JPH08321404A - BaTiO3基サーミスター及びその製造方法 - Google Patents

BaTiO3基サーミスター及びその製造方法

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JPH08321404A
JPH08321404A JP7126066A JP12606695A JPH08321404A JP H08321404 A JPH08321404 A JP H08321404A JP 7126066 A JP7126066 A JP 7126066A JP 12606695 A JP12606695 A JP 12606695A JP H08321404 A JPH08321404 A JP H08321404A
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JP
Japan
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powder
batio
thermistor
oxygen
batio3
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JP7126066A
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English (en)
Inventor
Koji Hayashi
宏爾 林
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PTC特性を損なうことなく、耐熱衝撃性に
優れ、安価で信頼性の高いBaTiO3基サーミスタを
提供する。 【構成】 Ti及び/又はTiの低級酸化物を含み、気
孔率20〜60%の多孔質であって、キューリー点以上
の温度で電気抵抗が急激に増大するBaTiO3基サー
ミスタ。このBaTiO3基サーミスタは、BaTiO3
基半導体粉末に、酸素を0.5重量%以上含むTi粉末
を3重量%以上添加し、焼結することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱衝撃に強く信頼性の
高いBaTiO3基サーミスター、及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】BaTiO3にLaなどの3価の元素又
はSbなどの5価の元素の酸化物を0.1〜0.3モル%
程度添加したセラミックスは、室温での電気抵抗率が1
1〜103Ωcmであるが、正方晶から立方晶に転移す
るキューリー点以上で電気抵抗率が107〜108Ωcm
へ急激に増加する。
【0003】このようなPTC特性を示すBaTiO3
基サーミスターは、PTCRサーミスターーと呼ばれ、
その特性を利用して無接点スイッチや限流素子などに広
く用いられている。
【0004】かかる従来のBaTiO3基サーミスター
は、BaTiO3基半導体粉末を焼結して製造される
が、緻密体でしか得られず且つ機械的強度が低いため、
自己発熱による熱衝撃などにより破壊しやすいという欠
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】BaTiO3基サーミ
スターの熱衝撃などによる破壊を防止するため、金属相
を複合化すること試みられ、例えば日本金属学会誌、第
56巻、第3号(1992)303〜307頁には、P
tを複合添加することが提案されている。
【0006】しかしながら、Ptは極めて高価な金属で
あるため、このPtを複合化させたBaTiO3基サー
ミスターはコストが非常に高くなり、実用化されるに至
っていない。
【0007】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、PT
C特性を損なうことなく、充分な機械的強度を有すると
共に、熱衝撃に対して強く、且つ安価で信頼性の高いB
aTiO3基サーミスターを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するBaTiO3基サーミスターは、
Ti及び/又はTiの低級酸化物を含み、多孔質であっ
て、キューリー点以上の温度で電気抵抗が急激に増大す
ることを特徴とする。
【0009】このBaTiO3基サーミスターは、多孔
質であって、20〜60%の気孔率をもち、耐熱衝撃性
に優れているという特徴を備えている。
【0010】又、本発明のBaTiO3基サーミスター
の製造方法は、BaTiO3基半導体粉末に、酸素を0.
