JPH08296008A - 高強度亜鉛めっき鋼線の製造方法 - Google Patents

高強度亜鉛めっき鋼線の製造方法

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JPH08296008A
JPH08296008A JP10232695A JP10232695A JPH08296008A JP H08296008 A JPH08296008 A JP H08296008A JP 10232695 A JP10232695 A JP 10232695A JP 10232695 A JP10232695 A JP 10232695A JP H08296008 A JPH08296008 A JP H08296008A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デラミネーションの発生を防止した高強度の
亜鉛めっき鋼線の製造方法を提供する。 【構成】 化学成分の限定した線材をパテンティング処
理後、アプローチ角度、ベアリング長さを限定したダイ
スを用いて伸線加工を行い、引き続き鋼線の引張破断荷
重の5〜50%の張力を鋼線に付与しつつ複数個のロー
ル間を曲げ角度15〜30°で通過させるか、あるいは
特定条件のブルーイング処理を行うか、もしくはこの両
方を行い、その後、亜鉛めっきを行うことを特徴とする
高強度亜鉛めっき鋼線の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、橋梁用鋼線、送電線の
補強用鋼線(ACSR)、あるいは海底光ファイバーケ
ーブル補強用の鋼線等に広く使われている高強度の亜鉛
めっき鋼線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋梁用鋼線等の亜鉛めっき鋼線は、軽量
化あるいは工事期間の短縮のために、鋼線の高強度化の
ニーズが強い。このような亜鉛めっき鋼線は、高炭素の
鋼線材をパテンティング処理後、伸線加工を行い、最終
的に耐食性を確保するために溶融亜鉛めっきを行う行程
で製造されている。高強度化を達成する上での最大の課
題は、鋼線の延性、特に延性の評価方法の一つである捻
回試験において、鋼線の長手方向に生じる割れの発生
(デラミネーション)を抑制する技術を確立することに
ある。
【0003】デラミネーションを抑制する従来の知見と
して、WIRE JOURNALINTERNATIO
NAL VOL16(1983)p50には、鋼線の組
織形態であるパーライト組織のセメンタイトラメラ間隔
を適正な大きさに制御することによって、亜鉛めっき鋼
線の捻回試験におけるデラミネーションを抑制できるこ
とが記載されている。また、特公昭60−26805号
公報、特公昭60−26806号公報には、亜鉛めっき
鋼線を対照とするものでないが、伸線加工後あるいは伸
線中の鋼線に特定条件の曲げ加工を施すことによって、
その後200〜400℃でブルーイングされる鋼線の捻
回試験におけるデラミネーションの発生を抑制できるこ
とが記載されている。
【0004】しかし、本発明者らの詳細な研究によれ
ば、これらの技術では高強度の亜鉛めっき鋼線、例えば
線径7mmで引張強さ2000MPa 以上、5mmで2100
MPa 以上、3mmで2200MPa 以上の亜鉛めっき鋼線の
捻回試験においてデラミネーションの発生を防止するこ
とはできない。また、本発明者らは特開平1−2159
28号公報、特開平2−285026号公報において、
デラミネーションを抑制する方法として、伸線後の曲げ
加工、ブルーイング処理あるいはこの組合わせが有効で
あることを提案したが、一層の高強度の亜鉛めっき鋼線
を製造することには限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き実
状に鑑みなされたものであって、橋梁用、送電線の補強
