JP4449298B2 - 固体撮像素子の製造方法および固体撮像素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換素子の受光領域に反射防止用の低反射膜を設けた固体撮像素子の製造方法および固体撮像素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CCD固体撮像素子においては、半導体基板に形成した複数のフォトダイオード(光電変換素子)によって入射光量に応じた信号電荷を生成、蓄積し、このフォトダイオードによって生成、蓄積された信号電荷をCCD構造の電荷転送部によって外部に転送することにより、この信号電荷を電気信号に変換して出力するようになっている。
複数のフォトダイオードは、それぞれ単位画素を構成し、半導体基板に2次元配列で設けられており、電荷転送部は、各フォトダイオードの各列毎に設けられ、各フォトダイオードの信号電荷を読み出して垂直方向に転送する複数の垂直転送部と、各垂直転送部によって転送された信号電荷を水平方向に転送する1つまたは複数の水平転送部とで構成される。
また、水平転送部の出力段には、電荷−電圧(電流)変換機能や増幅機能を有する出力部が設けられ、水平転送部によって転送された信号電荷を順次電気信号に変換して後段の信号処理回路等に出力する。
【0003】
また、このような各素子が形成された半導体基板上には、電荷転送部に対応した転送電極やフォトダイオードの受光領域以外の領域を遮光する遮光膜等が絶縁膜を介して形成され、その上層には、各種配線層や平坦化膜等が形成され、さらにその上層にオンチップカラーフィルタやオンチップマイクロレンズ等が設けられている。
また、フォトダイオードの受光領域には、この受光領域における反射光の発生を抑制し、反射光の再入射による画質の乱れを防止するための反射防止膜である低反射膜が設けられている。
【0004】
図4は、以上のような構成を有する従来のCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。以下、この図4に沿って従来のCCD固体撮像素子の製造方法について説明する。
まず、図4(1)において、半導体基板1には上述したフォトダイオードやCCD垂直転送部(ともに図示せず)が設けられている。
そして、この半導体基板1の上面にはゲート絶縁膜(シリコン酸化膜)2が設けられ、このゲート絶縁膜2上のCCD垂直転送部に対応する領域にポリシリコンよりなる転送電極3が設けられている。
また、この転送電極3の表面には絶縁膜4が設けられているが、この絶縁膜4は、例えば転送電極3の直接酸化によって形成された酸化シリコン膜である。
【0005】
次に、図4(2)において、ゲート絶縁膜2上の受光領域に対応する領域に低反射膜(窒化シリコン膜)6が設けられ、その上層に全面にわたって絶縁膜5が形成される。この絶縁膜5は、CVD(chemical vapor deposition )によって酸化シリコン膜を形成したものであり、後述する遮光膜7のエッチング時に下地を保護するためのストッパとして機能する。
この後、図4(3)において、全面に遮光膜材(アルミニウムまたは高融点金属等)を所定の膜厚で積層した後、図4(4)に示すように、受光領域に対応する領域の遮光膜材をフォトレジストとエッチングによって除去し、受光領域に対応した開口部7Aを有する遮光膜7を完成する。
なお、この後、その上層に各種配線層や層間絶縁層、さらには平坦化膜(層内レンズを含む)等を形成した後、オンチップフィルタやオンチップマイクロレンズ等の装着を行うが、これらは本発明で解決しようとする課題とは直接関係しないため説明は省略する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の固体撮像素子においては、図4(4)に示すように、遮光膜7の開口部7Aの内縁部の下面に、酸化シリコン膜による絶縁膜5が介在する構造であるため、破線αで示すような斜めの入射光が遮光膜7と半導体基板1との隙間から転送電極3の下層に入り込むことにより、スミアと呼ばれる縦筋状のノイズを発生させるという問題がある。
また、このようなスミアを低減させるためには、CVD酸化シリコン膜による絶縁膜5を薄くして、遮光膜7の開口端7Aの内縁部下面を半導体基板1に近付けることが必要である。
しかしながら、この絶縁膜5は、遮光膜7のエッチング時に下地を保護するためのものであり、薄膜化は困難である。
