JPH08510747A - 抗−b型肝炎(hbv)及び抗−hiv剤としてのl−2′,3′−ジデオキシヌクレオシド類似体 - Google Patents

抗−b型肝炎(hbv)及び抗−hiv剤としてのl−2′,3′−ジデオキシヌクレオシド類似体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、L−型(L-configuration)(天然に存在するD−型とは反対のもの)のジデオキシリボフラノシル残基を含有するある種のジデオキシヌクレオシド類似体が、B型肝炎ウイルス(HBV)に対して予想外の活性を示すという発見に関する。特に本発明の化合物は、ウイルスの複製を強力に阻害するとともに宿主細胞(すなわち、動物またはヒト組織)に対する毒性が非常に小さい。本発明の化合物は、HBV、HIVおよび他のレトロウイルス(最も好適にはHBV)の増殖または複製を阻害する物質として主要な有用性を示す。化合物1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)−5−フルオロシトシンは、強力な抗HIV剤であり、宿主細胞への毒性は小さいことが示される。

Description

【発明の詳細な説明】 抗−B型肝炎(HBV)及び抗−HIV剤としてのL−2’,3’−ジデオキシヌクレ オシド類似体 発明の分野 本発明は、ジデオキシヌクレオシド類似体に関する。この化合物はレトロウイ ルス(特にB型肝炎ウイルス)に対して有意な活性を示す。本発明はまた、これ らの化合物を含有する薬剤組成物、B型肝炎ウイルスの増殖または複製の阻害方 法、および動物(特にヒト)におけるその感染の治療方法に関する。 発明の背景 B型肝炎ウイルス(HBV)感染症は、世界中で大きな医療問題である。HBVはB 型肝炎の急性および慢性型の病原因子である。全世界で2億人以上がHBVの慢性 キャリーアーであると推定されている。 HBVはヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)科に属し、これは、主に小さな齧 歯類に感染する多くの関連ウイルスを含む。ヘパドナウイルス(Hepadnaviridae )科の多くのメンバーは、形態学的外観、抗原性の構成およびDNAサイズや構造 などの共通の特徴がある。この科のメンバーによる感染後の病理学的症状は非常 によく似ている。研究では、この科のウイルスの複製と拡散は、RNA中間体の逆 転写酵素に依存している。 HBV自身は2本鎖DNAウイルスである。そのDNAポリメラーゼは、DNA依存性およ びRNA依存性RNA合成の双方を触媒する。HBVの生活環は、そのDNA複製に逆転写酵 素が関与する。現在HBV感染症の治療の有効な薬剤は存在しない。 B型肝炎ウイルス感染症の最適な防御法は、ワクチン接種である。しかし免疫 化計画が登場しても、この疾患はいまだに世界中の重大な問題である。急性B型 肝炎ウイルス感染症は一般に自己制限的であるが、多くの例でこの疾患は慢性状 態に進展する。B型肝炎ウイルス感染症はまた、劇症肝炎の危険を引き起こす。 さらにB型肝炎ウイルス感染症は、肝細胞癌に密接に関連している。 慢性B型肝炎ウイルス感染症の現在の治療法は、インターフェロンアルファの 投与、およびアデノシンアラビノシドまたはその一リン酸塩(ara-AMP)のよう な種々のヌクレオシド類似体の投与がある。これらの治療法はあまり成功してい ない。肝炎の治療のためにAZT、アシクロビルおよびホスカーネット(foscarnet )(劇症肝炎の場合)も使用されているが、ほとんどうまくいっていない。文献 には培養中のB型肝炎ウイルスに対して強力な活性を示すいくつかの2’,3’ −ジデオキシヌクレオシド類似体が報告されている。特に、ヌクレオチド類似体 (+)および(−)−2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン((±)Sd dC)は、B型肝炎ウイルスの強力な阻害物質であることが証明されており、(− )異性体は、その強力な活性とともに比較的毒性が低い点で特に興味深い。5− フルオロ類似体((±)5−FSddC)も、強力な活性を示すことが証明された(チ ャン(Chang)ら、Jour.Biol.Chem.,267,222414,1992およびチャン(Chang) ら、Jour.Biol.Chem.,267,13938,1992)。 最近さかんに研究されているがその治療がうまく行っていない疾患は、AIDSで ある。AIDSは、ヒトTリンパ球親和性ウイルスIII型(HTLVIII)、リンパ節障害 関連ウイルス(LAV)、またはヒト免疫不全症ウイルス(HIV)として知られてい る、ヒトに対する病原性レトロウイルスにより引き起こされる一般的に致死性の 疾患である。 他のTリンパ球親和性レトロウイルスであるHTLVIやHTLVIIに比 較して、HTLVIII(HIV)やリンパ節障害関連ウイルスは、不死化活性を有さない 非形質転換性細胞変性ウイルスである。AIDSの進展においてウイルスの複製反応 が重要な過程であると考えられている。さらにHIVの合成や生活環、従って疾患 の進展において、逆転写酵素が基本的な役割を果たしていると考えられている。 従って、未感染の宿主細胞にはこの酵素が存在しないため、この酵素はAIDSに対 する薬剤の開発のための、特に適した標的であると考えられている。最近研究者 達は、抗AIDS剤として可能性のあるいくつかの抗ウイルス剤(特に、リバビリン (ribavirin)やスラミン(suramin)を含む)を検討した。 HIV感染症において多くのヌクレオシドが重要な役割を果たしてきた。最近の 報告でその有効性に対して疑問視されているが、3’−アジド−3’デオキシチ ミジン(AZT)はその第一の例である。また多くの2’,3’−ジデオキシヌク レオシドがヒト免疫不全症ウイルス(HIV)に対して有意な活性を示す:その例 としては、3’−デオキシ−2’,3’−ジデヒドロチミジン(D4T)、2’, 3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドログアノシンの炭素環式類似体(カル ボビル(Carbovir))、2’,3’−ジデオキシシチジン(DDC)、3’−アジ ド−2’,3’−ジデオキシグアノシン(AZG)、2’,3’−ジデオキシイノ シン(DDI)、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロシチジン(D4C )、3’−フルオロ−2,3−ジデオキシアデノシン、3’−フルオロ−3’− デオキシチミジンおよび3’−アジド−2’,3’−ジデオキシウリジンなどが ある。ラーダー(Larder)ら、Antimicrob.Agents Chemother.,34,436(1990) を参照。これらの類似体のあるもの(ddCを含む)は、現在抗HIV剤として使用さ れている。ジデオキシヌクレオシドの中では、ddCがHIVの最も強力な阻害物質で あることが証明されている 。 HBVやHIVに対する有効な治療プロトコールの発見に研究が集中して行われてお り、いくつかの強力な抗HBVヌクレオシドや抗HIVヌクレオシド類似体が合成され 性状解析されているが、理想的な薬剤はまだ見つかっていない。 レトロウイルス感染症(HBVおよびHIVを含む)に対する治療プロトコールを最 適化するための大きな問題は、良好な抗ウイルス活性を有する一方、抗ウイルス ヌクレオシドが示す可能性のある宿主細胞に対する毒性や抗ミトコンドリアDNA 作用を最小にすることである。 本発明は、強力な抗ウイルス活性(特に、抗HBV活性および抗HIV活性)を示し 、宿主細胞に対する毒性が有意に小さい合成ヌクレオシドに関する。先行技術の 化合物と比較すると、本発明の類似体はHBV感染に対する実行可能な治療アプロ ーチであり、HIV感染症やAIDSの治療に対して改善されたアプローチである。 発明の簡単な説明 本発明は、L−型(L-configuration)(天然に存在するD−型とは反対のも の)のジデオキシリボフラノシル残基を含有するある種のジデオキシヌクレオシ ド類似体が、B型肝炎ウイルス(HBV)に対して予想外の活性を示すという、驚 くべき発見に関する。特に本発明の化合物は、ウイルスの複製を強力に阻害する とともに宿主細胞(すなわち、動物またはヒト組織)に対する毒性が非常に小さ い。これは予想外の結果である。 本発明の化合物は、HBV、HIVおよび他のレトロウイルス(最も好適にはHBV) の増殖または複製を阻害する物質として主要な有用性を示す。これらの物質のあ る種のものは、他のウイルスの増殖また は複製の阻害、または他のウイルス感染症、ある種の糸状菌感染症、微生物感染 症および/または関連疾患状態の治療にも有用である。さらに、これらの物質の ある種のものは、関連する化学物質の産生または合成の中間体として有用である 。 本発明の化合物は、動物(特に、B型肝炎ウイルス感染症に罹っているヒト) をおそうウイルス感染症を防ぐのに特に有用である。現在真の治療法がない疾患 (慢性HBV感染症)に対する治療薬として、本発明の化合物は大きな可能性を有 する。本発明の化合物は、単独でまたは他の治療法と組合せて使用することがで きる。 本発明の化合物は、L−型(天然の糖残基のD−型に対して)のジデオキシリ ボフラノシル残基を含有するジデオキシヌクレオシド類似体である。アデニン、 グアニン、シトシン、チミンそしてウラシル、およびこれらの塩基の置換誘導体 を含有する天然または合成核酸を含む本発明の化合物が開示される。本発明の化 合物はまた、リボフラノシル残基のいくつかの修飾物質を含有する。 本発明はまた、少なくとも1つの開示されたL−2’,3’−ジデオキシヌク レオシド類似体の阻害的有効量または濃度に、ウイルスを暴露することよりなる 、HBVの増殖または複製を阻害する方法に関する。