JPH08332247A - スリーピースソリッドゴルフボール - Google Patents

スリーピースソリッドゴルフボール

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JPH08332247A
JPH08332247A JP8099384A JP9938496A JPH08332247A JP H08332247 A JPH08332247 A JP H08332247A JP 8099384 A JP8099384 A JP 8099384A JP 9938496 A JP9938496 A JP 9938496A JP H08332247 A JPH08332247 A JP H08332247A
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秀規 平岡
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和重 杉本
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圭治 森山
Yoshimasa Koizumi
義昌 小泉
Kuniyasu Horiuchi
邦康 堀内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飛距離が大きく、かつコントロール性が良好
なスリーピースソリッドゴルフボールを提供する。 【構成】 コアを内核と外核との2層構造にし、その内
核の直径を25〜37mmにし、かつ内核の中心の硬度
をJIS−C型硬度計で測定した硬度で60〜85に
し、しかも内核の中心から表面までの硬度差を4以下に
し、かつ外核の表面の硬度をJIS−C型硬度計で測定
した硬度で75〜90にし、さらにカバーを曲げ剛性率
が1200〜3600kg/cm2 のカバー用組成物で
構成することによって、スリーピースソリッドゴルフボ
ールを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内核と外核とから
なる2層構造のコアをカバーで被覆してなるスリーピー
スソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】現在市販のゴルフボールは、大別する
と、ソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールとにな
る。そのうち、ソリッドゴルフボールには1層、2層ま
たは3層構造のゴルフボールがあるが、特に2層または
3層構造のソリッドゴルフボールでは、最近の傾向とし
て、カバーを軟らかくし、特にショートアイアンでの打
撃時のスピン量を多くして着地時に止まりやすい、いわ
ゆるコントロール性を重視したボールの開発が盛んに進
められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単にカ
バーを軟らかくしただけでは、スピン量は増えるもの
の、ボールの反撥性能が低下して、飛距離が低下すると
いう問題があった。
【0004】したがって、本発明は、飛距離およびコン
トロール性の両方を満足させるソリッドゴルフボールを
提供することを目的とする。いいかえれば、ドライバー
ショットでは飛距離が大きく、かつグリーン近くでのシ
ョートアイアンショットではスピン量が多くてピタッと
止まるコントロール性の良好なソリッドゴルフボールを
開発することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、コアを内核と
外核との2層構造にし、その内核の直径を25〜37m
mにし、かつ内核の中心の硬度をJIS−C型硬度計で
測定した硬度で60〜85にし、しかも内核の中心から
表面までの硬度差を4以下にし、かつ外核の表面の硬度
をJIS−C型硬度計で測定した硬度で75〜90にす
ることによって、反撥性能を高めて飛距離を大きくし、
さらにカバーを曲げ剛性率が1200〜3600kg/
cm2 のカバー用組成物で構成することによって、コン
トロール性を向上させ、ドライバーショットでの大きな
飛距離とショートアイアンショットでの良好なコントロ
ール性を両立させ、上記目的を達成したものである。
【0006】本発明においては、内核の直径を25〜3
7mmにし、内核の中心の硬度をJIS−C型硬度計で
測定した硬度で60〜85にし、内核の中心から表面ま
での硬度差を4以下にするが、これは次の理由によるも
のである。
【0007】すなわち、内核の直径が25mmより小さ
い場合は、ボールが硬くなって打球感が悪くなり、内核
の直径が37mmより大きくなると、外核を内核の周囲
に形成してコアを作製するときに、外核の厚みが薄くな
