JP4527347B2 - サーミスタ用焼結体 - Google Patents

サーミスタ用焼結体 Download PDF

Info

Publication number
JP4527347B2
JP4527347B2 JP2002032870A JP2002032870A JP4527347B2 JP 4527347 B2 JP4527347 B2 JP 4527347B2 JP 2002032870 A JP2002032870 A JP 2002032870A JP 2002032870 A JP2002032870 A JP 2002032870A JP 4527347 B2 JP4527347 B2 JP 4527347B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered body
thermistor
moles
temperature
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002032870A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003183075A (ja
Inventor
義人 溝口
健 光岡
和浩 浦島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2002032870A priority Critical patent/JP4527347B2/ja
Publication of JP2003183075A publication Critical patent/JP2003183075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4527347B2 publication Critical patent/JP4527347B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーミスタ用焼結体に関し、更に詳しくは、室温付近から1000℃付近までの広い温度域にわたって、適度な比抵抗値を有し、電気特性の安定性に優れたサーミスタ用焼結体に関する。本発明のサーミスタ用焼結体は、サーミスタ素子等の導電材料として用いられ、燃焼器具や自動車の排気ガス温度測定装置等に利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高温において使用することができる導電材料として、Al及びCrを主成分とするコランダム型化合物(特開平7−335409号公報)、MgAl系の組成を有するスピネル型化合物(特開昭49−63995号公報)、LaMnO系、或いはLaCrO系等の組成を有するペロブスカイト型化合物(特開平7−237967号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、コランダム型化合物では、抵抗−温度特性を制御するため他の元素を添加する必要があり、その添加量が多い場合は熱安定性が低下してしまうことがある。また、スピネル型化合物では、温度勾配定数(B定数)が大きいため、使用可能な温度域が狭い。更に、Laを含むペロブスカイト型化合物では、未反応のLaイオンが大気中の水分と反応してLa(OH)となり、焼結体とした場合に亀裂或いは崩壊を生ずるため使用環境が制限される。また、電気抵抗値が低く、温度センサとして応用した場合に応答性に劣る。
更に、融点の低い導電材料、及び焼成時の未反応生成物を含む導電材料等では、1000℃程度の使用環境下においても材料中の各元素の拡散が進行し、初期の導電特性から変動を生じることがあり、電気特性の安定性に問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するものであり、室温付近から1000℃付近までの広い温度域にわたって、適度な比抵抗値を有し、電気特性の安定性に優れたサーミスタ用焼結体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のサーミスタ用焼結体は、Laを除く3A族元素のうちの少なくとも1種の元素(M1)、2A族元素のうちの少なくとも1種の元素(M2)、6A、7A及び8族元素のうちの少なくとも1種の元素(M3)、並びにAlを含有し、且つ一般式[(M1M21±x(M3Al1±y3±δ](但し、aはM1のモル数、bはM2のモル数、cはM3のモル数、及びdはAlのモル数を表す。)で表した場合に、a、b、c及びdが下記の条件を満たし、
上記a、上記b、上記c及び上記dの合計が2であり、
上記M1、M2、M3の組み合わせが、
(1)M1としてのY、M2としてのSr、M3としてのCr及びMn、
(2)M1としてのSm、M2としてのCa、M3としてのCr及びMn、
(3)M1としてのGd、M2としてのCa、M3としてのFe及びMn、
