JPH0832045A - 固体撮像素子及びその製法 - Google Patents

固体撮像素子及びその製法

Info

Publication number
JPH0832045A
JPH0832045A JP6160230A JP16023094A JPH0832045A JP H0832045 A JPH0832045 A JP H0832045A JP 6160230 A JP6160230 A JP 6160230A JP 16023094 A JP16023094 A JP 16023094A JP H0832045 A JPH0832045 A JP H0832045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
hydrogen
light receiving
insulating film
receiving portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6160230A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Yamane
淳二 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6160230A priority Critical patent/JPH0832045A/ja
Publication of JPH0832045A publication Critical patent/JPH0832045A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 分光感度等の光学的特性の向上及び暗電流の
低減につながる界面特性の安定化を共に達成させる。 【構成】 N形のシリコン基板11に形成された第1の
P形ウェル領域12に受光部1と転送チャネル領域14
がそれぞれ配列・形成され、この転送チャネル領域14
上にゲート絶縁膜19を介して転送電極20が選択的に
形成され、この転送電極20を含む全面にPSG膜22
が形成され、このPSG膜22上に転送電極20を覆う
ようにAL遮光膜24が形成されたイメージセンサにお
いて、受光部1の周辺部にP−SiN膜23をサイドウ
ォール形状に形成し、少なくとも受光部1に対応する部
分にPSG膜22とほぼ同じ光屈折率を有するP−Si
O膜25を少なくとも受光部1を覆うように形成して構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体撮像素子、特に暗
電流の低減と分光特性の改善を図った固体撮像素子及び
その製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電荷転送型の固体撮像素子(C
CD固体撮像素子)は、CVD法にて積層されたPSG
(リン・シリケート・ガラス)膜とプラズマ窒化(P−
SiN)膜によるパッシベーション膜で覆われる(例え
ば、特開昭60−66826号公報参照)。
【0003】従来のCCD固体撮像素子は、図5に示す
ように、P形のシリコン基板101に、N形の不純物を
導入して成るN形の不純物拡散領域102と上記シリコ
ン基板とのPN接合によって構成されるフォトダイオー
ドによる受光部103と、上記N形の不純物拡散領域1
02とは別の領域に導入されたN形の不純物によるN形
の不純物拡散領域による転送チャネル領域104と、P
形の不純物を導入して成るP形のチャネル・ストッパ領
域105とが形成されている。
【0004】そして、上記転送チャネル領域104上に
ゲート絶縁膜106を介して多結晶シリコン層による転
送電極107が選択的に形成されている。この転送電極
107の表面には、熱酸化処理によってシリコン酸化膜
108が形成されている。この転送電極107を含む全
面にはPSG膜109が形成され、更にこのPSG膜1
09上に、下層の転送電極107を覆うように遮光用の
Al膜110(Al遮光膜と記す)が形成され、このA
l遮光膜110を含む全面にプラズマCVD法によるシ
リコン窒化膜(以下、単にP−SiN膜と記す)111
が形成されている。
【0005】ここで、上記PSG膜109及びP−Si
N膜111が受光部上のパッシベーション膜を構成し、
受光部102と転送チャネル領域104間のP型領域は
読出しゲート112を構成する。
【0006】また、上記Al遮光膜110は、受光部1
02上において選択的にエッチング除去されており、光
は、このエッチング除去によって形成された開口110
aを通じて受光部102に入射されるようになってい
る。
【0007】上記P−SiN膜111中には、多量の水
素が含まれていることが知られており、このP−SiN
膜111形成後に例えば温度400℃にて1時間程度の
熱処理を施すことにより、P−SiN膜111からシリ
コン基板101側に多量の水素イオンが容易に拡散する
ため、界面準位が十分に低減され、暗電流が実用レベル
まで低減する(この効果を一般に水素アニール効果と称
している)ことになる。これにより、暗電流に起因する
ノイズの発生が低減され、再生撮像信号の高S/Nを図
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
CCD固体撮像素子においては、パッシベーション膜を
PSG膜109とP−SiN膜111で構成するように
しているため、両者の屈折率の違いから、以下に示すよ
うな光学的な欠点がある。
【0009】即ち、P−SiN膜111の光屈折率は約
2.0であり、下層のPSG膜109の光屈折率1.5
前後と比べてかなり大きいため、干渉効果等による分光
感度特性の変動が大きく、必要とされる分光特性を得る
には、各膜109及び111の膜厚が限定されてしま
い、設計上の自由度が狭まるという不都合がある。
【0010】また、CCD固体撮像素子の周辺部におい
て、斜めに入射した光Lが、上記P−SiN膜111と
PSG膜109との境界部分で大きく屈折することにな
り、これによって、上記斜め光Lが転送チャネル領域1
04に直接入り込んで、再生画像にすじ状のノイズ(一
般にスミアという)が生じる原因となる問題があった。
【0011】上記光学的欠点を解消する手法として、夫
々の屈折率がほぼ同じである膜を用いてパッシベーショ
ン膜を構成することが考えられ、その一案として、上記
P−SiN膜111に代えてプラズマ酸化(P−Si
O)膜を用いるという技術が有望視されている。このP
−SiO膜は、その光屈折率が1.5程度と小さいの
で、上記分光感度特性とスミアの問題を改善することが
できる。しかしながら、P−SiO膜は、水素を多く含
