JP4604845B2 - X線受像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、入射X線像に応じた光電子像を出力する入力面基板と光電子像を縮小結像させる電子レンズ系と電子レンズ系で縮小結像された光電子像を可視光像に変換出力する出力蛍光面とを収納したイメージ管を備えているX線受像装置に係り、特に光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を打ち消すための技術に関する。
従来のこの種のイメージ管を備えたX線受像装置は、図9および図10に示すように、入射X線像に応じた光電子像を出力する為のCsI等の蛍光面と光電陰極とからなる入力面基板51と、入力面基板51の光電陰極から放出される光電子像を縮小結像させる為の電子レンズ系52と、電子レンズ系52のレンズ作用で縮小結像された光電子像を可視光像に変換出力する出力蛍光面53とを収納した真空密封式のイメージ管54が金属製外容器55に納められている。
従来のX線受像装置では、通常、歪み誘発磁気として地磁気がローレンツ力で光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす。地磁気は、例えば、図11(a)に示すように、+の形の入射X線像XAが、図11(b)に示すように、正しく+の形の可視光像Xaに変換されずに、縦・横が共にS字状にゆがんだ歪みのある可視光像Xbに変換されてしまう。そこで、地磁気による可視光像の歪みを回避する為に、イメージ管54の中の電子レンズ系52をイメージ管54の外側で囲むかたちで強磁性体製の円筒状の磁気シールド体56を設置して磁気遮蔽を行なっている。磁気シールド体56が磁気遮蔽壁となってイメージ管54の周側面から地磁気がかかるのを防ぐのである。
ただX線の入射面である入力面基板51の前面には、入射X線像のX線強度低下を阻止するために、磁気遮蔽を施すことができず、X線の入射面には、アルミニウムやチタン,ガラス等の窓57を設けざるを得ない。したがって、イメージ管54の窓57からかかる地磁気は磁気シールド体56では防げず、磁気シールド体56だけで地磁気による可視光像の歪みを抑えられない。
それで、図9および図10に示すように、可視光像の歪み誘発磁気を打ち消す歪み補正磁気を発生する歪み補正コイル58と、コイル電流を供給する電源59を設けると共に、入力面基板51の近傍の地磁気を検出する磁気センサー60と磁気センサー60の出力信号にしたがって電源59を制御する電源制御部61とを設けておき、磁気センサー60で検出された地磁気に対応したコイル電流が歪み補正コイル58に流れるように電源制御部61で電源59をコントロールし、歪み補正コイル58に歪み誘発磁気の強さに見合ったコイル電流を電源59から供給して歪み誘発磁気を打ち消すことが行われている。この歪み補正コイル58による地磁気の打ち消し作用により、イメージ管54の窓57からかかる歪み誘発磁気としての地磁気による可視光像の歪みを抑えている(例えば特許文献1参照。)。
一方、イメージ管54の出力蛍光面53に生じる可視光像は、TVカメラ62により撮影されて電気信号に変換された上で入射X線像に対応するX線画像取得用のX線検出信号として出力される。TVカメラ62の後段では、X線検出信号にしたがってX線画像が取得されて表示モニタ(図示省略)の画面に表示されたりする。
他方、従来のX線受像装置の場合、随時、イメージ管54の入力面基板51における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面53に実際に可視光像となって出現する範囲を規定する有効視野口径が変更可能な構成となっている。例えばイメージ管54で設定される最大の有効視野口径が仮に12インチであるとすると、例えば12インチと9インチの大小二つの有効視野口径の間で有効視野口径の変更が随時行なえる。
有効視野口径の小さい方が出力蛍光面53での可視光像の倍率が上がるので、最終的なX線画像の倍率も有効視野口径が小さい方が上がる。したがって、口径の小さいイメージ管54の有効視野口径モードを、通常、拡大視野モードと称したりする。
特開平7−65756号公報(第3〜4頁、図1〜図4)。
しかしながら、上記従来のX線受像装置は、可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気(地磁気)の打ち消しが、イメージ管54で設定される有効視野口径の口径寸法によっては、十分でないという問題がある。
