JPH0842325A - 内燃機関の排気微粒子浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気微粒子浄化装置

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JPH0842325A
JPH0842325A JP6176684A JP17668494A JPH0842325A JP H0842325 A JPH0842325 A JP H0842325A JP 6176684 A JP6176684 A JP 6176684A JP 17668494 A JP17668494 A JP 17668494A JP H0842325 A JPH0842325 A JP H0842325A
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catalyst
filter
exhaust
internal combustion
combustion engine
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JP6176684A
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Jiro Takagi
二郎 高木
Akikazu Kojima
昭和 小島
Shinji Miyoshi
新二 三好
Ryoji Koi
良治 小井
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Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関が低回転、低負荷(低トルク)のよ
うに排気温度が低い状態で運転される時でも、排気微粒
子浄化装置の触媒付きフィルタを再生する。 【構成】 内燃機関1の排気温度が高いときは触媒担持
フィルタ5の触媒が活性化しているいるので、燃料供給
装置7によってフィルタ5の上流側へ未燃焼の燃料を供
給すれば、触媒によって酸化される際の反応熱により堆
積した微粒子が容易に着火して燃焼する。排気温度が低
いときは触媒が活性化していないので、燃料を供給して
も酸化反応が起こらないでそのまま排出され、再生が行
われない。そこで触媒担持フィルタ5の上流側に設けら
れた部分加熱ヒータ4が電気的に付勢されて、周辺及び
下流側の触媒の一部を加熱して早期に活性化させ、供給
された未燃焼の燃料を酸化させて反応熱を発生させ、そ
の熱によって下流側の触媒を加熱して活性化させ、広い
範囲で堆積した微粒子を加熱して焼却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジンの
ような内燃機関の排気中に含まれている微粒子をフィル
タによって捕集して排気を浄化する装置に係り、特に、
フィルタ上に捕集されて堆積した微粒子を燃焼させて除
去するフィルタの再生処理の手段に特徴を有する排気微
粒子浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルタを有する内燃機関の排気微粒子
浄化装置において、フィルタ上に捕集されて堆積した可
燃性のカーボン粒子のような微粒子を燃焼させて除去
し、それによってフィルタの捕集能力を再生する手段と
して色々なものが考えられているが、その一つとして、
フィルタに酸化触媒を担持させておき、内燃機関の排気
の温度が高くなる運転状態において、フィルタに担持さ
れた触媒が温度上昇して活性化温度以上となった時に、
排気管の途中に設けられた燃料供給装置からフィルタへ
燃料を供給し、触媒による燃料の酸化反応熱により、フ
ィルタ上に堆積した微粒子を着火温度以上に加熱し、燃
焼させて除去する再生方法がある。
【0003】しかしながら、上記の再生方法では、内燃
機関の低回転、低負荷(低トルク)のような運転状態に
おいては、排気の温度が低いためにフィルタに担持され
た触媒の温度も触媒の活性化温度以下になっていること
が多いから、このような状態で排気管の燃料供給装置に
よって燃料を供給しても、触媒が燃料を酸化させること
ができないために、堆積した微粒子を着火温度まで加熱
することもできず、従って、フィルタの再生を良好に行
うことができない。その結果、フィルタが微粒子の過度
の堆積によって目詰まりして排気圧力が上昇し、内燃機