るため、その厚みをコントロールすることが非常にむつ
かしく、そのため、ボールの特性の均質性が損なわれ、
飛行性能が一定しなくなる。また、内核の中心の硬度が
JIS−C型硬度計で測定した硬度で60より低い場合
は、コアが軟らかくなって反撥性能が低下し、そのため
飛距離が小さくなり、内核の中心の硬度がJIS−C型
硬度計で測定した硬度で85より高くなると、硬くなり
すぎて脆くなるため、耐久性が低下する。そして、内核
の中心から表面までの硬度差が4より大きくなると、打
球時のエネルギーロスが大きくなるため、反撥性能が低
下して、飛距離が小さくなる。
【0008】また、本発明においては、外核の表面(こ
の外核の表面とは、内核と外核とからなる2層構造のコ
アの表面に相当する)の硬度をJIS−C型硬度計で測
定した硬度で75〜90にし、カバーを構成するカバー
用組成物の曲げ剛性率が1200〜3600kg/cm
2 であることを必要としているが、これは次の理由によ
るものである。
【0009】すなわち、外核の表面の硬度がJIS−C
型硬度計で測定した硬度で75より低い場合は、ボール
コンプレッションが小さくなるため反撥性能が低下し
て、飛距離が小さくなり、外核の表面の硬度がJIS−
C型硬度計で測定した硬度で90より高くなると、硬す
ぎて打球感(打球時のフィーリング)が悪くなる。そし
て、カバー用組成物の曲げ剛性率が1200kg/cm
2 より低い場合は、反撥性能が低下して、飛距離が小さ
くなり、カバー用組成物の曲げ剛性率が3600kg/
cm2 より高くなると、ショートアイアンショットでの
スピン量が少なくなって、コントロール性が悪くなる。
なお、本発明においては、カバーの曲げ剛性率とせず、
カバー用組成物の曲げ剛性率としているが、これは一旦
ボール成形をしてしまうと、現在の技術では、そのカバ
ーから曲げ剛性率を測定することができず、曲げ剛性率
の測定はカバー用組成物から試験片を作製して行わなけ
ればならないからである。このように、ゴルフボールの
カバーからは曲げ剛性率の測定ができないけれど、カバ
ーの曲げ剛性率も実質的にはカバー用組成物の曲げ剛性
率とほとんど同じであると考えられる。
【0010】本発明においては、上記のように、外核の
表面の硬度をJIS−C型硬度計で測定した硬度で75
〜90に規定しているが、その範囲内で、外核の表面の
硬度を内核の表面の硬度より3以上高くすると、打球
感、反撥性能、飛行性能のいずれも向上するので特に好
ましい。
【0011】上記内核は、ゴム組成物の架橋成形体で構
成されるが、この内核作製用のゴム組成物は、通常、ゴ
ムに架橋剤、架橋開始剤、充填剤などを配合して混練す
ることによって調製される。また、要すれば、さらに老
化防止剤、架橋調整剤、軟化剤などを適宜配合したもの
であってもよい。
【0012】上記ゴムとしては、シス−1,4構造を8
5%以上含むブタジエンゴムが好ましいが、ブタジエン
ゴムに他のゴム、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム、
スチレンブタジエンゴムなどを適宜混合したものであっ
てもよい。
【0013】架橋剤としてはα,β−不飽和カルボン酸
の金属塩が用いられる。このα,β−不飽和カルボン酸
の金属塩としては、たとえばアクリル酸亜鉛、アクリル
酸マグネシウムなどのアクリル酸の金属塩や、メタクリ
ル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウムなどのメタクリル
酸の金属塩などの中から1種または2種以上が選択して
使用されるが、特にアクリル酸亜鉛やメタクリル酸亜鉛
などが好ましい。この架橋剤としてのα,β−不飽和カ
ルボン酸の金属塩の配合量は、特に限定されるものでは
ないが、ゴム100重量部に対して20〜35重量部が
好ましい。また、上記α,β−不飽和カルボン酸の金属
塩は、配合時にはα,β−不飽和カルボン酸と金属酸化
物で配合し、ゴム組成物の混練中にα,β−不飽和カル
ボン酸の金属塩が生成するようにしたものであってもよ
い。
【0014】架橋開始剤としては、たとえばジクミルパ
ーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物
が用いられるが、特にジクミルパーオキサイドが好まし
い。この架橋開始剤の配合量としては、特に限定される
ものではないが、ゴム100重量部に対して0.5〜
2.5重量部が好ましい。
【0015】充填剤としては、たとえば酸化亜鉛、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、クレーなど
の無機充填剤が主として用いられる。この充填剤の配合
量としては、特に限定されるものではないが、ゴム10
