置され、その間に音響結合が
生じることによって構成されている。
【0116】反射器電極223、226は、それぞれ複
数本のストリップ電極を束ねて略つずら折状に接続した
ミアンダライン形のインダクタ電極を構成しており、そ
れぞれIDT電極222、225の入出力電極とアース
との間に並列に接続されている。また、反射器電極22
4、227はインターデジタル形のキャパシタ電極を構
成しており、それぞれIDT電極222、225の入出
力電極に直列に接続されている。そして、上記段間電極
パターン228は、圧電基板221の上に新たに形成し
たスパイラルインダクタ電極パターン229を介して接
地されている。
【0117】以上のように構成された弾性表面波フィル
タは、入出力段では図18に示した等価回路と同様に直
列キャパシタと並列インダクタの回路が形成され、さら
にSAWフィルタの段間に並列インダクタを備えた回路
構成となる。従って、第7の実施例と同様に入出力段の
整合回路を同一圧電基板221の上に構成することがで
きると共に、第9の実施例で述べたような段間の調整回
路も同一圧電基板221の上に構成することができる。
【0118】また、第1段のSAW共振器フィルタと第
2段のSAW共振器フィルタは、両者の不要な弾性的結
合を防ぐために、ある程度離れた位置に形成する必要が
ある。従って、図22に示すように、上記したスパイラ
ルインダクタ電極パターン229は、このSAW共振器
フィルタ間のスペースを利用して形成することができ、
その結果、圧電基板221を従来よりも大きくする必要
はないので、回路の小型化を図ることができる。
【0119】以上のように本実施例によれば、第7の実
施例と同様の効果を得ることができると共に、さらに第
9の実施例に示すようなフィルタの段間に調整回路が必
要な場合にも対応させることができる。
【0120】尚、本実施例においては、フィルタの段間
にインダクタを並列接続し、入出力段にはインダクタを
並列に接続し、キャパシタを直列に接続する構成の整合
回路を例に挙げて説明したが、必ずしもこの構成に限定
されるものではなく、回路構成はSAWフィルタのイン
ピーダンスに応じて任意に変更することができる。さら
に、これらリアクタンス素子の一部分のみを形成して利
用することもできる。
【0121】また、本実施例における反射器電極パター
ンは、第8の実施例に示した共通バスバーを有する反射
器電極パターンに置き換えることもできる。さらに、図
23(a)に示すように、本実施例におけるスパイラル
インダクタ電極パターン229に、隣接する巻線電極パ
ターン間を短絡接続する短絡電極パターン231を形成
すれば、上記短絡電極パターンをレーザー等でトリミン
グすることにより、リアクタンス値を微調整することが
できるので、SAWフィルタ基板をパッケージに実装し
た後にフィルタ特性を微調整することが可能となる。
【0122】また、第7、9、10の実施例において、
ミアンダライン形インダクタ電極173、203、22
3等は図23(b)の電極パターン232の部分をトリ
ミングし、また、インターデジタル形のキャパシタ電極
174、204、224等は図23(c)の電極パター
ン233の部分をトリミングすることにより、各々のリ
アクタンス値を微調整することができる。
【0123】また、第7、8、9、10の実施例におい
ては、2段縦続接続のSAWフィルタを例に挙げて説明
したが、本発明は一般の共振器型SAWフィルタや多電
極型のSAWフィルタを含め、反射器を伴う弾性表面波
素子全般に適用することができる。
【0124】また、本発明における圧電基板としては温
度特性に優れたSTカット水晶を用いるのが好ましい
が、LiTaO、LiNbO、Li等の
基板を使用することもできる。また、電極材料として
は、電極膜厚の制御が容易であることから、比較的密度
の小さいアルミニウムを用いるのが好ましいが、金電極
を用いることも可能である。さらに、本発明はレイリー
波を利用した弾性表面波だけではなく、すべり波(SS
BW)、疑似弾性表面波(Leaky SAW)等を利
用した共振器にも適用することができる。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る弾性
表面波フィルタの第1の構成によれば、3つの励起モー
ドを利用したSAWフィルタを実現することができ、外
部伸長コイル等を用いることなく、従来の2つの励起モ
ードを利用したSAWフィルタよりも広帯域な通過特性
を得ることができるので、フィルタ回路の小型化を図る
ことができる。また、このように3つの励起モードを利
用したSAWフィルタを実現することができるために、
従来の2次のSAWフィルタよりも帯域外減衰傾度特性
が急峻となり、より良好な選択度特性を得ることもでき
