JPH08324418A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置

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JPH08324418A
JPH08324418A JP7158498A JP15849895A JPH08324418A JP H08324418 A JPH08324418 A JP H08324418A JP 7158498 A JP7158498 A JP 7158498A JP 15849895 A JP15849895 A JP 15849895A JP H08324418 A JPH08324418 A JP H08324418A
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JP
Japan
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valve
valve plunger
negative pressure
power piston
input
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JP7158498A
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Inventor
Akihiko Miwa
昭彦 三輪
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構造かつ少ない部品数によって、負圧式
倍力装置へ入力される操作量の変化、例えば運転者の制
動ペダルの踏み込み速度に従い、負圧式倍力装置の倍力
比が切り替わる負圧式倍力装置を提供する。 【構成】バルブプランジャが、入力ロッド側に凹部を備
える第2バルブプランジャと、入力ロッドの移動速度に
応じて選択的に第2バルブプランジャの凹部外周端部に
当接、又は、径内方に圧縮されて凹部内に侵入する可動
部材と、前記可動部材の後端に当接して設けられ、前記
入力ロッドが連結され、外端に一体的に形成された環状
の大気制御用シール弁を有する第1バルブプランジャ
と、可動部材を径外方に付勢する付勢部材とから成るこ
とを特徴とする負圧式倍力装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は負圧式倍力装置に関し、
特に車両のブレーキブースタに適用される負圧式倍力装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両において、制動時の操作力を
低減するためのブレーキブースタとして、負圧式倍力装
置(真空倍力装置ともいう)が採用されている。
【0003】この負圧式倍力装置は、エンジンの吸入負
圧又はバキュームポンプの負圧を倍力源とし、この負圧
と大気圧との差圧を利用して車両の運転者の制動ペダル
踏力以上の力を油圧を介してブレーキ装置に加えるもの
であり、ブレーキブースタとして最も一般的なシステム
である。
【0004】例えば特開平06-191395号公報には、車両
の運転者の制動ペダル操作速度が限界値を超えたとき
(急制動時)、倍力係数を通常より大きくする切換装置
を備えた負圧式倍力装置が提案されている。なお倍力係
数とは、負圧式倍力装置において、パワーピストンを介
して上述の差圧と入力ロッドを介して運転者の踏み力と
を入力とし、これらの圧力をブレーキ装置に油圧を介し
て出力すると共に、油圧による反発力を受けて入力ロッ
ドを介し運転者の踏み力に対抗する反力を出力する、リ
アクションディスクの、装置入出力軸方向に直交する有
効断面積に関係する。差圧及び踏み力が作用するリアク
ションディスクの面積を「全有効断面積」とし、踏み力
が作用する部分の面積を「反作用面積」とすると、倍力
係数は「全有効断面積/反作用面積」であり、実質的に
負圧式倍力装置の「出力/踏み力」比に相当する。
【0005】図5は、従来例に係り、上記特開平06-191
395号公報に提案されている倍力係数切替装置を備えた
負圧式倍力装置の入出力軸方向に沿った部分断面図であ
る。
【0006】図5を参照して、この負圧式倍力装置は、
不図示の運転者による制動ペダル踏み込み速度の検出手
段を備え、さらに入出力軸(軸線51)に沿って、外周部
に負圧と大気圧との差圧を受けて軸線51方向に摺動可能
なパワーピストン41と、内周部(パワーピストン41内)
に運転者の制動ペダル踏み力が作用する反作用ピストン
58とが配置され、軸線51に沿って入力側から出力側に順
に、パワーピストン41及び反作用ピストン58の作用を直
接受ける反作用円板(リアクションディスク)54、反作
用円板54に当接する円盤部を有する「T字型」の押し棒
121、押し棒121を内部に収容する環状のフランジ56、フ
ランジ56内部と押し棒121の円盤部との間に圧縮介装さ
れたコイルスプリング125、押し棒121の出力側先端に当
接し、押し棒121の出力側先端部と嵌合可能な凹部を有
し、磁石を備え、径方向(軸線51に直交する方向)に延
在するカム状の剛性力伝達素子99、剛性力伝達素子99を
径方向に出し入れするソレノイド104、及び剛性力伝達
素子99を介して押し棒121の作用を受けて、ブレーキ装
置に油圧を介して作用する押圧棒(出力ロッド)27を備
えている。
【0007】剛性力伝達素子99の突起部は、押し棒121
及び反作用円板54の出力側への移動を制限している。
【0008】図5の真空倍力装置の動作を説明する。
【0009】不図示の運転者によるペダル操作速度の検
出手段が、運転者の制動ペダルの急激な踏み込みを検出
した際、この検出に従いソレノイド104に通電がなさ
れ、磁石を備えた剛性力伝達素子99は、ソレノイド104
の発生する電磁力により径方向に移動する。剛性力伝達
