JPH08302533A - 濃染性を有するポリエステル系複合糸 - Google Patents

濃染性を有するポリエステル系複合糸

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JPH08302533A
JPH08302533A JP10935895A JP10935895A JPH08302533A JP H08302533 A JPH08302533 A JP H08302533A JP 10935895 A JP10935895 A JP 10935895A JP 10935895 A JP10935895 A JP 10935895A JP H08302533 A JPH08302533 A JP H08302533A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濃染効果に優れ,スエード調風合を有する織
編物用の糸条として好適な濃染性を有するポリエステル
系複合糸を提供する。 【構成】 捲縮フィラメント糸条Aと非捲縮の延伸糸条
Bとが混繊された交絡糸である。糸条Aは複屈折率(Δ
n)が 110×10-3以下で,割繊後の単糸繊度が0.3デニ
ール以下となる割繊型フィラメントで構成され,割繊後
において前記交絡糸の60重量%以上を占めるようにな
る。糸条Bは,単糸繊度が2デニール以上の太繊度フィ
ラメントで構成され,糸条Aよりも熱水収縮率が10%以
上大きく,かつ, 0.5g/d以上の熱収縮応力を有して
いる。糸条Aを割繊して染色した布帛のL値は19.0以下
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,濃染効果に優れ,スエ
ード調風合を有する織編物用の糸条として好適な濃染性
を有するポリエステル系複合糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今の高級指向に伴い,衣料分野では濃
染効果とスエード調の風合を併せ持った差別化素材が要
望されている。一般にスエード調布帛は,極細糸と太繊
度糸とを混繊した糸条を布帛にした後,染色工程で布帛
の表面を起毛することによって得られる。しかしなが
ら,この方法で得られるスエード調布帛は,極細糸と太
繊度糸の繊度差により見かけの染着性が異なるため,極
細糸が淡色,太繊度糸が濃色となって,布帛にイラツキ
が発生する。しかも,極細糸の存在により布帛の外観が
白茶けた色相を呈するため,商品価値が著しく低下し,
その改良が要望されている。
【0003】このため,極細繊維の濃染性を高める手段
として,ポリエステル高配向極細未延伸糸に延伸倍率を
できるだけ低くして仮撚加工を施す方法が試みられてい
る。
【0004】本発明者らも,特開平5−311528号公報に
おいて,極細未延伸糸を流体旋回ノズルを用いて仮撚加
工する方法を提案した。この方法を採用すれば,従来の
極細糸に比べて格段に濃染効果の向上した極細仮撚加工
糸が得られる。
【0005】しかしながら,元々,単糸繊度が細くなれ
ば細くなるほど,複合する他の糸条との見かけ染着差は
大きくなる。したがって,本発明者らが提案した前記流
体旋回ノズルで仮撚加工する方法を採用すれば,極細糸
と他の糸条との見かけ染着差は小さくなるものの,0.3
デニール以下の超極細糸になると,両糸条間の染着差に
よるイラツキは解消されず,布帛の品位を損なうという
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来の問題を解決し,濃染効果に優れ,染着差で布帛にイ
ラツキが発生することがなく,かつ,スエード調の風合
を有する織編物用の糸条として好適な濃染性を有するポ
リエステル系複合糸を提供することを技術的な課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果,捲縮を有する糸
条として割繊後の単糸繊度が0.3デニール以下の超極細
糸となる低配向の割繊型マルチフィラメント糸を採用
し,熱収縮応力の高い高収縮性の延伸糸と混繊すれば,
この複合糸から得られる布帛のイラツキが解消され,染
