JPH08300008A - 全連続熱間圧延のシートバーの溶接装置 - Google Patents

全連続熱間圧延のシートバーの溶接装置

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JPH08300008A
JPH08300008A JP7105092A JP10509295A JPH08300008A JP H08300008 A JPH08300008 A JP H08300008A JP 7105092 A JP7105092 A JP 7105092A JP 10509295 A JP10509295 A JP 10509295A JP H08300008 A JPH08300008 A JP H08300008A
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welding
bar
joining
sheet
sheet bar
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JP7105092A
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Tadatsugu Yoshida
忠継 吉田
Susumu Mizunuma
晋 水沼
Kazuo Watanabe
和夫 渡辺
Hiroe Nakajima
浩衛 中島
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、全連続熱間圧延を行う際に、仕上
げ圧延機の入側でシートバーをレーザー溶接および大電
流ガスシールドアーク溶接する際の、溶接装置に関す
る。 【構成】 粗圧延機で所定の寸法に圧延したシートバー
をシャーにより先端と後端をカットし、後行するシート
バー3−1の先端部と仕上げ圧延中のシートバー3−2
の後端部を最適位置に制御して溶接することにより、仕
上げ圧延中に板破断が発生せず、連続圧延が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全連続熱間圧延を行う
際に、仕上げ圧延機の入側でシートバーを溶接により接
合する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄板の熱間タンデム圧延では、製
鋼工程から送られてきた有限長さのスラブを粗圧延して
シートバーとし、このシートバーを多スタンドの熱間仕
上げ圧延機で圧延してコイルに捲き取ることにより所定
の寸法を薄板コイルにしている。しかし、仕上げ圧延に
おいて、シートバーが有限長さであることによるシート
バー先端の噛み込みおよびシートバー後端の尻抜け時の
非定常圧延が避けられないため、板の絞り込みなどの通
板不良発生防止の観点から、シートバーの先後端を通板
する際に通板速度を遅くしなければならず、生産性を阻
害する要因となっていた。その対策として、有限長さの
シートバーを粗圧延機と仕上げ圧延機の間で接合してエ
ンドレスの仕上げ圧延を行うことが検討されている。
【0003】特開平4−89110号公報には図6に示
すように、コイルボックス15、レベラー12、シャー
13、移動式誘導加熱接合装置18、仕上げ圧延機14
からなるプロセスが開示されている。即ち、仕上げ圧延
中のシートバー3−2の後端部とコイルボックス15か
ら捲き戻された粗圧延後のシートバー3−1の先端部を
それぞれシャー13で切断して平滑な合わせ面を形成
し、これらの合わせ面を突き合わせて、接合装置18に
よりシートバーの移動に同期しながら、シートバーを接
合することによって仕上げ圧延機14で全連続圧延を行
う。
【0004】この方法の特徴は、接合機として移動式誘
導加熱接合装置18を用いる点にある。即ち、シートバ
ーの合わせ面近傍の素材温度を融点近傍まで移動式誘導
加熱接合装置18で加熱した後、合わせ面を押し付けて