0重量部に対して20〜25重量部が好ましい。
【0016】また、架橋調整剤を配合する場合、この架
橋調整剤としてはモルフォリンダイサルファイトやペン
タクロロチオフェノール、ジフェニルダイサルファイト
などのイオウ化合物が用いられ、これらのイオウ化合物
はゴム100重量部に対して0.1〜1.5重量部程度
配合するのが好ましい。
【0017】内核は、上記内核用ゴム組成物をプレス成
形または射出成形などで架橋成形することによって作製
される。前者のプレス成形による場合、上記ゴム組成物
を金型に充填し、通常、140〜180℃で10〜60
分間加熱して、架橋成形することによって、内核が作製
される。後者の射出成形の場合は、金型温度135〜1
65℃で10〜20分間加熱することによって行われ
る。そして、この内核の直径は25〜37mmにされる
が、この内核の直径は特に28〜35mmであることが
好ましい。また、上記架橋成形時の加熱は二段階以上に
分けて行ってもよい。
【0018】外核も、前記内核と同様の材料を用いたゴ
ム組成物を架橋成形することによって作製されるが、外
核の表面の硬度を前記のようにJIS−C型硬度計で測
定した硬度で75〜90にするため、架橋剤のα,β−
不飽和カルボン酸の金属塩の配合量はゴム100重量部
に対して25〜35重量部にするのが好ましく、また架
橋開始剤の配合量はゴム100重量部に対して1〜3重
量部にするのが好ましい。
【0019】また、外核を作製するための架橋成形も前
記内核の場合と同様に、プレス成形または射出成形によ
って行われる。プレス成形による場合、外核用ゴム組成
物から一対の半球殻状のハーフシェルを作製し、その中
に内核を入れて金型で架橋成形してコアが作製される。
上記架橋成形時の条件としては、通常、160〜180
℃で10〜40分間加熱することが採用される。また、
射出成形を利用する場合は、単に型付けして一対のハー
フシェルを作製し、その中に内核を入れてプレス成形で
コアに仕上げる方法や、あらかじめ射出成形で一対のハ
ーフシェルを半架橋状に作製し、その中に内核を入れて
プレス成形でコアに仕上げる方法などが採用される。ま
た、この外核の架橋成形にあたっても、加熱を二段階以
上に分けて行ってもよい。
【0020】そして、この外核の厚さは、内核の直径に
もよるが、通常1〜7mmが好ましい。
【0021】カバーには、各種のものが使用可能である
が、たとえばアイオノマーを主材にするか、またはアイ
オノマーにポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリエチレンなどを添加した合成樹脂を主材とし、これ
に二酸化チタン、硫酸バリウムなどの顔料、要すれば酸
化防止剤などを添加して調製したカバー用組成物が用い
られる。
【0022】上記アイオノマーとしては、たとえば、ハ
イミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Z
n)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7
315(Zn)、ハイミランAM7316(Zn)、ハ
イミランAM7317(Zn)、ハイミランAM731
8(Na)、ハイミランMK7320(K)、ハイミラ
ン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)(い
ずれも商品名、三井デュポンポリケミカル社製)、サー
リン8920(Na)、サーリン8940(Na)、サ
ーリンAD8512(Na)、サーリン7930(L
i)、サーリン7940(Li)、サーリン9910
(Zn)、サーリンAD8511(Zn)、サーリン9
650(Zn)(いずれも商品名、米国デュポン社
製)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック8
000(Na)(いずれも商品名、エクソン化学社製)
などが挙げられ、これらのアイオノマーは単独でまたは
2種以上の混合物として使用される。なお、上記アイオ
ノマーの商品名の後の括弧(カッコ)内に記載したN
a、Zn、K、Liなどは、それらの中和金属イオン種
を示している。
【0023】本発明においては、このカバー用組成物の
曲げ剛性率もコントロール性を向上させる上で重要な特
性であり、カバー用組成物の曲げ剛性率を前記のように
1200〜3600kg/cm2 にする。カバー用組成
物の曲げ剛性率を上記のようにするには上記アイオノマ
ーの選択や2種以上の併用などによって達成できる。
【0024】カバーの成形は、たとえば、上記のような
カバー用組成物をあらかじめ半球殻状のハーフシェルに
成形し、それを2枚用いてコアを包み、130〜170
℃で1〜15分間加圧成形するか、またはカバー用組成