素子99が径方向へ移動することにより、反作用円板54に
より出力側へ付勢されている押し棒121の先端部は、図
5に示す剛性力伝達素子99の突起部に当接する位置か
ら、出力(押圧棒27)側へ、剛性力伝達素子99のカム形
状に従って移動して剛性力伝達素子99の凹部に嵌合する
ことにより、押し棒121の円盤部と反作用円板54とは離
間し、又はこの円盤部による反作用円板54を入力側へ支
持(付勢)する力は小さくなる。
【0010】このため、反作用素子54の少なくとも中心
部は反作用ピストン58により容易に出力側に押し込まれ
て、反作用ピストン58に加わる反作用素子54の反作用は
低減されることにより、反作用ピストン58に接続する不
図示のエアバルブを開くに要する制動ペダルの踏み力が
減少される。即ち、真空倍力装置の倍力係数は高められ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、上記特開平06-191395号公報に提案されている従来
の真空倍力装置は以下の問題点を有する。
【0012】再度図5を参照して、上記真空倍力装置
は、急制動時に倍力係数の切り替え即ち運転者の入力に
比してブレーキに大きな出力を作用させるため、ソレノ
イドを設け備え、加えて複雑な形状の剛性力伝達素子を
配置されていることにより、構造が複雑、肥大化され、
部品数も多くコスト高を招いている。さらに、制動ペダ
ルの踏み込み速度を検出する手段を必要とする。
【0013】上記特開平06-191395号公報に提案されて
いる真空倍力装置はいずれも、上述の問題点を有してい
る。加えて、電磁ソレノイド又はステッピングモータ等
の電磁気的手段を必須としている。
【0014】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れものであって、簡単な構造かつ少ない部品数によっ
て、負圧式倍力装置へ入力される操作量の変化、例えば
運転者の制動ペダルの踏み込み速度に従い、負圧式倍力
装置の倍力比(制御量/操作量)が切り替わる負圧式倍
力装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(発明の概要)まず本発明を概要する。本発明の負圧倍
力装置は、前記バルブプランジャが、前記入力ロッド側
に凹部を備える第2バルブプランジャと、前記入力ロッ
ドの移動速度に応じて選択的に前記第2バルブプランジ
ャの凹部外周端部に当接する、又は、径内方に圧縮され
て前記凹部内に侵入する可動部材と、前記可動部材の後
端に当接して設けられ、前記入力ロッドが連結され、外
端に一体的に形成された環状の大気制御用シール弁を有
する第1バルブプランジャと、前記可動部材を径外方に
付勢する付勢部材とから成ることを特徴とする。
【0016】本発明の負圧式倍力装置は、具体的には、
特に請求項1のように構成される。即ち、本発明の負圧
式倍力装置は一般的構造として以下の構成、「ハウジン
グ内を定圧室と変圧室とに区画する可動壁と、この可動
壁の中心部に連結されて前記ハウジング外へ延出するパ
ワーピストンと、前記パワーピストン内に同心的且つ軸
方向へ摺動可能に嵌合されたバルブプランジャと、前記
バルブプランジャに連結され前記パワーピストンの外端
開口から前記パワーピストン外へ延出する入力ロッド
と、前記バルブプランジャの外端に一体的に形成された
環状の大気制御用シール弁と、前記パワーピストンの内
面に前記外端開口に向けて突出形成された環状の負圧制
御用シール弁と、前記大気制御用シール弁及び前記負圧
制御用シール弁に向けて付勢手段により付勢されて前記
大気制御用シール弁と前記負圧制御用シール弁に対して
接触及び離脱する環状のシール部を一端部に有して他端
部にて前記パワーピストンの内面に気密的に固定され且
つ中間部に円筒伸縮部を有するコントロールバルブと、
前記定圧室と前記変圧室との圧力差により前記可動壁に
発生する推進力に応じた反力を前記バルブプランジャに
印加するリアクションディスクと、前記リアクションデ
ィスクを介して前記可動壁の移動に伴う前記パワーピス
トンの推進力を前記ハウジング外に取り出す出力ロッド
とを備え、前記変圧室が前記大気制御用シール弁と前記
コントロールバルブとの間の隙間を通して大気に連通
し、また前記負圧制御用シール弁と前記コントロールバ
ルブとの間の隙間を通して前記定圧室に連通する」を採
る。
【0017】また、好ましくは、請求項2〜4のように
構成される。即ち、本発明の好ましい態様として、前記
可動部材は前記入力ロッド側の外周に前記バルブプラン
ジャの軸方向で前記第2バルブプランジャ側に向かって
縮小形成されたテーパ状段部を備え、前記パワーピスト
ンは内周に前記テーパ状段部に対向し前記バルブプラン
ジャの軸方向で前記入力ロッド側に向かって拡大形成さ
れたテーパ状段部を備え、前記可動部材外周のテーパ状
段部と前記パワーピストン内周のテーパ状段部との間に
は所定量の隙間が設けられていることを特徴とする。
【0018】また、前記第2バルブプランジャは外周に
段部を有し、前記段部と前記パワーピストン内周に設け
られたテーパ状段部との間に前記第2バルブプランジャ
を付勢する付勢部材が介装されることを特徴とする。
【0019】前記可動部材と前記第1バルブブランジャ
とが一体成型されていることを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1の発明によれば、入力ロッドの移動速
度が速い操作による負圧式倍力装置の作動は、入力ロッ
ドがパワーピストン内(真空倍力装置の出力側)に移動
すると、入力ロッドが第1バルブプランジャを押し付
け、第1バルブプランジャが可動部材を押し付け、可動
部材が径内方に圧縮されて、第2バルブプランジャの凹
部内に可動部材の先端部が侵入する。第1バルブプラン
ジャが移動すると、コントロールバルブのシール部がパ
