JPH08292309A - 薄膜付き基板およびその製造方法 - Google Patents

薄膜付き基板およびその製造方法

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JPH08292309A
JPH08292309A JP8031650A JP3165096A JPH08292309A JP H08292309 A JPH08292309 A JP H08292309A JP 8031650 A JP8031650 A JP 8031650A JP 3165096 A JP3165096 A JP 3165096A JP H08292309 A JPH08292309 A JP H08292309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超微粒子の吸収を持ち、干渉縞の影響のない
薄膜付き基板を提供する。 【解決手段】 超微粒子がマトリックス中に分散してい
る超微粒子含有薄膜を透明基板上に設けてなり、超微粒
子含有薄膜の屈折率と透明基板の屈折率を実質的に同一
にしたことを特徴とする薄膜付き基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜付き基板およ
びその製造方法に関する。本発明によれば、光学用およ
び電子光学用などの用途に好適な所望の透過率特性を有
する着色フィルターおよび紫外線カットフィルターを提
供することが可能であり、また着色眼鏡レンズを提供す
ることも可能である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】写真
撮影などに使用されるカメラには、スカイライトフィル
ターと呼ばれる着色フィルターがレンズの前面に装着さ
れている。この着色フィルターは、淡いピンク色の着色
を持ったフィルターで、500nm付近にわずかな吸収を
持ち、晴天戸外でのカラー撮影において、青空の影響に
よる青緑色の発色を押さえる目的を持っている。
【0003】この種の着色フィルターとして、 (i) セレン着色ガラス (ii) 金コロイド着色ガラス (iii) 張り合わせフィルター がある。
【0004】上記の着色フィルターのうち、(i)のセレ
ン着色ガラス、(ii)の金コロイド着色ガラスは、マトリ
ックスとなるガラス原料と、着色成分であるセレン、金
の原料とを加熱してガラス融液とした後、このガラス融
液を急冷、再加熱処理することにより製造されている。
そして、この様にして得られたガラス塊は、スライス加
工、研削、研磨、外形加工、組立の一連の工程を経て、
スカイライトフィルター製品となる。
【0005】上記(iii)の張り合わせフィルターは、2
枚のガラス板の間に有機質の着色膜を挾み込み、各々を
接着することにより製造されており、ガラス板として
は、主として市販の板ガラスが使用される。この様にし
て得られた張り合わせガラスは、外形加工、組立を経て
製品となる。
【0006】しかしながら、前述の3種の着色フィルタ
ーは、いくつかの問題を有している。
【0007】セレン着色ガラス、金コロイドガラスの製
造方法である溶融法は、主として、 (i) マトリックスとなるガラスとして特殊な組成のガラ
スを用いる必要があるため、製造コストが高くなる。 (ii) 着色が、溶融時、再加熱処理時の条件の影響を強
く受ける。 (iii) フィルターとして使用するために、スライス、研
削、研磨の工程を経なければならない。 (iv) セレン等の有毒物を含む場合がある。 の様な問題を持っており、フィルターを容易、安価に製
造する方法とは言い難い。
【0008】また、張り合わせフィルターは、ガラスを
溶融する必要がない、スライス、研削、研磨の工程を省
けるなどのメリットを持ってはいるが、 (i) 有機系の膜、接着剤を使用するため、耐熱性、耐候
性、耐光性などの特性が劣る。 (ii) ガラスを張り合わせる工程が必要であり、精度良
くガラスを張り合わせるのが難しい。 などの問題があり、この方法もまたフィルターを容易、
安価に製造する方法とは言い難く、有機質の素材を使用
することから信頼性の面でも難がある。
【0009】一方、紫外線を遮断する紫外線カットフィ
ルターは、光学産業、電子光学産業、その他産業に至る
幅広い分野で活用されている。
【0010】この種の紫外線カットフィルターとして、 (i) Ceイオン含有ガラス (ii) 張り合わせフィルター がある。
【0011】上記(i)のCeイオン含有ガラスは、マト
リックスとなるガラス原料と紫外線吸収成分であるCe
の原料とを加熱してガラス融液とした後、冷却固化する
ことにより製造されている。そして、この様にして得ら
れたガラス塊は、スライス加工、研削、研磨、外径加
工、組立の一連の工程を経て、紫外線カットフィルター
製品となる。
【0012】上記(ii)の張り合わせフィルターは、2枚
のガラス板の間に有機質の紫外線吸収膜を挟み込み、各
々を接着させることにより製造されており、ガラス板と
しては主として市販の板ガラスが使用される。この様に
して得られた張り合わせガラスは、外径加工、組立を経
て製品となる。
【0013】しかしながら、前述の2種の紫外線カット
フィルターは、いくつかの問題を有している。
【0014】Ceイオン含有ガラスの製造方法である熔
融法は、主として、 (i) マトリックスとなるガラスとして特殊な組成のガラ
スを用いる必要があるため、製造コストが高くなる。 (ii) 原料を融液とするのに、大量のエネルギーを必要
とする。 (iii) 紫外線吸収特性が、熔融時、冷却時の条件などの
影響を強く受け、安定しない。 (iv) フィルターとして使用するためには、スライス、
研削、研磨の工程を経なければならない。 (v) 鉛などの有毒物を含む場合がある。 の様な問題点を持っており、フィルターを容易、安価に
製造する方法とは言い難い。
【0015】また、張り合わせフィルターは、ガラスを
熔融する必要がない、スライス、研削、研磨の工程を省
けるなどのメリットを持ってはいるが、 (i) 有機系の膜、接着剤を使用するため、耐熱性、耐候
性、耐光性などの特性が劣る。 (ii) ガラスを張り合わせる工程が必要であり、精度良
くガラスを張り合わせるのが難しい。 などの問題があり、この方法もまたフィルターを容易、
安価に製造する方法とは言い難く、有機質の素材を使用
することから信頼性の面でも難がある。
【0016】従って本発明は、従来品と同等またはそれ
以上の特性および信頼性を有する着色フィルター、紫外
線カットフィルターなどとして用いるのに好適な物品を
容易、安価に提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、本発明は、超微粒子が
マトリックス中に分散している超微粒子含有薄膜を透明
基板上に設けてなり、超微粒子含有薄膜の屈折率と透明
基板の屈折率を実質的に同一にしたことを特徴とする薄
膜付き基板を要旨とする。
【0018】また本発明は、透明基板上に超微粒子原料
