JP2000158808A - 被記録媒体及びこの被記録媒体の製造方法 - Google Patents

被記録媒体及びこの被記録媒体の製造方法

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JP2000158808A
JP2000158808A JP11271047A JP27104799A JP2000158808A JP 2000158808 A JP2000158808 A JP 2000158808A JP 11271047 A JP11271047 A JP 11271047A JP 27104799 A JP27104799 A JP 27104799A JP 2000158808 A JP2000158808 A JP 2000158808A
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alumina hydrate
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Hiroyuki Ogino
博幸 荻野
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの選択幅が広く、印字部の光学濃度が
高く、透明性が良好で、クラック、粉落ちやカールの少
ない被記録媒体、その製造方法及びこれを用いた画像形
成方法を提供すること。 【解決手段】 基材上に、ベーマイト構造を有し平均粒
子厚みが2.0〜6.0nmで、(020)面方向の結
晶子径が5.0〜8.0nmであるアルミナ水和物を含
有するインク受容層を設け、平行度を30〜1000と
して被記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクを用いた記録
に好適な被記録媒体及びその製造法に関し、とりわけ画
像濃度が高く、色調が鮮明で、しかもインク吸収能力に
優れたインクジェット用被記録媒体、その製造方法及び
それを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの被
記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行なうも
のであるが、高速低騒音、多色化が容易、記録パターン
の融通性が大きい、現像・定着が不要などの特徴があ
り、近年、各種画像の記録装置として情報機器をはじめ
各種の用途において急速に普及している。さらに多色イ
ンクジェット方式により形成される画像は、製版方式に
よる多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較して
遜色のない記録を得ることも可能であり、作成部数が少
ない場合には通常の多色印刷や印画によるよりも安価で
あることからフルカラー画像記録の分野にまで広く応用
されつつある。
【0003】インクジェット記録方式において、記録の
高速化、高精細化、フルカラー化などの記録特性の向上
に伴って記録装置、記録方法の改良が行われてきたが、
被記録媒体に対しても高度な特性が要求されるようにな
ってきた。かかる問題点を解決するために、従来から多
種多様の被記録媒体の形態が提案されてきた。たとえば
特開昭55−5830号公報には支持体表面にインク吸
収性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙が開示さ
れ、特開昭55−51583号公報には被覆層中の顔料
として非晶質シリカを用いた例が開示されている。
【0004】また、米国特許明細書第4879166
号、同5104730号、特開平2−276670号公
報、同5−32413号公報、同5−32414号公報
では、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を用いたイン
ク受容層を有する記録シートが提案されている。
【0005】さらに特開平2−276670号公報では
固形分濃度7重量%のアルミナゾルを純水で100倍に
希釈して親水化したコロジオン膜に滴下、乾燥した場
合、一定方向に配向した毛状束のアルミナ水和物集合体
を形成するアルミナゾルが開示されている。特開平7−
76162号公報にはベーマイト結晶のb軸がシート面
に対して垂直に配向していることが好ましいことが記載
されている。特開平9−30115号公報には特定細孔
構造で配向度が0.5以下の記録媒体が記載されてい
る。特開平8−132731号公報には平行度が1.5
以上の記録媒体が記載されている。しかしながら、従来
の被記録媒体には以下の問題点が発生している。
【0006】1.前記擬ベーマイトを用いた従来の被記
録媒体ではインク受容層にヘイズが発生し易いという問
題点があった。その対策としては特開平2−27667
0号公報に記載されているように特定の細孔構造に制御
するか、特開平9−30115号公報に記載されている
ように細孔構造とベーマイト結晶を配向することが行わ
れている。しかしながら被記録媒体の大きな半径の細孔
を少なくすることはインク吸収を損なう場合があり、ベ
ーマイト結晶を面内に均一に配向させることは製造条件
が難しくなるという問題点があった。
【0007】2.特開平7−76162号公報には擬ベ
ーマイト層の上にシリカ層を積層した被記録媒体が記載
されている。シリカ層を設けることによって傷つきを防
止する思想である。この方法では傷付きは低減するもの
の、打痕は防止できないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決する目的でなされたものであり、インクの選択幅
が広く、印字部の光学濃度が高く、透明性が良好で、ク
ラック、粉落ちやカールの少ない被記録媒体、その製造
方法及びこれを用いた画像形成方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明によって達成される。すなわち本発明は、基材上
に、ベーマイト構造を有し平均粒子厚みが2.0〜6.
0nmで、(020)面方向の結晶子径が5.0〜8.
0nmであるアルミナ水和物を含有するインク受容層を
有し、平行度が30〜1000であることを特徴とする
被記録媒体である。
【0010】更に本発明は平均粒子厚みが2.0〜6.
0nmで、(020)面方向の結晶子径が5.0〜8.