ワーピストンの負圧制御用シール弁に接触して定圧室と
変圧室との連通を遮断し、シール部の負圧制御用シール
弁への接触後、第1バルブプランジャの大気制御用シー
ル弁がシール部から離脱して変圧室内に大気が流入して
圧力が上昇し、変圧室内の圧力と定圧室との圧力差によ
り、可動壁、パワーピストンにハウジング内端に向かっ
て移動させる作動力が生じる。リアクションディスクは
パワーピストンからの押圧力により弾性変形して第2バ
ルブプランジャ側に張り出し第2バルブプランジャを押
し付けるが、第2バルブプランジャは可動部材の先端部
をさらに凹部に侵入させながら入力ロッド側に移動する
ため入力ロッドに反力は印加されない、または、印加さ
れる反力は小さい。入力ロッドがパワーピストン外(真
空倍力装置の入力側)へ移動すると、入力ロッドが第1
バルブプランジャを引っ張り、第1バルブプランジャの
移動により、大気制御用シール弁がシール部に接触して
変圧室内が大気と分離され、大気制御用シールのシール
部への接触後、シール部が負圧制御用シール弁から離脱
して定圧室と変圧室とを連通し、変圧室内へ負圧が導入
される。よって、変圧室と定圧室間の圧力差が消失する
ので、可動壁、パワーピストンが初期位置に移動する。
このように第1バルブプランジャが入力側に移動する
と、第2バルブプランジャの凹部内から可動部材の先端
部が離間して可動部材が付勢部材により径外方に付勢さ
れて元の状態に復帰し、可動部材の元の状態への復帰に
伴い第2バルブプランジャはリアクションディスク側に
押し付けられる。
【0021】請求項2の発明によれば、入力ロッドの移
動速度が速い操作による負圧式倍力装置の作動は、入力
ロッドがパワーピストン内(真空倍力装置の出力側)に
移動すると、入力ロッドが第1バルブプランジャを押し
付け、第1バルブプランジャが可動部材を押し付けて可
動部材のテーパ状段部がパワーピストンのテーパ状段部
に当接し、さらなる入力ロッドと第1バルブプランジャ
と可動部材の移動により、可動部材のテーパ状段部がパ
ワーピストンのテーパ状段部のテーパ面を滑り可動部材
の先端部が径内方に圧縮されて第2バルブプランジャの
凹部内に可動部材の先端部が侵入する。第1バルブプラ
ンジャが移動すると、コントロールバルブのシール部が
パワーピストンの負圧制御用シール弁に接触して定圧室
と変圧室との連通を遮断し、シール部の負圧制御用シー
ル弁への接触後、第1バルブプランジャの大気制御用シ
ール弁がシール部から離脱して変圧室内に大気が流入し
て圧力が上昇し、変圧室内の圧力と定圧室との圧力差に
より、可動壁、パワーピストンにハウジング内端に向か
って移動させる作動力が生じる。リアクションディスク
はパワーピストンからの押圧力により弾性変形して第2
バルブプランジャ側に張り出し第2バルブプランジャを
押し付けるが、第2バルブプランジャは可動部材の先端
部をさらに凹部に侵入させながら入力ロッド側に移動す
るため入力ロッドに反力は印加されない、または、印加
される反力は小さい。入力ロッドがパワーピストン外
(真空倍力装置の入力側)へ移動すると、入力ロッドが
第1バルブプランジャを引っ張り、第1バルブプランジ
ャの移動により、大気制御用シール弁がシール部に接触
して変圧室内が大気と分離され、大気制御用シールのシ
ール部への接触後、シール部が負圧制御用シール弁から
離脱して定圧室と変圧室とを連通し、変圧室内へ負圧が
導入される。よって、変圧室と定圧室間の圧力差が消失
するので、可動壁、パワーピストンが初期位置に移動す
る。このように第1バルブプランジャが入力側に移動す
ると、第2バルブプランジャの凹部内から可動部材の先
端部が離間して可動部材が付勢部材により径外方に付勢
されて元の状態に復帰し、可動部材の元の状態への復帰
に伴い第2バルブプランジャはリアクションディスク側
に押し付けられる。
【0022】請求項3の発明によれば、入力ロッドがパ
ワーピストン外端開口側へ向かって(真空倍力装置の入
力側に)移動すると、入力ロッドが第1バルブプランジ
ャを引っ張り、第1バルブプランジャの移動により、、
大気制御用シール弁がシール部に接触して変圧室内が大
気と分離され、大気制御用シールのシール部への接触
後、シール部が負圧制御用シール部から離脱して定圧室
と変圧室とを連通し、変圧室内へ負圧が導入される。よ
って、変圧室と定圧室間の圧力差が消失するので、可動
壁、パワーピストンが初期位置に移動する。このように
第1バルブプランジャが入力側に移動すると、第2バル
ブプランジャの凹部内から可動部材の先端部が離間して
可動部材が付勢部材により径外方に付勢されて元の状態
に復帰し、第2バルブプランジャの段部とパワーピスト
ン内周に設けられた段部との間に介装された付勢部材に
よる付勢力と可動部材の元の状態への復帰に伴って第2
バルブプランジャはリアクションディスク側にすばやく
押し付けられる。
【0023】請求項4の発明は、第1バルブプランジャ
と可動部材とが一体成型されたものであり、作用は、請
求項1、請求項2、及び請求項3の発明の作用と同様で
あるので省略する。
【0024】従って、本発明の負圧式倍力装置は、入力
ロッドの移動速度が速いような(例えば、急ブレーキ時
の)操作において、リアクションディスクに押し付けら
れて第2バルブプランジャは凹部に可動部材の先端部を
収納しながら入力ロッド側へ移動するため入力ロッドに
反力が伝達されなくなり、または、伝達されても反力は
小さく、入力ロッドの入力が小さくても入力ロッドをパ
ワーピストン外端開口に向かって移動させることができ
ないため負圧式倍力装置の倍力作動は中断されず、負圧
式倍力装置の倍力作動による最高出力が供給できる。即
ち倍力係数は高められている。
【0025】通常の操作による負圧式倍力装置の作動
は、入力ロッドがパワーピストン内に移動すると、入力
ロッドが第1バルブプランジャを押し付け、第1バルブ
プランジャが可動部材を押し付け(請求項2の負圧式倍
