JPH08310114A - 被記録媒体の製造方法、その製造方法によって製造された被記録媒体及び該被記録媒体を用いた画像形成方法 - Google Patents

被記録媒体の製造方法、その製造方法によって製造された被記録媒体及び該被記録媒体を用いた画像形成方法

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JPH08310114A
JPH08310114A JP7121035A JP12103595A JPH08310114A JP H08310114 A JPH08310114 A JP H08310114A JP 7121035 A JP7121035 A JP 7121035A JP 12103595 A JP12103595 A JP 12103595A JP H08310114 A JPH08310114 A JP H08310114A
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recording medium
coating
ink
drying
substrate
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JP7121035A
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Hiroyuki Sugata
裕之 菅田
Yuji Kondo
祐司 近藤
Takeshi Santo
剛 三東
Hiroshi Tomioka
洋 冨岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビーディングのない画像が得られ、塗工欠陥
のないインク受容層が得られる被記録媒体の製造方法、
該方法によって製造される被記録媒体及びそれを用いた
画像形成方法を提供する。 【構成】 顔料と水溶性バインダーを含む塗工液を基体
に塗工して乾燥することにより、インク受容層を形成す
る被記録媒体の製造方法において、塗工液を乾燥に用い
る気体の流れが塗工面に対して垂直成分で風速2.5m
/sec以下、水平成分で4.0m/sec以下である
乾燥工程を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクを用いた記
録に適する被記録媒体の製造方法及びその製法で得られ
た被記録媒体を用いた画像形成方法に関するもので、特
にビーディングが生じにくい被記録媒体の製造方法及び
その製法で得られた被記録媒体を用いた画像形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式は、イン
クの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙な
どの被記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行
うものであるが、高速低騒音、多色化が容易、記録パタ
ーンの融通性が大きく、現像、定着が不要などの特徴が
あり、各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各種
の用途において急速に普及している。さらに多色インク
ジェット方式により形成される画像は、製版方式による
多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して遜色
のない記録を得ることも可能であり、作成部数が少ない
場合には通常の多色印刷や印画によるよりも安価である
ことからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつ
つある。記録の高速化、高精細化、フルカラー化などの
記録特性の向上に伴って記録装置、記録方法の改良が行
われてきたが、被記録媒体に対しても高度な特性が要求
されるようになってきた。
【0003】かかる要求を満たすために、従来から多種
多様の被記録媒体の形態が提案されてきた。例えば、特
開昭55−5830号公報には支持体表面にインク吸収
性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙が開示さ
れ、特開昭55−51583号公報には被覆層中の顔料
として非晶質シリカを用いた例が、また、特開昭55−
146786号公報には水溶性高分子塗工層を用いた例
がそれぞれ開示されている。
【0004】また近年、ベーマイト構造のアルミナ水和
物を用いた塗工層を有する被記録媒体が提案されてお
り、例えば、米国特許明細書第4879166号、同5
104730号、特開平2−276670号公報、同3
−275378号公報、同3−281384号公報、同
5−32037号公報に開示されている。
【0005】さらに米国特許明細書第4374804
号、同5104730号、特開昭58−110287号
公報、特開平1−97678号公報、同2−27667
1号公報、同4−37576号公報に示されているよう
に、シリカまたはアルミナ材料を用いて多層構成のイン
ク受容層を形成することも行われている。
【0006】しかし、いずれの提案も、インク吸収性、
解像性、画像濃度、色彩性、色再現性、インク吸着性、
透明性等の改良に関するものであり、かかる提案をもっ
てしてもビーディングについては、改良もしくは解消さ
