JPH082914B2 - O,O−ジアルキル−γ−ホスホノーチグリン酸アルキルエステルの製法 - Google Patents

O,O−ジアルキル−γ−ホスホノーチグリン酸アルキルエステルの製法

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JPH082914B2
JPH082914B2 JP63142803A JP14280388A JPH082914B2 JP H082914 B2 JPH082914 B2 JP H082914B2 JP 63142803 A JP63142803 A JP 63142803A JP 14280388 A JP14280388 A JP 14280388A JP H082914 B2 JPH082914 B2 JP H082914B2
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    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/38Phosphonic acids [RP(=O)(OH)2]; Thiophosphonic acids ; [RP(=X1)(X2H)2(X1, X2 are each independently O, S or Se)]
    • C07F9/40Esters thereof
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、γ−ハロゲン−チグリン酸アルキルエステ
ルからO,O−ジアルキル−γ−ホスホノ−チグリン酸ア
ルキルエステルを製造する方法に関する。
γ−ハロゲン−チグリン酸エステルは、対応するウイ
ツテイヒ試薬の形(3−アルコキシカルボニル−2−ブ
テン−1−トリフエニルホスホニウムハロゲニド)で、
C5−構成単位としてポリエン化学に、例えばβ−アポ−
8′−カロチン酸エステルの製造に必要である(DOS324
4272参照)。この文献に記載のβ−アポ−8′−カロチ
ン酸エチルエステルの合成のためには、特にγ−ハロゲ
ン−チグリン酸エステルが重要である。
欧州特許110329号によれば、低級アルコールのγ−ク
ロル−又はγ−ブロム−チグリン酸エステルの製法が知
られている。この方法では式IIの2−メチル−3−ブテ
ン酸エステル(そこではα−ビニル−プロピオン酸エス
テルと呼ばれる)が重要な中間体で、これは塩素又は臭
素との付加反応により、式IIIの2−メチル−3,4−ジハ
ロゲン−酪酸エステルに変えられる。これから脱ハロゲ
ン化水素によつて、次式のように(X=Cl又はBr、R2
アルキル) γ−ハロゲン−チグリン酸エステルが得られる。この自
体好ましい方法は工業的規模の実施においては問題を生
じる。例えばハロゲン化は普通のように塩素化炭化水素
の中で行われ、それは操作技術上の理由(溶剤の回収供
給に費用がかかる)及び生物学的理由(塩素化炭化水素
の毒性)から不満足である。そのほか脱ハロゲン化水素
はアルカリアルコラートを用いて行われ、それによつて
物質の使用費が高くなり、そしてその際必要な水分遮断
によつて操作も困難になる。
本発明者らは、意外にも工業的規模で実施する場合に
問題の生じない有利な方法を見出した。すなわち本発明
は、 式(IV): 〔式中、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を
表わし、R2は1〜3個の炭素原子を表わす〕で示される
高いE異性体含量を有するO,O−ジアルキル−γ−ホス
ホノチグリン酸エステルを製造する方法に関し、この方
法は、 (a)式(II): 〔式中、R2は前記のものを表わす〕で示される2−メチ
ル−3−ブテン酸エステルを溶剤の不在で塩素又は臭素
と反応させ、 (b)得られた式(III): 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わす〕で示され
る2−メチル−ブト−3,4−ジハロゲン酪酸エステル
を、アルコールR2OH〔この場合、R2は前記のものを表わ