用或は海底光ファイバーケーブル補強用等に使用される
高強度の亜鉛めっき鋼線の捻回試験において、デラミネ
ーションの発生を抑制する技術を確立し、高強度の亜鉛
めっき鋼線を実現する製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】亜鉛めっき鋼線を高強度
化するための方法として、(1)パテンティング処理材
の強度を増加させる、(2)伸線加工量を増加させる、
(3)溶融亜鉛めっき時の強度低下を抑制する、という
3つの手段がある。このうち、捻回試験において発生す
るデラミネーションを防止するという観点から、パテン
ティング処理材の強度をできるだけ高め、伸線加工量の
増加による高強度化は避けるとともに、溶融亜鉛めっき
時の強度低下が少ない化学成分を有する鋼線材を開発し
てきたが、例えば、パテンティング処理材の強度を16
00MPa 以上にすると伸線加工性が劣化するという問題
点があり、高強度化には限界があった。
【0007】そこで、本発明者らは、高強度の亜鉛めっ
き鋼線の捻回試験においてデラミネーションの発生を防
止する技術について研究を進めた結果、本発明者らが特
開平1−215928号公報で開示した伸線加工後のブ
ルーイング処理以外に、伸線加工時に用いるダイスのア
プローチ角度及びベアリング長さのダイス形状が重要で
あることが明らかとなった。また、本発明者らが特開平
2−285026号公報で開示した曲げ加工方法につい
て改善すべく更に検討を重ねた結果、伸線された鋼線に
対して曲げ加工を行う際に張力を付与することがデラミ
ネーションを防止するために極めて効果的であることを
見出した。そこで本発明者らは、デラミネーションの発
生を抑制するためのダイス形状、曲げ加工時の張力につ
いて定量的な検討を重ねて本発明をなすに至った。
【0008】本発明の要旨とするところは、重量%で、 C:0.8〜1.1% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.005〜0.1% を含有し、あるいは更に Cr:0.1〜1.0% Ni:0.1〜3.0% Ti:0.005〜0.05% V:0.05〜0.5% Nb:0.005〜0.1% の1種または2種以上を含み、残部はFe及び不可避的
不純物よりなる線材をパテンティング処理後、ダイスの
アプローチ角度:8〜12°、ダイスのベアリング長
さ:0.2〜0.5D(D:ダイス径)の条件を満たす
ダイスを用いて伸線加工を行い、引き続き鋼線の引張強
さの5〜50%の張力を鋼線に付与しつつ複数個のロー
ル間を曲げ角度15〜30°で通過させた後、あるい
は、480℃以上の温度でT(20+log t)>130
00なる関係を満足するようなブルーイング処理を行う
か、もしくはこの両方を行い、その後、亜鉛めっきを行
うことを特徴とする高強度亜鉛めっき鋼線の製造方法に
ある。
【0009】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。まず本発明に
おける高強度亜鉛めっき鋼線とは、引張強さが線径によ
って異なるが、線径7mmで引張強さ2000MPa 以上、
5mmで2100MPa 以上、3mmで2200MPa 以上の引
張強さを有する亜鉛めっき鋼線であることを意味してい
る。
【0010】次に本発明の対象とする鋼の成分の限定理
由について述べる。 :Cはパテンティング処理後の引張強さの増加および
伸線加工硬化率を高める効果があり、より少ない伸線加
工歪で鋼線の引張強さを高めることができる。0.8%
未満では合金元素を添加してもパテンティング処理後の
引張強さが低く、また伸線加工硬化率も小さいため最終
的に目的とする亜鉛めっき鋼線の強度が得られない。一
方1.1%を越えるとパテンティング処理時に初析セメ
ンタイトがオーステナイト粒界に析出して伸線加工性が
劣化し伸線加工工程で断線が発生しやすくなるため0.