れない。
【0007】ここでビーディングとは、一般にインク受
容層内へのインク吸収速度が遅い場合に生じ易く、視覚
的には小円状に似た色ムラとして認識される。大きさ
は、一般に0.2〜2.0mm程度であるが場合よって
は、その範囲外のものもある。一般に形状がビーズ玉状
であることから名前が由来している。
【0008】このビーディングの現象は、インク受容層
内へのインク吸収過程で、インクの吸収速度が遅いた
め、インク受容層表面に残存しているインクが、インク
同志引き合って集まったり、はじいて移動したりして、
インクの色濃度に高低部分を作ってしまうものである。
インク定着後に観察すると、多くはインク濃度が低い部
分が、小円状であり、インク吐出量の多い箇所に多発す
る。
【0009】インクの吸収速度については、遅い方がビ
ーディングは発生し易いが、あまり遅くなると、インク
受容層表面上に残存しているインク量が多量となりはじ
きや寄りが生ぜず、ビーディングが発生しないこともあ
る。しかしこの場合は、インクが大きく流れたり近傍の
異色インクと混じったりして、画像の大きな乱れとな
る。
【0010】このビーディングはまた、インク受容層が
形成される基体の種類によって発生頻度が違ってくる。
【0011】基体が液体吸収性がある場合、塗工液の溶
媒が塗工時から吸収され乾燥速度をある程度速めても、
塗工膜でのバインダーの不均一性が顕著にならないた
め、ビーディングが発生しにくくなる。また、画像形成
方法において、インクをインク受容層に吐出しても液体
の透過、吸収性の高い基体の場合、基体自体がインクを
吸収することが可能となり結果的にインク吸収速度を速
めることになる。
【0012】このように基体の種類によってビーディン
グを発生しにくくすることは可能であるが、インクジェ
ットの受像体の基体は、透明、不透明にかかわらずプラ
スチック、金属、ガラス、セラミックス燒結体、コート
紙、表面光沢性の高いアート紙等液体の透過、吸収性の
低い材質にもニーズは強いものがある。
【0013】顔料とバインダーを主成分としたインク受
容層をもつ被記録媒体のインク吸収性については、上記
従来技術において細孔容積、細孔半径の観点からその改
良がなされているが、ビーディングについての記載はな
く、また細孔容積、細孔半径の両者を考慮するだけで
は、ビーディングは十分には解決されない。
【0014】例えば、米国特許明細書第5104730
号、特開平2−276670号公報、同2−27667
1号公報、同3−275378号公報には平均細孔径が
10〜30オングストロームで狭い細孔径分布をもって
いる被記録媒体が開示されているが、この細孔径分布で
は、染料の吸着性がよいが溶媒の吸収性が不十分でビー
ディングが発生してしまう。
【0015】また、特開平3−281384号公報に
は、アスペクト比3以下の柱状で、一定方向に配向した
毛束状集合体を形成するアルミナ水和物と、そのアルミ
ナ水和物を用いた吸収性、色彩性のよいインク受容層を
形成する方法が開示されている。しかし、アルミナ水和
物粒子が配向して密に詰まるため、インク受容層中での
アルミナ水和物粒子間の間隙が狭くなり易い。そのた
め、細孔径が狭い方に片寄り、かつ細孔径分布が狭くな
る傾向がある。その結果ビーディングが発生するという
問題点がある。
【0016】また顔料の細孔容積を大きくし、インク吸
収性を向上させる方法は、インク受像層の透明性を損な
ってヘーズを生じさせ、画像の色濃度を低下させること
になる。
【0017】特開平1−133779では、表面改質に
よるビーディング対策が開示されているが、非多孔質の
受像体についてのものであり、顔料を用いた多孔質受像
に関連した技術開示ではない。
【0018】このように先行技術として顔料の改良、バ
インダーの選択塗工液の処方改良があったにもかかわら
ず、ビーディングの防止に大きな効果がなかったのが現
状である。
【0019】そして、被記録媒体のビーディングに関
し、製造方法の面から検討を加えたものは、あまり知ら
れておらず、特に製造方法の中の乾燥条件とインクジェ
ット記録特性の関係については殆ど知られていないのも
現状である。
【0020】特開昭63−170075には塗工層の乾
燥条件が温度とその勾配で示されてはいるが、平滑性、
ひび割れ防止等の成膜性に関する目的の技術開示であ
り、ビーディングについての記載はない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の前
記問題点を解決する目的でなされたもので、安定して良
好な画像適性が得られ、かつビーディングの発生しにく
い被記録媒体の製造方法及びその製造方法によって製造
された被記録媒体を用いた画像形成方法を提供すること
を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0023】すなわち、本発明は顔料と水溶性バインダ
ーを含む塗工液を、基体に塗工して乾燥することによ
り、インク受容層を形成する被記録媒体の製造方法にお
いて、塗工液の乾燥に用いる気体の流れが塗工面に対し
て垂直成分で、風速2.5m/sec以下、水平成分で
4.0m/sec以下である乾燥工程を有することを特
徴とする被記録媒体の製造方法を提案するものであり、
前記基体が液体吸収性のない基材であること、前記基体
がステキヒトサイズ度で100秒以上の紙であること、