アップセット接合し、合わせ面の塑性変形に伴うバリの
除去を行って仕上げ圧延時の欠陥発生を防止した後、仕
上げ圧延を実施する。バリは接合部の上下板表面に板厚
程度に盛り上がるので、これを完全に除去するために長
時間を要し、既設のラインに組み込むことが困難であっ
た。そのため、バリ発生の少ない溶接方法の適用が種々
検討されてきた。
【0005】特開昭61−52904号公報には、先行
圧延材の後端と後行圧延材の先端とをアーク溶接により
突き合わせ溶接し、その際に溶接部の溶融深さと圧延材
の板厚の比を2/3以上に特定して、後続の仕上げ圧延
における溶接部からの板破断を防止するシートバーの接
合に関する方法が開示されている。仕上げ直前のシート
バーの板厚は通常30〜45mm程度であるから、この方
法によると、アーク溶接の溶融深さを最低でも20〜3
0mm確保しなければならない。この程度の溶融深さを実
現するには、予め合わせ面に開先加工を施し、肉盛り溶
接を行うことが通常である。特開昭61−52904号
公報に開示された図7の溶接部断面から判断すると、こ
の発明では開先加工および肉盛り溶接を実施することが
前提と考えられる。一般に、開先加工は多大の加工時間
を要するから、この方法を既設ラインに直接適用するこ
とはできない。即ち、開先加工しないで、必要な溶け込
み深さを確保できる溶接技術の開発が必要である。
【0006】図8は先行および後行のシートバーの板厚
が同じ場合(tB =tT )の、開先加工しないシートバ
ーの突き合わせ面の断面形状の一例である。その特徴
は、開先に相当する部分が少ないのでほぼI開先に近い
こと、合わせ面が垂直面から角度θ傾いていること、溶
接する上面のレベルが先行および後行シートバーで異な
るためにシャーのせん断時のダレによる段差fを生じて
いることである。又、図9は先行および後行のシートバ
ーの板厚が異なる場合(tB <tT )の、開先加工しな
いシートバーの突き合わせ面の断面形状の一例である。
この場合は、溶接する上面のレベル差fがかなり大き
い。即ち、シートバーの板厚や、使用するシャーの特性
によって、合わせ面の幾何学的条件が大きく変化するこ
とが理解できる。
【0007】一方、必要溶融深さを確保する上で、溶融
深さに及ぼす溶接面の段差fや合わせ面間隙gの影響を
把握しなければならないが、熱間のシートバーを溶接し
たデータはほとんど皆無である。そこで、発明者らはレ
ーザー溶接法およびアーク溶接法により種々の合わせ面
の状態で熱間溶接試験を実施し、接合部の断面調査を実
施した。図2は図9のシートバーを用いて、溶接する面
の段差fを緩和した(f=0)場合、図3は図9の条件
即ち段差fが大のままで溶接した場合の溶接部の断面を
示す。前者では、溶接状態が安定し、溶融深さは図2に
示すように溶接機の能力を充分に活用できて深くなっ
た。この場合の接合に有効な溶融深さをδとする。一
方、後者では、図3に示すように、レベルの高いシート
バーの上端部も溶融するので、その分接合に有効な溶融
深さが減少し、ほぼδ−fとなる。即ち、段差fが大き
い程、接合強度が低下する。又、アーク溶接の場合は、
段差のために溶接が不安定になり、溶接欠陥を発生した
り、最悪の場合には溶接ワイヤーがシートバーに突き刺
さって溶接が中断することがあった。
【0008】又、合わせ面の傾きが大きい場合には、溶
接機の溶接方向が合わせ面内から外れるので、溶融幅の
狭いレーザー溶接法の場合は、合わせ面を接合する実質
量が減少した。しかし、溶接機の溶接方法を合わせ面内
に一致させた場合は、充分な溶融深さが得られることが
判った。
【0009】更に、アーク溶接の場合、シートバーの合
わせ面に大きな段差がない場合でも、合わせ面の間隙が
0mmの場合、ビードオンプレート溶接に近い状態となっ
て、理想的な開先付きの条件から大きく離れるために、
溶融深さが浅くなったり、溶接欠陥が多発することがあ
った。しかしこの場合でも、合わせ面に適当な間隙を設