0nmであるベーマイト構造を有するアルミナ水和物ス
ラリーを乾燥粉体にすることなくバインダーと混合して
基材上に塗布、乾燥することを特徴とする被記録媒体の
製造方法である。
【0011】本発明は、インクの小滴を微細孔から吐出
させ、被記録媒体に付与して印字を行なう画像形成方法
において、被記録媒体として上記記載の被記録媒体を用
いることを特徴とする画像形成方法であり、インクに熱
エネルギーを作用させてインク滴を吐出させることを含
む。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の被記録媒体を用いること
で、インク溶媒の吸収性と色材の吸着性の両方を満足
し、インク及び色材の選択幅が広く、ドット径の揃っ
た、クラックの少ない、耐水性に優れた被記録媒体を得
ることができる。
【0013】本発明で使用するアルミナ水和物は正電荷
を持っているためインク中の染料の定着が良く、発色性
に優れた画像が得られ、黒色インクの茶変、耐光性など
の問題点を生じないため、インク受容層に用いる材料と
しては好ましい。被記録媒体に用いるアルミナ水和物と
しては、X線回折法でベーマイト構造を示すアルミナ水
和物が、色材の吸着性とインク吸収性及び透明性が良い
ので最も好ましい。アルミナ水和物は下記の一般式によ
り定義される。
【0014】
【化1】Al23-n (OH)2n・mH2O 式中、nは0〜3の整数の一つを表し、mは0ないし1
0、好ましくは0ないし5の値を示す。mH2Oの表現
は、多くの場合に結晶格子の形成に関与しない脱離可能
な水相を表すものであり、そのために、mはまた整数で
ない値をとることもできる。但し、mとnは同時にゼロ
にならない。
【0015】一般にベーマイト構造を示すアルミナ水和
物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層
状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示
す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬
ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に
含んだ構造を取ることもできる。この擬ベーマイトのX
線回折図形は完全ベーマイトよりもブロードな回折ピー
クを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別
できるものではないので、本発明では特に断らない限
り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物
という(以下、アルミナ水和物という)。
【0016】本発明者らは非晶質構造またはベーマイト
構造を持つアルミナ水和物を用いた被記録媒体を提案し
た。本願はその改良であり、ベーマイト構造のアルミナ
水和物の配向性を極めて高めた超配向性アルミナ水和物
を用いた被記録媒体である。この超配向性アルミナ水和
物は配向度、平行度の測定を行うと従来のアルミナ水和
物とは桁違いの配向性を示す。この超配向性アルミナ水
和物は、バインダーを加えてインク受容層を形成した場
合に、白紙カール、印字後カール、透明性、打痕の付き
にくさが、従来のアルミナ水和物を用いた場合よりもは
るかに良好になることを見出して本発明に至った。また
超配向性アルミナ水和物は液晶材料のように自己配向性
を持っていることによりバインダーなしの単独でも膜に
することができる。本発明者はこの性質を利用して超配
向性アルミナ水和物とバインダーを含む混合分散液を塗
工した時にゼラチン材料のようにセットさせて生産性を
大幅に改善することが出来ること、塗工して形成された
インク受容層表面の欠陥が少なくなることも見出した。
【0017】本発明で用いる超配向性アルミナ水和物の
製造方法としては、特に限定されるものではないが、ベ
ーマイト構造を持つアルミナ水和物を製造できる方法で
あれば、例えば、アルミニウムアルコキシドの加水分
解、アルミン酸ナトリウムの加水分解などの方法で製造
することができる。
【0018】超配向性アルミナ水和物に添加する酸とし
ては、有機酸及び無機酸の中から1種類以上を自由に選
択して用いることができるが、硝酸が加水分解の反応効
率及び得られたアルミナ水和物の形状制御の容易性、分
散性の点で好ましい。
【0019】超配向性アルミナ水和物は、アルミナ水和
物製造時の加水分解や解膠の条件(装置、温度、時間、
添加剤の種類と量、溶液のpH)、水熱合成の条件(装
置や温度、圧力、回数、反応時間、溶媒の種類、溶液の
pH)を制御することによって作ることができる。
【0020】アルミナ水和物の形状は、アルミナ水和物
を水、アルコールなどに分散させてコロジオン膜上に滴
下して測定用試料を作製し、透過型電子顕微鏡で観察し
て求めることができる。アルミナ水和物の中で擬ベーマ
イトには、前記文献(Rocek J.、et al、
Applied Catalysis、74巻、29〜
36頁、1991年)に記載されたように、繊毛状とそ
れ以外の形状が有ることが一般に知られている。本発明
においては繊毛状または平板形状のいづれの形状のアル
ミナ水和物でも用いることができる。アルミナ水和物の
形状(粒子形、粒子径、アスペクト比)は、アルミナ水
和物をイオン交換水に分散させてコロジオン膜上に滴下
して測定用試料を作り、この試料を透過型電子顕微鏡で
観察することによって測定することができる。
【0021】本発明者の知見によれば、平板状の形状の
方が毛状束(繊毛状)よりも水への分散性が良く、イン
ク受容層を形成した場合にアルミナ水和物粒子の配向が
ランダムになるために細孔容積が大きく、かつ細孔径分
布が幅広くなるのでより好ましい。ここで毛状束形状と
は針状の形状のアルミナ水和物が側面同志を接して髪の
毛の束のように集まった状態を言う。
【0022】本発明における最も好ましいアルミナ水和
物の形状は、平板状では平均粒子厚みが2.0〜6.0
nmの範囲で、平均粒子直径が1〜50nmの範囲が好
ましく、毛状束では平均粒子直径が2.0〜6.0nm
の範囲で、平均粒子長さが1〜50nmの範囲が好まし
い。平均粒子厚さまたは平均粒子直径が上記範囲であれ
ばアルミナ水和物の自己造膜性や配向性を良くすること
ができるので塗工欠陥や白紙カール、印字後カールが発
生しなくなる。平均粒子厚みの更に好ましい範囲は2.
