JPH082822Y2

JPH082822Y2 - ピンチローラ装置

Info

Publication number: JPH082822Y2
Application number: JP1990006712U
Authority: JP
Inventors: 宏志桐山; 茂増田
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1990-01-26
Filing date: 1990-01-26
Publication date: 1996-01-29
Anticipated expiration: 2005-01-26
Also published as: JPH0398728U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、例えばデータレコーダやVTR等の記録再生
装置に適用され、圧着アームを用いて、ピンチローラで
磁気テープをキヤプスタンに圧着するピンチローラ装置
に関するものである。

〔考案の概要〕

本考案は、ローデイングアームに支軸を介して回転自
在に取付けられたピンチローラアームにピンチローラ軸
を介してピンチローラを回転自在に取付け、圧着アーム
の上下一対の圧着面によつてピンチローラ軸の上下両端
近傍を側方から押圧することにより、ピンチローラ軸の
外周のピンチローラで磁気テープをキヤプスタンに圧着
するピンチローラ装置において、ピンチローラアームを
支軸の外周に遊びを有する状態で回転自在に取付けると
共に、このピンチローラアームをローデイングアームに
ばねの弾性力で圧着させて、ピンチローラをキャプスタ
ンに対して平行に保持させることにより、キヤプスタン
への磁気テープの圧着直後から磁気テープを正常に走行
させることができるようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来から、カセツト式のデータレコーダやVTR等の記
録再生装置におけるピンチローラ装置として、例えば
（実開昭62-190934号公報）に見られるように、第４図
〜第６図に示したものがある。

この従来のピンチローラ装置は、水平なシヤーシ１上
に垂直に設けられたキヤプスタン２の側面に磁気テープ
３をピンチローラ４によつて圧着して、キヤプスタン２
によつて磁気テープ３を走行駆動するものであり、ピン
チローラ４は圧着アーム５によつてキヤプスタン２に圧
着される。

そして、シヤーシ１上に垂直な回転軸６を介して回転
自在に取付けた水平なローデイングアーム７の先端上
に、垂直な支軸８を介して水平なピンチローラアーム９
が回転自在に取付けられ、ピンチローラアーム９の先端
上に垂直に取付けられたピンチローラ軸10の外周にピン
チローラ４が上下一対のベアリング11を介して回転自在
に取付けられている。なお、ピンチローラ軸10の上下両
端近傍の外周に固着された上下一対の円板12がピンチロ
ーラ４の上下に配置されている。また、ピンチローラア
ーム９上で支軸８の外周にローデイングガイド13が回転
自在に取付けられている。そして、ピンチローラ軸10の
下端10aがピンチローラアーム９に設けられたバカ孔14
内に遊嵌され、上下一対のワツシヤー15等にて支持され
ている。

また、圧着アーム５はシヤーシ１上に垂直な支点軸17
を介して回転自在に取付けられ、圧着アーム５の側面に
はアジマス調整部材18を介して圧着部材19が取付けられ
ている。なお、圧着部材19はほぼコ字状をなし、上下一
対の水平片19aの先端面に上下一対のＶ形圧着面20が設
けられている。そして、圧着部材19の垂直片19bがアジ
マス調整部材18にアオリ方向Ａの自動調心用の水平な支
点軸21を介して回転自在に取付けられ、アジマス調整部
材18が圧着アーム５にアジマス方向Ｂの水平な支点軸22
を介して回転自在に取付けられ、かつ、一対の固定用ね
じ23で固定されるように構成されている。なお、シヤー
シ１上には圧着アーム５を回転駆動する電磁装置等の駆
動手段24やローデイングアーム７の回転ストツパー25等
が設けられている。