有しないため、上記水素アニール効果が期待できず、上
記暗電流を低減させることができなうという新たな問題
が生じる。
【0012】このように、従来においては、分光感度な
どの光学的特性及び界面特性安定のための水素アニール
効果を兼ね備えることが困難であった。
【0013】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、分光感度等の光学的特
性の向上及び暗電流の低減につながる界面特性の安定化
を共に達成させることができる固体撮像素子を提供する
ことにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、分光感度等の
光学的特性の向上及び暗電流の低減につながる界面特性
の安定化を共に達成させることができる固体撮像素子を
容易に作製することができる固体撮像素子の製法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、同一基板11
に受光部1と転送チャネル領域14がそれぞれ配列・形
成され、この転送チャネル領域14上にゲート絶縁膜1
9を介して転送電極20が選択的に形成され、該転送電
極20を含む全面に層間絶縁膜22が形成され、該層間
絶縁膜22上に転送電極20を覆うように遮光膜24が
形成された固体撮像素子において、受光部1の周辺部に
水素含有膜23をサイドウォール状に形成し、少なくと
も受光部1に対応する部分に層間絶縁膜22とほぼ同じ
光屈折率を有する保護絶縁膜25を少なくとも受光部1
を覆うように形成して構成する。
【0016】この場合、水素含有膜23を層間絶縁膜2
2上における受光部1の周辺部に形成された段差部分に
形成して構成してもよい。また、遮光膜24を転送電極
20及び水素含有膜23を覆うように形成してもよい。
【0017】そして、層間絶縁膜22をPSG膜、水素
含有膜23をプラズマCVD法によって成膜されたシリ
コン窒化膜、保護絶縁膜25をプラズマCVD法によっ
て成膜されたシリコン酸化膜とすることができる。
【0018】また、本発明は、同一基板11に受光部1
と転送チャネル領域14がそれぞれ配列・形成され、転
送チャネル領域14上にゲート絶縁膜19を介して転送
電極20が選択的に形成された固体撮像素子の製法にお
いて、転送電極20を含む全面に層間絶縁膜22を形成
する工程と、受光部1の周辺部に水素含有膜23をサイ
ドウォール状に形成する工程と、転送電極20を覆うよ
うに遮光膜24を形成する工程と、少なくとも受光部1
を覆うように保護絶縁膜25を形成する工程と、全面に
熱処理を施す工程とを有することを特徴とする。
【0019】受光部1の周辺部に水素含有膜23をサイ
ドウォール状に形成する場合は、層間絶縁膜22上全面
に水素含有膜23を形成した後、水素含有膜23に対し
て異方性エッチング処理を施し、PSG膜22上におけ
る受光部1の周辺部に形成された段差部分に水素含有膜
23を残すことにより達成させることができる。
【0020】この場合、遮光膜24を転送電極20及び
水素含有膜23を覆うように形成するようにしてもよ
い。そして、層間絶縁膜22をPSG膜とし、水素含有
膜23をプラズマCVD法によって成膜されたシリコン
窒化膜とし、保護絶縁膜25をプラズマCVD法によっ
て成膜されたシリコン酸化膜としてもよい。
【0021】
【作用】本発明に係る固体撮像素子においては、受光部
1の周辺部に水素含有膜23がサイドウォール状に形成
されていることから、受光部1上に形成されるパッシベ
ーション膜が、層間絶縁膜22と保護絶縁膜25で構成
されることになる。
【0022】この層間絶縁膜22と保護絶縁膜25は、
互いの光屈折率がほぼ同じであるため、干渉効果等によ
る分光感度特性の変動が少なくなり、その結果、層間絶
縁膜22と保護絶縁膜25の各膜厚によって分光特性が
変動するということがなくなり、設計上の自由度を広げ
ることができる。
【0023】また、固体撮像素子の周辺部において、斜
めに入射した光が層間絶縁膜22と保護絶縁膜25との
界面で大きく屈折して転送チャネル領域14側に進入す
るということがなくなり、固体撮像素子において問題と
なるスミアを低減させることができる。
【0024】しかも、この水素含有膜23に含まれる水
素が基板の界面まで拡散到達するため、その水素アニー
ル効果により、界面準位が十分に低減され、暗電流を低
減化することができる。
【0025】このように、本発明の固体撮像素子によれ
ば、分光感度等の光学的特性の向上及び暗電流の低減に
つながる界面特性の安定化を共に達成させることができ
る。
【0026】特に、水素含有膜23を層間絶縁膜22上
における受光部1の周辺部に形成された段差部分に形成
した場合においては、層間絶縁膜22上の段差部分に水
素含有膜23がサイドウィール状に形成されることにな
り、受光部1上には、互いに光屈折率がほぼ同じとされ
た層間絶縁膜22と保護絶縁膜25が存することにな
り、上述したように、分光感度等の光学的特性の向上及
び暗電流の低減につながる界面特性の安定化を共に達成
させることができる。
【0027】また、遮光膜24を転送電極20及び水素
含有膜23を覆うように形成した場合においては、水素
含有膜23からの水素拡散のうち、上方への水素拡散が
遮光膜によって阻止されるため、この水素含有膜23か
ら拡散した水素は、そのほとんどが基板11の界面側に
向かって拡散することになる。その結果、水素アニール
効果による界面準位の低減化が効率よく図れるようにな
り、暗電流を低減化を更に向上させることができる。
【0028】しかも、サイドウォール状の水素含有膜2
3により転送電極20の段差が緩やかになり、転送電極
20上に形成される遮光膜24のステップカバレージが
改善され、遮光膜24は、転送電極20の端部に対応す
る部分においても厚く形成されることになる。これによ
り、遮光膜24による転送電極20及び転送チャネル領
域24への光の進入回避を十分に発揮させることができ
る。
【0029】そして、層間絶縁膜22をPSG膜、水素
含有膜23をプラズマCVD法によって成膜されたシリ
コン窒化膜(以下、単にP−SiN膜と記す)、保護絶
縁膜25をプラズマCVD法によって成膜されたシリコ
ン酸化膜(以下、単にP−SiO膜と記す)とした場合
においては、光屈折率が約2.0であるP−SiN膜2
3が受光部1の周辺部にサイドウォール状に形成され、
受光部1上に、互いの光屈折率が約1.5であるPSG
膜22及びP−SiO膜25が積層された形で形成され
ることになる。
【0030】従って、干渉効果等による分光感度特性の
変動が少なくなり、その結果、PSG膜22とP−Si
