JPH08315110A - 走行レーン検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーンマークの検出時間を短縮でき、また、
検出精度を向上できる走行レーン検出装置を提供する。 【構成】 車両用自動走行装置に用いられ、自車が走行
する走行レーンの両側縁の形状を示すレーンマークを検
出する走行レーン検出装置１において、自車前方の画像
を入力する画像入力手段１１と、該入力された画像を複
数の小領域に分割する画像分割手段１２と、車両進行方
向手前側に水平方向に位置する各小領域に対して所定の
しきい値に基づいて、白黒の２値化処理を行うことによ
りレーンマークの一部を検出する初期マーク検出手段１
３と、該初期検出により検出されたレーンマークの方向
を検出するレーンマーク方向検出手段１４と、該検出さ
れたレーンマーク方向に基づいて、次回の２値化処理の
対象小領域を設定する処理領域設定手段１５と、該設定
された対象領域に対して所定のしきい値に基づいて白黒
の２値化処理を行うことによりレーンマークの一部を検
出する継続マーク検出手段１６とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両用自動走行
装置に用いられ、自車が走行する走行レーンの両側縁の
形状を示すレーンマークを検出する走行レーン検出装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両用自動走行装置には、走行レ
ーン検出装置により走行レーン（車線）を示すレーンマ
ーク（白線）を検出するとともに、制動装置の制御等を
行うようにしたものがある。

【０００３】上記従来の走行レーン検出装置は、図７，
図８に示すように、自車２１に取り付けられたビデオカ
メラ２２により前方の走行路の画像データ２３を入力
し、ＣＰＵによりこの画像データ２３に基づいてレーン
マーク２４（白線）を検出するようにしている。

【０００４】詳細には、図８，図９に示すように、上記
画像全体を１本の走査線で例えば下端から上方に走査す
るとともに、上記走査された画像の各画素に対して、所
定のしきい値に基づいて白黒の２値化処理を行ない（ス
テップＳ１１，Ｓ１２）、白として処理された部分をレ
ーンマークとして検出する（ステップＳ１３）。また、
検出されたレーンマークの位置からみて自車が走行レー
ンの端に寄り過ぎている場合には警報を出力する等の後
処理が行われる。（ステップＳ１４）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
自動走行装置に用いられるレーン検出装置は、入力され
た道路の画像データを全領域にわたって走査し２値化処
理を行うものであるため、演算量が多いことから上記レ
ーンマークの検出に時間を要するという問題がある。

【０００６】また上記画像データの全体を同一のしきい
値でもって２値化処理するようにしているので、レーン
マーク自体の明るさのムラ，木立の影，夜間のヘッドラ
イトの配光ムラ等によりレーンマークをうまく２値化で
きない場合がある。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、レーンマークの検出時間を短縮でき、ま
た、検出精度を向上できる走行レーン検出装置を提供す
ることを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、図６に示すよ
うに、自車が走行する走行レーンの両側縁の形状を示す
レーンマークを検出する走行レーン検出装置１におい
て、自車前方の画像を入力する画像入力手段１１と、該
入力された画像を複数の小領域に分割する画像分割手段
１２と、車両進行方向手前側に水平方向に位置する各小
領域に対して所定のしきい値に基づいて、白黒の２値化
処理を行うことによりレーンマークの一部を検出する初
期マーク検出手段１３と、該初期検出により検出された
レーンマークの方向を検出するレーンマーク方向検出手
段１４と、該検出されたレーンマーク方向に基づいて、
次回の２値化処理の対象小領域を設定する処理領域設定
手段１５と、該設定された対象領域に対して所定のしき
い値に基づいて白黒の２値化処理を行うことによりレー
ンマークの一部を検出する継続マーク検出手段１６とを
備えたことを特徴としている。

【０００９】また請求項２の発明は、２値化処理のしき
い値を上記小領域に応じた値に設定するしきい値設定手
段１７を備えたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】請求項１の発明に係る走行レーン検出装置によ
れば、画像入力手段１１により自車前方の画像が入力さ
れ、この入力された画像が画像分割手段１２により多数
の小領域に分割される。

【００１１】そして、初期マーク検出手段１３により、
上記分割された小領域のうち、進行方向手前側にて水平
方向に位置する小領域に対して、所定のしきい値に基づ
いて白黒の２値化処理が行われ、これによりレーンマー
クの一部が検出される。

【００１２】次に、レーンマーク方向検出手段１４によ
り、上記検出された初期マークの方向が検出され、該検
出されたマーク方向に基づいて、処理領域設定手段１５
により、上記初期処理に続いて２値化処理すべき対象領
域が設定される。

【００１３】そして上記設定された対象領域に対して、
継続マーク検出手段１６により白黒の２値化処理が行わ
れ、これによりレーンマークの一部が検出される。さら
にまた、上記検出されたレーンマークの方向が検出さ
れ、該方向に基づいて次回の処理領域設定され、該領域
でのマーク検出が行われ、この動作が順次繰り返され、
走行レーンが検出される。

