JPH0849245A - 液状化抑止基礎構造 - Google Patents

液状化抑止基礎構造

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JPH0849245A
JPH0849245A JP22862694A JP22862694A JPH0849245A JP H0849245 A JPH0849245 A JP H0849245A JP 22862694 A JP22862694 A JP 22862694A JP 22862694 A JP22862694 A JP 22862694A JP H0849245 A JPH0849245 A JP H0849245A
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吉昭 吉見
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到 黒澤
Katsuyuki Tamaoki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的安価で、地盤液状化を抑止できる基礎
構造を提供する。 【構成】 構造物10を支持する杭基礎21のうちの複
数本を包含するブロック状の地盤改良体30を、その先
端が液状化発生のおそれのある地層より深くまで貫入す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液状化抑止基礎構造に係
り、特に地盤の液状化のおそれのあるウォーターフロン
トにおける構造物の基礎の地震時の安定を考慮した液状
化抑止基礎構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の市街地におけるオフィスビ
ル等の建設用地の不足解消や大規模な新都市開発を目的
として、ウォーターフロントと呼ばれる臨海地区におい
て、超高層建物の建設が多く繰り広げられている。この
ような臨海地区は、過去に比較的浅海の沿岸範囲を埋め
立てて造成した地域が多く、埋土及びその下層には、軟
弱地盤が厚く堆積していることが多い。また、この埋土
や軟弱地盤のうち、沖積砂層や細粒土が混じった砂層で
は、地震時に地盤の液状化が生じるおそれがある。この
場合には構築される構造物に適用される設計基準によっ
て、液状化発生の判定を行わなければならないとされて
いる。そして、液状化のおそれありと判定された場合に
は、設計時においては対象となる地盤の支持力を無視し
て設計を行ったり、また施工時には所定の液状化対策工
を実施するように規定されている。
【0003】ウォーターフロントのように構造物の基礎
部分に軟弱地盤の存在が予想される場合には、建設され
る各構造物の基礎をどのような構造形式とするか、ま
た、その基礎構造において、どのような液状化対策工を
施すのが重要なポイントとなっている。
【0004】ところで、この液状化対策工は、大きく液
状化の発生そのものを防止する対策と、液状化の発生は
許容するが、構造物が受ける被害を軽減するための対策
とに分けられる。このうち、液状化発生を防止する例と
しては、対象となる砂地盤内に堅固な砂粒子骨格を形成
するサンドコンパクション、バイブロフローテーショ
ン、動圧密等の締固め工法等の対策工がある。一方、構
造物の被害を軽減するための対策として、液状化層以深
の地層に杭基礎を到達させる方法がある。なお、杭基礎
を採用するには、液状化発生時に過剰間隙水圧が上昇し
た場合にも支持層の支持力が保持できるとともに、地震
力に対して水平抵抗力を保持できるように設計すること
が重要である。
【0005】図9は液状化の発生が予想される地盤に建
設された中層階建物の基礎構造の一例を示した基礎部分
の平面図である(特開平3−158525号公報参
照)。この基礎構造では同図に示したように深層混合処
理により形成された壁体50、51が細かい格子状に構
築されている。この壁体50、51はたとえばソイルセ
メント柱列壁のような難透水性壁構造体からなり、地震
時に構造物の周囲の地盤Goutが液状化したような場合
に壁体で囲まれた構造物基礎内の地盤Ginの過剰間隙水
圧の上昇を防止することができる。また、格子で区画さ
れた地盤内Ginには杭54が施工されており、全体とし
て杭54と格子状壁体50、51との複合基礎構造とな
っている。杭基礎部分は常時の構造物荷重を負担すると
ともに、地震時においては曲げ抵抗の一部を負担する
が、液状化地盤では地盤の水平抵抗性が著しく低下する
ため、杭体54の水平力負担分が増加してしまう。そこ
で、ケーソン基礎に近い挙動を示す水平剛性の大きな格
子状壁体と、この格子状壁体で囲まれた固結されていな
い地盤Gin自体の抵抗性を高めることで地震時の水平抵
抗分を負担しようというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の締固
め工法は、新たな埋立地等のように地域全体が開発、建