前記気体の温度が70〜150℃の範囲であること、前
記の顔料が金属酸化物を含有すること、前記顔料がアル
ミナ水和物であることを含む。
【0024】また本発明の前記製造方法によって製造さ
れたことを特徴とする被記録媒体を提案するもので、前
記基体が液体吸収性のない基材であること、前記基体が
ステキヒトサイズ度で100秒以上の紙であること、前
記気体の温度が70〜150℃の範囲であること、前記
の顔料が金属酸化物を含有すること、前記顔料がアルミ
ナ水和物であることを含む。
【0025】さらに本発明は、インクを微細孔から吐出
させて小滴として、被記録媒体に付与して印字を行う画
像形成方法において、被記録媒体に前記の被記録媒体を
用いることを特徴とする画像形成方法を提案するもので
ある。
【0026】
【作用】本発明によればビーディングのない画像をイン
クジェット記録方式により得ることができ、また、塗工
欠陥のないインク受容層を有する被記録媒体が得られ
る。
【0027】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0028】本発明の基本的考えは、乾燥工程で急激に
塗工層の表面だけを乾燥させることを防ぐことにある。
【0029】塗工液は主に顔料と水溶性バインダーが含
まれているが、急激な乾燥が塗工層の表面で生じると、
顔料と水溶性バインダーとの被膜が形成される。この被
膜は乾燥速度が速いほど水溶性バインダーの比率が高く
なる。乾燥過程で部分的に水溶性バインダーの濃度が高
くなった領域へ、希薄部分から水溶性バインダーが集ま
るように移動が生じるものと考えられる。このため表面
状態が急激に乾燥されるような条件で乾燥工程が行われ
ると、インク受容層表面近傍は塗工液の処方で設定した
顔料/バインダ(以下、P/Bという)が崩れ、設定し
た比率よりバインダー比が大きい状態となる。しかもイ
ンク受容層表面でもバインダーの移動が生じ、バインダ
ーの疎密化が生じる。この疎密化は、乾燥気体の流れム
ラ、乱れによって増長される。顔料に比べ、バインダー
が少ない場合、このバインダーの疎密化は強調される。
【0030】P/Bが低いと、成膜性は良くなるが、イ
ンク吸収性は低下し、P/Bが高いとインク吸収性は良
くなるが、成膜性が低下してひび割れが生じたり、粉落
ちが生じることが知られている。乾燥が急激にインク受
容層表面で生じると、P/Bが表面で低くなり、インク
吸収性が低下し、なおかつ、狭い領域でインク吸収速度
にムラが生じるため、ビーディングが生じるものと考え
られる。塗工時に塗工液を基材に乗せる量が多くなる
と、ビーディングが顕著になる傾向があるが、それはこ
の考えを支持するものと考えられる。
【0031】バインダーが存在しない場合の顔料の動き
について以下に記す。
【0032】バインダーが存在しない条件で急激な乾燥
を行なうと、塗工層の表面は細かい粒子によって皮膜が
形成される。内部が未乾燥状態であっても表面に皮膜が
生じる訳である。そのまま完全に乾燥させると、内部よ
りも表面近傍の方が細かい粒子による緻密な状態となっ
ており、これは使用する顔料が小さい程顕著となる。バ
インダーが存在しないため、上記の皮膜はインクの吸収
速度が速くビーデイングの問題もあまりないが、急激な
表面からの乾燥は顔料の動きから見てもあまり好ましく
ないことが分かる。このように急激な表面の乾燥はイン
ク吸収性という重要な特性を低下させることになる訳で
ある。本発明は、乾燥速度を考慮し、塗工層表面の急激
な乾燥を抑えることを狙いとしている。
【0033】以下に本発明の好ましい態様を図面を参照
して説明する。
【0034】本発明の製造方法によって得られる被記録
媒体は図1に示すように基体1上に顔料と水溶性バイン
ダーを主とするインク受容層2が形成された構成であ
る。
【0035】基体としては、液体吸収性がないか非常に
低いものが好ましく、塗工液の溶媒を透過、吸収しても
その速度が紙の評価で表現されるところのサイズ度で1
00秒以上のものが、本発明においては好適である。液
体吸収性の高い基体の場合は、塗工液を吸収するため、
ビーディングが生じにくく、本発明の条件ではビーディ
ングの問題はないが、かえって生産効率が低下すること
になる。また、塗工液が吸収されずに乾燥すると生じる
表面光沢度より一般に低い傾向がある。
【0036】基体の形状、物性はフィルム、シート、ブ
ロック等の形状にこだわらず、透明、不透明に制限され
るものではない。
【0037】具体的な例としては、熱可塑性プラスチッ
クとして、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロースポリエ
チレン、ポリカーボネート、等の透明フィルム、シー
ト、板や、前記熱可塑性プラスチックにチタンホワイ
ト、カーボン、顔料を充填したもの、微細な発泡による
不透明化したシートが挙げられる。また、様々な樹脂材
料、複合材料も利用できる。その他にも、金属、金属蒸
着膜等の薄膜、セラミックス、燒結体、または金属酸化
物やセラミックス材料のスパッタリング等による薄膜、
表面がポリコート加工、ラミネートされている木や紙、
レジンコート紙、ポリコート紙、合成紙等がある。
【0038】液体の吸収性のある紙でも、キャストコー
ト紙、カレンダー処理をしたアート紙、印刷をした紙
等、吸収速度が遅い紙は本発明の条件のなかで好適であ