【0007】
また、低反射膜6は遮光膜7の開口部7A(すなわちフォトダイオードの受光領域)の全面に形成されていることが望ましいが、遮光膜7との重ね合わせズレを許容する必要があるため、開口部7Aより小さく形成されている。
したがって、仮に低反射膜6が開口部7Aより大きいために遮光膜7と重なってしまった場合や、低反射膜6が開口部7Aより小さいながら、位置ずれによって一部が遮光膜7と重なってしまった場合には、その分、スミア特性を悪化させることになる。
【0008】
なお、この種の固体撮像素子に係る過去の特許出願の明細書や図面等において、ゲート絶縁膜上に遮光膜の端部が直接接触する状態で記載されているものも見られるが、それらは発明の説明を簡潔にすべく、上述したCVDシリコン酸化膜による絶縁膜5を省略しただけであり、実際の製造工程においては、上述のような低反射膜6を設ける場合、特殊なケースを除いて、上述のような絶縁膜5を設けることが必要となり、それに伴う斜め入射光の悪影響を受けざる得ないものとなっていた。
【0009】
そこで本発明の目的は、斜めの入射光によるスミア特性の劣化を防止することが可能な固体撮像素子の製造方法および固体撮像素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の固体撮像素子の製造方法は、半導体基板に光電変換素子および電荷転送部を形成する第1の工程と、前記半導体基板の上面にゲート絶縁膜を形成する第2の工程と、
前記ゲート絶縁膜上の前記電荷転送部に対応する領域に転送電極を形成し、前記転送電極の表面に絶縁膜を形成する第3の工程と、前記ゲート絶縁膜上の少なくとも前記光電変換素子に対応する領域に透明絶縁膜を形成する第4の工程と、前記透明絶縁膜をエッチングすることにより、前記光電変換素子の受光領域上に透明絶縁膜を残すとともに、前記受光領域の外周に位置する部分の透明絶縁膜及びゲート絶縁膜を除去して前記半導体基板を露出させる第5の工程と、前記半導体基板の略全面に遮光膜材を積層し、少なくとも前記光電変換素子の受光領域上に積層された遮光膜材を除去することにより、前記光電変換素子の受光領域に対応する開口部を備えた遮光膜を形成する第6の工程とを有し、前記第4の工程において、前記透明絶縁膜は、前記光電変換素子の受光領域の中央部で膜厚が大きく、受光領域の外周に位置する部分で膜厚が小さいことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記第6の工程により、前記遮光膜と前記半導体基板とが前記光電変換素子の受光領域の外周に位置する部分で直接接触した状態で配置される遮光構造を形成することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記透明絶縁膜は、SiH 4 またはO 2 ガス雰囲気下における常圧CVD法によって形成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の固体撮像素子は、半導体基板に、少なくとも入射光に応じた電荷を生成、蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子によって生成、蓄積された信号電荷を転送する電荷転送部とが設けられるとともに、前記半導体基板上に少なくともゲート絶縁膜を介して前記電荷転送部用の転送電極と、前記光電変換素子の受光領域に対応する開口部を備えた遮光膜とが設けられ、さらに前記ゲート絶縁膜上の光電変換素子の受光領域に対応する領域に透明絶縁膜を有し、前記透明絶縁膜が光電変換素子の受光領域の中央部から外周側に向かって徐々に膜厚が小さく形成されるとともに、前記透明絶縁膜及びゲート絶縁膜が光電変換素子の受光領域の外周に位置する部分で除去され、前記遮光膜が前記受光領域の外周に位置する下面部分で前記半導体基板に直接接触した状態で配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記透明絶縁膜は、SiH 4 またはO 2 ガス雰囲気下における常圧CVD法によって形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明による固体撮像素子の製造方法では、半導体基板に形成したゲート絶縁膜上の少なくとも光電変換素子に対応する領域に透明絶縁膜を形成し、この透明絶縁膜をエッチングすることにより、光電変換素子の受光領域上に透明絶縁膜を残すとともに、受光領域の外周に位置する部分の透明絶縁膜及びゲート絶縁膜を除去して半導体基板を露出させ、その後、半導体基板の略全面に遮光膜材を積層し、受光領域上に積層された遮光膜材を除去することにより、光電変換素子の受光領域に対応する開口部を備えた遮光膜を形成することから、受光領域の外周に位置する部分に遮光膜を適正かつ容易に配置でき、さらに遮光膜の開口部の下面部を半導体基板に直接接触した状態で配置することができる。