O膜25の各膜厚によって分光特性が変動するというこ
とがなくなり、設計上の自由度を広げることができ、ま
た、固体撮像素子の周辺部において、斜めに入射した光
がPSG膜22とP−SiO膜25との界面で大きく屈
折して転送チャネル領域14側に進入するということが
なくなり、固体撮像素子において問題となるスミアを低
減させることができる。しかも、P−SiN膜23に含
まれる水素が基板の界面まで拡散到達するため、その水
素アニール効果により、界面準位が十分に低減され、暗
電流を低減化することができる。
【0031】次に、本発明に係る固体撮像素子の製法に
おいては、まず、転送電極20を含む全面に層間絶縁膜
22を形成した後、受光部1の周辺部に水素含有膜23
をサイドウォール状に形成した段階で、受光部1上に
は、層間絶縁膜22が受光部1を覆うように形成される
ことになるが、水素含有膜23は、受光部1の周辺部の
みにサイドウォール状に形成されることになる。この状
態から、少なくとも受光部1を覆うように保護絶縁膜2
5を形成した段階で、受光部1上に、層間絶縁膜22と
保護絶縁膜25の積層膜で構成されたパッシベーション
膜が形成された形となる。
【0032】そして、その後の熱処理工程にて、サイド
ウォール状に形成された水素含有膜23から水素が基板
11の界面側に拡散することになる。水素含有膜23か
らの水素拡散によって、基板11の界面準位が十分に低
減され、暗電流を低減化することができることになる。
【0033】また、パッシベーション膜を構成する層間
絶縁膜22と保護絶縁膜25は、互いの光屈折率がほぼ
同じであるため、干渉効果等による分光感度特性の変動
が少なくなり、その結果、層間絶縁膜22と保護絶縁膜
25の各膜厚によって分光特性が変動するということが
なくなり、設計上の自由度を広げることができる。
【0034】また、固体撮像素子の周辺部において、斜
めに入射した光が層間絶縁膜22と保護絶縁膜25との
界面で大きく屈折して転送チャネル領域14側に進入す
るということがなくなり、固体撮像素子において問題と
なるスミアを低減させることができることになる。
【0035】このように、本発明に係る固体撮像素子に
製法においては、分光感度等の光学的特性の向上及び暗
電流の低減につながる界面特性の安定化を共に達成させ
ることができる固体撮像素子を容易に作製することがで
きる。
【0036】特に、受光部1の周辺部に水素含有膜23
をサイドウォール状に形成する場合において、層間絶縁
膜22上全面に水素含有膜23を形成した後、水素含有
膜23に対して異方性エッチング処理を施し、層間絶縁
膜22上における受光部1の周辺部に形成された段差部
分に水素含有膜23を残すことにより、受光部1の周辺
部に水素含有膜23をサイドウォール状に容易に形成す
ることができることになる。
【0037】また、遮光膜24を転送電極20及び水素
含有膜23を覆うように形成した場合においては、熱処
理工程にて生じる水素含有膜23からの水素拡散のう
ち、上方への水素拡散が遮光膜24によって阻止される
ため、この水素含有膜23から拡散した水素は、そのほ
とんどが基板11の界面側に向かって拡散することにな
る。その結果、水素アニール効果による界面準位の低減
化が効率よく図れるようになり、暗電流を低減化を更に
向上させることができる。
【0038】そして、層間絶縁膜22をPSG膜とし、
水素含有膜23をプラズマCVD法によって成膜された
シリコン窒化膜(以下、単にP−SiN膜と記す)と
し、保護絶縁膜25をプラズマCVD法によって成膜さ
れたシリコン酸化膜(以下、単にP−SiO膜と記す)
とした場合においては、まず、転送電極20を含む全面
にPSG膜23を形成した後、受光部1の周辺部にP−
SiN膜23をサイドウォール状に形成した段階におい
て、受光部1上には、PSG膜22が受光部1を覆うよ
うに形成されることになるが、P−SiN膜23は、受
光部1の周辺部のみにサイドウォール状に形成されるこ
とになる。この状態から、少なくとも受光部1を覆うよ
うにP−SiO膜25を形成した段階で、受光部1上
に、PSG膜22とP−SiO膜25の積層膜で構成さ
れたパッシベーション膜が形成された形となる。
【0039】そして、その後の熱処理工程にて、サイド
ウォール状に形成されたP−SiN膜23から水素が基
板11の界面側に拡散することになり、P−SiN膜2
3からの水素拡散によって、基板11の界面準位が十分
に低減され、暗電流を低減化することができることにな
る。
【0040】また、パッシベーション膜を構成するPS
G膜22とP−SiO膜25は、各光屈折率が共に約
1.5でほぼ同じであることから、干渉効果等による分
光感度特性の変動が少なくなり、その結果、PSG膜2
2とP−SiO膜25の各膜厚によって分光特性が変動
するということがなくなり、設計上の自由度を広げるこ
とができる。
【0041】また、固体撮像素子の周辺部において、斜
めに入射した光がPSG膜22とP−SiO膜25との
界面で大きく屈折して転送チャネル領域14側に進入す
るということがなくなり、固体撮像素子において問題と
なるスミアを低減させることができることになる。
【0042】
【実施例】以下、本発明に係る固体撮像素子を例えばフ
レーム・インターライン転送(FIT)方式のCCDイ
メージセンサに適用した実施例(以下、実施例に係るイ
メージセンサと記す)を図1〜図4を参照しながら説明
する。
【0043】この実施例に係るイメージセンサは、図1
に示すように、入射光量に応じた量の電荷に光電変換す
る受光部1が多数マトリクス状に配され、更にこれら多
数の受光部1のうち、列方向に配列された受光部1に対
して共通とされた垂直転送レジスタ2が多数本、行方向
に配列されたイメージ部3と、このイメージ部3に隣接
して配され、イメージ部3に形成されているような受光
部1はなく、イメージ部3における多数本の垂直転送レ
ジスタ2に連続してそれぞれ多数本の垂直転送レジスタ
4のみが延長形成されたストレージ部5とを有する。
【0044】また、ストレージ部5に隣接し、かつ多数
本の垂直転送レジスタ4に対して共通とされた水平転送
レジスタが2本、それぞれ並設されている。ここで、2
本の水平転送レジスタのうち、ストレージ部5側に位置
する水平転送レジスタを第1の水平転送レジスタH1、
他の水平転送レジスタを第2の水平転送レジスタH2と
記す。
【0045】そして、ストレージ部5と第1の水平転送
レジスタH1間には、ストレージ部5における垂直転送
レジスタ4の最終段に転送された信号電荷を第1の水平
転送レジスタH1に転送するための2つの垂直−水平転
送レジスタVH1及びVH2が多数の垂直転送レジスタ