次に、動作について説明する。

記録再生装置にカセツト（図示せず）が装着される
と、ローデイングアーム７が駆動手段（図示せず）によ
つて回転軸６を中心に第４図で１点鎖線の位置から実線
の位置まで矢印ａ方向に回転され、ストツパー25に当接
されて停止される。この時、ローデイングアーム７の支
軸８によつて第４図で１点鎖線の位置から実線の位置ま
で移動されるピンチローラアーム９上の先行するローデ
イングガイド13によつて、カセツト内の磁気テープ３が
第４図に示すようにキヤプスタン２にローデイングされ
る位置まで引出されると共に、ピンチローラ４がキヤプ
スタン２と第４図に１点鎖線で示す位置にある圧着部材
19との間へ移動される。この磁気テープ３のローデイン
グ後に、駆動手段24によつて圧着アーム５が支点軸17を
中心に第４図で１点鎖線の位置から実線の位置まで矢印
ｂ方向に回転駆動される。そして、圧着部材19の上下一
対のＶ形圧着面20がピンチローラ軸10の上下一対の円板
12の側面に矢印ｂ方向から係合されて、ピンチローラ軸
10の上下両端近傍が矢印ｂ方向に押圧され、ピンチロー
ラアーム９が支軸８を中心に矢印ｂ方向に回転されて、
ピンチローラ４で磁気テープ３がキヤプスタン２の側面
に圧着される。この際、キヤプスタン２は例えば矢印ｃ
方向に既に回転駆動されていて、キヤプスタン２に磁気
テープ３がピンチローラ４によつて圧着された瞬間か
ら、磁気テープ３がキヤプスタン２によつて例えば矢印
ｄ方向に走行駆動されて、所望の記録及び／又は再生が
行われる。

〔考案が解決しようとする課題〕

この従来のピンチローラ装置は、キヤプスタン２に対
するピンチローラ４のアオリ方向Ａの平行度は、圧着部
材19の支点軸21の周りのアオリ方向Ａの回転作用である
自動調心作用によつて行い、この自動調心作用が可能な
ように、ピンチローラ軸10の下端10aをピンチローラア
ーム９のバカ孔14内に遊嵌させている。

一方、キヤプスタン２に対するピンチローラ４のアジ
マス方向Ｂの平行度は、ピンチローラ軸10の上下一対の
円板12の側面に圧着部材19の上下一対のＶ形圧着面20を
係合させて、その上下一対のＶ形圧着面20でピンチロー
ラ軸10をキヤプスタン２と平行になるように矯正する機
能によつて行うが、このアジマス方向Ｂの平行度につい
ては、アジマス調整部材18によつて予め調整しておく必
要がある。

そして、このアジマス方向Ｂの調整は、アジマス調整
部材18によつて圧着部材19を圧着アーム５に対して支点
軸22を中心にアジマス方向Ｂに回転調整した後、アジマ
ス調整部材18を一対のねじ23で固定するが、圧着部材19
によつてピンチローラ４をキヤプスタン２に圧着させた
状態で作業しなければならず、その際、特殊な治具が必
要である。

しかも、圧着部材19の上下一対のＶ形圧着面20をピン
チローラ軸10の上下一対の円板12の側面に係合させた状
態で、ピンチローラ軸10の下端10aがピンチローラアー
ム９のバカ孔14内のほぼ中心に位置されるように、ロー
デイングアーム７のストツパー25による回転停止位置を
調整する必要があつて、このアジマス方向Ｂの調整作業
は非常に面倒であると言う問題点があつた。

また、ピンチローラ軸10の下端10aをピンチローラア
ーム９のバカ孔14内に遊嵌させているので、ピンチロー
ラ４がキヤプスタン２に対して傾き易い。一方、キヤプ
スタン２へのピンチローラ４の圧着時に、圧着部材19の
上下一対のＶ形圧着面20によつて、ピンチローラ軸10が
アジマス方向Ｂにおいてキヤプスタン２と平行になるよ
うに矯正される。従つて、例えば第７図及び第８図に実
線で示すように、ピンチローラ４がキヤプスタン２に対
してアジマス方向Ｂの一方向B₁に傾いたままでキヤプス
タン２に矢印ｂ方向から圧着されると、ピンチローラ４
が、キヤプスタン２に圧着されながら、圧着部材19の上
下一対のＶ形圧着面20によつて第７図及び第８図に１点
鎖線で示すキヤプスタン２と平行な位置までアジマス方
向Ｂの他方向B₂に捩られることになる。この結果、第８
図に１点鎖線に示すように、ピンチローラ４によつてキ
ヤプスタン２に圧着された磁気テープ３が矢印B₂方向に
不測に捩れてしまう。

そして、キヤプスタン２に磁気テープ３が圧着された
瞬間から、磁気テープ３がキヤプスタン２によつて矢印
ｄ方向に走行駆動されるが、上記のように、磁気テープ
３が捩れてキヤプスタン２に圧着されると、磁気テープ
３は矢印ｄ′方向に波を打ち、一定時間の間は磁気テー
プ３を正常に走行させることができなかつた。特に、最
近のデータレコーダ等では長時間記録の必要性から、使
用される磁気テープ３が非常に薄くて上記のように捩れ
易い上に、磁気テープ３を超低速で走行駆動しているた
めに、磁気テープ３の走行開始から、非常に長い時間に
亘つて磁気テープ３の走行が乱れてしまい、キヤプスタ
ンへの磁気テープの圧着後一定時間待たないと、正常な
記録及び／又は再生を行えないと言う問題点があつた。

