JPH08291237A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH08291237A
JPH08291237A JP9716495A JP9716495A JPH08291237A JP H08291237 A JPH08291237 A JP H08291237A JP 9716495 A JP9716495 A JP 9716495A JP 9716495 A JP9716495 A JP 9716495A JP H08291237 A JPH08291237 A JP H08291237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
component
polypropylene
weight
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9716495A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takenouchi
浩 竹之内
Junichiro Washiyama
潤一郎 鷲山
Takayuki Beppu
隆幸 別府
Hiroyuki Maeda
宏之 前田
Yoshimi Shimizu
良美 清水
Yoshihiro Mogi
義博 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP9716495A priority Critical patent/JPH08291237A/ja
Publication of JPH08291237A publication Critical patent/JPH08291237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高い耐熱性と剛性および優れた低
温耐衝撃性を有する、物性バランスに優れたポリプロピ
レン系樹脂組成物を提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも(A) ポリプロピレン50〜90重
量%、(B) 分子の両末端がポリスチレンであり、中央部
分がエチレンとα−オレフィンの共重合体であるスチレ
ン系飽和トリブロック共重合体1〜35重量%、(C) 分
子の両末端がポリスチレンであり、中央部分が炭素−炭
素二重結合を含んだ重合体であるスチレン系不飽和トリ
ブロック共重合体1〜35重量%、(D) 水素原子と結合
したケイ素原子、および、炭素−炭素二重結合を持つ基
と結合したケイ素原子を有しているポリオルガノシロキ
サン1〜30重量%からなるポリプロピレン系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温耐衝撃性、剛性に優
れると共に、高い耐熱性を有し、各種工業用部材、食
品、医療分野などの素材として、幅広く用いることがで
きるポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、機械的強度、成形
性、耐薬品性などに優れており、事務用機器、音響用機
器、家庭用電化製品をはじめとして各種機器の筐体や外
装材など工業用部材として広く使用されている。さら
に、衛生性にも優れるため、食品容器や医療用器具など
の用途にも利用されている。これらの分野において使用
されているポリプロピレンとしては、ポリプロピレンと
エチレン−プロピレンゴムとのブレンド(特公昭60−
3420号)や、ポリプロピレンとエチレン−プロピレ
ンゴムとエチレン−ブテンゴムとのブレンドポリマー
(特開平4−372637号)などが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリプロピレ
ンとエチレン−プロピレンゴムとのブレンドポリマーか
らなる材料では、耐衝撃性は十分なものの剛性や特に耐
熱性が十分ではなく、一方、ポリプロピレンとエチレン
−プロピレンゴムとエチレン−ブテンゴムとのブレンド
ポリマーから成る材料では、剛性に関しては改良されて
いるものの、低温時の耐衝撃性が低いといった欠点を有
していた。
【0004】本発明は、こうした不具合を解決するため
に、高い剛性を有し、かつ優れた低温耐衝撃性を有す
る、物性バランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物
を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(A) ポリプ
ロピレン(以下、(A) 成分という)50〜90重量%、
(B) 分子の両末端がポリスチレンであり、中央部分がエ
チレンとα−オレフィンの共重合体であるスチレン系飽
和トリブロック共重合体(以下、(B) 成分という)1〜
35重量%、(C) 分子の両末端がポリスチレンであり、
中央部分が炭素−炭素二重結合を含んだ重合体であるス
チレン系不飽和トリブロック共重合体(以下、(C) 成分
という)1〜35重量%、(D) 水素原子と結合したケイ
素原子、および、炭素−炭素二重結合を持つ基と結合し
たケイ素原子を有しているポリオルガノシロキサン(以
下、(D) 成分という)1〜30重量%からなるポリプロ
ピレン系樹脂組成物により解決される。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0006】(A) ポリプロピレン 本発明において使用されるポリプロピレンとしては、プ
ロピレンの単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共
重合体のいずれか、あるいはこれらの2以上を組み合わ
せて使用することができる。ブロック共重合体、ランダ