歪み補正コイル58により発生する歪み補正磁気の強度は、図12に示すように、入力面基板51の中央から周縁にかけて相当に変化しており、打ち消し対象である地磁気と比較すると均一性が弱く、歪み補正コイル58により発生する歪み補正磁気で地磁気を的確に打ち消すことはできない。
通常、イメージ管54の有効視野口径を使用頻度の高い最大の有効視野口径に設定した場合に、可視光像やX線画像の上で歪みが目立たないように歪み補正コイル58により歪み補正磁気を発生させる構成とされている。しかし、この場合、拡大視野モードに変更した時に、可視光像やX線画像の倍率が上がるので、可視光像やX線画像の歪みが目立つことになる。
逆に、イメージ管54の有効視野口径を拡大視野モードの有効視野口径に設定した場合に、可視光像やX線画像の上で歪みが目立たないように歪み補正コイル58により歪み補正磁気を発生させる構成とすると、イメージ管54の有効視野口径を、使用頻度の高い最大の有効視野口径にした時に、可視光像やX線画像は周縁での歪みが大きなものとなってしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、イメージ管で設定される有効視野口径の口径寸法の如何にかかわらず、可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を十分に打ち消すことができるX線受像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明に係るX線受像装置は、入射X線像に応じた光電子像を出力する入力面基板と光電子像を縮小結像させる電子レンズ系と電子レンズ系で縮小結像された光電子像を可視光像に変換出力する出力蛍光面とを収納したイメージ管と、イメージ管の中の電子レンズ系をイメージ管の外側で囲むかたちで配設されている筒状の磁気シールド体と、イメージ管のX線入力面の外周縁に沿って入力面基板の外周空間を囲むかたちで巻回され、光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を検出する磁気検出手段と、磁気検出手段による歪み誘発磁気の検出結果に基づいて歪み誘発磁気を打ち消す歪み補正磁気を発生する歪み補正コイルと、入力面基板における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面に実際に可視光像となって出現する範囲を規定する有効視野口径を予め定められた口径寸法の異なる複数の有効視野口径の間で変更可能に設定する視野口径設定手段とを備えたX線受像装置において、イメージ管で設定される有効視野口径別に各有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を有効視野口径毎に選択可能に歪み補正コイルに供給するコイル電流供給手段を備えていて、コイル電流供給手段が視野口径設定手段で設定される有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイルに供給することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1の発明のX線受像装置において入射X線像の撮像が行なわれる場合、イメージ管では入力面基板への入射X線像の投影で生じた光電子像を電子レンズ系が、磁気シールド体による磁気遮蔽によって地磁気の影響を回避しながら出力蛍光面に縮小結像させる結果、出力蛍光面では縮小結像された光電子像が可視光像に変換出力される。つまり磁気シールド体が磁気遮蔽壁となってイメージ管の周側面から光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気としての地磁気がかかるのを防ぐ。
加えて、請求項1の発明のX線受像装置では、入射X線像の撮像と同時平行で、イメージ管のX線入力面の外周縁に沿って入力面基板の外周空間を囲むかたちで巻回されている歪み補正コイルが歪み補正磁気を発生することにより、光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気としてX線入力面側からかかる地磁気を打ち消す。
その結果、光電子像の歪みが阻止されて、出力蛍光面に出力される可視光像の歪みが抑えられる。
一方、請求項1の発明のX線受像装置の場合、随時、視野口径設定手段により、入力面基板における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面に実際に可視光像となって出現する範囲を規定するイメージ管の有効視野口径を予め定められた口径寸法の異なる複数の有効視野口径の間で変更できる。視野口径設定手段による有効視野口径の変更に伴ってイメージ管の出力蛍光面での可視光像の倍率が変化する。