(4)M1としてのGd、M2としてのMg、M3としてのCr及びFe、
のいずれかであり、
結晶構造がペロブスカイト型であることを特徴とする。
0.6≦a≦0.998
0.002≦b≦0.4
0.01≦c≦0.6
0.4≦d≦0.99
1≦d/c≦99
x=0.1
y=0.1
δ=0.15
【0006】
本発明では、上述のように上記a、上記b、上記c及び上記dの合計が2である。
【0007】
本発明では、上述のように結晶構造がペロブスカイト型である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明におけるサーミスタ用焼結体における上記M1は、Laを除く3A族元素のうちの1種、又は2種以上の組み合わせを示す。Laを除く3A族元素としては、Y、Sm、Gdである。
上記M2は、2A族元素のうちの1種、又は2種以上の組み合わせを示す。2A族元素としては、Mg、Ca、Srであり、より好ましくはSrである。
上記M3は、6A、7A及び8族元素のうちの1種、又は2種以上の組み合わせを示す。6A、7A及び8族元素としては、Cr、Fe、Mnであり、最も好ましくはCr、Mnである。
【0009】
本発明のサーミスタ用焼結体において、上記M1、M2及びM3の組み合わせは、
(1)M1としてのY、M2としてのSr、M3としてのCr及びMn、
(2)M1としてのSm、M2としてのCa、M3としてのCr及びMn、
(3)M1としてのGd、M2としてのCa、M3としてのFe及びMn、
(4)M1としてのGd、M2としてのMg、M3としてのCr及びFe、
のいずれかである。
【0011】
また、本発明のサーミスタ用焼結体は、一般式[(M1M21±x(M3Al1±y3±δ]で表され、M1のモル数aは、0.6≦a≦0.998(好ましくは0.6≦a≦0.99、より好ましくは0.7≦a≦0.99)を満たす。
M2のモル数bは、0.002≦b≦0.4(好ましくは0.01≦b≦0.4、より好ましくは0.01≦b≦0.3)を満たす。
M3のモル数cは、0.01≦c≦0.6(好ましくは0.02≦c≦0.6、より好ましくは0.05≦c≦0.5)を満たす。
Alのモル数dは、0.4≦d≦0.99(好ましくは0.4≦d≦0.98、より好ましくは0.5≦d≦0.95)を満たす。
これらの範囲内であれば、室温付近から1000℃付近までの広い温度域にわたって、適度な比抵抗値を有し、電気特性の安定性に優れた焼結体とすることができる。a、b、c及びdのうちのいずれか一種でも、本発明の範囲外である場合、高温における安定性が悪く、電気特性が不安定であるため好ましくない。
更に、Alのモル数dをM3のモル数cで除した値(d/c)が、1≦d/c≦99(好ましくは1≦d/c≦49、より好ましくは1≦d/c≦20)を満たす。この範囲とすることで、Cr等の難焼結性物質をM3成分として用いた場合においても、易焼結性のAl成分が十分に存在するため、焼結し易く、十分に緻密化したサーミスタ用焼結体を得ることができる。
また、各モル数の合計(a+b+c+d)は2である。
【0012】
本発明のサーミスタ用焼結体はペロブスカイト型(ABO)の結晶構造を有するものであり、通常、Aサイトが(M1M2)、Bサイトが(M3Al)である(M1M2)(M3Al)Oで示される組成となる(但し、a、b、c及びdは上記条件を満たす。)。この場合、Aサイト及びBサイトそれぞれを占める元素同士のイオン半径が近接しており、元素同士でお互い容易に置換できるものであり、副生成物の生成が少なく、置換された組成が安定に存在する。そのため、広い範囲で連続的に組成比を変えて導電材料の抵抗値やその温度勾配定数(B)を調整することができる。
尚、焼結体を作製する際の焼成条件(酸化、還元等の焼成雰囲気、及び焼成温度など)や、Aサイト及びBサイトにおける元素同士の置換の量比により、酸素の過剰或いは欠損を生じることがある。従って、上記組成における酸素原子と(M1M2)とのモル比、及び酸素原子と(M3Al)とのモル比は、それぞれ正確に3:1となっていなくても、ペロブスガイト型の結晶構造が維持されていればよい。例えば、(M1M21±x(M3Al1±y3±δとした場合、xは0.1(好ましくは0.07程度、より好ましくは0.05程度)である。また、yは0.1(好ましくは0.07程度、より好ましくは0.05程度)である。更に、δは0.15(好ましくは0.07程度、より好ましくは0.03程度)である。また、1±x/1±yが0.8〜1.2(より好ましくは0.85〜1.15、更に好ましくは0.9〜1.1)であることが好ましい。
【0013】
これらのサーミスタ用焼結体の150〜900℃の温度域における比抵抗値は、0.001〜1000kΩ・cm(好ましくは0.001〜800kΩ・cm、より好ましくは0.002〜800kΩ・cm)とすることができる。尚、これは実際に使用可能な温度範囲が、150〜900℃に限定されることを意味するものではない。