る。
【0126】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第2の構成によれば、IDT電極中央部のバスバーを電
気的に独立させることができるので、外側に配置された
SAW共振器のIDT電極を全て独立に配線することが
できる。従って、SAWフィルタを構成するIDT電極
のうち、中央に配置されたSAW共振器のIDT電極の
みが接地されることとなるので、この部分を入出力端子
とは電気的に独立させることができる。その結果、ID
T電極の接地状態がフィルタの入出力特性に直接影響す
るはなく、さらに、入出力端子間の信号の直達成分も大
幅に減少するため、フィルタの帯域外減衰量特性をさら
に改善することができる。
【0127】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第3の構成によれば、中央のSAW共振器において電極
の構造をIDT電極から周期構造のストリップライン電
極列に代えても、SAWフィルタの広帯域化を図ること
ができる。
【0128】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第4の構成によれば、帯域内の通過特性を劣化させるこ
となく、帯域幅を広げることができる。また、本発明に
係る弾性表面波フィルタの第5の構成によれば、並列に
接続された2組のSAW共振器フィルタがそれぞれ上記
第4の発明と同様の動作をし、これらが縦続接続される
ことによって、フィルタの帯域外減衰量がさらに改善さ
れる。
【0129】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第6の構成によれば、入力用IDT電極と出力用IDT
電極のアース電極を独立に取ることができると共に、S
AWフィルタの平衡入出力化が可能となる。その結果、
SAWフィルタのIDT電極を接地する必要がなくな
り、SAW電極の接地状態がフィルタの入出力特性に直
接影響するはなく、さらに、入出力端子間の信号の直達
成分も大幅に減少するので、フィルタの帯域外減衰量特
性を改善することができる。また、バラン等の外部回路
を用いることなくフィルタの前後段にIC等のバランス
型素子を接続することが可能となるので、回路全体のノ
イズ特性を改善することもできる。
【0130】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第7の構成によれば、並列に接続された2組のSAW共
振器フィルタがそれぞれ上記第6の発明の場合と同様の
動作をし、これらが縦続接続されることによって、フィ
ルタの帯域外減衰量がさらに改善される。
【0131】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第8の構成によれば、従来と同程度の圧電基板面積で上
記回路構成を実現することができる。また、本発明に係
る弾性表面波フィルタの第9の構成によれば、外付けの
回路素子を用いた場合に比べて素子値のバラツキを低減
することができるので、多段接続のSAWフィルタ回路
特性の安定化を図ることができる。
【0132】また、本発明に係る弾性表面波フィルタの
第10の構成によれば、圧電基板上の電極パターンによ
って形成したリアクタンス素子がフィルタの段間に対し
て整合素子として働くので、広帯域タイプの横モード結
合共振器型SAWフィルタ等、従来段間に伸長コイル等
の調整回路を接続する必要のあったSAWフィルタの段
間無調整化を、圧電基板上の電極面積を新たに増やすこ
となく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波フィルタの第1の実施
例を示す構成図である。
【図2】第1の実施例における弾性表面波フィルタの励
起モード分布図である。
【図3】第1の実施例における弾性表面波フィルタの通
過帯域特性図である。
【図4】第1の実施例における多段接続の弾性表面波フ
ィルタを示す構成図である。
【図5】本発明に係る弾性表面波フィルタの第2の実施
例を示す構成図である。
【図6】第2の実施例における弾性表面波フィルタのI
DT電極が近接配置された部分の拡大図である。
【図7】第2の実施例における多段接続の弾性表面波フ
ィルタを示す構成図である。
【図8】本発明に係る弾性表面フィルタの第3の実施例
を示す構成図である。
【図9】第3の実施例における弾性表面波フィルタのI
DT電極が近接配置された部分の拡大図である。
【図10】第3の実施例における弾性表面波フィルタの
IDT電極が逆相配置された場合の構成図である。
【図11】第3の実施例における弾性表面波フィルタの
非平衡入出力の場合の構成図である。
【図12】本発明に係る弾性表波フィルタの第4の実施