る。この基体の条件は、紙の評価方法の一つであるステ
キヒトサイズ度(通称サイズ度JISP−8122)で
坪量100g/m2 で100秒以上のものである。塗工
液の吸収性が低ければそれはプラスチック等と同様に扱
えるため上限は特にない。ステキヒトサイズ度が100
秒未満では先にも記したが、塗工液が吸収され、またイ
ンク吸収性も良いので塗工量をはじめとする条件も変わ
り本発明の条件以外でも生産が可能となり、生産効率を
より上げることができる。しかしながらステキヒトサイ
ズ度が10秒未満となると塗工液の吸収が良すぎて、塗
工液が裏抜けして塗工不良を生じる危険性が生じてく
る。これらの基体はインク受容層との密着性を良好にす
るために、コロナ処理等の表面処理や、易接着層を下引
層として設置してもよい。しかし、易接着層は、塗工液
を大量に吸収したり、インク受容層のインク吸収速度を
速めるような層であってはならない。
【0039】これらの基体はカール、うねり等を防止す
るために、基体の裏面や所定の部位に樹脂層や顔料層等
のカール防止層を設けることもできる。
【0040】これらの基材は、本発明の製造方法におけ
る乾燥条件において、耐熱性をもつものであれば良く、
発泡、発火、切断、剥れ、使用に耐えない変形、伸縮、
変色等が生じなければいずれのものでも構わない。
【0041】本発明に用いられる、塗工液は主に顔料と
水溶性バインダーとからなる。
【0042】顔料としては、例えば炭酸カルシウム、カ
オリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタ
ニア、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、アリ
ミナ水和物、ケイ酸、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネ
シウム、ケイ酸カルシウム、シリカ等の無機系顔料や、
プラスチックピグメント、尿素樹脂顔料等の有機顔料、
及びこれらの併用が可能である。
【0043】特に、インク吸収性や解像特性等の解像適
性の観点から好ましい顔料としては、アルミナ水和物、
シリカである。アルミナ水和物は、正電荷をもっている
ためインク中の染料の定着が良く、高光沢、高画像濃度
で発色の良い画像が得られるため、インク受容層に用い
る顔料としてはより好ましい。
【0044】本発明に用いられるアルミナ水和物は、下
記一般式により表されるものである
【0045】
【化1】Al23-n (OH)2n・mH2 O 式中、nは0,1,2または3の整数のうちいずれかを
表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。m
2 Oは多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可
能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をと
ることができる。また、この種のアルミナ水和物をか焼
するとmは0の値に達することがあり得る。
【0046】本発明の実施に好適なアルミナ水和物とし
ては、X線回折法による分析で非晶質のアルミナ水和物
であり、特に、特願平5−125437号、同5−12
5438号、同5−125439号、同6−11457
1号に記載のアルミナ水和物を用いるのが好ましい。
【0047】また、シリカとしては、天然シリカ、合成
シリカ、非晶質シリカ等や化学修飾されたシリカ系化合
物を用いることができるが、特に正電荷を有するシリカ
が好ましく、例えば、商品名「アデライトCT−10
0」(旭電化工業(株)社製)、「スノーテックスA
K」(日産化学工業(株)社製)等が市販されており、
入手可能で好ましく用いられる。
【0048】ここで、特公平4−19037号公報に
は、正電荷を有したシリカ(カチオン性コロイダルシル
カ)をインク受理層中に含有させたインクジェット用記
録媒体が耐水性と耐光性の双方の特性を満足することが
記載されている。しかしながらビーディングの関係等の
記載がなく、かかる技術をもってしてもビーディングの
改良、もしくは解消はなされ得ない。
【0049】しかしながら、本発明は従来の技術を全く
否定するものでなく、インク吸収性や画質向上、画像特
性の改良を目的として行われた発明の顔料を使うことは
制限されるものでない。
【0050】本発明の被記録媒体において、上記顔料と
組み合わせて使用するバインダーとしては、水溶性高分
子物質が好ましい。例えば、ポリビニルアルコールまた
はその変性体(カチオン変性、アニオン変性、シラノー
ル変性)、澱粉またはその変性(酸化、エーテル化)、
ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性
体、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、SBRラテックス、N
BRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変
性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等の
ビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、