8〜1.1%の範囲に限定した。
【0011】Si:Siはパーライト中のフェライトを
強化させるためと鋼の脱酸のために有効であり、更に伸
線加工後、ブルーイング処理あるいは、溶融亜鉛めっき
を行う際の強度低下の抑制に極めて有効な元素である。
0.5%未満では上記の効果が期待できず、一方2.0
%を越えると熱間圧延工程で表面脱炭が発生しやすくな
るため、0.5〜2.0%の範囲に限定した。
【0012】Mn:Mnは脱酸、脱硫のために必要であ
るばかりでなく、鋼の焼入性を向上させパテンティング
処理後の引張強さを高めるために有効な元素であるが、
0.2%未満では上記の効果が得られず、一方、1.0
%を越えると上記の効果が飽和し更にパテンティング処
理時のパーライト変態を完了させるための処理時間が長
くなりすぎて生産性が低下するため、0.2〜1.0%
の範囲に限定した。
【0013】Al:Alは脱酸のためと窒化物を形成す
ることにより熱処理時の結晶粒の粗大化を防止させる元
素であるが、0.005%未満では効果がなく、0.1
%を越えて添加しても効果が飽和するため、0.005
〜0.1%の範囲に限定した。以上が本発明の対象とす
る鋼の基本成分であるが、本発明においては、更にこの
鋼に、Cr,Ni,Ti,V,Nbの1種または2種以
上の含有せしめることができる。
【0014】Cr:Crはパーライトのセメンタイト間
隔を微細化しパテンティング処理後の引張強さを高める
とともに特に伸線加工硬化率を向上させ、更にブルーイ
ング処理あるいは溶融亜鉛めっき時の強度低下を防止す
る有効な元素であるが、0.1%未満では前記作用の効
果が少なく、一方1.0%を越えるとパテンティング処
理時のパーライト変態終了時間が長くなり生産性が低下
するため、0.1〜1.0%の範囲に限定した。
【0015】Ni:Niはパテンティング処理時に変態
生成するパーライトを伸線加工性の良好なものにさせ、
更に鋼線の耐食性を向上させる効果があるが、0.1%
未満では上記の効果が得られず、3.0%を越えても添
加量に見合うだけの効果が少ないため0.1〜3.0%
の範囲に限定した。Ti :TiはAlと同様に脱酸及び熱処理において炭窒
化物を形成することにより結晶粒の粗大化を防止する効
果を有しているが、0.005%未満ではこれらの効果
が発揮されず、0.05%を越えても効果が飽和するた
め0.005〜0.05%の範囲に限定した。
【0016】:Vはパーライトのセメンタイト間隔を
微細化しパテンティング処理後の引張強さを高めるとと
もに、伸線加工後のブルーイング処理あるいは亜鉛めっ
き時の強度低下を抑制させる有効な元素である。この効
果は0.05%未満では不十分であり、一方0.5%を
越えると効果が飽和するため0.05〜0.5%の範囲
に限定した。
【0017】Nb:NbはTiと同様に炭窒化物を生成
することにより結晶粒を微細化させるために有効な元素
であるが、0.005%未満ではその効果が不十分であ
り、一方0.1%を越えるとこの効果が飽和するため
0.005〜0.1%に限定した。他の元素は特に限定
しないが、P:0.015%以下、S:0.015%以
下、N:0.007%以下が望ましい範囲である。
【0018】パテンティング処理後の引張強さは特に限
定しないものの、1400〜1600MPa の強度が好ま
しい範囲である。これは強度が1400MPa 未満では、
目的とする高強度の亜鉛めっき鋼線を得ることが困難で
あり、一方、1600MPa を越えると伸線加工性の劣化
したパーライト組織になりやすいためである。次に本発
明で目的とするデラミネーションの発生を防止するため
に有効な方法である伸線加工に用いるダイス形状の限定
理由について述べる。図1は、ダイスのアプローチ角
度、ベアリング長さが異なる種々のダイスを用いて伸線
加工を行い、最終的に線径が5mmで引張強さが2086
〜2191MPa である亜鉛めっき鋼線のデラミネーショ
ンの発生状況を解析した一例である。同図において、○
印がデラミネーションが発生しないことを、●印がデラ
ミネーションが発生したことを示す。図1から明らかな
ように、アプローチ角度が12°を越えるダイス、ベア
リング長さが0.5D(D:ダイス径)を越えるダイス
で伸線加工を行った鋼線では、デラミネーションが発生
するため、アプローチ角度の上限を12°、ベアリング
長さの上限を0.5Dに制限した。
【0019】一方、アプローチ角度は8°未満でもデラ
ミネーションの発生を抑制することが可能であるが、角
度が低下するに連れて伸線加工時の鋼線の引き抜き力が
増大するため、下限を8°に制限した。また、ベアリン
グ長さが0.2D未満でもデラミネーションを防止でき
るが、伸線加工後の鋼線の直線性が劣化しやすいため下
限を0.2Dとした。
【0020】次に本発明で目的とする高強度亜鉛めっき