【0016】
したがって、遮光膜の下面部と半導体基板が絶縁膜を介さずに直接接触する遮光構造により、受光領域への斜めの入射光を有効に遮光することができ、このような不正な入射光によるスミア特性の劣化を防止することが可能な遮光構造を得ることができる。
【0017】
また、遮光膜と半導体基板とを容易に導通させることができ、電気的に安定した状態を得ることができる。
【0018】
また、本発明による固体撮像素子では、受光領域の外周に位置する部分に遮光膜が適正に配置され、かつ、遮光膜の開口部の下面部が半導体基板に直接接触した状態で配置される遮光構造となっている。
【0019】
したがって、遮光膜の下面部と半導体基板が絶縁膜を介さずに直接接触する遮光構造により、受光領域への斜めの入射光を有効に遮光することができ、このような不正な入射光によるスミア特性の劣化を防止することが可能な遮光構造を得ることができる。
【0020】
また、遮光膜と半導体基板とを容易に導通させることができ、電気的に安定した状態を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限定されないものとする。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。なお、図1はCCD固体撮像素子の水平転送方向の断面を示しているが、垂直転送方向についてもほぼ同様の構造を有しているものとする。以下、この図1に沿って本実施の形態によるCCD固体撮像素子の製造方法について説明する。
なお、CCD固体撮像素子の全体構成については上記従来の技術で説明したものと同様であるので説明は省略する。
まず、図1(1)において、半導体基板11にはフォトダイオードやCCD垂直転送部(ともに図示せず)が設けられている。
そして、この半導体基板11の上面にはゲート絶縁膜(シリコン酸化膜)12が設けられ、このゲート絶縁膜12上のCCD垂直転送部に対応する領域にポリシリコンよりなる転送電極13が設けられている。
また、この転送電極13の表面には絶縁膜14が設けられているが、この絶縁膜14は、例えば転送電極13の直接酸化によって形成された酸化シリコン膜である。
【0023】
次に、図1(2)では、全面に低反射膜材料15Aを所定の膜厚で積層し、その上層全面に平坦化膜材料16Aを積層する。ここで低反射膜材料15Aとしては窒化シリコン膜をCVD等によって所定の膜厚に積層し、平坦化膜材料16Aとしては酸化シリコン膜をCVD等によって所定の膜厚に積層した後、その上面を平坦化する。なお、この場合の平坦化方法には、CMP(化学機械研磨)等を用いることができる。
次に、図1(3)では、フォトレジストおよびエッチング工程により、フォトダイオードの受光領域を残して低反射膜材料15Aと平坦化膜材料16Aを除去する。これにより、図1(3)に示すように、フォトダイオードの受光領域のパターン形状に対応した低反射膜15および平坦化膜16が形成される。これにより、低反射膜15および平坦化膜16と転送電極13および絶縁膜14との間の間隙部には、ゲート絶縁膜12が露出された状態となる。なお、この場合のエッチングは、低反射膜15および平坦化膜16がシリコン系の材料であるので深さの制御は容易に行うことができる。
【0024】
次に、図1(4)では、その上面全体にアルミニウムや高融点金属等の遮光膜材17AをCVD等によって積層する。これにより、低反射膜15および平坦化膜16と転送電極13および絶縁膜14との間の間隙部に遮光膜材17Aが充填され、フォトダイオードの受光領域に対応した低反射膜15および平坦化膜16の外周部にガイドされた状態で、遮光膜17の開口部17Bとなる部分が形成されるとともに、開口部17Bの内周下面部がゲート絶縁膜12に直接当接した状態で配置される。
次に、図1(5)では、遮光膜材17Aおよび平坦化膜16の上面をCMPによって研磨し、平坦化膜16の上面が完全に露出するように遮光膜材17Aを除去して遮光膜17を完成する。これにより、遮光膜17および平坦化膜16の上面は、面一の平坦面に仕上げられる。
