JPH067475Y2 - ディスククランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はディスククランプ装置に係り、特にコンパクト
ディスクプレーヤにおいて、ディスクを回転させるター
ンテーブルをディスクのレーベル面に対向するように配
し、ディスク記録面の中央にディスクを保持するクラン
パを配した構成のディスククランプ装置に係る。

従来の技術 従来のコンパクトディスクプレーヤは第７図に示すよう
なディスククランプ装置を備えているものが多かった。
図中、１はターンテーブル、２はディスククランパ、３
はコンパクトディスク、４は光学ピックアップを示す。

ターンテーブル１はモータ５のスピンドル６に固定して
あり、クランパ２はクランプアーム７の先端に回転可能
に支持されている。ディスク３に対して、ターンテーブ
ル１はピックアップ４と同じく下側、クランパ２は上側
に位置している。

ディスク３は信号記録面８を下面、レーベル面９を上面
とした向きで、ターンテーブル１上にクランパ２により
クランプされて矢印Ａ方向に回転される。ピックアップ
４はガイドレール１０に沿って矢印Ｂ方向に移動して、
ディスク３上に記録された信号を読み取る。

しかし、上記のようなディスククランプ装置ではディス
ク３は信号記録面８をターンテーブル１に当接させてク
ランプされていて、信号記録面８に対向するピックアッ
プ４はディスク３の内周部分に対向する位置まで移動す
るため、ターンテーブル１の最大外径ｄ_１は約３０mmと
制約される。このため、ディスク３は中心孔の周囲の限
られた狭い部分だけで支持されていることになる。

一方、ディスク３はその構造上、反り、及びたわみが生
じ易く、反り量ａは実際には数百ミクロンである。

したがって、従来はターンテーブル１の径ｄ_１が制約さ
れており、ディスク３の周縁部を係止することができな
いため、上記の反りを矯正することは出来ない。このた
め、この反り等により、特に外周近傍を再生するとき
に、ピックアップ４のレーザビームの光軸と所望のトラ
ック位置とが正対せず、スキュー誤差及び合焦点ずれが
発生し、再生特性が悪影響を受けることがあるという問
題点があった。

そこで、本出願人は上記問題点を改善するため、先に実
願昭６２−６８９４７号において、第５図、第６図に示
すような装置を提案した。この装置は第５図、第６図に
示すようにディスクトレイ１５に載置されたディスク３
を下方よりクランパ１３をターンテーブル１１に設けら
れたマグネット１１ａ，１１ｂに吸着させ、クランパ１
３と、ターンテーブル１１とでディスク３を挟持させる
構成であり、このときディスク３はレーベル面９がター
ンテーブル１１と密着し、記録面８は光学ピックアップ
１６と対向していて、ターンテーブル１１はその上方に
配設されたモータ１２により回転する。また、クランパ
１３はディスク３を載置したディスクトレイ１５が矢印
Ｃ_２方向に移動する際、じゃまにならないようディスク
トレイ１５の下方に収納されている。クランパ１３はク
ランプアーム駆動装置１４によりクランプアーム１４ａ
を矢印Ｄ_２方向に回動させることによってディスク３を
上昇させ、ターンテーブル１１に保持される。また、ク
ランプ解除時は矢印Ｄ_１方向にクランプアーム１４ａを
回動させて、クランパ１３を降下させ、ディスク３をデ
ィスクトレイ１５に載置させる。

なお、ディスク３の取り出し、交換等は外部からの操作
により、ディスクトレイ１５を矢印Ｃ_１方向に移動さ
せ、ディスクトレイ１５を装置外部に突出させて行なわ
れる。