【００１４】このように、本発明では自車前方の画像デ
ータを多数の小領域に分割して、各小領域毎に２値化処
理を行うとともに、検出されたレーンマークの方向に基
づいて、次回の２値化処理の対象領域を限定するように
したので、必要な領域のみを走査でき、上記従来装置の
ように画像を構成する画素の全てを走査する場合と比べ
て、レーンマークの検出時間を短縮できる。

【００１５】また、請求項２の発明では、上記２値化処
理を、分割された各小領域に応じた所定のしきい値に基
づいて行うようにしたので、明るさのムラに対応でき、
レーンマークの検出精度を向上することができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図１〜図５は本発明の一実施例による走行レーン検
出装置を説明するための図であり、図１は本実施例装置
を示す構成図、図２は本実施例装置の画像データの例を
示す図、図３は次回処理領域の設定方法を説明するため
の図、図４は本実施例装置のしきい値の設定方法を説明
するための図、図５は本実施例装置の動作を説明するた
めのフローチャート図である

【００１７】図において、１は走行レーン検出装置を示
し、該装置１は、車両（不図示）に取り付けられて、該
車両前方の走行路の画像を入力するカメラ（画像入力手
段）２と、該カメラ２により取り込まれた画像をデジタ
ルデータに変換するＡ／Ｄ変換器３と、該変換されたデ
ータをフレーム毎に記憶するフレームメモリ４と、該記
憶された画像データより走行レーンの検出処理等を行う
ＥＣＵ５とを備えている。なお、該ＥＣＵ５には、走行
レーンの検出処理等に基づいて作動される警報器等６が
接続されている。

【００１８】上記ＥＣＵ５は、上記カメラ２より入力さ
れた画像を多数の、例えば１６×１６＝２５６又は６４
×６４＝４０９６の小領域に分割する画像分割手段とし
て、該分割された各小領域のうち、車両進行方向手前側
にて水平方向に位置する各小領域に対して所定のしきい
値に基づいて白黒２値化処理を行うことによりレーンマ
ークの一部を検出する初期（基準）マーク検出手段とし
て、また該検出された初期マークの方向を検出するレー
ンマーク方向検出手段として、さらに検出されたレーン
マークの方向及びレーンマークの位置に基づいて、次回
の２値化処理を行うべき対象小領域を設定する処理領域
設定手段として、さらにまた設定された対象小領域に対
して２値化処理を行い、レーンマークの一部を検出する
継続マーク検出手段として機能する。また、上記ＥＣＵ
は、各小領域におけるしきい値を、各領域の明度の分散
値の差が最大になるように設定するしきい値設定手段と
しても機能する。

【００１９】次に、上記走行レーン検出装置１の動作を
説明する。まず、上記カメラ（画像入力手段）２より走
行路の画像データが読み込まれ（ステップＳ１）、上記
フレームメモリ４に記憶される。この記憶された画像デ
ータは、上記ＥＣＵ５の画像分割機能により、図２に示
すように多数の領域（（１，ａ）〜（１６，ｐ））に分
割される（ステップＳ２）。

【００２０】そして、上記分割された画像データの下部
領域、つまり車両進行方向手前側の自車直近領域に水平
方向に位置する小領域に対して、上記ＥＣＵ５の初期マ
ーク検出機能により２値化処理が行われ、レーンマーク
の基準となる一部が検出される（ステップＳ３）。

【００２１】上記２値化処理におけるしきい値を設定す
るために、まず、図２の破線Ａ上の領域（１，ａ）〜
（１６，ａ）が走査されて、各領域毎の明度が検出さ
れ、該検出された各明度の頻度が検出される（図４参
照）。

【００２２】そして、上記ＥＣＵ５のしきい値設定機能
により、いわゆる判別分析法に基づいて各領域における
白黒２値化のためのしきい値が設定される。具体的には
図４において、路面のレーンマークの存在しない部分に
おける明度Ｃ１の分散値と、レーンマーク部分における
明度Ｃ３の分散値との明度差が最大になるように、上記
破線Ａ上の各領域におけるしきい値Ｃ２が設定されて、
このしきい値Ｃ２に基づいて、上記破線Ａ上の各領域に
対して２値化処理が行われる。

【００２３】次に上記ＥＣＵ５のマーク方向検出機能に
より、上記ステップＳ３において検出されたレーンマー
クの一部の方向が検出され、ＥＣＵ５の処理領域設定機
能により該レーンマークの位置及び方向に基づいて次回
に２値化処理を行うべき対象領域が設定される（ステッ
プＳ４，Ｓ５）。この対象領域の設定においては、検出
されたレーンマークの位置及び方向に基づいてレーンマ
ークがいずれの領域に延びているかを予想し、該予想さ
れる領域についてのみしきい値の設定及び上記２値化処
理を行うものである。