およびマトリックス原料を含む液状組成物を塗布し、乾
燥、熱処理することを特徴とする上記薄膜付き基板の製
造方法を要旨とする。
【0019】先ず本発明の薄膜付き基板について説明す
る。本発明の薄膜付き基板は、透明基板上に超微粒子含
有薄膜を設けたものである。
【0020】透明基板の材料としては、透明であればプ
ラスチックなどの有機質材料およびガラスなどの無機質
材料を用いることができるが、着色フィルター、紫外線
カットフィルターなどに要求される諸特性を考慮する
と、ガラス製の透明基板を用いるのが好ましい。またガ
ラスやプラスチック基材上にコート膜、例えば紫外線遮
蔽膜(ZnO超微粒子やTiO2超微粒子をバインダー
中に分散させた薄膜やCeイオン含有薄膜など)や干渉
色防止中間膜などを設けたものを透明基板として使用す
ることもできる。
【0021】上記透明基板上に設ける超微粒子含有薄膜
は、超微粒子と、超微粒子のバインダーとして働くマト
リックスとにより構成されている。
【0022】超微粒子としては、金コロイド、酸化亜鉛
超微粒子、銀コロイド、酸化銅超微粒子、ニッケルコロ
イド、白金コロイドなどの金属又は金属酸化物の超微粒
子が挙げられる。超微粒子として酸化亜鉛超微粒子を用
いる場合、その比表面積(窒素ガス使用したBET法に
より測定)は、60m2/gを超えることが望ましい。
その理由は、酸化亜鉛超微粒子の比表面積が60m2
g以下であると、散乱により薄膜が半透明になり透過率
が低下するからである。
【0023】超微粒子として、溶性アゾ顔料(例えばc
系、2B系、6B系など)、不溶性アゾ顔料(例えばβ
−ナフトール系、モノアゾエロー系、ピラゾロン系な
ど)、フタロシアニン系顔料(たとえば銅フタロシアニ
ンブルー、ファーストスカイブルー、無金属フタロシア
ニンなど)、スレン系(例えばチオインジゴ系、アント
ラキノン系、ペリレン系、ペリノン系など)、ジオキサ
ジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系などの有
機顔料系の超微粒子を用いることもできる。
【0024】超微粒子の平均粒径は100nm以下である
のが好ましい。その理由は、超微粒子の平均粒径が10
0nmを超えると、散乱により薄膜が半透明になり透過率
が低下し始めるからである。超微粒子の平均粒径は1nm
以上75nm以下が好ましく、1nm以上50nm以下が特に
好ましい。
【0025】マトリックスは、少なくともSiO2と、
屈折率調整成分の酸化物及び又はフッ化物とを含むのが
好ましい。屈折率調整成分として、Sc、Ti、Y、Z
r、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Ba、La、C
e、Hf、Ta、W、Bi、Cd、Tl、Pbなどの酸
化物又はフッ化物を挙げることができる。このほかに、
必要に応じて、Li、B、Na、Mg、Al、P、K、
Ca、Zn、Ga、Ge、As、Rb、Sr、Csなど
の酸化物又はフッ化物を添加できる。
【0026】基板表面に、薄膜を設けた場合、基板の屈
折率と薄膜の屈折率が一致しないと、干渉色が発生す
る。光学用途に使用しない場合には、この干渉色は特に
問題とはならないが、干渉色が生じた薄膜付き基板を、
着色フィルター、紫外線カットフィルター、眼鏡レンズ
などの光学用途に使用した場合、干渉縞による特定波長
の反射、吸収が発生し、着色やゴーストなどの悪影響を
与える。
【0027】基板と薄膜の間の干渉色を防ぐ方法として
特開平6−191895号公報、特開平6−19259
8号公報で示される方法が既に提案されている。これら
の方法は、基板と薄膜との間に、基板と薄膜の中間の屈
折率を持つ干渉色防止中間膜を形成するというものであ
る。この方法によれば、干渉色の影響をなくすことがで
きるが、 (i) 中間膜の厚みを精度良く制御することが困難であ
る。 (ii) 塗膜の形成を2回以上行わなければならない。 などの問題を持っている。
【0028】そこで本発明の薄膜付き基板においては、
基板と薄膜との間に干渉色防止中間膜を形成することな
く、超微粒子含有薄膜の屈折率と透明基板の屈折率とを
実質的に同一にすることにより、上記干渉色を防止した
ものである。
【0029】ここに「超微粒子含有薄膜の屈折率と透明
基板の屈折率とを実質的に同一にする」とは、広義に
は、干渉色が発生しないように両者の屈折率を一致また
は近似させることを意味するが、より具体的には、透明
基板の一方の主表面に超微粒子含有薄膜を設ける場合、
透明基板と薄膜の屈折率の差を10%以内に、そして透
明基板の両方の主表面に超微粒子含有薄膜を設ける場
合、透明基板と薄膜の屈折率の差を5%以内にすること
を意味する。
【0030】基板の片面および両面に薄膜をそれぞれ設
けた場合の基板と薄膜との屈折率差を上記数値以内に限
定した理由は次のとおりである。
【0031】基板と薄膜の屈折率に大きな差があると、
干渉作用により透過率曲線に凹凸が生じ、ピークとディ
ップの差(以下ΔT)が5%を超えると目で見て着色し
ていることがはっきり判るようになる。不必要な着色を
避けるためには、ΔTが可視域で5%以内である必要が
ある。ΔTを可視域で5%以内にするためには、本発明
者らの計算によれば、基板の片面に薄膜を設けた場合、
基板と薄膜との屈折率差を10%以内にする必要がある
ことが明らかとなった。また基板の両面に薄膜を設けた
場合は、基板と薄膜との屈折率差を、片面に設けた場合
の1/2に相当する5%以内にする必要があることが明ら
かとなった。
【0032】ΔTは2%以内とするのが更に好ましく、
この場合には、基板と薄膜との屈折率差を、薄膜を片面
に設けたとき5%以内、薄膜を両面に設けたとき2.5
%以内にする必要がある。
【0033】透明基板として屈折率1.52の白板ガラ
スを用いた場合、基板との屈折率差の数値条件を満たす
薄膜の屈折率は、薄膜を片面に設けた場合1.37〜
1.67、両面に設けた場合1.44〜1.60である
必要がある。
【0034】一般に光学ガラスの屈折率は、可視光にお
いて1.5〜1.9の範囲に含まれる。薄膜の屈折率範
囲はSiO2と屈折率調整成分との配合比を適宜変動さ
せることにより達成できる。具体的には、SiO2を2
0〜99wt%、屈折率調整成分を80〜1wt%の範囲で
適宜変動させることにより基板の屈折率と実質的に同一
の屈折率を有する薄膜を得ることができる。塗膜性、塗
布液の安定性を考慮するとSiO2を30〜99wt%、
屈折率調整成分を70〜1wt%とするのが好ましい。
【0035】本発明の薄膜付き基板において、超微粒子
含有薄膜の膜厚は、必要とされる所望の透過率特性に合
わせ、かつ超微粒子含有薄膜中の超微粒子濃度などを考
慮して調整される。超微粒子含有薄膜の膜厚は、一般的
には、0.01〜5μmの範囲である。
【0036】超微粒子含有薄膜において、超微粒子の含
有量は超微粒子の種類によって異なる。例えば金コロイ
ドの場合、その含有量は0.1〜40wt%が好ましい。