力装置においては、可動部材はパワーピストンの内周に
設けられたテーパ状段部と可動部材の入力ロッド側に設
けられたテーパ状段部との間の隙間分だけ移動し、テー
パ状段部同士は当接しない)、可動部材の先端部が第2
バルブプランジャの凹部外周端部を押し付けて、第1バ
ルブプランジャと可動部材と第2バルブプランジャとが
一体的に移動する。第1バルブプランジャが移動する
と、コントロールバルブのシール部がパワーピストンの
負圧制御用シール弁に接触して定圧室と変圧室との連通
を遮断する。シール部の負圧制御用シール弁の接触後、
第1バルブプランジャの大気制御用シール弁がシール部
から離脱して変圧室内に大気が流入し圧力が上昇する。
変圧室内の圧力と定圧室との圧力差により、可動壁、パ
ワーピストンにハウジング内端に向かって移動させる推
進力が生じ、この推進力をリアクションディスクを介し
て出力ロッドによりハウジング外へ取り出す。一方、リ
アクションディスクは、パワーピストンからの押圧力に
より弾性変形することで第2バルブプランジャを押し戻
し、可動部材、第1バルブプランジャを介して入力ロッ
ドに反力を印加する。 入力ロッドがパワーピストン外
(真空倍力装置の入力側)に移動すると、入力ロッドが
第1バルブプランジャを引っ張り、第1バルブプランジ
ャが移動すると、大気制御用シール弁がシール部に接触
して変圧室内が大気と分離され、大気制御用シールのシ
ール部への接触後、シール部が負圧制御用シール弁から
離脱して定圧室と変圧室とを連通し、変圧室内へ負圧が
導入される。よって、変圧室と定圧室間の圧力が消失す
るので、可動壁、パワーピストンが初期位置に移動す
る。
【0026】
【実施例】図面を参照して、本発明の実施例を以下に説
明する。なお、以下の実施例において特に理り書きがな
い限り、前方及び先端とは負圧式倍力装置の出力側の方
向を、後方とは後端は負圧式倍力装置の入力側の方向を
夫々指し、入出力軸とは負圧式倍力装置の入出力軸を意
味する。更に、中心軸は入出力軸に平行であり、径方向
とは負圧式倍力装置の入出力軸方向に直交する方向であ
る。
【0027】
【実施例1】図1は、本発明の一実施例に係る負圧式倍
力装置の入出力軸方向に沿った断面図である。図2は、
本発明の一実施例に係り図1の要部拡大図である。図3
は、本発明の一実施例に係り、急制動時の動作を説明す
るための負圧式倍力装置の入出力軸方向に沿った要部拡
大断面図である。
【0028】図1〜図3を参照して、本実施例の負圧式
倍力装置は車両のブレーキブースタに適用され、負圧式
倍力装置の入力側に大気に通じる突出部が形成され、出
力側に不図示のエンジンのインテークマニホルドに通じ
るインレット2aを有する略コーン状のハウジング2を
備え、ハウジング2の突出部端面には後述の入力ロッド
11と共に略入出力軸方向に進行可能な蛇ばら状の管体が
接続されている。ハウジング2内及び蛇ばら状の管体内
にはパワーピストン10が挿入され、入力側から出力側に
順に、入出力軸に直交する面に互いに対向して、いずれ
も略ダイヤフラム形状のリヤ可動壁5、固定壁3、及び
フロント可動壁4が納められている。
【0029】ハウジング2の後壁とリヤ可動壁5とはリ
ヤ変圧室9を画成し、リヤ可動壁5、固定壁3及びハウ
ジング2の側壁は、リヤ定圧室8を画成し、固定壁3と
フロント可動壁4とはフロント変圧室7を画成し、フロ
ント可動壁4とハウジング2の側壁及び前壁とはフロン
ト定圧室6を画成する。
【0030】リヤ可動壁5の外周部は、リヤ変圧室9及
びリヤ定圧室8の気密を保持するようにハウジング2に
より支持され、リヤ変圧室9への大気の流入とリヤ定圧
室8の負圧により、リヤ可動壁5は略入出力軸に沿って
出力側に移動される。この移動によって、パワーピスト
ン10は略入出力軸に沿って移動(ストローク)される。
【0031】固定壁3の外周部は、リヤ定圧室8及びフ
ロント変圧室7の気密を保持するように、ハウジング2
に固定される。
【0032】フロント可動壁4の外周部は、フロント変
圧室7及びフロント定圧室6の気密を保持するようにハ
ウジング2により支持され、フロント変圧室7への大気
の流入とリヤ定圧室8の負圧により、フロント可動壁4
は略入出力軸に沿って出力側に移動される。この移動に
よって、パワーピストン10は略入出力軸に沿って移動
(ストローク)される。
【0033】リヤ変圧室9とフロント変圧室7とから構
成される変圧室の組は、互いに常時導通すると共に、後
述のコントロールバルブ20の環状のシール部20aと負圧
制御用シール弁10aとの接触及び離脱により隙間29を介
して、選択的に大気と連通し又大気から遮断される。リ
ヤ定圧室8とフロント定圧室6とから構成される定圧室
の組は互いに常時連通している。変圧室9、7と定圧室
8、6とは、後述のコントロールバルブ20の環状のシー
ル部20aと負圧制御用シール弁10aとの接触及び離脱に
より隙間27を介して、選択的に連通又は不通とされる。
【0034】リヤ定圧室8及びフロント定圧室6は、イ
ンレット2aを介して負圧源である不図示のエンジンの
インテークマニホルドと連通し、常に負圧を示してい
る。
【0035】ハウジング2内には、ハウジング2の突出
部端部から入出力軸に沿って延在し、出力側が径大で、
略筒状のパワーピストン10が配置されている。略筒状の
パワーピストン10内には、パワーピストン10の外端開口
からパワーピストン10外に延出する入力ロッド11が挿入
されると共に、後述のバルブプランジャ12等が配設され
ている。入力ロッド11の後端部はハウジング2外に突出
して不図示の制動ペダルに接続している。
【0036】リヤ可動壁5、及びフロント可動壁4の内
周端部は、各変圧室9、7及び各定圧室8、6の気密を
保持するように、パワーピストン10の外周部において、
負圧式倍力装置1の入力側から出力側へ向かって順に支
持されている。