他方、請求項1の発明のX線受像装置では、有効視野口径別に各有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を有効視野口径毎に選択可能に歪み補正コイルに供給するコイル電流供給手段が備えられていて、視野口径設定手段による有効視野口径の変更があった場合、コイル電流供給手段は視野口径設定手段で設定される有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイルに供給するので、イメージ管で設定される有効視野口径の口径寸法が変更されても、歪み補正コイルは可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を的確に打ち消すことができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線受像装置において、視野口径設定手段は、イメージ管の有効視野口径の変更を電子レンズ系の電気的制御により行なうものである。
[作用・効果]請求項2の発明のX線受像装置の場合、視野口径設定手段による有効視野口径の変更が電子レンズ系の電気的制御により行なえるので、イメージ管の有効視野口径を容易に変更することができる。
請求項1の発明のX線受像装置の場合、イメージ管による入射X線像の検出と同時平行で、イメージ管の中の電子レンズ系をイメージ管の外側で囲むかたちで配設されている筒状の磁気シールド体が磁気遮蔽壁となることにより、イメージ管の周側面から光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気としての地磁気がかかるのを防ぐのに加え、イメージ管のX線入力面の外周縁に沿って入力面基板の外周空間を囲むかたちで巻回されている歪み補正コイルが歪み補正磁気を発生することにより、光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気としてX線入力面側からかかる地磁気を打ち消す構成となっていて、光電子像の歪みが阻止されるので、出力蛍光面に出力される可視光像の歪みが抑えられると共に、視野口径設定手段により、入力面基板における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面に実際に可視光像となって出現する範囲を規定するイメージ管の有効視野口径を予め定められた口径寸法の異なる複数の有効視野口径の間で変更できる構成であるので、イメージ管の出力蛍光面での可視光像の倍率を変化させることができる。
加えて、請求項1の発明のX線受像装置の場合、有効視野口径別に各有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を有効視野口径毎に選択可能に歪み補正コイルに供給するコイル電流供給手段が備えられていて、視野口径設定手段による有効視野口径の変更があった場合、コイル電流供給手段が視野口径設定手段で設定される有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイルに供給するので、イメージ管で設定される有効視野口径が変更されても、歪み補正コイルは可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を的確に打ち消すことができる。
よって、請求項1の発明のX線受像装置によれば、イメージ管で設定される有効視野口径の口径寸法の如何にかかわらず、可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を十分に打ち消すことができる。
以下、この発明の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は実施例に係るX線受像器(X線受像装置)が組み込まれたX線透視装置の全体構成図、図2は実施例に係るX線受像器の構成を示す説明図、図3は実施例に係るX線受像器の磁気シールド体および歪み補正コイルの配置状況を示す平面図、図4はX線透視装置におけるX線撮像系を示す斜視図である。
図1のX線透視装置は、天板BDに載置された被検体MにX線照射制御部10による制御にしたがってX線透視用のX線を照射するX線管1と、被検体Mの透過X線像を入射X線像として撮影して電気信号に変換してX線透視用のX線検出信号として出力するイメージインテンシファイア型のX線受像器2と、X線受像器2から出力されるX線透視用のX線検出信号に基づいてX線透視画像を取得する透視画像取得部3と、透視画像取得部3で取得されたX線透視画像やX線透視に必要な操作メニュー等を表示する表示モニタ4と、X線透視撮影に必要なデータや指令の入力操作を行なう操作部5などを備えている。