なお、この後、その上層に各種配線層や層間絶縁層、さらには平坦化膜(層内レンズを含む)等を形成した後、オンチップフィルタやオンチップマイクロレンズ等の装着を行うが、これらは本発明と職接関係しないため説明は省略する。
【0025】
以上のような工程によって作製されたCCD固体撮像素子においては、遮光膜17の開口部17Bの内周部がエッチングにより形成されるものではないため、下地を保護するための膜が必要なく、従来例におけるCVDシリコン絶縁膜5が必要ない。
そのため、遮光膜17の開口部17Bの下面部と半導体基板11との間隔が従来例に比べて短縮でき、スミアの原因となる斜めの光の入射を抑えることが可能となる。
さらに、低反射膜15は開口部17Bの全面に配置されており、低反射膜15の効果を最大限に発揮することができるため、反射光の再入射量を抑制でき、感度を向上することが可能である。また、この低反射膜15は、遮光膜17の開口内周部と重なることもなく、スミア特性を悪化させることはない。
【0026】
したがって、本実施の形態では、遮光膜17の開口部17Bの下面部と半導体基板11との間隔を縮小して、斜めの光の電荷転送部への入射を抑えることでき、スミアの発生を低減することができる。
また、フォトダイオードの受光領域に形成される低反射膜15の外縁部を遮光膜17の開口部内縁部と重なることなく配置でき、かつ、低反射膜15を開口部17Bの全面に形成することができ、フォトダイオードの受光面における乱反射を有効に防止して、スミア特性を悪化させることなく、感度を向上することができる。
【0027】
なお、上述のようにゲート絶縁膜上に遮光膜の端部が直接接触する状態で記載されているものについては、過去の特許出願の明細書や図面等において記載されたものも存在するが、実際に製造される固体撮像素子では、遮光膜のエッチング工程に伴い、低反射膜の上に絶縁膜を設けることが必要となるため、図1(Z)に示す固体撮像素子を得るためには、本発明に固有の製造方法を用いることが必要となる。
したがって、本発明は固体撮像素子の製造方法に加えて、このような製造方法によって形成される固体撮像素子の構造も本発明に特有のものであり、本発明に含まれるものとする。
【0028】
図2は、本発明の第2の実施の形態によるCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。なお、図2はCCD固体撮像素子の水平転送方向の断面を示しているが、垂直転送方向についてもほぼ同様の構造を有しているものとする。以下、この図2に沿って本実施の形態によるCCD固体撮像素子の製造方法について説明する。
まず、図2(1)において、半導体基板21にはフォトダイオードやCCD垂直転送部(ともに図示せず)が設けられている。
そして、この半導体基板21の上面にはゲート絶縁膜(シリコン酸化膜)22が設けられ、このゲート絶縁膜22上のCCD垂直転送部に対応する領域にポリシリコンよりなる転送電極23が設けられている。
また、この転送電極23の上面には、CVD等によって積層されたシリコン酸化膜等の絶縁膜24が設けられている。この絶縁膜24は、後述するエッチバックによるコンタクト形成時のエッチング保護膜となるものである。
次に、図2(2)において、転送電極23及び絶縁膜24の表面を熱酸化し、酸化シリコン膜による絶縁膜25を形成する。すなわち、本例では、CVDシリコン酸化膜による絶縁膜24と熱酸化シリコン膜による絶縁膜25の複合絶縁膜で転送電極23を包囲している。
【0029】
次に、図2(3)では、全面に低反射膜材料26Aを所定の膜厚で積層し、その上層全面に平坦化膜材料27Aを積層する。ここで低反射膜材料26Aとしては窒化シリコン膜をCVD等によって所定の膜厚に積層し、平坦化膜材料27Aとしては酸化シリコン膜をCVD等によって所定の膜厚に積層した後、その上面を平坦化する。なお、この場合の平坦化方法には、CMP(化学機械研磨)等を用いることができる。
次に、図2(4)では、フォトレジストおよびエッチング工程により、フォトダイオードの受光領域を残して平坦化膜材料27Aを除去し、次いで図2(5)では、フォトダイオードの受光領域を残して低反射膜材料26Aを除去する。これにより、フォトダイオードの受光領域のパターン形状に対応した低反射膜26および平坦化膜27が形成される。