本発明は、関連する抗HBV化合 物の活性の測定、および本発明の化合物の1つに対する患者のHBV感染に対する 感受性の測定のような比較試験で使用することができる。本発明はまた、ウイル ス感染症を治療するのに使用することもできる。 本発明の治療的側面は、治療すべき動物またはヒト患者のウイルスの増殖また は複製を阻害するために、抗ウイルス的に有効量の本発明の化合物を投与するこ とよりなる、動物またはヒト患者のレトロウイルス感染症(特に、ヒトのHBVま たはHIV感染症)の治療法に関する。 これらの新規の化合物に基づく薬剤組成物は、薬剤学的に許容される添加剤、 担体または賦形剤と随時組合せた、ウイルス感染症(好ましくはB型肝炎ウイル ス、そしてある場合にはHIV感染症)を治療するのに、治療的有効量の前述の化 合物よりなる。 薬剤投与型の化合物のあるものは、ウイルス感染の増殖または複製を阻害する ために、予防薬として使用することができる。これらは抗HBV剤または抗HIV剤と して特に適している。ある薬剤投与型では、本発明の化合物のプロドラッグ型が 好適である。 理論に限定されるつもりではないが、本発明の化合物はHBVおよびHIVの逆転写 酵素の抗代謝物として機能することにより、HBVまたはHIVの増殖または複製に対 する阻害効果を誘導すると考えられている。 本発明の化合物は当業者に公知の合成方法により用意に産生され、種々の化学 合成法を含む。 図面の簡単な説明 図1−11(反応工程図1〜11)は、本発明の化合物を合成するのに使用される 合成化学工程を記載する。特定の組成物の合成に関する反応工程図は、本明細書 中の後述の実施例に参照されている。 本発明の詳細な説明 本発明を記載するのに以下の定義が使用される。 「ジデオキシ」という用語は、本明細書において本化合物の糖の2’および3 ’位にヒドロキシではなく水素を有するリボフラノシル残基を説明するのに使用 される。 「ジデヒドロ」という用語は、本明細書において2重結合を有するリボフラノ シル残基を説明するのに使用される。例えば、2’, 3’−ジデヒドロは、糖の2’と3’炭素の間の2重結合を含有するリボフラノ シル残基を説明するのに使用される。 「阻害的有効濃度」または「阻害的有効量」という用語は、感受性のあるウイ ルス(特にHBVまたはHIVを含む)の増殖または複製を実質的にまたはかなり阻害 する、本発明の化合物の濃度または量を説明するのに使用される。 「治療的有効量」という用語は、レトロウイルス感染症(特にヒトのHBVまた はHIV感染症)を治療するのに治療的に有効な本発明の化合物の濃度または量を 説明するのに使用される。 「L−型」(L-configuration)という用語は、本発明の化合物のジデオキシ リボフラノシル残基の化学的配置を説明するのに使用される。本発明の化合物の 糖残基のL−型は、天然に存在するヌクレオシドであるシチジン、アデノシン、 チミジン、グアノシンおよびウリジンのD−型のリボース糖残基と反対のもので ある。 本発明は、L−型(天然に存在するD−型とは反対のもの)のジデオキシリボ フラノシル残基を含有するジデオキシヌクレオシド類似体は、B型肝炎ウイルス (HBV)に対して予想外の活性を示すという、驚くべき発見に関する。特に本発 明の化合物は、ウイルスの複製に対して強力な阻害を示し、宿主細胞(すなわち 、動物またはヒト組織)に対して毒性が非常に小さい。 本発明はまた、特に現在入手できる最も有効な抗HIV化合物の1つとして使用 されている1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−D−リボフラノシル)シトシン (ジデオキシシチジンまたはddC)と比較して、1−(2,3−ジデオキシ−ベ ータ−L−リボフラノシル)−5−フルオロシトシン(β−L−FddC)は比較的 毒性の小さい極めて有効な抗HIV剤であるという、予想外の発見に関する。β− L−FddCは、特に類似の化合物の抗HIV活性と比較した時、非常に優 れた抗HIV活性と宿主に対する比較的限定された毒性を示すであろう。 本発明は、構造: RはF、Cl、Br、IまたはCH3である) の第1の群の化合物に関する。 この第1群の化合物において、Rは好ましくはHまたはFである。 この発明はまた、構造: (式中、RはH、F、Cl、Br、IまたはCH3である) の第2の群の化合物にも関する。 この第2の群の化合物において、Rは好ましくはHまたはF、最も好ましくは Hである。 本発明はまた、構造: (式中、XはH、F、Cl、Br、I、CH3、−C≡CH、−HC=CH2 この第3の群の化合物において、Xは好ましくはH、FまたはCH3、最も好ま しくはCH3である。 本発明はまた、構造: R’はHまたはCH3であり; R''はHまたはCH3であり; R’とR''がHである時、Y''はH、F、Br、Cl、またはNH2であり、 R’またはR''の少なくとも1つがCH3である時、Y''はHであり; そしてZはHまたはNH2である) の第4の群の化合物に関する。 この本発明の第4の群の化合物において、R’およびR''は好ましくはHであ り、Y''は好ましくはHまたはRであり、最も好ましくはHである。Zは好まし くはNH2である。 本発明はまた、構造: (式中、TはF、Cl、BrまたはNH2である); (式中、WはHまたはNH2である)を有する化合物に関する。 第1の面において、本発明は、構造: RはH、F、Cl、Br、IまたはCH3である) の化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる、B型肝炎ウ イルスの増殖または複製を阻害するための方法に関する。 この第1の方法の面において、Rは好ましくはHまたはFである。 本発明のB型肝炎ウイルスの増殖または複製を阻害するための第2の方法の面 は、構造: (式中、XはH、F、Cl、Br、I、CH3、−C≡CH、−HC-CH2の化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる。 この第2の方法の面において、XはH、FまたはCH3であり、最も好ましくはC H3である。 本発明のB型肝炎ウイルスの増殖または複製を阻害するための第3の方法の面 は、構造: R’はHまたはCH3であり; R''はHまたはCH3であり; R’とR''がHである時、Y''はH、F、Cl、Br、またはNH2であり、 R’またはR''の少なくとも1つがCH3である時、Y''はHであり; そしてZはHまたはNH2である) の化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる。 この本発明の第3の方法の面において、R’およびR''は好ましくはHであり 、Zは好ましくはHまたはNH2である。 本発明のB型肝炎ウイルスの増殖または複製を阻害するための第4の方法の面 は、構造: (式中、TはH、F、Cl、BrまたはNH2である)の化合物の阻害濃度に、ウイル スを暴露させることよりなる。 この第4の方法の面において、Tは好ましくはHまたはFであり、最も好まし くはHである。 本発明のB型肝炎ウイルスの増殖または複製を阻害するための第5の方法の面 は、構造: (式中、WはHまたはNH2である)の化合物の阻害濃度に、ウイル スを暴露させることよりなる。 本発明のヒト免疫不全症ウイルスの増殖または複製を阻害するための本発明の 第6の方法の面は、構造: RはFである)の化合物の阻害濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる。 本発明はまた、構造: RはFである)の化合物の治療的有効濃度を、患者に投与することよりなる、ヒ ト免疫不全症ウイルスにより引き起こされる感染症に罹っている患者を治療する ための方法に関する。 本発明の化合物は、主にその抗レトロウイルス活性および特にその抗HBVまた は抗HIV活性に有用である。本化合物はまた、抗真菌 剤または抗菌剤としてのその生物活性により有用である。さらにこれらの組成物 はまた、治療薬または他の目的に有用な他のヌクレオシドまたはヌクレオチド類 似体の化学合成の中間体としても使用できる。好ましくは、これらの組成物は新 規の抗HBV剤として、さらにβ−L−FddCの場合は抗HIV剤としても使用される。 一般に、本発明の最も好ましい抗ウイルス化合物(特に、抗HBVまたは抗HIV化 合物)は、宿主細胞への細胞毒性が小さくかつ標的ウイルスに対してより活性が ある化合物である。薬剤投与型のある種の化合物は、予防薬として使用すること ができる。これらは抗ウイルス剤(特に、抗HBV剤または抗HIV剤)として特に適 している。患者への毒性が非常に小さいため、β−L−FddCはHIVを阻害しAIDS を予防するのに特に有効な抗予防薬である。 本発明の化合物は、当業者に公知の方法により容易に産生され、後述の実施例 にさらに詳述されている化学合成法を含む。一般に本発明の化合物は、適当な糖 シントンにあらかじめ合成したヌクレオシド塩基を縮合させて合成し、これが最 終的に目的のL−型ジデオキシリボフラノシル残基を有するヌクレオシド類似体 を与える。ある場合には、特定のヌクレオシド類似体についての合成経路は一般 的な合成経路からはずれることがある(例えば、実施例1および反応工程図3に 記載の1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシンおよ び1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)ウラシル)。 本発明の種々の組成物の化学合成において、当業者は余分な実験をすることな く本発明を実施することができるであろう。特に当業者は、塩基の目的の位置に 置換基、または糖残基上の目的の位置に置換基を導入するために実施すべき種々 の工程は認識できるであろう。