JPH08315757A - X線イメージ管装置 - Google Patents
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Abstract
ージ管装置を提供すること。 【構成】 X線イメージ管10の外周を囲むように配置
された磁気シールド筒体11b,11cを具備したX線
イメージ管装置において、真空容器12の入力窓13の
前方に強磁性体薄板16を配置し、また、磁気シールド
筒体の内側で且つ入力窓13を囲む領域に補正用の電磁
コイル17を配置している。
Description
などに使用されるX線イメージ管装置に関する。
を参照して説明する。X線イメージ管90は、それを収
容する円筒状の筐体91の内部に配置されている。X線
イメージ管90を構成する真空容器92は、その前面が
X線を透過し大気側に突出する球面状をしたX線入力窓
93になっている。入力窓93の裏面すなわち真空領域
側には、直接又は別に近接して置かれた球面状入力基板
面に入力スクリーン94が形成されている。入力スクリ
ーン94は入力蛍光体層や光電面からなり、入力窓93
を通して入力するX線像を電子像に変換する。なお入力
スクリーン94で変換された電子像を構成する電子は、
真空容器92の内側に配列された複数個の電極95で加
速集束され、点線Yで示すように進行し出力スクリーン
96に入射する。出力スクリーン96は、電子像を例え
ば光学像に変換する。この光学像はレンズ97で結像さ
れCCD型TVカメラ98に入力される。TVカメラ9
8は、光学像を電気信号に変換しCRTモニタ99に送
る。そしてモニタ99は、電気信号を画像として再生す
る。このようにして再生された画像はX線診断や検査な
どに利用される。なお、矢印Fは、外部磁界による磁力
線を示している。
検査などに利用されるX線イメージ管装置は、使用され
る場所での地磁気や近接する電気機器で発生する磁界が
あるとその影響を受ける。これにより、出力画像に回転
歪やいわゆるS字歪と呼ばれるねじれ現象が生じる。こ
のような歪を防ぐために、例えば、X線イメージ管の周
囲に磁気シールドが施される。しかし、X線イメージ管
の周囲には十分な厚さの磁気シールド筒体を配置するこ
とができるが、X線が入射する入力窓の部分に厚い磁気
シールド板を配置すると、入射X線の不所望な吸収や散
乱が起り不具合が生じる。そのため、X線イメージ管の
入力窓を通して外部磁界が内部に入り込み、回転歪やS
字歪を発生させる。
単に説明する。例えば、X線イメージ管の入力窓を通し
て磁力線が入ると、この磁力線と入力スクリーンから発
生する電子の軌道とが交差する場合がある。両者が交差
する結果として、電子にローレンツ力が働きその軌道が
曲げられる。X線イメージ管の中心軸に対して外部磁界
の磁力線が平行である場合、X線イメージ管の入力スク
リーンの中心部から出た電子はその軌道が磁力線と平行
であるため、その軌道に影響をほとんど受けない。
域では、侵入磁界の磁力線Fが図示のように周囲の磁気
シールド筒体に引っ張られることと、入力窓が凸球面に
なっていることから、電子の軌道と磁力線が比較的大き
い角度で交差する。このため外部磁界の影響を受けて電
子の軌道は曲がる。したがって、出力画像に全体として
回転方向のねじれが生じる。また、入力スクリーンの中
心部と周辺部との間の中間領域から出る電子は、周辺部
から出る電子よりも侵入磁界と交差し続ける距離が長い
ため、この中間領域から出る電子の軌道の曲りが大き
く、それによって出力画像にS字歪が生じる。
解消する方法として、補正用の電磁コイルを配置し、そ
れに直流電流を流して逆磁界を発生させて外部磁界を打
ち消す方法がある。しかしこの方法の場合は、電磁コイ
ルが発生する磁界と外部から入ってくる磁界の大きさ及
び方向が等しくないと、侵入磁界が完全に打ち消されず
その効果には限界がある。
配置するとともに外部磁界の大きさと方向を複数組の磁
気センサで検出し、検出された信号を演算処理して撮像
管TVカメラの電子軌道を制御して画像歪を補正する方
法も、例えば特開平2−210744号公報において提
案されている。しかし、この方法の場合は、磁気センサ
や演算、制御装置などが必要であり、構成が複雑で高価
となる。
で、簡単な構造で外部磁界の侵入による出力画像の歪の
発生を防止できるX線イメージ管装置を提供することを
目的とする。
管の入力窓の前方に強磁性体薄板を配置するとともにこ
のX線イメージ管を囲むように配置した磁気シールド筒
体の入力窓側端部の内側領域で且つこの入力窓の主要部
を囲むように電磁コイルを配置したX線イメージ管装置
である。また、強磁性体薄板は、好ましくは初透磁率μ
0 が1000以上の材料であって且つその厚さが200
μm以下としたX線イメージ管装置である。
力窓前面に配置し外部磁界を幾分通す強磁性体薄板と電
磁コイルとの組合わせにより、侵入外部磁界で生じる回
転歪及びS字歪を解消する内部磁界が得られ、歪のほと
んどない出力画像を得ることができる。