けると溶融深さを充分確保できることが判明した。
【0010】以上の結果から、接合に溶接方法を適用す
る場合には、先行および後行のシートバーをクランプす
る際に、溶接条件に適した突き合わせ状態にシートバー
および溶接機の位置を制御することが必須であることを
知見した。
【0011】特開昭60−244401号公報にはシー
トバーの接合装置として、高周波加熱で昇温した後に、
合わせ面をアップセットして接合する方法と装置が開示
されている。しかし、この方法であれば、溶接機を適用
しないため、シートバーのレベルをmm単位で制御する必
要はなく、又、合わせ面を常に押し付けるので、合わせ
面の間隙の調整も不要である。そのため、溶接機の姿勢
制御およびシートバー位置の調整装置に関して、一切開
示されていない。そのため、本装置を溶接によるシート
バーの接合に直接適用することは困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
熱間仕上げ圧延機の入側で、シートバーの突き合わせ溶
接を行うに際して、従来方法であれば、シートバーの合
わせ面の位置を溶接に適した状態に制御できないので、
板厚が異なる場合やシャーダレにより溶接面に段差がつ
いた場合に溶融深さが減少し、溶接欠陥が発生するなど
して、溶接強度が低下する問題があった。そのため、板
厚変更に関する圧延スケジュールの制限が生じていた。
又、溶接機の溶接方向を制御できないので、合わせ面の
傾きが大なる場合に、溶接強度の低下が発生する不都合
が生じた。更に、アーク溶接で、溶融深さを最大にする
には、合わせ面に適当な間隙を設けることが必要である
が、従来方法では合わせ面の間隙を高精度に制御するこ
とは困難であった。
【0013】そこで、発明者らは、実機条件で必要な制
御範囲を熱間の溶接試験により明確にするとともに、そ
のような制御機能を実現する装置を検討して、本発明を
なしたものである。即ち、本発明は、シートバーをクラ
ンプする際に、シートバーの位置を制御して、溶接に最
適な合わせ面の条件を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、粗圧延
後のシートバーの先端部を先行する仕上げ圧延中のシー
トバーの後端部に接合して完全連続圧延するための接合
装置であって、前記先行する仕上げ圧延中のシートバー
に同期して走行する走行台車と、該走行台車に設けられ
た、先行シートバーの後端部を把持する先行クランプ装
置と、後行シートバーの先端部を把持する後行クランプ
装置と、先行シートバーの後端部の接合面と後行シート
バーの先端部の接合面との前後の間隔を調整する前後調
節装置と、先行クランプ装置と後行クランプ装置のいず
れか一方又は双方に設けられた接合面の上下位置を調節
する上下調節装置と、接合面の前後の間隔を測定する前
後間隔測定センサーと、接合面の上下位置を測定する上
下位置測定センサーと、前後間隔を測定するセンサーの
測定結果に基づいて前後調節装置のアクチュエータを制
御するとともに、上下位置測定センサーの測定結果に基
づいて接合面の上下位置調整装置のアクチュエータを制
御する接合位置制御装置と、接合位置の上面位置を検出
する接合位置センサーと、シートバーの接合位置を上方
から溶接する幅方向に移動可能な溶接装置と、溶接機の
幅方向位置を検出する接合位置センサーと、位置センサ
ーの測定結果に基づいて、溶接装置を接合位置に移動制
御するとともに接合位置に沿って幅方向に溶接制御する
溶接制御装置を備えることを特徴とする連続圧延するた
めのシートバーの溶接装置である。
【0015】好ましくは、前記シートバーの接合装置に
おいて、溶接機が幅方向に単数又は複数台配置された1
台当たりの出力が20kW以上のレーザー溶接機であるこ
とを特徴とする。又、前記シートバーの接合装置におい
て、溶接機が幅方向に単数又は複数台配置された1台当
たりの出力が20kW以上のアーク溶接機であることを特