関の性能を低下させるというような問題が起こり得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に排気微粒子を捕集するフィルタ自体に触媒を担持させ
ることにより、フィルタの再生時に燃料の酸化反応熱を
発生させるという再生方式をとっている内燃機関の排気
微粒子浄化装置において、機関の低回転域、或いは低負
荷域のような排気温度が比較的低い運転状態を含む機関
のどのような運転領域であっても、フィルタの再生を常
に良好に行うことができるような、新規なフィルタの再
生処理システムを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、内燃機関の排気中に含まれ
ている微粒子を捕集して排気を浄化するために前記内燃
機関の排気通路に設けられると共に、堆積する微粒子を
着火燃焼させて捕集機能を再生するために触媒を担持し
ているフィルタと、前記内燃機関の排気の流れに関して
前記フィルタの上流側に設けられ、前記内燃機関の排気
温度が低い運転状態において前記フィルタの再生を行う
ときに電気的に発熱して、部分的に周辺の触媒を活性化
させる部分加熱ヒータと、排気の流れに関して前記部分
加熱ヒータの更に上流側に設けられ、前記フィルタの再
生時に前記部分加熱ヒータ及び前記フィルタの上流側へ
未燃焼の燃料を供給することができる燃料供給手段と
を、全て備えていることを特徴とする内燃機関の排気微
粒子浄化装置を提供する。
【0006】
【作用】フィルタに堆積した排気微粒子を焼却してフィ
ルタの捕集機能を再生させる処理は、内燃機関が高回
転、高負荷の運転状態にあるとき等は排気の温度が高い
ので、フィルタに担持された触媒が活性化温度に達して
いるおり、燃料供給手段を作動させてフィルタの上流側
へ未燃焼の燃料を供給すれば、燃料が触媒によって酸化
される際の反応熱によって、フィルタ上に堆積している
微粒子が加熱され、着火して容易に燃焼するが、内燃機
関が低回転、低負荷(低トルク)の運転状態にあるとき
等は排気の温度が低いので、フィルタに担持された触媒
が活性化温度に達しておらず、燃料供給手段によってフ
ィルタへ燃料を供給しても、燃料は酸化されないので微
粒子を加熱することができないで、フィルタが再生され
ないだけでなく、燃料が未燃焼のまま排出される。
【0007】このようなときに、本発明の排気微粒子浄
化装置では、フィルタの上流側に設けられた部分加熱ヒ
ータが電気的に付勢されて作動を開始する。部分加熱ヒ
ータはその周辺及び下流側の触媒を部分的に加熱して、
触媒の一部を早期に活性化させ、そこへ供給された未燃
焼の燃料を酸化させて反応熱を発生させるので、その反
応熱を受けるフィルタに担持された触媒が温度上昇して
活性化し、燃料の酸化反応が更に広い範囲で起こる。そ
の反応熱によってフィルタ上に堆積した微粒子が加熱さ
れ、順次着火温度に達して燃焼するので、そのような排
気温度が低い運転状態でもフィルタの再生が可能にな
る。
【0008】
【実施例】図1に本発明のシステム構成全体の実施例を
示す。図中の1は排気と共に主としてカーボン粒子のよ
うな可燃性の微粒子を排出するディーゼルエンジン、2
はその排気管、3は排気管2の途中に設けられたケーシ
ングであって、その内部には排気微粒子浄化装置の要部
が収容されている。即ち、まず排気の流れから見て最も
上流側の部分には、後に詳細に説明するような構造の、
部分的に触媒を加熱することができる部分加熱ヒータ4
が配置されており、その下流側の部分には通常の構造の
触媒担持フィルタ5が配置されている。
【0009】触媒担持フィルタ5は、例えばコーデュラ
イト等の多孔質のセラミックからなっており、その構造
は、縦方向に貫通して多数の穴が形成されているモノリ
ス型触媒担体の、隣接する縦方向の穴を交互に上流側端
と下流側端において栓詰めして、各穴間の多孔質の壁を
透過して排気の流れが生じるようにしたフィルタに、触
媒担持用のガンマ・アルミナ(γ−Al2 3 )等のコ
ーティングを施した上に、PtやPd−Rhのような酸
化触媒又は酸化・還元触媒を担持させたものである。
【0010】図1において6は温度センサであって、サ
ーミスタや熱電対等からなり、触媒担持フィルタ5を通
過した後の排気の温度を検出することによって、触媒担
持フィルタ5等の温度を測定するためのものである。部
分加熱ヒータ4及び触媒担持フィルタ5は、図示しない
断熱材を介してケーシング3内に保持される。図1に示
す7は燃料噴射弁のような燃料供給装置であって、ディ
ーゼルエンジン1の図示しない燃料噴射ポンプへ燃料を