4に対して共通に、かつそれぞれ並列に形成されてい
る。これら2本の垂直−水平転送レジスタVH1及びV
H2には、それぞれ垂直−水平転送パルスφVH1及び
φVH2が供給されるようになっており、これら転送パ
ルスφVH1及びφVH2の供給によって、垂直転送レ
ジスタ4からの信号電荷が第1の水平転送レジスタH1
に転送されることになる。
【0046】また、第1及び第2の水平転送レジスタH
1及びH2間には、第1の水平転送レジスタH1に転送
された信号電荷を選択的に第2の水平転送レジスタH2
側に転送する水平−水平転送レジスタHHが、各水平転
送レジスタH1及びH2に沿って水平方向に延長されて
配されている。この水平−水平転送レジスタHHには、
水平−水平転送パルスφHHGが供給されるようになっ
ており、この転送パルスφHHGの供給によって、第1
の水平転送レジスタH1にある信号電荷が選択的に第2
の水平転送レジスタH2に転送されることになる。
【0047】また、上記第1及び第2の水平転送レジス
タH1及びH2の各最終段には、それぞれ第1及び第2
の出力部6a及び6bが接続されている。これら第1及
び第2の出力部6a及び6bは、各水平転送レジスタH
1及びH2の最終段から転送されてきた信号電荷を電気
信号(例えば電圧信号)に変換する例えばフローティン
グ・ディフュージョンあるいはフローティング・ゲート
等で構成される電荷−電気信号変換部7と、この電荷−
電気信号変換部7にて電気信号の変換が行われた後の信
号電荷を、リセットパルスPrの入力に従ってドレイン
領域Dに掃き捨てるリセットゲートRGと、電荷−電気
信号変換部7からの電気信号を増幅するアンプ8を有し
て構成されている。なお、ドレイン領域Dには電源電圧
Vddが印加されている。
【0048】上記イメージ部3における垂直転送レジス
タ2上、及び上記ストレージ部5における垂直転送レジ
スタ4上には、図示しないが例えば2層の多結晶シリコ
ン層による4枚の垂直転送電極がそれぞれ絶縁膜を介し
て形成されている。即ち、4枚の垂直転送電極を1組と
して、その組が多数、縦方向に順次配列されて形成され
ている。そして、イメージ部3における4枚の垂直転送
電極には、互いに位相の異なる4つの垂直転送パルスφ
IM1〜φIM4がそれぞれ供給され、ストレージ部5
における4枚の垂直転送電極には、互いに位相の異なる
4つの垂直転送パルスφST1〜φST4がそれぞれ供
給されるようになっている。
【0049】これらイメージ部3における垂直転送パル
スφIM1〜φIM4及びストレージ部5における4つ
の垂直転送パルスφST1〜φST4の供給によって、
イメージ部3及びストレージ部5における各垂直転送電
極下のポテンシャル分布が順次変化し、これによって、
信号電荷がそれぞれイメージ部3における垂直転送レジ
スタ2及びストレージ部5における垂直転送レジスタ4
に沿って縦方向(第1の水平レジスタH1側)に転送さ
れることになる。
【0050】特に、イメージ部3においては、受光部1
に蓄積されている信号電荷を垂直帰線期間において、ま
ず、垂直転送レジスタ2に読出し、その後、この垂直帰
線期間内において、上記垂直転送レジスタ2に転送され
た信号電荷を高速にストレージ部5の垂直転送レジスタ
4に転送する。
【0051】ストレージ部5は、垂直帰線期間において
垂直転送レジスタ4に転送された信号電荷を、その後の
水平帰線期間において1行単位に第1の水平転送レジス
タH1側に転送する。これによって、垂直転送レジスタ
4の最終段にあった信号電荷は、2つの垂直−水平転送
レジスタVH1及びVH2を経て、まず、第1の水平転
送レジスタH1に転送され、そのうち、例えば偶数列に
関する信号電荷が、水平−水平転送レジスタHHを介し
て第2の水平転送レジスタH2に転送される。
【0052】そして、次の水平走査期間において、第1
及び第2の水平転送レジスタH1及びH2上に形成され
た例えば2層の多結晶シリコン層による水平転送電極へ
の互いに位相の異なる2相の水平転送パルスφH1及び
φH2の印加によって、信号電荷が順次対応する出力部
6a及び6b側の電荷−電気信号変換部7に転送され、
各電荷−電気信号変換部7において電気信号に変換され
て、それぞれアンプ8を介して対応する出力端子9より
撮像信号S1及びS2として取り出されることになる。
【0053】ここで、このイメージセンサの受光部1周
辺の断面をみると、図2に示すように、例えばN形のシ
リコン基板11に形成された第1のP形ウェル領域12
の表面に受光部1を形成するためのN形の不純物拡散領
域13と、垂直転送レジスタ2を構成するN形の転送チ
ャネル領域14並びにP形のチャネルストッパ領域15
が形成され、更に上記N形の不純物拡散領域13の表面
にP形の正電荷蓄積領域16が、N形の転送チャネル領
域14の直下にスミアの低減を目的とした第2のP形ウ
ェル領域17がそれぞれ形成されている。なお、N形の
不純物拡散領域13と転送チャネル領域14間のP形領
域18は、読出しゲート部を構成する。
【0054】また、このイメージセンサは、図示するよ
うに、N形シリコン基板11の表面に第1のP形ウェル
領域12を形成して、この第1のP形ウェル領域12内
に上記受光部1を構成するN形の不純物拡散領域13を
形成することで、いわゆる電子シャッタの機能を有する
ように構成されている。即ち、シリコン基板11に供給
される基板電位をシャッタパルスに同期して高レベルに
することにより、第1のP形ウェル領域12におけるポ
テンシャル障壁が下がり、受光部1に蓄積された電荷
(この場合、電子)が上記ポテンシャル障壁を越えて縦
方向、即ちシリコン基板11側に掃き捨てられることに
なる。これにより、シャッタパルスの最終印加時点から
電荷読出し時点までの期間が実質的な露光期間となり、
残像等の不都合を防止することができるようになってい
る。
【0055】また、このイメージセンサにおいては、上
記N形の不純物拡散領域13と第1のP形ウェル領域1
2とのPN接合によるフォトダイオードによって受光部
1(光電変換部)が構成され、この受光部1が多数個マ
トリクス状に配列されて撮像領域が形成されている。そ
して、カラー撮像方式の場合、上記受光部1に対応して
形成される色フィルタ(三原色フィルタや補色フィル
タ)の配色などの関係によって、例えば互いに隣接する
4つの受光部1にて1つの画素を構成するようになって
いる。
【0056】そして、この実施例においては、転送チャ
ネル領域14,チャネル・ストッパ領域15及び読出し
ゲート部18上に、例えばSiO2 からなるゲート絶縁
膜19を介して1層目の多結晶シリコン層及び2層目の
多結晶シリコン層による4つの 転送電極が形成され、