説明する。X線イメージ増強管10は、アルミニウムで
構成された略円筒状の筐体11の内部に配置されてい
る。X線イメージ管の一部を構成する真空容器12は、
その前面が大気側に突出した球面状のアルミニウム製の
X線入力窓13になっている。この入力窓13の裏面に
は入力スクリーン14が形成されている。入力スクリー
ン14は入力蛍光体層や光電面からなり、入力窓13を
通して入力するX線像を電子像に変換する。また、入力
スクリーン14に対向するように真空容器12の他端部
に出力スクリーン15が設けられている。この出力スク
リーン15は、電子像を光学的あるいは電気的な像に変
換する機能を有している。なお、X線イメージ管の管内
には、所定箇所に陽極を含む複数の加速集束電極18
(同図にはその一部のみ図示)が配置されている。
ルド層11a、及び磁気シールド層11bが内張りされ
ている。X線シールド層11aには鉛が使用されてい
る。また磁気シールド層11bには、Ni−Fe合金の
強磁性材料である「パーマロイ」が使用され、約1mm
の厚さに構成されている。なお、この磁気シールド層1
1bは、X線イメージ管10の入力窓13の近傍から出
力スクリーン15の近傍まで筐体11の内面のほぼ全体
に沿って配置されている。さらにまた、筐体11の入力
側の開口端部には、同じく「パーマロイ」からなる短円
筒状の入力側フランジ部11cが入力窓13を取り巻く
ように固定され、筐体の一部を構成している。比較的厚
肉の強磁性体からなるこの入力側フランジ部11cは、
磁気シールド層11bと磁気的に接続されており、X線
イメージ管の外周を囲む磁気シールド筒体を構成してい
る。
入力側フランジ部11cの先端開口部に、焼き入れ、焼
鈍処理した約50μmの厚さの「パーマロイ」からなる
強磁性体薄板16が磁気的及び機械的に結合固定されて
いる。そしてまた、筐体の入力側端部とX線イメージ管
10との間の空間、とくにこの実施例では入力窓13の
主要部すなわち入力スクリーンが形成された領域を取り
囲むフランジ部11cの内側空間に、電磁コイル17が
配置されている。この電磁コイル17は、導線を数10
ターン巻いた空芯コイルであり、これに図示しない外部
電源から数mA乃至数100mAの直流電流を供給する
ようになっている。なお、この電磁コイル17は、X線
イメージ管10の真空容器12の胴部の入力スクリーン
に近い領域の外周壁と筐体内壁との間に配置してもよ
い。
において、X線は強磁性体薄板16及びX線イメージ管
の入力窓13を通過して入力スクリーン14に入力され
る。そして、入力スクリーン14においてX線像は電子
像に変換され管内に放出される。入力スクリーン14か
ら出た電子は、真空容器12の内部に配列された加速集
束電極18で加速集束され、矢印Yのように進行し出力
スクリーン15に入射される。そして、光学的あるいは
電気的な像に変換され出力される。
電流を適当に調整することにより、X線イメージ管の出
力画像の回転歪やS字歪をほぼ完全に解消して、高画質
の出力画像を得ることができる。
部磁界の侵入が生じるにもかかわらず回転歪やS字歪が
ほとんどない高画質の出力画像を得ることができる理由
を説明する。
い場合のX線イメージ管装置の出力画像は、図4に示す
ように、歪のない画像となる。すなわち、同図は、完全
に磁気シールドして外部磁界のない室内空間にX線イメ
ージ管装置を配置し、X線イメージ管の入力窓の前方に
等間隔で直角に交差する格子パターンを置き、この格子
パターンを通してX線を入射させて得た出力画像のCR
Tモニタ表示画像である。この場合は、同図から、回転
歪やS字歪が発生せず、出力画像が格子パターンを忠実
に再生表示していることがわかる。
成でそのX線イメージ管の管軸に平行に1ガウスの外部
磁界を印加した場合を、図5に示す。この場合、外部磁
界の磁力線は、図9に符号Fで示すように、周辺側ほど
イメージ管の外周に配置された磁気シールド筒体に向か
って曲がっている。そのため、再生された格子パターン
に強いS字歪が生じているとともに全体的に格子パター
ンが時計回りにねじれている。
す従来の構成で補正用の電磁コイルに所定の直流電流を
流した場合である。すなわち、図2は、X線イメージ管
装置の入力側を半断面した図で、20はX線イメージ
管、21はアルミニウムで構成された筐体、21aはX
線シールド層、21bは磁気シールド層、21cは筐体
及びX線シールドの一部を構成するフランジ部、23は
イメージ管の前面入力窓、24は入力スクリーン、25
は補正用の電磁コイルをあらわしている。
部磁界と逆向きの磁力線Fを発生するように直流電流を
流す。この電磁コイル25によって発生される磁力線F
は、外部磁界の一部を打ち消すようになり、得られる格
子パターンの出力像は図6に示すようになる。すなわ
ち、回転方向のねじれの歪はほぼ解消されるが、S字歪
はほとんど解消されない。
線イメージ管入力窓の前方に薄い磁気シールド板を配置
した場合は、図7に示すような格子パターンの出力画像