例を示す構成図である。
【図13】第4の実施例における弾性表面波フィルタの
通過帯域特性図である。
【図14】本発明の係る弾性表面波フィルタの第5の実
施例を示す構成図である。
【図15】本発明に係る弾性表面波フィルタの第6の実
施例を示す構成図である。
【図16】第6の実施例における弾性表面波フィルタの
面実装用パッケージへの実装図である。
【図17】本発明に係る弾性表面波フィルタの第7の実
施例を示す構成図である。
【図18】第7の実施例における弾性表面波フィルタの
等価回路図である。
【図19】本発明に係る弾性表面波フィルタの第8の実
施例を示す構成図である。
【図20】本発明に係る弾性表面波フィルタ第9の実施
例を示す構成図である。
【図21】第9の実施例における弾性表面波フィルタの
等価回路図である。
【図22】本発明に係る弾性表面波フィルタの第10の
実施例を示す構成図である。
【図23】第7、8、9、10の実施例におけるリアク
タンス電極パターンの構成図である。
【図24】従来技術における弾性表面波フィルタを示す
構成図である。
【符号の説明】
11、41、51、71、81、101、111、12
1、141、151、171、191、201、221
圧電基板 12、13、14 SAW共振器 12a、13a、14a、52a、53a、54a、8
2a、84a、102、104、112、114、12
2a、122b、125a、125b、172、17
5、192、195、202、205、222、225
IDT電極 12b、12c、13b、13c、14b、14c、5
2b、52c、53b、53c、54b、54c、82
b、82c、83b、83c、84b、84c、123
a、123b、124a、124b、126a、126
b、127a、127b、173、174、176、1
77、193、194、196、197、203、20
4、206、207、223、224、226、227
反射器電極 21、22、156a、156b、157a、157b
IDT電極指 42、43、72、73、142、143、144、1
45、152、153SAWフィルタ 44、74、128b、148a、148b、148
c、232、233 電極パターン 45、75、162 電極パッド 61、62、91、92、158 バスバー電極 83a、103、113 周期構造のストリップライン
電極列 128a、146、147、154a、154b、15
5a、155b 配線パターン 131、132、133 SAWフィルタの通過特性 163 ボンディングワイヤ 149 アブソーバ 161 面実装用パッケージ 164a、164b 入力端子電極 165a、165b 出力端子電極 166 接地電極 178、198、208、228 段間電極パターン 181、211 第1段のSAWフィルタ 182、212 第2段のSAWフィルタ 229 スパイラルインダクタ電極パターン 231 短絡電極パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 和紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に、インタデジタルトランス
    ジューサ(IDT)電極の両側に反射器電極を具備した
    弾性表面波(SAW)共振器を、SAWの伝搬方向と平
    行に3個近接配置して音響結合させ、中央に配置された
    前記SAW共振器を構成するIDT電極を全て接地する
    と共に、外側に配置された前記SAW共振器を構成する
    IDT電極を電気的に独立させた弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 中央に配置されたSAW共振器を構成す
    るIDT電極を、外側に配置されたSAW共振器を構成
    するIDT電極と反射器電極との間隙に配した電極パタ
    ーンを介して接地する請求項1に記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  3. 【請求項3】 圧電基板上に形成された段間接続電極パ
    ターンにより複数個縦続に接続した請求項1に記載の弾
    性表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】 段間接続電極パターンの一部にボンディ
    ング用の電極パッドを形成した請求項3に記載の弾性表
    面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 段間接続電極パターンを、同一圧電基板
    上の電極パターンによって形成したリアクタンス素子を