無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステ
ル共重合体等が好ましい。これらのバインダーは、単独
であるいは複数種混合して用いることができる。
【0051】前記顔料とバインダーの混合比は重量比
(P/B)で3/1〜30/1、より好ましくは5/1
〜20/1の間で任意に選択できる。バインダー比率が
上記範囲よりも少ない場合は、インク受容層の機械的強
度が不足して、ひび割れ(クラック)や、粉落ちが発生
し、上記範囲よりも比率が多い場合は、顔料の細孔容積
を減らしてインク吸収が悪くなる。
【0052】顔料及びバインダーを含む塗工液には、必
要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動
性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤を必要に応じて
添加することも可能である。
【0053】耐水化剤としてハロゲン化第4級アンモニ
ウム塩、第4級アンモニウム塩ポリマー等の公知の材料
の中から自由に選択して用いることができる。
【0054】塗工液の調製には、上記に示した材料を用
いることができるが、水溶性バインダーを用いるため、
溶媒は水が好ましい、また顔料を塗工液に分散させる上
からも、水が好適である。
【0055】顔料、バインダーに対して悪影響を与えな
い限りは有機溶剤の混合、添加も可能である。消泡効
果、粘度の調整、各種添加剤の溶解、塗工時の乾燥速度
の調整等を目的として有機溶剤の添加ができる。しかし
ながら、画像に与える影響、塗工乾燥時の被膜性、各材
料の分散性等注意が必要である、混合率では全体の50
%以下、好適な範囲では30%以下である。
【0056】塗工液の固形分濃度は10重量%〜40重
量%、特に15〜30重量%が好適で特に15〜25重
量%が好ましい。固形分濃度が10重量%未満の低濃度
の場合、所望の厚みのインク受容層を得るため、塗工液
を多量に基体の上に乗せる必要があり、乾燥が非効率化
し、ビーディングも発生し易くなる。また、固形分濃度
が40重量%を越え、固形分濃度が高いと粘度が高くな
り取扱いが難しく、分散、脱泡、コーティングに支障が
生じる。
【0057】塗工液の粘度は、固形分濃度やコーテイン
グ方式にもよるが10〜1000cpsが、特に40〜
600cpsが好適で100〜300cpsが好まし
く、100〜200cpsが良い。但し、上記範囲外で
もコーテイング方式によっては塗工可能である。
【0058】塗工液の分散は、使用装置、分散時のシェ
ア強度、分散時間、加熱温度によって、顔料の粒子径、
粒度分布、バインダーと顔料の相互作用を調整すること
ができ、これにより塗工液の粒度、インク受容層の特性
(インク吸収速度、吸収量、光沢度等)を調整すること
が可能となる。
【0059】塗工液の分散には、従来公知の分散手法が
適用できる。例えば、攪拌機、アトライター、ジゾルバ
ー、高速剪断攪拌機、ホモジナイザー、超音波ホモジナ
イザー、高圧ホモジナイザー(ゴーリン乳化器等)、ペ
イントシェーカー、ボールミル、サンドミル等である。
【0060】調製された塗工液は、インク受容層を形成
するため基体上に塗工し乾燥される。塗工方法として
は、ブレードコート方式、バーコート方式、エアーナイ
フ方式、ロールコート方式、ブラッシュコート方式、グ
ラビアコート方式、キスコート方式、エクストルジョン
方式、スライドホッパー(スライドビード)方式、ダイ
コート方式、コンマコート方式、カーテンコート方式、
スプレー方式等を用いることができる。
【0061】分散液の塗工量は乾燥固形分で、0.5〜
65g/m2 、より好ましくは、5〜55g/m2 であ
るが、良好なインク吸収性、解像性、安定な成膜性を得
るには、15μm〜55μm、好ましくは20μm〜5
0μm、特に25〜45μmのインク受容層の厚みにす
る必要性がある。塗工時の塗工液の乗せる量が多い程、
ビーディングの発生も顕著になることから、上記の条件
が好ましい。
【0062】塗工時の乾燥条件であるが、急激な乾燥方
法は好ましくない。一般的なコーターの乾燥路は熱風ド
ライヤーが利用されている。乾燥温度は70℃〜150
℃、好ましくは80℃〜130℃である。低温のとき、
ビーディングは生じにくい傾向はあるが、乾燥時間が長
くなり、長い乾燥路が必要となる。塗工量を増やすと、
コーティング方式の選択範囲が制限される等の問題が生
じ、高温にすると、基体の耐熱性、塗工表面の急激な乾
燥等の問題の他に、インク受容層の過度の加熱という問
題も起こる。インク受容層は十分に乾燥したのちにも、
さらに乾燥を過度に続けると、インク吸収性が低下する
場合があるためである。なお、温度については特開昭6
3−17005に記載の温度勾配をつけても良い。
【0063】加熱された基体での乾燥は風速が強いほど
速くなる。塗工液を塗工した基体に垂直に乾燥用の気体
を放出するとき、この乾燥用の基体の流速(以後、風速
と表現する)を測定し、制御することにより、乾燥速度
の制御がある程度可能となる。
【0064】しかし、この乾燥用の気体の流れは、塗工
表面近傍では、塗工面に対して平行に流れる。この流れ
は、基体の端部近くになるほど、乾燥用気体の塗工面へ
の放出境界ほど速くなる。
【0065】図2は、乾燥用気体の流れを示した概念図
である。この乾燥用気体の風速を基体の垂直方向で2.