また、後記実施例における耐久試験において算出される温度換算値の絶対値を150℃及び900℃で、15以内(好ましくは12以内、より好ましくは10以内)とすることができる。
【0014】
これらのサーミスタ用焼結体の製造において、原料粉末としては、前記M1、M2、M3及びAlの各々の元素を含む化合物の粉末が使用できる。この化合物としては酸化物、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等が挙げられ、特に酸化物、炭酸塩がよく用いられる。
【0015】
また、サーミスタ用焼結体の製造には、焼結助剤粉末を用いることができる。この場合、焼結体の製造時における焼結性を向上させ、強度の高いサーミスタ用焼結体を得ることができる。更に、焼結助剤を使用しない場合に比べて低温で焼成した場合においても、十分な強度を有するサーミスタ用焼結体を得ることができる。
尚、焼結体の製造時に、緻密化が十分に進行する場合は、焼結助剤粉末を用いずに製造することもできる。
【0016】
焼結助剤粉末としては、特に限定されないが、SiO、3Al・2SiO、CaSiO及びSrSiO等の粉末を使用することができる。なかでもSiO粉末を用いることが好ましい。このSiO粉末の平均粒径は、0.05〜0.3μm(より好ましくは0.1〜0.3μm)であることが好ましい。
焼結助剤粉末を用いた場合、粒界に液相を形成し、マトリックスを成して焼結性を向上させ、より低温で焼成することができ、且つ十分な強度を有し、電気特性の安定性に優れたサーミスタ用焼結体とすることができる。
焼結助剤粉末の添加量は、特に限定されないが、焼結助剤粉末としてSiOのみを用いる際は、原料粉末を100質量部とした場合、通常0.3〜3質量部、好ましくは0.5〜3質量部、更に好ましくは0.5〜2.5質量部である。この範囲とすることで、焼成温度を下げることができ、且つ十分な強度を有し、耐熱性に優れる焼結体を得ることができる。また、他の焼結助剤粉末と併用する場合には、焼結助剤粉末の全量の20質量%以上、特に25質量%以上をSiOとすることが好ましい。
【0017】
サーミスタ用焼結体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
原料粉末を湿式混合して乾燥することにより原料粉末混合物を調製し、次いで、この混合物を1100〜1450℃(好ましくは1200〜1400℃)で仮焼し、平均粒径0.5〜4μm(好ましくは0.7〜3μm)の仮焼粉末を得る。その後、必要に応じて、仮焼粉末に焼結助剤粉末を配合して湿式混合し、スラリーを調製する。次いで、得られたスラリーを乾燥し、整粒した後、プレス成形等を行い成形体を得る。その後、この成形体を、1450〜1650℃(好ましくは1450〜1600℃)で焼成することにより、サーミスタ用焼結体を製造することができる。
更に、焼成後、1000〜1200℃で100〜500時間のアニールによる安定化処理を行い、抵抗値をより一層安定化させることもできる。
【0018】
【実施例】
(1)サーミスタ用焼結体の製造
実験例1〜19
原料粉末として、Y、SrCO、Cr、MnO、Al(全て、純度99.9%の市販品を用いた。)を用いて、化学式YSrCrc1Mnc2Alにおけるa、b、c1、c2及びdが表1に示すモル数となるように、それぞれ秤量し、これらの原料粉末を湿式混合して乾燥することにより原料粉末混合物を調製した。次いで、この原料粉末混合物を大気雰囲気下、1300℃で5時間仮焼し、平均粒径1〜2μmの仮焼粉末を得た。その後、この仮焼粉末100質量部に対し、平均粒径0.2μmのSiO粉末を1質量部配合し、樹脂ポットと窒化珪素玉石とを用い、エタノールを分散媒として湿式混合した。次いで、得られたスラリーを80℃で2時間乾燥し、250メッシュの篩を通して造粒した後、30MPaの一軸成形方及び150MPaの冷間静水圧プレス(CIP)法により成形し、直径9mm、高さ10mmの円柱状の成形体を得た。その後、この成形体を、大気雰囲気下1550℃で2時間保持して焼成し、サーミスタ用焼結体を得た。
次いで、各焼結体を研磨し、直径6mm、高さ5mmの円柱状とし、その両端面に白金電極をスクリーン印刷法により形成した。更に、大気中1000℃、150時間のアニールを行い、抵抗値の安定化処理を施し、実験例1〜19のサーミスタ用焼結体とした。
【0019】
実験例20及び実験例21
焼結助剤粉末(SiO粉末)を配合しない他は、実験例1〜19と同様にして、化学式YSrCrc1Mnc2Alにおけるa、b、c1、c2及びdが表1に示すモル数となるように各サーミスタ用焼結体を製造した。
【0020】
【表1】
Figure 0004527347
【0021】
実験例22及び実験例23
