JPH08310099A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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Publication number
JPH08310099A
JPH08310099A JP11727095A JP11727095A JPH08310099A JP H08310099 A JPH08310099 A JP H08310099A JP 11727095 A JP11727095 A JP 11727095A JP 11727095 A JP11727095 A JP 11727095A JP H08310099 A JPH08310099 A JP H08310099A
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JP
Japan
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ink
plate cylinder
paper
master
elastic layer
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Application number
JP11727095A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kobayashi
一喜 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 裏移りのない良好な印刷物が得られる孔版印
刷装置を提供すること。 【構成】 実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる
マスタ8を穿孔製版し、版胴1の外周面に巻装し、版胴
1の内周面からインキを供給し、マスタ8にプレスロー
ラ12で用紙20を押し付けてインキをマスタ8から用
紙20に滲み出させて印刷する孔版印刷装置において、
版胴1は、多孔性の支持体1cと、プレスローラ12に
よる版胴1の押圧時に、弾性変形し、プレスローラ12
とのニップ部Nを通過した後に弾性的に復元しつつ用紙
20に滲み出たインキの一部を吸い取る多孔性の弾性層
42とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂フィルム
のみからなるマスタを穿孔製版して、版胴に巻装し、印
刷を行う孔版印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷装置は、微細な発熱素子が一列
に配列されたサーマルヘッドを感熱孔版用のマスタに接
触させ、読取装置のスキャナ部で読み取った原稿に対応
する画像情報に応じて、パルス的に発熱素子に通電させ
ながら、プラテンローラでマスタを搬送することでマス
タを加熱穿孔し、このマスタを、多孔性の支持円筒体
に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複数
層巻装した構成の版胴に巻装した後、インキ供給手段に
よりインキを版胴の内周面に供給し、プレスローラによ
り用紙をマスタを介して版胴に押し付けて、版胴の開孔
部、マスタの穿孔部よりインキを滲出させて印刷を行っ
ている。
【0003】上記マスタは、その厚さが1〜2μmの熱
可塑性樹脂フィルムと、多孔質の可撓性の支持体として
合成繊維や和紙繊維、或いは和紙繊維及び合成繊維を混
抄したものとを貼り合わせたラミネート構造となってい
る。
【0004】上記孔版印刷装置に使用されるインキは、
蒸発し難くかつ印刷されて用紙に転移した時にすみやか
に浸透して乾燥する、オイルの中に水分を分散させたW
/Oタイプのエマルジョンインキが一般に用いられてい
る。これは、孔版印刷装置を長期にわたって使用しない
で放置した後に新たに印刷を再開したときに、版胴の支
持円筒体、メッシュスクリーンのインキが蒸発、或いは
マスタの多孔性支持体にインキが吸収されたりすること
によりインキ量が減少するのに起因して、ヤレ紙が大量
に発生しないようにするためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エマルジョンインキを
用いると、転移したインキが印刷用紙の内部に浸透し、