本考案は、面倒な調整が一切不要であり、しかも、ピ
ンチローラをキヤプスタンに完全な平行状態に高精度に
圧着させることができるピンチローラ装置を提供するこ
とを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案のピンチローラ装
置は、上記ピンチローラ軸の下端を上記ピンチローラア
ームに固着させ、上記支軸の下端を上記ローデイングア
ームに固着させ、上記ピンチローラアームを上記支軸の
外周に遊びを有する状態で回転自在に取付けると共に、
このピンチローラアームを上記ローデイングアームにば
ねの弾性力で圧着させて、上記ピンチローラを上記キャ
プスタンに対して平行に保持するようにしたものであ
る。

〔作用〕

上記のように構成されたピンチローラ装置は、ピンチ
ローラ軸の下端をピンチローラアームに固着しているも
のの、ピンチローラアームをローデイングアームに固着
された支軸に対して遊びを有する状態で回転自在に取付
けているので、圧着アームによつてピンチローラをキヤ
プスタンを圧着する際の、例えば、キヤプスタンに対す
るピンチローラのアオリ方向の平行度を矯正するための
自由度を上記支軸に対するピンチローラアームの遊びで
許容させることができる。

しかもばねの弾性力により、ピンチローラをローデイ
ングアームに圧着させて、ピンチローラをキャプスタン
に対して平行に保持するようにしたので、例えば、キャ
プスタンに対するアジマス方向の平行度を上記ばねで保
ちながら、ピンチローラを圧着アームによってキャプス
タンに圧着させることができる。

したがって面倒な調整が一切不要であるにもかゝわら
ず、ピンチローラをキャプスタンに完全に平行な状態で
圧着させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案を適用したカセツト式のデータレコーダ
やVTR等の記録再生装置におけるピンチローラ装置の一
実施例を第１図〜第３図によつて説明する。なお、第４
図〜第８図に示した従来例と同一構造部には同一の符号
を付して重複説明を省略する。

ピンチローラ軸10の下端10aが水平なピンチローラア
ーム９に設けられた垂直な貫通孔27内に上方から圧入さ
れて垂直に固着されている。

支軸８の下端8aが水平なローデイングアーム７の先端
に垂直に設けられた貫通孔28内に上方から圧入されて垂
直に固着されている。ローデイングガイド13の下部で支
軸８の外周にスリーブ29が回転自在に挿入されていて、
このスリーブ29はワツシヤ30を介してローデイングアー
ム７上に載置され、このスリーブ29の上部はローデイン
グガイド13を下方から支持するワツシヤ31及び圧縮コイ
ルばね32等で押えられている。

ピンチローラアーム９の他端にスリーブ29の外径より
大きな直径を有するバカ孔33が設けられ、このバカ孔33
によつてピンチローラアーム９が支軸８の外周に上記直
径差相当分の遊び34を有する状態で回転自在に取付けら
れている。

スリーブ29の上端には抜止めリング35が止着され、こ
の抜止めリングの下方にはワツシヤ36が、又このワツシ
ヤの下方には上記スリーブ29の外周にばねである皿ばね
37がはめ込まれて、この皿ばね37はローデイングアーム
９のバカ孔33の外周部分の上面38を軸方向に沿つて下方
に押圧し、そのローデイングアーム９のバカ孔33の外周
部分の下面39をスリーブ29の下端外周に一体に設けられ
た水平なフランジ40上に押圧している。従つて、この皿
ばね37によつてピンチローラアーム９はローデイングア
ーム７に平行に保持され、ピンチローラアーム９に垂直
に固着されたピンチローラ軸10の外周のピンチローラ４
はキヤプスタン２と平行に保持されている。

次に、動作について説明する。

従来例と同様に、ローデイングアーム７を第２図で実
線の位置まで矢印ａ方向に回転させて、ストツパー25に
当接させて停止させた後に、矢印ｂ方向に回転駆動され
る圧着アーム５の圧着部材19の上下一対のＶ形圧着面20
でピンチローラ軸10の上下一対の円板12の側面を矢印ｂ
方向に押圧して、ピンチローラアーム９を支軸８を中心
に矢印ｂ方向に回転させて、ピンチローラ４で磁気テー
プ３をキヤプスタン２の側面に圧着する。