【0037】更に、固定壁の内周端部は、リヤ定圧室8
及びフロント変圧室7の気密を保持するようにパワーピ
ストン10の外周部に当接している。
【0038】パワーピストン10は、固定壁3の内周端部
に当接・摺動しながら、負圧式倍力装置1の入出力軸方
向にストロークする。
【0039】ハウジング2の突出部に接続する蛇ばら状
の管体の入力側端部には、環状のフィルタ、あるいはサ
イレンサ等が、入力ロッド11と略同軸に嵌装されてい
る。
【0040】中心軸に沿って、フィルタの出力側端面先
方には、入力ロッド11外周部に係合している略環状の第
1リテーナ23が、入力ロッド11と同軸に配置されてい
る。
【0041】中心軸に沿って、第1リテーナ23の出力側
端面先方には、パワーピストンの内周部に係合している
第2リテーナ25が入力ロッド11と同軸に配置されてい
る。
【0042】第2リテーナ25はパワーピストン10の内周
部に密着して気密を保持している。
【0043】第1、第2リテーナ23、25の間には、略コ
イル状のバルブスプリング24が、入力ロッド11と同軸に
圧縮介装され、バルブスプリング24は入力ロッド11を入
力側に常時付勢している。
【0044】中心軸に沿って、第2リテーナ25の出力側
先方には、コントロールバルブ20が、入力ロッド11と同
軸に配設されている。コントロールバルブ20の入力側端
部において、コントロールバルブ20の外周部はパワーピ
ストン10の内周部に係合すると共に、内周部は第2リテ
ーナ25に係合している。コントロールバルブ20は、出力
側端部において、入力ロッド11と同軸の環状のシール部
20aを備えている。
【0045】コントロールバルブ20の入力側端部と出力
側端部との間には、略コイル状のポペットスプリング21
が、入力ロッド11及びコントロールバルブ20と同軸に圧
縮介装されている。コントロールバルブ20の中間部は円
筒伸縮部であり、ポペットスプリング21は、コントロー
ルバルブ20の環状のシール部20aを出力側に付勢してい
る。
【0046】中心軸に沿って入力ロッド11の先方には、
入出力軸に対称な第1バルブプランジャ12が配設され、
略球形の入力ロッド11の先端は、第1バルブプランジャ
12の後端の凹部と連結している。
【0047】コントロールバルブ20の出力側端部に備え
られた環状のシール部20aの内周部は第1バルブプラン
ジャ12後端の大気制御用シール弁12aと接触又は離脱さ
れることにより、隙間29を介して、変圧室9、7と大気
とは連通又は不通にされる。
【0048】また、環状のシール部20a外周部は、パワ
ーピストン10の内周部に入力側に向けて形成された負圧
制御用シール弁10aと接触又は離間されることにより、
隙間27を介して、定圧室8、6と変圧室9、6とは連通
又は不通にされる。
【0049】第1バルブプランジャ12の先端部には、第
1バルブプランジャ12の出力ロッド側には、2つの可動
部材31が設けられている。
【0050】可動部材31は入力側に径方向外方に突出す
るテーパ状段部と、段部の出力側内周部から出力側に延
長されている先端部とからなり、このテーパ状段部の出
力側に形成されたテーパ面31cは入力側へ向けて傾斜し
ている(図3参照)。
【0051】可動部材31の内部には、入力側に底面を有
し可動部材31の内周面に当接するように、断面が略
「コ」の字状の付勢部材30が可動部材31の実質的軸長に
亘り(図示例では過半ないし3分の2程度)介装されて
いる。付勢部材30は可動部材31を径方向外方に付勢する
ことにより、その直径は拡開状態に保持すると共に、可
動部材31をその基部において第1バルブプランジャ12の
凹部内周面側に押し付けている。付勢部材30の底部は第
1バルブプランジャの凹部中心においてピン留めされ固
定され、可動部材31に当接する部位は嵌合固定されてい
ることにより、付勢部材30及び可動部材31は第1バルブ
プランジャ12と一体に入出力軸方向に移動する。
【0052】なお、この半径方向に付勢力を作用する付
勢部材30の形状は、図示の形状に限定されず、コイル状
のないしリング状のバネ材としてもよく、或いは可動部
材31に埋め込み形成したものであってもよい。
【0053】付勢部材30の付勢力及び可動部材31の剛性
を適宜設定することにより、可動部材31が径内方にたわ
み、後述の第2バルブプランジャ13の凹部に嵌合する条
件が定められる。
【0054】中心軸に沿って可動部材31の先方には、出
力側に径方向外方に突出する段部と、入力側に開口する
凹部とが形成された略円板状の第2バルブプランジャ13
が配設されている。第2バルブプランジャ13の出力側端
面は略平面である。
【0055】可動部材31の先端面は、第2バルブプラン
ジャ13の凹部開口外周端面に当接可能であると共に、可
動部材31の先端部は、第2バルブプランジャ13の凹部に
半径内方向に縮小して侵入・嵌合可能である(図3参
照)。
【0056】パワーピストン10は、可動部材31のテーパ
面31c(図3参照)に対向し、テーパ面31cと第2バル
ブプランジャ13の段部との間に、径内方向(可動部材31
側)に突出するテーパ状段部(図3参照)を備えてい
る。テーパ状段部のテーパ面10cは、可動部材31のテー
パ面31cと略平行に入力側に傾きを有している。テーパ
面31cとテーパ面10cとは当接又は離間可能であり、圧
接(当接)時には、テーパ面10cの作用を受けて、可動
部材31は径内方向に撓む(圧縮される)。
【0057】一方、パワーピストン10に形成されたテー
パ状段部の出力側の面と、第2バルブプランジャ13の段
部との間には、略コイル状のスプリング32が圧縮介装さ
れ、第2バルブプランジャ13を出力側に付勢している。
【0058】中心軸に沿って第2バルブプランジャ13の
先方には、リアクションディスク14が配置されている。
リアクションディスク14の入力側端面の外周領域には、