転移したインキが十分に乾燥した状態になるまでにある
程度の時間が必要であった。上記装置では、ラミネート
構造のマスタを用いてプレスローラで押圧して、プレス
ローラが変形してインキローラに版胴を押し付けるよう
にしてニップ部が略押圧部分になるようにしていた。よ
ってプレスローラと版胴との間を通過する用紙に転移し
たインキを吸い戻す領域が無く、押圧部が高いインキ圧
力になっているのも作用して、用紙がマスタから引き剥
されるときに、支持体に充填されているインキがフィル
ムの穿孔部から引き出されて大量に用紙に転移してい
た。よって、連続的に印刷を行う場合に、前回の印刷用
紙のインキが乾燥する以前に、次の印刷用紙が排出積載
されると、前回の印刷用紙のインキが次の印刷用紙の裏
面に転移し、裏移りといわれる不具合が発生する。この
裏移りは、特に、インキ転移量の多いベタ画像の印刷時
とか、インキが大量に転移し画像濃度が高くなる低速度
の印刷時とか、インキの流動性が悪くなりインキの浸透
が遅くなる低温環境時において発生しやすい。
【0006】そこで、版胴を、その内側から多数の小孔
を有する支持円筒体と、中間スクリーン層と、マスタに
接触する外表スクリーン層とで構成し、支持円筒体から
中間スクリーン層を経て外表スクリーン層に至るまで段
階的にメッシュ値が高くなるようにして、インキの分散
を良くして、大量のインキが引き出されるのを防止しよ
うとしている技術が特公昭63−59393号公報に示
されている。
【0007】しかし、マスタの支持体としての和紙繊維
は空隙が大きく、この支持体に充填されたインキが、マ
スタから用紙を引き剥す時に用紙に引っ張られて必要以
上に転移してしまうことを防止したり、減少させること
はできず、裏移りが発生してしまうことが避けられなか
った。
【0008】従って、本発明は上述したような問題点を
解決するためになされたものであり、裏移りのない良好
な印刷物が得られる孔版印刷装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを穿
孔製版し、版胴の外周面に巻装し、上記版胴の内周面か
らインキを供給し、上記マスタに押圧部材で用紙を押し
付けて上記インキを上記マスタから上記用紙に滲み出さ
せて印刷する孔版印刷装置において、上記版胴は、多孔
性の支持体と、上記押圧部材による上記版胴押圧時に、
弾性変形し、上記押圧部材とのニップ部を通過した後に
弾性的に復元しつつ上記用紙に滲み出たインキの一部を
吸い取る多孔性の弾性層とを有することを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、上記弾性層はメッシュスクリーン
からなり、版胴の内周面から外周面に向かうに従って、
そのメッシュ値が低くなるように構成されていることを
特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔
版印刷装置において、上記弾性層は、上記支持体側から
外側へ向かって末広がりの開口を有することを特徴とす
る。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、版胴の弾性層は押圧
部材で押圧されて弾性変形し、インキを用紙に滲み出さ
せ、押圧部材とのニップ部を通過した後に弾性的に復元
しつつ用紙に滲み出たインキの一部を吸い取る。
【0013】請求項2記載の発明では、版胴の内周面か
ら外周面に向かうに従って、メッシュ値が低くなるよう
に構成されているメッシュスクリーンは、押圧部材で押
圧されて弾性変形し、インキを用紙に滲み出させ、押圧
部材とのニップ部を通過した後に弾性的に復元しつつ用
紙に滲み出たインキの一部を吸い取る。
【0014】請求項3記載の発明では、支持体側から外
側へ向かって末広がりの開口を有する弾性層は、押圧部
材で押圧されて弾性変形し、インキを用紙に滲み出さ
せ、押圧部材とのニップ部を通過した後に弾性的に復元
しつつ用紙に滲み出たインキの一部を吸い取る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図面を
参照して説明する。図1に示す孔版印刷装置は、版胴1
と、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ
8を穿孔製版するサーマルヘッド9と、製版されたマス