考案が解決しようとする問題点 しかるに、従来のターンテーブルをディスクのレーベル
面、上側に設けた構成のディスククランプ装置はディス
ク３はディスク３の下方からディスククランパ１３によ
って、上方に移動され、ターンテーブル１１に当接さ
れ、ディスク３の中心孔をターンテーブル１１に設けら
れた凸部と嵌合させてディスク３の心出しが行なわれて
いたため、使用者が誤った操作をしたり、外部からの衝
撃等により、ディスク３がディスク装着用トレイ１５に
正しく装着されないまま、ディスククランプ機構１４が
動作し、ディスククランパ１３が上昇し、ディスク３が
トレイ１５より持ち上げられた場合、ディスク３の中心
孔がターンテーブル１１の中心部に設けられた凸部（心
出し部材）と嵌合せず、そのずれが限度以上にずれた場
合、ミスクランプ、又は、ディスクの損傷を招く等の問
題点があった。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、ミスクラン
プやディスクの損傷なしにディスクをクランプできるデ
ィスククランプ装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案は、ディスクをクランパとターンテーブルとによ
り該ディスクの回転中心と該ターンテーブルの回転軸と
を一致させつつ挟持して、該ディスクを該ターンテーブ
ルに保持するディスククランプ装置において、 前記ディスクに向って外径が小さくなる傾斜を有し、前
記ターンテーブルの回転軸に該回転軸方向に移動自在に
保持され、非クランプ時には、前記ターンテーブルの回
転軸上の前記ターンテーブルより突出した位置に保持さ
れ、前記ディスクの中心孔と嵌合し、前記ディスクの回
転中心を前記ターンテーブルの回転軸と一致させる第１
の心出し部材と、 前記第１の心出し部材を前記クランパ方向に付勢する第
１の付勢手段と、 前記ディスクに向って外径が小さくなる傾斜を有し、前
記クランパの中心軸に中心軸方向に移動自在に保持さ
れ、前記クランパと共に移動し、前記クランパの移動時
に前記ディスクの中心孔が前記第１の心出し部材と嵌合
する前に前記ディスクの中心孔と嵌合し、前記ディスク
の回転中心を該ターンテーブルの回転軸と略一致させる
第２の心出し部材と、 前記第２の心出し部材を前記ターンテーブル方向に付勢
する第２の付勢手段と、 前記ターンテーブルの回転軸に設けられ、 前記クランパの前記ターンテーブル方向への移動途中
で、前記第２の心出し部材と当接し、前記第２の心出し
部材を前記クランパと前記ターンテーブルとが前記ディ
スクを挟持したときに前記第２の付勢手段に抗して前記
クランパ内部に収納し、第１の心出し部材との当接を防
止するストッパとを具備してなる。

作用 ディスクをクランプする場合、まず、クランパをターン
テーブル方向に移動させる。クランパがターンテーブル
方向に移動すると、まず、クランパに保持された第２の
心出し部材がディスクの中心孔に嵌合し、ディスクの回
転中心をターンテーブルの回転軸と略一致させる。

第２の心出し部材がストッパに突当たると第２の心出し
部材はその場で停止される。クランパはディスクの中心
孔の第２の心出し部材との嵌合を解除しつつターンテー
ブル方向にさらに移動させる。

次に、ディスクの中心孔は第１の心出し部材と嵌合す
る。第１の心出し部材はディスクの回転中心とターンテ
ーブルの回転軸とを一致させる。クランパはディスクを
ターンテーブル方向に押圧し、ディスクをターンテーブ
ルと挟持して、保持する。

第１及び第２の心出し部材により、ディスクの回転中心
がターンテーブルの回転軸よりずれてトレイ上に搭載さ
れても、ディスクをその回転中心とターンテーブルの回
転軸とを一致させてクランプすることができる。

また、第１及び第２の心出し部材はディスクに向って外
径が小さくなる傾斜を有し、回転軸方向に移動可能に保
持され、第１及び第２の付勢手段によりディスクの回転
中心と嵌合する方向に付勢されており、ディスクの中心
孔の内径が若干小さい場合でも第１及び第２の心出し部
材は回転軸方向に移動することによりディスクの中心孔
に嵌合して、ディスクの中心孔を正確にターンテーブル
の回転軸に一致させると共にディスクを確実にクランパ
とターンテーブルとで挟持することができる。さらに、
ストッパが第１の心出し部材と第２の心出し部材とが当
接することを防止するため、第２の付勢手段が第１の付
勢手段の動作に悪影響を及ぼすことなく、クランプ動作
が行なえる。

実施例 第１図、第２図は本考案の一実施例の断面図を示す。図
中、１７はディスクトレイ、１８はターンテーブル、１
９はディスククランパを示す。ディスク３は一般のコン
パクトディスクプレーヤ同様記録面を下方に向けディス
クトレイ１７に載置され、情報は下方より光学ピックア
ップ４７により読み取られる。ターンテーブル１８はデ
ィスク３のレーベル面と対向する面を下方に向け、スピ
ンドル２０に圧入固定されている。ターンテーブル１８
のディスク３と対向する面の中心部とその周辺には孔部
が設けられていて、その周辺部の内部にヨーク２３及び
クランプ用マグネット２４がマグネットホルダ２５によ
り保持されている。また、中心部にはスピンドル２０に
第１の心出し部材２６がスプリング２８により下方に押
圧されつつ、遊嵌されていて、ストッパ２７を圧入また
はＥリング等により、スピンドル２０に固定することに
より係止されている。なお、第１の心出し部材２６の形
状は円錐状（断面台形）でディスク３の中心孔３ａと嵌
合し易い形状とされている。また、ターンテーブル１８
のディスク３の対向面の反対側にはマグネット２９及び
ヨーク３０が設けられている。