5重量%以上含むTi粉末を3重量%以上添加し、真空
中又は不活性ガス雰囲気中で焼結することを特徴とす
る。
【0011】
【作用】本発明においては、半導体セラミックとしては
公知のBaTiO3基セラミックスを利用するが、従来
と異なりTi及び/又はTiの低級酸化物を粒界相とし
て含んでいる。このBaTiO3基セラミックスには、
従来同様LaやSr等の公知の添加物を加えることによ
り、電気抵抗の制御及びキューリー点の制御を行うこと
ができる。
【0012】本発明に特有なTi及び/又はTiの低級
酸化物は、BaTiO3焼結体中に分散することによっ
てBaTiO3を多孔質化し、サーミスターの耐熱衝撃
性の向上強化を行うと共に、BaTiO3粒界に酸素を
供給することによりPTC特性を発現させるものと考え
られる。
【0013】従って、製造に際して粉末としてBaTi
3基半導体粉末に添加される状態ではTiは酸素を含
有しており、焼結過程あるいは加熱によって酸素を放出
し、Ti及び/又はTiの低級酸化物となる。Tiの低
級酸化物はTin2n-1で表されるが、酸素放出後の低
級酸化物の化学組成は当初の含有酸素量と、酸素放出量
によって定まる。
【0014】酸素放出後のTiの酸素含有量が少ないほ
ど、電気抵抗の変化は小さくなり、PTC特性としては
劣るものとなる。従って、サーミスターに要求される特
性に応じて、最終的にTiとするか又はその低級酸化物
とするかを定め、低級酸化物の場合はその酸素含有量を
選択する必要がある。
【0015】尚、本発明において、BaTiO3基サー
ミスターの気孔率が20〜60%の範囲で耐熱衝撃性に
優れている理由は、気孔率が60%を越えるとBaTi
3結晶同士の結合が少なくなって焼結体の強度そのも
のが低下し、20%未満では弾性率が高くなるため熱衝
撃に弱くなるものと考えられる。これは、一般にセラミ
ックスの耐熱衝撃性が材料の強度、熱伝導率に比例し、
弾性率、熱膨張率に反比例することが知られていること
から理解され、特に弾性率が高くなることによる影響が
大きいものと考えられる。
【0016】本発明のBaTiO3基サーミスターの製
造方法は、公知のサーミスターの製造方法に準じるが、
酸素を含有するTi粉末を積極的に添加する。即ち、通
常用いられる添加剤を添加したBaTiO3基半導体粉
末に、更に酸素を0.5重量%以上含有するTi粉末を
所定量添加し、公知の手法により混合し成型した後、焼
結する方法により製造する。
【0017】焼結雰囲気は真空中が好ましいが、酸素を
含むTi粉末が還元され、酸素をBaTiO3粒界に供
給できればよく、従ってAr中などの不活性ガス雰囲気
などを用いることもできる。
【0018】添加するTi粉末の含有酸素量が0.5重
量%未満では、PTC特性が発現せず、多孔質の焼結体
が得られない。Ti粉末中の酸素量の制御を行うため、
アトマイズ粉末などの高純度Ti粉末を酸素含有雰囲気
で加熱して表面を酸化させ、所定量の酸素を含有させる
ことが可能である。尚、酸素を含むTi粉末は、TiO
2粉末と、アトマイズ粉末を含む通常の酸素を含まない
Ti粉末とを混合した混合粉末であっても良い。
【0019】この酸素を含むTi粉末の添加量は、Ba
TiO3粉末を含む原料混合粉末の3重量%以上とす
る。Ti粉末の添加量が3重量%未満では、多孔質化が
不十分であり、また真空焼結では酸素供給量が不足し
て、PTC特性が発現しないためである。
【0020】
【実施例】実施例1 BaTiO3基半導体粉末として、Sb23を0.3mo
l%及びSrOを20mol%含む市販のBaTiO3
粉末を用いた。Ti粉末としては、平均粒径が18μm
のアトマイズTi粉末(酸素含有量0.13重量%)
を、酸素中において580℃で1時間加熱することによ
り酸化させた粉末(酸素含有量5重量%)を作製した。
【0021】上記BaTiO3粉末に、上記のごとく酸
素量を調整したTi粉末を添加しないか、又は添加量を
変えて添加して各混合粉末を作成した。各混合粉末は金
型成形し、真空中で1350℃にて1時間焼結した。得
られた各焼結体の温度による電気抵抗変化を測定し、結
果を図1に示した。又、得られた各焼結体の気孔率と耐
熱衝撃性を焼結条件と共に下記表1に示した。尚、耐熱
衝撃性は、3×4×10mmの試験片を300℃に加熱
し、室温に取り出した際の亀裂の発生の有無により評価
した。
【0022】