ム共重合体のコモノマーとしては、エチレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1等のプロピレン以外の
α−オレフィン類が用いられるが、なかでもエチレンが
特に好ましい。これらの共重合体中のプロピレン含量は
60〜100モル%が好ましく、80〜99モル%が特
に好ましい。α−オレフィンとしてエチレンを用いたブ
ロック共重合体にあっては、分子内のエチレン−プロピ
レンブロックがホモポリプロピレンブロックに分散して
ゴム弾性を示し、ゴム成分として機能する。このゴム成
分の含量としては、ブロック共重合体の10〜25重量
%が好ましい。
【0007】ポリプロピレンのメルトフローレート(J
IS K6758により測定され、以下、MFRという
こともある)は、5〜100g/10分が好ましい。M
FRが5g/10分未満では、得られる樹脂組成物の流
動性が劣り、成形性が悪化する。MFRが100g/1
0分を超えると樹脂組成物の耐衝撃性が劣る。 これら
のポリプロピレンは、MFRが低いものを有機過酸化物
とともに混練してビスブレイクし、MFRを上記範囲内
としたものであってもよい。
【0008】(B) スチレン系飽和トリブロック共重合体 本発明において使用されるスチレン系飽和トリブロック
共重合体(以下、飽和トリブロック共重合体ということ
もある)は、分子の中央部分にエチレンとα−オレフィ
ンのランダムまたは交互共重合体ブロック(以下、エチ
レン/α−オレフィンブロックということもある)が位
置し、その両方の側にポリスチレンブロックが位置する
重合体単独かそれらの混合物である。ここでいうα−オ
レフィンとは、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテ
ン−1などが挙げられる。一般的には、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンの重合体や、スチレン−イソプレン−
スチレンの重合体等を水添することにより製造できる。
この飽和トリブロック共重合体分子中の両端に位置する
ポリスチレンブロックと中央に位置するエチレン/α−
オレフィンブロックとの結合部分においては、各成分が
明瞭に別れていなくてもよく、スチレンとエチレン/α
−オレフィンの各成分が、互いに混ざり合った部分が存
在していてもよく、各成分濃度が一方のブロックの成分
から徐々に他方のブロックの成分へと変化していく、い
わゆるテーパード・タイプであってもよい。この飽和ト
リブロック共重合体中のポリスチレンブロックの含有量
は10〜70重量%であることが好ましい。ポリスチレ
ンブロックの含有量が10重量%未満であると得られる
ポリプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性および剛性が低
下し、70重量%を超えるとポリプロピレン系樹脂組成
物の耐衝撃性および流動性が低下する。
【0009】飽和トリブロック共重合体のMFRは、
0.5〜100g/10分が好ましく、5〜50g/1
0分がさらに好ましい。MFRが0.5g/10分未満
では、得られる樹脂組成物の流動性が劣り、成形性が悪
化し、100g/10分を超えると樹脂組成物の耐衝撃
性が劣る。
【0010】また、飽和トリブロック共重合体の中央部
分に位置するエチレンとα−オレフィンのランダムまた
は交互共重合体ブロック中のα−オレフィンの含量は、
5〜60モル%が好ましい。ブテン、プロピレンの含量
が、この範囲外であると(B)飽和トリブロック共重合体
と(A) ポリプロピレンとの相容性が悪化して得られるポ
リプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、さら
に、60モル%を超えた場合にはポリプロピレン系樹脂
組成物の耐熱性が低下する。
【0011】(C) スチレン系不飽和トリブロック共重合
体 本発明において使用されるスチレン系不飽和トリブロッ
ク共重合体(以下、不飽和トリブロック共重合体という
こともある)は、分子の中央部分に炭素−炭素二重結合
を含んだ重合体ブロックが位置し、その両方の側にポリ
スチレンブロックが位置するものである。ここでいう中
央部分には、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン等の共役二重結合化合物の単独または共重合体を
用いることができる。この不飽和トリブロック共重合体
分子中の両端に位置するポリスチレンブロックと中央に
位置する炭素−炭素二重結合を含んだ重合体ブロックと
の結合部分においては、各成分が明瞭に別れていなくて
もよく、スチレンと炭素−炭素二重結合を含んだ重合体
の各成分が、互いに混ざり合った部分が存在していても
よく、各成分濃度が一方のブロックの成分から徐々に他
方のブロックの成分へと変化していく、いわゆるテーパ
ード・タイプであってもよい。この不飽和トリブロック
共重合体中のポリスチレンブロックの含有量は5〜80
重量%である。ポリスチレンブロックの含有量が5重量
%未満であると(C) 不飽和トリブロック共重合体と(B)
飽和トリブロック共重合体との相容性が悪化して得られ
るポリプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、8
0重量%を超えるとポリプロピレン系樹脂組成物の低温
耐衝撃性および流動性が低下する。
【0012】また、不飽和トリブロック共重合体の中央
部分に位置する炭素−炭素二重結合を含んだ重合体ブロ
ックは、部分的に水添されていてもよい。
【0013】不飽和トリブロック共重合体のMFRは、
0.5〜100g/10分が好ましく、1〜50g/1
0分がさらに好ましい。MFRが0.5g/10分未満
では、得られる樹脂組成物の流動性が劣り、成形性が悪