0〜5.0nmの範囲であり、粒子間に隙間が形成され
るためインク吸収を良くすることができる。その最も好
ましい範囲は、細孔半径分布の幅広い多孔質構造を容易
に形成することができる、3.0〜5.0nmの範囲で
あり、透明性が良くなって印字部の色彩感が良くなる。
【0023】アルミナ水和物の結晶構造は、一般的なX
線回折法によって測定することができる。アルミナ水和
物、これを含むインク受容層を形成した被記録媒体、ま
たはアルミナ水和物を内添した被記録媒体を測定セルに
取り付けて回折角度2θが14〜15°に現れるピーク
を測定して、シェラーの式(式1)より(020)結晶
子径(以下、結晶子径)を求めることができる。
【0024】
【数1】E=0.9λ/Bcosθ 〔式1〕 (ここで、λはX線の波長、2θはピーク回折角度、B
はピークの半値幅である。) 本発明における結晶子径は5.0〜8.0nmの範囲に
ある。この範囲内であればアルミナ水和物の自己造膜性
を損なうことなく透明性を良くすることができる。
【0025】結晶子径は前記平均粒子厚さまたは平均粒
子直径よりも大きいことが好ましく、にじみやはじきの
発生を防止することができる。さらに好ましくは結晶子
径と平均粒子厚さまたは平均粒子直径の差が1nm以上
である。この範囲では被記録媒体を折り曲げた時に粉落
ちや割れが発生しにくくなる。最も好ましい範囲は結晶
子径と平均粒子厚さまたは平均粒子直径の差が2nm以
上である。この範囲では印字画像にビーディングや白も
やの発生を防止することができる。
【0026】ここで本発明で言うニジミとは、一定の面
積にベタ印字したとき、染料により着色される部分が印
字した面積よりも広く(大きく)なることであり、ビー
ディングとは、ベタ印字部で発生するインク滴同士の凝
集による粒状の濃度ムラが現れる現象をいい、ハジキと
は、ベタ印字部に着色されない部分が生じることをい
う。白濁とは印字された画像が白くもやのかかったよう
に見えることをいう。
【0027】本発明における被記録媒体中の平行度は3
0〜1000の範囲にある。この範囲内であれば。塗工
欠陥や白紙カール、印字後カールが発生しなくなる。さ
らに好ましい範囲は50〜800でインク受容層に打痕
が付きにくくなったり、発色性が改善されて二次色など
の混色部の色彩が良くなる。ここで平行度は被記録媒体
と被記録媒体を粉末化したものについてそれぞれのX線
回折を行って、(020)面のピークと他の面のピーク
を求めて、両者について2つのピークの強度比を求めて
強度比の比較を行って求める。標準とするピークは(2
00)面と(051)面の合成ピーク、(120)面の
ピークなど十分な強度があって基材のピークに隠れない
ものであれば制限はない。好ましいピークは前記合成ピ
ークである。
【0028】さらに別な形態として、本発明の被記録媒
体の超配向性アルミナ水和物とバインダーからなる多孔
質層の上にさらに別な多孔質層を形成しても良い。この
上層としては多孔質層を形成できる材料であればいづれ
の材料でも用いることが出来る。例えばマグネシア、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、シリカアル
ミナの中から選択して用いることが出来る。この中では
シリカが最も好ましい。シリカを含有する多孔質層を上
層として設けた場合はインク受容層表面にすり傷がつき
にくくなる上に、インク吸収速度が速くなる。用いるシ
リカとしては一次粒子が単分散したシリカゾル(コロイ
ダルシリカ)、一次粒子が凝集した二次粒子からなるシ
リカコロイド粒子、ゲルタイプのシリカ、沈降性タイプ
のシリカのいづれでも用いることができる。シリカの製
造方法は乾式法、湿式法のいづれでも用いることができ
る。シリカの形状は例えば球状または非球状のもののい
づれも用いることもできる。シリカの粒子径には特に制
約はないが、3〜200nmの範囲が好ましい。この範
囲内であればインク吸収性と透明性を両立させることが
できる。また2種類以上のシリカを組み合わせて用いる
ことも出来る。その場合は20nm以下と40nm〜2
00nmの範囲にある無機微粒子の組合せがクラックの
発生が防止できる点と透明性が良い点から望ましい。特
開平6−183131号公報に記載されているように、
粒子径20nm以下のシリカをバインダーとして用いる
こともできる。さらにシリカの粒子径は100nm以下
であると印字後の表面の乱れが発生しない点と印字ドッ
トの真円度が良好になるのでより好ましい。
【0029】本発明の被記録媒体のインク受容層のBE
T比表面積、細孔半径分布、細孔容積は、窒素吸着脱離
方法によって求めることができる。BET比表面積は7
0〜300m2/gの範囲が好ましい。BET比表面積
が上記範囲よりも小さい場合には、インク受容層が白濁
したり、インク染料の吸着点が不足するために画像の耐
水性が不十分になる場合がある。BET比表面積が上記
範囲よりも大きい場合には、インク受容層にクラックが
発生し易くなる。インク受容層の細孔半径分布は半径
5.0〜10.0nmに最大ピークを持つ構造が好まし
い。この範囲内であれば透明性が良くかつインク吸収性
も良くすることができる。さらに好ましくは、半径5.