色布帛のL値が小さく,濃染されたスエード調布帛が得
られることを知見して本発明に到達した。
【0008】すなわち,本発明は,捲縮フィラメント糸
条Aと非捲縮の延伸糸条Bとが混繊された交絡糸であっ
て,糸条Aは複屈折率(Δn)が 110×10-3以下で,割
繊後の単糸繊度が0.3デニール以下となる割繊型フィラ
メントで構成され,割繊後において前記交絡糸の60重量
%以上を占めるようになり,糸条Bは,単糸繊度が2デ
ニール以上の太繊度フィラメントで構成され,糸条Aよ
りも熱水収縮率が10%以上大きく,かつ, 0.5g/d以
上の熱収縮応力を有しており,糸条Aを割繊して染色し
た布帛のL値が19.0以下となることを特徴とする濃染性
を有するポリエステル系複合糸を要旨とするものであ
る。
【0009】以下,本発明について詳細に説明する。
【0010】本発明のポリエステル系複合糸は,捲縮フ
ィラメント糸条Aと非捲縮の延伸糸条Bとで構成された
混繊交絡糸である。
【0011】まず,捲縮フィラメント糸条Aは,複屈折
率(Δn)が 110×10-3以下という低配向度の特性を有
し,しかも,割繊後の単糸繊度が0.3デニール以下とな
るポリエステル系割繊型フィラメントで構成されてい
る。このように,糸条Aは,配向の進行が極力抑えられ
た低配向度糸であるため染料の吸尽率が高く,割繊して
超極細フィラメントにしても,染色すれば深みのある色
相を呈し,濃染性が格段に向上するとともに,スエード
調風合を十分表現できる糸条となる。
【0012】糸条Aの複屈折率(Δn)が 110×10-3
超えると,配向度が高くて染料が繊維内部に入り難くな
り,濃染効果は期待できない。このため,超極細フィラ
メントは淡色となり,布帛の外観が白茶けた色相を呈し
て商品価値が低下する。また,物性の経時変化がなく,
品質の安定した複合糸を得るためには, 糸条Aの複屈折
率(Δn)の下限を 100×10-3程度とすることが好まし
い。
【0013】前述したように,糸条Aは,割繊後の単糸
繊度が0.3デニール以下となるポリエステル系割繊型フ
ィラメントで構成されていることが必要であり,割繊後
の単糸繊度が0.3デニールを超えると,スエード調風合
が表現し難くなる。
【0014】本発明でいうポリエステル系割繊型フィラ
メントとは,例えば,図2に示すように,単フィラメン
トの断面が8本の超極細フィラメントaがポリエステル
系接合剤bによって接合されたものである。この割繊型
フィラメントは,例えばアルカリ水溶液に浸漬し,ポリ
エステル系接合剤bをアルカリ水溶液で溶解,除去すれ
ば,図3に示すような複数の超極細フィラメントaに分
割されるものをいう。
【0015】本発明のポリエステル系複合糸では,糸条
Aの割繊後において, 糸条Aが複合糸全体の60重量%以
上, 好ましくは70重量%以上を占めている必要がある。
割繊されて単糸繊度が0.3デニール以下となった超極細
フィラメントが糸条全体の60重量%以上を構成すること
で, スエード調の風合を得ることが可能となり,糸条A
が60重量%未満では,スエード調風合に欠けるものとな
る。
【0016】一方,糸条Aとともに本発明のポリエステ
ル系複合糸を構成する糸条Bは,単糸繊度が2デニール
以上の太繊度糸で構成されていることが必要である。単
糸繊度が2デニール以上の太繊度糸とすることで,布帛
に張り,腰を付与することが可能となり,商品価値を高
めることができる。単糸繊度が2デニール未満では,布
帛に十分な張り,腰を付与することができず,極細糸特
有の風合が強調されすぎ,“クタクタ”な布帛となるの
で好ましくない。
【0017】また,糸条Bは,糸条Aよりも熱水収縮率
が10%以上高く,かつ, 熱収縮応力が0.5g/d以上の
特性を有していることが必要である。このような特性を
有することで,布帛にした後に熱処理を施しても,布帛
の組織に拘束されることなく糸条Bは収縮作用を発現
し,低収縮性である糸条Aとの間に熱収縮差が生じて,
図1のように,糸条Bが芯側に,糸条Aが鞘側に配され
た芯鞘構造の糸条形態となり,布帛の表面に糸条Aの超
極細フィラメントが浮き出て,スエード調の風合を発現