実施例のX線受像器2は、図2および図3に示すように、入射X線像に応じた光電子像を出力する為のCsI等の蛍光面と光電陰極とからなる入力面基板11と、入力面基板11の光電陰極から放出される光電子像を縮小結像させる為の電子レンズ系12と、電子レンズ系12のレンズ作用で縮小結像された光電子像を可視光像に変換出力する出力蛍光面13とを収納した真空密封式のイメージ管14が、金属製の外容器15に納められている構成とされている。
実施例のX線受像器2の場合、地磁気(歪み誘発磁気)の影響で光電子像が歪むのに伴って出力蛍光面13の可視光像が歪むのを抑えるために、イメージ管14の中の電子レンズ系12をイメージ管14の外側で囲むかたちで円筒状の磁気シールド体16を設置して磁気遮蔽をおこなっている。磁気シールド体16はパーマロイ等の強磁性体製であり、磁気シールド体16が磁気遮蔽壁となってイメージ管14の周側面からかかる歪み誘発磁気としての地磁気を防ぐ。磁気シールド体16は外容器15の内周面と磁気シールド体16の外周面が当接した状態で外容器15に内挿される配置となっている。
実施例のX線受像器2により入射X線像の撮影が行なわれる場合、イメージ管14の入力面基板11への入射X線像の投影で生じた光電子像を電子レンズ系12が、磁気シールド体16による磁気遮蔽壁で地磁気の影響を回避しながら出力蛍光面13に縮小結像すると共に、出力蛍光面13には縮小結像された光電子像が可視光像に変換されたかたちで出力される。なお、イメージ管14の出力蛍光面13に生じる可視光像は、TVカメラ19により撮影されて電気信号に変換された上でX線検出信号として出力される。
ただ、イメージ管14の場合、図2に示すように、X線の入射面である入力面基板11の前面には磁気シールド体16が施設されていない。入力面基板1の前面まで磁気遮蔽すると、磁気シールド体16によるX線吸収で入射X線像のX線強度が低下し、X線検出感度が落ちてしまう。そのため、入力面基板11の前面には強磁性体の金属による磁気シールドを施すことができず、X線の入射面には、アルミニウムやチタン,ガラス等の窓17を設けざるを得ない。したがって、イメージ管14の窓17からかかる地磁気は磁気シールド体16で防ぐことができず、磁気シールド体16だけでは地磁気による可視光像の歪みを抑えられない。
それで、実施例のX線受像器2では、図2および図3に示すように、入力面基板11の近傍の地磁気の強さ・向きを検出する磁気センサー(磁気検出手段)20と、イメージ管14のX線入力面である窓17の外周縁に沿って入力面基板11の外周空間を囲むかたちで巻回され、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出結果に基づいて光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を打ち消す歪み補正磁気を発生する歪み補正コイル18が設けられていて、歪み補正コイル18に歪み誘発磁気の強さに見合ったコイル電流を流すことによって歪み誘発磁気を打ち消す構成となっている。歪み補正コイル18の巻き回数(ターン数)は、特定のターン数に限られるものではないが、例えば800〜1000ターンが例示される。
即ち、入射X線像の撮像と同時平行で、歪み補正コイル18が歪み補正磁気を発生することにより、光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気としてX線入力面側からかかる地磁気を打ち消すので、光電子像の歪みが阻止される結果、出力蛍光面13に出力される可視光像の歪みが抑えられる。
一方、X線受像器2の場合、図2に示すように、イメージ管14の入力面基板11における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面13に実際に可視光像となって出現する範囲を規定するイメージ管14の有効視野口径を予め定められた口径寸法の異なる複数の有効視野口径の間で随時に変更可能に設定する視野口径設定機構21が備えられている。
イメージ管14で設定できる複数の有効視野口径の口径寸法や数は、特定の寸法や数に限定されるものではないが、以下では、便宜上、イメージ管14で設定される最大の有効視野口径を12インチとし、視野口径設定機構21により、大口径の12インチと小口径の9インチの大小二つの有効視野口径の間で有効視野口径の変更が随時に行なえるものとして説明する。有効視野口径の小さい方が出力蛍光面13での可視光像の倍率が上がるので、最終的なX線透視画像の倍率も有効視野口径が小さい方が上がる。また、以下では、図3に示すように、使用頻度の高い大口径の12インチ有効視野口径14aの設定モードを標準視野モードと称し、像倍率の高い小口径の9インチ有効視野口径14bの設定モードを拡大視野モードと称することとする。