す〕中又は水とアルコールR2OHとの混合物中のアルカリ
金属水酸化物水溶液中で脱ハロゲン化水素し、 (c)得られた式(I): 〔式中、X及びR2は前記のものを表わす〕で示される一
定のE/Z比を有するγ−クロル−又はγ−ブロム−チグ
リン酸エステルを、式(V): 〔式中、R1は前記のものを表わす〕で示される亜燐酸ト
リアルキルエステルと反応させ、かつ (d)得られたO,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリ
ン酸エステルを熱により異性化して高いE異性体含量を
有するホスホノチグリン酸エステル生成物を生じさせる
ことによって特徴付けられる。
ハロゲン化が、不活性溶剤を使用しないできわめて良
好な収率及び高い選択率で実施しうることは全く予想外
であつた。なぜならば刊行物には、ハロゲン化は一般に
不活性溶剤好ましくはハロゲン化炭化水素を併用して行
うと記載されているからである(欧州特許31932号及び
オルガニクーム11版1972年参照)。
2−メチル−3,4−ジハロゲン−酪酸エステルの脱ハ
ロゲン化水素化が、既知方法で必要な高価なアルカリア
ルコラートの代わりに水酸化アルカリを使用して、優れ
た収率で実施できることも予期されなかつた。なぜなら
ば水酸化アルカリによる脱ハロゲン化水素において水が
存在しないと、一般に低級アルコールのカルボン酸エス
テルは水−アルコール性媒質中でアルカリの作用を受け
やすく、そして不可逆的に対応するカルボン酸塩に加水
分解されることが公知となつていたからである。本発明
によれば脱ハロゲン化水素は水酸化アルカリ水溶液を用
いて可能である。
前記文献により既知の方法では、立体的に単一なγ−
ハロゲン−チグリン酸エステルでなく、著量のZ体を含
有するE/Z−異性体混合物が得られることも欠点であ
る。
β−アポ−8′−カロチン酸エチルエステルを製造す
るためには、できるだけ異性体について純粋なE−γ−
ハロゲン−チグリン酸エチルエステルが必要である。本
発明の方法によれば、Z体含量が約25〜50%のE/Z−異
性体混合物としての粗製γ−ハロゲン−チグリン酸エス
テルが高い収率及び良好な純度で得られる。
ポリエン化学の多くの反応では、ウイツテイヒ反応の
代わりに緩和な条件下で進行するホルナー−ウイツテイ
ヒ反応により好ましく行われる。すなわちハロゲン−チ
グリン酸エステルをトリフエニルホスフイン及び酸を用
いてホスホニウム塩となし、これを強塩基で対応するイ
リードにするのではなく、亜燐酸トリアルキルエステル
により対応するホスホネートとなし、これを次いで塩基
の作用下に第二成分のホルミル基と反応させる。
ハロゲン−チグリン酸アルキルエステルのミカエリス
−アルブ−ゾフ反応による反応(ホウベン−ワイルの著
書12/1巻434頁及び5/1d巻128頁参照)において、ホルナ
ー−ウイツテイヒ反応に必要なO,O−ジアルキル−γ−
ホスホノ−チグリン酸アルキルエステルが、必要なE−
異性体の方向へ異性化が進んだものとして得られること
が見出された。E/Z−異性体組成が1.7:1のγ−クロル−
チグリン酸エチルエステルから出発すると、対応するE/
Z−異性体比が7〜8:1のホスホネートが良好な収率で単
離される。
この結果は、文献既知の4−ブロム−3−メチル−ク
ロトン酸メチルエステルと亜燐酸トリエチルエステルの
反応において、比較しうる反応条件下で対応するO,O−
ジエチル−4−ホスホノ−3−メチル−クロトン酸メチ
ルエステルが、E/Zが3:2のE/Z−異性体混合物として得
られることが知られているので(ジヤーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサエテイc(1968)1991頁及びc(1966)21
63頁参照)。
本発明による熱による異性化は、ホルナー−ウイツテ
イヒ反応による製造の原料としてのホスホネートの価値
を高める。これは新しく生成する二重結合に関して公知
のように立体選択的に進行する(Chem.Rev.1974、92頁
及びホウベン−ワイルの著書5/1d巻129頁参照)ので、