設の途中にあり、騒音振動に環境上の制約が少ないよう
な場合には、施工機械の選定等の点からもそのメリット
が期待できるが、市街地等での広範囲にわたる施工は困
難である。
【0007】また、図9に示したような格子状壁体と杭
基礎との複合基礎では、壁体50、51で囲まれた地盤
内での液状化が起こりにくくなり、構造物基礎の地中部
分全体で堅固な基礎が構築できる反面、内部壁を構成す
る薄い壁体51を格子状に施工する際に各エレメント間
の接合部の施工に高い精度が要求されるため、施工が難
しく、十分な施工管理を必要とし、全体として施工コス
トが高くなるという問題がある。また、杭54は格子で
区画された各地盤ブロック内に施工される。このため壁
体を常に適正な間隔な格子状にする必要がある。よって
基礎構造の平面形状の設計に対する自由度が低く、色々
な平面形状の構造物への適用性が低いという問題もあ
る。
【0008】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、杭基礎の周囲に構築した止
水壁で地盤のせん断変形を抑制するとともに、杭基礎周
囲の間隙水圧の上昇を押さえ、有効応力の低下を防止し
て杭支持力の低下を防止するようにした液状化抑止基礎
構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は構造物を支持する杭基礎のうちの複数本を
包含するブロック状の地盤改良体を、その先端が液状化
発生のおそれのある地層より深くまで貫入するようにし
たことを特徴とするものである。
【0010】このとき前記ブロック状の地盤改良体はセ
メント硬化材を使用した深層混合攪拌構造体であること
が好ましい。
【0011】前記構造物は、先端が液状化発生のおそれ
のある地層より深くまで貫入された壁体が外周部分に構
築するようにすることが好ましい。
【0012】前記壁体は、セメント硬化材を使用した深
層混合攪拌構造体からなる土留壁とすることが好まし
い。
【0013】前記ブロック状の地盤改良体と前記構造物
との接合面位置にせん断抵抗体を設けたことが好まし
く、そのとき前記せん断抵抗体は、前記ブロック状の地
盤改良体上面と前記構造物底面とが噛合するように前記
接合面に形成された所定形状の凹凸部であることが好ま
しい。
【0014】または前記せん断抵抗体は、前記ブロック
状の地盤改良体上面と前記構造物底面との間に所定間隔
で埋設されたダボであるが好ましい。
【0015】前記ブロック状の地盤改良体は、上端外周
が前記構造物の底面から突設されたされたせん断抵抗体
により包囲されるようにすることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明によれば、構造物を支持する杭基礎のう
ちの複数本を包含するブロック状の地盤改良体を、その
先端が液状化発生のおそれのある地層より深くまで貫入
するようにしたことにより、基礎全体を支持する地盤に
おいて液状化が発生した場合にも、前記ブロック状の地
盤改良体が地震時において水平せん断抵抗性を発揮し
て、杭が負担する水平作用力の一部を低減することがで
きる。すなわち、下式に示したように、ブロック状の地
盤改良体の分担する地震時水平力Qと杭の分担する地震
時水平力Pとの比は、杭頭から液状化層の下端までの距
離(深さ)Dの2乗と、地盤改良体のせん断剛性Gsに
比例し、杭の曲げ剛性(EI)pに反比例する。
【数1】 ここに、A:地盤改良体の水平面積、 n:杭本数(各杭の曲げ剛性は一定と仮定) このように複合基礎として基礎に作用する転倒モーメン
トは杭の軸力が負担し、水平せん断力は地盤改良体が負
担することができ、杭に作用する地震力を大幅に軽減で
き、全体として杭の安定性が高まる。
【0017】このとき前記ブロック状の地盤改良体をセ
メント硬化材を使用した深層混合攪拌構造体とすること
により施工性を向上できるとともに、地盤改良体の品質
を確保することができる。
【0018】前記構造物の外周部分に、先端が液状化発
生のおそれのある地層より深くまで貫入された壁体を構
築することにより前記壁体で囲まれた地盤内での過剰間
隙水圧の上昇を抑えることができ、前記構造物の基礎部
分での液状化の程度を軽減あるいは発生を防止すること
ができる。
【0019】前記壁体は、セメント硬化材を使用した深
層混合攪拌構造体からなる土留壁とすることにより壁体
のコストダウン、施工性のアップを図ることができる。
【0020】前記ブロック状の地盤改良体と前記構造物
との接合面位置にせん断抵抗体を設けることより、地震
時に前記構造物から前記ブロック状の地盤改良体へのせ
ん断力を確実に伝達することができる。そのとき、前記
ブロック状の地盤改良体上面と前記構造物底面とが噛合
するような所定形状の凹凸部を形成することにより施工
が簡単で確実なせん断抵抗体を形成することができる。
【0021】または前記せん断抵抗体として、前記ブロ
ック状の地盤改良体上面と前記構造物底面との間に所定
間隔にダボを埋設することで、コンクリート打設等にお