タ8を版胴1の外周面に送り出し、排版する給排版部4
0と、版胴1の内周面にインキを供給するインキ供給手
段41と、マスタ8に用紙20を押し付けインキを用紙
20に滲み出させる押圧部材としてのプレスローラ12
とを具備している。
【0016】版胴1は図3に示すように、円筒状の多孔
性の支持体1cと、その外周面に巻装され、プレスロー
ラ12による押圧時に弾性変形する多孔性の弾性層42
とを有していて、後述するインキパイプ5の周りに回転
可能に支持された端板に固定されていて、適宜の駆動手
段により図1に示す矢印方向に回転される。
【0017】弾性層42は、テトロンとかポリエステル
等の樹脂あるいは金属繊維からなる網体の、スクリーン
下1aと、スクリーン上1bとにより構成されていて、
プレスローラ12とのニップ部Nを通過した後に弾性的
に復元しつつ滲み出したインキの一部を吸い取る。スク
リーン下1aからスクリーン上1bに向かうに従って、
そのメッシュ値が低くなるようにスクリーン下1aはそ
のメッシュ値を350メッシュ、スクリーン上1bはそ
のメッシュ値を300メッシュにそれぞれ設定されてい
る。なお、スクリーン下1aとスクリーン上1bとのメ
ッシュ値を同じ値にしてスクリーン上1bに用いられる
線径を細くして開口率を大きくしても良い。このこと
は、マスタ8側のインキ移動抵抗を小さくするのに役立
つ。
【0018】スクリーン下1aは、プレスローラ12に
よって押圧された時に図5に示すように弾性変形し、プ
レスローラ12とのニップ部Nを通過した後に図6に示
すように弾性的に復元する。スクリーン上1bもスクリ
ーン下1aと同様に弾性変形する。
【0019】給排版部40は、図4に示すように、ロー
ル状に巻かれたマスタ8を繰り出し自在に支持する支持
軸8aと、マスタ8を繰り出しつつ版胴1の外周面に送
り出すプラテンローラ7と、版胴1の外周面を通してマ
スタ8を巻き取る巻取軸10と、支持軸8aとプラテン
ローラ7と巻取軸10とを回転自在に支持する一対の支
持アーム6とから主に構成されている。
【0020】支持軸8aには、印刷時にマスタ8が不要
に繰り出されないように、所定の制動力が作用させられ
ている。巻取軸10には一方向クラッチが接続されてい
て、巻取軸10を同図において反時計回り方向にのみ回
転する。巻取軸10の端部には、駆動ギア26が固定さ
れている。巻取軸10に巻き取られた使用済みのマスタ
8の幅方向の端部が接する位置には、使用済みのマスタ
8から滲み出したインキを吸収する吸収部材11が設け
られている。この吸収部材11によりインキの飛び散り
を防止できる。プラテンローラ7の軸の端部には、駆動
ギア23が固定されている。
【0021】一対の支持アーム6は、版胴1の端板に対
して、係脱自在に形成されていて、インキパイプ5の周
りに回転可能に支持されている。一対の支持アーム6
は、印刷時に版胴1と係合され、版胴1と一体的に回転
し、給排版時に版胴1との係合が断たれ、版胴1のみの
回転を許す。一対の支持アーム6は支持軸8aと巻取軸
10とを着脱自在に支持している。
【0022】所定の給排版位置(図1、図4に示す位
置)において、上述の駆動ギア23、26をそれぞれ回
転駆動するステッピングモータ24と排版モータ27と
が配置されている。両モータはそれぞれ給排版時に、駆
動ギア23、26に対し、両モータの各出力軸24a、
27aに固定されている出力ギア25、28が噛合する
位置に移動され、一方印刷時に駆動ギア23、26から
出力ギア25、28が離間した位置に移動される。
【0023】サーマルヘッド9は、版胴1の外周面近傍
であって、所定の給排版位置においてプラテンローラ7
と対向した位置に配置されている。サーマルヘッド9
は、プラテンローラ7に圧接した位置と、プラテンロー
ラ7から離間した位置とに搖動される。サーマルヘッド
9は、印刷すべき画像の信号に基づきマスタ8を選択的
に溶融穿孔する周知の機能を有する。
【0024】インキ供給手段41は、版胴1の内部に配
設され版胴1の内周面にインキを供給するインキローラ
2と、インキローラ2と微小間隙を置いて平行に配置さ
れていて、インキローラ2との間にインキ溜り4を形成
するドクタローラ3と、版胴1の回転中心軸を兼ねると
共にインキ溜り4へインキを供給するインキパイプ5と
から主に構成されている。
【0025】インキローラ2は、インキパイプ5に固設