その理由は、金の含有量が0.1wt%未満であると、析
出する金コロイドの量が少なく所望の吸収を得ることが
困難になる。また、40wt%を超えるとコロイドはバイ
ンダーとして働くガラスマトリックス中に安定に取り込
まれなくなり、金コロイドが膜外に析出してしまう。金
の量は、1〜30wt%であるのが特に好ましい。
【0037】酸化亜鉛超微粒子の場合、その薄膜中の含
有量は15〜75wt%が好ましい。その理由は、酸化亜
鉛超微粒子の含有量が15wt%未満であると、酸化亜鉛
超微粒子の量が少なく所望の吸収を得ることが困難にな
る。また、75wt%を超えると酸化亜鉛超微粒子がバイ
ンダーとして働くマトリックス中に安定に取り込まれな
くなり、酸化亜鉛超微粒子が膜外に析出してしまう。ま
た、膜の透明性や、膜の硬度が悪化する。酸化亜鉛超微
粒子の量は、20〜70wt%であるのが特に好ましい。
【0038】銀コロイド、酸化銅超微粒子、ニッケルコ
ロイド、白金コロイドの場合、その含有量は、金コロイ
ドの場合と同様に、0.1〜40wt%が好ましく、1〜
30wt%であるのが特に好ましい。
【0039】本発明の薄膜付き基板においては、超微粒
子含有薄膜上に、コート膜、例えば紫外線遮蔽膜(Zn
O超微粒子やTiO2超微粒子をバインダー中に分散さ
せた薄膜やCeイオン含有薄膜など)、撥水性薄膜、着
色膜などを設けることができる。
【0040】以上詳説した本発明の薄膜付き基板は、こ
れを着色フィルターや紫外線カットフィルターとして用
いたときに、従来のフィルターと同等以上の特性および
信頼性を有し、かつ干渉色も発生しないという顕著な効
果を奏する。また本発明の薄膜付き基板は、干渉色の発
生しない眼鏡レンズとしても用いることができる。
【0041】本発明の薄膜付き基板は、透過率ヘーズ値
が2未満であるのが好ましい。ここに透過率ヘーズ値と
は、式 透過ヘーズ値[%]=(Td/Tt)×100 Td:散乱光透過率[%] Tt:全光線透過率[%] により求められる。透過ヘーズ値は、小さいほど透明性
が高く、大きいほど透明性が低いことを意味している。
超微粒子含有薄膜を塗布したガラス基板の透過ヘーズ値
は、2未満が好ましい。2以上あると、目で見て透明性
が悪化していることがはっきり分かるようになる。必要
な透明性を得るためには透過ヘーズ値が2未満、好まし
くは1未満である必要がある。特に好ましくは0.5未
満である。
【0042】次に本発明の薄膜付き基板の製造方法につ
いて説明する。本発明の薄膜付き基板の製造方法は、透
明基板上に超微粒子原料およびマトリックス原料を含む
液状組成物を塗布し、乾燥、熱処理することを特徴とす
る。
【0043】基板上に薄膜を形成する方法として、真空
蒸着、イオン注入、スパッター、CVD、PVDなどの
ような真空系を必要とする方法があるが、これらの方法
は、 (i) 高価な設備を必要とする。 (ii) 真空系を使用するので取扱いが複雑であり、生産
性が劣る。 (iii) 大きな面積のものをコートすることができない。 (iV) コート可能な形状に制限がある。 などの問題を持ち、容易、安価にコートを行う上で難が
ある。
【0044】そこで本発明では、真空系を使用する上記
方法に比べ、特殊な装置を必要とせず、安価、簡便に基
板表面に薄膜を設けることができる湿式塗布法を採用す
るものである。
【0045】この湿式塗布は超微粒子原料およびマトリ
ックス原料を含む液状組成物を透明基板上に塗布するこ
とにより行なわれる。塗布の方法としては、ディッピン
グ法、スピン法、スプレー法、ロールコート法、スクリ
ーン印刷法、エアードクターコート法、ブレードコート
法、ロットコート法、ビードコート法、グラビアコート
法などの方法が用いられる。
【0046】超微粒子の一種である金コロイドの原料と
しては、テトラクロロ金酸4水和物、テトラクロロ金酸
3水和物、テトラクロロ金酸ナトリウム2水和物、シア
ン化金、シアン化カリウム金、金ジエチルアセチルアセ
トナト、金コロイド自身などを挙げることができる。
【0047】酸化亜鉛超微粒子の原料としては、酸化亜
鉛それ自体、亜鉛の酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、
塩化物、アルコキシド、アセチルアセトナートなどを用
いることができる。酸化亜鉛超微粒子の原料として酸化
亜鉛粉末を用いる場合、その比表面積が60m2/gを
超える酸化亜鉛粉末を使用するのが好ましい。比表面積
が60m2/g以下の酸化亜鉛を用いると光の透過性が
悪化し、透明性が失われることがある。酸化亜鉛超微粒
子の比表面積が60m2/gを超えると、凝集力が強く
なる場合がある。この結果、分散が困難になり、酸化亜
鉛超微粒子含有薄膜の透明性が低下する。この場合、分
散状態を良化させるために、分散剤の添加が有効であ
る。分散剤としては、シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤、アルミニウムカップリング剤、不飽和ポ
リカルボン酸、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレ
ングリコール、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹
脂、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
などを挙げることができる。分散剤の添加量は、酸化亜
鉛超微粒子に対して、0.1〜40wt%が好ましい。
【0048】銀コロイドの原料としては、銀それ自体、
銀の硝酸塩、酢酸塩などを用いることができる。
【0049】酸化銅超微粒子の原料としては、酸化銅そ
れ自体、銅の塩化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸鉛、アルコ
キシド、アセチルアセトナートなどが挙げられる。
【0050】ニッケルコロイドの原料としては、ニッケ
ルそれ自体、ニッケルの硝酸塩、塩化物、炭酸塩、硫酸
塩、アルコキシド、アセチルアセトナートなどが挙げら
れる。
【0051】白金コロイドの原料としては、白金それ自
体、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸アンモニ
ウム、ヘキサクロロ白金酸カリウム、テトラクロロ白金
酸カリウム、ヘキサクロロ白金酸ナトリウムなどが挙げ
られる。
【0052】マトリックス原料のうちケイ素源として
は、 (i) シリコンアルコキシド(例えばシリコンメトキシ
ド、シリコンエトキシド、シリコンプロポキシド、それ
らのオリゴマーなど)またはシリコンアルコキシド誘導
体(例えば、メチルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、メチルビニルジメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシランなど) (ii) シリコン樹脂(例えば、メチルシリコーン樹脂、
フェニルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹
脂など)または他のシリコーン化合物(例えば、イソシ
アネートシラン、シリコーンアセテートなど) などを挙げることができる。また上記ケイ素源(i)およ
び/または(ii)とともにSiO2微粒子を用いることも
できる。
【0053】また、屈折率調整成分元素の原料として
は、対応する金属の (i) アルコキシド(例えば、チタニウム−n−ブトキシ
ド、ジルコニウム−n−プロポキシド、ランタン−i−
プロポキシド、イットリウム−i−プロポキシド、ニオ
ブエトキシドなど) (ii) アルコキシド誘導体(例えば、トリ−n−ブトキ
シアセチルアセトナトジルコニム、ジイソプロポキシビ
スエチルアセテートチタニウムなど) (iii) キレート化合物(例えば、チタンテトラアセチル
アセトナト、ランタントリアセチルトナト、鉛ジアセチ
ルアセトナトなど) (iv) 他の有機金属化合物(例えば、メタクリル酸イッ
トリウム、メタクリル酸ジルコニウムなど) (v) 硝酸塩(例えば、硝酸ビスマス5水和物、硝酸ラン
タン6水和物など) (vi) 酢酸塩(例えは、酢酸イットリアム4水和物、酢
酸鉛3水和物、酢酸ジルコニルなど) (vii) 塩化物(例えば、塩化ジルコニル、塩化チタニウ
ムなど) (viii) 硫酸塩(例えば、硫酸ジルコニウム、硫酸チタ
ンなど) (ix) 酸化物(例えば、TiO2、ZrO2、CeO2
ど) (x) フッ化物(例えば、MgF2、CaF2など) (xi) 金属自身 などを挙げることができる。
【0054】またマトリックス原料として有機系のマト
リックス原料を用いることができ、例えばアクリル樹
脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル樹脂、
ブチラール樹脂、スチレンブタジエン樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ
素樹脂などが挙げられる。
【0055】また屈折率調整成分元素のうちリン、ホウ
素の原料としては、リン酸、リン酸トリメチルなどおよ
びホウ酸、トリ−n−ブチルボラートなどを用いること
ができる。
【0056】また、必要に応じてポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの有
機高分子や、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、2−エトキシエタノール、ジエタノールアミン、
モノエタノールアミンなどの有機化合物を添加すること
ができる。
【0057】溶性アゾ顔料(例えばc系、2B系、6B
系など)、不溶性アゾ顔料(例えばβ−ナフトール系、
モノアゾエロー系、ピラゾロン系など)、フタロシアニ
ン系顔料(たとえば銅フタロシアニンブルー、ファース
トスカイブルー、無金属フタロシアニンなど)、スレン
系(例えばチオインジゴ系、アントラキノン系、ペリレ
ン系、ペリノン系など)、ジオキサジン系、キナクリド
ン系、イソインドリノン系などの有機顔料系超微粒子を
用いることもできる。
【0058】原料は、調製された液状組成物(コート
液)の段階で溶解あるいは均質に分散していれば、その
種類は問わない。
【0059】なお、液状組成物を作製するのに要する分
散機として、ボールミル、サンドミル、2本ロール、3
本ロール、アトライター、バンバリーミキサー、ペイン
トシェーカー、ニーダー、ホモジナイザ、超音波分散機
などを挙げることができる。
【0060】次に、一例として、上記テトラクロロ金酸
四水和物、ケイ素のアルコキシド、ジルコニウムのアル
コキシドを用いるコート液の製造方法について述べる。
【0061】上記2種のアルコキシドにおいて、ジルコ
ニウムのアルコキシドは、ケイ素のアルコキシドに比べ
て、著しく加水分解速度が速いため、単に混合し加水分
解すると、ジルコニウムのアルコキシドが選択的に加水
分解され、均質なコート液を得ることはできない。
【0062】ジルコニウムのアルコキシドの選択的な加
水分解を防ぎ、均質なコート液を得る方法は3つある。
1番目の方法は、アルコキシドの加水分解速度が、アル
キル基の炭素数の影響を受け、一般的に炭素数が多くな
るほど加水分解速度が遅くなる(逆に炭素数が少なくな
れば速くなる)ことを利用する方法である。例えば、ジ
ルコニウムのアルコキシドとしてブトキシドやアミロキ
シドを、そしてケイ素のアルコキシドとしてメトキシド
やエトキシドを使用して注意深く加水分解することによ
り、均質なコート液を調製することができる。2番目の
方法は、加水分解速度の遅いケイ素のアルコキシドを予
め部分的に加水分解した後、ジルコニウムのアルコキシ
ドを反応させる方法である。この方法によれば、後続の
加水分解の前にケイ素のアルコキシドとジルコニウムの
アルコキシドが反応しているので、選択的な加水分解を
起こさず、均質なコート液を得ることができる。3番目
の方法は、加水分解速度の速いジルコニウムのアルコキ
シドをキレート化合物と反応させる方法である。この方
法によれば、ジルコニウムのアルコキシドがキレート化
(アルコキシドのアルコキシル基がキレート化合物と置
換)され、加水分解速度が遅くなるので、選択的な加水
分解を起こさず均質なコート液を得ることができる。
【0063】また、上記の方法を併用すれば、特に好ま
しいので、以下に1番目の方法と2番目の方法の併用例
を説明する。
【0064】先ずテトラエトキシシランなどのケイ素の
アルコキシドを、塩酸、硝酸、酢酸、硫酸、過塩素酸な
どの酸触媒の水溶液とエタノールや酢酸ブチルなどの有
機溶媒との混合溶液に加え、撹拌してケイ素のアルコキ
シドの部分加水分解溶液を得る。
【0065】次にこの部分加水分解溶液へジルコニウム
テトラブトキシドなどのジルコニウムのアルコキシドを
添加、撹拌して、ジルコニウムのアルコキシドを、部分
加水分解したケイ素のアルコキシドと反応させる。
【0066】次に、金コロイドの原料となるテトラクロ
ロ金酸をエタノールなどの有機溶媒に溶解した溶液を加
え撹拌する。
【0067】次に、必要に応じて塩酸、硝酸、酢酸、硫
酸、過塩素酸などの酸触媒またはアンモニア、コリン、
アミノアルコールなどの塩基触媒、水とエタノールや酢
酸ブチルなどの有機溶媒とをさらに加え、撹拌する。本
発明においては、上記で得られた液体を、金コロイド含
有薄膜のコート液として用いることができる。
【0068】このようにして得られたコート液を、上述
の各種塗布方法により透明基板に塗布後、乾燥、熱処理
することにより、透明基板上に金コロイド含有薄膜を有
する薄膜付き基板が得られる。
【0069】この熱処理は、200〜ガラス転移点+5
0℃の温度で行うのが好ましい。その理由は、以下の通
りである。
【0070】熱処理を200℃未満で行った場合、 (i) 水分や溶媒の除去が十分になされず、それらが残存
するため、薄膜の硬度などの特性が劣ったものとなる。 (ii) ガラスマトリックスの重合が進まず、薄膜の硬度