0〜8.0nmの範囲に最大ピークを有する構造で、印
字された画像の解像度が良くなり、黒インクの色味が濃
度によらずに一定になる。またインク受容層の細孔容積
は0.35〜1.0cm3、更には0.4〜1.0cm3
/gの範囲であることがインクの種類によらずインク
吸収性が早くなるため好ましい。さらに好ましい範囲は
0.4〜0.6cm3/gで、混色部の色味が良くな
る。さらにインク受容層の細孔容積は8cm3/m2以上
であることが好ましい。この範囲以下では特に多色印字
を行なった場合にインク受容層からインクが溢れて画像
にニジミが発生し易くなる。
【0030】インク受容層の細孔構造などは、用いるア
ルミナ水和物で決まるのではなく、バインダーの種類や
混合量、塗工液の濃度、粘度、分散状態、塗工装置、塗
工ヘッド、塗工量、乾燥風の風量、温度、送風方向など
の種々の製造条件によって変化するので、本発明ではイ
ンク受容層の特性を得るためには製造条件を最適な範囲
に調整する必要がある。本発明においては、アルミナ水
和物スラリーを乾燥粉体にすることなくバインダーと混
合して基材に塗布して被記録媒体を製造する。
【0031】本発明で用いるバインダーとしては、水性
高分子の中から1種類または2種類以上を自由に選択し
て用いることができる。例えばポリビニルアルコールま
たはその変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまた
はその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導
体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその
共重合体、アクリル酸エステル共重合体などの水溶性高
分子、SBRラテックスなどの共役ジエン系共重合体ラ
テックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸
ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックスなど
の水分散性高分子などが好ましい。
【0032】アルミナ水和物とバインダーの混合比は、
重量比で5:1〜20:1の範囲が好ましく、この範囲
内では、媒体のインク吸収速度が速く、印字部の光学濃
度が高くなる。バインダーの量が上記範囲よりも少ない
場合はインク受容層の機械的強度が不足して、ひび割れ
や粉落ちが発生し易く、上記範囲よりもバインダーが多
い場合は細孔容積が小さくなってインク吸収量が低下し
易くなる。インクの吸収性と曲げたときのクラックが発
生しにくくなる点を考慮すると、上記範囲は7:1〜1
5:1の範囲であることがより好ましい。
【0033】本発明では、アルミナ水和物、バインダー
に加えて、必要に応じて顔料分散剤、増粘剤、pH調整
剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、耐水
化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍
光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤
を添加することも可能である。耐水化剤としてはハロゲ
ン化第4級アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩ポリ
マーなどの公知の材料の中から自由に選択して用いるこ
とができる。
【0034】本発明においてインク受容層を形成するた
めに用いる基材としては、適度のサイジングを施した
紙、無サイズ紙、ポリエチレンなどを用いたレジンコー
ト紙などの紙類や熱可塑性フィルムのようなシート状物
質であれば使用でき、特に制限はない。熱可塑性フィル
ムの場合はポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリ
エチレン、ポリカーボネートなどの透明フィルムや、顔
料の充填または微細な発泡による不透明化したシートを
用いることもできる。
【0035】アルミナ水和物を含む分散液の分散処理方
法としては、一般に分散に用いられている方法の中から
選択して用いることができる。用いる方法・装置として
はボールミルやサンドミルなどの摩砕型の分散機よりも
ホモミキサーや回転羽などの緩やかな撹拌の方が好まし
い。
【0036】加えるずり応力としては、分散液の粘度や
量、容積によって異なるが、0.1〜100.0N/
2(1〜1000dyne/cm2)の範囲が好まし
い。上記の範囲内であれば、アルミナ水和物の結晶構造
を変化させることなくアルミナ水和物分散液の粘度を下
げることができる。更にアルミナ水和物の粒子径を十分
に小さくすることができるため、アルミナ水和物、バイ
ンダー、基材、繊維状物質それぞれの間に結着点が増え
る。それゆえ、クラックや粉落ちの発生を抑えることが
できる。上記範囲の上限を越えた場合、分散液がゲル化
したり、アルミナ水和物の結晶構造が変化して無定形に
なり、上記範囲の下限以下では、分散が不十分で分散液
に沈殿物が発生しやすくなったり、被記録媒体中に凝集
粒子が残ってヘイズが発生して透明性が低下したり、粒
子の脱落やクラックが発生しやすくなる。
【0037】上記範囲の更に好ましい範囲は、0.1〜
50.0N/m2の範囲であり、この範囲内であれば、
アルミナ水和物の細孔容積を減らすことがない上に、ア