これら転送チャネル領域14,ゲート絶縁膜19及び転
送 電極によって垂直転送レジスタ2が構成される。な
お、図3の断面図においては 、転送電極として例えば
1層目の多結晶シリコン層による転送電極(垂直転送パ
ルスφが印加される)20のみを示してある。
【0057】そして、この実施例においては、図2に示
すように、上記転送電極20の表面に熱酸化によるシリ
コン酸化膜(SiO2 膜)21が形成され、更に全面に
層間絶縁膜であるPSG膜22を形成されている。この
とき、PSG膜22は、転送電極20の形状に沿って形
成され、転送電極20の端面に対応した部分に段差が形
成される。更に、この実施例においては、上記PSG膜
22の段差部分にプラズマCVD法によって形成された
シリコン窒化膜(以下、単にP−SiN膜と記す)23
がサイドウォール形状に形成されて、該P−SiN膜2
3がPSG膜22上、受光部1の周縁に対応した部分に
形成された形となっている。
【0058】また、上記PSG膜22上の転送電極20
に対応する箇所には、遮光用のAl膜(以下、Al遮光
膜と記す)24が下層の転送電極20及びサイドウォー
ル形状のP−SiN膜23を覆うように形成され、外部
から入射した光が転送電極20側に入り込まないように
構成されている。
【0059】上記Al遮光膜24を含む全面には、プラ
ズマCVD法によるシリコン酸化膜(以下、P−SiO
膜と記す)25が形成されている。ここで、PSG膜2
2及びP−SiO膜25で、受光部1上のパッシベーシ
ョン膜が構成されることになる。また、上記Al遮光膜
24は、受光部1上において選択的にエッチング除去さ
れており、光は、このエッチング除去によって形成され
た開口24aを通じて受光部1内に入射されるようにな
っている。
【0060】なお、図3の断面図においては、簡単のた
め、Al遮光膜24上の保護膜,平坦化膜,色フィルタ
及びマイクロ集光レンズなどは省略してある。
【0061】次に、上記実施例に係るイメージセンサの
作製方法を図3及び図4の製造工程図に基づいて説明す
る。なお、図2と対応するものについては同符号を記
す。
【0062】まず、図3(a)に示すように、通常のC
CDプロセスを用いて、必要な不純物、例えばN形の不
純物(リン(P)及びボロン(B))の例えばイオン注
入や膜拡散等による導入及び熱処理による活性化を行っ
て、N形シリコン基板11上の第1のP形ウェル領域1
2に、N型の転送チャネル領域14,P型のチャネル・
ストッパ領域15及び第2のP形ウェル領域17を形成
する。その後、転送チャネル領域14上に例えばSiO
2 等からなるゲート絶縁膜19を介して多結晶シリコン
層による転送電極20を形成する。その後、熱酸化を施
して転送電極20の表面に薄い熱酸化膜(SiO2 膜)
21を形成する。なお、上記ゲート絶縁膜19は、シリ
コン基板11に対する熱酸化によって形成してもよく、
CVD法にて被着形成するようにしてもよい。
【0063】その後、転送電極20をマスクとして第1
のP形ウェル領域12の表面にN形の不純物、例えばリ
ン(P)をイオン注入し、更に活性化して、該第1のP
形ウェル領域12の表面にN形の不純物拡散領域13を
形成する。このとき、該N形の不純物拡散領域13と第
1のP形ウェル領域12とのPN接合によって受光部
(フォトダイオード)1が形成される。この受光部1形
成後、再び上記転送電極20をマスクとして今度はP形
の不純物、例えばボロン(B)をイオン注入し、更に活
性化してN形の不純物拡散領域13の表面にP形の正孔
蓄積領域16を形成する。上記不純物のイオン注入にお
いては、シリコン基板11の表面に形成されたゲート絶
縁膜19がイオン注入による照射損傷を吸収するための
バッファ層として機能する。
【0064】その後、全面に層間絶縁膜であるPSG膜
22を厚み200〜400nm程度、例えばCVD法に
より堆積する。その後、全面にシリコン窒化膜23をプ
ラズマCVD法によって形成する。このプラズマCVD
法によるシリコン窒化膜、即ちP−SiN膜23は、水
素を多く含んでいる。
【0065】次に、図3(b)に示すように、上記P−
SiN膜23全面に対して、異方性エッチングによる垂
直加工を施す。例えば垂直モードでRIE(反応性イオ
ンエッチング)を行なう。このエッチングは、PSG膜
22における転送電極20に対応する部分や受光部1に
対応する部分などの平坦な部分でP−SiN膜23が無
くなる時点で止める。このとき、PSG膜22の段差部
分の側壁にP−SiN膜23が残存することになる。即
ち、P−SiN膜23がPSG膜22の段差部分におい
てサイドウォール形状に形成されることになる。P−S
iN膜23をPSG膜22の段差部分に残すことで、転
送電極20によるPSG膜22の段差が緩やかになる。
【0066】次に、図4(a)に示すように、全面にA
l遮光膜24を形成した後、例えば垂直モードによるR
IE(反応性イオンエッチング)でAl遮光膜24をパ
ターニングして受光部開口24aを形成する。この受光
部開口24aの開口幅D1は、PSG膜22の段差部分
に残存するP−SiN膜23にて区画される幅D2より
も小とされている。従って、Al遮光膜24の下層に転
送電極20とP−SiN膜23が存することになり、換
言すれば、転送電極20とP−SiN膜23を覆うよう
にAl遮光膜24が形成されることになる。
【0067】そして、図4(b)に示すように、Al遮
光膜24を含む全面に表面保護用のシリコン酸化膜25
を厚み300〜500nm程度、プラズマCVD法にて
成膜する。このプラズマCVD法によるシリコン酸化膜
(即ち、P−SiO膜25)及び下層のPSG膜22に
て受光部1上のパッシベーション膜が構成されることに
なる。このP−SiO膜25の光屈折率は、下層のPS
G膜22の光屈折率とほぼ同じで1.5前後である。
【0068】このように素子が形成された後、400℃
前後で1時間程度の熱処理を行う。このとき、PSG膜
22の段差部分に形成されたサイドウォール形状のP−
SiN膜23中に多量に含まれている水素が、シリコン
基板11側に拡散する。この水素拡散によって、シリコ
ン基板11の界面が水素化され、例えばシリコン結晶1
1中の微小欠陥に生じているダングリングボンドが水素
によって終端されて、イメージセンサのノイズとなる暗
電流の発生が抑制されることになる。
【0069】このように、上記実施例に係るイメージセ
ンサにおいては、光屈折率が約2.0であるP−SiN
膜23が受光部1の周辺部、特にPSG膜22の段差部
分にサイドウォール状に形成するようにしたので、受光
部1上に、互いの光屈折率が約1.5であるPSG膜2
2及びP−SiO膜25が積層された形で形成されて、