することが可能となる。
【0018】上記の特性を有する高収縮性の糸条Bは,
一般に配向や結晶化度が低いため,通常の延伸糸に比べ
て濃く染まりやすい性質を有している。このため,糸条
Bは糸条Aの染着性に近づき,糸条A,B間の染着性差
が小さいものとなる。また,糸条Aと糸条Bとの熱収縮
差により,製編織して熱処理すれば,糸条Aが糸条Bを
被覆する形の複合糸となるため,たとえ糸条Aと糸条B
間に染着差が生じても,その糸条形態から布帛の表面に
はイラツキの発生が見られず,品位の安定した布帛を得
ることができる。
【0019】糸条Aと糸条Bとの熱水収縮率差が10%未
満では,芯鞘構造の糸条形態にはなり難く,スエード調
の風合を付与できないばかりか,両糸条間の色差による
イラツキが出やすくなるので好ましくない。また,糸条
Bの熱収縮応力が0.5g/d未満では,布帛の組織に拘
束されて収縮作用が十分に発現せず,イラツキが出やす
いので好ましくない。
【0020】上述したように,本発明のポリエステル系
複合糸は,糸条を構成するフィラメントの繊維特性とそ
の糸条形態がもたらす相乗効果により,製編織して布帛
にした後,アルカリ水溶液に浸漬し,割繊型フィラメン
トのポリエステル系接合剤をアルカリ水溶液で溶解,除
去して超極細フィラメントを生成させた後,黒色染料で
染色すれば,布帛のL値が19.0以下となる濃染性を有
し,染着差によるイラツキが発生することもなく,スエ
ード調の風合を有する布帛となる。
【0021】本発明において,糸条A及び糸条Bの超極
細フィラメント部分を形成するポリエステルとしては,
ポリエチレンテレフタレート(PET)又はPETを主
成分とする共重合ポリエステルが好ましい。
【0022】また,割繊前に糸条Aの接合剤部分を形成
するポリエステル系接合剤は,超極細フィラメントより
もアルカリ溶解性が大で,好ましくはアルカリ減量速度
が超極細フィラメント部分より2〜20倍速いものであれ
ば,特に限定されるものではない。この中では,エチレ
ングリコールとテレフタル酸,さらに,重量平均分子量
が2,000 〜10,000のポリエチレングリコール10〜30重量
%及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸1〜3モル%
を共重合したPET系共重合ポリエステルが好ましく,
このポリエステルで形成さたポリエステル系接合剤は,
アルカリ減量速度が速く,かつ, 熱的安定性に優れてい
るので,割繊処理を容易に, 安定して行うことができ
る。
【0023】次に,本発明のポリエステル系複合糸の製
法例について説明する。
【0024】まず,捲縮フィラメント糸条A用の供給糸
となる割繊型糸条は,複屈折率(Δn)が20×10-3〜80
×10-3のものを使用するのが好ましい。複屈折率(Δ
n)が20×10-3未満では物性の経時変化が著しく,品質
にバラツキが生じたり,仮撚加工時に融断するので好ま
しくない。また,80×10-3を超えると,仮撚加工して得
られる糸条Aの複屈折率(Δn)が 110×10-3を超えた
ものとなり,本発明の目的とする濃染性の加工糸が得ら
れない。
【0025】一方,非捲縮の延伸糸条Bは,本発明のポ
リエステル系複合糸の構成を満足させるように単糸繊
度,熱水収縮率,熱収縮応力等を勘案して選択する必要
があるが,例えば,イソフタル酸成分を10モル%共重合
したPET系共重合ポリエステルを紡糸し,得られた未
延伸糸を熱延伸して,高熱収縮応力で高熱水収縮性の延
伸糸としたものが好ましく用いられる。なお,未延伸糸
をそのまま供給糸として用い,製造段階で熱延伸を施
し,延伸糸条Bとする方法を採用してもよい。
【0026】上記した糸条A用の割繊型糸条と糸条Bと
を供給糸として,図4に示す工程で製造する例について
説明する。
【0027】図4において,糸条A用の割繊型糸条Y1
は,第1供給ローラ1で第1供給ローラ1と第1引取ロ
ーラ4の間の仮撚ゾーンに供給され,流体旋回ノズル3
で加撚され,ヒータ2で熱セットされる。次いで,第1
引取ローラ4を経た糸条Aは,第2供給ローラ7で供給
される糸条B(Y2)とともに流体噴射ノズル5で混繊交