などの特性が劣ったものとなる。 (iii) 金コロイドの原料として使用した金化合物から金
コロイドへの反応が進まず、必要な吸収を得ることがで
きない。 ことから、本発明の目的とする薄膜を作製することが困
難になる。
【0071】一方、ガラス転移点温度+50℃を超える
温度で熱処理を行った場合、基板の軟化が起こり、面が
狂いやすい。
【0072】マトリックス原料としてケイ素化合物を用
いる、上述の方法により得られた金コロイド含有薄膜付
き透明基板は、SiO2に屈折率調整部分を加えた膜組
成により、干渉色による悪影響を防ぐことができる。ま
たこの薄膜付き基板は、着色剤として金、バインダー成
分としてSiO2を主成分とするガラスマトリックスを
形成したことにより、ガラスフィルターに用いたとき、
従来の方法で製造したフィルターに比べ耐久性、信頼性
の面で優れている。また、コート法として、塗膜形成法
を使用することにより従来の方法よりも安価に製造でき
るという利点もある。
【0073】次に、他の例として、上記酸化亜鉛超微粒
子、シリコーン樹脂、ジルコニウムのキレート化合物を
用いるコート液の製造方法について述べる。
【0074】まず、分散剤を含むエタノール、酢酸ブチ
ルなどの有機溶剤へ酸化亜鉛超微粒子を加え、酸化亜鉛
超微粒子を液体に懸濁もしくは分散させる。
【0075】次に、シリコーン樹脂を添加し、更に酸化
亜鉛を分散させる。更に、ジルコニウムのキレート化合
物を加えて、分散する。本発明においては、上記で得ら
れた液体を、酸化亜鉛超微粒子含有薄膜のコート液とし
て用いることができる。
【0076】この様に得られたコート液を、上述の各種
塗布方法により透明基板に塗布後、乾燥、熱処理するこ
とにより、透明基板上に酸化亜鉛超微粒子含有薄膜を有
する薄膜付き基板を得られる。
【0077】この熱処理は、150〜透明基板のガラス
転移点+50℃の温度で行うのが好ましい。その理由
は、以下の通りである。
【0078】熱処理を150℃未満で行った場合、 (i) 有機溶媒や水分の除去が十分になされず、それらが
多量に残存するため、薄膜の硬度などの特性が劣ったも
のとなる。 (ii) ガラスマトリックスの重合が進まず、薄膜の硬度
などの特性が劣ったものとなる。 ことから、本発明の目的とする薄膜を作製することが困
難になる。
【0079】一方、透明基板のガラス転移点温度+50
℃を超える温度で熱処理を行った場合、基板の軟化が起
こり、面が狂いやすい。
【0080】マトリックス原料としてケイ素化合物を用
いる、上述の方法により得られた酸化亜鉛超微粒子含有
薄膜付き基板は、SiO2に屈折率調整成分を加えた膜
組成により、干渉縞による悪影響を防ぐことができる。
また、この薄膜付き基板は、紫外線吸収剤として酸化亜
鉛、バインダー成分としてSiO2を主成分とするガラ
スマトリックスを形成したことにより、ガラスフィルタ
ーに用いたとき、従来の方法で製造したフィルターに比
べ耐久性、信頼性の面で優れている。またコート法とし
て、塗膜形成法を使用することにより従来の方法よりも
安価に製造できると言う利点もある。
【0081】以上、金コロイド含有薄膜付き基板および
酸化亜鉛超微粒子含有薄膜付き基板の製造方法を具体的
に説明してきたが、銀コロイド、酸化銅超微粒子、ニッ
ケルコロイド、白金コロイドまたはその他の超微粒子を
含有する薄膜付き基板も同様の方法で製造できる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0083】[実施例1:金コロイド含有薄膜付き基板
の製造例]テトラエトキシシラン3060gとエタノー
ル2030gの混合溶液に0.15M塩酸水溶液265
gを徐々に加え、3時間撹拌した後、ジルコニウムテト
ラプロポキシド362gを加えて一晩撹拌した。この溶
液を、15wt%塩化金酸4水和物(HAuCl4・4H2
O)−イソプロパノール溶液439g、0.15M塩酸
水溶液569g、水557gおよびイソプロパノール2
2,720gの混合溶液に加えて2時間撹拌することに
より、Auコロイド薄膜コート液30kgを製造した。
このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、Au
3.0wt%、ZrO2 13.0wt%、SiO2 84.0
wt%で、コート液中の固形分(熱処理したと仮定して)
は、3.5wt%である。コート液は、黄色透明で均質で
あった。このコート液を、1mm厚の市販の板ガラス(通
常、白板と呼ばれる。組成系は、ソーダライムシリケー
トであり、屈折率は1.52である)に、ディッピング
法により引き上げ速度30cm/minの速度(以下“V”
と略記する)で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で
均質であった。この薄膜付き基板を100℃で30分乾
燥した後、熱処理炉に入れ500℃まで200℃/時で
昇温し、500℃で30分間保持した。薄膜付きガラス
は、この熱処理により、無色透明から赤紫透明に変化
し、得られた薄膜は、均質であり、屈折率は1.53で
あって基板との屈折率差は0.7%であった。透過率曲
線を図1に示す。Auコロイドの吸収が530nmに現れ
ていることが明らかである。
【0084】この薄膜付きガラスをカメラに組み込み撮
影テストを行ったところ、溶融法で製造されたスカイラ
イトフィルター(市販品)を使用した場合と同様の効果
が得られ、スカイライトフィルターとして使用できるこ
とが確認された。
【0085】[実施例2:金コロイド含有薄膜付き基板
の製造例]この実施例では、屈折率調整成分としてチタ
ニウム(Ti)を選んだ。テトラエトキシシラン106
3gとイソプロパノール920gの混合溶液に0.15
M塩酸水溶液92gを徐々に加え、5時間撹拌した。こ
の溶液にチタニウムテトラブトキシド504gを加えて
1時間撹拌した後、メチルトリエトキシシラン1761
gを加えて一晩撹拌した。この溶液を、15wt%塩化金
酸4水和物−イソプロパノール溶液439g、0.15
M塩酸水溶液593g、水582gおよびイソプロパノ
ール24,040gの混合溶液に加えて2時間撹拌する
ことによりAuコロイド薄膜コート液30kgを製造し
た。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、A
u 3.0wt%、TiO2 11.3wt%、SiO2
5.7wt%で、コート液中の固形分は、3.5wt%であ
る。コート液は、黄色透明で均質であった。このコート
液を2mm厚の市販の板ガラス(屈折率1.52)に、V
=15.5cm/secの速度で塗布した。得られた薄膜
は、無色透明で均質であった。この薄膜付き基板を10
0℃で30分乾燥した後、熱処理炉に入れ450℃まで
200℃/時で昇温し、450℃で30分間保持した。
この熱処理により得られた薄膜付きガラスは、無色透明
から赤紫透明に変化した。薄膜は均質であり、その屈折