    介して接地した請求項3に記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 リアクタンス素子がスパイラルインダク
    タである請求項5に記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反射
    器電極を具備したSAW共振器を、SAWの伝搬方向と
    平行に3個近接配置して音響結合させ、隣接する前記S
    AW共振器間の2箇所のバスバー用電極パターンを分割
    すると共に、中央に配置された前記SAW共振器を構成
    するIDT電極を全て接地した弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 外側に配置された一方のSAW共振器を
    構成するIDT電極を平衡型入力端子に接続し、外側に
    配置されたもう一方のSAW共振器を構成するIDT電
    極を平衡型出力端子に接続した請求項7に記載の弾性表
    面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 中央に配置されたSAW共振器を構成す
    るIDT電極を、外側に配置されたSAW共振器のID
    T電極と反射器電極との間隙に配した電極パターンを介
    して接地した請求項7に記載の弾性表面波フィルタ。
  10. 【請求項10】 外側に配置されたSAW共振器のID
    T電極を構成するバスバー用電極パターンの線路幅を、
    中央に配置されたSAW共振器のIDT電極を構成する
    バスバー用電極パターンの線路幅よりも大きくした請求
    項8に記載の弾性表面波フィルタ。
  11. 【請求項11】 圧電基板上に形成された複数本の段間
    接続電極パターンにより複数個縦続に接続した請求項7
    に記載の弾性表面波フィルタ。
  12. 【請求項12】 複数本の段間接続電極パターンの一部
    にボンディング用の電極パッドを形成した請求項11に
    記載の弾性表面波フィルタ。
  13. 【請求項13】 複数本の段間接続電極パターン同士を
    リアクタンス素子を介して接続した請求項11に記載の
    弾性表面波フィルタ。
  14. 【請求項14】 複数本の段間接続電極パターンの一方
    を接地し、もう一方の段間接続電極パターンをリアクタ
    ンス素子を介して接地した請求項11に記載の弾性表面
    波フィルタ。
  15. 【請求項15】 リアクタンス素子が同一圧電基板上の
    電極パターンによって形成されたスパイラルインダクタ
    である請求項13又は14に記載の弾性表面波フィル
    タ。
  16. 【請求項16】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反
    射器電極を具備したSAW共振器を、SAWの伝搬方向
    と平行に2個形成し、前記SAW共振器間に、前記SA
    W共振器のIDT電極指交差幅と同程度の長さを有する
    ストリップライン電極を、前記SAW共振器と同一の電
    極周期で並行配置することによって、周期構造状電極列
    を形成すると共に、前記SAW共振器と前記周期構造状
    電極列を近接配置して音響結合させた弾性表面波フィル
    タ。
  17. 【請求項17】 周期構造状電極列を構成する各ストリ
    ップライン電極を、その両端に設けたバスバー電極によ
    って互いに接続した請求項16に記載の弾性表面波フィ
    ルタ。
  18. 【請求項18】 周期構造状電極を、外側に配置された
    SAW共振器のIDT電極と反射器電極との間隙に配し
    た電極とバスバー電極を介して接地した請求項17に記
    載の弾性表面波フィルタ。
  19. 【請求項19】 外側に配置された一方のSAW共振器
    電極を平衡型入力端子に接続し、外側に配置されたもう
    一方のSAW共振器電極を平衡型出力端子に接続した請
    求項18に記載の弾性表面波フィルタ。
  20. 【請求項20】 外側に配置されたSAW共振器を構成
    するIDT電極の、周期構造状電極と隣接する側のバス
    バー用電極パターンの線路幅を、前記周期構造状電極に
    形成したバスバー用電極パターンの線路幅よりも大きく
    した請求項19に記載の弾性表面波フィルタ。
  21. 【請求項21】 圧電基板上に形成された複数本の段間
    接続電極パターンにより複数個縦続に接続した請求項1
    6に記載の弾性表面波フィルタ。
  22. 【請求項22】 SAW共振器の周期構造状電極列と隣
    接する側のIDT電極と、前記周期構造状電極列を接続