これら積層膜にて受光部1上のパッシベーション膜が構
成されることになる。
【0070】従って、干渉効果等による分光感度特性の
変動が少なくなり、その結果、PSG膜22とP−Si
O膜25の各膜厚によって分光特性が変動するというこ
とがなくなり、設計上の自由度を広げることができる。
【0071】また、イメージセンサの周辺部において、
斜めに入射した光がPSG膜22とP−SiO膜25と
の界面で大きく屈折して垂直転送レジスタ2側に進入す
るということがなくなり、イメージセンサにおいて問題
となるスミアを低減させることができる。
【0072】しかも、P−SiN膜23に含まれる水素
がシリコン基板11の界面まで拡散到達するため、その
水素アニール効果により、界面準位が十分に低減され、
暗電流を低減化することができる。
【0073】このように、本実施例のイメージセンサに
よれば、分光感度等の光学的特性の向上及び暗電流の低
減につながる界面特性の安定化を共に達成させることが
できる。
【0074】また、上記Al遮光膜24を転送電極20
及びP−SiN膜23を覆うように形成するようにした
ので、P−SiN膜23からの水素拡散のうち、上方へ
の水素拡散がAl遮光膜24によって阻止されるため、
このP−SiN膜23から拡散した水素は、そのほとん
どがシリコン基板11の界面側に向かって拡散すること
になる。その結果、水素アニール効果による界面準位の
低減化が効率よく図れるようになり、暗電流を低減化を
更に向上させることができる。
【0075】また、P−SiN膜を受光部1の周辺部、
特にPSG膜22の段差部分にサイドウォール状に形成
するようにしたので、転送電極の段差が緩やかになり、
これによって、転送電極20上に形成されるAl遮光膜
24のステップカバレージが改善され、Al遮光膜24
は、転送電極20の端部に対応する部分においても厚く
形成されることになる。その結果、Al遮光膜24によ
る転送電極20及び転送チャネル領域24への光の進入
回避を十分に発揮させることができる。
【0076】また、図3及び4で示す本実施例に係るイ
メージセンサの作製方法によれば、受光部1の周辺部に
P−SiN膜23をサイドウォール状に形成する場合に
おいて、PSG膜22上にP−SiN膜23を形成した
後、このP−SiN膜23に対して異方性エッチング処
理(垂直モードのRIE)を施し、上記PSG膜22上
における受光部1の周辺部に形成された段差部分にP−
SiN膜23を残すようにしたので、受光部1の周辺部
にP−SiN膜23をサイドウォール形状に容易に形成
することができ、分光感度等の光学的特性の向上及び暗
電流の低減につながる界面特性の安定化を共に達成させ
ることができる本実施例に係るイメージセンサを容易に
作製することができる。
【0077】上記実施例においては、FIT方式のイメ
ージセンサに適用した例を示したが、その他、インター
ライン転送(IT)方式のイメージセンサにも適用させ
ることができる。この場合、図1で示すストレージ部を
省略して構成すればよい。
【0078】
【発明の効果】本発明に係る固体撮像素子によれば、同
一基板に受光部と転送チャネル領域がそれぞれ配列・形
成され、上記転送チャネル領域上にゲート絶縁膜を介し
て転送電極が選択的に形成され、該転送電極を含む全面
に層間絶縁膜が形成され、該層間絶縁膜上に上記転送電
極を覆うように遮光膜が形成された固体撮像素子におい
て、上記受光部の周辺部に水素含有膜をサイドウォール
状に形成し、少なくとも上記受光部に対応する部分に上
記層間絶縁膜とほぼ同じ光屈折率を有する保護絶縁膜を
少なくとも上記受光部を覆うように形成するようにした
ので、分光感度等の光学的特性の向上及び暗電流の低減
につながる界面特性の安定化を共に達成させることがで
きる。
【0079】また、本発明は、上記構成において、上記
水素含有膜を上記層間絶縁膜上における上記受光部の周
辺部に形成された段差部分に形成するようにしたので、
受光部上には、互いに光屈折率がほぼ同じとされた層間
絶縁膜と保護絶縁膜が存することになり、上述したよう
に、分光感度等の光学的特性の向上及び暗電流の低減に
つながる界面特性の安定化を共に達成させることができ
る。
【0080】また、本発明は、上記構成において、上記
遮光膜を上記転送電極及び水素含有膜を覆うように形成
するようにしたので、水素アニール効果による界面準位
の低減化が効率よく図れるようになり、暗電流を低減化
を更に向上させることができ、しかも、転送電極上に形
成される遮光膜のステップカバレージが改善され、遮光
膜による転送電極及び転送チャネル領域への光の進入回
避を十分に発揮させることができる。
【0081】また、本発明は、上記構成において、上記
層間絶縁膜をPSG膜、上記水素含有膜をプラズマCV
D法によって成膜されたシリコン窒化膜、上記保護絶縁
膜をプラズマCVD法によって成膜されたシリコン酸化
膜としたので、光屈折率が約2.0であるP−SiN膜
が受光部の周辺部にサイドウォール状に形成され、受光
部上に、互いの光屈折率が約1.5であるPSG膜及び
P−SiO膜が積層された形で形成されることになり、
これによって、干渉効果等による分光感度特性の変動が
少なくなる。その結果、PSG膜とP−SiO膜の各膜
厚によって分光特性が変動するということがなくなり、
設計上の自由度を広げることができ、また、固体撮像素
子の周辺部において、斜めに入射した光がPSG膜とP
−SiO膜との界面で大きく屈折して転送チャネル領域
側に進入するということがなくなり、固体撮像素子にお
いて問題となるスミアを低減させることができる。しか
も、P−SiN膜に含まれる水素が基板の界面まで拡散
到達するため、その水素アニール効果により、界面準位
が十分に低減され、暗電流を低減化することができる。
【0082】また、本発明に係る固体撮像素子の製法に
よれば、同一基板に受光部と転送チャネル領域がそれぞ
れ配列・形成され、上記転送チャネル領域上にゲート絶
縁膜を介して転送電極が選択的に形成された固体撮像素
子の製法において、上記転送電極を含む全面に層間絶縁
膜を形成する工程と、上記受光部の周辺部に水素含有膜
をサイドウォール状に形成する工程と、上記転送電極を
覆うように遮光膜を形成する工程と、上記少なくとも上
記受光部を覆うように保護絶縁膜を形成する工程と、全
面に熱処理を施す工程とを有するようにしたので、熱処
理工程にて、上記サイドウォール状に形成された水素含
有膜から水素が基板の界面側に拡散することになり、上
記水素含有膜からの水素拡散によって、基板の界面準位
が十分に低減され、暗電流を低減化することができるこ
とになる。
【0083】また、パッシベーション膜を構成する層間