パワーピストン10の先端部分が当接し、中心領域には第
2バルブプランジャ13の出力側端面が当接可能である。
【0059】リアクションディスク14は、パワーピスト
ン10から出力側に向けられた作用を受けると共に、入力
ロッド11から第2バルブプランジャ13等を介して出力側
に向けられた作用を受ける。そして、逆に第2バルブプ
ランジャ13等を介して入力ロッド11を入力側に付勢する
(反力を及ぼす)。
【0060】中心軸に沿ってリアクションディスク14の
出力側には、略漏斗形状の出力ロッド15が配設されてい
る。出力ロッド15の入力側には略環状の凹部が設けら
れ、この凹部内にリアクションディスク14が収容され、
凹部の底面はリアクションディスク14の出力側の端面と
当接している。リアクションディスク14は、それ自体公
知の形状をとることができ、所定の可撓性を有する材質
から成る。
【0061】ハウジング2内の出力側には、出力ロッド
15と同軸に、かつパワーピストン10の径方向の中心部先
端面とハウジング2の出力側端部(やや中央部)との間
に、リテーナを介してリターンスプリング28が圧縮介装
されている。リターンスプリング28は、リテーナを介
してパワーピストン10を入力側に付勢している。
【0062】図1〜図3に示す負圧式倍力装置の動作を
説明する。
【0063】入力ロッド11の移動速度が速い操作(「例
えば、急ブレーキ」)による負圧式倍力装置の作動は、
入力ロッド11が出力側に移動することにより、入力ロッ
ド11が第1バルブプランジャ12を押し付け、第1バルブ
プランジャ12が可動部材31を押し付け、可動部材31のテ
ーパ面31cとパワーピストン10のテーパ面10cとが当接
し、さらなる入力ロッド11と第1バルブプランジャ12と
可動部材31の移動により、可動部材31のテーパ面31cが
パワーピストン10のテーパ面10cを滑り、可動部材31は
径内方に圧縮されて、第2バルブプランジャ13の凹部内
に可動部材31の先端部が侵入する。
【0064】第1バルブプランジャ12が移動すると、コ
ントロールバルブ20のシール部20aがパワーピストン10
の負圧制御用シール弁10aに接触して定圧室8、6と変
圧室9、7との連通を遮断し、環状のシール部20aの負
圧制御用シール弁10aへの接触後、第1バルブプランジ
ャ12の大気制御用シール弁12aが環状のシール部20aか
ら離脱して変圧室9、7内に大気が流入し圧力が上昇
し、変圧室9、7内の圧力と定圧室8、6との圧力差に
より、可動壁5、4に出力側への推進力が加わり、パワ
ーピストン10を出力側に移動させる作動力が生じる。
【0065】リアクションディスク14はパワーピストン
10の出力側への移動による押圧力により弾性変形して、
第2バルブプランジャ13側に張り出し第2バルブプラン
ジャ13を入力側に押し付けるが、第2バルブプランジャ
13は可動部材31の先端部をさらに凹部に侵入させながら
入力ロッド側11に移動するため入力ロッド11に反力は印
加されない、または、印加される反力は小さい。
【0066】図4は、負圧式倍力装置の性能線図であ
り、実線は制動ペダルが速い速度で踏み込まれた(「例
えば、急ブレーキ」)際の性能線、点線は制動ペダルが
通常の速度で踏み込まれた際の性能線を示す。「入力」
及び「出力」は負圧式倍力装置の入出力である。
【0067】可動部材31の先端部が第2バルブプランジ
ャ13の凹部内に侵入するまでは、実線は点線と重なって
いる。可動部材31の先端部が第2バルブプランジャ13の
凹部内に侵入すると、入力量が上昇しなくても、出力は
急上昇し、性能線(実線)の傾きは「点線」の傾きより
も十分大きくなる。そして、死点bに達すると、再び実
線と点線の傾きは一致する。死点bへの到達は、パワー
ピストン10による倍力が飽和したときである。
【0068】次に、復行程において、運転者が制動ペダ
ルへの踏み力が減少又は無くなる際、入力ロッド11が入
力側に戻ると共に、、入力ロッド11が第1バルブプラン
ジャ12を引っ張り、第1バルブプランジャ12の出力側へ
の移動により、大気制御用シール弁12aが環状のシール
部20aに接触して変圧室9、7内が大気と分離され、大
気制御用シール12aのシール部20aへの接触後、シール
部20aが負圧制御用シール弁10aから離脱して定圧室
8、6と変圧室9、7とを連通し、変圧室9、7内へ負
圧が導入される。よって、変圧室9、7と定圧室8、6
間の圧力差が消失するので、可動壁5、4、パワーピス
トン10が初期位置に移動する。
【0069】第1バルブプランジャ12が出力側に移動す
ると、第2バルブプランジャ13の段部とパワーピストン
10内周に設けられたテーパ状段部との間に介装されたス
プリング32による付勢力と可動部材31の元の状態への復
帰に伴って、第2バルブプランジャ13の凹部内から可動
部材31の先端部が離間して可動部材31が付勢部材30によ
り径外方に付勢されて元の状態に復帰し、可動部材31の
元の状態への復帰に伴い第2バルブプランジャ13はスプ
リング32によりリアクションディスク14側にすばやく押
し付けられる。
【0070】従って、入力ロッド10の移動速度が速いよ
うな(例えば、急ブレーキ時の)操作において、リアク
ションディスク14に押し付けられている第2バルブプラ
ンジャ13は凹部に可動部材31の先端部を収納しながら入
力ロッド11側へ移動することにより、入力ロッド11に反
力が伝達されなくなり、または、伝達されても反力は小
さく、入力ロッド11の入力(操作量)が小さくても入力
ロッド11を入力側に向かって移動させることができない
ため、負圧式倍力装置の倍力作動は中断されず、負圧式
倍力装置の倍力作動による最高出力が供給できる。即ち
倍力係数は高められている。
【0071】通常の操作(運転者による不図示の制動ペ
ダルの踏み込み速度が通常の速度である場合)による負
圧式倍力装置の作動は、入力ロッド11がパワーピストン