実施例の装置のX線受像器2の場合、操作部5により標準視野モードと拡大視野モードのいずれか一方が指定されるのに伴って、指定された視野モードに応じた視野モード指定信号を出力する視野モード制御部22と、電子レンズ系12の電極に電圧を印加するレンズ電極電源23が設けられていて、視野モード制御部22から出力される視野モード指定信号にしたがってレンズ電極電源23が電子レンズ系12の電極に印加する電圧を変更することにより、標準視野モードと拡大視野モードの間での有効視野口径の変更がなされる構成とされている。つまり、視野口径設定機構21は、視野モード制御部22とレンズ電極電源23を中心に構成されていて、有効視野口径の変更が電子レンズ系12の電極に印加する電圧を変更するという電気的制御で容易に行なえる。
他方、実施例のX線受像器2の場合、図2に示すように、イメージ管14で設定される有効視野口径別に各有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を有効視野口径毎に選択可能に歪み補正コイル18に供給するコイル電流供給部24を備えていて、コイル電流供給部24が視野口径設定機構21で設定される有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイル18に供給する構成とされている点を、特徴としているので、この点を、以下、具体的に詳述する。
コイル電流供給部24は、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出信号にしたがってイメージ管14の標準視野モードである12インチ有効視野口径14aに適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイル18に供給する標準視野モード電流供給部24Aと、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出信号にしたがってイメージ管14の拡大視野モードである9インチ有効視野口径14bに適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイル18に供給する拡大視野モード電流供給部24Bと、視野モード指定信号が指定する視野モードに応じて磁気センサー20の出力を標準視野モード電流供給部24Aと拡大視野モード電流供給部24Bのいずれか一方に選択的に接続する切り換えスイッチ部24Cを有している。
そして、コイル電流供給部24の場合、標準視野モードが指定された時は、切り換えスイッチ部24Cの接点が実線で示す接続状態となり、磁気センサー20の出力が標準視野モード電流供給部24Aに接続されると共に、標準視野モード電流供給部24Aが歪み補正コイル18にコイル電流を供給し、拡大視野モードが指定された時は、切り換えスイッチ部24Cの接点が一点鎖線で示す接続状態となり、磁気センサー20の出力が拡大視野モード電流供給部24Bに接続されると共に、拡大視野モード電流供給部24Bが歪み補正コイル18にコイル電流を供給する構成とされている。
なお、標準視野モード電流供給部24Aや拡大視野モード電流供給部24Bの場合、オープンループ方式で歪み補正を行なう構成であるが、標準視野モード電流供給部24Aや拡大視野モード電流供給部24Bは、フィードバック方式で歪み補正を行なう構成であってもよい。
より具体的には、標準視野モード電流供給部24Aの場合、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出信号を入力信号として、図5に示すように、イメージ管14で設定される12インチ有効視野口径14aに投影される+の形の入射X線像YAを、図6に示すように、概ね+の可視光像Yaとして出力蛍光面13に出現させる歪み補正磁気を発生させるコイル電流を歪み補正コイル18に供給するよう、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出信号に対する増幅度やコイル電流の極性が予め調整・セッティングされている。つまり、補正コイル18で発生させた図12の磁場分布により過剰に補正をかけて、12インチ有効視野口径14aでは見かけ上の歪みが小さい可視光像Yaを得ているのである。なお、歪み補正コイル18による歪み補正のない時の可視光像yaを比較の為に破線で図6へ示す。