徴とする。
【0016】更に、前記シートバーの接合装置におい
て、合わせ面の上縁を検出するセンサーとして溶接ワイ
ヤーを用いることを特徴とする。又、前記シートバーの
接合装置において、アーク溶接の電極を突き合わせ面に
関して概ね対称に配置することを特徴とする。
【0017】
【作用】以下に、本発明の実施態様例を示す図面に従っ
て本発明を詳細に説明する。まず、本発明の作用につい
て説明する。最初に、溶接装置の作用について説明す
る。図1は本発明の溶接装置の側面図で、1は台車構造
の接合装置本体、2はレーザー溶接機やアーク溶接機な
どの溶接機本体、3−1はコイルボックスから捲き戻さ
れた後行シートバー、3−2は仕上げ圧延中の先行シー
トバー、4−1は後行シートバーのクランプ装置、4−
2は先行シートバーのクランプ装置、5はシートバー位
置の上下調節装置、6はシートバー位置の前後調節装置
で、6−1はシートバーの副クランプ機構のアクチュエ
ータ、6−2はシートバーの副クランプ機構、6−3は
シートバーの前後送り用アクチュエータ、7は溶接装置
走行用レール、8は溶接装置走行用車輪、9は溶接機位
置の制御装置で、9−1は溶接方向制御機構、9−2は
溶接機位置の前後左右調節機構、9−3は溶接機位置の
調節用基準面、9−4は溶接機の位置の上下調節機構、
10はシートバーの合わせ面を示す。
【0018】仕上げ圧延機入側の圧延速度で走行する仕
上げ圧延中の先行シートバー3−2に同期して、レール
7上を車輪8を回転させながら台車構造の接合装置1が
走行する。図示しないセンサーによって、先行のシート
バー3−2の端部が溶接機2の真下に達したと判断した
後、クランプ装置4−2でクランプして先行シートバー
3−2を接合装置1に固定する。次に、コイルボックス
又は粗圧延機から、接合装置1より速い速度で送られて
きた後行のシートバー3−1の端部が、溶接機2のほぼ
真下に達したことを、図示しないセンサーによって判断
した後、副クランプ機構のアクチュエータ6−1および
これと一体の副クランプ機構6−2が作動して、後行シ
ートバー3−1をクランプするとともに、シートバーの
前後送り用アクチュエータ6−3が作動して、シートバ
ー3−2とシートバー3−1の合わせ面10を接触させ
る。アクチュエータ6−3が再び作動して、図示しない
長手方向位置センサーによりシートバー3−1を所定量
(最適合わせ面間隙)送ったと判断した後、クランプ装
置4−1が作動してシートバー3−1を接合装置本体1
に固定する。次に、図示しないレベルセンサーにより、
シートバーの合わせ面10の上縁の段差を測定した後、
シートバー位置の上下調節装置5とクランプ装置4−2
が同期してシートバー3−2を把持しながら作動し、レ
ベルセンサーによりシートバーの合わせ面10の上縁の
段差が0を判断した後停止する。
【0019】この状態で、溶接機2が溶接機位置の制御
装置9により移動しながら、図示しないセンサーで合わ
せ面10の真上に達したと判断した後に、溶接機2は溶
接機位置の制御装置9により合わせ面に沿って板幅方向
に所定の速度で移動しながら、溶接を開始する。そして
所定位置まで溶接したとセンサーで判断した後、溶接を
終了する。その後、接合部が冷却により固化することに
より充分な接合強度を発生するまでシートバーを固定し
た後、クランプ装置4−1および4−2が開いて接合し
たシートバー3−1および3−2を開放すると同時に、
接合装置本体の移動を停止し、送り方向と反対の方向に
移動して、次の溶接のために待機する。
【0020】次に、溶接機2の仕様を限定した理由につ
いて説明する。接合に利用できる実機のライン長さは5
0m以下であり、圧延速度が90mpm とすると、接合に
利用できる時間は30sec 程度であり、溶接・冷却に使
用できる時間は20sec 以下である。実験結果から、溶
融幅wが10mm以内でなければ、20sec 以内に溶接を
完了しないことが判明した。又、圧延工程で板破断しな