原料粉末として、Yに代えてSm、SrCOに代えてCaCO(いずれも、純度99.9%の市販品)を用いて、化学式SmCaCrc1Mnc2Alにおけるa、b、c1、c2及びdが表2に示すモル数となるようにした以外は実験例20及び実験例21と同様にして各サーミスタ用焼結体を製造した。
【0022】
【表2】
Figure 0004527347
【0023】
実験例24及び実験例25
原料粉末として、Yに代えてGd、SrCOに代えてCaCO、Crに代えてFe(全て、純度99.9%の市販品)を用いて、化学式GdCaFec1Mnc2Alにおけるa、b、c1、c2及びdが表3に示すモル数となるようにした以外は実験例20及び実験例21と同様にして各サーミスタ用焼結体を製造した。
【0024】
【表3】
Figure 0004527347
【0025】
実験例26及び実験例27
原料粉末として、Yに代えてGd、SrCOに代えてMgO、MnOに代えてFe(全て、純度99.9%の市販品)を用いて、化学式GdMgCrc1Fec2Alにおけるa、b、c1、c2及びdが表4に示すモル数となるようにした以外は実験例20及び実験例21と同様にして各サーミスタ用焼結体を製造した。
【0026】
【表4】
Figure 0004527347
【0027】
実験例28
原料粉末として、更にGa(純度99.9%の市販品)を用いて、化学式YSrCrc1Mnc2Ald1Gad2におけるa、b、c1、c2、d1及びd2が表5に示すモル数となるようにした以外は実験例1〜19と同様にして各サーミスタ用焼結体を製造した。
【0028】
【表5】
Figure 0004527347
【0029】
(2)導電性の評価
(i)比抵抗値の測定及びB定数の算出
上記(1)で得られた実験例1〜28のサーミスタ用焼結体を用いて、大気雰囲気下で、直流四端子法により温度150、300、600及び900℃での抵抗値を測定し、この抵抗値より比抵抗値及びB定数を算出した。尚、これらの数値は各々の温度において焼結体を20分間保持した後の測定値であり、B定数は以下の式に従って算出した値である。この結果をそれぞれ表6(実験例1〜21)及び表7(実験例22〜28)に示す。
B定数:BT1−T2=ln(ρT1/ρT2)/[(1/T1)−(1/T2)]
[但し、T1、T2は別々の測定温度(K)を表し、ρT1、ρT2は各々の温度T1、T2における大気中での比抵抗値(kΩ・cm)である。]
【0030】
(ii)耐久性の評価
実験例1〜28のサーミスタ用焼結体を大気雰囲気下1000℃において150時間保持し、室温まで放冷した際の抵抗値を測定し、耐久前後における比抵抗値より次式に従い変化率(ΔR率)を算出して評価した。この結果をそれぞれ表6(実験例1〜21)及び表7(実験例22〜28)に併記する。
ΔR率(%)=(ρ’−ρ)/ρ×100
[但し、ρは耐久試験前の温度T、大気雰囲気における比抵抗値(kΩ・cm)であり、ρ’は耐久試験後の温度T、大気雰囲気における比抵抗値(kΩ・cm)である。]
更に、次式により比抵抗値の変化率の温度換算値を算出し、表6(実験例1〜21)及び表7(実験例22〜28)に併記した。
温度換算値:BT1−T2×T/[ln(ρ’/ρ)×T+BT1−T2]−T
[但し、T、T1、T2は測定温度(K)を表し、ρは耐久試験前の温度Tにおける大気雰囲気における比抵抗値(kΩ・cm)であり、ρ’は耐久試験後の温度Tにおける大気雰囲気における比抵抗値(kΩ・cm)である。BT1−T2は前記式により求められるB定数である。]
【0031】
【表6】
Figure 0004527347
【0032】
【表7】
Figure 0004527347
【0033】
表6及び表7によれば、本発明におけるAl成分を含まない実験例1では、900℃における比抵抗値が0.000942kΩ・cmと低く、比抵抗値の変化率の温度換算値により評価した耐久性においても、150℃では−27.9℃であり、更に900℃では−62.1℃であり、耐久性が悪く、電気特性が安定していなかった。また、本発明におけるM3成分を含まない実験例4では、変化率の温度換算値が150℃において−4.9℃であったが、900℃では−25.8℃であり、高温において耐久性が悪く、電気特性が安定していなかった。更に、本発明におけるAl成分を含まない実験例7では、変化率の温度換算値が150℃では−11.2℃であったが、900℃では−29.0℃であり、高温において耐久性が悪く、電気特性が安定していなかった。
また、本発明におけるM2成分を含まない実験例17では、変化率の温度換算値が150℃において−2.6℃であったが、900℃では−15.5℃であり、高温において耐久性が悪く、電気特性が安定していなかった。更に、M1のモル数aが0.5、M2のモル数bが0.5と本発明の範囲(0.6≦a≦0.998、0.002≦b≦0.4)を外れる実験例18では、変化率の温度換算値が150℃において−6.4℃であったが、900℃では−26.3℃であり、高温において耐久性が悪く、電気特性が安定していなかった。また、M3のモル数cが0.7、Alのモル数dが0.3と本発明の範囲(0.01≦c≦0.6、0.4≦d≦0.99)を外れる実験例19では、変化率の温度換算値が150℃では−16.6℃であり、更に900℃では−15.7℃であり、耐久性が悪く、電気特性が安定していなかった。