拡大視野モード電流供給部24Bの場合、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出信号を入力信号として、図7に示すように、イメージ管14で設定される9インチ有効視野口径14bに投影される+の形の入射X線像YBを、図8に示すように、正しく+の可視光像Ybとして出力蛍光面13に出現させる歪み補正磁気を発生させるコイル電流を歪み補正コイル18に供給するよう、磁気センサー20による歪み誘発磁気の検出信号に対する増幅度やコイル電流の極性が予め調整・セッティングされている。
なお、標準視野モード電流供給部24Aによる歪み補正時の可視光像Yaを比較の為に破線で図8へ示す。
標準視野モード電流供給部24Aによる歪み補正だと、図6および図8に示すように、12インチ有効視野口径14aのエリアの全体的な歪みは旨く抑えられるが、9インチ有効視野口径のエリアの歪みはきっちりとは抑えられない。しかし、拡大視野モード電流供給部24Bによる歪み補正だと、図8に示すように、9インチ有効視野口径14bのエリアの歪みがきっちり抑えられる。なお、拡大視野モード電流供給部24Bの場合、9インチ有効視野口径14bを越えるエリアの歪みについては抑えが効き難くなるが、拡大視野モードの場合、9インチ有効視野口径14bを越えるエリアは非利用エリアであるので何ら問題ない。
図1のX線透視装置の場合、X線管1とX線受像器2の(イメージ管14およびTVカメラ19を中心とする)主要部は、図4に示すように、天井走行式のC型アーム6の一端と他端に被検体Mを挟んで対向配置された状態で取り付けられており、C型アーム6の背面中央に設けられた回転軸7を回転中心としてC型アーム6が回転するのに伴って、X線管1とX線受像器2の主要部が対向配置状態のままで矢印8で示す向きに回転したり、C型アーム6の円弧に沿ってC型アーム6が所定範囲をスライドするの伴って、X線管1とX線受像器2の主要部が対向配置状態のままで矢印9で示す向きに移動してX線透視方向が変化させられる構成とされている。
また、C型アーム6の回転に伴ってX線管1とX線受像器2の主要部が移動してX線透視方向が変化する場合、イメージ管14の窓からかかる歪み誘発磁気の有効強度が変動することになるが、この変動は磁気センサー20の検出信号の強度に反映されるので、X線透視方向が変化しても、歪み補正コイル18の歪み補正機能が阻害されるようなことはない。
なお、主制御部25は、コンピュータ(CPU)とその動作プログラムを中心に構成されていて、操作部5によるデータや指令の入力、あるいは、X線透視の進行状況などに応じて適切な命令信号やデータを適時に送出し、装置全体を常に適切に動作させる統括制御機能を果たす。
以上に詳述した通り、実施例のX線受像器2の場合、イメージ管14による入射X線像の検出と同時平行で、磁気シールド体16が磁気遮蔽壁となってイメージ管14の周側面から光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気としての地磁気がかかるのを防ぐのに加え、歪み補正コイル18が歪み補正磁気を発生して歪み誘発磁気としてX線入力面側からかかる地磁気を打ち消す構成となっていて、光電子像の歪みが抑えられるので、出力蛍光面13に出力される可視光像の歪みが抑えられると共に、視野口径設定機構21により、入力面基板11における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面13に実際に可視光像となって出現する範囲を規定するイメージ管14の有効視野口径を予め定められた口径寸法の異なる複数の有効視野口径の間で変更できる構成であるので、イメージ管14の出力蛍光面13での可視光像の倍率を変化させることができる。
加えて、実施例のX線受像器2の場合、イメージ管14で設定される有効視野口径別に各有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を有効視野口径毎に選択可能に歪み補正コイルに供給するコイル電流供給部24が備えられていて、視野口径設定機構21による有効視野口径の変更があった場合、コイル電流供給部24が視野口径設定機構21で設定される有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイル18に供給するので、イメージ管14で設定される有効視野口径が変更されても、歪み補正コイル18は可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を的確に打ち消すことができる。