さらに官能基(特にヒドロキシ基またはアミノ基 )を「保護」 するため、およびこれらと同じ官能基を「脱保護」するためにとるべき化学工程 も、合成の条件下で適宜理解できるであろう。 本発明の治療的側面は、治療すべき動物またはヒト患者のウイルスの増殖また は複製を阻害するのに、抗ウイルス的に有効な量の本発明の化合物を投与するこ とよりなる、動物またはヒト患者のレトロウイルス感染症(特に、ヒトのHBVま たはHIV感染症)の治療方法に関する。 これらの新規化合物に基づく薬剤組成物は、薬剤学的に許容される添加剤、担 体または賦形剤と随時組合せた、ウイルス感染症(好ましくはB型肝炎ウイルス またはHIV感染症)を治療するのに有効な量の前述の化合物よりなる。治療的有 効量は、治療すべき感染症または症状、その重症度、使用される治療法、使用さ れる薬剤の薬剤動力学、および治療すべき患者(動物またはヒト)により、変わ ることは理解するであろう。 本発明の薬剤的側面において、本発明の化合物は好ましくは薬剤学的に許容さ れる担体と混合して製剤化される。一般に薬剤は経口投与できる型で投与するこ とが好ましいが、いくつかの製剤は非経口、静脈内、筋肉内、経皮、口腔内、皮 下、坐剤または他の投与経路を介して投与される。静脈内または筋肉内投与用製 剤は、好ましくは無菌生理食塩水液として投与される。もちろん当業者は、本明 細書の記載内で、製剤を修飾して本発明の組成物を不安定にしたりその治療活性 について妥協することなく、特定の投与経路用の多くの製剤を提供することがで きる。特に本化合物を例えば水や他の担体中により溶解しやすくする修飾は、小 さな修飾(塩形成、エステル化など)により可能であり、これは当業者の技術の 範囲内である。患者で最大の効果が得られるように本化合物の薬剤動力学を管理 するために、投与経路や投与方法を修飾することも当業者の技術範 囲内である。 ある薬剤投与型においては、本化合物のプロドラッグ(特に、本化合物のアシ ル化(アセチル化または他の)誘導体、ピリジンエステルおよび種々の塩の型) が好ましい。当業者は、宿主生物または患者の標的部位への活性化合物の送達を 促進するために、本化合物をプロドラッグ型に容易に修飾する方法は理解できる であろう。当業者は、プロドラッグ型の薬剤動力学パラメータを最大限に利用し て、宿主生物または患者の標的部位への本化合物を適宜送達して、本化合物の目 的の効果を最大にすることもできるであろう。 本発明の治療活性のある製剤中に含まれる化合物の量は、その最も好適な実施 態様において、HBV感染症(また、β−L−FddCの場合はHIV感染症)のような感 染症または症状を治療するのに有効な量である。一般に投与型の本化合物の治療 的有効量は、通常約1mg/kgよりやや少ない量から約25mg/kg患者体重またはこ れよりかなり多い量までの範囲であり、使用される化合物、治療すべき症状また は感染症および投与経路に依存する。HBV感染症の場合は、本化合物は好ましく は、約1mg/kgから約25mg/kgの範囲の量で投与される。この投与範囲は、患者 の血液1ml当たり約0.04から約100マイクログラム/mlの範囲の活性化合物の有 効血中濃度を与える。 活性化合物の投与は、連続的(静脈内点滴)なものから、1日当たり数回の経 口投与(例えば、1日4回)までの範囲であり、特に経口、局所、非経口、筋肉 内、静脈内、皮下、経皮(これは貫通増強剤を含む)、口腔内および坐剤投与を 含んでよい。 本発明の薬剤組成物を調製するためには、好ましくは投薬量を産生するための 通常の薬剤混合法に従って、本発明の1つまたはそれ以上の貸せ化合物の治療的 有効量を、薬剤学的に許容される担体と緊密に混合する。投与法(例えば経口投 与または非経口投与)に適 した製剤型に依存して、担体は広範囲の型を取ることができる。経口投与型の薬 剤組成物を調製するには、任意の通常の薬剤媒体を使用することができる。例え ば懸濁剤、エリクシール剤および液剤のような液体の経口投与製剤については、 適当な担体や添加剤(水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色 剤など)を使用することができる。粉末剤、錠剤またはカプセル剤のような固体 経口投与製剤や坐剤のような固体製剤については、適当な担体や添加剤(デンプ ン、糖担体(ブドウ糖、マンニトール、乳糖および関連する担体を含む)、希釈 剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤など)を使用することができる。必要で あれば、錠剤やカプセル剤は、標準的方法により腸溶コーティングまたは徐放製 剤にしてもよい。 非経口用製剤には、担体は通常無菌水または塩化ナトリウム水溶液よりなるが 、他の成分(分散を助けるものを含む)を含有してもよい。もちろん、無菌水を 使用し無菌に維持される場合は、組成物や担体も滅菌しなければならない。注射 用懸濁液を調製することもでき、この場合適当な液体担体、懸濁剤などを使用す ることもできる。 本発明の特に好適な実施態様において、本化合物や組成物は、哺乳動物と特に ヒトのレトロウイルス感染症を治療するのに使用される。最も好適な実施態様に おいて、本化合物はHBV感染症(慢性HBV感染症を含む)を治療するのに使用され る。化合物β−L−FddCは、HIV感染症(AIDSを含む)の治療に使用すると有効 である。一般にHBVまたはHIV感染症を治療するには、組成物は好ましくは、約25 0マイクログラムから約500mgまでの量でまたはそれ以上の量で1日に4回までの 経口投与型で投与される。本化合物は好ましくは経口投与されるが、非経口的、 局所的または坐剤型で投与しても よい。 本発明の化合物は宿主細胞に対する毒性が予想外に小さいため、予防的に使用 して感染症の防止またはウイルス感染症に関連した臨床症状の発生を防止するこ とが有効である。例えば本発明は、ウイルス感染症(特にHBVまたはHIV感染症) の治療方法または予防方法を包含する。この予防方法は、治療の必要な患者に、 ウイルス感染症を緩和および/または防止するのに有効な量の本発明の化合物を 投与することよりなる。本発明の予防方法において、使用される抗ウイルス化合 物は毒性が小さく、好ましくは患者に対して無毒であることが好ましい。本発明 のこの面において、使用される化合物はウイルスに対して最大限に有効であり、 患者に対する毒性が最小であることが好ましい。β−L−FddCの場合は、この化 合物は、治療のためには、HIVの急速な増殖を防止するか、または患者のAIDSの 発症を長引かせるための予防薬と同じ投与範囲(すなわち、約250マイクログラ ムから約500mgで、経口型で1日1回から4回)で投与される。 さらに本発明の化合物は、単独でまたは他の薬剤(特に本発明の他の化合物を 含む)と一緒に投与してもよい。本発明のある化合物は、代謝を低下させ他の化 合物を不活性化することにより、本発明のある薬剤の生物活性を増強するのに有 効であり、そのためこの目的の効果を得るため同時投与される。β−L−FddCの 場合、この化合物は、現在使用されている1つまたはそれ以上の標準的抗HIV剤 (特に、AZT、DDC、およびDDIを含む)と組合せて投与することが有効である。 HBV感染症を治療するために特に好適な薬剤組成物と方法において、阻害的有 効量の1−(2,3−ジデオキシーベータ−L−リボフラノシル)シトシンおよ び/または1−(2, 3−ジデオキシ− ベータ−L−リボフラノシル)5−フルオロシトシンは、HBV感染症の症状を緩 和するために、HBV感染症に罹っている患者に投与される。 HIV感染症を治療するために特に好適な薬剤組成物と方法において、阻害的有 効量の1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)5−フルオロ シトシンは、HBV感染症および/またはAIDSの症状を緩和するために、そのよう な疾患に罹っている患者に投与される。 理論に限定されるつもりはないが、本発明の化合物は、ウイルスの逆転写酵素 の抗代謝物として機能することにより、主にHBVまたHIVの増殖または複製に対し て阻害効果を誘導すると考えられる。 純粋に例示を目的として、以下の実施例により本発明を説明する。これらの実 施例は本発明を限定するものではなく、本発明の精神と範囲を逸脱することなく 、その細部の変更が可能であることは当業者は理解できるであろう。 実施例 1.L−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド類似体の化学合成 実施例1−9 一般に本発明の化合物は後述の化学合成法により合成される。本化合物を合成 するために使用される化学合成方法は、文献記載の方法を修飾したものである。 本化合物を合成するために修飾した関連化学反応の文献は、後述の実施例に記載 されている。 融点はメルテンプ(MelTemp)装置を用いて測定し、補正はしていない。プロ トンNMRスペクトルは、バリアン(Varian)EM390またはブルーカー(Bruker)WM 250装置で記録し、(CH34Siから下へのppm(デルタ)として記録されている。 紫外線スペクトルはベックマン25分光光度計で記録した。分析薄層クロマトグラ フィー(TLC)は、メ ルク(Merck)EMシリカゲル60F254プレコートシートを用いて行なった。カラム クロマトグラフィーではメルク(Merck)EMシリカゲルを使用し、特に明示して いない場合はアルファおよびベータアノマー混合物を分離するために標準的有機 溶媒(塩化メチレン/メタノールまたは塩化メチレン/酢酸エチルを種々の容量 /容量比)を使用した。 