率は1.53であって、基板との屈折率差は0.7%で
あった。
【0086】実施例1と同様に、撮影テストを行った結
果、スカイライトフィルターとしての特性を満足してい
ることが確認された。
【0087】[実施例3〜10:金コロイド含有薄膜付
き基板の製造例]Auの含有量、固形分濃度および引き
上げ速度を表1に示すように変えた以外は、実施例2と
同様にして、表1に示すような薄膜付きガラスを作製し
た。得られたガラスの撮影テストを行った結果、全てス
カイライトフィルターとしての特性を満足していること
が確認された。
【0088】
【表1】
【0089】[実施例11:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分としてチ
タニウム(Ti)を選んだ。実施例2のメチルトリエト
キシシランの代わりに、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランを使用し、実施例2と同様に薄膜付き基
板を作製した。薄膜の仕込み組成は、Au 3.0wt
%、TiO2 11.3wt%、SiO2 85.7wt%であ
る。屈折率1.52の基板上に屈折率1.53(屈折率
差0.7%)の薄膜が形成された。
【0090】得られた薄膜付き基板の透過率は、図1と
同じであった。また、撮影テストの結果、スカイライト
フィルターとしての特性を満足していることが確認され
た。
【0091】[実施例12:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分としてチ
タニウム(Ti)を選んだ。実施例1のジルコニウムテ
トラプロポキシドの代わりにジイソプロポキシ・ビス
(アセチルアセトナト)チタン(Ti[OCH(CH)
32[OC(CH3)CHCOCH32)を使用し、実
施例1と同様に薄膜付き基板を作製した。薄膜の仕込み
組成は、Au 3.0wt%、TiO2 11.3wt%、S
iO2 85.7wt%である。屈折率1.52の基板上に
屈折率1.52(屈折率差0%)の薄膜が形成された。
【0092】得られた薄膜付き基板の透過率は、図1と
同じであった。また、撮影テストの結果、スカイライト
フィルターとしての特性を満足していることが確認され
た。
【0093】[実施例13:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分としてチ
タニウム(Ti)を選んだ。実施例2の塩化金酸4水和
物の代わりに塩化金酸ナトリウム2水和物(NaAuC
4・2H2O)を使用し、実施例2と同様に薄膜付き基
板を作製した。薄膜の仕込み組成は、Au 3.0wt
%、Na2O 0.5wt%、TiO2 11.2wt%、S
iO2 85.3wt%である。屈折率1.52の基板上に
屈折率1.52(屈折率差0%)の薄膜が形成された。
【0094】得られた薄膜付き基板の透過率は、図1と
同じであった。また、撮影テストの結果、スカイライト
フィルターとしての特性を満足していることが確認され
た。
【0095】[実施例14:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分としてイ
ットリウム(Y)を選んだ。実施例1のジルコニウムテ
トラプロポキシドの代わりに硝酸イットリウム6水和物
(Y(NO33・6H2O)を使用し、実施例1と同様
に薄膜付き基板を作製した。薄膜の仕込み組成は、Au
3.0wt%、Y23 18.8wt%、SiO2 78.
2wt%である。屈折率1.52の基板上に屈折率1.5
3(屈折率差0.7%)の薄膜が形成された。
【0096】得られた薄膜付き基板の透過率は、図1と
同じであった。また、撮影テストの結果、スカイライト
フィルターとしての特性を満足していることが確認され
た。
【0097】[実施例15:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分としてニ
オブ(Nb)を選んだ。実施例1のジルコニウムテトラ
プロポキシドの代わりにニオブペンタブトキシド(Nb
(OC495)を使用し、実施例1と同様に薄膜付き
基板を作製した。薄膜の仕込み組成は、Au 3.0wt
%、Nb25 13.4wt%、SiO2 83.6wt%で
ある。屈折率1.52の基板上に屈折率1.53(屈折
率差0.7%)の薄膜が形成された。
【0098】得られた薄膜付き基板の透過率曲線は、図
1と同じであり、撮影テストの結果も問題なかった。
【0099】[比較例1]屈折率調整成分を使用せず、
実施例1と同様の方法でコート液を調製し、これを用い
て薄膜付き基板を作製した。薄膜の仕込み組成は、Au
3.0wt%、SiO2 97.0wt%である。屈折率
1.52の基板上に屈折率1.44(屈折率差−5.3
%)の薄膜が形成された。この薄膜付き基板の透過率曲
線を図2に示す。干渉の影響により透過率曲線に凹凸が
生じている。この薄膜付き基板を使用し撮影テストを行
ったところ、特有の着色が見られ、スカイライトフィル
ターとしての使用は不可であった。
【0100】[実施例16:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]この実施例では、基板として屈折率が1.
70の眼鏡レンズ用ガラス(HOYA(株)製 LH
I)を使用し、実施例2と同様に薄膜付き基板を作製し
た。薄膜の仕込み組成は、Au 6.0wt%、SiO2
46.6wt%、TiO2 47.4wt%である。得られた
薄膜の屈折率は1.60であり、屈折率差は−0.6%
であった。薄膜付き基板の透過率曲線を図3に示す。吸
収ピーク位置は、560nmであった。得られた薄膜付き
基板の色は、赤紫色をしており、眼鏡レンズの着色の用
途に使用できることが確認された。
【0101】[実施例17:金コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]3.5wt%メチルシリコーン樹脂−イソプ
ロパノール−n−酢酸ブチル溶液28,540gに65
wt%テトラアセチルアセトナトチタン−イソプロパノー
ル溶液1010gを加えて1時間撹拌した。その溶液に
15wt%塩化金酸4水和物−イソプロパノール溶液45
0gを加えて更に30分撹拌して、Auコロイド薄膜コ
ート液30kgを製造した。薄膜の仕込み組成は、Au
11.3wt%、TiO2 11.3wt%、SiO2
5.7wt%である。実施例1と同様にして屈折率1.5
2の基板上に屈折率1.53(屈折率差−0.7%)の
薄膜を形成することにより、薄膜付き基板を得た。
【0102】得られた薄膜付き基板の透過率は、図1と
同じであった。また、撮影テストの結果、スカイライト
フィルターとしての特性を満足していることが確認され
た。
【0103】[実施例18:酸化亜鉛超微粒子含有薄膜
付き基板の製造例]酢酸iso−ブチル/iso−プロ
パノール混合溶媒(1:1重量比)800.0gにエト
セル7cp(分散剤、ダウ・ケミカル社の商品名)0.