物をコアの周囲に直接射出成形してコアを包み込む方法
などによって行うことができる。
【0025】カバーの厚みは通常1〜4mm程度であ
る。そして、このカバーの硬度はショアーD硬度で59
〜70であることが好ましい。カバーの硬度がショアー
D硬度で59より低くなると、反撥性能が低下して、飛
距離が小さくなる傾向があり、カバーの硬度がショアー
D硬度で70より高くなると、打球感やコントロール性
が悪くなる傾向がある。また、カバーの成形時、必要に
応じて、ボール表面にディンプルの形成が行われ、ま
た、カバーの成形後、ペイント仕上げ、スタンプなども
必要に応じて施される。
【0026】つぎに、本発明のスリーピースソリッドゴ
ルフボールを図面を参照しつつ説明する。図1は本発明
のスリーピースソリッドゴルフボールの一例を模式的に
示す断面図であり、図中、1はコアで、このコア1は内
核1aとその周囲に形成された外核1bとからなり、2
は上記コア1を被覆するカバーである。
【0027】上記内核1aは、ゴム組成物の架橋成形体
からなり、直径が25〜37mmで、かつその中心の硬
度がJIS−C型硬度計で測定した硬度で60〜85で
あり、しかも、その中心から表面までの硬度差が4以下
となるように作製されている。外核1bは、上記内核1
aの周囲に形成されたゴム組成物の架橋成形体からな
り、その表面の硬度はJIS−C型硬度計で測定した硬
度で75〜90である。そして、カバー2は曲げ剛性率
が1200〜3600kg/cm2 のカバー用組成物で
形成されていて、上記内核1aと外核1bとからなる2
層構造のコア1の周囲を被覆しており、このカバー2の
硬度はショアーD硬度で59〜70であることが好まし
い。
【0028】3はディンプルであり、このディンプル3
は、必要に応じ、あるいは所望とする特性が得られるよ
うに、適した個数、態様でカバー2に設けられるもので
ある。また、このスリーピースソリッドゴルフボールに
は、必要に応じ、ボール表面にペイントやマーキングが
施される。
【0029】
【発明の実施の形態】つぎに、実施例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0030】実施例1〜6および比較例1〜6 表1〜4に示す配合組成で内核用ゴム組成物を調製し、
得られたゴム組成物を内核用金型内に充填し、それぞれ
表1〜4に示す条件下で架橋成形して内核を作製した。
得られた内核について、直径および硬度を測定した。そ
の結果を表1〜4に示す。なお、表中の各成分の配合量
は重量部によるものであり、これは以後の配合組成を示
す表においても同様である。内核の硬度はJIS−C型
硬度計で内核の中心、中心から表面に向かって5mmの
位置、中心から表面に向かって10mmの位置、中心か
ら表面に向かって15mmの位置および表面で測定し
た。なお、内核の中心の硬度などのように内核の内部の
硬度は内核を2等分に切断してそれぞれ所定の位置で測
定した。
【0031】表1に実施例1〜3の内核配合、内核の直
径、架橋条件および内核の硬度を示し、表2には実施例
4〜6のそれらを示し、表3には比較例1〜3のそれら
を示し、表4には比較例4〜6のそれらを示す。なお、
内核用のゴム組成物の調製にあたって使用したブタジエ
ンゴムは日本合成ゴム社製のBR−11(商品名)で、
このブタジエンゴムのシス−1,4構造の含有量は96
%である。また、使用した老化防止剤は大内新興化学工
業社製のノクラックNS−6(商品名)である。そし
て、架橋条件が二段に記載されているものは、架橋成形
のための加熱を二段階に分けて行ったことを示してい
る。また、内核の直径が小さいため、該当する位置に硬
度の測定点がないものについては、当然のことながら、
硬度を示していない。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】つぎに、表5〜8に示す配合組成で外核用
ゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物からそれぞれ
一対のハーフシェルを成形し、それを前記の内核にかぶ
せ、金型内で表5〜8に示す架橋条件で架橋成形して、
直径39mmのコアを作製した。そして得られたコアの
表面の硬度(すなわち、外核の表面の硬度)をJIS−
C型硬度計で測定した。その結果を表5〜8に示す。な
お、比較例4は、内核の直径が大きすぎるため、外核の
厚みが薄くなり、偏肉が激しくなって正当な特性の評価
ができないので、コアの表面の硬度の測定をしておら
ず、したがって、表8には比較例4のコアの表面の硬度
の測定結果を示していない。そして、外核用ゴム組成物
の調製にあたって使用したブタジエンゴムや老化防止剤
は内核の作製にあたって使用したものと同様のものであ