供給するフィードポンプの吐出側へ、電磁バルブと絞り
を介して接続されている。電磁バルブをデューティ制御
により開閉することによって、燃料供給装置7から部分
加熱ヒータ4及び触媒担持フィルタ5の上流側の排気管
2内へ噴射される燃料の量を自由に制御することができ
る。
【0011】触媒担持フィルタ5として上記の例ではセ
ラミックフィルタを用いているが、公知のメタルハニカ
ム型フィルタやファイバフィルタ等のような、排気微粒
子捕集のために使用可能なフィルタに触媒を担持させた
ものを、この場合の触媒担持フィルタ5として使用する
ことができることは言うまでもない。
【0012】また、燃料供給装置7としては部分加熱ヒ
ータ4や触媒担持フィルタ5の上流側の排気管2の中へ
燃料を噴射するものを例示しているが、燃料供給装置7
のようなものを特別に設ける代わりに、ディーゼルエン
ジン1本体の気筒内へ高圧の燃料を噴射する燃料噴射弁
を利用して、通常のメイン噴射とは別に、膨張行程から
排気行程の途中で調量された燃料を噴射し(これを二次
噴射という)、未燃焼の燃料が排気管2を経てケーシン
グ3内の部分加熱ヒータ4と触媒担持フィルタ5へ供給
されるようにしてもよい。更に、ディーゼルエンジン1
のフィードポンプから燃料を燃料供給装置7へ供給する
のに代えて、専用の燃料供給ポンプを電磁バルブや絞り
と共に設けたり、専用の計量ポンプを設けたりすること
も可能であることは当然のことである。
【0013】次に、上記のような構成の内燃機関の排気
微粒子浄化装置全体の実施例の一部である部分加熱ヒー
タ4について、その具体的な第1実施例を図2及び図3
によって説明する。この例の部分加熱ヒータ4は、ステ
ンレス鋼のような、例えば20%Cr−5%Al−75
%Feの組成を有する耐熱性の金属の、厚さが例えば5
0μm程度の箔からなる帯状の平板8と、同じ帯状の材
料を波形に成形した波板9とを重ねあわせて、棒状の中
心電極10の回りに巻きつけるようにして渦巻き状に巻
き上げてメタルハニカム型の触媒担体11としたもの
で、軸方向の長さは通常のメタルハニカム型触媒担体よ
りも短くてよい。これに触媒担持フィルタ5と同様に、
ガンマ・アルミナ等のコーティングを施した上に、Pt
やPd−Rhのような酸化触媒又は酸化・還元触媒を担
持させてある。各1枚の帯状の平板8と波板9は、巻き
上げる前に部分的に接合することによって相互にずれな
いようにしておいてもよいが、それらの接触点に侵入し
て固化する前述のガンマ・アルミナのようなコーティン
グ材によって、基本的には相互に絶縁状態を保つように
なっている。
【0014】部分加熱ヒータ4の第1実施例としてのメ
タルハニカム型触媒担体11は、帯状の金属箔を渦巻き
形に巻き上げたものであるから、加熱、冷却を繰り返す
ことによってスコーピングと呼ばれる軸方向への変形を
起こして型崩れし易いので、その変形を防止する目的を
兼ねて、図2及び図3に示しているように、中心電極1
0に近い領域12と、外周部に近い領域13において、
例えば蝋付けのような方法によって、メタル触媒担体1
1の上流側端面寄りの部分の平板8と波板9が巻き重ね
られた層間を短絡するように相互に接合している。従っ
て、中心部接合領域12と外周部接合領域13との間に
は環状の非接合領域14が残り、更に触媒担体11の下
流側の全域にわたって下流側非接合領域15が残る。も
っとも、中心部接合領域12と外周部接合領域13を触
媒担体11の軸方向の全長にわたって形成し、下流側非
接合領域15ができないようにしてもよい。
【0015】中心電極10は、正電極としてケーシング
3の開口に設けられた絶縁材16の中を通り、図示しな
い制御装置によって開閉制御されるスイッチを介して外
部のバッテリーのような電源に接続され、所要の時期に
所要の時間だけ電力の供給を受けるようになっている。
中心電極10に対して、平板8と波板9の外周部端末
は、ケーシング3に取り付けられた外周端電極17に接
続され、外周端電極17は負電極としてシャシーを経由
するにしても最終的には電源に接続される。
【0016】次に、図1に例示したような内燃機関の排
気微粒子浄化装置における部分加熱ヒータ4の第1実施
例として、図2及び図3に示したメタルハニカム型の触
媒担体11が用いられた場合の、システム全体と、部分
加熱ヒータ4である触媒担体11の作動状態について説
明する。
【0017】ディーゼルエンジン1の運転によって、カ
ーボン粒のような排気微粒子を含む排気が排気管2へ排