本方法により製造されたホスホネートはその高いE−含
量により、希望する(all−E)−ポリエンへの反応に
おいても高い収率を予期できる。
本方法の他の工業的改善は、これまでと異なりγ−ク
ロル−チグリン酸エステルの代わりに、γ−ブロム−チ
グリン酸エステルを使用しうることである。この臭素化
合物を使用すると、ホスホネートの生成に70〜100℃の
温度でわずかに1.5〜2時間を要するにすぎない。亜燐
酸トリアルキルエステルは10〜60%過剰に用いられる。
この反応条件下でγ−クロル−チグリン酸エステルの同
様の反応における副反応によるZ−異性体からのラクト
ンの生成は起こらず、このことが希望の有価生成物の収
率を向上させる。
γ−ブロム−チグリン酸エステルを使用すると、エチ
ルブロミドが高沸点(38℃)であるため、エチルクロリ
ド(13℃)の場合よりも工業的に本質的に単一で自由に
扱うことができる。すなわちエチルクロリドは低沸点で
あるため、冷却した溶剤中に捕集せねばならず、この溶
液は普通は焼却される。これに対しエチルブロミドはそ
れ自体精製して取り出すことができ、したがつて再使用
できる。
得られるE/Z−ホスホネート混合物をさらに異性化す
ることは、易沸騰物の留去後に得られた粗生成物を加熱
することにより簡単に行われ、その際認めうるほどの分
解は起こらない。蒸留すると希望のホスホネートが86〜
89%の収率で得られ、E/Z−異性体比は7〜8:1である。
2−メチル−3,4−ジブロム−酪酸エステルの脱ハロ
ゲン化水素において得られるγ−ブロム−チグリン酸エ
ステルが、精製しないで亜燐酸トリアルキルエステルと
反応させて希望するようにホスホネートにすることがで
き、その際蒸留により精製したブロムチグリン酸エステ
ルを反応させる場合と比較して収率の低下がないことも
特別の利点である。
実際にγ−ブロム−チグリン酸エステル段階での精製
を省略できることは、もちろん操作技術上好ましいこと
で、そのほか使用した2−メチル−酪酸エステルに対す
るホスホネートの全収率に有利に作用する。3段階を通
じての収率は77〜80%(各段階当たり約90〜95%)、こ
れは反応性の強い化合物を使用する場合に考慮されるこ
とである。
希望のβ−アポ−8′−カロチン酸エチルエステルの
製造のため必要な式IVのO,O−ジアルキル−γ−ホスホ
ノ−チグリン酸エチルエステルは、文献にまだ記載され
ていない。単にO,O−ジアルキル−γ−ホスホノ−チグ
リン酸メチルエステル(ジヤーナル・オブ・ケミカル・
ソサエテイC(1968)1997〜2006特に2005参照)、なら
びに***特許3244272号明細書中の一般式に、他数の他
の化合物のほかに式IVのO,O−ジアルキル−γ−ホスホ
ノ−チグリン酸エステルも含まれることが知られてお
り、それ以外に近縁の化合物は示されていない。
本発明による式IIの2−メチル−3−ブテン−酸エス
テルの塩素化のためには、まずこの化合物を用意し、こ
れに約−40〜+20℃好ましくは−10〜0℃で、1.0〜1.1
当量のハロゲンを0.5〜2時間好ましくは1時間かけて
加入する。その場合塩素は反応混合物中にガス状で導入
されるが、臭素は液状で添加される。こうして意外にも
式IIIのジハロゲニド特にジブロミドが優れた収率及び
純度で得られる。
粗製ジハロゲニドは蒸留により精製することができ
る。このことは必要ではない。なぜならば粗生成物をそ
のままで次の段階で使用できるからである。
本発明による式IIIの2−メチル−3,4−ジハロゲン−
酪酸エステルの脱ハロゲン化水素は、種々の態様で実施
できる。
例えば1.0〜1.1当領の固形水酸化アルカリを、エステ
ル基R2に相当するアルコールに溶解し、この溶液を粗製
の又は蒸留した式IIIのジハロゲニドに0.5〜1.5時間か
けて添加する。反応温度は約+20〜−20℃に保たれる
が、特に約0〜−5℃の温度が好ましい。
別法としては水酸化アルカリの水溶液を使用すること
もできる。この場合はエステル基R2に相当するアルコー
ルを溶解補助剤として添加することが必要である。水酸