ルミナ水和物の凝集粒子を破壊してその微小粒子にでき
るため、被記録媒体中の巨大な半径の細孔の発生を防止
して、曲げたときのはがれやクラックを防止できる上
に、被記録媒体中の大粒子によるヘイズを減少させるこ
とができる。最も好ましい範囲は、0.1〜20.0N
/m2の範囲であり、この範囲であると、被記録媒体中
のアルミナ水和物とバインダーの混合比を一定にするこ
とができ、粉落ちやクラックを防止できる上に、印字さ
れたドットの光学濃度やドット径を均一にすることがで
きる。
【0038】分散時間は分散液の量や容器の大きさ、分
散液の温度などによって異なるが、30時間以下である
ことが結晶構造の変化を防止する点から好ましく、さら
に10時間以下であれば細孔構造を上記範囲に調整する
ことができる。分散処理中は分散液の温度を冷却または
保温などを行なって一定の温度範囲に保っても良い。好
ましい温度範囲は分散処理方法、材料、粘度によって異
なるが10〜100℃である。上記範囲より低いと分散
処理が不十分であったり、凝集が発生する。上記範囲よ
り高いとゲル化したり、結晶構造が無定形に変化する。
【0039】本発明においては、インク受容層を形成す
る場合のアルミナ水和物分散液の塗工方法としては、一
般に用いられているブレードコーター、エアナイフコー
ター、ロールコーター、ブラッシュコーター、カーテン
コーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレー
装置などを用いることができる。
【0040】分散液の塗布量は乾燥固形分換算で0.5
〜60g/m2の範囲であることがインク吸収性が良好
になるので好ましく、さらに好ましい範囲は5〜45g
/m 2であり、インク吸収速度が早くなるのと、クラッ
クや粉落ちがなくなる。必要に応じて塗工後にカレンダ
ーロールなどを用いてインク受容層の表面平滑性を良好
にすることも可能である。
【0041】本発明の画像形成方法に使用されるインク
は、主として色剤(染料もしくは顔料)、水溶性有機溶
剤および水を含むものである。他の形態としては油性溶
媒を用いることも可能である。染料としては、例えば直
接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素
などに代表される水溶性染料が好ましく、上記の被記録
媒体との組み合わせで定着性、発色性、鮮明性、安定
性、耐光性その他の要求される性能を満たす画像を与え
るものであればいずれでも良い。顔料としてはカーボン
ブラックなどが好ましい。顔料と分散剤を併用する方法
も、自己分散型顔料を用いる方法やマイクロカプセル化
する方法も可能である。
【0042】水溶性染料は、一般に水または水と水溶性
有機溶剤からなる溶媒中に溶解して使用するものであ
り、これらの溶媒成分としては、好ましくは水と水溶性
の各種有機溶剤などとの混合物が使用されるが、インク
中の水分含有量が、20〜90重量%の範囲内となるよ
うに調整するのが好ましい。
【0043】上記水溶性有機溶剤としては、例えばメチ
ルアルコールなどの炭素数が1〜4のアルキルアルコー
ル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、アセトン
などのケトンまたはケトンアルコール類、テトラヒドロ
フランなどのエーテル類、ポリエチレングリコールなど
のポリアルキレングリコール類、エチレングリコールな
どのアルキレン基が2〜6個の炭素数を含むアルキレン
グリコール類、グリセリン、エチレングリコールメチル
エーテル、などの多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類などが挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤
の中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコー
ル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アル
コールの低級アルキルエーテル類が好ましい。多価アル
コール類は、インク中の水が蒸発し、水溶性染料が析出
することに基づくノズルの目詰まり減少を防止するため
の潤滑剤としての効果が大きいため、特に好ましい。
【0044】インクには可溶化剤を加えることもでき
る。代表的な可溶化剤は、含窒素複素環式ケトン類であ
り、その目的とする作用は、水溶性染料の溶媒に対する
溶解性を飛躍的に向上させることにある。例えばN−メ
チル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンが好ましく用いられる。さらに特性の改善の
ために、粘度調整剤、界面活性剤、表面張力調整剤、p
H調整剤、比抵抗調整剤などの添加剤を加えて用いるこ
ともできる。
【0045】前記被記録媒体に上記インクを付与して画
像形成を行う方法は、インクジェット記録方法であり、
該記録方法はインクをノズルより効果的に離脱させて、
被記録媒体にインクを付与し得る方法であればいかなる
方法でも良い。特に特開昭54−59936号公報に記
載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたイン
クが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力