出され、その排気が部分加熱ヒータ4としての触媒担体
11と、触媒担持フィルタ5を順次通過する際に、排気
微粒子が主として触媒担持フィルタ5内に捕集されて堆
積する。微粒子がフィルタ5上に過度に堆積するとディ
ーゼルエンジン1の排気抵抗が増大して運転性能の低下
を招くので、堆積した微粒子を適時に除去して触媒担持
フィルタ5等の微粒子捕集能力を回復(再生)する必要
がある。微粒子の堆積量を検知して再生の時期を決定す
る方法は、例えば従来から行われているようにフィルタ
の前後の差圧を検出して、差圧が所定値以上となったと
きに再生時期と判定する方法や、エンジン1の排気圧力
を直接に検出する方法、或いはエンジン1の運転条件の
履歴データから推定する方法等、各種の方法を利用する
ことができる。
【0018】温度センサ6によって検出される排気温度
が所定値よりも高いことによって、部分加熱ヒータ4や
触媒担持フィルタ5の温度が高く、それらに担持された
触媒の温度も活性化温度を越えていると判断された時
は、図示しない制御装置の指令等によって燃料供給装置
7が作動し、エンジン1本体内の燃料噴射とは別に適量
の燃料を排気管2内へ噴射して、未燃焼の燃料を排気に
混入させて部分加熱ヒータ4と触媒担持フィルタ5へ送
り込む。このようにして追加供給された燃料は、部分加
熱ヒータ4及び触媒担持フィルタ5に担持されて活性化
している触媒の作用により、排気中の過剰空気(酸素)
と結合して酸化され、その酸化反応によって発生する熱
が触媒担持フィルタ5に堆積している排気微粒子の温度
を上昇させるので、その温度が微粒子の着火温度を越え
ると微粒子が燃焼を始める。それによって微粒子は焼却
されて触媒担持フィルタ5上から消滅し、フィルタ5の
微粒子捕集能力が再生されることになる。
【0019】燃料供給装置7からの燃料供給は所定の時
間の経過後に停止される。この場合に最初から大量の燃
料を供給すると、燃料が蒸発するときの気化潜熱によっ
て排気の温度が一時的に低下して、触媒の温度が活性化
温度以下になり、一時的にもせよ酸化されない燃料が排
出される恐れがあるので、燃料供給装置7からの燃料供
給量を始めは少量とし、時間の経過と共に増量するよう
なパターンによって制御すれば、そのような問題が発生
するのを回避することができる。
【0020】次に、触媒担持フィルタ5における排気微
粒子の堆積量が所定値を越えて再生時期に来たと判断さ
れても、エンジン1が低回転や低負荷運転のような状態
にあるときには、温度センサ6によって検出される排気
の温度が低く、部分加熱ヒータ4や触媒担持フィルタ5
に担持された触媒が未だ活性化していないような場合が
あり得る。このような状態で触媒担持フィルタ5を再生
するために燃料供給装置7から燃料を供給すると、フィ
ルタ5の再生が満足に行われないだけでなく、燃料供給
装置7から供給した燃料が触媒によって酸化されない
で、殆ど炭化水素のまま外気中へ排出されて問題を起こ
すことになる。
【0021】一般的に、エンジン1の回転数とトルク
(負荷)の関係を線図に例示すると図4のようになる。
図4の線図によって囲まれるエンジン1の運転領域のう
ちで、斜線によって示した比較的上部の領域Hでは、排
気の温度が部分加熱ヒータ4や触媒担持フィルタ5に担
持された触媒の活性化温度よりも高くなっているので、
部分加熱ヒータ4であるメタルハニカム型の触媒担体1
1に通電する要もなく、燃料供給装置7から燃料を排気
管2内へ供給するだけで触媒担体11や触媒担持フィル
タ5に担持された触媒による燃料の酸化反応が起こり、
触媒担持フィルタ5に堆積した排気微粒子の焼却が行わ
れるが、図4においてLとして示したエンジン1の低回
転、低負荷(低トルク)の運転領域では、温度センサ6
によって検出される排気の温度が低く、触媒担体11や
触媒担持フィルタ5に担持された触媒の温度も活性化温
度に達していないから、そのような状態では燃料供給装
置7から燃料を供給しても触媒による酸化反応は発生せ
ず、フィルタ5上に堆積した排気微粒子を着火温度以上
まで加熱することができない。
【0022】この問題に対処するために、温度センサ6
によって検出される排気の温度が所定値以下のとき、第
1実施例の場合は、図示しない制御装置或いは手動操作
によって部分加熱ヒータ4であるメタルハニカム型の触
媒担体11に所定の時間だけ通電が行われる。電流は触
媒担体11の中心電極10から外周端電極17まで、金
属箔の平板8と波板9を図2の矢印のように渦巻き状に