【表1】 Ti粉末量 焼 結 条 件 気孔率 耐熱衝撃性試料 (重量%) 雰囲気 温度(℃) (%) PTC特性 亀裂発生 1* 0 真空 1350 0 無し 有り 2* 0.8 真空 1350 5 無し 有り 3* 2.3 真空 1350 10 無し 有り 4 3.0 真空 1350 25 有り 無し 5 5.3 真空 1350 40 有り 無し 6* 5.3 大気中 1350 膨れのため測定不可能 7 6.1 真空 1350 45 有り 無し (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0023】表1及び図1の結果から、本発明方法によ
り製造したBaTiO3基焼結体は高い気孔率を持ち、
優れたPTC特性を有するBaTiO3基サーミスター
であることが分かる。
【0024】実施例2 BaTiO3基半導体粉末として、実施例1と同じSb2
3を0.3mol%及びSrOを20mol%含む市販
のBaTiO3粉末を用いた。Ti粉末としては、平均
粒径が18μmで酸素含有量0.13重量%のアトマイ
ズTi粉に、TiO2粉末を添加した混合Ti粉末を用
い、その各混合Ti粉末の酸素含有量が表2に示す値に
なるようにTiO2粉末の添加量を変化させた。
【0025】上記のBaTiO3粉末と混合Ti粉末の
各混合粉末を用い、実施例1の試料5と同様に、真空中
において1350℃で1時間焼結し、それぞれ焼結体を
製造した。得られた各焼結体について、使用した混合T
i粉末の酸素量と共に、気孔率並びに電気的特性を下記
表2に示した。
【0026】
【表2】 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0027】この結果から、得られるBaTiO3基焼
結体は、添加するTi粉末の酸素量が0.5重量%以上
の場合に、多孔質となり、耐熱衝撃性に優れると同時
に、PTC特性を示すPTCサーミスターとなることが
判る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、BaTiO3基セラミ
ックスにTi又はその低級酸化物を含ませることによ
り、キューリー点以上で電気抵抗が急激に増大するPT
C特性を示し、同時に多孔質であって、耐熱衝撃性が高
く、安価で信頼性の高いBaTiO3基サーミスターを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1での各BaTiO3基焼結体のPTC
特性に及ぼす酸素含有Ti粉末の添加量の影響を示すグ
ラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti及び/又はTiの低級酸化物を含
    み、多孔質であって、キューリー点以上の温度で電気抵
    抗が急激に増大することを特徴とするBaTiO3基サ
    ーミスター。
  2. 【請求項2】 気孔率が20〜60%であることを特徴
    とする、請求項1に記載のBaTiO3基サーミスタ
    ー。
  3. 【請求項3】 BaTiO3基半導体粉末に、酸素を0.
    5重量%以上含むTi粉末を3重量%以上添加し、真空
    中又は不活性ガス雰囲気中で焼結することを特徴とする
    BaTiO3基サーミスターの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記Ti粉末として、表面を酸化処理し
    たTi粉末を用いることを特徴とする、請求項3に記載
    のBaTiO3基サーミスターの製造方法。
JP7126066A 1995-05-25 1995-05-25 BaTiO3基サーミスター及びその製造方法 Pending JPH08321404A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100366180B1 (ko) * 1999-11-02 2002-12-31 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 반도체 세라믹 재료, 세라믹 재료의 제조 공정 및 서미스터
JP2008193042A (ja) * 2006-07-28 2008-08-21 Tdk Corp 積層型サーミスタ及びその製造方法
JP2009049360A (ja) * 2007-07-24 2009-03-05 Tdk Corp 積層電子部品およびその製造方法
JP2013102032A (ja) * 2011-11-08 2013-05-23 Honda Motor Co Ltd ガラス封止型サーミスタとその製造方法

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