によって、インクをノズルから吐出させるインクジェッ
ト方式は有効に使用することができる。
【0046】さらに本発明の被記録媒体を用いて電子写
真方式、グラビア、オフセットあるいはスクリーンなど
の各種印刷で画像形成を行うことも可能である。
【0047】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものでは
ない。
【0048】本発明で使用した諸物性の測定は下記の要
領で行なった。
【0049】1.粒子形状(平均粒子厚み(nm)、平均粒
子直径(nm)) アルミナ水和物スラリーまたは被記録媒体から分離した
アルミナ水和物を含むインク受容層をイオン交換水に分
散させてコロジオン膜上に滴下して測定用試料を作り、
この試料を透過型電子顕微鏡(日立社製、H−500)
で観察して平均粒子厚み、平均粒子直径を求めた。
【0050】2. 結晶子径(nm) アルミナ水和物スラリーを100℃、8時間で乾燥させ
た粉末、または被記録媒体から分離したインク受容層の
粉末を、めのう乳鉢で充分に更に粉砕して粉末試料を調
整した。試料台に設置してX線回折(理学電機社製、R
AD−2R)を測定して、(020)面の半値幅を求
め、シェラー(Scherrer)の式から求めた。
【0051】3.アルミナ水和物スラリーの自己造膜性 100μmの透明PETフィルム(Du Pont、メリネッ
クス705、商品名)の上にアルミナ水和物スラリーを
乾燥厚みが10μmとなるようにダイコートした後、1
00℃で20分乾燥させた。これらの塗工面を目視で評
価した。評価基準は下記に示す通り。 ◎:塗工欠陥は認められず、きれいな単一膜を形成して
いる。 ○:長さ5mm以下のクラックは存在するものの、比較
的良好な単一膜を形成している。 △:長さ5mm以上のクラックが発生しているが、単一
膜を形成している。 ×:クラックは連続的につながっていて、単一膜になっ
ていない。
【0052】4.被記録媒体の平行度 被記録媒体について、X線回折の(020)面のピーク
強度及び(051)と(200)面の合成ピーク強度を
測定する。被記録媒体から分離したインク受容層をめの
う鉢で十分に粉砕して粉末試料として、同様に合成ピー
ク強度を測定する。これらの測定結果から下記式より平
行度を求めた。
【0053】
【数2】粉末の強度比=粉末の(020)面のピーク強
度/粉末の(051)と(200)面の合成ピーク強度
【0054】
【数3】被記録媒体(シート状)の強度比=被記録媒体
の(020)面のピーク強度/被記録媒体の(051)
と(200)面の合成ピーク強度
【0055】
【数4】平行度=被記録媒体(インク受容層)の強度比
/粉末の強度比 5.被記録媒体の細孔容積、極大細孔径 被記録媒体を十分加熱・脱気してから窒素吸着脱離法を
用いて測定した。 測定装置:カンタクローム社製、オートソーブ1 6.インク吸収性 1mmに16本の割合のノズル間隔で、128本のノズ
ルを備えたインクジェットヘッドをY、M、C、Bkの
4色分打するインクジェットプリンターを用い、下記組
成のインクにより1ドットあたり30ngのインク量で
インクジェット記録を行なって、インクの吸収性につい
て評価した。インク組成(重量部) : 染料(Y、M、C、Bk) 5部 エチレングリコール 9部 ポリエチレングリコール 11部 水 75部染料 : Y:C.I.ダイレクトイエロ86 M:C.I.アシッドレッド35 C:C.I.ダイレクトブルー199 Bk:C.I.フードブラック2
【0056】Y、M、C、Bkそれぞれのインクを単色
または多色でベタ印字した後の被記録媒体表面のインク
の乾燥状態を記録部に指で触れて調べた。単色印字での
インク量を100%(1mm2あたり16×16ドット
印字)とした。同様に3色のインクでそれぞれ100%
の印字を重ねて行なって下記基準により評価した。 ◎:インク量300%でインクが指に付着しない ○:インク量200%でインクが指に付着しない △:インク量100%でインクが指に付着しない ×:インク量100%でインクが指に付着する 7.被記録媒体の透明性 作製した被記録媒体の全光透過率をJIS K−710
5に従ってヘイズメーター(日本電色社製、NDH−1
001DP)で測定した。下記基準により評価した。 ◎:75%以上 ○:70%以上 △:60%以上 ×:60%未満 8.被記録媒体の印字後カール 作製した被記録媒体を297×210mmに加工し、余
白として上下左右20mm残して、インク吸収性の場合
と同じ方法で300%のべた印字を行った。平らな台の
上にインク受容層が上を向くように静置してハイトゲー
ジで反り量を測定した。評価基準は下記に示す通り。 ◎:反りが0.2mm以下 ○:反りが1mm以下 △:反りが5mm以下 ×:反りが5mmより大きい 9.被記録媒体の塗工欠陥 作製した被記録媒体の塗工欠陥を目視で評価した評価基
準は下記に示す通り。 ◎:塗工欠陥は認められない。 ○:長さ1mm以下のクラックが、297×210mm
あたり5個以下 △:長さ1mm以下のクラックが、297×210mm
あたり20個以下 ×:長さ1mmより大きいのクラックが発生している。
【0057】10.被記録媒体の印字前カール(白紙カ
ール) 作製した被記録媒体を297×210mmに加工し、温
度5℃、10%RHの環境下で、平らな台の上にインク
受容層が下に向くように静置してハイトゲージで反り量