いてせん断抵抗体を構築するための型枠組立作業をなく
すことができ、施工の迅速化を図ることができる。
【0022】前記ブロック状の地盤改良体として、上端
外周が前記構造物の底面から突設されたされた包囲壁で
前記ブロック状の地盤改良体の上端を包囲することで構
造系の一体化が確実に果たせる。
【0023】
【実施例】以下、本発明による液状化抑止基礎構造の一
実施例を添付図面を参照して説明する。図1は、標準貫
入試験のN値を併記した地層部分に、構造物10の基礎
構造20として本発明による液状化抑止基礎構造を適用
した例を示した概略地層断面図の一部である。同図に示
したように埋土層、砂層は、液状化発生のおそれがある
軟弱層で、その下には比較的硬い粘性土層、洪積砂層及
び砂礫層がある。このうち最下層の砂礫層はN値が50
以上の支持層で、構造物10の杭基礎21の先端21a
はこの部分に根入れされている。この杭基礎21は本実
施例では所要支持力の大きさから場所打ち杭が採用され
ているが、杭種は鋼管杭、既製PC杭等種々のものを現
場状況、用途に応じて使用することができる。
【0024】図1には杭基礎のほぼ中央位置にある複数
本(図では9本)の杭を取り囲むように地盤改良体30
が形成されている。この地盤改良体30はソイルセメン
ト小径の柱状体を密接した状態でブロックとして各杭2
1の周囲を取り囲むようにしたものである。その施工深
さは液状化のおそれのない粘性土層に達している。この
ように液状化発生のおそれのある地盤に多数分布した杭
21のほぼ中央位置に位置する杭群の周囲に地盤改良体
30を一体的に配置することにより、地震時において、
地盤改良体30は高い剛性を発揮して基礎全体の水平変
位を極力抑えるように挙動する。このため、複合基礎構
造を構成する杭基礎21の水平抵抗負担分を低減するこ
とができる。この結果、杭体1本が負担する応力を軽減
できるとともに、杭頭発生曲げモーメントを小さくでき
るので、構造物10に与える損傷も最小限にすることが
できる。
【0025】また、地盤改良体30は、図2(a)に示
したようにマッシブなブロック形状をなしているため施
工が容易であり、また施工範囲全体の品質のばらつきを
抑えることができ、地盤改良体30としての強度的な信
頼性も向上するという利点がある。このとき図2(b)
に示したように改良範囲を平面形状で円形をなすように
改良体30を施工することにより強度、変位抵抗性にお
ける異方性をなくすることができ、改良体30の地盤改
良効果を全方向に対して発揮するようにできるという利
点を有する。
【0026】なお、地盤改良体30を構築するには、い
わゆるセメント系深層混合工法であれば、ソイルセメン
トで形成する以外に、原位置攪拌式の他、噴射混合、置
換式等の改良体形成方法の適用が可能であり、また杭体
を連結して構成されるブロックの形成手順、オーバーラ
ップ量等についても従来の柱列壁あるいはブロックの構
築の例と同様に行うことができる。ソイルセメントに使
用するセメント系硬化材としては、ポルトランドセメン
ト、高炉セメントが一般的であるが、対象地盤の土の性
状によってはシリカセメント、フライアッシュセメント
等の混合セメントを使用することが可能である。また、
混和剤として遅延型のAE減水剤を使用して、セメント
スラリーの状態を比較的長く保持させたり、ベントナイ
トを混和材として使用することも可能である。
【0027】ところで、常時には建物の荷重はそのほと
んどが杭基礎によって負担されているため、地盤改良体
が負担する建物鉛直荷重は小さく設定されている。この
とき地震時に建物基礎底面から地盤改良体に伝達される
せん断力は、地盤改良体上面に作用する鉛直荷重に比例
するので、地盤改良体が負担するせん断力が小さな値に
なることが予想される。そこで、あらかじめ建物底面と
地盤改良体との間にせん断力を確実に伝達するためのせ
ん断抵抗体を設けることが好ましい。これにより地震時
のせん断力を建物底面から地盤改良体に確実に伝達する
ことができるようになる。
【0028】以下、建物基礎底面と地盤改良体の上面と
の間の接合面に形成されるせん断抵抗体の実施例を図3
〜図5を参照して説明する。図3(a)は地盤改良体上
面30aに建物の基礎コンクリートの一部からなる突起
41を突設させるようにしたものである。本例において
は、地盤改良体30の最上層を打設する際に、所定形状
の箱型枠を配設して改良体上面30aの所定位置に凹所
を形成しておき、この凹所に基礎コンクリートを打設し
て突起41を形成するようになっている。同図(b)
は、反対に地盤改良体上面30aに突起42を形成する
ようにした変形例である。本変形例では、地盤改良体3
0の最上層を打設する際に、所定形状に配設された型枠
内も一体的に打設し、改良体からなる突起42とすれば
良い。このように建物基礎底面10aと地盤改良体上面
30aとの間の接合面に所定形状の凹凸面が噛合した状
態のせん断抵抗体が形成される。これにより建物基礎底