実施例1 1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシン、1−(2 ,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)−5−フルオロ−、−5−ブ ロモ−、−5−クロロ−、−5−ヨード−および−5−メチルシトシンの合成 D−リボース誘導体の合成のためのタグチ(Taguchi)らの方法(Tetrahedron ,30,3532,1974)とファリナ(Farina)らの方法(Tetrahedron Lett.,29,1 239,1988)は、対応するL−リボース誘導体の合成への我々の合成アプローチ のモデルを与えた。D−グルタミン酸(1)の亜硝酸アミノ化によりラクトン2 が得られ、次にこの化合物2をエタノールと触媒量のp−トルエンスルホン酸で 処理して、対応するエステル3に変換した(反応工程図1を参照)。化合物3を NaBH4のエタノール液で還元して、(R)−4−(ヒドロキシメチル)−4−ブ チロラクトン(4)を得た。化合物4のヒドロキシ基をイミダゾールを触媒とし て塩化メチレン中の塩酸tert−ブチルジメチルシリルで保護して、(R)−4− {〔(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ}メチル)−4−ブチロラクトン( 5)を得て、次にこれを水素化ジイソブチアルミニウム(DIBAL)のトルエン溶 液で−78℃で還元して、対応するラクトール6に変換した。6を無水酢酸とトリ エチルアミンでアセチル化して、主要な糖中間体である1−O−アセチル−5− O−(tert−ブチルジメチルシリ ル)−2’,3’−ジデオキシ−L−リボフラノース(7)をアルファとベータ アノマーの混合物として得た:質量スペクトル、m/e 231(M+ -CH3CO)、215 (M+ -CH3COO);NMR(CDCl3))デルタ0.10(s,6H,SiMe2)、0.95(s,9H,t ert−ブチル)、1.85-2.15(m,7H,CH2CH2およびCOCH3)、3.50-3.65(M,2H, 5-H)、4.10-4.30(m,1H,4-H)、6.20-6.30(m,1H,1-H)。 ウラシル、5−フルオロ、5−ブロモ−、5−クロロ−および5−ヨードウラ シルおよびチミンを、オカベ(Okabe)らの方法(J.Org.Chem.,53,4780,1988 )を若干修飾して、酢酸塩7と結合させた。 5−フルオロウラシルから調製したシリル化5−フルオロウラシル(4.3g、3 3mmol)を、酢酸塩7(8.3g、30mmol)および二塩化エチルアルミニウム(トル エン中1.8Mの16.7ml、30mmol)と塩化メチレン中で室温で3時間反応させ、8.5 g(83%)の1−{5−O(tert−ブチルジメチルシリル)−2,3−ジデオキ シアルファ、ベータ、−L−リボフラノシル}−5−フルオロウラシル(8、R =F)を2:3のアルファ/ベータアノマー混合物として得た。アルファアノマ ーとベータアノマーはシリカゲルクロマトグラフィーで分離した。ベータアノマ ー(9):NMR(CDCl3)デルタ0.10(s,6H,SiMe2)、0.95(s,9H,tert−ブ チル)、1.80-2.45(m,4H,2'-Hおよび3'-H)、3.50-3.70(m,1H,4'-H)、3. 95-4.15(m,2H,5'-H)、5.90-6.05(m,1H,1'-H)、8.10-8.20(d,1H,6-H )、9.30-9.50(br,1H,NH,D2O交換可能);アルファ異性体:NMR(CDCl3)デ ルタ0.10(s,6H,SiMe2)、0.95(s,9H,tert−ブチル)、1.90-2.55(m,4H ,2'-Hおよび3'-H)、3.60-3.65(m,2H,5'-H)、4.30-4.50(m,IH,4'-H)、 5.90-6.05(m,1H,1'-H)、7.30-7.40(d,1H,6-H)、9.00-9.30(br,1H,NH ,D2O交換可能)。無 水ピリジン(60ml)中の4−クロロフェニルホスホロジクロリデート(6.2ml、3 7.8mmol)と1、2、4−トリアゾール(7.9g、114mmol)で、ベータアノマー (9.3g、8.7mmol)で室温で処理して、4−トリアゾリルピリミジノン誘導体10 を得た。粗生成物10を水酸化アンモニウム/ジオキサン(1:3、v/v)の混 合物で処理して2’,3’−ジデオキシシチジン誘導体11(1.2g、40%)を得 て、次にこれをTHF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで室温で20分間 反応させて脱保護して、標的化合物1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リ ボフラノシル)−5−フルオロシトシン(12、R=F、L-FDDC)を得た:融点14 7−149℃:NMR(DMSO-d6)デルタ1.85-2.35(m,4H,2'-Hおよび3'-H)、3.60-3 .82(m,2H,5'-H)、4.25(m,1H,4'-H)、5.15(t,1H,5'-OH,D2O交換可能 )、5.95-6.15(m,1H,1'-H)、7.45(br,s,2H,4-NH2,D2O交換可能)、8.2 2(d,1H,6-H)。 1−(2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシン、1−( 2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)−5−ブロモ−、−5−ク ロロ−、−5−ヨード−、または−5−メチルシトシンを合成するために、5− フルオロ誘導体を合成するのに使用した方法と類似の方法を使用した。結合反応 のために、5−フルオロウラシルの代わりに対応するシリル化5−ブロモ−、− 5−クロロ−、−5−ヨード−、または−5−メチルシトシンを使用した。他の すべての工程は、5−フルオロ誘導体12(R=F)の合成の方法と類似である。 化合物9をTHF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで処理して、対応 するウラシル誘導体13を得た。 化合物12(R=H、F、Cl、IおよびCH3)は別の方法(反応工程図2を参照 )でも合成し、ここでは対応するシトシン(14、R=H )およびその誘導体14(R=H、F、Cl、IおよびCH3)から調製したシリル化 化合物15(R=F、Cl、IおよびCH3)を、酢酸塩7と直接結合させ、次にアル ファアノマーとベータアノマー16を分離して、保護基を除去した。 化合物12(R=H)も立体特異的アプローチ(反応工程図3を参照)により合 成し、アルファアノマーを産生する可能性を排除した。O−2,2’−アンヒド ロウリジン19をホリー(Holy)らの方法(Collection Czechoslov.Chem.Commun .,37,4072,1972)により、L−アラビノース(17)から中間体オキサゾリン 誘導体18を経由して調製した。化合物19をピリジン中の塩化tert−ブチルジメチ ルシリルで処理して、保護クロロ誘導体である1−〔5−O(−tert−ブチルジ メチルシリル)−2−クロロ−2−デオキシ−ベータ−L−リボフラノシル〕ウ ラシル(20、R=H)を得た。対応する2’,3’−不飽和ヌクレオシド22への 化合物20の変換は、以前開発された方法(リン(Lin)ら、Tetrahedron Lett., 31,3829,1991)により行なった。化合物20をアセトニトリル中のフェニルクロ ロチオノカーボネートと4−ジメチルアミノピリジンで窒素下で室温で処理して 2’−クロロ−3’−フェノキシチオカルボニル誘導体21を得た。これは2’と 3’位に2つの隣接基を有する。化合物21を無水トルエン中の水素化トリ−n− ブチルスズとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)で60−70℃で4時間還元して 、2’,3’−不飽和誘導体22を泡状物質として得た:NMR(CDCl3)デルタ0.10 (s,6H,SiMe2)、0.95(s,9H,tert−ブチル)、3.90(m,2H,5'-H)、4.90 (m,1H,4'-H)、5.65-5.75(d,1H,5-H)、5.80-5.90(d,1H,3'-H)、6.25 -6.35(d,1H,2'-H)、7.05-7.10(m,1H,1'-H)、7.75-7.85(d,1H,6H)、 9.55(s,1H,-NH,D2O交換可能)。化合物22を触媒水素化し、次に4−クロロ フェニルホスホロジク ロリデートと1,2,4−トリアゾールで処理して4−トリアゾリルピリミジノ ン誘導体24を得て、次にこれを塩化アンモニウム/ジオキサンで処理し、次に前 述のように5’−保護基を脱保護して、目的の1−(2,3−ジデオキシ−ベー タ−L−リボフラノシル)シトシン12(R=H、L-DDC)に変換した。 化合物12(R=H、L-DDC):融点194-196℃;NMR(DMSO-d6)1.74-2.24(m, 4-H,2'-Hおよび3'-H)、3.49-3.65(m,2H,5'-H)、3.98-3.99(m,1H,4'-H )、4.95-5.00(t,1H,5'-OH,D2O交換可能)、5.65-5.68(d,1H,5-H)、5.8 5-5.93(m,1H,1'-H)、7.01-7.06(m,2H,-NH2,D2O交換可能)、7.87-7.90 (d,1H,6-H)。 化合物23をTHF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで処理して、対応 するウラシル誘導体13(R−H)を得た:1HNMR(DMSO-d6)デルタ1.80-2.05(m ,4-H,2'-Hおよび3'-H)、3.45-3.60(m,2H,5'-H)、3.85-4.05(m,1H,4'- H)、4.85-5.00(t,1H,5'-OH,D2O交換可能)、5.45-5.55(d,1H,5-H)、5. 80-6.00(m,1H,1'-H)、7.80-7.90(d,1H,6-H)、11.10(s,1H,NH,D2O交 換可能)。 