絶縁膜と保護絶縁膜は、互いの光屈折率がほぼ同じであ
るため、干渉効果等による分光感度特性の変動が少なく
なり、その結果、層間絶縁膜と保護絶縁膜の各膜厚によ
って分光特性が変動するということがなくなり、設計上
の自由度を広げることができる。
【0084】また、固体撮像素子の周辺部において、斜
めに入射した光が層間絶縁膜と保護絶縁膜との界面で大
きく屈折して転送チャネル領域側に進入するということ
がなくなり、固体撮像素子において問題となるスミアを
低減させることができることになる。
【0085】このように、本発明に係る固体撮像素子に
製法においては、分光感度等の光学的特性の向上及び暗
電流の低減につながる界面特性の安定化を共に達成させ
ることができる固体撮像素子を容易に作製することがで
きる。
【0086】また、本発明は、上記受光部の周辺部に水
素含有膜をサイドウォール状に形成する工程において、
上記層間絶縁膜上に水素含有膜を形成した後、上記水素
含有膜に対して異方性エッチング処理を施し、上記PS
G膜上における上記受光部の周辺部に形成された段差部
分に上記水素含有膜を残すようにしたので、受光部の周
辺部に水素含有膜をサイドウォール状に容易に形成する
ことができる。
【0087】また、本発明は、上記製法において、上記
遮光膜を上記転送電極及び水素含有膜を覆うように形成
するようにしたので、熱処理工程にて生じる水素含有膜
からの水素拡散のうち、上方への水素拡散が遮光膜によ
って阻止されるため、この水素含有膜から拡散した水素
は、そのほとんどが基板の界面側に向かって拡散するこ
とになる。その結果、水素アニール効果による界面準位
の低減化が効率よく図れるようになり、暗電流を低減化
を更に向上させることができる。
【0088】また、本発明は、上記製法において、上記
層間絶縁膜をPSG膜とし、水素含有膜をプラズマCV
D法によって成膜されたシリコン窒化膜(P−SiN
膜)とし、上記保護絶縁膜をプラズマCVD法によって
成膜されたシリコン酸化膜(P−SiO膜)としたの
で、受光部上に、PSG膜とP−SiO膜の積層膜で構
成されたパッシベーション膜が形成された形となる。
【0089】そして、その後の熱処理工程にて、上記サ
イドウォール状に形成されたP−SiN膜から水素が基
板の界面側に拡散することになる。上記P−SiN膜か
らの水素拡散によって、基板の界面準位が十分に低減さ
れ、暗電流を低減化することができることになる。
【0090】また、パッシベーション膜を構成するPS
G膜とP−SiO膜は、各光屈折率が共に約1.5でほ
ぼ同じであることから、干渉効果等による分光感度特性
の変動が少なくなり、その結果、PSG膜とP−SiO
膜の各膜厚によって分光特性が変動するということがな
くなり、設計上の自由度を広げることができる。
【0091】また、固体撮像素子の周辺部において、斜
めに入射した光がPSG膜とP−SiO膜との界面で大
きく屈折して転送チャネル領域側に進入するということ
がなくなり、固体撮像素子において問題となるスミアを
低減させることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体撮像素子を、例えばフレーム
・インターライン転送(FIT)方式のCCDイメージ
センサに適用した実施例(以下、実施例に係るイメージ
センサと記す)を示す構成図である。
【図2】本実施例に係るイメージセンサの受光部とその
周辺を示す断面図である。
【図3】本実施例に係るイメージセンサの製法を示す製
造工程図であり、同図(a)は転送電極上のPSG膜上
全面にP−SiN膜を形成した段階を示し、同図(b)
はP−SiN膜に対して垂直モードのRIE加工を施し
た段階を示す。
【図4】本実施例に係るイメージセンサの製法を示す製
造工程図であり、同図(a)は転送電極及びP−SiN
膜を覆うようにAl遮光膜を形成した段階を示し、同図
(b)はAl遮光膜を含む全面にP−SiO膜を形成
し、更に熱処理を施した段階を示す。
【図5】従来例に係るイメージセンサの受光部とその周
辺を示す断面図である。
【符号の説明】
1 受光部 2 垂直レジスタ 3 イメージ部 5 ストレージ部 11 N形のシリコン基板 12 第1のP形ウェル領域 13 受光部を構成するN形の不純物拡散領域 14 N形の転送チャネル領域 15 P形のチャネル・ストッパ領域 16 P形の正孔蓄積領域 17 第2のP形ウェル領域 18 読出しゲート部 19 ゲート絶縁膜 20 転送電極 21 熱酸化膜(SiO2 ) 22 PSG膜 23 P−SiN膜 24 Al遮光膜 25 P−SiO膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板に受光部と転送チャネル領域が
    それぞれ配列・形成され、上記転送チャネル領域上にゲ
    ート絶縁膜を介して転送電極が選択的に形成され、該転
    送電極を含む全面に層間絶縁膜が形成され、該層間絶縁
    膜上に上記転送電極を覆うように遮光膜が形成された固
    体撮像素子において、 上記受光部の周辺部に水素含有膜がサイドウォール状に
    形成され、少なくとも上記受光部に対応する部分に上記
    層間絶縁膜とほぼ同じ光屈折率を有する保護絶縁膜が少
    なくとも上記受光部を覆うように形成されていることを
    特徴とする固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 上記水素含有膜は、上記層間絶縁膜上に
    おける上記受光部の周辺部に形成された段差部分に形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素
    子。
  3. 【請求項3】 上記遮光膜は、上記転送電極及び水素含
    有膜を覆うように形成されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の固体撮像素子。
  4. 【請求項4】 上記層間絶縁膜がPSG膜であり、上記
    水素含有膜がプラズマCVD法によって成膜されたシリ
    コン窒化膜であり、上記保護絶縁膜がプラズマCVD法
    によって成膜されたシリコン酸化膜であることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の固体撮像素子。
  5. 【請求項5】 同一基板に受光部と転送チャネル領域が
    それぞれ配列・形成され、上記転送チャネル領域上にゲ
    ート絶縁膜を介して転送電極が選択的に形成された固体
    撮像素子の製法において、 上記転送電極を含む全面に層間絶縁膜を形成する工程