10内を出力側に移動すると、入力ロッド11が第1バルブ
プランジャ12を出力側に押し付け、第1バルブプランジ
ャ12が可動部材31を押し付ける。この際、可動部材31の
テーパ面31cとパワーピストン10の内周に設けられたテ
ーパ面10cとが当接せずに可動部材31は出力側に移動す
る。
【0072】このため、可動部材31の先端部は第2バル
ブプランジャ13の凹部外周端部に当接した状態を維持
し、第2バルブプランジャ13を出力側(リアクションデ
ィスク14側)に押し付ける。このように、入力側から出
力側に順に、入力ロッド11、第1バルブプランジャ12と
可動部材31及び第2バルブプランジャ13とが略一体的に
移動する。
【0073】よって、第1バルブプランジャ12が移動す
ると、コントロールバルブ20の環状のシール部20aがパ
ワーピストン10の負圧制御用シール弁10aに接触して定
圧室8、6と変圧室9、7との連通を遮断する。
【0074】シール部20aと負圧制御用シール弁10aと
の接触後、第1バルブプランジャ12の大気制御用シール
弁12aが環状のシール部20aから離脱して変圧室9、7
内に大気が流入し圧力が上昇する。変圧室9、7内の圧
力と定圧室8、6との圧力差により、可動壁5、4に出
力側への推進力が加わり、パワーピストン10を出力側に
移動させる作動力が生じる。
【0075】リアクションディスク14はパワーピストン
10の出力側への移動による押圧力により弾性変形して、
中央部(内周部)を第2バルブプランジャ13側に張り出
し第2バルブプランジャ13を入力側に押す。
【0076】リアクションディスク14は中央部の入力側
への張り出しによって、第2バルブプランジャ13を入力
側に押し戻し、さらに可動部材31、第1バルブプランジ
ャ12を介して入力ロッド11に反力を印加する。
【0077】図4は、負圧式倍力装置の性能線図であ
り、点線は制動ペダルが通常の速度で踏み込まれた際の
性能線、実線は制動ペダルが速い速度で踏み込まれた
(「パニックブレーキ」)際の性能線を示す。「入力」
及び「出力」は負圧式倍力装置の入出力である。
【0078】図4の点線を参照して、制動ペダルが通常
の速度で踏み込まれた場合(通常ブレーキ)、出力が
「0」以上から「死点a」に達するまで、「出力/入
力」比(倍力係数)は一定である。また、常に反力を受
けているために、「出力/入力」比は低い。死点に到達
すると負圧式倍力は臨界に達しているため、出力を上昇
させる力は運転者の踏み力のみとなることにより、「出
力/入力」比は低下する。なお、制動ペダルが速い速度
で踏み込まれた際の可動部材31の先端部の第2バルブプ
ランジャ13の凹部内への侵入が起こるまでは、点線と実
線は重なり、「死点a」以降も再び実線と重なる。
【0079】次に、復行程において、運転者が制動ペダ
ルへの踏み力が減少又は無くなる際、入力ロッド11が入
力側に戻ると共に、、入力ロッド11が第1バルブプラン
ジャ12を引っ張り、第1バルブプランジャ12の出力側へ
の移動により、大気制御用シール弁12aが環状のシール
部20aに接触して変圧室9、7内が大気と分離され、大
気制御用シール12aのシール部20aへの接触後、シール
部20aが負圧制御用シール弁10aから離脱して定圧室
8、6と変圧室9、7とを連通し、変圧室9、7内へ負
圧が導入される。よって、変圧室9、7と定圧室8、6
間の圧力差が消失するので、可動壁5、4、パワーピス
トン10が初期位置に移動する。
【0080】第1バルブプランジャ12が出力側に移動す
ると、スプリング32の略入出力軸方向に沿った付勢力と
付勢部材31の径外方への付勢力によって可動部材31の先
端部は第2バルブプランジャ13の凹部外周端部に当接し
た状態を保ちながら、可動部材31は入力側に戻る。ま
た、スプリング32により第2バルブプランジャ13はリア
クションディスク14側にすばやく押し付けられる。
【0081】以上、本発明を上記実施例に即して説明し
たが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでなく、
本発明の原理に準ずる各種態様を含むものである。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構造、かつ少ない部品数で負圧式倍力装置の倍力
係数の切り替えが実現される共に、負圧式倍力装置の操
作量の変化を検出する手段、電磁気力を利用する装置が
必須とされない。また、本発明の負圧式倍力装置は、入
力ロッドの移動速度が速いような(例えば、急ブレーキ
時の)操作において、負圧式倍力装置の倍力作動は中断
されず、負圧式倍力装置の倍力作動による略最高出力が
供給できる。即ち倍力係数は高められている。
【0083】請求項2の発明によれば、入力ロッドの移
動速度に応じて当接又は離間状態を維持するテーパ面を
夫々備えた段部を設けることにより、テーパ面の当接作
用により可動部材は凹部に侵入し易くなり、非常に簡単
な構成で好ましい本発明の負圧式倍力装置が実現され
る。
【0084】請求項3の発明によれば、付勢部材の所定
の配設により、復行程において、第2バルブプランジャ
はリアクションディスク側にすばやく押し付けられ、復
帰動作が早まる。
【0085】請求項4の発明によれば、第1バルブプラ
ンジャと可動部材とが一体成型されたことにより、強度
が高くされている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る負圧式倍力装置の入出
力軸方向に沿った断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係り、図1の要部拡大図で
ある。
【図3】本発明の一実施例に係り、急制動時の動作を説
明するための負圧式倍力装置の入出力軸方向に沿った要
部拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る負圧式倍力装置の性能
線図であり、負圧式倍力装置の性能線図であり、実線は
制動ペダルが速い速度で踏み込まれた(「例えば、急ブ
レーキ」)際の性能線、点線は制動ペダルが通常の速度
で踏み込まれた際の性能線を示す。「入力」及び「出
力」は負圧式倍力装置の入出力である。
【図5】従来の真空倍力装置(負圧式倍力装置)の入出
力軸方向に沿った部分断面図であり、倍力係数切換装置
を拡大して示す。
【符号の説明】
2 ハウジング 3 固定壁 4 フロント可動壁 5 リヤ可動壁 6 フロント定圧室 7 フロント変圧室 8 リヤ定圧室 9 リヤ変圧室 10 パワーピストン 10a 負圧制御用シール弁 10c テーパ面 11 入力ロッド 12 第1バルブプランジャ 12a 大気制御用シール弁 13 第2バルブプランジャ 14 リアクションディスク 15 出力ロッド 20 コントロールバルブ 20a シール部(環状のシール部) 21 ポペットスプリング 23 第1リテーナ 24 バルブリターンスプリング 25 コントロールバルブ 27 隙間 28 リターンスプリング(パワーピストンリターンスプ
リング) 29 隙間 30 付勢部材 31 可動部材 31c テーパ面 32 スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内を定圧室と変圧室とに区画す
    る可動壁と、この可動壁の中心部に連結されて前記ハウ
    ジング外へ延出するパワーピストンと、前記パワーピス
    トン内に同心的且つ軸方向へ摺動可能に嵌合されたバル
    ブプランジャと、前記バルブプランジャに連結され前記
    パワーピストンの外端開口から前記パワーピストン外へ
    延出する入力ロッドと、前記バルブプランジャの外端に
    一体的に形成された環状の大気制御用シール弁と、前記
    パワーピストンの内面に前記外端開口に向けて突出形成
    された環状の負圧制御用シール弁と、前記大気制御用シ
    ール弁及び前記負圧制御用シール弁に向けて付勢手段に
    より付勢されて前記大気制御用シール弁と前記負圧制御
    用シール弁に対して接触及び離脱する環状のシール部を
    一端部に有して他端部にて前記パワーピストンの内面に
    気密的に固定され且つ中間部に円筒伸縮部を有するコン
    トロールバルブと、前記定圧室と前記変圧室との圧力差
    により前記可動壁に発生する推進力に応じた反力を前記
    バルブプランジャに印加するリアクションディスクと、
    前記リアクションディスクを介して前記可動壁の移動に
    伴う前記パワーピストンの推進力を前記ハウジング外に
    取り出す出力ロッドとを備え、前記変圧室が前記大気制
    御用シール弁と前記コントロールバルブとの間の隙間を
    通して大気に連通し、また前記負圧制御用シール弁と前
    記コントロールバルブとの間の隙間を通して前記定圧室
    に連通するように構成した負圧式倍力装置であって、 前記バルブプランジャが、前記入力ロッド側に凹部を備
    える第2バルブプランジャと、前記入力ロッドの移動速
    度に応じて選択的に前記第2バルブプランジャの凹部外
    周端部に当接する、又は、径内方に圧縮されて前記凹部
    内に侵入する可動部材と、前記可動部材の後端に当接し
    て設けられ、前記入力ロッドが連結され、外端に一体的
    に形成された環状の大気制御用シール弁を有する第1バ
    ルブプランジャと、前記可動部材を径外方に付勢する付
    勢部材とから成ることを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】前記可動部材は前記入力ロッド側の外周に
    前記バルブプランジャの軸方向で前記第2バルブプラン
    ジャ側に向かって縮小形成されたテーパ状段部を備え、
    前記パワーピストンは内周に前記テーパ状段部に対向し
    前記バルブプランジャの軸方向で前記入力ロッド側に向
    かって拡大形成されたテーパ状段部を備え、前記可動部
    材外周のテーパ状段部と前記パワーピストン内周のテー
    パ状段部との間には所定量の隙間が設けられていること
    を特徴とする請求項1の負圧式倍力装置。
  3. 【請求項3】前記第2バルブプランジャは外周に段部を
    有し、前記段部と前記パワーピストン内周に設けられた
    テーパ状段部との間に前記第2バルブプランジャを付勢
    する付勢部材が介装されることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の負圧式倍力装置。
  4. 【請求項4】前記可動部材と前記第1バルブブランジャ
    とが一体成型されていることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一に記載の負圧式倍力装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001032488A1 (fr) * 1999-10-29 2001-05-10 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Accelerateur a depression
JP2002337681A (ja) * 2001-03-15 2002-11-27 Bosch Automotive Systems Corp ブレーキ倍力装置
KR20120001201A (ko) * 2010-06-29 2012-01-04 현대자동차주식회사 제동력 보조 장치를 구비한 차량용 브레이크 부스터

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