スピンドル２０はそのターンテーブル１８のマグネット
２９を有する面側の部分をハウジング部３１の中心部に
設けられたラジアル軸受３２により軸受けされている。
ハウジング部３１にはターンテーブル１８のマグネット
２９と対向する位置にコイル３３及びヨーク３４が設け
られていて、ターンテーブル１８のマグネット２９及び
ヨーク３０と共にＤＣブラシレスモータを構成してい
る。

ターンテーブル１８はマグネット２９及びヨーク３０に
よりハウジング部３１側に吸引されているため、ハウジ
ング部３１にはそのスラスト荷重を受けるスラスト軸受
２１が上部に設けられ、軸受ホルダ２２により固定され
ている。

下側のシャーシ３５のスピンドル２０と対向する位置に
はガイド軸３６が植立され、クランパ１９に圧入された
軸受部３７が上下方向に移動自在に遊嵌されている。軸
受部３７の外周には第２の心出し部材３８が上下方向に
移動自在に遊嵌され、スプリング３９によりターンテー
ブル１８方向（上方向）に附勢されている。

クランパ１９の下方にはクランパホルダ４０が軸受４１
を介してガイド軸３６に摺動自在に遊嵌される。クラン
パホルダ４０には第４図に示すようにスプリング係止部
４９が設けられていて、このスプリング係止部４９とシ
ャーシ３５との間に一対のスプリング５２が掛け渡され
クランパホルダ４０を下方に付勢する。一方、シャーシ
３５には軸固定板４２が設けられ、軸固定板４２には軸
４３が固定され、クランプアーム４４が揺動自在に取り
付けられている。クランプアーム４４はモータ及び減速
装置（図示せず）によって矢印Ｅ_１又はＥ_２方向に回動
され、クランパホルダ４０を上下させる。

次にディスククランプの動作について説明する。外部か
らの指令によりディスクトレイ１７は矢印Ｆ_１又はＦ_２
方向に移動可能で、ディスクトレイ１７をフロントパネ
ル４５の外部に引き出した後、ディスク３をディスクト
レイ１７上のディスク案内部１７ａに載置し、ディスク
トレイ１７を内部に引き込む。第１図はディスク３をデ
ィスクトレイ１７に載置して、ディスクトレイ１７を装
置内に引き込んだ状態を示している。

ディスクトレイ１７が矢印Ｆ_１方向に移動して装置内の
所定の位置に引き込まれると、ディスクアーム４４が矢
印Ｅ_１方向に回動される。このディスクアーム４４の動
作によりクランパホルダ４０はクランパホルダ４０に固
定された摺動部材４６を介し、スプリング５２の付勢力
に抗して上昇する。クランパホルダ４０の上昇により、
緩衝材４８を介してクランパ１９及び第２の心出し部材
３８も上昇する。第２の心出し部材３８はクランパ１９
のクランプ面より突出しているため、クランパホルダ４
０の上昇により、まず、ディスクトレイ１７上のディス
ク３の中心孔３ａに遊嵌され、ディスク３の心出しを行
なう。

第２の心出し部材３８の上端部は円錐状にされていて、
ディスク３が多少の位置ずれしても心出しが可能とされ
ている。また、第２の心出し部材３８を上方に付勢して
いるスプリング３９の付勢力はディスク３の重量で第２
の心出し部材３８がクランパ１９内に沈み込まないよう
に調整されている。

第２の心出し部材３８によりディスク３の心出しが行な
われた後、さらに、クランパ１９が上昇すると、第２の
心出し部材３８はターンテーブル１８に設けられたスト
ッパ２７と当接して、その上昇が妨げられ、クランパ１
９内に沈降し始める。このとき同時に、ディスク３の中
心孔３ａは第１の心出し部材２６に嵌合され、ディスク
３のスピンドル２０に対する精密な心出しが行なわれ
る。

クランパ１９はさらに上昇して、ターンテーブル１８に
固定されているマグネット２４に吸込され、ディスク３
を介してターンテーブル１８に吸着し、ディスク３をタ
ーンテーブル１８に保持し、ディスククランプ動作は完
了する。第２図はクランプ動作完了時の状態を示してい
る。このとき、ディスク３の中心孔３ａの内径が製造誤
差等により第１の心出し部材２６の最大の外径より小さ
い場合、第１の心出し部材２６のテーパ部分でディスク
３の中心孔３ａを受け、ディスク３の心出しを行ない、
ディスク３はクランパ１９により上方に押され、バネ２
８の付勢力に抗して第１の心出し部材２６をターンテー
ブル１８内に押し込み、ターンテーブル１８に密着させ
る。

次にクランプの解除動作について説明する。クランプア
ーム４４を駆動するモータ（図示せず）がクランプ時と
は逆方向に回転することによりクランプアーム４４が矢
印Ｅ_２方向に回動し、クランパホルダ４０がスプリング
４８の下方向への付勢により下降を開始する。