    と、 上記受光部の周辺部に水素含有膜をサイドウォール状に
    形成する工程と、 上記転送電極を覆うように遮光膜を形成する工程と、 上記層間絶縁膜とほぼ同じ光屈折率を有する保護絶縁膜
    を少なくとも上記受光部を覆うように形成する工程と、 全面に熱処理を施す工程とを有することを特徴とする固
    体撮像素子の製法。
  6. 【請求項6】 上記受光部の周辺部に水素含有膜をサイ
    ドウォール状に形成する工程は、 上記層間絶縁膜上全面に水素含有膜を形成する工程と、 上記水素含有膜に対して異方性エッチング処理を施し
    て、上記PSG膜上における上記受光部の周辺部に形成
    された段差部分に上記水素含有膜を残す工程とを有する
    ことを特徴とする請求項5記載の固体撮像素子の製法。
  7. 【請求項7】 上記遮光膜を上記転送電極及び水素含有
    膜を覆うように形成することを特徴とする請求項5又は
    6記載の固体撮像素子の製法。
  8. 【請求項8】 上記層間絶縁膜はPSG膜であり、水素
    含有膜は、プラズマCVD法によって成膜されたシリコ
    ン窒化膜であり、上記保護絶縁膜は、プラズマCVD法
    によって成膜されたシリコン酸化膜であることを特徴と
    する請求項5、6又は7記載の固体撮像素子の製法。
JP6160230A 1994-07-12 1994-07-12 固体撮像素子及びその製法 Pending JPH0832045A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6160230A JPH0832045A (ja) 1994-07-12 1994-07-12 固体撮像素子及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6160230A JPH0832045A (ja) 1994-07-12 1994-07-12 固体撮像素子及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0832045A true JPH0832045A (ja) 1996-02-02

Family

ID=15710524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6160230A Pending JPH0832045A (ja) 1994-07-12 1994-07-12 固体撮像素子及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0832045A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6333544B1 (en) 1999-08-19 2001-12-25 Denso Corporation Integrated photo sensor
US7335538B2 (en) 2005-07-19 2008-02-26 Au Optronics Corporation Method for manufacturing bottom substrate of liquid crystal display device
JP2011096716A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Toshiba Corp 固体撮像素子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6333544B1 (en) 1999-08-19 2001-12-25 Denso Corporation Integrated photo sensor
US7335538B2 (en) 2005-07-19 2008-02-26 Au Optronics Corporation Method for manufacturing bottom substrate of liquid crystal display device
JP2011096716A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Toshiba Corp 固体撮像素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101333903B1 (ko) 고체 촬상 장치의 제조 방법
US8835981B2 (en) Solid-state image sensor
JPH04286361A (ja) 固体撮像装置
KR20200129180A (ko) 고체 촬상 소자 및 고체 촬상 소자의 제조 방법, 전자 기기
US20100149397A1 (en) Solid-state image capturing apparatus, method for manufacturing same, and electronic information device
CN114664872A (zh) 图像传感器及其制造方法
US6127668A (en) Solid state image pickup device and method for manufacturing the same
KR100697290B1 (ko) 이미지 센서의 형성 방법
JP2007115787A (ja) 固体撮像素子
JP2710292B2 (ja) 固体撮像素子
JPH10189936A (ja) 固体撮像素子及びその製造方法
JPH0778959A (ja) 固体撮像素子
JPH0832045A (ja) 固体撮像素子及びその製法
JPH0758772B2 (ja) 固体撮像装置の製造方法
JPH01274468A (ja) 固体撮像素子の製造方法
JP3339238B2 (ja) 固体撮像素子
JP2002324899A (ja) 固体撮像素子の製造方法
JP2006344914A (ja) 固体撮像装置およびその製造方法、並びにカメラ
JPH04263469A (ja) 固体撮像装置
JPH08227989A (ja) 固体撮像素子
JP3298259B2 (ja) 電荷転送素子
JP4449298B2 (ja) 固体撮像素子の製造方法および固体撮像素子
JP2003188368A (ja) 固体撮像装置の製造方法
JPH08213582A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP2007194359A (ja) 固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法