JPH08310227A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH08310227A
JPH08310227A JP7123744A JP12374495A JPH08310227A JP H08310227 A JPH08310227 A JP H08310227A JP 7123744 A JP7123744 A JP 7123744A JP 12374495 A JP12374495 A JP 12374495A JP H08310227 A JPH08310227 A JP H08310227A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン水温を急速に立ち上がらせて、温水
熱源による暖房フィーリングを改善する。 【構成】 車両用エンジン12の水温立ち上がり時に、
制御手段によりヒートポンプサイクルを冷房サイクルに
設定して運転することにより、水−冷媒熱交換器27に
おいて圧縮機18の吐出冷媒ガスによりエンジン冷却水
を加熱するとともに、ヒータユニット22の送風ファン
24の作動を停止しておく。これにより、圧縮機吐出冷
媒ガスによるエンジン冷却水の加熱と、圧縮機駆動によ
るエンジン負荷の増加(エンジン廃熱量の増加)とによ
り、エンジン水温の初期の立ち上がりを著しく改善で
き、短時間でエンジン水温を急速に上昇させることがで
きる。そして、エンジン水温が所定温度以上に上昇した
後にヒータユニット22の送風ファン24を作動させる
ことにより、最初から温度の高い温風を吹き出して暖房
を行うことができ、暖房フィーリングが良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒートポンプサイクルと
温水回路とを組み合わせることにより、様々な運転パタ
ーンに対応できるようにした車両用空調装置に関するも
ので、バス車両用空調装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置においては、エン
ジン水温が立ち上がるまでのヒータ性能低下時(エンジ
ン始動直後の期間)に、ヒートポンプサイクルにより暖
房を行って、暖房立ち上がり性能を向上させるようにし
た提案が多数なされている。また、特開平6−2629
35号公報においては、空調用冷凍サイクルの圧縮機吐
出冷媒ガスを、エンジン冷却水加熱用熱交換器(水−冷
媒熱交換器)に送り込み、この熱交換器においてエンジ
ン冷却水を加熱して、ヒータ性能を早期に立ち上がらせ
るようにした車両用空調装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のもの
では、冬季において、ヒートポンプサイクルの車室内熱
交換器の吸込空気温度が低いため、この熱交換器の吹出
空気温度も低くなり、暖房フィーリングが悪いという問
題がある。これに対し、後者のものでは、エンジン冷却
水からの放熱量に、冷凍サイクルの冷媒からの放熱量を
加えて車室内の暖房を行うことができるので、前者に比
して吹出空気温度が上昇し、暖房フィーリングを改善で
きる。
【0004】しかし、後者のものでは、圧縮機吐出冷媒
ガスによる水加熱時に、前記エンジン冷却水加熱用熱交
換器に圧縮機吐出冷媒ガスを送り込むために、冷媒回路
切替用電磁弁等の専用の機器を多数個、新たに冷凍サイ
クルに追加する必要が生じ、製品コストの上昇、設置ス
ペースの増大等の問題がある。また、上記エンジン冷却
水の加熱時には、冷凍サイクルの本来の構成機器である
凝縮器、蒸発器といった熱交換器には冷媒の流通を阻止
する構成となっているので、これら熱交換器に冷媒や潤
滑オイルが滞留して、循環冷媒流量の低下を招く。
【0005】この結果、圧縮機における潤滑不足や、循
環冷媒流量の低下による能力低下といった、冷凍サイク
ル運転上の種々の問題を引き起こす。本発明は上記点に
鑑みてなされたもので、車両空調用ヒートポンプサイク
ルを用いて、極めて簡潔な構成で、エンジン水温を急速
に立ち上がらせて、ヒータ性能を良好に発揮できる車両
用空調装置を提供することを目的とする。
【0006】また、本発明では、種々の空調モードに適
した多段階の運転パターンを設定できる車両用空調装置
を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、車両エンジン(12)の冷却水が循環する
温水回路に設けられ、エンジン冷却水と送風空気との間
で熱交換をして、送風空気を加熱するヒータコア(2
3)、およびこのヒータコア(23)に送風する送風フ
ァン(24)を有する車室内暖房用のヒータユニット