化物の水溶液及びアルコールからの混合物をジハロゲニ
ドに添加してもよく、あるいはジハロゲニドを対応する
アルコールで希釈し、これに水酸化物水溶液を添加して
もよい。この操作法でも、水酸化物の供給、反応時間及
び反応温度に関する反応条件が適合する。
この脱ハロゲン化水素法は、Z体含量が約25〜50%の
E/Z−異性体混合物としてのγ−ハロゲンチグリン酸エ
ステルを、高収率及び良好な純度で提供する。
粗生成物は蒸留により仕上げ処理できる。しかしこれ
はそのままで次の段階に使用することもできる。このこ
とは蒸留したジハロゲニド又は粗製の未精製ジハロゲニ
ドを脱ハロゲン化水素に使用する場合にも同様である。
得られたγ−ハロゲンチグリン酸エステルは、ミカエ
リス−アルブ−ゾフ反応(ホウベン−ワイルの著書12/1
巻434頁、5/1d巻128頁参照)により、ホルナー−ウイツ
テイヒ反応に要望される式IVのO,O−ジアルキル−γ−
ホスホノ−チグリン酸アルキルエステルに変えることが
できる。
そのためにはγ−ハロゲン−チグリン酸エステルを、
沸騰する亜燐酸トリアルキルエステルに滴加し、付加物
が認められなくなるまで加熱する。亜燐酸トリアルキル
エステルの量は約10〜60%過剰とすることが好ましい。
純粋なホスホネートが蒸留により単離される。γ−ハロ
ゲン−チグリン酸エステルのE/Z−異性体混合物を反応
条件下で使用すると、意外にも希望のE−異性体の方向
への著しい異性化が認められる。
得られたE/Z−ホスホネート−異性体混合物の他の異
性化法は、粗生成物を易揮発性成分を留去したのち簡単
に加熱することにより行われる。その際認めうるほどの
分解は起こらない。蒸留によつて式Iのホスホネートが
86〜89%の収率で得られ、E/Z−異性体比は7〜8:1であ
る。
本発明の方法によれば、ポリエン化学における種々の
反応のためのC5−構成単位として特に好適な式IVのO,O
−ジアルキル−γ−ホスホノ−チグリン酸エステルが得
られ、特に要望されるβ−アポ−8′−カロチン酸エチ
ルエステルの製造上重要な文献未載のO,O−ジアルキル
−γ−ホスホノ−チグリン酸エチルエステルを、工業的
に簡単かつ安価な方法で、優れた収率で、次の反応に必
要な本質的にE−異性体の形で製造することができる。
本発明の方法においては、ハロゲン化と脱ハロゲン化
水素は同じ反応容器で、中間生成物を単離しないで行う
ことができる。この場合3個の反応段階を中間精製なし
で行うこともでき、式IVのホスホネートがガスクロマト
グラフイにより純粋な形で、3段階を通じての全収率が
77〜80%で得られ、これは高反応性化合物を用いて処理
するとき、きわめて有利である。式IVのホスホネート
は、従来同じ反応に用いられた対応するトリアリールホ
スホニウム塩と比較して、液体としてきわめて容易に取
扱いうる点で操作技術上著しく優れている。
実施例1 a)γ−ブロム−チグリン酸エチルエステル 2−メチル−3−ブテン−酸エチルエステル640g(96
%、4.80モルに相当)を−25℃で用意し、これに同温度
でブロム800g(5.0モル)を1時間かけて流入する。な
お30分間撹拌すると、その間に温度が−5℃に上昇す
る。次いで内部温度−5〜0℃でエタノール2l中の固形
水酸化ナトリウム200g(5.0モル)の溶液を1時間かけ
て添加し、再度30分間撹拌したのち、反応混合物を5lの
希硫酸(水1につき濃硫酸約1〜2g)に注加し、有機
相を分離する。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で
乾燥したのち、回転蒸発器により蒸発濃縮する。
粗製γ−ブロム−チグリン酸エチルエステルが1089g
得られ、この物質の組成はNMR分析によると、Z−γ−
ブロム−チグリン酸エチルエステル28.8重量%及びE−
γ−ブロム−チグリン酸エチルエステル53.6重量%であ
る。E:Z=1.9:1、γ−ブロム−チグリン酸エチルエステ
ルの全含量は82.4重量%で、これは理論値(使用した2
−メチル−3−ブテン−酸エチルエステルに対し)の9
0.3%の収率に相当する。