化し、MFRが100g/10分を超えると樹脂組成物
の耐衝撃性が劣る。
【0014】(D) ポリオルガノシロキサン 本発明に用いられるポリオルガノシロキサンは、水素原
子と結合したケイ素原子、および、炭素−炭素二重結合
を持つ基と結合したケイ素原子を有しているもので、そ
の繰り返し単位の数(重合度)は、10〜50000の
範囲のものである。具体的には一つの分子内に、水素原
子と結合したケイ素原子を1つ以上有し、かつ炭素−炭
素二重結合を持つ基と結合したケイ素原子を1つ以上有
しているポリオルガノシロキサン(以下、ポリシロキサ
ンAと呼ぶこともある)であるか、または一つの分子内
に、水素原子と結合したケイ素原子を2つ以上有してい
るポリオルガノシロキサンと炭素−炭素二重結合を持つ
基と結合したケイ素原子を2つ以上有しているポリオル
ガノシロキサンの混合物(以下、ポリシロキサンBと呼
ぶこともある)であるか、ポリシロキサンAとポリシロ
キサンBの混合物であってもよい。
【0015】ポリオルガノシロキサン中の水素原子と結
合したケイ素原子に対する炭素−炭素二重結合を持つ基
と結合したケイ素原子の割合は0.1〜1.3であるこ
とが好ましい。この比が1.3よりも大きいと残存する
炭素−炭素二重結合を持つ基により得られるポリプロピ
レン系樹脂組成物の耐熱性が低下し、0.1よりも小さ
いとポリプロピレン系樹脂組成物の製造中または、得ら
れた樹脂組成物の成型中に発泡しやすい。
【0016】ポリオルガノシロキサンは、直鎖状であっ
ても分岐状であってもよく、またこれらの混合物として
も用いることができる。この場合の炭素−炭素二重結合
を持つ基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1‐
ブテニル基などを挙げることができるが、合成の容易さ
などからビニル基が最も好ましい。また、ポリオルガノ
シロキサンの分子中において前記ケイ素原子と結合した
水素原子および炭素−炭素二重結合を持つ基を除くケイ
素原子と結合した有機基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基、フェ
ニル基などのアリール基、β−フェニルエチル基、β−
フェニルプロピル基などのアラルキル基などの非置換の
炭化水素基、及びクロロメチル基、シアノエチル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水
素基などが挙げられる。これらの中でも合成の容易さ及
び得られるポリプロピレン系樹脂組成物が良好な物理的
性質の点からメチル基が好ましく、また、低温耐衝撃性
を良好にするために、これら有機基のうちの10モル%
以下がフェニル基であることが更に好ましい。
【0017】ポリオルガノシロキサンは、25℃におけ
る粘度が、好ましくは1〜1000P、さらに好ましく
は3〜50Pのものである。粘度が高過ぎると組成物中
に均一に混合することが困難になり、低過ぎると得られ
るポリプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性が低下する。
【0018】さらに本発明に用いるポリオルガノシロキ
サンには、(D) ポリオルガノシロキサン中のケイ素原子
と結合した水素原子とケイ素原子と結合した炭素−炭素
二重結合を持つ基および(C) 不飽和トリブロック共重合
体中の炭素−炭素二重結合との反応を促進させるめに使
用される付加反応用触媒を添加してあってもよい。例え
ば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性溶液、塩
化白金酸とオレフィン類またはビニルシロキサンとの配
位化合物などの白金系化合物、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ロジウムなどが挙げられ、白金系の化合
物が好ましい。
【0019】また前記付加反応触媒の他に従来既知の反
応抑制剤、例えばポリメチルビニルシロキサン環式化合
物、アセチレン化合物、有機燐化合物などや、いわゆる
シリコーンゴム硬化促進剤、シリコーンゴム硬化抑制剤
等を添加して、(D) 成分と(C) 成分との反応を制御する
こともできる。
【0020】このようなポリオルガノシロキサンとして
は、例えば、一般に変性シリコーンオイルと称されるも
のや、付加反応型シリコーン接着材、付加反応型シリコ
ーンゲル、付加反応型シリコーンRTVゴムなどが挙げ
られる。
【0021】(組成割合)本発明のポリプロピレン系樹
脂組成物中に占める(A) 成分の割合は50〜90重量%
である。(A) 成分の割合が50重量%未満では耐熱性が
低下し、90重量%を超えると耐衝撃性が低下する。一
方、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物中に占める
(B) 成分の割合は1〜35重量%であり、2〜15重量
%が好ましい。該樹脂組成物中に占める(B) 成分の組成
割合が1重量%未満では得られるポリプロピレン系樹脂
組成物の耐衝撃性が低下し、35重量%を超えると耐熱
性と剛性(曲げ弾性率)が悪くなる。同様に、本発明の
ポリプロピレン系樹脂組成物中に占める(C) 成分の割合
は1〜35重量%であり、好ましくは2〜15重量%で
ある。該樹脂組成物中に占める(C) 成分の組成割合が1
重量%未満では得られるポリプロピレン系樹脂組成物の
耐衝撃性が低下し、35重量%を超えると耐熱性と剛性
(曲げ弾性率)が悪くなる。
【0022】さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物中に占める(D) 成分の割合は1〜30重量%であ
り、好ましくは2〜15重量%である。該樹脂組成物中