流れるが、触媒担体11は前述のように中心部接合領域
12と外周部接合領域13を設けられており、それらの
領域では電流が層間を短絡して流れるために電気抵抗が
小さく、電気抵抗が比較的大きいのは残余の環状の非接
合領域14と、下流側非接合領域15だけである。従っ
て、電流によるジュール熱はそれらの非接合領域におい
て集中的に発生し、下流側非接合領域15が形成されて
いない場合には、主として環状の非接合領域14だけに
発生する。
【0023】仮に、第1実施例において部分加熱ヒータ
4として使用したメタルハニカム型の触媒担体11に、
中心部接合領域12や外周部接合領域13が形成されて
いない場合には、触媒担体11に担持された触媒を活性
化させるために通電すると触媒担体11の全体が発熱す
るので、触媒担体11全体を触媒の活性化温度以上に上
昇させるためには多量の電力を供給する必要があり、エ
ンジン1が自動車に搭載されている場合には、バッテリ
ーの負担が非常に大きくなるので、大型のバッテリーを
搭載する必要が生じるが、第1実施例のメタルハニカム
型の触媒担体11は、小型のバッテリーによる僅かな量
の電力の供給によって、部分的にもせよ触媒担体11上
の触媒が活性化されて、燃料供給装置7から供給された
燃料の酸化反応が早期から開始される。
【0024】このように、僅かな量の電力の供給によっ
て、メタルハニカム型の触媒担体11のうちでも環状の
非接合領域14のような比較的狭い領域の温度が急上昇
し、その部分に担持されている触媒の温度が上昇して早
期に活性化温度に到達し、燃料供給装置7から供給され
る燃料の酸化反応を開始させて、その反応熱を周囲や下
流側の触媒担持フィルタ5へ与えるので、反応熱を与え
られた部分の温度が順次上昇し、触媒担持フィルタ5に
担持された触媒が上流側から順次に活性化されて、最終
的には触媒担持フィルタ5の全体が燃料供給装置7から
供給される燃料を酸化するようになり、その反応熱によ
ってフィルタ5上に堆積している排気微粒子を着火温度
以上に加熱して焼却し、フィルタ5の捕集能力を再生す
ることができる。つまり、従来技術によれば触媒担持フ
ィルタ5の再生が困難であったエンジン1の低回転や低
負荷運転の状態でも、何ら問題なくフィルタ5の再生を
行うことができる。
【0025】なお、図5はエンジン1の排気温度が低い
低回転、低負荷(低トルク)運転状態において、フィル
タ5の再生時期に来たと制御装置が判断した場合の、再
生処理の制御のパターンををタイムチャートによって例
示したもので、図5においては横軸に経過時間をとると
共に、縦軸の上段に燃料供給装置7による排気中への燃
料の供給量Fをとり、下段にメタルハニカム型の触媒担
体11へ供給する電力の量Eをとって、それら燃料供給
量Fと供給電力量Eの時間的変化の一つのパターンを例
示している。このような制御は、図示しない制御装置
や、手動操作等の適当な制御手段によって実行される。
【0026】図5の例では、低回転、低負荷における再
生時期が来たと判定されたとき、まず時間ta におい
て、部分加熱ヒータ4であるメタルハニカム型の触媒担
体11への通電が開始される。それによって触媒担体1
1の一部が温度上昇して、その部分に担持された触媒が
活性化する。次に時間tb において、燃料供給装置7か
ら排気管2内への燃料供給が開始される。始めは単位時
間当たりの燃料供給量Fが僅かで、その後は徐々に増量
される。最初の燃料供給量Fが少ないために、触媒担体
11内の触媒の活性化している部分が少なくても、燃料
がそのまま排出されたり、触媒担体11の温度を低下さ
せたりする恐れが少ない。
【0027】このようにして触媒担体11の温度が上昇
して広い領域で触媒が活性化した後の時間tc において
触媒担体11への通電が停止される。この時には触媒担
体11が広い範囲で触媒の活性化温度に達しており、通
電を停止しても触媒担体11の触媒が燃料を酸化するこ
とによって、触媒担持フィルタ5を加熱してその全面に
おいて触媒を活性化させるのに十分な熱量を発生し得る
ようになっている。時間td から以後は単位時間当たり
の燃料供給量Fが一定に維持され、触媒担持フィルタ5
における排気微粒子の着火温度以上の温度を維持するの
で、微粒子は燃焼を始めて焼却される。燃料供給装置7
からの燃料供給は所定の時間経過後に停止される。この
ようにエンジン1の低回転、低負荷の運転状態でも触媒
担持フィルタ5の再生を円滑に行うことができる。
【0028】図6の(a)及び(b)に、図1の内燃機