された側板にその軸部を回転自在に支持されていて、ギ
ア或いはベルト等の駆動伝達手段により版胴1の回転と
同期して版胴1の回転方向と同じ方向に回転駆動され
る。インキローラ2の表面部には、耐油性ニトリルゴ
ム、フッ素ゴム、あるいは樹脂等からなる弾性層が形成
されている。この弾性層は、プレスローラ12が版胴1
を介してインキローラ2に接触する際の衝撃音を低減す
るのに役立つ。
【0026】インキはインキ供給装置により版胴1の外
部に設けられたインキパックより吸引されインキパイプ
5からインキ溜り4へ供給される。インキローラ2の外
周面と版胴1の内周面との間には、隙間があり、プレス
ローラ12が図2に示すように版胴1へ接触したとき
に、版胴1が弾性変形し両者が当接する。
【0027】版胴1の外周面の下方近傍には、用紙20
を版胴1へ押し付ける版胴1に対して接離自在のプレス
ローラ12と、版胴1とプレスローラ12との間へ所定
のタイミングで用紙20を送るレジストローラ対18と
が配置されている。プレスローラ12は金属とか、或い
は金属等の芯材と、その表面に巻かれた硬質ゴムとから
形成されていて、版胴1へ用紙20を押し付ける時に、
版胴1とプレスローラ12との接触幅を広くするため
に、その直径をインキローラ2のそれよりも大きく設定
されている。また、プレスローラ12をインキローラ2
の真下ではなく、版胴1の回転方向の下流側にずらして
配置しても良い。
【0028】版胴1とレジストローラ対18との間に
は、レジストローラ対18からの用紙20の給送を検出
して、プレスローラ12の版胴1への接触を指令する用
紙検知センサ19が配設されている。
【0029】プレスローラ12の左側近傍には、プレス
ローラ12に近接して印刷済みの用紙20を剥離ガイド
する排紙爪13と、排紙爪13で剥離ガイドされた用紙
20を搬送する、搬送ローラ前14、搬送ローラ後15
との間に張設された搬送ベルト16及び吸着ファン31
から構成された吸着搬送装置と、版胴1とプレスローラ
12との間に送風し、版胴1からの用紙20の剥離を補
助するファン17とが設けられている。搬送ベルト16
は、モータ等により版胴1の周速度よりも速い搬送速度
で駆動されるように設定されている。
【0030】マスタ1のサーマルヘッド9との当接面に
は帯電防止剤が塗布されている。ここで、実質的に熱可
塑性樹脂フィルムのみから成るマスタとは、マスタが熱
可塑性樹脂フィルムのみから成るものの他、熱可塑性樹
脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有させてなる
もの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわ
ち表面及び裏面のうち少なくとも一方にオーバーコート
層等の薄膜層を1層又は複数層形成して成るものを含
む。
【0031】次に、この孔版印刷装置の動作を説明す
る。給排版時において版胴1は図1に示す位置で停止
し、ステッピングモータ24及び排版モータ27が図4
に示す矢印方向に移動され、出力ギア25、28がそれ
ぞれ駆動ギア23、26に噛合する。さらに、サーマル
ヘッド9がマスタ8を介してプラテンローラ7に圧接す
る。これら動作と同時に、一対の支持アーム6が版胴1
の端板との係合を断たれ、版胴1のみの回転が可能とな
り、給排版待機状態となる。
【0032】次に、ステッピングモータ24、排版モー
タ27、版胴1がそれぞれ回転を始め、マスタ8が支持
軸8aから繰り出される。印刷すべき画像の信号によっ
て、マスタ8を介してプラテンローラ7に圧接している
サーマルヘッド9の発熱素子が選択的に発熱され、マス
タ8が加熱穿孔され、マスタ8に穿孔画像が形成される
と共に、使用済みのマスタ8が巻取軸10に巻取られて
いく。使用済みのマスタ8から滲み出したインキは、吸
収部材11に吸収される。
【0033】版胴1の外周面の所定の位置(例えば、ス
テッピングモータ24のステップ数や版胴1の回転角な
どにより判断される)にマスタ8が巻き付けられると、
給排版動作が終了し、版胴1が図1に示す位置で停止す
る。ステッピングモータ24、排版モータ27の回転が
停止し、図4に示すように、出力ギア25、28がそれ
ぞれ駆動ギア23、26から離間した位置に移動され、
版胴1の端板と一対の支持アーム6とが係合されて印刷
待機状態になる。
【0034】印刷工程が始まると、用紙20が用紙搬送
手段によりレジストローラ対18へ向けて送られ、さら
にレジストローラ対18により版胴1の回転と同期した
所定のタイミングでプレスローラ12と版胴1との間に
送り出される。このとき、用紙検知センサ19で用紙2
0の給送が検知され、図2、図3に示すようにプレスロ
ーラ12が上昇して、版胴1の外周面に巻装されたマス
タ8に用紙20が連続的に押圧されて、弾性層42が弾
性変形し、マスタ8が版胴1の外周面に密着すると共
に、マスタ8の穿孔部分からインキが用紙20の表面に
転移される。この時、インキローラ2も版胴1の回転方
向と同一方向に回転し、インキを版胴1の内周面に供給
する。なお、図3において用紙20の図示は図の簡明化
を図るため省略している。
【0035】弾性層42は、プレスローラ12とのニッ
プ部Nを通過した後に、図2、図3に示すように領域Δ
Aで弾性的に復元しつつ、滲み出した余剰のインキを吸
い取る。このようにして、印刷された用紙20は、ファ
ン17と排紙爪13とで版胴1から剥離され、吸着搬送
装置で搬送されて排紙台上に排出されて、版付けが行わ
れ、プレスローラ12が版胴1から離間して初期状態に
復帰し、印刷待機状態となる。
【0036】次に、設定された印刷枚数まで上述の如
く、印刷、給紙、排紙の各工程が繰り返され印刷が行わ
れる。
【0037】図7に別の実施例を示す。図1に示す実施
例に対して本実施例は、プレスローラ12に代えて圧胴
21を用いた点のみが相違する。なお、同図において、
上述の実施例と同一部材には同一符号を付し、それらの
説明を省略して相違する点のみ説明する。
【0038】圧胴21は、その直径を版胴1の直径と略
等しく形成され偏心軸21aの周りに矢印方向に版胴1
の周速度と同じ周速度で回転される。圧胴21の外周面
の一部には、給排版部40との干渉を避けるために、凹
部21bが形成されている。この凹部21bの圧胴21
の回転方向の下流側の端部には、用紙20の先端部を挾
持するクワエ爪22が設けられている。クワエ爪22は
軸22aに固着されていて、常時スプリングにより閉じ
る向きに付勢されている。圧胴21は、図示しない搖動
手段により偏心軸21aを揺動されて版胴1に対して接
離される。
【0039】以下、上述の実施例の動作と異なる動作、
つまり印刷工程のみに付いて説明する。印刷工程が始ま
ると、用紙20が用紙搬送手段によりレジストローラ対
18へ向けて送られ、レジストローラ対18により版胴
1の回転と同期した所定のタイミングで圧胴21のクワ
エ爪22の間に挿入される。用紙20の先端がクワエ爪
22に挾持されて、用紙20は版胴1の外周面と圧胴2
1の外周面との間に搬送される。このとき、用紙検知セ
ンサ19で用紙20の搬送が検知されることで、圧胴2
1の偏芯軸21aが反時計回り方向に回転して圧胴21
が上昇して版胴1の外周面に巻装されたマスタ8に用紙
20が連続的に押圧されて、弾性層42が弾性変形し、
マスタ8が版胴1の外周面に密着すると共に、マスタ8
の穿孔部分からインキが用紙20の表面に転移される。
【0040】この時、インキローラ2も版胴1の回転方
向と同一方向に回転し、インキを版胴1の内周面に供給
する。印刷された用紙20は、所定位置でクワエ爪22
より開放され、ファン17と排紙爪13で版胴1から剥
離され、吸着搬送装置で搬送されて図示しない排紙台上
に排出積載される。
【0041】図8に別の弾性層30を示す。弾性層30
は例えば、軟質のポリエステル、ポリエチレン、塩化ビ
ニル、ウレタン、シリコン等で、厚さが数10〜数10
0μmのシート状に形成されたものが用いられる。弾性
層30には、支持体1c側から外側へ向かって末広がり
の開口30aが成形やレーザーで形成されている。
【0042】このように弾性層30に末広がりの開口3
0aを形成することは、マスタ8側のインキ移動抵抗を
小さくするのに役立つ。弾性層30も上述の弾性層42
と同様に、プレスローラ12とのニップ部Nを通過した
後に、領域ΔAで弾性的に復元しつつ、滲み出した余剰
のインキを吸い取る。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、版胴の弾性層
は押圧部材で押圧されて弾性変形し、インキを用紙に滲
み出させ、押圧部材とのニップ部を通過した後に弾性的
に復元しつつ用紙に滲み出たインキの一部を吸い取るの