これにより、低反射膜26および平坦化膜27と転送電極23および絶縁膜25との間の間隙部には、ゲート絶縁膜22が露出された状態となる。
【0030】
次に、図2(6)に示すように、エッチバック(全面ドライエッチング)を行い、このエッチバックによってゲート絶縁膜22の露出部分に溝部22Aを形成し、この溝部22Aより半導体基板の表面を露出させる。
すなわち、この溝部22Aは、受光領域上の低反射膜26および平坦化膜27と転送電極23の上面の絶縁膜24、25をマスクとするエッチングによって形成される。この際、絶縁膜24、25の複合膜が転送電極23の保護膜として有効に機能する。
【0031】
次に、図2(7)では、その上面全体にアルミニウムや高融点金属等の遮光膜材28AをCVD等によって積層する。
これにより、低反射膜26および平坦化膜27と転送電極23および絶縁膜24、25との間の間隙部、ならびにゲート絶縁膜22に形成した溝部22Aに遮光膜材28Aが充填され、フォトダイオードの受光領域に対応した低反射膜26および平坦化膜27の外周部にガイドされた状態で、遮光膜28の開口部28Bとなる部分が形成されるとともに、開口部28Bの内周下面部が半導体基板21の表面に直接当接した状態で配置される。
次に、図2(8)では、遮光膜材28Aおよび平坦化膜27の上面をCMPによって研磨し、平坦化膜27の上面が完全に露出するように遮光膜材28Aを除去して遮光膜28を完成する。これにより、遮光膜28および平坦化膜27の上面は、面一の平坦面に仕上げられる。
なお、この後、その上層に各種配線層や層間絶縁層、さらには平坦化膜(層内レンズを含む)等を形成した後、オンチップフィルタやオンチップマイクロレンズ等の装着を行うが、これらは本発明と職接関係しないため説明は省略する。
【0032】
以上のような工程によって作製されたCCD固体撮像素子においては、遮光膜28の開口部28Bの内周部がエッチングにより形成されるものではないため、下地を保護するための膜が必要なく、従来例におけるCVDシリコン絶縁膜5が必要ない。
そのため、遮光膜28の開口部28Bの下面部と半導体基板21との間隔が従来例に比べて短縮でき、スミアの原因となる斜めの光の入射を抑えることが可能となる。
さらに、低反射膜26は開口部28Bの全面に配置されており、低反射膜26の効果を最大限に発揮することができるため、反射光の再入射量を抑制でき、感度を向上することが可能である。また、この低反射膜26は、遮光膜28の開口内周部と重なることもなく、スミア特性を悪化させることはない。
【0033】
したがって、本実施の形態では、遮光膜28の開口部28Bの下面部と半導体基板21との間隔を縮小して、斜めの光の電荷転送部への入射を抑えることでき、スミアの発生を低減することができる。
また、フォトダイオードの受光領域に形成される低反射膜26の外縁部を遮光膜28の開口部内縁部と重なることなく配置でき、かつ、低反射膜26を開口部28Bの全面に形成することができ、フォトダイオードの受光面における乱反射を有効に防止して、スミア特性を悪化させることなく、感度を向上することができる。
さらに、遮光膜28の開口部28Bの下面部を半導体基板21の表面を直接当接させて導通させたことから、半導体基板21および遮光膜28の電位を安定化することが可能となり、読み出し電圧の低減や、飽和信号のムラやニー特性を改善を図ることができる。
【0034】
図3は、本発明の第3の実施の形態によるCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。なお、図3はCCD固体撮像素子の水平転送方向の断面を示しているが、垂直転送方向についてもほぼ同様の構造を有しているものとする。以下、この図3に沿って本実施の形態によるCCD固体撮像素子の製造方法について説明する。
本実施の形態は、上述した従来例と同様に、エッチングによって遮光膜に開口部を形成するものであるが、遮光膜の形成に先立って受光領域上の透明絶縁膜を工夫することにより、受光領域の周辺部分で遮光膜の開口部下面部がフォトダイオード(基板)の表面に直接接触した遮光構造を形成できるようにしたものである。
【0035】
まず、図3(1)において、半導体基板31にはフォトダイオードやCCD垂直転送部(ともに図示せず)が設けられている。
そして、この半導体基板31の上面にはゲート絶縁膜(シリコン酸化膜)32が設けられ、このゲート絶縁膜32上のCCD垂直転送部に対応する領域にポリシリコンよりなる転送電極33が設けられている。