47g(酸化亜鉛超微粒子に対して0.5wt%)を溶解
させた。この溶液に、窒素ガスを使用してBET法によ
り測定した比表面積65m2/gの酸化亜鉛超微粒子9
4.0gを加え、ガラスビーズを用いてペイントシェー
カー(分散機)で1時間分散した後、メチルシリコーン
樹脂220.0gを加えて、更に20時間分散した。こ
の分散液に、酢酸iso−ブチル/iso−プロパノー
ル混合溶媒(1:1重量比)を800.0g、65wt%
チタンテトラアセチルアセトネート(Ti(C5
724)・iso−プロパノール溶液を119.1g
加えて30分間分散し、ガラスビーズを取り除くことに
より、酸化亜鉛超微粒子含有薄膜コート液を作製した。
このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、ZnO
30.8wt%、TiO2 4.6wt%、SiO2
4.5wt%で、コート液中の固形分は15.0wt%であ
る。コート液は、乳白色をしており、沈殿、析出物は認
められなかった。このコート液を1mm厚の市販の板ガラ
ス(通常、白板と呼ばれる。組成系はソーダライムシリ
ケートであり、屈折率は1.52である。)に、ディッ
ピング法により、引き上げ速度30cm/minの速度(以
下、“V”と略記する)で塗布した。得られた薄膜は、
無色透明で均質であった。この薄膜付き基板を150℃
で30分乾燥した後、熱処理炉に入れて500℃まで2
00℃/時で昇温し、500℃で30分間保持した。こ
の熱処理により得られた薄膜は無色透明、均質であり、
その屈折率は1.53であって、基板との屈折率差は
0.7%であった。また、透過ヘーズ値は、0.2であ
った。得られた薄膜付き基板の透過率曲線を、基板のみ
の透過率と共に図4に示す。380nmより短波長域の光
がシャープにカットされていることが明らかである。
【0104】この薄膜付きガラスをカメラに組み込み撮
影テストを行ったところ、熔融法で製造された紫外シャ
ープカットフィルター(市販品)を使用した場合と同様
に色みが変るのが改善され、紫外シャープカットフィル
ターとして使用できることが確認された。
【0105】[実施例19:酸化亜鉛超微粒子含有薄膜
付き基板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分と
してジルコニウム(Zr)を選んだ。酢酸n−ブチル/
iso−プロパノール混合溶媒(1:1重量比)78
1.2gにディスパーバイク(Disperbyk)−181
(分散剤、ビック・ケミー社の商品名)18.8g(酸
化亜鉛超微粒子に対して20wt%)を溶解させた。この
溶液に、窒素ガスを使用してBET法により測定した比
表面積75m2/gの酸化亜鉛超微粒子94.0gを加
え、ジルコニアビーズを用いてサンドミル(分散機)で
1時間分散した後、メチルシリコーン樹脂220.0g
を加えて、更に3時間分散した。この分散液に、酢酸n
−ブチル/iso−プロパノール混合溶媒(1:1重量
比)を800.0g、73wt%ジルコニウムアセチルア
セトネートビスエチルアセテート(Zr(OC49
(C572)(C6932)・n−ブタノール溶液
を126.9g加えて30分間分散し、ガラスビーズを
取り除くことにより、酸化亜鉛超微粒子含有薄膜コート
液を作製した。このコート液から得られる薄膜の仕込み
組成は、ZnO 30.0wt%、ZrO2 7.0wt
%、SiO263.0wt%で、コート液中の固形分は1
5.3wt%である。コート液は、乳白色をしており、沈
殿、析出物は認められなかった。コート液を2mm厚の市
販の板ガラス(屈折率1.52)に、V=30.0cm/
minで塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であ
った。この薄膜付き基板を150℃で30分間乾燥した
後、熱処理炉に入れ450℃まで200℃/時で昇温
し、450℃で1時間保持した。この熱処理により得ら
れた薄膜は、無色透明、均質であり、その屈折率は1.
51であり、基板との屈折率差は−0.7%であった。
また、透過ヘーズ値は、0.2であった。
【0106】実施例18と同様に、撮影テストを行った
結果、紫外シャープカットフィルターとしての特性を満
足していることが確認された。
【0107】[実施例20:酸化亜鉛超微粒子含有薄膜
付き基板の製造例]この実施例では、屈折率調整成分と
してアンチモン(Sb)を選んだ。酢酸n−ブチル/メ
タノール混合溶媒(3:2重量比)800.0gにメチ
ルシリコーン樹脂220.0gを加え溶解させた。この
溶液に、窒素ガスを使用してBET法により測定した比
表面積が73m2/gの酸化亜鉛超微粒子94.0gを
加え、ガラスビーズを用いてサンドミル(分散機)で1
2時間分散した。この分散液に、酢酸n−ブチル/メタ
ノール混合溶媒(3:2重量比)を723.5g、30
wt%五酸化アンチモン(Sb25)メタノールゾルを6
9.6g加えて、1時間分散し、ガラスビーズを取り除
くことにより、酸化亜鉛超微粒子含有薄膜コート液を作
製した。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成
は、ZnO 30.1wt%、Sb25 6.7wt%、S
iO2 63.2wt%で、コート液中の固形分は16.
1wt%である。コート液は、乳白色をしており、沈殿、
析出物は認められなかった。このコート液を2mm厚の市
販の板ガラス(屈折率1.52)に、V=30.0cm/
minで塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であ
った。この薄膜付き基板を150℃で30分間乾燥した
後、熱処理炉に入れ450℃まで200℃/時で昇温
し、450℃で1時間保持した。この熱処理により得ら
れた薄膜は、無色透明、均質であり、その屈折率は1.