実施例2 2’,3’−ジデオキシ−、2’,3’−ジデオキシ−N−メチル−および2’ ,3’−ジデオキシ−N,N−ジメチル−ベータ−L−アデノシン、および2’ ,3’−ジデオキシ−L−イノシンおよび2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L −グアノシン 2’,3’−ジデオキシ−、2’,3’−ジデオキシ−6−N−メチル−およ び2’,3’−ジデオキシ−N,N−ジメチル−ベータ−L−アデノシン、およ び2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L−イノシンおよび2’,3’−ジデオキ シ−ベータ−L−グアノシンの合成(反応工程図4を参照)は、プリン2’−デ オキシヌクレ オシドについてフジモリ(Fujimori)らが報告した方法(Nucleoside & Nucleot ides,11,341,1992)に基いて行なった。6−クロロプリンを無水アセトニト リル中のNaH(油中60%、n−ヘキサンで洗浄)と酢酸塩7でアルゴン下で処理 して、6−クロロ−9−〔(5−O−tert−ブチルジメチルシリル)−2,3− ジデオキシ−ベータ−L−エリスロ−ペントフラノシル〕プリン(26)を、対応 するN−7グリコシル異性体とともに得て、これをシリカゲルのクロマトグラフ ィーにより分離した。続いて化合物26をNH3/CH3OH、CH3NH2/CH3OH、または(C H32NH/CH3OHで高温で処理し、次にTHF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモ ニウムで脱保護して、それぞれ2’,3’−ジデオキシ−L−アデノシン(27、 R=R’=H)、2’,3’−ジデオキシ−N−メチル−ベータ−L−アデノシ ン(27、R=H、R’=CH3)、および2’,3’−ジデオキシ−N,N−ジメ チル−ベータ−L−アデノシン(27、R=R’=CH3)を得た。化合物26をTHF中 のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで処理して、次に脱保護ヌクレオシド (28)を2N KOH/ジオキサン(1:1,,v/v)でアルカリ加水分解をして 、2’,3’−ジデオキシ−L−イノシン(29)を得た。同様に2−アミノ−6 −クロロプリンを無水アセトニトリル中のNaH(油中60%、n−ヘキサンで洗浄 )と酢酸塩7でアルゴン下で処理して、2−アミノ−6−クロロ−9−〔(5− O−tert−ブチルジメチルシリル)−2,3−ジデオキシ−ベータ−L−エリス ロ−ペントフラノシル〕プリン(30)を得た。最終生成物2’,3’−ジデオキ シ−ベータ−L−グアノシン(32)への化合物30の変換は、中間体31を経由して 、THF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで脱保護して、2N KOH/ジ オキサン(1:1、v/v)でアルカリ加水分解して行なった。 実施例3 2−クロロ−、2−ブロモ−、2−アミノ−、および2−フルオロ−2’,3’ −ジデオキシ−ベータ−L−アデノシン これらの化合物は、実施例2で使用した反応工程図5に記載したように合成し た。エリオンとヒチング(Elion and Hitching)の記載した方法(J.Am.Chem.So c.,78,3508,1956)により調製した2,6−ジクロロプリンを、無水アセトニ トリル中のNaH(油中60%、n−ヘキサンで洗浄)と酢酸塩7でアルゴン下で処 理して、2,6−ジクロロ−9−〔(5−O−tert−ブチルジメチルシリル)− 2,3−ジデオキシ−ベータ−L−エリスロ−ペントフラノシル〕プリン(33) と対応するN−7グリコシル異性体を得て、これをシリカゲルのクロマトグラフ ィーにより分離した。続いて化合物33をNH3/CH3OHで高温で処理し、次にTHF中 のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで脱保護して、2−クロロ−2’,3 ’−ジデオキシ−L−アデノシン(34)を得た。ジブロモプリンを、無水アセト ニトリル中のNaH(油中60%、n−ヘキサンで洗浄)と酢酸塩7でアルゴン下で 処理して、6−ブロモ−9−〔(5−O−tert−ブチルジメチルシリル)−2, 3−ジデオキシ−ベータ−L−エリスロ−ペントフラノシル〕プリン(31)と対 応するN−7グリコシル異性体を得て、これをシリカゲルのクロマトグラフィー により分離した。続いて化合物31をNH3/CH3OHで高温で処理し、次にTHF中のフ ッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで脱保護して、6−ブロモ−(2’,3’ −ジデオキシ−ベータ−L−エリスロ−ペントフラノシル〕プリン(41)を得た 。ダボルとロウイー(Davoll and Lowy)の記載した方法(J.Am.Chem.Soc.,73 ,1650,1951)により調製した2,6−ビス(ベンザミド)プリンを、無水アセ トニトリル中のNaH(油中60%、n−ヘキサンで洗浄)と酢酸塩7でアルゴン下 で処 理して、2,6−ビス(ベンザミド)−9−〔(5−O−tert−ブチルジメチル シリル)−2,3−ジデオキシ−ベータ−L−エリスロ−ペントフラノシル〕プ リン(37)を得て、これを次にTHF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム とエタノール中のナトリウムエトキシドに反応させて脱保護して、2−アミノ− 2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L−アデノシン(38を)得た。化合物38を亜 硝酸ナトリウムと48−50%フルオロホウ酸で−10℃以下で処理して、2−フルオ ロ−2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L−アデノシン(39)を得た。 実施例4 1−(2,3−ジデヒドロ−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシ ン、1−(2,3−ジデヒドロ−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)− 5−フルオロ、−5−ブロモー、−5−クロロ−、−5−ヨード−、および−5 −メチルシトシン これらの化合物は、関連するD−異性体の合成について開発された方法(リン (Lin)ら、Biochem.Pharmacol.,36,311,1987;リン(Lin)ら、Organic Pre parations and Procedures Intl.,22,265,1990)により反応工程図6に示す ように合成した。ホリー(Holy)らの方法(Collection Czechoslov.Chem.Commu n.,37,4072,1972)により調製した2’−デオキシ−L−ウリジン(40、R= H)を、無水ピリジン中の2当量の塩化メタンスルホニルで−5〜0℃で処理し て、3’,5’ジ−O−メシル誘導体(41、R=H)を得た。ホルウィッツ(Ho rwitz)らの方法(J Org.Chem.,32,817,1967)に従って1N NaOHで処理して 、中間体アンヒドロヌクレオシド42(R=H)を介して化合物41(R=H)を2 ’−デオキシ−3’−5’−エポキシ−ベータ−L−ウリジン(43、R=H)に 変換した。化合物43(R=H)を無水ピリジン中の1,2,4−トリア ゾールと4−クロロフェニルホスホロジクロリデートで処理して、4−トリアゾ リルピリミジノン44(R=H)を得て、次にこれを水酸化アンモニウム/ジオキ サンと反応させて、シチジン誘導体45(R=H)を得た。化合物45(R=H)を DMSO中のカリウムt−ブトキシドで処理して、最終生成物1−(2,3−ジデヒ ドロ−2,3−ジデオキシ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシン(46、R= H)を得た。:1HNMR(DMSO-d6)デルタ3.50(m,2H,5'-H)、4.72(m,1H,4' -H)、4.92(br,s,1H,5'-OH,D2O交換可能)、5.64(d,1H,5-H)、5.83(m ,1H,3'-H)、6.30(m,1H,2'-H)、6.85(m,1H,1'-H)、7.09-7.15(br d ,2H,4-NH2,D2O交換可能)、7.64(D,1H,6-H)。 実施例5 2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L−アデノシン 反応工程図7に記載したように、D−異性体の調製に関するバートン(Barton )らの方法(Tetrahedron,49,2793,1993)とチュー(Chu)らの方法(J.Org. Chem.,54,2217,1989)に従い、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデ オキシ−ベータ−L−アデノシン(51)を合成した。L−アデノシン(47)を、 水分を排除した無水DMF中の塩化tert−ブチルジメチルシリルとイミダゾールで2 0時間処理して5’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−ベータ−L−アデ ノシン(48)を得て、次にこれをCS2、5N NaOH溶液、およびDMSO中のCH3Iと反 応させて、2’,3’−O−ビス(ジチオカーボネート)誘導体49を得た。アル ゴン下で49をトリエチルシランと過酸化ベンゾイルで脱酸素を行い、次にオレフ ィン誘導体50をTHF中のフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムで脱保護して最 終生成物51を得た。 