クランパホルダ４０が下降すると、クランパホルダ４０
の上端部に設けられた曲げ部５１がクランパ１９の下方
に設けられたエッジ部５０を押圧し、ターンテーブル１
８に設けられたマグネット２４によるクランパ１９の吸
着を解除される。このとき、ディスク３の中心孔と第１
の心出し部材２６との係合がはずれ、第２の心出し部材
３８に係合される。ディスク３はクランパ１９と共に降
下し、降下途中、ディスクトレイ１７のディスク案内部
に載置される。クランパ１９及びクランパホルダ４０は
さらに降下して第１図に示す状態とされる。

また、ディスク３の取り出し、交換等のときはフロント
パネル４５等に設けられたオープンスイッチ等の操作に
より、ディスクトレイ１７が矢印Ｆ_２方向に移動してフ
ロントパネル４５より装置外部に引き出され、ディスク
３の交換等が可能となる。

なお、本考案の装置は上記のようなディスクの記録面側
よりディスクをクランプするものに限らず、一般のレー
ベル面側よりディスクをクランプするクランパを設けた
ものにも応用は可能である。

考案の効果 上述の如く、本考案によれば、ディスクをターンテーブ
ルにクランプする際、ディスクが所定の装着位置より多
少ずれた位置にあっても、第２の心出し部材により、ク
ランプ途中でディスクの回転軸をターンテーブルの回転
軸と略一致させた後、第１の心出し部材により回転軸を
一致させるため、ディスクが所定の装着位置より多少ず
れても、ミスクランプが生ずることなく、ディスクに損
傷を与えるおそれがなくなり、また精密かつ、確実にデ
ィスクのクランプやクランプ解除が行なえ、また、ディ
スクの中心孔の内径が第１の心出し部材の外径より若干
小さい場合でも、第１及び第２の心出し部材の傾斜によ
り正確に心出しを行ない、かつ、第１及び第２の心出し
部材は第１及び第２の付勢手段の付勢力に抗して回転軸
方向に移動し、確実にディスクをクランプさせることが
できる。さらに、ストッパが第１の心出し部材と第２の
心出し部材とが当接することを防止するため、第２の付
勢手段が第１の付勢手段の動作に悪影響を及ぼすことが
なく、第１の心出し部材が第２の心出し部材に押されて
心出しが行なえなくなるというようなことがなくなる等
の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の一実施例の断面図、第３図は
本考案の一実施例の要部の断面図、第４図は本考案の一
実施例の要部の側面図、第５図、第６図、第７図は従来
の一例の断面図である。 ３……コンパクトディスク、３ａ……ディスク中心孔、
１８……ターンテーブル、１９……クランパ、２０……
スピンドル、２４……マグネット、２５……マグネット
ホルダ、２６……第１の心出し部材、２７……ストッ
パ、２８……スプリング、２９……マグネット、３１…
…ハウジング、３３……コイル、３６……ガイド軸、３
７……軸受部、３８……第２の心出し部材、３９……ス
プリング、４０……クランパホルダ、４４……クランプ
アーム、４８……光学ピックアップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクをクランパとターンテーブルとに
   より該ディスクの回転中心と該ターンテーブルの回転軸
   とを一致させつつ挟持して、該ディスクを該ターンテー
   ブルに保持するディスククランプ装置において、 前記ディスクに向って外径が小さくなる傾斜を有し、前
   記ターンテーブルの回転軸に該回転軸方向に移動自在に
   保持され、非クランプ時には、前記ターンテーブルの回
   転軸上の前記ターンテーブルより突出した位置に保持さ
   れ、前記ディスクの中心孔と嵌合し、前記ディスクの回
   転中心を前記ターンテーブルの回転軸と一致させる第１
   の心出し部材と、 前記第１の心出し部材を前記クランパ方向に付勢する第
   １の付勢手段と、 前記ディスクに向って外径が小さくなる傾斜を有し、前
   記クランパの中心軸に中心軸方向に移動自在に保持さ
   れ、前記クランパと共に移動し、前記クランパの移動時
   に前記ディスクの中心孔が前記第１の心出し部材と嵌合
   する前に前記ディスクの中心孔と嵌合し、前記ディスク
   の回転中心を該ターンテーブルの回転軸と略一致させる
   第２の心出し部材と、 前記第２の心出し部材を前記ターンテーブル方向に付勢
   する第２の付勢手段と、 前記ターンテーブルの回転軸に設けられ、前記クランパ
   の前記ターンテーブル方向への移動途中で、前記第２の
   心出し部材と当接し、前記第２の心出し部材を前記クラ
   ンパと前記ターンテーブルとが前記ディスクを挟持した
   ときに前記第２の付勢手段に抗して前記クランパ内部に
   収納し、第１の心出し部材との当接を防止するストッパ
   とを具備してなるディスククランプ装置。