(22)と、前記車両エンジン(12)により駆動され
る圧縮機(18)、この圧縮機(18)の吸入、吐出冷
媒の流れ方向を切り替える切替弁(20)、室外側熱交
換器(29、30)、減圧手段(33、46)、および
室内側熱交換器(41、42)を有するヒートポンプサ
イクルと、前記切替弁(20)により前記ヒートポンプ
サイクルが冷房サイクルに設定されたとき、前記圧縮機
(18)の吐出冷媒ガスと、前記温水回路のエンジン冷
却水との間で熱交換をする水−冷媒熱交換器(27)
と、前記ヒータユニット(22)の送風ファン(2
4)、前記圧縮機(18)および前記切替弁(20)の
作動を制御する制御手段(52)とを備え、暖房モード
時に、前記エンジン冷却水の温度が設定温度より低いと
きには、前記制御手段(52)により前記ヒートポンプ
サイクルを冷房サイクルに設定して運転することによ
り、前記水−冷媒熱交換器(27)において前記圧縮機
(18)の吐出冷媒ガスにより前記エンジン冷却水を加
熱するとともに、前記ヒータユニット(22)の送風フ
ァン(24)の作動を停止し、前記エンジン冷却水の温
度が設定温度以上に上昇した後に前記ヒータユニット
(22)の送風ファン(24)を作動させる車両用空調
装置を特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1に記載
の車両用空調装置において、ヒートポンプサイクルの前
記室内側熱交換器として、送風空気上流側に設置され、
かつ前記冷房サイクル設定時に前記減圧手段(46)の
冷媒下流側に位置する第1の熱交換器(41)と、送風
空気下流側に設置され、かつ前記冷房サイクル設定時に
前記減圧手段(46)の冷媒上流側に位置する第2の熱
交換器(42)とを備えていることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1または
2に記載の車両用空調装置において、前記エンジン冷却
水の温度が設定温度より低いときのみ、前記水−冷媒熱
交換器(27)に、前記温水回路から前記エンジン冷却
水を流入させる温度応答切替手段(28)を備えている
ことを特徴とする。請求項4記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置におい
て、前記制御手段(52)は、暖房モード時に、前記ヒ
ータユニット(22)の送風ファン(24)の送風量切
替により暖房能力を切り替えるように構成されているこ
とを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、前
記制御手段(52)は、前記ヒータユニット(22)の
送風ファン(24)の送風量を最大に設定するととも
に、前記ヒートポンプサイクルを暖房サイクルに設定し
て運転する作動モードを有するように構成されているこ
とを特徴とする。
【0011】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1〜5記載の発明によれば、
車両用エンジンの始動直後におけるエンジン水温の立ち
上がり時(エンジン水温が設定温度より低いとき)に、
制御手段によりヒートポンプサイクルを冷房サイクルに
設定して運転することにより、水−冷媒熱交換器におい
て圧縮機の吐出冷媒ガスによりエンジン冷却水を加熱す
るとともに、ヒータユニットの送風ファンの作動を停止
し、エンジン冷却水の温度が設定温度以上に上昇した後
にヒータユニットの送風ファンを作動させる。
【0013】従って、エンジン水温の立ち上がり時に圧
縮機吐出冷媒ガスによるエンジン冷却水の加熱と、圧縮
機駆動によるエンジン負荷の増加(エンジン廃熱量の増
加)とにより、エンジン水温の初期の立ち上がりを著し
く改善でき、短時間でエンジン水温を急速に上昇させる
ことができる。そして、エンジン水温が所定温度以上に
上昇した後にヒータユニットの送風ファンを作動させて
いるから、温度の低い冷風を車室内へ吹き出すことな
く、最初から温度の高い温風を吹き出して暖房を行うこ
とができ、暖房フィーリングが良好となる。
【0014】また、ヒートポンプサイクルを冷房サイク
ルに設定することにより、冷媒からの吸熱でエンジン冷
却水を加熱しているから、既存のヒートポンプサイクル
をそのまま利用してエンジン冷却水の加熱を行うことが
でき、従来装置のごとく、冷媒回路切替用電磁弁等の専
用の機器を多数個、新たに冷凍サイクルに追加する必要
がなく、製品コストの上昇、設置スペースの増大を抑制
できる。
【0015】また、本発明ではヒートポンプサイクルの
本来の構成機器である凝縮器、蒸発器といった熱交換器
には冷媒が流通するので、これら熱交換器に冷媒や潤滑