対応する2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L−グ アノシンと2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−ベータ−L−イ ノシン類似体の合成は、それぞれL−グアノシンとL−イノシンから出発して同 じ方法を用いて行なった。 実施例6 1−(2,3−ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシン 、1−(2,3−ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシル)−5− フルオロ−、−5−クロロー、−5−ブロモ−、−5−ヨード−、および−5− メチルシトシン 1−2’,3’−ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−ヌクレオシド類似体の 合成(反応工程図8を参照)に対する我々の合成アプローチについて、2’,3 ’−ジデオキシ−4’−チオ−D−ヌクレオシドの合成に関するセクリスト(Se crist)らの方法(J.Med.Chem.35,533,1922)は、有用な例を提供した。 D−グルタミン酸(1)を塩酸中の亜硝酸ナトリウムで処理し、(R)−1, 4−ブチロラクトン−4−カルボン酸(2)を得た。次に化合物2をTHF中のボ ラン−ジメチルスルフィド錯塩で還元して、対応する(R)−4−(ヒドロキシ メチル)−4−ブチロラクトン(4)を得て、次にこれをイミダゾールを触媒と して用いて塩化メチレン中の塩化tert−ブチルジフェニルシリルで処理して、( R)−5−O−tert−ブチルジフェニルシリル−4−ヒドロキシメチル−1,4 −ブチロラクトン(53)を得た。保護ラクトン53をエタノール中の水酸化ナトリ ウムで開環し、次にジメチルスルホキシド中の硫酸ジメチルと反応させて、5− 〔(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ〕−4−(R)−ヒドロキシペンタ ン酸のメチルエステル(54)に変換した。化合物54をトリフェニルホスフィン、 イミダゾールおよびヨードで処理して、5−〔(tert−ブチルジフ ェニルシリル)オキシ〕−4−(R)−ヨードペンタン酸のメチルエステル(55 )に変換した。化合物55中のヨード基をトルエン中のチオアセテートで置換して 、4−(R)−(アセチルチオ)−5−〔(tert−ブチルジフェニルシリル)オ キシ〕ペンタン酸のメチルエステル(56)を得た。次に化合物56をトルエン中の 2当量の水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)で処理して還元的に糖を脱 保護して、メチルエステルをアルデヒドに還元し、こうして自発的環化によりチ オラクトールを得た。このチオラクトールをピリジン中の無水酢酸でアセチル化 して、1−O−アセチル−5−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2’,3 ’−ジデオキシ−4−チオ−L−リボフラノース(57)を得た:1HNMR(CDCl3) デルタ7.67(m,4H,ArH)、7.40(m,6H,ArH)、6.10(m,1H,1H)、3.70(m ,1H,4-H)、3.52(m,2H,5-H)、2.20(m,2H,CH2)、2.00(2s,3H,CH3CO -)、1.92(m,2H,CH2)、1.08(s,9H,tert−ブチル)。 ボルブルゲンとベヌア(Vorbruggen and Bennua)の方法(J.Org.Chem.,39, 3654,1974)を若干修飾して、シトシン、5−フルオロシトシン、および他の5 −置換シトシン誘導体を酢酸塩57と結合させた。無水アセトニトリル中のシトシ ン(0.42g、3.80mmol)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS、0.54ml,,2.52mmol )、クロロトリメチルシラン(TMSCl 1.48ml、11.6mmol)、カリウムノナフルオ ロブタンスルホネート(3.08g、8.9mmol)、および酢酸塩57(1.04g、2.52mmo l)の混合液を、室温で一晩攪拌して、0.65g(55%)の1−〔5−O−(tert −ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−4−チオ−アルファ、ベー タ−L−リボフラノシル〕シトシン(58 X=H)を4:3のアルファ/ベータ 混合物として得た。このアルファおよびベータアノマーをシリカゲルのカラムク ロマト グラフィーにより分離した。58(ベータアノマー)を脱保護して、1−(2,3 −ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシル)シトシン(59 X=H )を収率60%で得た:質量スペクトルm/e 228(M++1);1HNMR(DMSO-d6 )デルタ8.05(d,1H,H-6)、7.08(br,d,2H,NH2,D2O交換可能)、6.10(m ,1H,1'-H)、5.70(d,1H,H-5)、5.20(br d,1H,5'-OH,D2O交換可能)、 3.58(m,1H,5'-H)、3.52(m,2H,4'-H-および5'-H)、2.20(m,1H,2'-H) 、2.04(m,2H,2'-Hおよび3'-H)、1.88(m,1H,3'-H)。 実施例7 1−(2,3−ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシル)−5−メ チル−、−5−エチル、−5−ビニル−、−5−ブロモビニル−、−5−エチニ ル−、−5−フルオロ−、−5−クロロ−、−5−ブロモ−、−5−ヨードウラ シル、および1−(2,3−ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシ ル)ウラシル 実施例6に記載の方法と同じ方法を使用して、チミン、ウラシル、−5−エチ ル、−5−ビニル−、−5−ブロモビニル−、−5−エチニル−、−5−フルオ ロ−、−5−クロロ−、−5−ブロモ−、−5−ヨードウラシルおよび他の5− 置換ウラシル誘導体を、1−O−アセチル−5−O−(tert−ブチルジフェニル シリル)−2,3−ジデオキシ−4−チオ−L−リボフラノース(57)と結合さ せて、それぞれの5−置換ピリミジンヌクレオシドを得た。 無水アセトニトリル中の酢酸塩57(1.40g、3.32mmol)、チミン(0.52g、4. 20mmol)、HMDS(0.70ml、3.32mmol)、TMSCl(1.60ml、12.8mmol)およびカリ ウムノナフルオロブタンスルホネート(3.50g、10.16mmol)の混合液を、窒素 下で25℃で一晩攪拌して、1.18g(74%)の1−〔5−O−(tert−ブチルジフ ェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−4−チオ−アルファ、ベータ−L−リボ フラ ノシル〕チミン(60、X=CH3)を4:3のアルファ/ベータアノマー混合物と して得た。このアルファおよびベータアノマーをシリカゲルのカラムクロマトグ ラフィーにより分離した。ベータアノマー60を脱保護して、1−(2,3)−ジ デオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシル)チミン(61 X=CH3)を 収率55%で得た:質量スペクトル m/e 243(M++1);1HNMR(DMSO-d6) デルタ11.5(br s,1H,NH)、7.74(s,1H,6-H)、6.11(m,1H,1'-H)、5.0 0(t,1-H,5'-OH,D2O交換可能)、3.70(m,1H,4'-H)、3.65(m,2H,5'-CH2 )、2.20-1.80(m,4H,2'-CH2および3'-CH2)、1.79(s,3H,5-CH3)。 実施例8 2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−アデノシン、2’,3’− ジデオキシ−4’−チオ−N−メチル−ベータ−L−、−N,N−ジメチル−ベ ータ−L−アデノシン、2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−イ ノシン、および2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−グアノシン 2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−アデノシン、2’,3’ −ジデオキシ−4’−チオ−N−メチル−ベータ−L−アデノシン、2’,3’ −ジデオキシ−4’−チオ−N,N−ジメチル−ベータ−L−アデノシン、2’ ,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−イノシン、および2’,3’− ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−グアノシンは、2’,3’−ジデオキシ −4’−チオ−D−ヌクレオシドの合成に関するセクリスト(Secrist)らの方 法(J.Med.Chem.35,533,1922)と類似の方法により、合成した。 ニードバラとボブルゲン(Niedballa and Vobruggen)の方法(J.Org.Chem., 39,3654,1974)により、アセトニトリル(150ml)中の 塩化ジエチルアルミニウム(5.9ml、10.6mmol)の存在下で、糖57(4.3g、10.4 mmol)を6−クロロプリン(2.4g、15.6mmol)と反応させて、2.81g(53%) の9−〔5−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−4 −チオ−アルファ、ベータ−L−リボフラノシル〕−6−クロロプリンを1:1 のアルファ/ベータアノマーの混合物として得た。