に占める(D) 成分の組成割合が1重量%未満では得られ
るポリプロピレン系樹脂組成物の低温耐衝撃性が低下
し、30重量%を超えると耐熱性と剛性(曲げ弾性率)
が悪くなるばかりでなく、耐衝撃性も低下する。
【0023】また、本発明における付加反応触媒の含有
量は、(D) 成分ポリオルガノシロキサンに対して、0.
1〜10000重量ppmであることが好ましく、3〜
100重量ppmがさらに好ましい。10000重量p
pmを超えると熱劣化などによる変色などが生じ、0.
1重量ppm未満では触媒としての効果がでず、耐衝撃
性が低下する。
【0024】また、(A) 成分中のゴム成分と(B) 成分、
(C) 成分、(D) 成分との合計量(以下、全ゴム成分とい
うこともある)は、ポリプロピレン系樹脂組成物全体の
5〜50重量%が好ましい。全ゴム成分のポリプロピレ
ン系樹脂組成物全体に対する含有量が5重量%未満であ
ると得られるポリプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性が
低下し、50重量%を超えると耐熱性が低下する。
【0025】(ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方
法)本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を製造するに
あたり、合成樹脂および合成ゴムの分野において広く利
用されている熱、酸素および光に対する安定剤、難燃
剤、充填剤、着色剤、滑剤、可塑剤ならびに帯電防止剤
のごとき添加剤或いはポリエチレン系重合体,ポリ4−
メチル−1−ペンテン重合体,ポリスチレン,ポリブタ
ジエン或いはポリイソプレンのスチレングラフト重合
体,ポリエステル,ポリアミド,ポリカーボネート等の
高分子重合体物を使用目的に応じて本発明のポリプロピ
レン系樹脂組成物の特性を本質的に損なわない範囲で添
加してもよい。
【0026】さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物は、前記付加反応触媒、反応抑制剤、シリコーンゴ
ム硬化促進剤、シリコーンゴム硬化抑制剤等を(D) ポリ
オルガノシロキサンとは別に添加して、(D) 成分と(C)
成分との反応を制御することもできる。
【0027】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は前
記の(A) 、(B) 、(C) 、(D) 各成分、付加反応触媒、添
加剤を均一に配合させることによって目的を達成するこ
とができる。その配合方法(混合方法)については特に
制限はなく、合成樹脂の分野において一般に行われてい
る方法を適用すればよい。混合方法としては、一般に行
われているヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンミ
キサーのごとき混合機を使用してドライブレンドする方
法ならびにオープンロール、押出混合機、ニーダー、バ
ンバリーのごとき混合機を用いて溶融させながら混合さ
せる方法があげられる。これらの方法のうち、一層均一
な樹脂組成物を得るにはこれらの混合方法を二種以上併
用させるとよい(例えば、あらかじめドライブレンドさ
せた後、その混合物を溶融混合させる)。ドライブレン
ドを併用する場合でも、溶融混合させる方法を一種また
は二種以上併用する場合でも、後記の成形方法によって
成形物を製造するにあたり、ペレタイザーを使用してペ
レットに製造して用いることが特に好ましい。
【0028】以上の混合方法のうち、溶融混合させる場
合でも、後記の成形方法によって成形する場合でも、使
用される樹脂が溶融する温度で実施しなければならな
い。しかし、高い温度で実施すると樹脂が熱分解や劣化
を起こすため、一般には150〜350℃(好ましく
は、170〜250℃)で実施される。
【0029】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は合
成樹脂の分野で一般に実施されている射出成形法、押出
成形法、圧縮成形法および中空成形法のごとき成形方法
を適用して所望の形状に成形させてもよい。また、押出
成形機を用いてシート状に成形した後、このシートを真
空成形法、圧空成形法などの二次加工方法によって所望
の形状に成形させてもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例、比較例によって本発明をさら
に詳しく説明する。なお、以下に示す実施例および比較
例において、各物性は次の方法により測定した。アイゾ
ット衝撃強度(IZOD)はASTM D265 に準じ、−30
℃の温度においてノッチ付きで測定した。熱変形温度
(HDT)はASTM D648 に従い66psi の荷重の下で測定
した。曲げ弾性率はASTM D790 に従い、23℃の温度に
おいて測定した。
【0031】また、実施例および比較例において使用し
た(A) 、(B) 、(C) 、(D) 各成分の種類および物性は以
下の通りである。
【0032】(A) ポリプロピレン(PP) ポリプロピレンとしては、昭和電工(株)製のMFR3
0g/10分のホモタイプのポリプロピレンMA810
B(PP−1)、MFR40g/10分、ゴム含量18
重量%のブロックタイプのポリプロピレンMK712H
(PP−2)を用いた。
【0033】(B) 飽和トリブロック共重合体および(C)
不飽和トリブロック共重合体 飽和トリブロック共重合体および不飽和トリブロック共
重合体(以下TBC1およびTBC2と略す。)は表1
のものを用いた。
【0034】
【表1】
【0035】(D) ポリオルガノシロキサン ポリオルガノシロキサンとしては、ケイ素原子と結合し
た炭素−炭素二重結合を持つ基とケイ素原子と結合した