となる。同図から、回転方向のねじれの歪はほとんど解
消されず、S字歪はかなり改善されるもののまだ相当発
生していることがわかる。これは、入力窓前方の磁気シ
ールド板が外部磁界を完全に遮蔽できず、X線イメージ
管の内部に侵入する磁界があるためである。
イメージ管装置によると、図8に示すように、回転方向
のねじれ歪及びS字歪がほぼ完全に解消されて、外部磁
界がまったくない場合の出力画像である図4とほとんど
変わらない忠実性のすぐれた格子パターン出力画像が得
られた。とくに注目できることは、図7に示した出力画
像に存在するS字歪を本発明により解消することができ
る点である。その理由を次に定性的に説明する。
は、前にも述べたように、入力スクリーンの中心部及び
周辺部から出る電子に比べて、入力スクリーンの半径方
向の中間部から出る電子の方が外部から侵入する磁界か
ら相対的に大きい回転方向のローレンツ力を受けるから
である。この入力スクリーンの中間部から出る電子に対
しては、補正用の電磁コイルによる補正磁界はS字歪を
解消する作用をほとんど示さないもの考えられる。その
理由は、図2に示すように、電磁コイル25による補正
磁界の磁力線Fと入力スクリーンの中間部から出た電子
eの進行方向とが交差する角度は小さく、したがって中
間部から出た電子eはこの補正磁界では逆回転方向すな
わちS字歪を矯正する方向の曲げ力をほとんど受けない
からである。
示すように、入力窓13の前方に強磁性体薄板16があ
るため電磁コイル17による補正磁界の磁力線Fが入力
スクリーンの中間部領域からそのまま強磁性体薄板16
に向かい、入力スクリーンの中間部から出た電子eの進
行方向と大きい角度で交差する。したがって、この中間
領域から出た電子eは、図2の場合よりも反時計方向の
回転力を相対的に強く受けてS字歪が補正される。この
ような回転力の程度は、電磁コイル17による補正磁界
の強さ、及び強磁性体薄板16の初透磁率、厚さなどで
決まるので、これらを適当に設定することにより出力画
像の歪を完全に解消することができる。X線イメージ管
装置においては、当然のことながら、入射X線の強磁性
体薄板16や入力窓13での吸収或いは散乱を極力小さ
くする必要があるので、実用し得る強磁性体薄板16
は、それを考慮したものとする必要がある。上記実施例
に述べた「パーマロイ」は、初透磁率μ0 が約8000
である。その適当な厚さは、9インチサイズ又はそれ以
下の小型サイズのX線イメージ管の場合では30〜70
μmの範囲、また、9インチを超える大型サイズのX線
イメージ管の場合では70〜150μmの範囲が適当で
ある。強磁性体薄板は、十分高いX線透過率を持つよう
に薄く構成する上から、初透磁率μ0 が1000以上、
より好ましくは2000以上の材料を使用し、またその
厚さは200μm以下、より好ましくは150μm以下
にするこしが適当である。なお、強磁性材料の薄板を単
体で使用する場合は、その機械的強度を考慮して20μ
m以上の厚さにすることが好ましい。なおまた、X線吸
収、散乱の少ない例えばプラスチックスの薄板に蒸着等
で20μmよりも薄く強磁性体被膜を形成して使用して
もよい。
する磁気シールド筒体と前面の強磁性体薄板とを、同一
又は類似の強磁性体材料、或いは同一又は類似の初透磁
率をもつ材料で構成する場合は、強磁性体薄板の厚さ
を、概ね、磁気シールド筒体の厚さの1.5%以上、2
0%以下の範囲に定めることが望ましい。それによっ
て、上述のような歪のない出力画像を得ることができ
る。
転歪やS字歪を解消し得るX線イメージ管装置を実現で
きる。
である。
る。
である。
である。
図である。
画像を説明する図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 X線像が入力する入力窓を一端に有する
真空容器、前記入力窓を通して入力するX線像を電子像
に変換する入力スクリーン、前記電子像を構成する電子
を加速集束する電極、及び前記電極で加速集束された電
子による電子像を光学的または電気的な出力像に変換す
る出力スクリーンを備えるX線イメージ管と、前記X線
イメージ管の外周に配置された磁気シールド筒体とを具
備したX線イメージ管装置において、前記X線イメージ
管の入力窓の前方に強磁性体薄板が配置されるとともに
前記磁気シールド筒体の前記入力窓側端部の内側領域で
且つ前記入力窓の主要部を囲むように電磁コイルが配置
されていることを特徴とするX線イメージ管装置。 - 【請求項2】 強磁性体薄板は、初透磁率μ0 が100
0以上の材料であって且つその厚さが200μm以下で
ある請求項1記載のX線イメージ管装置。 - 【請求項3】 強磁性体薄板及び磁気シールド筒体は同
一又は類似の強磁性材料で構成されるとともに、前記強
磁性体薄板の厚さは前記磁気シールド筒体の厚さの1.
5%以上、20%以下の範囲になっている請求項1記載
のX線イメージ管装置。
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