関の排気微粒子浄化装置における部分加熱ヒータ4の第
2実施例を示す。前述の部分加熱ヒータ4の第1実施例
は、中心部接合領域12及び外周部接合領域13を形成
されたメタルハニカム型の触媒担体11を用いたもので
あるが、第2実施例においては部分加熱ヒータ4を、触
媒担持フィルタ5の材質と同様に、コーデュライト等の
多孔質のセラミックからなるモノリス型の触媒担体18
に通電によって加熱するヒータ線を取り付けることによ
って構成している。ただし、モノリス担体18の軸方向
の長さは図6の(b)に示すように比較的短くてよい。
【0029】第2実施例の部分加熱ヒータ4の一部であ
るモノリス担体18はセラミックから形成されており、
従来公知のモノリス型の触媒担体と同様なものである。
即ちその構造は、コーデュライト等の多孔質のセラミッ
ク材料に、ハニカム状に縦方向の貫通穴を多数形成し、
それに酸化触媒等を担持させたものである。第2実施例
では、このモノリス担体18の上流側端面において、多
数の貫通穴19の一部を飛び飛びに利用して、カンタル
等のヒータ線20の屈曲部20aを挿入し、貫通穴19
の入口開口によってヒータ線20を固定支持させてい
る。
【0030】ハニカム状のモノリス型担体に担持された
触媒の活性化を促進するために、その上流側端面等にヒ
ータ線を設置することは従来から知られているが、第2
実施例の特徴は、ヒータ線20をモノリス担体18の上
流側端面の全面ではなく、上流側端面の一部に疎に配置
することによって、端面を部分的に加熱するようにして
いることと、そのような構成のモノリス担体18とヒー
タ線20からなる部分加熱ヒータ4を触媒担持フィルタ
5の上流側に設けて、全体として排気微粒子浄化装置の
再生システムを構成している点にあると言うことができ
る。
【0031】第2実施例の部分加熱ヒータ4であるヒー
タ線20付きのモノリス担体18の作用効果は、詳細な
説明を繰り返す必要もなく、第1実施例のメタルハニカ
ム型の触媒担体11に関する前述の説明から明らかであ
る。ヒータ線20がモノリス担体18の端面の一部のみ
を部分的に加熱することにより、図1に示すエンジン1
の低回転、低負荷の運転状態において触媒担持フィルタ
5の再生を行う際に、必要な電力を節約することができ
る点も同じである。
【0032】図6に示す部分加熱ヒータ4の第2実施例
によれば、触媒を担持する部分加熱ヒータ4として、触
媒を担持しヒータ線20を部分的に備えているモノリス
担体18を、図1に示すように触媒担持フィルタ5の上
流側に別体のものとして配置することになるが、図7に
示した本発明の別の実施例は、図1のシステムの一部を
変形するものとして、部分加熱ヒータ4と触媒担持フィ
ルタ5の代わりに、あたかも、第2実施例における貫通
穴19を有し触媒を担持しているモノリス担体18に、
貫通穴が上流側又は下流側において栓詰めされている触
媒担持フィルタ5を合体させてなるような、単体として
のモノリスフィルタ21を用いた点に特徴がある。この
実施例を本発明の基本的なシステム構成を示す図1に当
てはめると、ヒータ線20のみが部分加熱ヒータ4に対
応し、ヒータ線20を除いたモノリスフィルタ21の部
分が触媒担持フィルタ5に対応することになる。
【0033】以上の説明から明らかなように、図7に示
した別の実施例におけるモノリスフィルタ21は、前述
の触媒担持フィルタ5の例と同様に、例えばコーデュラ
イト等の多孔質のセラミックからなり、縦方向に多数の
貫通穴が形成されたモノリス担体の、隣接する縦方向の
穴を交互に上流側端と下流側端において栓22によって
閉塞(栓詰め)して、各穴間の多孔質の壁を透過して排
気の流れが生じるようにし、これにPtやPd−Rhの
ような酸化触媒又は酸化・還元触媒を担持させたもので
あり、貫通穴を上流側において閉塞する栓22の一部を
利用して、ヒータ線20の屈曲部20aが固定されてい
る。
【0034】ヒータ線20がモノリスフィルタ21の上
流側端面に疎に配置される点及びこの実施例の作用効果
等は、図6に示した部分加熱ヒータ4の第2実施例の場
合と同様である。図7の実施例では部分加熱ヒータ4と
触媒担持フィルタ5が一体化されているために、構成が
より簡単になるという別の利点がある。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、フィルタの再生処理の
ためにフィルタ自体に触媒を担持させている内燃機関の
排気微粒子浄化装置において、機関の低回転域、或いは