いためには、溶接部の有効溶融深さが板厚の少なくとも
30%以上、好ましくは40%以上必要であり、シート
バーの板厚が40mm程度とすれば、有効溶融深さは16
mm程度必要となる。即ち、溶融深さ・溶融幅比δ/wが
1.6以上の溶接を行う必要がある。
【0021】図4および図5は、縦軸に溶融深さη、横
軸に溶融幅wをとり、右上から左下への斜線で出力20
kW以上の溶接電力で溶接速度などの溶接条件を変化させ
て、シートバーを溶接可能な範囲を、左上から右下への
斜線でシートバーの接合に必要な溶接条件を示す。即
ち、両斜線が重なる範囲が各溶接法で適用できる条件で
ある。
【0022】図4はレーザー溶接法の結果を示してお
り、溶接深さを40mm程度まで深くでき、溶接幅は3mm
以下の溶接が可能である。図5はアーク溶接方法の結果
を示しており、溶融深さを30mm程度まで深くでき、溶
融幅は4mm〜10mmの広い範囲の溶接が可能である。
【0023】レーザー溶接法、アーク溶接法のいずれの
方法においても、溶接電力を1台当たり20kW以上にす
ると、必要溶接条件を満足するので、本発明では、溶接
機1台当たりの出力が20kW以上であるレーザー溶接法
又はアーク溶接法のいずれかの溶接法を採用する。
【0024】次に、アーク溶接機を用いる場合に、発明
の作用について説明する。強固な溶接をするためには、
合わせ面位置を精度よく検出して、合わせ面上縁に沿っ
て正確に溶接することが必須である。アーク溶接の場
合、通常、溶接速度は3mpm 程度なので、溶接時間を短
くするために、溶接機を複数台用いる。そのため、溶接
機周辺のスペースが限られるので、センサーの配置が課
題となる。そこで、溶接機に用いる溶接ワイヤーをセン
サーと兼用する方法が考えられる。アーク溶接は、溶接
ワイヤーとシートバーの間にアークを飛ばしながら溶接
するので、溶接部の状態が変化すると溶接電圧が変化す
る。そこで、溶接する合わせ面上縁とシートバーの表面
の幾何学的相違により、合わせ面位置で規則的に変化す
る溶接電圧をモニターすることによって、溶接ワイヤー
の先端が常に合わせ面に位置するように溶接機位置を制
御する。これにより、合わせ面を検出するセンサーを別
途必要としないので、溶接装置の構造が単純化され、コ
スト的にも有利になる。
【0025】アーク溶接法の場合、溶接ワイヤーとシー
トバーの間で流すアーク電流をシートバーに給電するた
めに、電極をシートバーに接触させなければならない。
通常、電極を先行のシートバーもしくは後行のシートバ
ーのどちらか一方に接触させるが、この方法であると一
方のシートバーのみに電流が流れるので、溶接部の形状
が合わせ面に対して非対称になり、理想条件である対称
の場合から離れるため、溶接強度が低下する。そこで、
電極を合わせ面に対して対称に配置することにする。合
わせ面と電極の間でジュール発熱により電圧低下が生じ
るので、電極位置はできる限り合わせ面近傍が好まし
い。しかし、合わせ面近傍はスペースが不足するので、
電極をシートバーのクランプ装置に組み込むことが好ま
しい。即ち、後行シートバークランプ装置4−1と先行
シートバークランプ装置4−2のシートバー押さえダイ
スにそれぞれ電極を埋め込む方法が有利である。クラン
プ装置に電極を埋め込むことが困難な場合には、クラン
プ装置に対して合わせ面と反対側の場所で、シートバー
に電極を押しつけて接触させればよい。又、電極材料と
しては、銅、カーボンなどの接触抵抗の小さい材料が好
ましい。
【0026】本発明の方式であれば前述のように、従来
方式の欠点を改善しており、仕上げ圧延機で作用する張
力によっても切断しない強固な接合が可能となる。
【0027】
【実施例】本発明の一実施例を図1と表1および表2を
用いて説明する。粗圧延機で40mmに圧延した幅110
0mm、長さ80mのシートバーをコイルボックスに捲き
取った後、捲き戻して仕上げ圧延機に送り出して、図1
に示す機構の接合装置を用いて、仕上げ圧延中の同寸法