【0034】
これに対して、実験例2、3、5、6、8〜16、及び20〜28では、150、300、600及び900℃の各温度において0.001977〜617.8kΩ・cmと適度な比抵抗値を示しており、比抵抗値の変化率の温度換算値により評価した耐久性においても、150℃では−8.3〜+4.1℃、900℃では−12.2〜+0.9℃であり、優れた耐久性を示しており、且つ広い温度域において安定した電気特性を有していることが分かった。
【0035】
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、原料粉末以外にも、焼結性並びにB定数及び耐久性等を損なわない範囲で、Li、Na、K、Cu、Ag、C、Cl及びS等の他の成分、或いは不可避不純物などを含有していてもよい。
【0036】
【発明の効果】
特定の一般式で表される本発明のサーミスタ用焼結体とすることで、より電気特性の安定性に優れたサーミスタ用焼結体とすることができる。
更に、本発明のサーミスタ用焼結体において、特定の元素を、特定の量比で含有することで、より電気特性の安定性に優れたサーミスタ用焼結体とすることができる。
また、本発明のサーミスタ用焼結体の結晶構造がペロブスカイト型なので、より電気特性の安定性に優れたサーミスタ用焼結体とすることができる。

Claims (1)

  1. Laを除く3A族元素のうちの少なくとも1種の元素(M1)、2A族元素のうちの少なくとも1種の元素(M2)、6A、7A及び8族元素のうちの少なくとも1種の元素(M3)、並びにAlを含有し、且つ一般式[(M1M21±x(M3Al1±y3±δ](但し、aはM1のモル数、bはM2のモル数、cはM3のモル数、及びdはAlのモル数を表す。)で表した場合に、a、b、c及びdが下記の条件を満たし、
    上記a、上記b、上記c及び上記dの合計が2であり、
    上記M1、M2、M3の組み合わせが、
    (1)M1としてのY、M2としてのSr、M3としてのCr及びMn、
    (2)M1としてのSm、M2としてのCa、M3としてのCr及びMn、
    (3)M1としてのGd、M2としてのCa、M3としてのFe及びMn、
    (4)M1としてのGd、M2としてのMg、M3としてのCr及びFe、
    のいずれかであり、
    結晶構造がペロブスカイト型であることを特徴とするサーミスタ用焼結体。
    0.6≦a≦0.998
    0.002≦b≦0.4
    0.01≦c≦0.6
    0.4≦d≦0.99
    1≦d/c≦99
    x=0.1
    y=0.1
    δ=0.15
JP2002032870A 2001-10-11 2002-02-08 サーミスタ用焼結体 Expired - Fee Related JP4527347B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002032870A JP4527347B2 (ja) 2001-10-11 2002-02-08 サーミスタ用焼結体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314272 2001-10-11
JP2001-314272 2001-10-11
JP2002032870A JP4527347B2 (ja) 2001-10-11 2002-02-08 サーミスタ用焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003183075A JP2003183075A (ja) 2003-07-03
JP4527347B2 true JP4527347B2 (ja) 2010-08-18

Family

ID=27615344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002032870A Expired - Fee Related JP4527347B2 (ja) 2001-10-11 2002-02-08 サーミスタ用焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4527347B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1775274B1 (en) * 2005-04-11 2015-10-07 NGK Spark Plug Co., Ltd. Sintered electroconductive oxide, thermistor element using sintered electroconductive oxide, and temperature sensor using thermistor element