b)O,O−ジエチル−γ−ホスホノ−チグリン酸エチル
エステル a)により得られたE/Z−異性体比が約1.9:1の粗製γ
−ブロム−チグリン酸エチルエステル200g(有価物質16
4.8g、0.8モルに相当)に、撹拌しながら70℃の亜燐酸
トリエチルエステル192.5g(1.16モル)を滴加すると、
温度は102℃に上昇する。還流冷却下に80分撹拌すると
反応は終了する。100℃及び10mバールの圧力で揮発性成
分を留去し、得られた粗生成物(E/Z−異性体比はGCに
よると2:1)を160℃に90分間加熱する。
短いビグロー塔により蒸留すると、O,O−ジエチル−
γ−ホスホノ−チグリン酸ジエチルエステルが182.6g
(収率86.4%)得られ、E/Z−異性体比は7.7:1、沸点は
101〜105℃/0.06mmHgである。
実施例2 γ−ブロム−チグリン酸エチルエステル 2−メチル−3−ブテン−酸エチルエステル640g(97
%、4.85モルに相当)を−30℃で用意し、これに−40〜
−30℃でブロム800g(5.0モル)を1時間かけて流入す
る。次いで反応混合物をエタノール1.5lで希釈し、−5
℃で51.25%苛性ソーダ水溶液398g(NaOH5.10モルに相
当)を1時間かけて流入する。冷却しないで15分間撹拌
したのち、混合物を水6l中の濃硫酸12gの溶液に注加す
る。有機相を分離し、水相を塩化メチレン各500mlで2
回抽出する。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾
燥したのち、回転蒸発器により蒸発濃縮する。粗製のγ
−ブロム−チグリン酸エチルエステルが1054g得られ、
この生成物の組成はNMR分析によると、Z−γ−ブロム
−チグリン酸エチルエステル29.1重量%及びE−γ−ブ
ロム−チグリン酸エチルエステル56.0重量%である。E:
Z=1.92:1。
γ−ブロム−チグリン酸エチルエステルの全含量は8
5.1重量%で、これは理論値の89.3%の収率(使用した
2−メチル−3−ブテン酸エチルエステルに対し)に相
当する。
実施例3 a)2−メチル−3,4−ジブロム−酪酸エチルエステル 2−メチル−3−酪酸エチルエステル128g(98%0.97
モルに相当)を用意し、これに−20℃でブロム160g(1
モル)を1時間かけて流入する。粗生成物(287g)のガ
スクロマトグラフイ分析によると、2−メチル−3,4−
ジブロム−酪酸エチルエステルが98〜99%の純度で得ら
れている。この粗生成物を85〜88℃/0.4mバールで蒸留
すると、GCによる100%の含量に精製される。
b)3aにより得られた組生成物85.1gに、内部温度−
4〜0℃でエタノール130ml中の水酸化ナトリウム11.8g
(0.295モル)の溶液を30分かけて流入する。さらに30
分間撹拌したのち希塩酸に注加し、塩化メチレンで3回
抽出する。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥
したのち回転蒸発器により蒸発濃縮する。残留物を63〜
70℃/0.4mバールで蒸留すると、γ−ブロム−チグリン
酸エステルが56.4g得られ、E/Z−比は約3:1である。
c)3aにより得られた蒸留された2−メチル−3,4−
ジブロム−酪酸エチルエステル76.6g(0.266モル)を、
実施例3bと同様にエタノール120ml中の水酸化ナトリウ
ム10.7g 0.268モル)の溶液と反応させる。仕上げ処理
及び蒸留ののち、E/Z−比が約3:1のγ−ブロム−チグリ
ン酸エステルが51.7g得られる。
実施例4 a)2−メチル−3,4−ジクロル−酪酸エチルエステル 2−メチル−3−ブテン酸エチルエステル107.5g(98
%、0.823モルに相当)を無溶媒で用意し、−10〜0℃
で撹拌しながら塩素62.1g(0.875モル)を2時間かけて
圧入する。室温にしたのち粗生成物を真空蒸留により精
製する。0.4mバールで65〜79℃の範囲で、2−メチル−
3,4−ジクロル−酪酸エチルエステルがジアステレオマ
ー混合物として120.4g(理論値の73.5%)留出する。