る。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】つぎに、表9〜10に示す配合組成でカバ
ー用組成物A〜Gを調製し、得られたカバー用組成物の
曲げ剛性率およびショアーD硬度を測定した。その結果
を表9〜10に示す。上記曲げ剛性率の測定は、カバー
用組成物をプレス成形して厚さ約2mmの平板状の試験
片を作製し、ASTM D−747に準じ、23℃、相
対湿度50%で2週間放置後に東洋精機社製のスティフ
ス計を用いて行った。また、ショアーD硬度の測定は、
カバー用組成物をプレス成形して厚さ約2mmの平板状
の試験片を作製し、ASTM D−2240に準じ、2
3℃、相対湿度50%で2週間放置後にショアーD型硬
度計を用いて行った。なお、カバーの硬度は、上記のよ
うにカバー用組成物から試験片を作製する方法以外に、
ゴルフボールのカバーから測定することもできる。表9
にはカバー用組成物A〜Dの配合組成、曲げ剛性率およ
び硬度(ショアーD硬度)を示し、表10にはカバー用
組成物E〜Gの配合組成、曲げ剛性率および硬度(ショ
アーD硬度)を示す。表中に商品名で示した成分の詳細
は表10の後に示す。
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】※1:ハイミラン1855(商品名) 三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和タイプ
のエチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸三元共
重合体系アイオノマー、曲げ剛性率=約900kg/c
2 ※2:ハイミラン1555(商品名) 三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和
タイプのエチレンン−メタクリル酸共重合体系アイオノ
マー、曲げ剛性率=2100kg/cm2 ※3:ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和タイプ
のエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー、曲
げ剛性率=2500kg/cm2 ※4:ハイミラン1557(商品名) 三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和タイプ
のエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー、曲
げ剛性率=2400kg/cm2 ※5:ハイミラン1605(商品名) 三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和
タイプのエチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマ
ー、曲げ剛性率=約3500kg/cm2
【0045】つぎに、上記のように調製したカバー用組
成物A〜Gを前記コア上に表11〜14に示す組み合せ
で射出成形してカバーを形成し、外径42.7mmのス
リーピースソリッドゴルフボールを作製した。ただし、
表11〜14ではカバー用組成物の種類をその記号で示
し、かつ、その曲げ剛性率および硬度(ショアーD硬
度)を付記した。なお、比較例4は、外核形成時の偏肉
が激しく正当な特性評価ができないので、ボールの作製
をしておらず、したがって、表14には、カバー用組成
物の種類や曲げ剛性率をはじめ、比較例4に関する特性
値をまったく示していない。
【0046】得られたゴルフボールのボール重量、US
GA方式によるボールコンプレッション、反撥係数、飛
距離(キャリー)、スピン量、コントロール性および打
球感を調べた。その結果を表11〜14に示す。なお、
上記反撥係数、飛距離、スピン量、コントロール性およ
び打球感の測定または評価方法は次の通りである。
【0047】反撥係数:R&A(英国ゴルフ協会)が初
速測定するエアガンと同機種のエアガンを用い、ボール
に198.4gの金属円筒物を45m/sの速度で衝突
させたときのボール速度を測定し、そのボール速度より
算出する。この値が大きいほど、ゴルフボールの反撥性
能が高いことを示す。
【0048】飛距離:ツルーテンパー社製スイングロボ
ットにドライバー(ウッド1番クラブ)を取り付け、ボ
ールをヘッドスピード45m/sで打撃し、落下点まで
の距離を測定する。
【0049】スピン量:ツルーテンパー社製スイングロ
ボットにアイアン9番クラブを取り付け、ボールをヘッ
ドスピード34m/sで打撃し、打撃されたボールを連
続写真撮影して調べる。
【0050】コントロール性:プロゴルファー4人およ
びハンディーキャップ10以下のアマチュアゴルファー