面10aと地盤改良体上面30aとの一体化が図られる
ことになる。この凹凸形状の噛合面の平面形状の例とし
ては、図4の各図に示したような形状の他種々の形状と
することができる。いずれの形状もせん断力の作用方向
(地震力入力方向)に対してせん断抵抗性の強弱の差が
少なくなる形状が好ましい。そのため、地盤改良体上面
30a全面にわたり、同心円状や格子状をなす凹凸形状
のせん断抵抗体とすることが好ましい(図4(a)、
(b)参照)。なお、この凹凸形状部は建物基礎の杭体
の施工間隔より細かくなるように設定することが好まし
い。
【0029】図3(c)はせん断抵抗体として、ダボ
(dowel)を配設した例を示したものである。ダボ43
は、まず位置決めのために下半分が地盤改良体30の最
上層に所定間隔で埋設され、その状態で建物基礎コンク
リートが地盤改良体30上に打設されるようになってい
る。このようにせん断抵抗体としてのダボ43全体が建
物基礎底面10aと地盤改良体30との間の接合面位置
に埋設されるので、建物からのせん断力が確実に地盤改
良体30に伝達される。ダボとしては、短尺に切断した
H形鋼、鋼管、コンクリート中詰め鋼管、プレキャスト
コンクリート(PCa)管、PCaパイル等を使用する
ことができる。また、ダボの配列形状は図4(c)のよ
うに縦横にほぼ等間隔となるようにするのが好ましい。
【0030】また、図5(a)、(b)に示したように
地盤改良体30の上端外周を取り囲むように建物基礎コ
ンクリートを打設することも可能である。この場合、既
施工部分である地盤改良体30の外周側面の一部が型枠
となるので、表面の汚れや付着物を除去するとともに、
表面を目粗ししておくことが好ましい。このように建物
基礎底面10aから包囲壁45を突設させ、地盤改良体
30の上端部分を拘束することにより建物10からのせ
ん断力を確実に地盤改良体30に伝達することができ
る。なお、図3、図5の正面図では、図の簡単化のため
に地盤改良体30の内部にある杭基礎の図示を省略して
いる。
【0031】図6(a)、(b)は地盤改良体30をタ
ンクTの基礎に適用した例を示した説明図である。同図
(b)に示したようにタンク基礎は広い平面形状を有す
るため、従来例のような格子状基礎と杭基礎との複合基
礎とすると、基礎にかかる建設コストが膨大になる。そ
こで、本実施例では、本発明によるマッシブな地盤改良
体30がタンク基礎のほぼ中央位置に円筒形状をなして
施工されている。このように地盤改良体30を配置して
施工することにより、作用地震力による指向性が無くな
り、地震時において、確実に杭基礎21の水平抵抗分を
負担することができ、構造物基礎としての水平せん断抵
抗を向上させることができる。なお、この地盤改良体3
0の形状は平面形状が円形である円筒形状の他、施工を
容易にするために断面形状が正八角形等の多角柱にして
も良い。
【0032】図7は集合住宅のように、一方向に細長い
平面形状をなす構造物の基礎に地盤改良体30を適用し
た例を示した概略平面図である。同図に示したように建
物基礎の両端の妻部分に地盤改良体30を構築すること
により偏心水平力によるねじれ挙動に対しても有効に作
用することが可能である。
【0033】図8(a)、(b)は、杭基礎21と土留
壁22との配置状況を示したものである。同図(b)に
示したように土留壁22は、構造物10を支持する杭基
礎21を取り囲むように閉合した状態で施工されてい
る。土留壁22は、当初は構造物10の地下部分の掘
削、構造物10の本体部分の構築の間には仮設構造とし
て機能する。さらに本設時には液状化のおそれがある層
の土留壁22内の地盤Ginと基礎周囲の地盤Goutとを
分断するように機能する。このため地震動の継続する時
間内に構造物10周辺の地盤Goutで局部的に上昇した
過剰間隙水圧の範囲が、土留壁22に囲まれた地盤Gin
内の範囲にまで及ぶのを阻止できる。したがって地盤G
inの範囲での過剰間隙水圧の上昇は周囲の地下水の影響
を受けないため、最小限に抑えることができ、液状化の
発生を防止ないしは軽減することができる。
【0034】土留壁22として、本実施例では地盤改良
体30と同等のソイルセメント柱列壁が使用されてい
る。ソイルセメント柱列壁は、オーガー等を用いて、所
定径に削孔された地盤部分の原位置土にセメント系硬化
材を混合し、その混合部内にH形鋼等の応力負担材を挿
入してソイルセメント部と応力負担材とを一体化させた
柱状体を形成し、さらに、この柱状体を列方向に配列し
て1枚の壁体としたものである。
【0035】なお、単に遮水のみを目的として使用する
場合には、壁体に負担強度が要求されないときは、応力
負担材を挿入しなくても良い。また、土留壁22として
の機能を発揮するために、各柱状体の端部をオーバーラ
ップさせて施工することが重要であり、施工効率の面か
らあらかじめオーバーラップ部分が確保されている多軸
式のオーガー等を使用することが好ましい。
【0036】また、土留壁として併用される場合には場
所打ち杭としての貧配合モルタル、コンクリート等を杭