水素原子とが加熱によって反応し、架橋・ゲル化する、
未反応状態の25℃における粘度が7Pである付加反応
型シリコーンゲル信越化学工業(株)製KE1055
(POS−1)と未反応状態の25℃における粘度が3
5Pである付加反応型シリコーン接着材信越化学工業
(株)製KE1842(POS−2)を用いた。
【0036】また、比較として(B) 、(C) 、(D) 各成分
に代えて、エチレン/プロピレンゴム(極限粘度[η]
=2.5dl/g、プロピレン含量25重量%、以下E
PRという)、エチレン/ブテンゴム(極限粘度[η]
=3.5dl/g、ブテン含量15重量%、以下、EB
Rという)を用いた。
【0037】これらの各成分を表2に示す割合で配合
し、ヘンシェルミキサーにより5分間ドライブレンドを
行った。得られた混合物を200℃に設定された同方向
二軸押出機(径30mm)を用いて混練してペレットを製
造した。このペレットを230℃に設定された射出成形
機を用いて射出成形を行い、測定用の試験片を作成し
た。 各試験片のアイゾット衝撃試験、曲げ弾性率およ
び引張り伸びの結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】(実施例1)表2の実施例1は、(A) 成分
としてホモタイプのポリプロピレンMA810B(PP
−1)と(B) 成分として中央部分がエチレン/ブテンラ
ンダム共重合体であるTBC1−1、(C) 成分として中
央部分がポリブタジエンであるTBC2−1、(D) 成分
として付加反応型シリコーンゲルであるPOS−1をそ
れぞれ80重量%、8重量%、6重量%、6重量%の割
合で配合して得られた本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物である。実施例1は、低温耐衝撃性、剛性、耐熱性
に優れ、特に耐衝撃性が良好であった。
【0040】(比較例1,2)実施例1に対して比較例
1および2は、従来技術として知られているポリプロピ
レンとエチレン−プロピレンゴムとの組合せ、ポリプロ
ピレンとエチレン−ブテンゴムとの組合せで、全ゴム成
分量を実施例1と同じくして得られたポリプロピレン系
樹脂組成物であり、低温耐衝撃性、剛性、耐熱性がバラ
ンスが悪く、特に低温耐衝撃性が不良であった。
【0041】(実施例2〜6)さらに実施例1に対し
て、(A) ,(B) ,(C) ,(D) 各成分の組成割合、種類を
表2に示すように変えたポリプロピレン系樹脂組成物も
低温耐衝撃性、剛性、耐熱性に優れ、特に耐衝撃性が良
好であった。
【0042】(比較例3、4)なおポリプロピレン系樹
脂組成物の組成割合、構造、種類が本発明の範囲を外れ
る比較例3、4の場合は、得られる樹脂組成物の物性が
悪かった。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は
下記の効果を発揮する。 (1)低温耐衝撃性が優れている。 (2)耐熱性が優れている。 (3)剛性が高い。 本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は上記のごとき効
果を発揮するために、各種工業用部材から食品、医療分
野などに至るまでの素材として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 宏之 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 清水 良美 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 茂木 義博 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリプロピレン(以下、(A) 成分と
    いう)50〜90重量%、(B) 分子の両末端がポリスチ
    レンであり、中央部分がエチレンとα−オレフィンの共
    重合体であるスチレン系飽和トリブロック共重合体(以
    下、(B) 成分という)1〜35重量%、(C) 分子の両末
    端がポリスチレンであり、中央部分が炭素−炭素二重結
    合を含んだ重合体であるスチレン系不飽和トリブロック
    共重合体(以下、(C) 成分という)1〜35重量%、
    (D) 水素原子と結合したケイ素原子、および、炭素−炭
    素二重結合を持つ基と結合したケイ素原子を有している
    ポリオルガノシロキサン(以下、(D) 成分という)1〜
    30重量%からなるポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A) 成分中のゴム成分と(B) 成分、(C)
    成分、(D) 成分との合計量が組成物中の5〜50重量%
    であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン
    系樹脂組成物。
JP9716495A 1995-04-21 1995-04-21 ポリプロピレン系樹脂組成物 Pending JPH08291237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9716495A JPH08291237A (ja) 1995-04-21 1995-04-21 ポリプロピレン系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9716495A JPH08291237A (ja) 1995-04-21 1995-04-21 ポリプロピレン系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08291237A true JPH08291237A (ja) 1996-11-05