よって、実施例のX線受像器2によれば、イメージ管14で設定される有効視野口径の口径寸法の如何にかかわらず、可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を十分に打ち消すことができる。
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。
(1)実施例の装置におけるX線受像器2の場合、磁気センサー20の設置位置がイメージ管14の前面(入力面)側外縁近傍であったが、磁気センサー20の設置位置は、イメージ管14の入力面外縁近傍に限らず、例えば磁気センサー20がイメージ管14の横(側周面)側に設置されていてもよい。
(2)実施例の装置におけるX線受像器2の場合、レンズ電極電源23がイメージ管14に併設されていたが、レンズ電極電源23がイメージ管14と別体に配設されている構成であってもよい。
また、実施例の装置におけるX線受像器2の場合、視野モード制御部22はイメージ管14と別体に制御コンソール側に配置されていたが、視野モード制御部22がイメージ管14に併設されていてもよい。
(3)実施例の場合、X線受像器2が、図4に示すような天井走行式Cアーム6に適用される構成であったが、X線受像器2は、床走行式CアームやX線撮影台に組み込まれた据え置き式Cアームに適用することもできる。
(4)実施例の場合、この発明のX線受像装置がX線透視装置に用いられていたが、この発明のX線受像装置はX線透視装置以外のX線撮像装置に適用することもできる。
実施例のX線受像器が組み込まれたX線透視装置の全体構成図である。 実施例のX線受像器の構成を示す説明図である。 実施例のX線受像器の磁気シールド体および歪み補正コイルの配置状況を示す平面図である。 X線透視装置におけるX線撮像系を示す斜視図である。 実施例のX線受像器の標準視野モードでの入射X線像の一例を示す模式図である。 実施例のX線受像器の標準視野モードでの可視光像の一例を示す模式図である。 実施例のX線受像器の拡大視野モードでの入射X線像の一例を示す模式図である。 実施例のX線受像器の拡大視野モードでの可視光像の一例を示す模式図である。 従来のX線受像器の全体構成図である。 従来のX線受像器における磁気シールド体と歪み補正コイルの配置状況を示す平面図である。 従来のX線受像器における入射X線像および可視光像の一例を示す模式図である。 X線受像器の入力面基板の周縁近傍における歪み補正コイルによる歪み補正磁気の印加状況を示す磁気強度表示チャートである。
符号の説明
2 … X線受像器(X線受像装置)
11 … 入力面基板
12 … 電子レンズ系
13 … 出力蛍光面
14 … イメージ管
14a … 12インチ有効視野口径(有効視野口径)
14b … 9インチ有効視野口径(有効視野口径)
16 … 磁気シールド体
18 … 歪み補正コイル
20 … 磁気センサー
21 … 視野口径設定機構(視野口径設定手段)
24 … コイル電流供給部(コイル電流供給手段)
YA,YB … 入射X線像
Ya,Yb … 可視光像

Claims (2)

  1. 入射X線像に応じた光電子像を出力する入力面基板と光電子像を縮小結像させる電子レンズ系と電子レンズ系で縮小結像された光電子像を可視光像に変換出力する出力蛍光面とを収納したイメージ管と、イメージ管の中の電子レンズ系をイメージ管の外側で囲むかたちで配設されている筒状の磁気シールド体と、光電子像を歪ませて可視光像の歪みを引き起こす歪み誘発磁気を検出する磁気検出手段と、イメージ管のX線入力面の外周縁に沿って入力面基板の外周空間を囲むかたちで巻回され、磁気検出手段による歪み誘発磁気の検出結果に基づいて歪み誘発磁気を打ち消す歪み補正磁気を発生する歪み補正コイルと、入力面基板における入射X線像の入力面のうち出力蛍光面に実際に可視光像となって出現する範囲を規定する有効視野口径を予め定められた口径寸法の異なる複数の有効視野口径の間で変更可能に設定する視野口径設定手段とを備えたX線受像装置において、イメージ管で設定される有効視野口径別に各有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を有効視野口径毎に選択可能に歪み補正コイルに供給するコイル電流供給手段を備えていて、コイル電流供給手段が視野口径設定手段で設定される有効視野口径に適合した歪み補正磁気を発生させるコイル電流を選択して歪み補正コイルに供給することを特徴とするX線受像装置。
  2. 請求項1に記載のX線受像装置において、視野口径設定手段は、イメージ管の有効視野口径の変更を電子レンズ系の電気的制御により行なうX線受像装置。
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