絡処理が施され,続いて,第2引取ローラ6を経てパッ
ケージ8に捲き取られる。
【0028】上記のように,流体旋回ノズルで仮撚加工
を施すが,この際,糸条A用の割繊型糸条に低張力で仮
撚加工を施すことで,複屈折率(Δn)が 110×10-3
下である低配向の捲縮フィラメント糸条Aとなる。この
糸条Aと糸条Bとを流体噴射ノズルで流体処理して,混
繊交絡あるいは混繊交絡とループ毛羽を付与し,本発明
のポリエステル系複合糸を得る。
【0029】仮撚加工時の加工条件は速度によっても異
なるが,例えば加工速度が 800m/分の場合,仮撚ゾー
ンのオーバーフィード率−5〜10%,ヒータ温度 200〜
500℃,仮撚係数 4,000〜15,000〔(仮撚数(T/M) ×糸
条繊度 (デニール)1/2〕,流体旋回ノズルの空気圧力5
〜8kg/cm2 が好ましい。
【0030】また,糸条Aと糸条Bとを混繊交絡させる
際の糸条供給方法としては,両糸条を引き揃えて加工す
るパラレル加工法,あるいは両糸条の供給量を変えて2
層構造とするコア−アンドエフェクト加工法のいずれを
採用してもよいが,糸条Aのオーバーフイード率を糸条
Bより大きくしてコア−アンドエフェクト加工法を採用
すれば,後工程における熱収縮効果と相まって芯鞘構造
がより明瞭に発現し,本発明の効果を増幅させることが
できる。
【0031】糸条Aと糸条Bとを混繊交絡させる際に使
用する流体噴射ノズルとしては,交絡を付与するインタ
ーレース系ノズルや,交絡とループ毛羽を形成するタス
ラン系ノズルが好ましく用いられる。また,流体処理の
条件としては,インターレース処理の場合,オーバーフ
ィード率1〜4%,空気圧力2〜5kg/cm2 が好まし
い。また,タスラン処理の場合は,オーバーフィード
率,空気圧力等は,交絡性,ループ毛羽形成量に応じて
適宜選定すればよい。
【0032】なお,本発明における物性値は,次の方法
で測定するものである。 (1) 複屈折率(△n) 通常の偏光顕微鏡コンペンセータを用いて, 干渉縞法に
より測定する。 (2) 熱水収縮率 JIS−L−1090に準拠して測定する。 (3) 熱収縮応力 カネボウ熱応力測定器KF−2型(カネボウエンジニア
リング社製)を用いて,糸条を0.1g/dの張力下に一定長
で把持し,これを加熱昇温しながら温度に対応する応力
を記録計に記録し,ピーク応力値を糸条の繊度(デニー
ル)で除すことにより求める。 (4) 染色した布帛のL値 まず,糸条を目付 150〜160g/m2 の筒編地に編成し,次
いで,下記の染色処方で染色を行う。 <染色処方> 精 練 精 練 剤 : サンモールFL(日華化学社製) 2g/リットル 温度×時間 : 80℃×20分 割 繊 割 繊 剤 : フレーク苛性ソーダ 20g/リットル (石津製薬社製) 温度×時間 : 98℃×30分 浴 比 : 1:50 染 色 分散染料 : ダイアニックスブラックHG−FS 15%o.w.f. (三菱化学社製分散染料) 助 剤 : ニッカサンソルトSN−130 0.5g/リットル (日華化学社製) 酢 酸 0.2cc/リットル 温度×時間 : 135℃×30分 浴 比 : 1:50 還元洗浄 還元洗浄剤 : ビスノールP−70 5g/リットル (一方社油脂工業社製) 温度×時間 : 80℃×30分 上記の染色処方で染色した筒編地を,マクベス社製MS
−2020型分光光度計でその反射率を測定し,CIE
Labの色差式から濃度指標を求めた値がL値であ
り,L値は,その値が小さいほど深みのある色となる。
【0033】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0034】実施例1 糸条A用の割繊型フィラメント糸として,図2に示すよ
うに8本の超極細フィラメント (PET) aが接合剤b
によって接合されたフィラメントで構成された複屈折率
(Δn)が62×10-3の割繊型PET系未延伸糸 125d/
48fを用いた。
【0035】超極細フィラメントaと接合剤bの重量割
合は,超極細フィラメントa:接合剤b=4:1とし
た。したがって,割繊型PET系未延伸糸の単糸繊度は