5m/sec以下0.1m/sec以上、水平方向で
4.0m/sec以下0.2m/sec以上の範囲にす
るとビーディングの発生が抑えられた乾燥が行なえる。
乾燥用気体の流れが上記のスピードを越えた場合は塗工
層表面の乾燥が速まりインク吸収の低下、ビーデイング
の発生が生じる。また乾燥用気体の流れが上記条件範囲
より遅い速度の場合は、乾燥不良、乾燥時間の長期化と
いった問題が生じる。このときの乾燥用気体の温度は前
記の温度範囲である。
【0066】なお、風速の条件は、基体に対して垂直方
向は基体から1cm上、水平成分では、基体から0.5
cm上で測定したものである。水平成分については基体
が移動する場合、移動速度を風速測定値に加えた値を
4.0m/sec以下にする必要がある。
【0067】また、この風速の条件は、乾燥段階が何段
かに別れている場合、各段で風速を変化させてもよい。
しかし、インク受容層中でバインダーの移動が生じなく
なる状態までの乾燥工程では、上記の風速条件を守らな
ければならず、それ以後で乾燥条件は強めてもよい。
【0068】なお、塗工後の乾燥条件で最初に風量を強
めると、ビーディングの他に、風による塗工液の乱れ等
が生じ、塗工欠陥やひび割れが発生し易くなる。
【0069】本発明の条件では、このような欠陥もなく
すことができる。なお、風速測定には、一般の風速計を
用いることができるが、温度補正機能が装備されている
もの、もしくは温度に影響を受けないものが好ましい。
【0070】本発明の画像形成方法に使用されるインク
は、主として色材(染料もしくは顔料)、水溶性有機溶
剤及び水を含むものである。染料としては、例えば直接
染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等
に代表される水溶性染料が好ましく、被記録媒体との組
み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性そ
の他の要求される性能を満たす画像を与えるものであれ
ばいずれでも使用できる。
【0071】水溶性染料は、一般に水または水と有機溶
剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであり、これ
らの溶媒成分としては、好ましくは水と水溶性の各種有
機溶剤等との混合物が使用されるが、インク中の水分含
有量が20〜90重量%、好ましくは60〜90重量%
の範囲内となるように調整するのが好ましい。
【0072】また、インクには水溶性染料の溶媒に対す
る溶解性を飛躍的に向上させるために可溶化剤を加える
こともできる。さらに特性の改善のために、粘度調整
剤、界面活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗
調整剤、耐光、耐久を含めた保存安定剤等の添加剤を加
えて用いることもできる。
【0073】前記被記録媒体に上記インクを付与して記
録を行う画像形成方法としては、インクジェット記録方
法が好ましく、該記録方法はインクをノズルより効果的
に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法で
あればいかなる方法でもよい。特に特開昭54−599
36号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作
用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変
化による作用力によって、インクをノズルから吐出させ
るインクジェット方式は有効に使用することができる。
【0074】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。 <実施例1>アルミナ水和物を顔料として用いた。比表
面積、及び細孔容積はそれぞれ200.2m2 /g、
0.71ml/gであった。
【0075】比表面積はBET比表面積で、Bruauer ら
の方法を用いて算出した。
【0076】細孔容積は、120℃で24時間脱気処理
した後、窒素吸着脱離法を用いて測定した(カンタクロ
ーム社製、オートソープI)。
【0077】製造方法は、米国特許明細書第42422
71号に記載された方法で、アルミニウムドデキシドを
製造する。次に米国特許明細書第4202870号に記
載された方法で前記アルミニウムアルコキシドを加水分
解してアルミナスラリーを製造した。このアルミナスラ
リーをアルミナ水和物固形分が7.9%になるまで水を
加えた。アルミナスラリーのpHは9.5であった。
3.9%の硝酸溶液を加えてpHを6.8に調整した。
これを110℃6時間で熟成してコロイダルゾルを得
た。このコロイダルゾルを75℃でスプレー乾燥して得
られたアルミナ水和物を用いた。
【0078】このアルミナ水和物をイオン交換水に分散
した後、ポリビニルアルコール(ゴーセノールNH−1
8:日本合成化学工業(株))を溶解したイオン交換水
の水溶液を添加した。このとき、アルミナ水和物の固形
分重量/ポリビニルアルコールの固形分量(顔料/バイ
ンダー=P/B)が13/1になるように計量、添加、
混合攪拌し、分散処理をして塗工液を得た。この塗工液
を、レジンコート紙(厚み238μm、坪量249.8
g/m2 )の上に塗工し、オーブンで100℃10分で
乾燥した。このとき、オーブン内でファンを回し、垂直
方向で0.8m/sec水平方向で0.8m/secの
風速になるように塗工面に風を送った。乾燥時に36μ
mの厚みのインク受容層を得た。乾燥条件を表−1に、
評価結果を表−2に示した。
【0079】風速は電子風速計(5K−27V:(株)
佐藤計量器)を用いて測定した。 <実施例2>実施例1で用いた塗工液を透明ポリエステ
ルフィルム(東レ(株)製、ルミラーT、厚み100μ
m)に塗工した。塗工に際してはダイコート方式を用い
た。乾燥を130℃、塗工速度12m/min、風速は
塗工面と垂直方向で2.5m/sec、水平方向で3.