体として使用することもできる。さらに、掘削土を固化
させる泥水固化工法により壁体を構築することも可能で
ある。さらに、液状化現象は、ウォーターフロントと呼
ばれる臨海地区以外にも、多く発生していることが確認
されており、ウォーターフロント以外に建設される構造
物の基礎に適用できることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、構造物の基礎部分で液状化の発生しても構造
物に対する被害を最小限に抑えることができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液状化抑止基礎構造の一実施例を
一部断面で示した正面図。
【図2】図1に示した本発明の液状化抑止基礎構造のII
-II断面線に沿った平断面図。
【図3】本発明による地盤改良体と建物基礎との間に形
成されたせん断抵抗体の例を一部断面で示した正面図。
【図4】図3に示したせん断抵抗体の平面形状の例を示
した部分平面図。
【図5】地盤改良体の上端周囲を構造物基礎コンクリー
トで包囲した状態を一部断面で示した正面図、同平面
図。
【図6】タンク基礎に地盤改良体を形成した適用例を示
した説明図。
【図7】細長い平面形状の構造物基礎に地盤改良体を適
用した例を示した説明図。
【図8】土留壁を建物の外周に配置した変形例を示した
説明図。
【図9】従来の杭基礎と格子状壁基礎との複合基礎の一
例を示した概略平面図。
【符号の説明】
10 構造物 20 基礎構造 21 杭基礎 22 土留壁 30 地盤改良体 Gin 土留壁で囲まれた地盤 Gout 土留壁の外周の地盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒澤 到 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 玉置 克之 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 福武 毅芳 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物を支持する杭基礎のうちの複数本の
    杭を包含するブロック状の地盤改良体を、その先端が液
    状化発生のおそれのある地層より深くまで貫入するよう
    に形成したことを特徴とする液状化抑止基礎構造。
  2. 【請求項2】前記ブロック状の地盤改良体はセメント硬
    化材を使用した深層混合攪拌構造体であることを特徴と
    する請求項1記載の液状化抑止基礎構造。
  3. 【請求項3】前記構造物は、先端が液状化発生のおそれ
    のある地層より深くまで貫入された壁体が外周部分に構
    築されたことを特徴とする請求項1記載の液状化抑止基
    礎構造。
  4. 【請求項4】前記壁体は、セメント硬化材を使用した深
    層混合攪拌構造体からなる土留壁であることを特徴とす
    る請求項3記載の液状化抑止基礎構造。
  5. 【請求項5】前記ブロック状の地盤改良体と前記構造物
    との接合面位置にせん断抵抗体を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の液状化抑止基礎構造。
  6. 【請求項6】前記せん断抵抗体は、前記ブロック状の地
    盤改良体上面と前記構造物底面とが噛合するように前記
    接合面に形成された所定形状の凹凸部であることを特徴
    とする請求項5記載の液状化抑止基礎構造。
  7. 【請求項7】前記せん断抵抗体は、前記ブロック状の地
    盤改良体上面と前記構造物底面との間に所定間隔で埋設
    されたダボであることを特徴とする請求項5記載の液状
    化抑止基礎構造。
  8. 【請求項8】前記ブロック状の地盤改良体は、上端外周
    が前記構造物の底面から突設されたされたせん断抵抗体
    により包囲されたことを特徴とする請求項1記載の液状
    化抑止基礎構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011163080A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Takenaka Komuten Co Ltd 地盤改良体を用いた基礎構造及びその構築方法
JP2012107446A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Takenaka Komuten Co Ltd 地盤改良体及び地盤改良体の水平耐力算定方法
JP2020105693A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 ケミカルグラウト株式会社 既設構造物基礎の補強方法

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