約2.6デニールであり,割繊後の超極細フィラメントa
の単糸繊度は0.26デニールであった。なお,超極細フィ
ラメントaを接合している接合剤bの成分は,分子量6,
000のポリエチレングリコール13.3重量%及び5−ナト
リウムスルホイソフタル酸2.5モル%を共重合したPE
T系共重合ポリエステルを用いた。
【0036】一方,糸条Bとしては,イソフタル酸成分
を10モル%共重合したPET系共重合ポリエステルを紡
糸−熱延伸して得られた, 熱水収縮率20%,熱収縮応力
0.55g/dの延伸糸30d/12fを用い,図4の製造工程
に従い,表1の条件で仮撚加工と流体処理を施して,ポ
リエステル系複合糸を製造した。得られた複合糸の物性
を表1に示す。
【0037】この複合糸は,糸条表面に割繊型フィラメ
ントのループ毛羽が形成された芯鞘構造の混繊交絡糸で
あった。この複合糸を目付 155g/m2の筒編地に編成し,
精練,割繊処理を行った。次いで,黒色染料で染色し,
L値を測定したところ18.3で深みのある黒色を呈し,ま
た,表面に超極細フィラメントが浮き出て,しかも緻密
なループ毛羽が形成され,イラツキのないスエード調風
合の編地が得られた。
【0038】比較例1 実施例1と同様の供給糸を用い,図4の製造工程に従
い,表1の条件で仮撚加工と流体処理を施してポリエス
テル系複合糸を製造した。ただし,流体旋回ノズルの代
わりにフリクションディスクを用いて延伸同時仮撚を行
った。得られた複合糸の物性を表1に示す。
【0039】この複合糸を実施例1と同様に筒編し,精
練,割繊及び染色処理を施した。得られた編地は,表面
には緻密なループ毛羽が形成され,スエード調風合を有
するものであったが,L値が21.0と高く,表面が白茶け
て見え,発色性に乏しいものであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば,糸条を構成するフィラ
メントの繊維特性と糸条形態がもたらす相乗効果によ
り,製編織して得られる布帛に,深みのある色調とスエ
ード調風合を付与することができ,しかも染着差による
イラツキ現象の発生もない濃染性に優れたポリエステル
系複合糸を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濃染性を有するポリエステル系複合糸
の割繊,熱水処理後の一実施態様を示す外観模式図であ
る。
【図2】ポリエステル系割繊型フィラメントの割繊前の
単フィラメントの断面図である。
【図3】図2の単フィラメントの割繊後の状態を示す断
面図である。
【図4】本発明の濃染性を有するポリエステル系複合糸
の製法例を示す概略工程図である。
【符号の説明】
a 超極細フィラメント b ポリエステル系接合剤 Y1 糸条A用の割繊型糸条 Y2 糸条B 2 ヒータ 3 流体旋回ノズル 5 流体噴射ノズル 8 パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/04 D02G 3/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捲縮フィラメント糸条Aと非捲縮の延伸
    糸条Bとが混繊された交絡糸であって,糸条Aは複屈折
    率(Δn)が 110×10-3以下で,割繊後の単糸繊度が0.
    3デニール以下となる割繊型フィラメントで構成され,
    割繊後において前記交絡糸の60重量%以上を占めるよう
    になり,糸条Bは,単糸繊度が2デニール以上の太繊度
    フィラメントで構成され,糸条Aよりも熱水収縮率が10
    %以上大きく,かつ, 0.5g/d以上の熱収縮応力を有
    しており,糸条Aを割繊して染色した布帛のL値が19.0
    以下となることを特徴とする濃染性を有するポリエステ
    ル系複合糸。
JP10935895A 1995-05-08 1995-05-08 濃染性を有するポリエステル系複合糸 Expired - Lifetime JP3476588B2 (ja)

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