のシートバーに溶接した。
【0028】その際、表1に示す条件で合わせ面を密着
させて、出力45kWの炭酸ガスレーザー溶接機を2台用
いて、溶融深さ16mmで全幅に渡り合わせ面を溶接し
た。溶接速度は10mpm であり、溶接は4sec 、冷却に
2sec 程度の時間を要した。又、溶接前のシートバーの
固定に10sec 、溶接後のシートバーの取り外しに1se
c かかったので、接合のために合計20sec 程度の時間
を要した。又、仕上げ圧延機入側速度は60mpm で、接
合装置の走行距離は20mであった。溶接後に表1の6
スタンドの仕上げ圧延機で板厚2mmに圧延したが、板破
断は発生せず連続圧延が可能であった。
【0029】表2に示す条件で合わせ面の間隙を1mm開
けて、二次電源が4000Aの容量の炭酸ガスシールド
アーク溶接機を6台用いて、溶融深さ16mmで全幅に渡
り合わせ面を溶接した。溶接速度は3mpm であり、溶接
は4sec 、冷却に6sec の時間を要した。又、溶接前の
シートバーの固定に10sec 、溶接後のシートバーの取
り外しに1sec かかったので、接合のために合計24se
c の時間を要した。仕上げ圧延機入側速度は60mpm
で、接合装置の走行距離は24mであった。溶接後に表
1の6スタンドの仕上げ圧延機で2mmに圧延したが、板
破断は発生せず連続圧延が可能であった。シールドガス
を表2に示すガスに変更したが、いずれも炭酸ガスと同
様に溶接および連続圧延が可能であった。
【0030】次に、粗圧延機で45mmに圧延した幅11
00mm、長さ80mのシートバーをコイルボックスに捲
き取った後、捲き戻して仕上げ圧延機に送り出して、図
1に示す機構の接合装置を用いて、仕上げ圧延中の厚さ
40mm、幅1100mmのシートバーに溶接した。その
際、合わせ面の上面の段差を約0mmにしないで表1およ
び表2の条件で溶接した結果、仕上げ圧延中に板破断す
る場合があった。そこで、シートバー位置の調節装置に
より合わせ面の上面の段差を約0mmとして、表1および
表2の条件で溶接した結果、仕上げ圧延中に板破断する
こともなく、連続圧延が可能であった。
【0031】アーク溶接の場合に、合わせ面位置の検出
に、カメラと画像処理による方法と、溶接電圧をモニタ
ーする方法を用いたが、両方とも仕上げ圧延中に板破断
せずに連続圧延が可能であった。しかし、後者の方が初
期コスト安で、メンテナンス費も少なかった。
【0032】溶接電極を先行および後行のシートバーの
クランプ装置にそれぞれ埋め込んで用いた場合は、溶接
電極を一方のクランプ装置に埋め込んだ場合に比べて、
溶接速度を1割程度増加しても充分な接合強度が確保で
きた。
【0033】以上、先行のシートバーの後端部と後行の
シートバーの先端部は強固に接合され、仕上げ圧延中に
シートバーの板破断は発生せず、本発明が有効であるこ
とが判明した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上に述べたように構成しか
つ作用せしめることにより、全連続熱間圧延を行う際
に、仕上げ圧延機の入側においてシートバーを接合する
のに顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す溶接装置の側面図。
【図2】本発明の作用を示す溶接部の断面図。
【図3】シートバーの板厚が異なる場合の段差を大にし
て溶接したときの溶接部の断面図。
【図4】レーザー溶接における本発明の溶融部形状に対
する説明図。
【図5】アーク溶接における本発明の溶融部形状に関す
る説明図。
【図6】従来技術によるシートバー接合ラインの一例を
示す図。
【図7】従来技術によるアーク溶接方法の例を示す図。
【図8】従来技術による突き合わせ方法の例を示す図。
【図9】突き合わせ方法の他の例を示す図。