b)γ−クロル−チグリン酸エチルエステル 2−メチル−3,4−ジクロル−酪酸エチルエステル300
g(純度94.9%、1.43モルに相当)を+5℃で用意し、
同温度でエタノール600ml中の水酸化ナトリウム60.5g
(1.51モル)の溶液を1時間かけて流入する。15分間撹
拌したのち1N塩酸に注加し、ジエチルエーテルで3回抽
出する。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し
たのち、回転蒸発器により蒸発濃縮する。2mバールで蒸
留すると、69〜79℃の間で、Z−γ−クロル−チグリン
酸エチルエステル40.9%及びE−γ−クロル−チグリン
酸エチルエステル57.7%を含有する混合物が215.2g移行
する。E/Z−比は1.4:1である。γ−クロル−チグリン酸
エチルエステルの全収率は理論値の91.3%である。
c)Z−クロル−チグリン酸エステルからのO,O−ジエ
チル−γ−ホスホノ−チグリン酸エステル 亜燐酸トリエチルエステル22.12g(133.1mモル)を還
流下に沸騰加熱し、これにE/Z−異性体比が1:26のクロ
ル−チグリン酸エチルエステル19.91g(122.4mモル)を
1時間かけて滴加する。8時間還流煮沸したのち、ガス
クロマトグラフイによれば付加物は検出されない。E/Z
−異性体比はほとんど1:1である。さらに還流加熱する
と、これは7.7:1になる。
短いビグロー塔により蒸留すると、ホスホネートが1
3.4g(収率41.4%)得られる。
実施例5 E/Z−クロル−チグリン酸エステル混合物からのO,O−ジ
エチル−γ−ホスホノ−チグリン酸エステル 亜燐酸トリエチルエステル221.42g(1.33モル)を激
しく撹拌しながら還流加熱し、これにE/Z−異性体比が
1.4:1のクロルチグリン酸エチルエステル206.56g(95
%、1.21モルに相当)を2時間かけて滴加し、ガス発生
が終るまで撹拌する。10cmの充填体塔で蒸留すると、E/
Z−異性体比が7.6:1のホスホネートが217.0g(収率68.0
%)得られる。
実施例6 2−メチル−3−ブテン−酸エチルエステルからのγ−
ブロム−チグリン酸エチルエステル 2−メチル−3−ブテン酸エチルエステル640g(97
%、4.85モルに相当)に、0℃でブロム800g(5モル)
を1時間かけて添加する。次いで0℃で30分間撹拌した
のち、エタノール2lで希釈し、0℃で51.2重量%苛性ソ
ーダ水溶液410g(5.25モルNaOH)を1時間かけて添加す
る。次いで0℃で15分間撹拌したのち、混合物を水6l中
の濃硫酸6gの溶液に注加し、相分離させる。有機相を分
離し、水相をトルオール1で1回抽出する。同量の2
回の仕込みからの一緒にした有機相を、実験室用サムベ
イ蒸発器により加熱温度60℃及び50mバールで蒸発濃縮
する。塔底排出物としてZ−異性体の含量が38.1%、E
−異性体の含量が53.9%である生成物が2055g得られ
る。これはγ−ブロム−チグリン酸エチルエステルの平
均収率94.2%に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルコ・チエス ドイツ連邦共和国6700ルードウイツヒスハ ーフエン・トールウアルトゼンシユトラー セ1 (72)発明者 ヨアヒム・パウスト ドイツ連邦共和国6708ノイホーフエン・リ ングシユトラーセ3 (56)参考文献 特開 昭59−110649(JP,A) Journal of the Che mical Society Chemi cal Commnications (1968年、1997〜2006頁)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(IV): 〔式中、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を
    表わし、R2は1〜3個の炭素原子を表わす〕で示される
    高いE異性体含量を有するO,O−ジアルキル−γ−ホス