アルファアノマーとベータア ノマーはシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより分離した。ベータアノマ ー62を飽和アンモニア/メタノールで処理して、次に1Mフッ化テトラブチルア ンモニウムとTHFで脱保護して2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ− L−アデノシン(63、R’=R''=H)を得た:1HNMR(DMSO-d6)デルタ8.30( s,1H,2-H)、8.10(s,1H,8-H)、7.30(s,2H,NH2,D2O交換可能)、6.12 (m,1H,1'-H)、5.11(br s,1H,5'-OH,D2O交換可能)、3.70(m,3H,5'-C H2,4'-H)、2.42(m,2H,2'-CH2)、2.13(m,1H,3'-H)、2.00(m,1H,3'- H)。 化合物62を1Mフッ化テトラブチルアンモニウムとTHFで脱保護して、9−( 2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−リボフラノシル)−6−ク ロロプリン(64)を得た。化合物64の6−クロロ残基をアルカリ加水分解(フジ モリ(Fujimori)ら、Nucleosides & Nucleosides,11,341,1992)して、2’ ,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L−イノシン(65)を収率45%で得 た:質量スペクトル m/e 253(M++1);1HNMR(D2O)デルタ8.52(s,1H ,2-H)、8.19(s,1H,8-H)、6.10(m,1H,1'-H)、3.94(m,1-H,5'-H)、 3.75(m,2H,5'-H,4'-H)、2.52(m,2H,2'-CH2)、2.30(m,1H,3'-H)、1 .92(m,1H,3'-H)。 化合物65の合成について記載した方法と類似の方法により、酢酸塩(57)から 2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−ベータ−L− グアノシン(68)を合成した:質量スペクトル m/e 268(m++1);1HNMR (DMSO-d6)デルタ10.7(br s,1H,NH2,D2O交換可能)、8.01(s,1H,8-H) 、6.55(s,2H,NH2,D2O交換可能)、5.90(m,1H,1'-H)、5.09(br s,5'-O H,D2O交換可能)、3.70(m,1H,4'-H)、3.50(m,2H,5'-H)、2.36(m,2H ,2'-H)、2.17(m,1H,3’-H)、1.93(m,1H,3'-H)。 実施例9 2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−2−クロロ−ベータ−L−アデノシン、 −2−アミノ−ベータ−L−アデノシン、−2−フルオロ−ベータ−L−アデノ シン、−2−クロロ−N−メチル−ベータ−L−アデノシン、−2−クロロ−N ,N−ジメチル−ベーターL−アデノシン、−2−ブロモ−ベータ−L−アデノ シン、−2−ブロモ−N−メチル−ベータ−L−アデノシンおよび−2−ブロモ −N、N−ジメチル−ベータ−L−アデノシン 2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ−2−クロロ−ベータ−L−アデノシン 、2−アミノ−ベータ−L−アデノシン、−2−フルオロ−ベータ−L−アデノ シン、−2−クロロ−N−メチル−ベータ−L−アデノシン、−2−クロロ−N ,N−ジメチル−ベータ−L−アデノシン、−2−ブロモ−ベータ−L−アデノ シン、−2−ブロモ−N−メチル−ベータ−L−アデノシンおよび−2−ブロモ −N、N−ジメチル−ベータ−L−アデノシンそして他のベータ−L−アデノシ ン誘導体は、反応工程図11に記載のように合成した。 化合物62の合成について記載された方法と類似の方法により、酢酸塩57と2, 6−ジクロロプリンから、9−〔5−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)− 2,3−ジデオキシ−4−チオ−ベータ−L−リボフラノシル〕−2,6−ジク ロロプリン(69)を約2:3のアルファ/ベータアノマー比で、収率60%で得た 。アルファア ノマーとベータアノマーはシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより分離し た。化合物69を飽和アンモニア/メタノールで処理して、次に1Mフッ化テトラ ブチルアンモニウムとTHFで脱保護して2’,3’−ジデオキシ−4’−チオ− 2−クロロ−ベータ−L−アデノシン(70、R’=R''=H)を収率52%で得た :質量スペクトル m/e 286(m++1);1HNMR(DMSO-d6)デルタ8.46(s,1 H,2-H)、7.82(br s,2H,NH2,D2O交換可能)、6.10(m,1H,1'-H)、5.10 (m,1H,5'-OH,D2O交換可能)、3.74(m,1H,4'-H)、3.60(m,2H,5'-H) 、2.42(m,2H,2'-H)、2.13(m,1H,3'-H)、2.02(m,1H,3'-H)。 酢酸塩57と2,6−ジブロモプリンを結合させて2’,3’−ジデオキシ−4 ’−チオ−2−ブロモ−アルファ、ベータ−L−アデノシン(72、R’=R''= H)を合成し、次にそれぞれのアミンを化合物70の合成について記載された方法 と同じ方法により処理した。 化合物69をアジ化リチウムで処理してジアジドヌクレオシド73を得て、次にこ れを水素化リチウムアルミニウム(LAH)により還元して、9−〔5−O−(ter t−ブチルジフェニルシリル)−2,3−ジデオキシ−4−チオ−アルファ、ベ ータ−L−リボフラノシル〕−2,6−ジアミノプリン(74)を得た。化合物74 をTHF中のフッ化テトラブチルアンモニウムて脱保護して、2’,3’−ジデオ キシ−4’−チオ−2−アミノ−アルファ、ベータ−L−アデノシン(75)を得 て、次にこれを亜硝酸ナトリウムとHBF4と反応させて、2’,3’−ジデオキシ −4’−チオ−2−フルオロ−アルファ、ベータ−L−アデノシン(76)に変換 した。 II.生物活性 A.抗HBV作用 本化合物の生物活性は、ヅーング(Doong,S-L)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,8495-8499(1991)が記載したように評価した。ジー・アクス(G.Acs)博 士により供与されたHBVを有するヒト肝癌細胞株(2.2.15を呼ぶ)を試験に使用 した。プライス(Price)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,8541(1989)。簡単 に説明すると、6日齢の培養物を、培地(アール(Earl)塩と10%胎児牛血清を 含有する最小基本培地)中の異なる濃度の薬剤で処理した。薬剤を培地中に3日 間放置して、その後培地を吸引して、同じ薬剤濃度を含有する新鮮な培地に加え た。次の3日間の最後に、培地を採取した。ポリエチレングリコール沈殿法(ヅ ーング(Doong,S-L)ら、前述)により、培地を処理してウイルス粒子を得た。 こうして分泌された粒子から回収されたウイルスDNAを、サザン解析をした。ウ イルス複製の阻害は、薬剤処理したウイルスDNAと薬剤処理していない対照培養 物のウイルスDNAを比較して求めた。 本化合物の細胞毒性を測定するために、T−リンパ芽球細胞株(CEM)を使用 した。細胞を種々の濃度の薬剤に暴露させ、チェンとチェン(Chen,C-H and Ch en Y-C)の記載した方法(J.Biol.Chem.,264,11934(1989))により処理した 3日後に細胞数を測定した。個々の薬剤濃度に対応する細胞数から作成したプロ ットにより、細胞集団の50%を死滅させる薬剤の濃度を求めた。 ミトコンドリアDNA(mtDNA)に対する種々の薬剤濃度の影響を、チェンとチェ ン(Chen and Chen)の記載した方法(前述)により評価した。種々の濃度の薬 剤で処理したCEM細胞を、遠心分離により集めた。リン酸緩衝化生理食塩水で細 胞を洗浄してから、10mMトリス−塩酸(pH7.0)に懸濁して凍結融解サイクルを 繰り返すことにより、細胞を溶解させた。次に得られた細胞を、RNaseA処理(最 終酵素濃度10μg/ml)、次にプロテイナーゼK(100μg/ml)で1時 間処理した。この方法により得られたDNAを次に、0.8部のNaIを添加して10分間 沸騰させた後、ナイロン膜にイムノブロットした。ヅーング(Doong,S-L)の方 法(前述)に従い、得られたDNAをmtDNA特異的プローブにハイブリダイズさせ、 オートラジオグラフィーも行なった。走査デンシトメーターにより定量値を得た 。ブロットからmtDNAプローブを除去し、再びヒトAlu配列プローブにハイブリダ イズさせて、DNAの量を求めて標準化とmtDNAの絶対量の推定を行なった。 B.抗HIV作用 MT-2細胞中のHIVに対する本発明の化合物の有効性を試験するための薬剤感受 性試験は、メローズ(Mellors)らが記載した測定法(Molecular Pharmacology ,41,446(1992))を修飾したものである。ウイルス誘導性細胞毒性の薬剤介 在阻害は、MTT(臭化〔3−I4,5−ジメチルチアゾール−2−イル〕−2, 3−ジフェニルテトラゾリウム)(シグマ(Sigma)M-2128)のA595により測定 した。