7m/secであった。インク受容層の厚みは35μm
を得た。表−1に乾燥条件、表−2に評価結果を示し
た。
【0080】風速は電子風速計(SK−57AD:
(株)佐藤計量器)を使用した。 <実施例3>塗工液を実施例1で用いたものを利用し、
キャストコート紙(坪量25.6g/m2 、サイズ度3
00秒以上)上に塗工した。塗工方式、乾燥条件は実施
例2と同じとした。
【0081】インク受容層は33μmを得た。表−1に
乾燥条件、表−2に評価結果を示す。 <実施例4>実施例1で用いた塗工液を白色ポリエステ
ルフィルム(東レ(株)製、ルミラーX−21、厚み1
00μm)に塗工した。塗工方式はキスコート方式、乾
燥温度は130℃とした。塗工速度10m/min、風
速は垂直方向で1.8m/sec、水平方向で2.8m
/secとした。インク受容層は厚み34μmを得た。
【0082】表−1に乾燥条件、表−2に評価結果を示
した。 <比較例1>実施例1と同じ塗工液、基材、塗工方式を
用いて塗工したのち、ドライヤー(家庭用、出力120
0W)を2台で垂直成分3.4m/sec、水平成分
5.0m/secの条件で7分間乾燥した。乾燥温度は
70℃であった。インク受容層の厚みは35μmを得
た。表−1に乾燥条件、表−2に評価結果を示す。 <比較例2>実施例2と同じ塗工液、基材、塗工方式を
用いて塗工した。乾燥時の風速だけ垂直成分7.0m/
sec、水平成分で11.0m/secの条件に変え
た。インク受容層の厚み35μmを得た。表−1に乾燥
条件、表−2に評価結果を示す。 <実施例5>実施例1で使用したアルミナ水和物をイオ
ン交換水で分散し、バインダーとしてポリビニルアルコ
ール(株)クラレ:PVA117)とゼラチンを加え
た。バインダー混合比はポリビニルアルコールとゼラチ
ンの重量比で9:1とした。ゼラチンは重量平均分子量
12万、pH5.8、等イオン点6.8のものを使用し
て、塗工液を調製した。
【0083】アルミナ水和物の重量/バインダーの合計
重量は13/1とした。この塗工液を110μmのポリ
イミドフィルム(デュポン社:カプトン)に塗工した。
塗工方法はキスコート方式で、温度150℃、垂直成分
で2.4m/sec、水平成分で3.5m/sec、塗
工速度10m/minとした。インク受容層の厚みは3
5μmであった。
【0084】乾燥条件を表−1に、評価結果を表−2に
示す。 <実施例6>実施例5で使用したアルミナ水和物とバイ
ンダーを用いて塗工液を調製した。バインダーの混合比
は、ポリビニルアルコールの重量/ゼラチンの重量=9
/1、アルミナ水和物の重量/総バインダー重量=10
/1とする。
【0085】素材は120μmの厚みの白色ポリエステ
ルフィルム(東レ(株)社製、ルミラーX−21)を用
いた。
【0086】塗工方法はグラビアロール方式を用いた。
温度110℃、垂直成分2.3m/sec、水平成分
3.4m/secの風速で乾燥した。塗工速度は8m/
minとした。インク受容層の厚みは32μmであっ
た。
【0087】乾燥条件を表−1に、評価結果を表−2に
示す。 <実施例7>顔料にコロイダルシリカ(旭電化(株)社
製、アデライトCT−100)を使用した。比表面積は
カタログ値で221.1m2 /g、バインダーには実施
例1で使用したポリビニルアルコールを用い、顔料重量
/バインダー重量は7/1として塗工液を調製した。こ
の塗工液を坪量157g/m2 でカレンダー処理をして
なるアート紙(サイズ度250秒以上)にコーティング
した。
【0088】グラビアコード方式で15m/minで塗
工したが、140℃で乾燥気体の風速を垂直方向で2.
0m/sec、水平方向で3.1m/secの条件下、
厚み32μmのインク受容層を得た。
【0089】乾燥条件を表−1、評価結果を表−2に示
す。 <実施例8>実施例7で使用した塗工液を、実施例6に
使用した基体に塗工した。塗工方式をグラビアロール方
式として、温度130℃、乾燥時の気体の風速を塗工面
に垂直方向で、1.9m/sec、水平方向で2.9m
/secとした。塗工速度15m/minで、インク受
容層の厚みは36μmを得た。
【0090】乾燥条件を表−1、評価結果を表−2に示
す。 <実施例9>実施例1に示したアルミナ水和物の製造方
法で熟成条件をオーブンで100℃、8時間として、ア
ルミナ水和物を得た。
【0091】この水和物の比表面積は120m2 /g、
細孔容積0.441であった。この顔料を実施例1と同
様にイオン交換水に分散した。バインダーにはポリビニ
ルピロリドン(GAF社製、K−90)を用い、顔料の
重量/バインダー重量=5/1になるようにバインダー
を添加し、分散処理後塗工液を得た。
【0092】基体には実施例6で使用した白色ペットフ
ィルムを用いて塗工液を塗工した。塗工方式はグラビア
ロールコート方式で12m/minで、塗工した。温度
130℃、風速を垂直方向で1.5m/sec、水平方
向で2.5m/secで乾燥した。
【0093】得られたインク受容層の厚みは36μmで
あった。
【0094】乾燥条件を表−1、評価結果を表−2に示
す。 <実施例10>実施例9で用いた顔料を用いた。バイン
ダーはポリエチレンオキサイド(住友精化(株)PEO
−8)を用い、顔料重量/バインダー重量=8/1とな
るように塗液を調製した。
【0095】塗工方式は、グラビアコート方式で12m
/minで塗工した。
【0096】乾燥条件は実施例9と同じとして、インク
受容層をの厚みは36μmであった。
【0097】乾燥条件を表−1、評価結果を表−2に示
す。 <比較例3>実施例5での乾燥条件で乾燥温度を160
℃にした以外は同じ操作を行いインク受容層34μmを
得た。
【0098】乾燥条件を表−1に、評価結果を表−2に
示した。 [風速の測定]120℃以下では、電子風速計SK−2
7V:(株)佐藤計量器、120℃以上では電子風速計
SK−57AD:(株)佐藤計量器を用いた。 (評価項目) [インク受容層の膜状態]目視により評価した。平滑面
が得られ良好なものを○、クラック、塗工欠陥の生じた
ものを×とした。 [印字特性]1mmに16本の割合のノズル間隔で、1
28本のノズルを供えたインクジェットをY,M,C,
Bkの4色分備えたバブルジェットプリンタを用い、下
記のインクにより、インクジェット記録を行って、イン
ク吸収性、ビーデイングについて評価した。