低負荷域のような排気温度が比較的低い運転状態を含む
機関のどのような運転領域であっても、フィルタの再生
を常に良好に行うことができる。また、フィルタの再生
の際に消費する電力が僅かであるから、大容量のバッテ
リー等の電源を用意する必要がなく、重量の面やコスト
の面で有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的なシステムの実施例を示す概念
図である。
【図2】部分加熱ヒータの第1実施例を示す端面図であ
【図3】図2に示す部分加熱ヒータの縦断面図である。
【図4】エンジンの運転特性を示す線図である。
【図5】本発明における制御例を示すタイムチャートで
ある。
【図6】部分加熱ヒータの第2実施例を概念的に示すも
ので、(a)は端面図、(b)は縦断面図である。
【図7】本発明の別の実施例の要部を概念的に示すもの
で、(a)は端面図、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン 2…排気管 3…ケーシング 4…部分加熱ヒータ 5…触媒担持フィルタ 6…温度センサ 7…燃料供給装置 11…メタルハニカム型の触媒担体 12…中心部接合領域 13…外周部接合領域 14…環状の非接合領域 18…セラミック製のモノリス型触媒担体 19…貫通穴 20…ヒータ線 20a…屈曲部 21…モノリスフィルタ 22…栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/02 341 H (72)発明者 小井 良治 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気中に含まれている微粒子
    を捕集して排気を浄化するために前記内燃機関の排気通
    路に設けられると共に、堆積する微粒子を着火燃焼させ
    て捕集機能を再生するために触媒を担持しているフィル
    タと、 前記内燃機関の排気の流れに関して前記フィルタの上流
    側に設けられ、前記内燃機関の排気温度が低い運転状態
    において前記フィルタの再生を行うときに電気的に発熱
    して、部分的に周辺の触媒を活性化させる部分加熱ヒー
    タと、 排気の流れに関して前記部分加熱ヒータの更に上流側に
    設けられ、前記フィルタの再生時に前記部分加熱ヒータ
    及び前記フィルタの上流側へ未燃焼の燃料を供給するこ
    とができる燃料供給手段とを、全て備えていることを特
    徴とする内燃機関の排気微粒子浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記部分加熱ヒータが、触媒を担持して
    いると共に部分的に接合領域が形成されており、通電さ
    れることによって部分的に発熱するメタルハニカム型の
    触媒担体からなっている請求項1記載の排気微粒子浄化
    装置。
  3. 【請求項3】 前記部分加熱ヒータが、セラミックから
    なるモノリス型の触媒担体と、それに対して部分的に付
    設された電気的ヒータとからなっている請求項1記載の
    排気微粒子浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記部分加熱ヒータが、触媒を担持して
    いる前記フィルタの上流側端面の一部に直接に付設され
    て、前記フィルタを部分的に加熱することができる電気
    的ヒータのみからなっている請求項1記載の排気微粒子
    浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料供給手段が、前記内燃機関の排
    気通路の一部に設けられている請求項1〜3のいずれか
    に記載の排気微粒子浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料供給手段が、前記内燃機関の本
    体の燃料噴射装置である請求項1〜3のいずれかに記載
    の排気微粒子浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記燃料供給手段が、前記フィルタの再
    生の始めには少量の燃料を噴射し、その後は徐々に燃料
    供給量を増加するように制御される請求項1〜6のいず
    れかに記載の排気微粒子浄化装置。
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