1×104MT2 細胞(AIDS保存所(AIDS repository))を含有する96ウェル プレートの3重ウェルに、感染多重度0.01TCID50/細胞でHIV-1(HTLV-IIIB株− R.C.Gallo)を感染させた。10%の透析胎児牛血清と100μg/mlのカナマイシン を補足したRPMI1640培地中のMT-2細胞にウイルスを感染させ、連続希釈した薬剤 にすぐ加えた。5日後、各ウェルに20μlのMTT色素(PBS中2.5mg/ml)を加え た。4時間のインキュベート後、NP-40非イオン性界面活性剤を含有する酸性化 2−プロパノール150μlを加えた。色素の結晶が溶解後(通常1〜2日後)、 マイクロプレートリーダーでプレートを読んだ。このMTT−色素還元法(ラーダ ー(Larder)らが記載、Antimicrobial Agents and Chemotherapy,34,436(19 90))を用いて、式〔(a−b/s−b)×100〕(ここでa=薬剤処理した細 胞のA59 5 であり、bは非薬剤処理細胞の数であり、cは非薬剤処理細胞のA595である) から保護の割合を求めた。 化合物β−L−FddCと他の化合物の抗HIV活性のLD50を、以下の表1に示す。 C.生物学的試験の結果 分泌された粒子からのHBVのウイルス複製の解析により、β−L−ddCとβ−L −FddCのいずれもDNA複製を効率的に阻害することが明らかになった。これらの 化合物によりウイルス複製を阻害するために必要なID50濃度は0.01μMであった 。ddCと比較したこれらの化合物の細胞性細胞毒性もまた、かなり小さかった( 以下の表1に示す)。これらの化合物はHBVに対して数倍活性が高く細胞毒性は 最小であることは注目すべきであり、これは予想外の結果である。−方ddCは、 β−L−ddCまたはβ−L−FddCのいずれよりもはるかに毒性が高かった。さら にddCは宿主ミトコンドリアDNAに対してかなり影響を及ぼすことが証明された。 本測定において100μMという高い濃度のβ−L−ddCまたはβ−L−FddCは阻害 作用がなかったため、ミトコンドリアDNAに対する副作用はddCよりも有意に小さ いことが予測される。ddCは用量限定性の毒性を示して、重症の神経障害(少な くとも一部は宿主のミトコンドリアDNAの阻害により引き起こされると考えられ ている症状)を引き起こすため、この結果は特に重要である。これらの結果に基 づき、β−L−ddCまたはβ−L−FddCは、有意な抗HBV活性を示す極めて興味深 い化合物であり、これは当該分野において明白な進歩である。β−L−ddCまた はβ−L−FddCの抗HBV作用のデータは、以下の表1に要約されている。 別、に前述の方法を用いて抗HIV活性についてβ−L−FddCをスクリーニング した。β−L−FddCを試験し、他の化合物(特に、D DC、β−L−ddC、アルファ−L−FddC、β−L−ddSCおよびアルファ−L−ddS C)と比較した。結果は以下の表1に要約される。 表1に記載の結果に基づくと、β−L−FddCは、公知の抗HIV剤であるddCより さらに有意に有効であった。この測定法においてウイルス複製を阻害するのに必 要なβ−L−FddCのID50濃度は0.007マイクロモルであった。ddCについてはID50 濃度は0.028マイクロモル(4倍の差)であった。以下の表1のデータに示すよ うに、β−L−FddCの細胞性細胞毒性もddCに比較してかなり小さかった。この 化合物はHIVに対して数倍高い活性を有し、かなり低い細胞毒性を示すことは注 目すべきであり、これは予想外の結果である。一方ddCはβ−L−FddCより細胞 毒性が強く、HIVに対する活性は小さかった。さらにddCは、宿主のミトコンドリ アDNAに対して強い影響を示すことが証明され、一方β−L−FddCは比較的影響 が小さかった。本測定において100μMという高い濃度のβ−L−FddCが阻害作 用がなかったため、ミトコンドリアDNAに対する副作用はddCよりも有意に小さい ことが予測される。β−L−FddCの影響に対するデータは以下の表1に要約され 、ddC、β−L−ddC、アルファ−L−FddC、β−ddSCおよびアルファ−ddSCと比 較される。ここに示した結果は、β−L−FddCは非常に優れた抗HIV活性を示し 、用量限定性の神経障害が事実上ないことを証明しているため、抗HIV剤として のβ−L−FddCの意味は明らかである。これは現在入手できるddCとは対照的で ある。 前述の説明と実施例は本発明の実施を例示するものであり、決して本発明を限 定するものではないことは、当業者は容易に理解され るであろう。請求の範囲に記載の本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発 明の変更が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AM,AT,AU,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,F I,GB,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ ,LK,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S I,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記構造式: RはF、Cl、Br、IまたはCH3である)で表わされる 化合物。 2.前記RがFである、請求の範囲第1項記載の化合物。 3.下記構造式: (式中、RはH、F、Cl、Br、IまたはCH3である)で表わされる 化合物。 4.前記RがHである、請求の範囲第3項記載の化合物。 5.下記構造式: (式中、XはH、F、Cl、Br、I、CH3、−C≡CH、−HC=CH2 6.前記XがCH3またはFである、請求の範囲第5項記載の化合物。 7.前記XがCH3である、請求の範囲第5項記載の化合物。 R’はHまたはCH3であり; R''はHまたはCH3であり; R’とR''がHである時、Y''はH、F、Br、Cl、またはNH2であり、 R’またはR''の少なくとも1つがCH3である時、Y''はHであり; そしてZはHまたはNH2である)で表わされる 化合物。 9.前記R’がHである、請求の範囲第8項記載の化合物。 10.前記R''がHである、請求の範囲第8項記載の化合物。 11.前記R’がHであり、R''はHでありそしてZはHである、請求の範囲第 9項記載の化合物。 12.下記構造式: (式中、TはF、Cl、BrまたはNH2である)で表わされる 化合物。 13.下記構造式: で表わされる化合物。 14.下記構造式: (式中、WはXまたはNH2である)で表わされる 化合物。 RはH、F、Cl、Br、IまたはCH3である)で表わされる 化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる、B型肝炎ウイ ルスの増殖または複製を阻害するための方法。 16.前記RがHまたはFである、請求の範囲第15項記載の方法。 17.前記RがHである、請求の範囲第15項記載の方法。 18.下記構造式: (式中、XはH、F、Cl、Br、I、CH3、−C≡CH、−HC=CH。ま 化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる、B型肝炎ウイ ルスの増殖または複製を阻害するための方法。 19.前記XがCH3またはFである、請求の範囲第18項記載の方法。 20.前記XがCH3である、請求の範囲第18項記載の方法。 21.下記構造式: R’はHまたはCH3であり; R''はHまたはCH3であり; R’とR''がHである時、Y''はH、F、Br、ClまたはNH2であり、 R’またはR''の少なくとも1つがCH3である時、Y''はHであり; そしてZはHまたはNH2である)で表わされる 化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる、B型肝炎ウイ ルスの増殖または複製を阻害するための方法。 22.前記R’がHである、請求の範囲第21項記載の方法。 23.前記R''がHである、請求の範囲第21項記載の方法。 24.前記R’がHであり、R''はHでありそしてZはHである、請求の範囲第 21項記載の方法。 25.下記構造式: (式中、TはH、F、Cl、BrまたはNH2である)で表わされる化合物の阻害的有 効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる、B型肝炎ウイルスの増殖または 複製を阻害するための方法。 26.下記構造式: で表わされる化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させることよりなる、 B型肝炎ウイルスの増殖または複製を阻害するための方法。 27.下記構造式: (式中、WはHまたはNH2である)で表わされる化合物の阻害的有効濃度に、 ウイルスを暴露させることよりなる、B型肝炎ウイルスの増殖または複製を阻害 するための方法。 RはFである)で表わされる化合物の阻害的有効濃度に、ウイルスを暴露させる ことよりなる、ヒト免疫不全症ウイルスの増殖または複製を阻害するための方法 。 29.下記構造式: RはFである)で表わされる化合物の治療的有効濃度を、患者に投与することよ りなる、ヒト免疫不全症ウイルスに引き起こされる感染症に罹っている患者を治 療するための方法。 30.前記化合物が薬剤学的に許容される添加剤または賦形剤と組合せて投与さ れる、請求の範囲第29項記載の方法。 31.前記化合物が経口投与型で投与される、請求の範囲第30項記載の方法。 32.前記化合物が非経口投与型で投与される、請求の範囲第29項記載の方法。
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