JP5053564B2 (ja) * 2005-04-11 2012-10-17 日本特殊陶業株式会社 導電性酸化物焼結体、これを用いたサーミスタ素子、及びこれを用いた温度センサ
JP5053563B2 (ja) * 2005-04-11 2012-10-17 日本特殊陶業株式会社 導電性酸化物焼結体、これを用いたサーミスタ素子、及びこれを用いた温度センサ
JP5059332B2 (ja) 2006-02-16 2012-10-24 日本特殊陶業株式会社 サーミスタ素子、これを用いた温度センサ、及びサーミスタ素子の製造方法
JP4996196B2 (ja) * 2006-10-12 2012-08-08 日本特殊陶業株式会社 サーミスタ素子、これを用いた温度センサ、及びサーミスタ素子の製造方法
DE102007012468A1 (de) 2007-03-15 2008-09-18 Epcos Ag Keramikmaterial und elektrokeramisches Bauelement mit dem Keramikmaterial
JP4990072B2 (ja) * 2007-08-30 2012-08-01 株式会社大泉製作所 高温用サーミスタ
EP2073221B1 (en) * 2007-12-21 2010-02-17 Vishay Resistors Belgium BVBA Stable thermistor
DE102008046858A1 (de) * 2008-09-12 2010-03-18 Epcos Ag Keramikmaterial, Verfahren zur Herstellung eines Keramikmaterials, elektrokeramisches Bauelement umfassend das Keramikmaterial
EP2402297B1 (en) * 2009-02-20 2018-01-03 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Electrically conductive oxide sintered compact, thermistor element employing the same, and temperature sensor employing the same
JP5678520B2 (ja) 2010-08-26 2015-03-04 Tdk株式会社 サーミスタ素子
JP2016039276A (ja) * 2014-08-08 2016-03-22 日本特殊陶業株式会社 サーミスタ素子、その製造方法、及び、それを用いた温度センサ
JP6491074B2 (ja) * 2015-04-06 2019-03-27 日本特殊陶業株式会社 導電性酸化物焼結体、それを用いたサーミスタ素子及び温度センサ
KR101908775B1 (ko) 2015-04-06 2018-10-16 니뽄 도쿠슈 도교 가부시키가이샤 도전성 산화물 소결체, 그것을 사용한 서미스터 소자 및 온도 센서
JP2018131347A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 日本特殊陶業株式会社 導電性酸化物焼結体、それを用いたサーミスタ素子及び温度センサ
JP7453607B2 (ja) 2019-03-29 2024-03-21 株式会社Flosfia サーミスタならびにその製品およびシステム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51108298A (ja) * 1975-03-19 1976-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd Koondoyosaamisutajikizairyo
JPH06325907A (ja) * 1993-05-10 1994-11-25 Ngk Spark Plug Co Ltd サーミスタ用磁器組成物
JPH06338402A (ja) * 1993-05-28 1994-12-06 Ngk Spark Plug Co Ltd サーミスタ用磁器組成物
JPH07201528A (ja) * 1993-11-25 1995-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd サーミスタ用磁器組成物及びその製造方法
JPH09196098A (ja) * 1996-01-17 1997-07-29 Nitsukatoo:Kk 耐熱導電性セラミックス