鋼線のデラミネーションの発生を抑制する点で重要な伸
線加工後に行う曲げ加工条件について述べる。図2は引
張強さを変化させた亜鉛めっき鋼線のデラミネーション
の発生に及ぼす曲げ加工時の張力の影響について解析し
た一例を示す。ここで、張力は鋼線の引張破断荷重に対
する比率(%)で表示してある。同図において、○印が
デラミネーションが発生しないことを、●印がデラミネ
ーションが発生したことを示す。張力を付与しなくても
曲げ加工を行えば(引張破断荷重に対する張力の比率が
0%)、伸線ままに比べ、デラミネーションが発生しな
い強度レベルは増加するが、張力を付与すると更に高強
度域までデラミネーションの発生を防止することが可能
となる。
【0021】ここで、張力は引張破断荷重に対する比率
が5%以上でデラミネーションの防止に効果があること
から、張力の下限を鋼線の引張破断荷重の5%に制限し
た。なお、同図から明らかなように20%以上で顕著な
効果を有していることから、引張破断荷重に対して20
%以上の張力を付与することが好ましい条件である。一
方、張力を破断荷重の50%を越えると、曲げ加工時に
鋼線が破断する可能性が高くなることから上限を50%
に限定した。また、曲げ加工は図3に示すような5個以
上のロールを有する治具を用いて実施することができ
る。ここで曲げ角度は、角度が15°未満ではデラミネ
ーションの抑制に対して顕著な効果を発揮できず、一方
30°を越えるとデラミネーション抑制効果が減少する
ため、15〜30°の範囲に制限した。曲げ角度は各ロ
ールの直径、進行方向及び上下方向のロール間隔を変化
させて制御することが可能である。なお、図3に示す治
具を2個以上配置して鋼線に対して多方面から曲げ加工
を行うことが好ましい条件である。
【0022】伸線加工後のブルーイング処理は、T(2
0+log t)>13000を満たすような条件で行う必
要がある。ここで、Tは絶対温度で示されるブルーイン
グ温度、tは時間(hour)で示されるブルーイング
時間である。ブルーイング温度またはブルーイング時間
を変化させることによって上式が13000を越えれば
デラミネーションの発生を抑制できる。なお、ブルーイ
ング処理は、塩浴、鉛浴、高周波加熱など加熱速度が大
きい方法で実施することが好ましい条件である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を更に具体
的に説明する。表1に示す化学組成を有する供試材を熱
間圧延で所定の線径にした後、鉛浴を用いてパテンティ
ング処理を行った。パテンティング処理温度は、560
〜600℃である。その後、伸線加工を行い、曲げ加工
あるいはブルーイング処理、またはこの両者を施した
後、450℃の溶融亜鉛めっきに鋼線を30秒浸漬して
亜鉛めっきを行った。この亜鉛めっき鋼線の機械的性質
を調べると共に、捻回試験を行いデラミネーションとダ
イス形状、曲げ加工条件、ブルーイング処理条件の関係
を調査した。この結果を表2に示す。なお、同表におい
て、デラミネーションの有無とは、20本の亜鉛めっき
鋼線の捻回試験を行い、このうち1本でもデラミネーシ
ョンが発生した場合は「デラミネーションの発生有り」
と評価したものである。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2の試験 No.3,8,9,10,12,
14,15,17,18,20,21,23,25が本
発明例で、その他は比較例である。同表に見られるよう
に本発明例はいずれもデラミネーションの発生が無い高
強度の亜鉛めっき鋼線が実現されている。これに対して
比較例である No.1は、JIS G 3502 のSW
RS82Bの線材を用いた結果であるが、パテンティン
グ処理後の強度が低く、またSi含有量が低いために亜
鉛めっき時の強度低下が大きいため目的とする高強度の
亜鉛めっき鋼線が得られない。また、 No.2は JIS
G 3502 のSWRS92Bの線材の結果であ
る。パテンティング処理後の強度は高いものの、Si量
が低いために亜鉛めっき時の強度低下が大きく、線径5
mmの目標強度である2100MPa 以上に到達していな
い。
【0027】比較例である No.4,5,22は伸線加工
時のダイス形状が不適切でデラミネーションが発生した
例である。即ち、 No.4はダイスのアプローチ角度が1
2°を越えており、 No.5はベアリング長さが0.5D
を越えており、また No.22はアプローチ角度、ベアリ
ング長さが共に適正範囲を越えている。比較例である N
o.7,13,16,19は曲げ加工条件が不適正な例で
ある。
【0028】No.7,13は張力を付与しなかったため
に、 No.16は曲げ角度が15°未満であるために、ま
た No.19は逆に曲げ角度が大きすぎるために、いずれ