【符号の説明】 1 台車構造の接合装置 2 溶接機 3 シートバー 3−1 後行のシートバー 3−2 先行のシートバー 4 シートバークランプ装置 4−1 後行シートバークランプ装置 4−2 先行シートバークランプ装置 5 シートバー位置の上下調節装置 6 シートバー位置の前後調節装置 7 走行用レール 8 走行用車輪 9 溶接機位置の制御装置 9−1 溶接方向制御機構 9−2 溶接位置の前後左右調節機構 9−3 溶接機位置の調節用基準面 9−4 溶接機の位置の上下調節機構 10 合わせ面 11 ピンチロール 12 レベラー 13 シャー 14 仕上げ圧延機 15 コイルボックス 16 ルーパー 17 デスケ 18 移動式誘導加熱接合装置 19 溶接ワイヤー 20 溶接アーク 21 シールドガス tT 先行シートバーの板厚 tB 後行シートバーの板厚 f 合わせ面上面の段差 θ 合わせ面の傾斜角度 g 合わせ面の間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 浩衛 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗圧延後のシートバーの先端部を先行す
    る仕上げ圧延中のシートバーの後端部に接合して完全連
    続圧延するための接合装置であって、前記先行する仕上
    げ圧延中のシートバーに同期して走行する走行台車と、
    該走行台車に設けられた、先行シートバーの後端部を把
    持する先行クランプ装置と、後行シートバーの先端部を
    把持する後行クランプ装置と、先行シートバーの後端部
    の接合面と後行シートバーの先端部の接合面との前後の
    間隔を調整する前後調節装置と、先行クランプ装置と後
    行クランプ装置のいずれか一方又は双方に設けられた接
    合面の上下位置を調節する上下調節装置と、接合面の前
    後の間隔を測定する前後間隔測定センサーと、接合面の
    上下位置を測定する上下位置測定センサーと、前後間隔
    を測定するセンサーの測定結果に基づいて前後調節装置
    のアクチュエータを制御するとともに、上下位置測定セ
    ンサーの測定結果に基づいて接合面の上下位置調整装置
    のアクチュエータを制御する接合位置制御装置と、接合
    位置の上面位置を検出する接合位置センサーと、シート
    バーの接合位置を上方から溶接する幅方向に移動可能な
    溶接装置と、溶接機の幅方向位置を検出する接合位置セ
    ンサーと、位置センサーの測定結果に基づいて、溶接装
    置を接合位置に移動制御するとともに接合位置に沿って
    幅方向に溶接制御する溶接制御装置を備えることを特徴
    とする連続圧延するためのシートバーの溶接装置。
  2. 【請求項2】 溶接機の幅方向に単数又は複数台配置さ
    れた該溶接装置の1台当たりの出力が20kW以上のレー
    ザー溶接機であることを特徴とする請求項1記載の全連
    続熱間圧延のシートバーの溶接装置。
  3. 【請求項3】 溶接機が幅方向に単数又は複数台配置さ
    れた該溶接装置の1台当たりの出力が20kW以上のアー
    ク溶接機であることを特徴とする請求項1記載のシート
    バーの溶接装置。
  4. 【請求項4】 合わせ面の上縁を検出するセンサーとし
    て溶接ワイヤーを用いることを特徴とする請求項1又は
    請求項3に記載の全連続熱間圧延のシートバーの溶接装
    置。
  5. 【請求項5】 アーク溶接の電極を突き合わせ面に関し
    て概ね対称に配置することを特徴とする請求項1、請求
    項3又は請求項4記載の全連続熱間圧延のシートバーの
    溶接装置。
JP7105092A 1995-04-28 1995-04-28 全連続熱間圧延のシートバーの溶接装置 Withdrawn JPH08300008A (ja)

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