オイルが滞留して、循環冷媒流量の低下を招く等の不具
合が発生しない。上記に加えて、請求項2記載の発明で
は、ヒートポンプサイクルの室内側熱交換器として、送
風空気上流側に設置され、かつ前記冷房サイクル設定時
に前記減圧手段の冷媒下流側に位置する第1の熱交換器
と、送風空気下流側に設置され、かつ前記冷房サイクル
設定時に前記減圧手段の冷媒上流側に位置する第2の熱
交換器とを備えているから、前記冷房サイクル設定時に
第1の熱交換器が送風空気を冷却しても、第2の熱交換
器がその冷却空気を再加熱できるので、車室内への冷風
吹出の問題を軽減できる。
【0016】さらに、請求項4記載の発明では、制御手
段により、暖房モード時に、ヒータユニットの送風ファ
ンの送風量を切り替えて、暖房能力を切り替えるように
構成しており、また請求項5記載の発明では、制御手段
により、ヒータユニットの送風ファンの送風量を最大に
設定するとともに、ヒートポンプサイクルを暖房サイク
ルに設定して運転する作動モードを有するように構成し
ているから、種々の空調モードに適した多段階の暖房能
力パターンを設定できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1は本発明装置を適用したバス車両用空調装置
の車両への架装状態を示すもので、図2は本発明装置に
おける冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)および温
水回路のシステム構成を示すものてあり、図1、2にお
いて、10はバス車両の車体、11は車体10の最後部
の床下に配設されているエンジンルームで、車両走行用
のエンジン12が搭載されている。
【0018】このエンジン12は水冷式のもので、その
冷却水はラジエータ13により冷却される。14はサー
モスタット(温度応答弁)で、ラジエータ13とバイパ
ス回路15への冷却水の流れを冷却水温度に応じて調整
する周知のものである。16はエンジン12により駆動
されるエンジン側水ポンプ、17はヒータ用水ポンプ
で、モータにより駆動される電動式のものである。
【0019】18は冷凍サイクルの冷媒圧縮用の圧縮機
で、電磁クラッチ19を介してエンジン12により駆動
される。20は圧縮機18の冷媒吸入、吐出回路を切り
替える四方弁である。以上の機器12〜20がエンジン
ルーム11内に設置されている。21は車体10の略中
央部の床下空間を示しており、この床下空間21には、
車室内暖房用ヒータユニット22が設置されている。こ
のヒータユニット22には、暖房用空気を温水と熱交換
して加熱するヒータコア23、このヒータコア23に暖
房用空気を送風する暖房用ファン24、およびヒータコ
ア23への流入温水温度を検出する温度センサ(サーミ
スタ)25が設置されている。暖房用ファン24はモー
タにより駆動される電動式のものである。
【0020】なお、図2には図示してないが、ヒータコ
ア23の空気吹出側は車室内の床上に配設された温風ダ
クトに接続され、この床上の温風ダクトに設けられた多
数の温風吹出口から温風が車室内へ吹き出すようになっ
ている。26は冷凍サイクルの室外ユニットで、27は
冷凍サイクルの冷媒と温水との間で熱交換を行う水−冷
媒熱交換器、28はサーモスタット(温度応答弁)で、
本例ではワックスのような温度による体積変化の大きい
媒体により弁体を変位させて、温水回路の切替を行う機
械式のものを用いている。
【0021】29、30は冷凍サイクルの室外側熱交換
器、31はこの室外側熱交換器29、30に外気を送風
する室外側送風ファンで、モータにより駆動される電動
式のものである。32は冷媒の気液を分離し、液冷媒を
溜めるレシーバ、33は暖房用の温度作動式膨張弁、3
4、35、36は逆止弁である。以上の機器22〜36
が床下空間21に設置されている。なお、37は暖房用
ヒータコア23の温水下流側に接続されたデフロスタ用
ヒータコアで、車室内において車両フロントウインドウ
38の下方部位に設置され、送風空気を加熱してフロン
トウインドウ38の内面側に吹き出して曇り止めを行う
ものである。
【0022】39は車体10の屋根で、40はこの屋根
39上に搭載された室内ユニットで、冷凍サイクルの室
内側熱交換器41、この室内側熱交換器41の空気下流
側に設置された再加熱用熱交換器42、およびこの両熱
交換器41、42に内気(車室内空気)または外気を送
風する室内側送風ファン43を有している。この室内側
送風ファン43もモータにより駆動される電動式のもの
である。
【0023】44、45は電磁弁、46は冷房用の温度
作動式膨張弁、47は逆止弁である。以上の機器41〜