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51108298A (ja) * 1975-03-19 1976-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd Koondoyosaamisutajikizairyo
JPH06325907A (ja) * 1993-05-10 1994-11-25 Ngk Spark Plug Co Ltd サーミスタ用磁器組成物
JPH06338402A (ja) * 1993-05-28 1994-12-06 Ngk Spark Plug Co Ltd サーミスタ用磁器組成物
JPH07201528A (ja) * 1993-11-25 1995-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd サーミスタ用磁器組成物及びその製造方法
JPH09196098A (ja) * 1996-01-17 1997-07-29 Nitsukatoo:Kk 耐熱導電性セラミックス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003183075A (ja) 2003-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4527347B2 (ja) サーミスタ用焼結体
WO2006109792A1 (ja) 導電性酸化物焼結体、導電性酸化物焼結体を用いたサーミスタ素子、及びサーミスタ素子を用いた温度センサ
KR101523354B1 (ko) 안정한 서미스터
US6878304B2 (en) Reduction resistant thermistor, method of production thereof, and temperature sensor
JP3776691B2 (ja) サーミスタ素子
KR101645838B1 (ko) 산화물 소결체 및 그것을 이용한 배선 기판
JP3254594B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物およびサーミスタ素子
EP1137016A1 (en) Thermistor device
JPH0799102A (ja) サーミスタ用磁器組成物およびサーミスタ素子
US6663794B2 (en) Reducing-atmosphere-resistant thermistor element, production method thereof and temperature sensor
JP3254595B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物
JP4307152B2 (ja) サーミスタ素子用焼結体及びその製造方法、並びにサーミスタ素子、温度センサ
JP3928244B2 (ja) サーミスタ素子およびその製造方法
JP2009173484A (ja) サーミスタ用金属酸化物焼結体及びサーミスタ素子並びにサーミスタ用金属酸化物焼結体の製造方法
JP3362651B2 (ja) サーミスタ素子およびその製造方法
JP3331447B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物の製造方法
JP6046902B2 (ja) サーミスタ素子及び温度センサ
KR20060006005A (ko) 부온도계수를 가지는 세라믹 혼합물, 상기 세라믹 혼합물을포함하는 써미스터 및 이를 제조하는 방법
KR20110009653A (ko) 반도체 자기 조성물의 제조 방법 및 반도체 자기 조성물을 이용한 히터
WO2004046061A1 (ja) サーミスタ素子用焼結体及びその製造方法、並びにサーミスタ素子、温度センサ
JP3826494B2 (ja) ワイドレンジ型サーミスタ素子
WO2013141238A1 (ja) 低温用サーミスタ材料及びその製造方法
JP3131071B2 (ja) セラミック製発熱素子
JP4153112B2 (ja) 導電性焼結体及びその製造方法
JP2001122661A (ja) サーミスタ用焼結体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050201

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100603

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4527347

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees