JPH0830984A - 光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、位置検出センサー等の対物レンズ位
置検出機構を省略して、短い時間で所望の記録トラック
にアクセスすることができる光ディスク装置を提案す
る。 【構成】本発明は、シーク時、戻り光から検出されるレ
ーザビーム照射位置の変位、又は変位速度Ｓ５から、対
物レンズ可動機構の変位、又は変位速度Ｓ１を減算し、
この減算値Ｓ６に基づいて対物レンズ６の振動を抑制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク装置に関
し、ディスク状記録媒体にレーザービームを照射して所
望のデータを記録再生する場合に適用して好適なもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ディスク装置においては、シー
ク中の対物レンズの振動を低減することにより、アクセ
スに要する時間を短縮するようになされている。

【０００３】すなわち図４に示すように、この種の光デ
ィスク装置１は、スピンドルモータ２によって光ディス
ク３を所定の回転速度で回転駆動し、この光ディスク３
に対して光ピックアップ４からレーザービーム５を照射
することにより、光ディスク３に所望のデータを記録
し、またこの光ディスク３の戻り光を所定の受光素子で
受光することにより、この光ディスク３に記録したデー
タを再生する。

【０００４】このため光ピックアップ４は、レーザーダ
イオードから出射されたレーザービーム５を対物レンズ
６で光ディスク３の情報記録面に集光し、さらにこの光
ディスク３からの戻り光を対物レンズ６で集光してフォ
トディテクタで受光する。これにより光ディスク装置１
では、所定のマトリックス回路において、このフォトデ
ィテクタの出力信号を加減算処理してトラッキングエラ
ー信号、フォーカスエラー信号、再生信号を生成する。

【０００５】ここでこの対物レンズ６は、いわゆる２軸
アクチュエータによって上下左右に可動できるように保
持され、光ディスク装置１は、フォーカスエラー信号及
びトラッキングエラー信号に基づいてこの２軸アクチュ
エータを駆動してトラッキング制御及びフォーカス制御
する。なお、再生信号について、光ディスク装置１は、
所定の信号処理回路で２値化処理した後、復号回路にて
復号し、これにより光ディスク３に記録したデータを再
生するようになされている。

【０００６】さらにこの光ピックアップ４は、リニアア
クチュエータでなるスレッドモータを駆動することによ
り、矢印Ａで示すように、ガイド棒８に沿って光ディス
ク３の半径方向に移動するように保持され、さらに位置
センサーによってこの移動の際の移動量（この位置検出
結果を所定の信号処理回路で処理して速度情報を得ると
もできる）が検出されるようになされている。これによ
り光ディスク装置１では、この位置検出結果に基づいて
スレッドモータを駆動して、光ピックアップ４を所望の
記録トラックにシークさせるようになされている。

【０００７】すなわち光ディスク装置１は、この位置セ
ンサーから光ピックアップ４の移動量に応じて信号レベ
ルが変化する位置検出信号Ｓ１を得、演算増幅回路で形
成された減算回路９の反転入力端にこの位置検出信号Ｓ
１を入力する。さらに光磁気ディスク装置１は、例えば
演算処理回路でなる制御回路からディジタルアナログ変
換回路を介して出力される目標値信号Ｓ２を、この減算
回路９の非反転入力端に入力する。ここでこの目標値信
号Ｓ２は、光ピックアップ４をシークさせるとき、その
目標トラックまでの移動距離に応じて予め設定したプロ
ファイルで信号レベルが変化するように生成される。

【０００８】これにより減算回路９は、この目標値信号
Ｓ２に対する位置検出信号Ｓ１の誤差信号を位相補償回
路１０に出力し、位相補償回路１０は、この誤差信号を
位相補償して駆動回路１１に出力する。駆動回路１１
は、この位相補償回路１０の出力信号に基づいてスレッ
ドモータのボイスコイルモータ１２を駆動し、これによ
り光ディスク装置１は、全体としてサーボループを形成
して目標値信号Ｓ２で決まるプロファイルで光ピックア
ップ４を目標トラックにシークさせる。

【０００９】さらに光ピックアップ４は、対物レンズ６
の位置を検出する位置検出センサーを内蔵し、光ディス
ク装置１では、シークの際、トラッキングエラー信号に
代えて、この位置検出センサーの出力信号に基づいて２
軸アクチュエーターを駆動することにより、光ピックア
ップ４の移動に伴う対物レンズ６の振動を有効に回避す
る。

【００１０】すなわち光ディスク装置１において、演算
増幅回路で形成された減算回路１３は、この位置検出セ
ンサーの出力信号Ｓ３を反転入力端に入力すると共に、
制御回路から出力される中点指示信号Ｓ４を非反転入力
端に入力し、この中点指示信号Ｓ４に対する出力信号Ｓ
３の誤差信号を位相補償回路１４に出力する。ここでこ
の中点指示信号Ｓ４は、対物レンズ６を可動範囲の中点
に保持するための固定電圧の制御信号でなる。

【００１１】位相補償回路１４は、この誤差信号を位相
補償して出力し、駆動回路１５は、この位相補償回路１
４の出力信号に基づいて、２軸アクチュエータのボイス
コイルモータ１６を駆動する。これにより光ディスク装
置１では、全体としてサーボループを形成し、対物レン
ズ６が可動範囲の中点から変位すると、その変位を打ち
消すように、２軸アクチュエータを駆動する。

【００１２】さらにシークが完了すると、光ディスク装
置１は、位置検出センサーの出力信号Ｓ３に代えてトラ
ッキングエラー信号に基づいて２軸アクチュエータを駆
動し、これにより速やかにジャストトラッキングの状態
を形成して記録再生動作を開始できるようになされてい
る。

【００１３】すなわち現在トラックａから目標トラック
ｂに光ピックアップ４をシークさせる場合について、図
５（Ａ）に光ピックアップ４の位置の変化を示すよう
に、この種の光ディスク装置１は、光ピックアップ４を
加速した後、目標トラックｂに近づくと減速し、これに
より速やかに目標トラックｂに整定するようにスレッド
モータを駆動する。このとき光ピックアップ４に搭載し
た対物レンズ６は、何ら２軸アクチュエータを駆動する
ことなく自由振動させると（すなわち、位置検出センサ
ーから減算回路１３を経て駆動回路１５に至ループが形
成されていない場合）、光ピックアップ４全体が始めに
加速されることにより、中点から大きく変位した状態で
細かく振動し、後半で光ピックアップ４が減速される
と、今度は逆方向に大きく変位した状態で細かく振動
し、結局、光ピックアップ４の移動が完了しても、継続
して振動することになる（図５（Ｂ））。

【００１４】これでは、シーク後、トラッキング制御を
開始しても、速やかにトラッキングサーボで引き込み動
作することが困難になり、結局ジャストトラッキングの
状態を形成するまでに時間を要する結果になる。これに
対して２軸アクチュエータを制御して対物レンズを中点
位置に保持すれば、シーク直後、短時間でジャストトラ
ッキングの状態を形成することができ、これにより光デ
ィスク装置１においては、アクセス時間を短縮するよう
になされている。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
対物レンズ６の位置を可動中心に保持する場合、位置検
出センサー等、対物レンズ６の位置検出機構が必要にな
り、その分全体構成が煩雑になる問題がある。この種の
位置検出機構を省略することができれば、その分光ピッ
クアップ４の構成を簡略化することができ、またスレッ
ドモータの駆動対象の質量を減少させることがでること
により、スレッドモータ等の構成も簡略化することがで
き、さらに光ディスク装置全体としての信頼性も向上す
ることができる。

【００１６】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、位置検出センサー等の対物レンズ位置検出機構を省
略して、短い時間で所望の記録トラックにアクセスする
ことができる光ディスク装置を提案しようとするもので
ある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、光源から射出された光ビームをデ
ィスク状記録媒体２１に集光してディスク状記録媒体２
１に所望のデータを記録し、又は光源から射出された光
ビームをディスク状記録媒体２１に集光してディスク状
記録媒体２１に記録したデータを再生する光ディスク装
置２０において、光ビームをディスク状記録媒体２１に
集光すると共に、ディスク状記録媒体２１から得られる
戻り光を集光する対物レンズ６と、対物レンズ６で集光
した戻り光を受光する受光素子２２と、所定の駆動信号
に応じて対物レンズ６を可動する対物レンズ可動機構１
６と、対物レンズ可動機構１６をディスク状記録媒体２
１の半径方向に可動させるシーク機構１２と、ディスク
状記録媒体２１の半径方向について、対物レンズ可動機
構１６の位置、又は可動速度を検出して第１の検出信号
Ｓ１を出力する対物レンズ可動機構１６の位置検出手段
と、第１の検出信号Ｓ１に基づいて、駆動信号を出力し
てシーク機構１２を駆動するシーク機構駆動手段９、１
０、１１と、受光素子２２の検出信号に基づいて、ディ
スク状記録媒体２１の半径方向について、対物レンズ６
の位置、又は可動速度を検出して第２の検出信号Ｓ５を
出力する対物レンズ６の位置検出手段２３、２５、２
６、２７と、第１及び第２の検出信号Ｓ１及びＳ５に基
づいて、対物レンズ可動機構１６に対する対物レンズ６
の位置、又は変位速度（Ｓ６）を検出し、該検出結果
（Ｓ６）に基づいて、対物レンズ可動機構１６がディス
ク状記録媒体２１の半径方向に可動する際、対物レンズ
可動機構１６による対物レンズ６のほぼ可動中心に対物
レンズ６を保持するように、対物レンズ可動機構１６を
駆動する対物レンズ可動機構１６の駆動手段１５、２
９、３０とを具えるようにする。

【００１８】このとき、対物レンズ６の位置検出手段２
３、２５、２６、２７は、受光素子２２の出力信号から
トラッキングエラー信号ＴＥと、戻り光の全光量に応じ
て信号レベルが変化する光量検出信号ＰＩとを生成し、
トラッキングエラー信号ＴＥ及び光量検出信号ＰＩに基
づいて第２の検出信号Ｓ５を生成する。

【００１９】

【作用】受光素子２２の検出信号に基づいて、ディスク
状記録媒体２１に対する対物レンズ６の位置、又は可動
速度を検出して第２の検出信号Ｓ５を生成し、この第２
の検出信号Ｓ５と対物レンズ可動機構１６の位置検出手
段で検出された第１の検出信号Ｓ１とから対物レンズ可
動機構１６に対する対物レンズ６の位置、又は変位速度
を検出すれば、別途位置検出センサー等を設けなくて
も、対物レンズ６のシーク中の変位（Ｓ６）を検出する
ことができる。これによりこの検出結果（Ｓ６）に基づ
いて、ほぼ可動中心に対物レンズ６を保持するように対
物レンズ可動機構１６を駆動して、高速度でシークして
シーク直後から速やかにジャストトラッキングの状態を
形成することができる。

【００２０】このときトラッキングエラー信号及び光量
検出信号に基づいて第２の検出信号を生成すれば、従来
構成を利用して第２の検出信号を生成することができ
る。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
述する。

【００２２】図４との対応部分に同一符号を付して示す
図１において、２０は全体として光ディスク装置を示
し、スピンドルモータ２によって光ディスク２１を所定
の回転速度で回転駆動する。

【００２３】ここで光ディスク２１は、情報記録面にプ
リグルーブが形成された光磁気ディスクでなり、この実
施例において光ディスク装置２０は、この光ディスク２
１に対して光ピックアップ２２からレーザービームを照
射すると共に、このレーザービームの照射位置に変調磁
界を印加することにより、熱磁気記録の手法を適用して
所望のデータを記録する。また再生時、光ディスク装置
２０は、またこの光ディスク２１の戻り光を光ピックア
ップ２２で受光して偏波面の変化を検出することによ
り、カー効果を利用してこの光ディスク２１に記録した
データを再生する。

【００２４】このため光ピックアップ２２は、レーザー
ダイオードから出射されるレーザービームを対物レンズ
６で光ディスク２１の情報記録面に集光し、さらにこの
光ディスク２１からの戻り光を対物レンズ６で集光して
内蔵のフォトディテクタで受光し、このフォトディテク
タの出力信号をマトリックス回路２３に出力する。

【００２５】ここでマトリックス回路２３は、このフォ
トディテクタの出力信号を電流電圧変換処理した後、加
減算処理し、これによりデトラック量に応じて信号レベ
ルが変化するトラッキングエラー信号ＴＥ、レーザービ
ームのデフォーカス量に応じて信号レベルが変化するフ
ォーカスエラー信号ＦＥ、さらに戻り光の偏波面の変化
に応じて信号レベルが変化する再生信号ＭＯを生成す
る。さらにマトリックス回路２３は、これに加えて戻り
光の全光量に応じて信号レベルが変化する光量検出信号
ＰＩを生成する。

【００２６】これにより光ディスク装置２０は、このフ
ォーカスエラー信号ＦＥ及びトラッキングエラー信号Ｔ
Ｅに基づいて、対物レンズ６を保持する２軸アクチュエ
ータを駆動して、トラッキング制御及びフォーカス制御
するようになされ、また再生信号ＭＯについては、所定
の信号処理回路で２値化処理した後、復号回路にて復号
し、これにより光ディスク２１に記録したデータを再生
するようになされている。

【００２７】さらに光ディスク装置２０は、光ピックア
ップ２２の位置センサーによって検出される位置検出信
号Ｓ１について、減算回路９において、目標値信号Ｓ２
との間で誤差信号を検出し、位相補償回路１０及び駆動
回路１１を順次介して、この誤差信号でスレッドモータ
のボイスコイルモータ１２を駆動し、これにより目標値
信号Ｓ２で決まるプロファイルで光ピックアップ２２を
目標トラックにシークさせる。

【００２８】このようにして光ピックアップ２２をシー
クさせると、トラッキングエラー信号の信号レベル及び
戻り光の全光量においては、レーザービームが記録トラ
ックを横切る毎に大きく変動する。このとき戻り光は、
ジャストトラッキングのタイミングで最も光量が増大す
ることにより、図２に示すように、光量検出信号ＰＩ
（図２（Ｂ））は、ジャストトラッキングのタイミング
で信号レベルが最も大きくなり、トラッキングエラー信
号ＴＥは、光ピックアップ４の移動方向に応じて、この
ジャストトラッキングのタイミングで信号レベルが０レ
ベルを横切って立ち下がり、または立ち上がることにな
る（図２（Ａ））。

【００２９】従って光ディスク装置２０において、光量
検出信号ＰＩ又はトラッキングエラー信号ＴＥの信号レ
ベルの変化を検出することにより、光ディスク２１上に
おけるレーザービーム照射位置の移動速度、位置変化を
検出することができ、また光量検出信号ＰＩ及びトラッ
キングエラー信号ＴＥの位相関係を検出してレーザービ
ーム照射位置の移動方向を検出することができる。

【００３０】ここでレーザービーム照射位置の変位は、
光ピックアップ２２の移動と、対物レンズ６の変位とに
よって発生することにより、このようにして検出される
レーザービーム照射位置の変位から、光ピックアップ２
２の移動による変位分を減算すれば、対物レンズ６の変
位による成分だけを検出することができる。従ってこの
対物レンズ６の変位による成分が０レベルになるよう
に、２軸アクチュエータのボイスコイルモータ１６を駆
動すれば、対物レンズ６を一定位置に保持することがで
きる。

【００３１】この対物レンズ６の保持原理に従って、光
ディスク装置２０は、マトリックス回路２３から出力さ
れるトラッキングエラー信号ＴＥ及び光量検出信号ＰＩ
を処理回路２５に与え、ここでそれぞれ２値化処理して
２値化信号ＳＴＥ及びＳＰＩを生成する（図２（Ｃ）及
び（Ｄ））。

【００３２】アップダウンカウンタ２６は、この２値化
信号ＳＴＥ及びＳＰＩを入力し、シーク動作を開始して
制御回路からカウント指令信号ＣＯＮＴが入力される
と、この２値化信号ＳＴＥ及びＳＰＩを基準にして動作
を開始し、これによりレーザービーム照射位置の変位量
に応じて変化するカウント値を出力する。

【００３３】すなわちアップダウンカウンタ２６は、カ
ウント指令信号ＣＯＮＴが入力されるとカウント値をリ
セットした後、光量検出信号ＰＩの２値化信号ＳＰＩが
Ｈレベルに保持されている期間の間、トラッキングエラ
ー信号ＴＥの２値化信号ＳＴＥが立ち上がると、カウン
ト値をアップカウントし、これとは逆に光量検出信号Ｐ
Ｉの２値化信号ＳＰＩがＨレベルに保持されている期間
の間、トラッキングエラー信号ＴＥの２値化信号ＳＴＥ
が立ち下がると、カウント値をダウンカウントする。

【００３４】これによりアップダウンカウンタ２６は、
レーザービーム照射位置が光ディスク２１の内周側に記
録トラックを横切って変位するとカウント値を立ち上
げ、これとは逆にレーザービーム照射位置が光ディスク
２１の外周側に記録トラックを横切って変位するとカウ
ント値を立ち下げ、このカウント値をディジタルアナロ
グ変換回路（Ｄ／Ａ）２７でアナログ値に変換して出力
する。

【００３５】減算回路２９は、演算増幅回路で構成さ
れ、可変利得増幅回路２８を介して非反転入力端に位置
検出信号Ｓ１を入力すると共に、反転入力端にディジタ
ルアナログ変換回路２７の出力信号Ｓ５を入力する。こ
こで可変利得増幅回路２８は、ディジタルアナログ変換
回路２７の出力信号Ｓ５から位置検出信号Ｓ１の成分を
完全に除去することができるように、予め利得が調整さ
れている。

【００３６】これによりこの減算回路２９を介して、図
３に示すように、ディジタルアナログ変換回路２７の出
力信号Ｓ５（図３（Ｂ））からスレッドモータの駆動に
応じて滑らかに信号レベルが変化する位置検出信号Ｓ１
（図３（Ａ））の成分が減算され、対物レンズ６の変位
によって信号レベルが変化する減算信号Ｓ６を得ること
ができる。尚、図３においては、対物レンズ６の振動を
何ら規制していない状態の各信号を表した。

【００３７】位相補償回路３０は、この減算回路２９か
ら出力される減算信号Ｓ６を位相補償して出力し、駆動
回路１５は、この位相補償回路３０の出力信号に基づい
て、２軸アクチュエータのボイスコイルモータ１６を駆
動する。これにより光ディスク装置２０では、減算信号
Ｓ６の信号レベルを０レベルに保持するように、２軸ア
クチュエータを駆動し、対物レンズ６を可動範囲の中点
位置に保持するようになされている。かくしてこのよう
にしてシークが完了すると、光ディスク装置２０におい
ては、減算信号Ｓ６に代えてトラッキングエラー信号Ｔ
Ｅに基づいてサーボループを形成し、２軸アクチュエー
タを駆動することになる。

【００３８】以上の構成において、光ディスク２１から
の戻り光は、対物レンズ６で集光された後、フォトディ
テクタで受光され、このフォトディテクタの受光結果が
マトリックス回路２３で電流電圧変換処理された後加減
算処理され、トラッキングエラー信号ＴＥ、フォーカス
エラー信号ＦＥ、再生信号ＭＯ、光量検出信号ＰＩが検
出される。

【００３９】これにより記録再生時、光ディスク装置２
０は、トラッキングエラー信号ＴＥ、フォーカスエラー
信号ＦＥに基づいて２軸アクチュエータが駆動され、ト
ラッキング制御及びフォーカス制御され、記録時、レー
ザービームの照射位置に変調磁界が印加されて所望のデ
ータが熱磁気記録されるのに対し、再生時、再生信号Ｍ
Ｏに基づいて、光ディスク２１に記録したデータが再生
される。

【００４０】これに対してシーク時、光ディスク装置２
０は、光ピックアップ２２に搭載された速度センサーに
よって光ピックアップ２２の位置が検出され、その位置
検出信号Ｓ１が減算回路９において目標値信号Ｓ２との
間で減算される。これにより、この減算結果でなる誤差
信号が０レベルになるように、スレッドモータのボイス
コイルモータ１２が駆動され、目標値信号Ｓ２によって
決まるプロファイルで光ピックアップ２２が移動する。

【００４１】この移動の際、トラッキングエラー信号Ｔ
Ｅ及び光量検出信号ＰＩは、処理回路２５において２値
化処理された後、アップダウンカウンタ２６でアップカ
ウント又はダウンカウントされ、これによりレーザービ
ーム照射位置の変位量に応じて正又は負に値が変化する
カウント値が検出される。このカウント値は、ディジタ
ルアナログ変換回路２７にてアナログ信号に変換された
後、減算回路２９で位置検出信号Ｓ１の成分が減算さ
れ、これにより光ピックアップ２２上における対物レン
ズ６の変位に応じて信号レベルが変化する減算信号Ｓ６
が検出される。

【００４２】これにより光ディスク装置２０は、シーク
時、トラッキングエラー信号ＴＥに代えてこの減算信号
Ｓ６が０レベルになるように、２軸アクチュエータのボ
イスコイルモータ１６が駆動され、対物レンズ６が、可
動範囲の中心に保持され、シーク直後、速やかにジャス
トトラッキングの状態を形成することができる。

【００４３】以上の構成によれば、戻り光の受光結果に
基づいて、レーザービーム照射位置の変位を検出し、こ
のレーザービーム照射位置の変位検出結果から光ピック
アップ２２全体の変位を除去することにより、別途位置
検出センサー等の位置検出機構を設けなくても、従来の
受光系等を一部利用してして、光ピックアップ２２上に
おける対物レンズ６の変位を検出することができる。こ
れによりこの光ピックアップ２２上における対物レンズ
６の変位を抑制するように、２軸アクチュエータを駆動
して、簡易な構成で、シーク直後、速やかにジャストト
ラッキングの状態を形成することができ、その分アクセ
スに要する時間を短縮することができる。

【００４４】また、この種の位置検出機構を省略したこ
とにより、光ピックアップ４の構成を簡略化することが
でき、またスレッドモータの駆動対象の質量を減少させ
てスレッドモータ等の構成も簡略化することができ、さ
らに光ディスク装置全体としての信頼性も向上すること
ができる。

【００４５】なお上述の実施例においては、減算回路
９、２９等をアナログ信号処理回路で形成する場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、全体をディジタ
ル信号処理回路で形成してもよい。

【００４６】さらに上述の実施例においては、位置情報
でなる変位量のディメンジョンで信号Ｓ１、Ｓ５を減算
処理する場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、レーザービーム照射位置の変位速度情報から光ピッ
クアップ２２全体の変位速度情報成分を除去して減算信
号を生成し、この減算信号が０レベルになるように２軸
アクチュエータを駆動して対物レンズを中点位置に保持
してもよい。

【００４７】さらに上述の実施例においては、レーザー
ビーム照射位置の変位情報からスレッドモータの変位情
報を減算する場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、スレッドモータの変位情報に代えて目標値信号Ｓ
２を減算することにより、等価的にレーザービーム照射
位置の変位情報からスレッドモータの変位情報を減算す
るようにしてもよい。

【００４８】さらに上述の実施例においては、光磁気デ
ィスクにデータを記録再生する場合に本発明を適用した
場合について述べたが、本発明はこれに限らず、いわゆ
るライトワンス型の光ディスク装置等、種々の光ディス
ク装置に広く適用することができる。

【００４９】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、戻り光か
ら検出されるレーザービーム照射位置の変位、又は変位
速度から、対物レンズ可動機構の変位、又は変位速度を
減算し、この減算値に基づいて対物レンズの振動を抑制
することにより、別途位置検出機構を配置しなくても、
対物レンズのシーク中の変位を検出して対物レンズをほ
ぼ可動中心に保持することができ、これにより位置検出
センサー等の対物レンズ位置検出機構を省略して、短い
時間で所望の記録トラックにアクセスすることができる
光ディスク装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による光ディスク装置を示す
ブロック図である。

【図２】図１の光ディスク装置の動作の説明に供する信
号波形図である。

【図３】図１の光ディスク装置の信号処理の説明に供す
る信号波形図である。

【図４】従来の光ディスク装置を示すブロック図であ
る。

【図５】図５の光ディスク装置の動作の説明に供する信
号波形図である。

【符号の説明】

１、２０ 光ディスク装置 ２ スピンドルモータ ３、２１ 光ディスク ４、２２ 光ピックアップ ６ 対物レンズ ９、２９ 減算回路 １０、１４、３０ 位相補償回路 １１、１５ 駆動回路 １２、１６ ボイスコイルモータ ２３ マトリックス回路 ２５ 処理回路 ２６ アップダウンカウンタ ２７ ディジタルアナログ変換回路 ２８ 可変利得増幅回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光源から射出された光ビームをディスク状
   記録媒体に集光して前記ディスク状記録媒体に所望のデ
   ータを記録し、又は光源から射出された光ビームをディ
   スク状記録媒体に集光して前記ディスク状記録媒体に記
   録したデータを再生する光ディスク装置において、 前記光ビームを前記ディスク状記録媒体に集光すると共
   に、前記ディスク状記録媒体から得られる戻り光を集光
   する対物レンズと、 前記対物レンズで集光した戻り光を受光する受光素子
   と、 所定の駆動信号に応じて前記対物レンズを可動する対物
   レンズ可動機構と、 前記対物レンズ可動機構を前記ディスク状記録媒体の半
   径方向に可動させるシーク機構と、 前記ディスク状記録媒体の半径方向について、前記対物
   レンズ可動機構の位置、又は可動速度を検出して第１の
   検出信号を出力する対物レンズ可動機構の位置検出手段
   と、 前記第１の検出信号に基づいて、前記駆動信号を出力し
   て前記シーク機構を駆動するシーク機構駆動手段と、 前記受光素子の検出信号に基づいて、前記ディスク状記
   録媒体の半径方向について、前記対物レンズの位置、又
   は可動速度を検出して第２の検出信号を出力する対物レ
   ンズの位置検出手段と、 前記第１及び第２の検出信号に基づいて、前記対物レン
   ズ可動機構に対する前記対物レンズの位置、又は変位速
   度を検出し、該検出結果に基づいて、対物レンズ可動機
   構が前記ディスク状記録媒体の半径方向に可動する際、
   前記対物レンズ可動機構による前記対物レンズのほぼ可
   動中心に前記対物レンズを保持するように、前記対物レ
   ンズ可動機構を駆動する対物レンズ可動機構の駆動手段
   とを具えることを特徴とする光ディスク装置。
2. 【請求項２】前記対物レンズの位置検出手段は、前記受
   光素子の出力信号からトラッキングエラー信号と、戻り
   光の全光量に応じて信号レベルが変化する光量検出信号
   とを生成し、前記トラッキングエラー信号及び光量検出
   信号に基づいて前記第２の検出信号を生成することを特
   徴とする請求項１に記載の光ディスク装置。