47が屋根39上の室内ユニット40に設置されてい
る。上記両熱交換器41、42の空気上流側側には、図
示しない外気ダンパおよび内気ダンパが設置されて、内
気(車室内空気)または外気を切替導入できるようにな
っており、一方上記両熱交換器41、42の空気下流側
側は、図1に示す車両天井部の左右両側に設置された天
井吹出ダクト48に接続されている。この天井吹出ダク
ト48には空気吹出口49が多数設けられている。
【0024】50は冷房時に屋根39上の室内ユニット
40で発生する凝縮水を車両下方へ排出するドレンホー
ス、51は空調装置制御パネルで、車室内の運転席近傍
に設置されるものであり、操作スイッチ類、作動表示灯
等が設けられている。次に、図3は電気制御ブロック図
で、52は空調用制御装置、53は車室内温度を検出す
る内気温センサ、54は車室外温度を検出する外気温セ
ンサ、55は車室内の目標温度を設定する温度設定器、
56は空調運転スイッチ、57は除湿スイッチで、これ
らの温度設定器55、空調運転スイッチ56および除湿
スイッチ57は空調装置制御パネル51に設置され乗員
により手動操作される。
【0025】制御装置52により作動が制御される機器
17、19、20、24、31、43は前述したもので
ある。次に、上記構成において本実施例の作動を説明す
る。図4は本実施例におけるA〜Eの各運転パターンに
対する各機器の作動をまとめたもので、冷房時には、空
調運転スイッチ56を投入するとともに、温度設定器5
5により目標温度を設定する。すると、制御装置52が
この目標温度と、内気温センサ53、外気温センサ54
により検出される内気温、外気温度とにより、冷房モー
ドを選択するので、冷凍サイクルにおいて四方弁20に
より冷房サイクルが設定され、圧縮機18の吐出冷媒ガ
スが矢印イ方向に流れ、第1の室外側熱交換器30で凝
縮し、レシーバ32を経て液冷媒が第2の室外側熱交換
器29で過冷却される。
【0026】そして、開弁している電磁弁45を通っ
て、冷房用膨張弁46で液冷媒が減圧、膨張され、次い
で室内側熱交換器41において冷媒はファン43の送風
空気と熱交換して蒸発する。このとき、ファン43の送
風空気は冷媒に蒸発潜熱を吸熱されて冷却され冷風とな
る。この冷風は天井吹出ダクト48および多数の空気吹
出口49を経て車室内へ吹き出され、車室内を冷房す
る。
【0027】そして、制御装置52において、内気温セ
ンサ53の検出する内気温度等を温度設定器55により
設定される目標温度と比較して、室内ユニット40の送
風ファン43の送風量(ファン速度)の大、中、小の切
替と、圧縮機18の作動断続(電磁クラッチ19の通電
断続)とを行うことにより、冷房時の温度制御が自動的
に行われる。この冷房時における作動は基本的に従来装
置と同じである。
【0028】次に、本発明の要部をなす暖房モードの作
動を図5のフローチャートに基づいて詳述すると、冬季
に空調運転スイッチ56を投入すると(ステップS
1)、温度設定器55により設定された目標温度、外気
温等から暖房モードが選択される(ステップS2)。こ
れにより、ヒータ用水ポンプ17が始動(ステップS
3)して、暖房用ヒータコア23側へエンジン冷却水が
循環するので、暖房用ヒータコア23の温水入口部に設
けられた水温センサ25により水温が検出される。
【0029】次に、ステップS4において水温センサ2
5の検出水温が予め設定された設定温度T1(例えば4
0°C)以上かどうか判定され、水温が設定温度T1よ
り低いときは、ステップS5に進み、図4のヒータ立ち
上がりモードBが設定される。このヒータ立ち上がりモ
ードBにおいては、水温が低いため暖房用ファン24を
停止したままとし、かつ冷凍サイクルの作動によりエン
ジン水温の急速上昇を図る。
【0030】すなわち、圧縮機18および四方弁20の
ONにより矢印イ方向の冷房サイクルが設定される。ま
た、サーモスタット28は水温がその設定温度T3(例
えば80°C)より低いため、水−冷媒熱交換器27へ
の流路を全開し、バイパス路27aを全閉する状態とな
り、水−冷媒熱交換器27へ温水を流入させる。従っ
て、圧縮機18の吐出冷媒ガスが水−冷媒熱交換器27
においてエンジン冷却水と熱交換して水に凝縮熱を放出
するので、エンジン冷却水を予熱できる。また、エンジ
ン12はこのとき圧縮機18を電磁クラッチ19を介し
て駆動するので、この圧縮機駆動分だけ負荷が増大し、
エンジン廃熱量が増大するので、エンジン冷却水の温度
上昇を早めることができる。
【0031】このように、冷凍サイクルからの凝縮熱の
吸収と、圧縮機駆動分のエンジン負荷増大とにより、エ
ンジン冷却水の温度を急速に上昇させることができる。