【００２４】具体的には例えば図３（ａ）に示すよう
に、検出されたレーンマークがある領域ａ１の中央に位
置し、かつ略垂直方向を向いている場合は、次回の対象
処理領域は上記領域ａ１と垂直隣の１つの領域ａ２のみ
となる。一方、図３（ｂ）に示すように、検出されたレ
ーンマークが領域ｂ１，ｂ２の境界付近に位置している
場合には該両領域ｂ１，ｂ２に隣接する領域ｂ３，ｂ４
が対象領域となる。さらにまた、図３（ｃ）に示すよう
に、レーンマークが領域Ｃ１の中央に位置している場合
でも、斜め方向を向いている場合には該斜め方向に位置
する領域Ｃ２，Ｃ３から対象領域となる。

【００２５】本実施例では、図２に示すように、上記破
線Ａ上の領域の２値化処理により領域（３，ａ）と（１
５，ａ）とにレーンマークが検出されるとともに、領域
（３，ａ）内のレーンマークに基づく次回対象領域は
（３，ｂ）に設定され、領域（１５，ａ）のレーンマー
クに基づく次回対象領域は（１５，ｂ）及び（１４，
ｂ）に設定される。

【００２６】そして、上記領域（３，ｂ）が２値化処理
され、レーンマークが検出されるとともに、この領域内
のレーンマーク方向及びレーンマーク位置に基づいて、
領域（３，ｃ）が次回の対象領域となるとともに２値化
処理が行われ、このようにしてレーンマークＬ１が検出
される。

【００２７】また、上記領域（１５，ｂ），（１４，
ｂ）が２値化処理され、両領域の境界部にレーンマーク
が存在することが検出されるとともに、この領域内のレ
ーンマーク方向に基づいて、領域（１５，ｃ），（１
４，ｃ）が２値化処理の対象に設定され、この各領域が
上記同様に２値化処理によりレーンマークが検出され、
このようにしてレーンマークＬ２が検出される（ステッ
プＳ４〜Ｓ７）。

【００２８】そして、Ｓ４〜Ｓ７の処理を繰り返すこと
により、レーンマーク検出処理が完了すると、後処理が
行われる（ステップＳ７〜Ｓ８）。

【００２９】このように、本実施例では画像を多数の小
領域に分割して、画面上下端に水平方向に位置する領域
に対して２値化処理するとともに、検出されたレーンマ
ークの位置及び方向に基づいて、次回の２値化処理の対
象領域を設定するようにしたので、必要な領域のみを走
査でき、従来の全領域を走査する場合に比べて走行レー
ンの検出時間を大幅に短縮することができる。

【００３０】また、上記２値化処理のしきい値を、該処
理の対象領域の明度分布の差が最大となるように設定し
たので、レーンマークの明るさのムラや、日向，日陰の
違いにも対応でき、走行レーンの検出精度を向上するこ
とができる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明に係る走行レーン検
出装置では、画像を分割し、ある領域における２値化処
理の結果、得られたレーンマークの方向に基づいて次回
の２値化処理の対象領域を限定するようにしたので、全
領域を走査処理する場合に比べてレーンマークの検出時
間を短縮できる効果がある。

【００３２】また、請求項２の発明によれば、２値化処
理のしきい値を、該処理の対象領域の明度差が最大とな
るように設定したので、レーンマークの検出精度を向上
することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による走行レーン検出装置を
示す構成図である。

【図２】上記実施例装置の画像データの例を示す図であ
る。

【図３】上記実施例装置の２値化処理対象領域の設定方
法を説明するための図である。

【図４】上記実施例装置のしきい値の設定方法を説明す
るための図である。

【図５】上記実施例装置の動作を説明するためのフロー
チャート図である。

【図６】本発明のクレーム対応図である。

【図７】一般的な走行レーン検出装置を説明するための
模式図である。

【図８】従来装置の画像データの例を示す図である。

【図９】従来装置の動作を示すフローチャート図であ
る。

【符号の説明】

１ 走行レーン検出装置 ２，１１ カメラ（画像入力手段） １２ 画像分割手段 １３ 初期マーク検出手段 １４ マーク方向検出手段 １５ 処理領域設定手段 １６ 継続マーク検出手段 １７ しきい値設定手段 Ｌ１，Ｌ２ レーンマーク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自車が走行する走行レーンの両側縁の形
   状を示すレーンマークを検出する走行レーン検出装置に
   おいて、自車前方の画像を入力する画像入力手段と、該
   入力された画像を複数の小領域に分割する画像分割手段
   と、車両進行方向手前側に水平方向に位置する各小領域
   に対して所定のしきい値に基づいて、白黒の２値化処理
   を行うことによりレーンマークの一部を検出する初期マ
   ーク検出手段と、該初期検出により検出されたレーンマ
   ークの方向を検出するレーンマーク方向検出手段と、該
   検出されたレーンマーク方向に基づいて、次回の２値化
   処理の対象小領域を設定する処理領域設定手段と、該設
   定された対象領域に対して所定のしきい値に基づいて白
   黒の２値化処理を行うことによりレーンマークの一部を
   検出する継続マーク検出手段とを備えたことを特徴とす
   る走行レーン検出装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、２値化処理のしきい
   値を上記小領域に応じた値に設定するしきい値設定手段
   を備えたことを特徴とする走行レーン検出装置。