次に、転送電極33の表面を熱酸化し、酸化シリコン膜による絶縁膜34を形成する。
【0036】
次に、図3(2)において、全面に遮光膜下の層間絶縁膜となる透明絶縁膜35を形成するが、この透明絶縁膜35を、SiH4 又はO2 を反応ガスとする常圧CVD法で形成することにより、図示のように、フォトダイオードの上部領域では、中央部で膜厚が大きく、外周側に向かって膜厚が小さくなり、転送電極33に近接する部分で薄い状態となる。
次に、透明絶縁膜35に対して全面エッチバックを行う。
図3(3)は、この全面エッチバック後の状態を示している。図示のように、撮像領域全体を均一に異方性を有する条件で、適切な膜厚だけCVD酸化シリコン膜(透明絶縁膜)35をエッチバックすることにより、膜厚の薄い転送電極33に近接する部分(すなわち、受光領域の外周領域)において、CVD酸化シリコン膜35及び、ゲート絶縁膜32が除去され、フォトダイオード表面のP型不純物層を露出させることができる(露出部31A)。
一方、フォトダイオードの受光領域の中央部にはCVD酸化シリコン膜35が残っている(残膜部35A)。
【0037】
この後、図3(4)に示すように、全面に遮光膜材36Aを形成した後、図3(5)に示すように、開口部36Bを形成する部分の遮光膜材36Aをエッチングによって除去し、遮光膜36を形成する。このとき、開口部36Bとなる部分のフォトダイオードの受光領域の表面には、上述したCVD酸化シリコン膜35が残っているため、遮光膜材36Aのエッチング時に下地は十分に保護されることになる。
また、転送電極33に近接する部分(すなわち、受光領域の外周領域)においては、遮光膜36の開口部36Bの下面部分がコンタクトとなってフォトダイオード表面のP型半導体層と導通しており、安定した電位に保持することができるので、読み出し電圧の低減や、飽和信号のムラやニー特性の改善を図ることができる。
そして、このようなコンタクト構造は、上述した全面エッチバック処理において、転送電極33のセルフアラインによって形成することができるので、フォトリソドグラフィによるレジストマスク等を用いることなく形成でき、フォトリソドグラフィの解像度や重ね合わせ精度に依存することなく、高精度のコンタクトを容易に作成できる利点がある。
また、このような遮光膜36によるコンタクト構造によってフォトダイオードの受光領域の周辺部分が確実に遮光され、斜めの入射光を適正に遮光でき、スミア等を有効に抑制できる。
【0038】
なお、本発明にかかる固体撮像素子の製造方法および固体撮像素子は、上記図1〜図3に示す構成のものに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上述した例では、2次元画素配列のCCD固体撮像素子を前提として説明したが、本発明は、それ以外の固体撮像素子についても同様に適用し得るものである。
また、上述した例では、反射防止用の低反射膜15を有する場合を説明したが、このような低反射膜15を設けず、一体の透明絶縁膜を平坦化膜として設けるような構成であってもよい。
さらに、上述した各層の膜種や加工方法等は適宜変形が可能なものである。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明による固体撮像素子の製造方法によれば、半導体基板に形成したゲート絶縁膜上の少なくとも光電変換素子に対応する領域に透明絶縁膜を形成し、この透明絶縁膜をエッチングすることにより、光電変換素子の受光領域上に透明絶縁膜を残すとともに、受光領域の外周に位置する部分の透明絶縁膜及びゲート絶縁膜を除去して半導体基板を露出させ、その後、半導体基板の略全面に遮光膜材を積層し、受光領域上に積層された遮光膜材を除去することにより、光電変換素子の受光領域に対応する開口部を備えた遮光膜を形成することから、受光領域の外周に位置する部分に遮光膜を適正かつ容易に配置でき、さらに遮光膜の開口部の下面部を半導体基板に直接接触した状態で配置することができる。
したがって、遮光膜の下面部と半導体基板が絶縁膜を介さずに直接接触する遮光構造により、受光領域への斜めの入射光を有効に遮光することができ、このような不正な入射光によるスミア特性の劣化を防止することが可能な遮光構造を得ることができる。
また、遮光膜と半導体基板とを容易に導通させることができ、電気的に安定した状態を得ることができる。
【0040】