    するバスバー電極を一体化すると共に、前記周期構造状
    電極列を接地した請求項17に記載の弾性表面波フィル
    タ。
  23. 【請求項23】 圧電基板上に形成された段間接続電極
    パターンにより複数個縦続に接続した請求項22に記載
    の弾性表面波フィルタ。
  24. 【請求項24】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反
    射器電極を具備したSAW共振器を近接配置して音響結
    合させたSAW共振器フィルタを2個形成し、第1のS
    AW共振器フィルタを構成するSAW共振器の電極配置
    は逆相とし、第2のSAW共振器フィルタを構成するS
    AW共振器の電極配置は同相とすると共に、前記第1の
    SAW共振器フィルタと前記第2のSAW共振器フィル
    タを並列に接続した弾性表面波フィルタ。
  25. 【請求項25】 第1及び第2のSAW共振器フィルタ
    のうち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側
    励起周波数と、他方のSAW共振器フィルタの低域側励
    起周波数の値を一致させた請求項24に記載の弾性表面
    波フィルタ。
  26. 【請求項26】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反
    射器電極を具備したSAW共振器を近接配置して音響結
    合させたSAW共振器フィルタを4個形成し、第1及び
    第2のSAW共振器フィルタを構成するSAW共振器の
    電極配置は逆相とし、第3及び第4のSAW共振器フィ
    ルタを構成するSAW共振器の電極配置は同相とし、前
    記第1のSAW共振器フィルタと前記第3のSAW共振
    器フィルタを並列に接続し、前記第2のSAW共振器フ
    ィルタと前記第4のSAW共振器フィルタを並列に接続
    すると共に、前記第1及び第3のSAW共振器フィルタ
    と前記第2及び第4のSAW共振器フィルタとの間を前
    記圧電基板上に形成された電極パターンにより縦続に接
    続した弾性表面波フィルタ。
  27. 【請求項27】 第1及び第3のSAW共振器フィルタ
    のうち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側
    励起周波数と他方のSAW共振器フィルタの低域側励起
    周波数の値を一致させ、かつ第2及び第4のSAW共振
    器フィルタのうち、いずれか一方のSAW共振器フィル
    タの高域側励起周波数と他方のSAW共振器フィルタの
    低域側励起周波数の値を一致させた請求項26に記載の
    弾性表面波フィルタ。
  28. 【請求項28】 第1のSAW共振器フィルタと第2の
    SAW共振器フィルタを弾性表面波が伝搬する方向と平
    行に隣合わせて配置すると共に、第3のSAW共振器フ
    ィルタと第4のSAW共振器フィルタを弾性表面波が伝
    搬する方向と平行に隣合わせて配置した請求項26に記
    載の弾性表面波フィルタ。
  29. 【請求項29】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反
    射器を具備したSAW共振器を近接配置して音響結合さ
    せることによって、SAW共振器フィルタを構成し、前
    記SAW共振器フィルタの近接するIDT電極の中央部
    のバスバー用電極パターンを分割すると共に、近接配置
    された複数個の前記SAW共振器が電気的に独立したバ
    スバーを有する弾性表面波フィルタ。
  30. 【請求項30】 弾性表面波フィルタを同一圧電基板上
    に2個形成し、第1のSAW共振器フィルタを構成する
    SAW共振器の電極配置は逆相とし、第2のSAW共振
    器フィルタを構成するSAW共振器の電極配置は同相と
    すると共に、前記第1のSAW共振器フィルタと前記第
    2のSAW共振器フィルタを並列に接続した請求項29
    に記載の弾性表面波フィルタ。
  31. 【請求項31】 第1及び第2のSAW共振器フィルタ
    のうち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側
    励起周波数と、他方のSAW共振器フィルタの低域側励
    起周波数の値を一致させた請求項30に記載の弾性表面
    波フィルタ。
  32. 【請求項32】 圧電基板上に、IDT電極の両側に反
    射器電極を具備したSAW共振器を近接配置して音響結