もデラミネーションが発生した例である。更に、比較例
である No.11はブルーイング処理においてT(20+
log t)が13000を越えなかったために、デラミネ
ーションが発生している。
【0029】比較例である No.6,24は伸線加工後に
曲げ加工、ブルーイング処理のいずれも施さなかったた
めに、デラミネーションの発生を防止できなかった例で
ある。
【0030】
【発明の効果】以上の実施例からも明かなごとく、本発
明は鋼の化学成分、伸線加工時のダイス形状、伸線加工
後の曲げ加工条件及びブルーイング処理条件を最適に選
択することによって、捻回試験においてデラミネーショ
ンが発生しない高強度の亜鉛めっき鋼線を製造すること
が可能となり、産業上の効果は極めて顕著なものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜鉛めっき鋼線の捻回試験におけるデラミネー
ションの発生に及ぼすダイスのベアリング長さ、アプロ
ーチ角度の影響を解析した一例の図である。
【図2】亜鉛めっき鋼線の捻回試験におけるデラミネー
ションの発生と曲げ加工時の張力の関係の一例を示す図
である。
【図3】鋼線に曲げ加工を施す治具の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…ロール 2…鋼線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 301 C22C 38/00 301T C23C 2/06 C23C 2/06 2/38 2/38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.8〜1.1% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.005〜0.1% を含有し残部はFe及び不可避的不純物よりなる線材を
    パテンティング処理後、 ダイスのアプローチ角度:8〜12° ダイスのベアリング長さ:0.2〜0.5D(D:ダイ
    ス径) の条件を満たすダイスを用いて伸線加工を行い、引き続
    き鋼線の引張破断荷重の5〜50%の張力を鋼線に付与
    しつつ複数個のロール間を曲げ角度15〜30°で通過
    させた後、亜鉛めっきを行うことを特徴とする高強度亜
    鉛めっき鋼線の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C:0.8〜1.1% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.005〜0.1% を含有し残部はFe及び不可避的不純物よりなる線材を
    パテンティング処理後、 ダイスのアプローチ角度:8〜12° ダイスのベアリング長さ:0.2〜0.5D(D:ダイ
    ス径) の条件を満たすダイスを用いて伸線加工を行い、引き続
    き480℃以上の温度でT(20+log t)>1300
    0(T:ブルーイング温度(絶対温度)、t:ブルーイ
    ング時間(hour))なる関係を満足するようなブル
    ーイング処理を行い、その後、亜鉛めっきを行うことを
    特徴とする高強度亜鉛めっき鋼線の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C:0.8〜1.1% Si:0.5〜2.0% Mn:0.2〜1.0% Al:0.005〜0.1% を含有し残部はFe及び不可避的不純物よりなる線材を
    パテンティング処理後、 ダイスのアプローチ角度:8〜12° ダイスのベアリング長さ:0.2〜0.5D(D:ダイ
    ス径) の条件を満たすダイスを用いて伸線加工を行い、引き続
    き鋼線の引張強さの5〜50%の張力を鋼線に付与しつ
    つ複数個のロール間を曲げ角度15〜30℃で通過させ
    た後、480℃以上の温度でT(20+log t)>13
    000(T:ブルーイング温度(絶対温度)、t:ブル
    ーイング時間(hour))なる関係を満足するような
    ブルーイング処理を行い、その後、亜鉛めっきを行うこ
    とを特徴とする高強度亜鉛めっき鋼線の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、さらに、 Cr:0.1〜1.0% Ni:0.1〜3.0% Ti:0.005〜0.05% V:0.05〜0.5% Nb:0.005〜0.1% の1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の高強度亜鉛めっき鋼線
    の製造方法。
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