また、本発明による固体撮像素子によれば、受光領域の外周に位置する部分に遮光膜が適正に配置され、かつ、遮光膜の開口部の下面部が半導体基板に直接接触した状態で配置される遮光構造となる。
したがって、遮光膜の下面部と半導体基板が絶縁膜を介さずに直接接触する遮光構造により、受光領域への斜めの入射光を有効に遮光することができ、このような不正な入射光によるスミア特性の劣化を防止することが可能な遮光構造を得ることができる。
また、遮光膜と半導体基板とを容易に導通させることができ、電気的に安定した状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態によるCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態によるCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態によるCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。
【図4】 従来のCCD固体撮像素子の画素周辺部の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
11、21、31……半導体基板、12、22、32……ゲート絶縁膜、13、23、33……転送電極、14、24、25、34……絶縁膜、15、26……低反射膜、16、27……平坦化膜、17、28、36……遮光膜、17B、28B、36B……開口部、35……CVD酸化シリコン膜。
Claims (5)
- 半導体基板に光電変換素子および電荷転送部を形成する第1の工程と、
前記半導体基板の上面にゲート絶縁膜を形成する第2の工程と、
前記ゲート絶縁膜上の前記電荷転送部に対応する領域に転送電極を形成し、前記転送電極の表面に絶縁膜を形成する第3の工程と、
前記ゲート絶縁膜上の少なくとも前記光電変換素子に対応する領域に透明絶縁膜を形成する第4の工程と、
前記透明絶縁膜をエッチングすることにより、前記光電変換素子の受光領域上に透明絶縁膜を残すとともに、前記受光領域の外周に位置する部分の透明絶縁膜及びゲート絶縁膜を除去して前記半導体基板を露出させる第5の工程と、
前記半導体基板の略全面に遮光膜材を積層し、少なくとも前記光電変換素子の受光領域上に積層された遮光膜材を除去することにより、前記光電変換素子の受光領域に対応する開口部を備えた遮光膜を形成する第6の工程とを有し、
前記第4の工程において、前記透明絶縁膜は、前記光電変換素子の受光領域の中央部で膜厚が大きく、受光領域の外周に位置する部分で膜厚が小さい、
ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 前記第6の工程により、前記遮光膜と前記半導体基板とが前記光電変換素子の受光領域の外周に位置する部分で直接接触した状態で配置される遮光構造を形成することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子の製造方法。
- 前記透明絶縁膜は、SiH4またはO2ガス雰囲気下における常圧CVD法によって形成することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子の製造方法。
- 半導体基板に、少なくとも入射光に応じた電荷を生成、蓄積する光電変換素子と、前記光電変換素子によって生成、蓄積された信号電荷を転送する電荷転送部とが設けられるとともに、
前記半導体基板上に少なくともゲート絶縁膜を介して前記電荷転送部用の転送電極と、前記光電変換素子の受光領域に対応する開口部を備えた遮光膜とが設けられ、
さらに前記ゲート絶縁膜上の光電変換素子の受光領域に対応する領域に透明絶縁膜を有し、
前記透明絶縁膜が光電変換素子の受光領域の中央部から外周側に向かって徐々に膜厚が小さく形成されるとともに、前記透明絶縁膜及びゲート絶縁膜が光電変換素子の受光領域の外周に位置する部分で除去され、
前記遮光膜が前記受光領域の外周に位置する下面部分で前記半導体基板に直接接触した状態で配置される、
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記透明絶縁膜は、SiH4またはO2ガス雰囲気下における常圧CVD法によって形成されていることを特徴とする請求項4記載の固体撮像素子。
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