を測定した。評価基準は下記に示す通り。 ◎:反りが0.1mm以下 ○:反りが0.5mm以下 △:反りが1mm以下 ×:反りが1mmより大きい 11.打撃痕 作製した被記録媒体をインク受容層面を上にしてガラス
板上に密着させ、一端が丸みを帯びた鉛筆(uniシリー
ズ、三菱鉛筆製)の丸みを帯びた方を下向きにして、被
記録媒体上20cmの高さから落下させた。その際の打
撃痕を目視により下記基準で評価した。 ◎:打撃痕は認められない。 ○:直径1mm以下の打撃痕が認められる。 △:直径2mm以下の打撃痕が認められる。 ×:直径2mmより大きい打撃痕が認められる。
【0058】12.折り曲げ試験 作製した被記録媒体をインク受容層側を外側にして、直
径10mmの円柱に密着させて180°折り曲げた。そ
の時のインク受容層のようすを目視で下記基準により評
価した。 ◎:変化は認められない。 ○:折り曲線に平行な3mm以下の亀裂が認められる。 △:折り曲線に平行な3mm以上の亀裂が認められる
が、基材(PET)からのインク受容層の剥離は認められ
ない。 ×:折り曲線に平行な亀裂に伴う基材(PET)からのイ
ンク受容層の剥離が認められる。
【0059】(実施例1)米国特許明細書第42422
71号に記載された方法でアルミニウムsec―ブトキシ
ドを製造した。上記アルミニウムsec―ブトキシド濃度
75重量%のsec−ブチルアルコールの混合液を攪拌装
置付き容器中において、速度勾配5000cm -1で水30
重量%を含有するsec−ブチルアルコールの混合液によ
り85℃で加水分解してアルミナ水和物スラリーを得
た。このアルミナ水和物スラリーを電磁攪拌式オートク
レープ中、125℃、3時間エージングした後、直ちに
固形分濃度20重量%となる量の水を加え冷却した。更
に3.8%の硝酸水溶液によりpH調整してベーマイト構造
のアルミナ水和物スラリーを得た。得られたベーマイト
構造のアルミナ水和物スラリーの物性値をそれぞれ上記
の方法で測定した。その結果を表1に示す。
【0060】次にポリビニルアルコール(日本合成化学
工業(株)社製、ゴーセノールGH23、商品名)をイ
オン交換水に溶解・分散して10重量%の溶液を得た。
このポリビニルアルコール溶液と上記の操作で得られた
アルミナ水和物スラリーとを、ポリビニルアルコール固
形分とアルミナ水和物固形分が重量混合比で1:15に
なる量をそれぞれ計量して、ホモミキサー(特殊機化)
で8000回転/分で、30分間撹拌して混合分散液を
得た。前記混合分散液を厚み100μmの透明PETフ
ィルム(東レ社製、ルミラー、商品名)の上にダイコー
トした。分散液が塗布されたPETフィルムをオーブン
(ヤマト科学社製)に入れて、温度100℃で30分間
加熱・乾燥して厚さ39μmのインク受容層が形成され
た被記録媒体を得た。インク受容層の物性値をそれぞれ
上記の方法で測定した。その測定結果を表1に示す。
【0061】(実施例2〜6)実施例1の加水分解時の
温度、加水分解時の攪拌速度(速度勾配)、エージング
時の温度・時間及び希釈用イオン交換水による急冷操作
の有無(急冷を行わない場合はエージング後室温まで放
冷したのち希釈)を表1の様に変えた以外は実施例1と
同様にしてベーマイト構造のアルミナ水和物スラリーを
得た。得られたアルミナ水和物スラリーの物性値をそれ
ぞれ上記の方法で測定した。その結果を表1に示す。こ
れらアルミナ水和物スラリーを用いて実施例1と同様に
インク受容層が形成された被記録媒体を得た。インク受
容層の物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。その測
定結果を表1に示す (実施例7、8)実施例1のアルミナ水和物スラリーに
形状抑制剤としてNa2SiO3を、アルミナ水和物スラリー
の固形分とNa2SiO3が重量比で10:0.05となるよ
うに添加し、エージング時間を表1の様に変えた以外は
実施例1と同様にしてアルミナ水和物スラリーを得た。
得られたアルミナ水和物スラリーの物性値をそれぞれ上
記の方法で測定した。その結果を表1に示す。また、ア
ルミナ水和物スラリーを用いて実施例1と同様にインク
受容層が形成された被記録媒体を得た。インク受容層の
物性値をそれぞれ上記の方法で測定した。その測定結果
を表1に示す。
【0062】(比較例1、2)実施例1の加水分解時の
攪拌速度(速度勾配)、エージング時の温度・時間及び
希釈用イオン交換水による急冷操作の有無(急冷を行わ
ない場合はエージング後室温まで放冷したのち希釈)を
表1の様に変えた以外は実施例1と同様にしてベーマイ
ト構造のアルミナ水和物スラリーを得た。得られたアル
ミナ水和物スラリーの物性値をそれぞれ上記の方法で測
定した。その結果を表1に示す。これらアルミナ水和物
スラリーを用いて実施例1と同様にインク受容層が形成
された被記録媒体を得た。インク受容層の物性値をそれ
ぞれ上記の方法で測定した。その測定結果を表1に示す (比較例3)実施例1のアルミナ水和物スラリーに形状
抑制剤としてNa2SiO3を、アルミナ水和物スラリーの固
形分とNa2SiO3が重量比で10:0.05となるように
添加した以外は実施例8と同様にしてアルミナ水和物ス
ラリーを得た。得られたアルミナ水和物スラリーの物性
値をそれぞれ上記の方法で測定した。その結果を表1に
示す。また、アルミナ水和物スラリーを用いて実施例1
と同様にインク受容層が形成された被記録媒体を得た。
インク受容層の物性値をそれぞれ上記の方法で測定し
た。その測定結果を表1に示す。