なお、冷凍サイクルでは上記のごとく矢印イ方向の冷房
サイクルが設定されるが、その際、室外側熱交換器2
9、30での冷媒の放熱を防止するため、室外側の送風
ファン31は作動停止している。一方、室内ユニット4
0の室内側熱交換器41、42においては吸熱する必要
があるため、送風ファン43を低速(LO)で作動させ
る。
【0032】従って、暖房時でありながら、室内ユニッ
ト40から冷風の吹出が生じることになるが、本例で
は、以下の工夫によりこの冷風の吹出を軽減できる。す
なわち、送風ファン43を低速(LO)で作動させて風
量を減少させており、しかも、電磁弁45を閉弁、電磁
弁44を開弁して、2つの室内側熱交換器41、42を
冷媒回路上で直列接続して、空気上流側の室内側熱交換
器41で冷却された冷風を、空気下流側の室内側熱交換
器42で再加熱できる。つまり、空気下流側の室内側熱
交換器42には膨張弁46で減圧される前の高温の高圧
側冷媒が流れているので、この高圧側冷媒により冷風を
再加熱できる。以上の結果、室内ユニット40からの冷
風の吹出はほとんど問題とならない。
【0033】エンジン12の始動後、時間が経過して、
エンジン水温が前記設定温度T1(例えば40°C)よ
り高くなると、ステップS4の判定がYESとなり、ス
テップS6にて圧縮機18がOFFしているかどうか判
定され、上記モードBでは圧縮機18が作動しているの
で、ステップS7にて圧縮機18が作動停止(OFF)
される。
【0034】次に、ステップS8にて暖房能力モードが
決定される。すなわち、本例では制御装置52に入力さ
れる目標温度、内気温度、外気温度等からM5〜M8の
暖房能力モードのいずれか1つが決定される。そして、
M5〜M7の暖房能力モードが選択されたときは、ステ
ップS9に進み、ここで圧縮機18がOFFしているか
どうか判定され、圧縮機18が作動しているときは、ス
テップS10にて圧縮機18が作動停止(OFF)され
る。
【0035】次に、ステップS11にて暖房用ファン2
4の速度が上記暖房能力モードM5〜M7に対応して設
定される。すなわち、M5のモードでは、暖房用ファン
24の速度が低速(LO)に設定され、M6のモードで
は、暖房用ファン24の速度が中速(Me)に設定さ
れ、M7のモードでは、暖房用ファン24の速度が高速
(Hi)に設定される。このM5〜M7の暖房能力モー
ド選択による、ファン速度制御は、図4の通常モードC
である。
【0036】次に、ステップS8にて暖房能力モードと
してM8が選択されたときは、ステップS12に進み、
暖房用ファン24の速度が高速(Hi)に設定されると
ともに、冷凍サイクルでは四方弁20により冷媒が矢印
ロ方向に流れる暖房サイクル(ヒートポンプサイクル)
が設定され、圧縮機18が作動する。従って、圧縮機1
8の吐出冷媒ガスは屋根39上の室内ユニット40の室
内側熱交換器41において送風ファン43の送風空気に
凝縮熱を放出して凝縮する。送風ファン43の送風空気
はこの凝縮熱により加熱され、温風となって、天井吹出
ダクト48および多数の空気吹出口49を経て車室内へ
吹き出され、車室内を暖房する。
【0037】以上により、M8モードでは、ヒータユニ
ット22において暖房用ファン24を高速(Hi)回転
させて温水熱源による最大の暖房能力を発揮するととも
に、冷凍サイクル側ではヒートポンプ運転により室内ユ
ニット40で加熱した温風を車室内に吹き出すことがで
きるので、温水熱源に依存しない暖房能力を付加でき
る。従って、渋滞走行時や駐車時、あるいはエンジン1
2の燃焼効率化による絶対廃熱量の低下時においても、
上記ヒートポンプ運転の組み合わせにより暖房能力を効
果的に確保でき、車室温度の低下を防止できる。
【0038】次に、ステップS13に進み、水温センサ
25の検出水温が予め設定された設定温度T2(例えば
70°C)以上かどうか判定され、水温が設定温度T2
より低いときは、ステップS8に戻り、以上の作動を繰
り返す。水温が設定温度T2より高いときは、ステップ
S14に進み、圧縮機18を停止した後、ステップS8
に戻る。
【0039】上記モードM8による暖房作用は図4の水
温低下時モードDである。なお、手動操作の除湿スイッ
チ57を投入すると、制御装置52により図4の除湿モ
ードが設定される。この除湿モードにおいては、ヒータ
ユニット22において温水熱源により送風空気を加熱し
て、温風を車室内へ吹き出す。これと同時に、冷凍サイ
クルにおいては、四方弁20により冷房サイクルが設定
され、かつ電磁弁44が開弁し、電磁弁45が閉弁する
ので、室内ユニット40では電磁弁44、室内側熱交換
器42、冷房用膨張弁46、室内側熱交換器41の経路