このピンチローラ装置によれば、ピンチローラ軸10の
下端10aをピンチローラアーム９に固着しているもの
の、ピンチローラアーム９をローデイングアーム７に固
着された支軸８に対して遊び34を有する状態で回転自在
に取付けている。従つて、圧着アーム５によつてピンチ
ローラ４をキヤプスタン２に圧着する際の、キヤプスタ
ン２に対するピンチローラ４のアオリ方向Ａの平行度を
矯正するための自由度を上記支軸８に対するピンチロー
ラアーム９の遊び34で許容させることができる。

一方、水平に延びるローデイングアーム７にピンチロ
ーラアーム９を皿ばねの弾性力で押着させ、このピンチ
ローラアームを水平に保持することによつて、ピンチロ
ーラ４をキヤプスタン２と平行に保持している。従つ
て、キヤプスタン２に対するピンチローラ４のアジマス
方向Ｂの平行度を上記皿ばね37によつて保持させた状態
で、圧着アーム５によつてピンチローラ４をキヤプスタ
ン２に圧着させることができる。

従つて、面倒な調整が一切不要であり、しかも、ピン
チローラ４をキヤプスタン２にアオリ方向Ａ及びアジマ
ス方向Ｂの両方向について完全な平行状態に高精度に圧
着させることができるので、ピンチローラ４がキヤプス
タン２に圧着されながら捩られて、そのピンチローラ４
によつて磁気テープ３が不測に捩られてキヤプスタン２
に圧着されることが全くない。故に、磁気テープ３をキ
ヤプスタン２に対して直交する状態に正しく圧着するこ
とができて、その磁気テープ３の圧着直後から、磁気テ
ープ３を正常に走行させることができて、その磁気テー
プ３の圧着と同時に、正常な記録及び／又は再生を行う
ことができる。

以上、本考案の実施例に付き述べたが、本考案は上記
実施例に限定されることなく、本考案の技術的思想に基
づいて、各種の有効な変更が可能である。

例えば、上記実施例では、皿ばね37によつて、ピンチ
ローラアーム９をローデイングアーム７に圧着させた
が、この皿ばね37を圧縮コイルばねやその他の各種のば
ねに置換することが可能である。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

面倒な調整が一切不要であり、しかも、ピンチローラ
をキヤプスタンに完全な平行状態に高精度に圧着させる
ことができるようにしたので、キヤプスタンに圧着され
た磁気テープが不測に捩れてしまうような不都合が全く
発生せず、使用される磁気テープが非常に薄く、磁気テ
ープを超低速で走行駆動するデータレコーダ等であつて
も、キヤプスタンへの磁気テープの圧着直後から、磁気
テープを正常に走行させることができる。従つて、キヤ
プスタンへの磁気テープの圧着と同時に、正常な記録及
び／又は再生を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示したものであつ
て、第１図は要部の一部切欠き側面図、第２図は要部の
一部切欠き平面図、第３図は第２図のIII-III矢視での
側面図である。第４図は従来例の平面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ矢視
での側面図、第６図は第４図のVI-VI矢視での側面図、
第７図及び第８図は圧着時のテープの捩れを説明する平
面図及び側面図である。また、図面に用いられている符号において、２……キヤプスタン３……磁気テープ４……ピンチローラ５……圧着アーム７……ローデイングアーム８……支軸 8a……支軸の下端９……ピンチローラアーム 10……ピンチローラ軸 10a……ピンチローラ軸の下端 19……圧着部材 33……バカ孔 34……遊び 37……皿ばね（ばね）である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ローディングアームと、そのローディング
アーム上に取付けられた支軸と、その支軸の外周に回転
自在に取付けられたピンチローラアームと、そのピンチ
ローラアーム上に取付けられたピンチローラ軸と、その
ピンチローラ軸の外周に回転自在に取付けられたピンチ
ローラと、キャプスタンと、磁気テープと、上下一対の
圧着面を有する圧着アームとを具備し、上記圧着アームの上下一対の圧着面で上記ピンチローラ
軸の上下両端近傍を側方から押圧することにより、上記
ピンチローラで上記磁気テープを上記キャプスタンに圧
着するピンチローラ装置において、上記ピンチローラ軸の下端を上記ピンチローラアームに
固着させ、上記支軸の下端を上記ローディングアームに固着させ、上記ピンチローラアームを上記支軸の外周に遊びを有す
る状態で回転自在に取付けると共に、このピンチローラアームを上記ローディングアームにば
ねの弾性力で圧着させて、上記ピンチローラを上記キャ
プスタンに対して平行に保持したことを特徴とするピン
チローラ装置。