Family

ID=14184941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9716495A Pending JPH08291237A (ja) 1995-04-21 1995-04-21 ポリプロピレン系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08291237A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000043447A1 (fr) * 1999-01-22 2000-07-27 Sumitomo Bakelite Company, Limited Composition elastomere thermoplastique
JP2007254591A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Kaneka Corp 熱可塑性エラストマー組成物
CN104877231A (zh) * 2015-03-26 2015-09-02 苏州市德莱尔建材科技有限公司 一种耐低温冲击pp及其制备方法
KR20170078756A (ko) * 2014-11-21 2017-07-07 뮐티바스 에스아 열가소성 실리콘 탄성중합체

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000043447A1 (fr) * 1999-01-22 2000-07-27 Sumitomo Bakelite Company, Limited Composition elastomere thermoplastique
JP2007254591A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Kaneka Corp 熱可塑性エラストマー組成物
KR20170078756A (ko) * 2014-11-21 2017-07-07 뮐티바스 에스아 열가소성 실리콘 탄성중합체
CN104877231A (zh) * 2015-03-26 2015-09-02 苏州市德莱尔建材科技有限公司 一种耐低温冲击pp及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6014594B2 (ja) 架橋組成物、架橋組成物の製造方法、及び成形体
CN106459520B (zh) 具有改进的隔振性和耐热性的热塑性弹性体组合物以及由此制造的模制物品
AU598808B2 (en) Thermoplastic elastomer composition
CA2144586A1 (en) Reformed polypropylene resin composition and a method of preparing the same
JPH08291237A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH08291238A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH11130914A (ja) ゴム組成物
JPH1060197A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP3536556B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0987483A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2003003038A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
JP3598429B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH06212035A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH09316287A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH1060195A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH05230322A (ja) 水添ブロック共重合体組成物
JPH1095882A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH08302095A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP4011170B2 (ja) 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体
JP2001172499A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH08302100A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2004189922A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物前駆体、組成物、及びその製造方法
JP3413534B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形物
JPH04202460A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JPS62260846A (ja) 成形用エラストマ−状組成物