    合させたSAW共振器フィルタの中央部バスバー用電極
    パターンを分割し、前記SAW共振器フィルタを4個形
    成し、第1及び第2のSAW共振器フィルタを構成する
    SAW共振器の電極配置は逆相とし、第3及び第4のS
    AW共振器フィルタを構成するSAW共振器の電極配置
    は同相とし、前記第1のSAW共振器フィルタと前記第
    3のSAW共振器フィルタを並列に接続し、前記第2の
    SAW共振器フィルタと前記第4のSAW共振器フィル
    タを並列に接続すると共に、前記第1及び第3のSAW
    共振器フィルタと前記第2及び第4のSAW共振器フィ
    ルタの間を前記圧電基板上に形成された電極パターンに
    より縦続に接続した弾性表面波フィルタ。
  33. 【請求項33】 第1及び第3のSAWフィルタのう
    ち、いずれか一方のSAW共振器フィルタの高域側励起
    周波数と他方のSAW共振器フィルタの低域側励起周波
    数の値を一致させ、かつ、第2及び第4のSAW共振器
    フィルタのうち、いずれか一方のSAW共振器フィルタ
    の高域側励起周波数と他方のSAW共振器フィルタの低
    域側励起周波数の値を一致させた請求項32に記載の弾
    性表面波フィルタ。
  34. 【請求項34】 SAWフィルタを構成する電極パター
    ンの一部を利用してリアクタンス素子を形成した弾性表
    面波フィルタ。
  35. 【請求項35】 IDT電極と反射器電極とを具備し、
    前記反射器電極を利用してリアクタンス素子を形成した
    請求項34に記載の弾性表面波フィルタ。
  36. 【請求項36】 リアクタンス素子が、反射器電極を構
    成する並行配置されたストリップライン電極を略つずら
    折状に接続して形成したインダクタである請求項35に
    記載の弾性表面波フィルタ。
  37. 【請求項37】 リアクタンス素子が、反射器電極を構
    成する並行配置された複数本のストリップライン電極を
    束ねて略つずら折状に接続して形成したインダクタであ
    る請求項35に記載の弾性表面波フィルタ。
  38. 【請求項38】 リアクタンス素子が、反射器電極を構
    成する並行配置されたストリップ電極をインタデジタル
    形に接続して形成したキャパシタである請求項35に記
    載の弾性表面波フィルタ。
  39. 【請求項39】 リアクタンス素子を用いて入出力整合
    回路を構成した請求項34に記載の弾性表面波フィル
    タ。
  40. 【請求項40】 リアクタンス素子を用いて段間整合回
    路を構成した請求項34に記載の弾性表面波フィルタ。
  41. 【請求項41】 IDT電極の両側に反射器電極を具備
    したSAW共振器を複数個近接配置して音響結合させた
    請求項34に記載の弾性表面波フィルタ。
  42. 【請求項42】 反射器電極を利用してリアクタンス素
    子を構成した請求項41に記載の弾性表面波フィルタ。
  43. 【請求項43】 IDT電極の両側に反射器電極を具備
    したSAW共振器を複数個近接配置して音響結合させた
    SAW共振器フィルタを同一圧電基板上に複数個形成
    し、前記SAW共振器フィルタ間を縦続に接続すると共
    に、前記圧電基板上の電極パターンによって形成したリ
    アクタンス素子を用いて入出力整合回路を構成した弾性
    表面波フィルタ。
  44. 【請求項44】 反射器電極を利用してリアクタンス素
    子を構成した請求項43に記載の弾性表面波フィルタ。
  45. 【請求項45】 IDT電極の両側に反射器電極を具備
    したSAW共振器を複数個近接配置して音響結合させた
    SAW共振器フィルタを同一圧電基板上に複数個形成
    し、前記SAW共振器フィルタ間を縦続に接続すると共
    に、前記接続点を同一圧電基板上の電極パターンによっ
    て形成したリアクタンス素子を介して接地した弾性表面
    波フィルタ。
  46. 【請求項46】 リアクタンス素子がスパイラルインダ
    クタである請求項45記載の弾性表面波フィルタ。
  47. 【請求項47】 複数個のSAWフィルタ間のスペース
    を利用してスパイラルインダクタを形成した請求項46
    に記載の弾性表面波フィルタ。
  48. 【請求項48】 スパイラルインダクタの隣接する巻線
    電極パターン間を短絡接続する短絡電極パターンを少な
    くとも1箇所に設けた請求項46に記載の弾性表面波フ
    ィルタ。
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