で冷媒が流れるので、送風ファン43の送風空気は、そ
の上流側の熱交換器41で冷却、除湿された後に、上流
側の熱交換器42で再加熱される。
【0040】従って、室内ユニット40から車室内へ吹
き出される送風空気は、除湿され、かつ温度低下の少な
い空気となり、除湿運転を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるバス車両への架装図
である。
【図2】本発明の一実施例における温水回路および冷凍
サイクルの構成を示すシステム図である。
【図3】本発明の一実施例における電気制御の概略構成
を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例における作動形態をまとめた
表である。
【図5】本発明の一実施例における暖房モードの作動を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
12…車両エンジン、18…圧縮機、20…四方弁、2
2…ヒータユニット、23…ヒータコア、24…暖房用
送風ファン、27…水−冷媒熱交換器、28…サーモス
タット、29、30…室外側熱交換器、33…暖房用膨
張弁、41、42…室内側熱交換器、46…冷房用膨張
弁、52…制御装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両エンジンの冷却水が循環する温水回
    路に設けられ、エンジン冷却水と送風空気との間で熱交
    換をして、送風空気を加熱するヒータコア、およびこの
    ヒータコアに送風する送風ファンを有する車室内暖房用
    のヒータユニットと、 前記車両エンジンにより駆動される圧縮機、この圧縮機
    の吸入、吐出冷媒の流れ方向を切り替える切替弁、室外
    側熱交換器、減圧手段、および室内側熱交換器を有する
    ヒートポンプサイクルと、 前記切替弁により前記ヒートポンプサイクルが冷房サイ
    クルに設定されたとき、前記圧縮機の吐出冷媒ガスと、
    前記温水回路のエンジン冷却水との間で熱交換をする水
    −冷媒熱交換器と、 前記ヒータユニットの送風ファン、前記圧縮機および前
    記切替弁の作動を制御する制御手段とを備え、 暖房モード時に、前記エンジン冷却水の温度が設定温度
    より低いときには、前記制御手段により前記ヒートポン
    プサイクルを冷房サイクルに設定して運転することによ
    り、前記水−冷媒熱交換器において前記圧縮機の吐出冷
    媒ガスにより前記エンジン冷却水を加熱するとともに、
    前記ヒータユニットの送風ファンの作動を停止し、 前記エンジン冷却水の温度が設定温度以上に上昇した後
    に前記ヒータユニットの送風ファンを作動させることを
    特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒートポンプサイクルの前記室内側
    熱交換器として、送風空気上流側に設置され、かつ前記
    冷房サイクル設定時に前記減圧手段の冷媒下流側に位置
    する第1の熱交換器と、送風空気下流側に設置され、か
    つ前記冷房サイクル設定時に前記減圧手段の冷媒上流側
    に位置する第2の熱交換器とを備えていることを特徴と
    する請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジン冷却水の温度が設定温度よ
    り低いときのみ、前記水−冷媒熱交換器に、前記温水回
    路から前記エンジン冷却水を流入させる温度応答切替手
    段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記
    載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、暖房モード時に、前記
    ヒータユニットの送風ファンの送風量切替により暖房能
    力を切り替えるように構成されていることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記ヒータユニットの
    送風ファンの送風量を最大に設定するとともに、前記ヒ
    ートポンプサイクルを暖房サイクルに設定して運転する
    作動モードを有するように構成されていることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空
    調装置。
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