6人の計10人によりボールをサンドウェッジで実打し
て評価する。評価基準は次の通りである。評価結果を表
中に表示する際も同様の記号で表示しているが、その場
合は評価にあたった10人のうち8人以上が同じ評価を
下したことを示している。
【0051】評価基準: ○ : 良い △ : 普通 × : 悪い
【0052】打球感:プロゴルファー4人およびハンデ
ィーキャップ10以下のアマチュアゴルファー6人の計
10人によりボールをドライバー(ウッド1番クラブ)
で実打して評価する。評価基準は次の通りである。評価
結果を表中に表示する際も同様の記号で表示している
が、その場合は評価にあたった10人のうち8人以上が
同じ評価を下したことを示している。
【0053】評価基準: ○ : 良い △ : 普通 × : 悪い
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
【0056】
【表13】
【0057】
【表14】
【0058】表11〜12に示す実施例1〜6のボール
特性と表13〜14に示す比較例1〜6のボール特性と
の対比から明らかなように、実施例1〜6は、飛距離が
大きく、かつスピン量が多くてコントロール性が良好で
あり、しかも打球感が良好であった。すなわち、表1〜
2に示すように内核の直径が25〜37mmの範囲内
で、内核の中心の硬度がJIS−C型硬度計で測定した
硬度で60〜85の範囲内にあり、内核の中心から表面
までの硬度差が4以下で、外核の表面の硬度が表5〜6
に示すようにJIS−C型硬度計で測定した硬度で75
〜90の範囲内にあり、かつカバーを構成するカバー用
組成物の曲げ剛性率が表11〜12に示すように120
0〜3600kg/cm2 の範囲内にある実施例1〜6
は、表11〜12に示すように飛距離が223〜226
ヤードと大きく、かつコントロール性の評価が○であっ
て、コントロール性が良好であり、また打球感の評価も
○であって、打球感も良好であった。
【0059】これに対して、比較例1は、表3に示すよ
うに内核の中心の硬度が低く、かつ内核の中心から表面
までの硬度差が大きいため、反撥性能が低くなって、表
13に示すように飛距離が小さくなり、かつコントロー
ル性、打球感とも良好とはいえなかった。比較例2は、
表3および表7に示すように内核の中心の硬度および外
核の表面の硬度が低すぎるため、反撥性能が低下し、表
13に示すように飛距離が小さくなり、かつ打球感も重
くて悪かった。そして、比較例3は、表3に示すように
内核の直径が小さいため、ボールが硬くなって、表13
に示すように打球感が悪く、またコントロール性も悪か
った。
【0060】また、表14に示すように、比較例5は、
カバーを構成するカバー用組成物の曲げ剛性率が小さい
ため、反撥性能が低下して、飛距離が小さくなり、比較
例6は、カバーを構成するカバー用組成物の曲げ剛性率
が大きすぎるため、コントロール性、打球感とも悪かっ
た。なお、比較例4は、表4に示すように内核の直径が
大きすぎるため、前記したように、外核を形成してコア
を作製したときに外核の偏肉が激しく、正当な特性評価
ができないため、ボール作製をしなかった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、飛距
離が大きく、かつコントロール性が良好で、飛距離とコ
ントロール性の両方を満足させ得るスリーピースソリッ
ドゴルフボールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリーピースソリッドゴルフボールの
一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 コア 1a 内核 1b 外核 2 カバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内核と外核とからなる2層構造のコアを
    カバーで被覆してなるスリーピースソリッドゴルフボー
    ルにおいて、内核の直径が25〜37mmで、かつ内核
    の中心の硬度がJIS−C型硬度計で測定した硬度で6
    0〜85であり、しかも内核の中心から表面までの硬度
    差が4以下であって、外核の表面の硬度がJIS−C型
    硬度計で測定した硬度で75〜90であり、かつカバー
    を構成するカバー用組成物の曲げ剛性率が1200〜3
    600kg/cm2 であることを特徴とするスリーピー
    スソリッドゴルフボール。
  2. 【請求項2】 外核の表面の硬度が、内核の表面の硬度
    より高い請求項1記載のスリーピースソリッドゴルフボ
    ール。
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