【0099】(a)インク吸収性 下記組成のY,M,C,Bkインクを単色または多色で
ベタ印字した直後の被記録媒体表面のインクの乾燥状態
を記録部に指で触れて調べた。単色印字でのインク量を
100%とした。インク量300%でインクで指に付着
しないものを◎、インク量200%でインクが指に付着
しないものを○、インク量が100%でインクが指に付
着しないものを△とした。
【0100】(b)ビーディング 下記組成のY,M,C,kインクを単色または多色でベ
タ印字した後の被記録媒体表面ビーディングを目視で評
価した。
【0101】単色印字でのインク量を100%とした。
インク量300%で発生していなければ◎、インク量2
00%で発生していなければ○、発生していれば×、大
きく多発していれば××とした。 [インク組成] ・インク染料 5部 ・エチレングリコール 10部 ・ポリエチレングリコール 10部 ・水 75部 インク染料 Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アッシドレッド35 C:C.I.ダイレクトブルー199 Bk:C.I.フードブラック2
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、 (1)乾燥温度乾燥時の気体の風速を特定範囲に制御す
る製造方法により、ビーディングのない画像をインクジ
ェット記録方式により得られる。
【0105】(2)乾燥時の風量を特定範囲内に制御す
ることにより塗工欠陥のないインク受容層が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られる被記録媒体
の断面図である。
【図2】乾燥用気体の流れを示した概念図である。
【符号の説明】
1 基体 2 塗工層 3 乾燥気体吹き出し口 4 垂直気体の流れ 5 水平気体の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨岡 洋 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料と水溶性バインダーを含む塗工液
    を、基体に塗工して乾燥することにより、インク受容層
    を形成する被記録媒体の製造方法において、塗工液の乾
    燥に用いる気体の流れが塗工面に対して垂直成分で風速
    2.5m/sec以下、水平成分で4.0m/sec以
    下である乾燥工程を有することを特徴とする被記録媒体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記気体の温度が70〜150℃の範囲で
    ある請求項1に記載の被記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基体が液体吸収性のない基材である
    請求項1乃至2のいずれかに記載の被記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基体が ステキヒトサイズ度で10
    0秒以上の紙である請求項1乃至2のいずれかに記載の
    被記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記の顔料が金属酸化物を含有する請求
    項1乃至4のうちいずれか1項に記載の被記録媒体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記顔料がアルミナ水和物である請求項
    1乃至5のうちいずれか1項記載の被記録媒体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 顔料と水溶性バインダーを含む塗工液
    を、基体に塗工して乾燥することにより、インク受容層
    を形成する被記録媒体の製造方法において、塗工液の乾
    燥に用いる気体の流れ塗工面に対して垂直成分で風速
    2.5m/sec以下、水平成分で4.0m/sec以
    下である乾燥工程を有する被記録媒体の製造方法によっ
    て製造されたことを特徴とする被記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記気体の温度が70〜150℃の範囲
    である請求項7に記載の被記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記基体が液体吸収性のない基材である
    請求項7乃至8のいずれかに記載の被記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記基体が ステキヒトサイズ度で1
    00秒以上の紙である請求項7乃至8のいずれかに記載
    の被記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記の顔料が金属酸化物を含有する請
    求項7乃至10のうちいずれか1項に記載の被記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 前記顔料がアルミナ水和物である請求
    項7乃至11のうちいずれか1項記載の被記録媒体。
  13. 【請求項13】 インクを微細孔から吐出させて小滴と
    して、被記録媒体に付与して印字を行う画像形成方法に
    おいて、被記録媒体に前記の被記録媒体を用いることを
    特徴とする画像形成方法。
JP7121035A 1995-05-19 1995-05-19 被記録媒体の製造方法、その製造方法によって製造された被記録媒体及び該被記録媒体を用いた画像形成方法 Pending JPH08310114A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127625A (ja) * 2000-10-19 2002-05-08 Tohoku Ricoh Co Ltd 感熱孔版印刷用マスターの製造方法及び該製造方法で作製した感熱孔版印刷用マスター
WO2014041854A1 (ja) * 2012-09-12 2014-03-20 吉野石膏株式会社 石膏組成物、石膏スラリー、石膏硬化体、石膏系建材、石膏ボード、および、石膏系建材の製造方法

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