で、用紙への転移インキ量が抑えられ裏移りが悪化する
ようなことが防止できる。また、実質的に熱可塑性樹脂
フィルムのみからなるマスタでは、インキが溜っている
部分が無いので弾性層の復元の時の吸い取りインキの移
動が速く、インキが速やかに吸い戻され裏移りが大幅に
低減される。
【0044】請求項2記載の発明では、版胴の内周面か
ら外周面に向かうに従って、メッシュ値が低くなるよう
に構成されているメッシュスクリーンは、押圧部材で押
圧されて弾性変形し、インキを用紙に滲み出させ、押圧
部材とのニップ部を通過した後に弾性的に復元しつつ用
紙に滲み出たインキの一部を吸い取るので、スクリーン
等の復元による吸い取りがマスタ側で良好に行えるよう
になり、用紙へのインキの転移量が抑えられ、裏移りを
低減することができる。
【0045】請求項3記載の発明では、支持体側から外
側へ向かって末広がりの開口を有する弾性層は、押圧部
材で押圧されて弾性変形し、インキを用紙に滲み出さ
せ、押圧部材とのニップ部を通過した後に弾性的に復元
しつつ用紙に滲み出たインキの一部を吸い取るので、吸
い取りがマスタ側で良好に行えるようになり、用紙への
インキの転移量が抑えられ、裏移りを低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す孔版印刷装置の側面図
である。
【図2】印刷動作を説明するための孔版印刷装置の側面
図である。
【図3】図1に示す孔版印刷装置の版胴1の拡大側断面
図である。
【図4】図1に示す孔版印刷装置の給排版部を示す要部
の側断面図である。
【図5】図3に示す版胴のスクリーン下の弾性変形の概
念図である。
【図6】図5に示すスクリーン下の復元の概念図であ
る。
【図7】本発明の別の実施例を示す孔版印刷装置の側面
図である。
【図8】別の弾性層を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 版胴 1a スクリーン下 1b スクリーン上 8 マスタ 12 押圧部材としてのプレスローラ 20 用紙 21 押圧部材としての圧胴 40 給排版部 41 インキ供給手段 42、30 弾性層 30a 開口 N ニップ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからな
    るマスタを穿孔製版し、版胴の外周面に巻装し、上記版
    胴の内周面からインキを供給し、上記マスタに押圧部材
    で用紙を押し付けて上記インキを上記マスタから上記用
    紙に滲み出させて印刷する孔版印刷装置において、 上記版胴は、多孔性の支持体と、上記押圧部材による上
    記版胴押圧時に、弾性変形し、上記押圧部材とのニップ
    部を通過した後に弾性的に復元しつつ上記用紙に滲み出
    たインキの一部を吸い取る多孔性の弾性層とを有するこ
    とを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】上記弾性層はメッシュスクリーンからな
    り、版胴の内周面から外周面に向かうに従って、そのメ
    ッシュ値が低くなるように構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】上記弾性層は、上記支持体側から外側へ向
    かって末広がりの開口を有することを特徴とする請求項
    1記載の孔版印刷装置。
JP11727095A 1995-05-16 1995-05-16 孔版印刷装置 Pending JPH08310099A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011251468A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Duplo Seiko Corp 厚塗り形成装置及び厚塗り形成方法

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JP2011251468A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Duplo Seiko Corp 厚塗り形成装置及び厚塗り形成方法

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