【0063】(比較例4)実施例1の加水分解に用いる
水30重量%のsec−ブチルアルコールの混合液をイオ
ン交換水に変えた以外は実施例1と同様にしてベーマイ
ト構造のアルミナ水和物スラリーを得た。得られたアル
ミナ水和物スラリーの物性値をそれぞれ上記の方法で測
定した。その結果を表1に示す。また、このアルミナ水
和物スラリーを用いて実施例1と同様にインク受容層が
形成された被記録媒体を得た。インク受容層の物性値を
それぞれ上記の方法で測定した。その測定結果を表1に
示す。
【0064】
【表1】 *)h:時間、day:日
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】 *)h:時間、day:日
【0067】
【表4】 (実施例10)ポリビニルアルコール(GH−23、商
品名、日本合成化学社製)の固形分濃度10重量%の水
分散液とコロイダルシリカ(スノーテックスOL、商品
名、日産化学社製)を固形分混合比で1:3の割合にな
るように混合し、ホモミキサー(特殊機化社製)を用い
て2000回転/分で5分間攪拌した。この混合分散液
を実施例1のインク受容層が形成された被記録媒体の上
に塗布・乾燥して厚さ10μmの多孔質シリカ層を形成
した。実施例1〜9と同じ評価を行ったところ透明性、
白紙カール、印字後カールなどは変化がなかった。さら
にタック、すり傷の発生がなかった。
【0068】(実施例11)コロイダルシリカ(スノー
テックス−YL、商品名、日産化学社製)と、バインダ
ーとしての超微粒子コロイダルシリカ(スノーテックス
−UP、商品名、日産化学社製)を固形分混合比1:1
で混合して実施例1と同じ方法で分散処理を行って分散
液を得た。この分散液を実施例10と同じ方法で実施例
1の被記録媒体の上に塗布・乾燥を行って厚さ10μm
のシリカ層を形成した。実施例1、10と同じ評価をお
こなったところ実施例10と同じ結果が得られた。
【0069】(実施例12)ゲルタイプのシリカ(P―
78A、商品名、水澤化学社製)をイオン交換水に分散
して固形分濃度10重量%の分散液を得た。この分散液
と実施例1と同じポリビニルアルコール分散液を固形分
混合比3:1で混合し、実施例1と同じ方法で分散処理
を行って混合分散液を得た。この分散液を実施例10と
同じ方法で実施例1の被記録媒体の上に塗布・乾燥を行
って厚さ10μmのシリカ層を形成した。実施例1、1
0と同じ評価をおこなったところ実施例10と同じ結果
が得られた。
【0070】
【発明の効果】本発明は、以下に示す顕著な効果を有す
る。 1.本発明の超配向性アルミナ水和物はベーマイト構造
のため、印字画像の解像度、発色性、色彩性が優れてい
る上に透明性が良くすることができる。 2.本発明の超配向性アルミナ水和物は自己造膜性を持
っているため、被記録媒体の白紙カール、印字後カール
や環境カールを小さくすることができる。また、インク
受容層の塗工欠陥を防止することが出来る。さらに塗工
液がセットするために塗工スピードを上げることが出
来、生産性を良くすることができる。 3.打痕や折り曲げによるクラック、粉落ちが発生しに
くくなる。またインク受容層に傷が付いた場合でも傷周
辺部が剥がれにくくなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、ベーマイト構造を有し平均粒
    子厚みが2.0〜6.0nmで、(020)面方向の結
    晶子径が5.0〜8.0nmであるアルミナ水和物を含
    有するインク受容層を有し、平行度が30〜1000で
    あることを特徴とする被記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記平行度が50〜800である請求項
    1に記載の被記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層の細孔半径分布の最大
    ピークが5.0〜10.0nmの範囲にあり、細孔容積
    が0.35〜1.0cm3/gの範囲である請求項1ま
    たは2に記載の被記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層上に多孔質層を有する
    請求項1に記載の被記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記多孔質層がシリカを含有するもので
    ある請求項4に記載の被記録媒体。
  6. 【請求項6】 平均粒子厚みが2.0〜6.0nmで、
    (020)面方向の結晶子径が5.0〜8.0nmであ
    るベーマイト構造を有するアルミナ水和物スラリーを乾
    燥粉体にすることなくバンインダーと混合して基材上に
    塗布、乾燥することを特徴とする被記録媒体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 インクを微細孔から吐出させ、請求項1
    または2に記載の被記録媒体に付与することを特徴とす
    る画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記インクに熱エネルギーを作用させて
    前記微細孔から吐出させる請求項7に記載の画像形成方
    法。
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