50であり、基板との屈折率差は1.3%であった。ま
た、透過ヘーズ値は、0.4であった。
【0108】実施例18と同様に、撮影テストを行った
結果、紫外シャープカットフィルターとしての特性を満
足していることが確認された。
【0109】[実施例21〜26:酸化亜鉛超微粒子含
有薄膜付き基板の製造例]屈折率調整成分を表2、表3
に示すように変えた以外は実施例19と同様にして、表
2、表3に示すような薄膜付きガラスを作製した。得ら
れたガラスの撮影テストを行った結果、全て紫外シャー
プカットフィルターとしての特性を満足していることが
確認された。
【0110】[実施例27:酸化亜鉛超微粒子含有薄膜
付き基板の製造例]この実施例では、基板として屈折率
が1.70の眼鏡レンズ用ガラス(HOYA(株)LH
I)を使用し、実施例19と同様に薄膜付き基板を作製
した。薄膜の仕込み組成は、ZnO 28.1wt%、Z
rO2 45.9wt%、SiO2 26.0wt%である。
得られた薄膜の屈折率は、1.69であり、基板との屈
折率差は−0.6%であった。薄膜付き基板の透過率曲
線を図5に示す。また、透過ヘーズ値は、0.3であっ
た。得られた薄膜付き基板は、無色透明、均質であり、
眼鏡レンズの紫外線カットの用途に使用できることが確
認された。
【0111】[比較例2]屈折率調整成分を使用せず、
実施例19と同様の方法でコート液を調整し、これを用
いて薄膜付き基板を作製した。薄膜の仕込み組成は、Z
nO 32.3wt%、SiO2 67.7wt%である。
屈折率1.52の基板の上に屈折率1.44(屈折率差
−5.3%)の薄膜が基板の両面に形成された。また、
透過ヘーズ値は、0.2であった。この薄膜付き基板の
透過率曲線を図6に示す。屈折率調整成分を使用しなか
ったことにより干渉が生じており、この影響により透過
率曲線に凹凸が発生した。この薄膜付き基板を使用して
撮影テストを行ったところ、特有の着色が見られ紫外シ
ャープカットフィルターとしての使用は不可であった。
【0112】表2、表3に実施例18〜27および比較
例2で得られた薄膜付き基板の物性値をまとめて示し
た。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】[実施例28:銀コロイド含有薄膜付き基
板の製造例]テトラエトキシシラン1487gとiso
−プロパノール858gの混合溶液に0.15M硝酸水
溶液129gを徐々に加え、3時間撹拌した。この溶液
にチタニウムブトキシド706gを加えて1時間撹拌し
た後、メチルトリエトキシシラン2464gを加えて更
に1時間撹拌した。この溶液に硝酸銀118g、0.0
75M硝酸数溶液1660g、iso−プロパノール2
2.578gの混合溶液を加えて一晩撹拌することによ
り銀コロイド薄膜コート液30kgを製造した。このコー
ト液から得られる薄膜の仕込み組成は、Ag 4.8wt
%、TiO211.0wt%、SiO2 84.2wt%で、
コート液中の固形分は5.0wt%である。コート液は、
無色透明であった。このコート液を1mm厚の市販の板ガ
ラス(屈折率1.52)に、V=30.0cm/secの速
度で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であっ
た。この薄膜付き基板を室温で1時間乾燥したのち、熱
処理炉に入れ大気雰囲気下450℃まで200℃/hrで
昇温しその温度で1時間保持し、雰囲気を2%H2/9
8%N2混合ガスに置換して更に1時間保持した。この
熱処理により得られた薄膜付きガラスは、無色透明から
黄色透明に変化した。薄膜は均質であり、その屈折率は
1.51であり、基板との屈折率差は−0.7%であっ
た。透過率曲線を図7に示す。銀コロイドの吸収が40
0nmに出ていることが明らかである。
【0116】[実施例29〜31:酸化銅、ニッケル又
は白金含有薄膜付き基板の製造例]ドーパントをCu2
O、Ni、Ptとした以外は実施例28と同様にして薄
膜付きガラスを作製した。薄膜の仕込み組成は、ドーパ
ント4.8wt%、TiO211.0wt%、SiO2
4.2wt%である。実施例29〜31で得られた薄膜付
き基板の膜屈折率および基板との差を表4に、透過率曲
線を図8(Cu2O)、図9(Ni)および図10(P
t)に示す。
【0117】
【表4】
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属又は
金属酸化物の超微粒子の吸収を持ち、干渉色の影響のな
い薄膜付き基板を提供することができる。この薄膜付き
基板を用いることにより、既存の着色フィルター、紫外
線カットフィルターと同等以上の特性および信頼性を持
ったフィルターを、既存の着色フィルター、紫外線カッ
トフィルターよりも、容易、安価に提供することができ
る。また着色した眼鏡レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図2】比較例1の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図3】実施例16の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図4】実施例18の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図5】実施例27の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図6】比較例2の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図7】実施例28の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図8】実施例29の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図9】実施例30の薄膜付き基板の透過率曲線図
【図10】実施例31の薄膜付き基板の透過率曲線図

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超微粒子が、マトリックス中に分散して
    いる超微粒子含有薄膜を透明基板上に設けてなり、超微
    粒子含有薄膜の屈折率と透明基板の屈折率を実質的に同
    一にしたことを特徴とする薄膜付き基板。
  2. 【請求項2】 超微粒子が、金属又は金属酸化物の超微
    粒子である、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  3. 【請求項3】 金属又は金属酸化物の超微粒子が、金コ
    ロイド、酸化亜鉛超微粒子、銀コロイド、酸化銅超微粒
    子、ニッケルコロイドおよび白金コロイドからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の薄
    膜付き基板。
  4. 【請求項4】 薄膜に含有させるために原料として用い
    る酸化亜鉛超微粒子が、比表面積が60m2/gを超え
    る酸化亜鉛の超微粒子である、請求項3に記載の薄膜付
    き基板。
  5. 【請求項5】 超微粒子が有機顔料系の超微粒子であ
    る、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  6. 【請求項6】 超微粒子の平均粒径が100nm以下であ
    る、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  7. 【請求項7】 マトリックスが、少なくともSiO
    2と、屈折率調整成分である酸化物及び/又はフッ化物
    とを含む、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  8. 【請求項8】 透明基板の一方の主表面に超微粒子含有
    薄膜を設け、透明基板と超微粒子含有薄膜との屈折率差
    を10%以内とする、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  9. 【請求項9】 透明基板の両方の主表面に超微粒子含有
    薄膜を設け、透明基板と超微粒子含有薄膜との屈折率差
    を5%以内とする、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  10. 【請求項10】 薄膜付き透明基板の透過ヘーズ値が、
    2未満である、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  11. 【請求項11】 透明基板がガラス基板またはプラスチ
    ック基板である、請求項1に記載の薄膜付き基板。
  12. 【請求項12】 透明基板上に超微粒子原料およびマト
    リックス原料を含む液状組成物を塗布し、乾燥、熱処理
    することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に
    記載の薄膜付き基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 液状組成物に、超微粒子原料に対し
    て、0.1〜40wt%の分散剤を添加する、請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の薄膜付き基板を用いた着色フィルター、紫外線カット
    フィルタまたは着色眼鏡レンズ。
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