    ホノチグリン酸エステルを製造する方法において、 (a)式(II): 〔式中、R2は前記のものを表わす〕で示される2−メチ
    ル−3−ブテン酸エステルを溶剤の不在で塩素又は臭素
    と反応させ、 (b)得られた式(III): 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わす〕で示され
    る2−メチル−ブト−3,4−ジハロゲン酪酸エステル
    を、アルコールR2OH〔この場合、R2は前記のものを表わ
    す〕中又は水とアルコールR2OHとの混合物中のアルカリ
    金属水酸化物水溶液中で脱ハロゲン化水素し、 (c)得られた式(I): 〔式中、X及びR2は前記のものを表わす〕で示される一
    定のE/Z比を有するγ−クロル−又はγ−ブロム−チグ
    リン酸エステルを、式(V): 〔式中、R1は前記のものを表わす〕で示される亜燐酸ト
    リアルキルエステルと反応させ、かつ (d)得られたO,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリ
    ン酸エステルを熱により異性化して高いE異性体含量を
    有するホスホノチグリン酸エステル生成物を生じさせる
    ことを特徴とする、式(IV)のO,O−ジアルキル−γ−
    ホスホノチグリン酸エステルの製法。
  2. 【請求項2】反応段階(a)で式IIの2−メチル−3−
    ブテン酸エステルを臭素とは反応させ、 得られた式IIIの2−メチル−ブト−3,4−ジハロゲン酪
    酸エステルを反応段階(b)で脱ハロゲン化水素し、か
    つ 得られたγ−ブロムチグリン酸エステルを反応段階
    (c)で式Vの亜燐酸トリアルキルエステルと反応させ
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】式(IV): 〔式中、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を
    表わし、R2は1〜3個の炭素原子を表わす〕で示される
    O,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリン酸エステルを
    製造する方法において、式(I): 〔式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表わし、R2は前記
    のものを表わす〕で示されるγ−ハロゲンチグリン酸ア
    ルキルエステルを式(V): 〔式中、R1は前記のものを表わす〕で示される亜燐酸ト
    リアルキルエステルと反応させ、次いで得られたE/Z比
    を有するO,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリン酸エ
    ステルを熱により異性化して生成物O,O−ジアルキル−
    γ−ホスホノチグリン酸エステルが高いE異性体含量を
    有するようにO,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリン
    酸エステルのE/Z比を増大させることを特徴とする、式
    (IV)のO,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリン酸エ
    ステルの製造法。
  4. 【請求項4】得られた粗製生成物の形の式IIIのジブロ
    ム化合物を段階(b)で脱ハロゲン化水素する、請求項
    3記載の高いE含量を有するO,O−ジアルキル−γ−ホ
    スホノチグリン酸エステルの製造法。
  5. 【請求項5】得られた粗製生成物の形の式Iのγ−ブロ
    ムチグリン酸エステルを段階(c)で式Vの亜燐酸トリ
    アルキルエステルと反応させる、請求項3記載の高いE
    含量を有するO,O−ジアルキル−γ−ホスホノチグリン
    酸エステルの製造法。
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