JPH08278504A - 液晶素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶素子およびその製造方法

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JPH08278504A
JPH08278504A JP7310130A JP31013095A JPH08278504A JP H08278504 A JPH08278504 A JP H08278504A JP 7310130 A JP7310130 A JP 7310130A JP 31013095 A JP31013095 A JP 31013095A JP H08278504 A JPH08278504 A JP H08278504A
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Noriaki Onishi
憲明 大西
Masayuki Okamoto
正之 岡本
Toshiyuki Hirai
敏幸 平井
Nobuaki Yamada
信明 山田
Nobukazu Nagae
伸和 長江
Shinichi Terashita
慎一 寺下
Masahiko Kondo
正彦 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶素子の視角依存性を改善し、ざらつきを
低減すると共に、基板間隙を均一に制御し、強度や耐衝
撃性に優れた液晶素子を得る。 【解決手段】 少なくとも一方が透明な一対の基板間隙
に高分子領域に囲まれた液晶領域からなる液晶層が挟持
され、液晶分子が2方向以上、軸対称状またはランダム
状に配向している。その画素外の一部または全部に配設
された絶縁体により基板間隙が均一に制御され、あるい
は強度や耐衝撃性が向上しており、液晶領域内にスペー
サが存在しない。また、画素内または画素外に形成され
た絶縁体により、高分子領域および液晶領域の形成位置
と形状が制御され、液晶分子の配向も制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば多人数で
見る携帯情報端末や、パーソナルコンピュータ、ワード
プロセッサ、アミューズメント機器、テレビジョン装置
などの平面ディスプレイを有する液晶表示素子、更には
シャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、壁などに用い
られる液晶素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の表示モードを利用した液晶
表示素子が実用化されており、例えばネマティック液晶
を用いた複屈折モードの電気光学効果を利用して表示を
行うTN(ツイスティッドネマティック)モードやST
N(スーパーツイスティッドネマティック)モード等が
一般的に用いられている。これらは偏光板を要し、配向
処理をも必要とするものである。これらの液晶表示素子
は、図58(a)に示すように初期配向状態においてプ
レチルトを有しており、図58(b)に示すようにセル
に電圧を印加した時に液晶分子3aが同方向に立ち上が
る。このため、異なる視角AおよびBから観察者がセル
を観察した場合、見かけ上の屈折率が変化して表示のコ
ントラストが変化する。さらに、図58(b)に示す中
間調状態では視角により反転現象等が生じる等、表示品
位が著しく低下する。また、最近では、強誘電性液晶
(FLC)表示モードの液晶表示素子も実用に近付いて
いる。なお、図58(c)は、飽和電圧印加の場合であ
る。
【0003】また、近年、偏光板を要さず、しかも配向
処理を不要とするものとして、液晶分子の複屈折率を利
用し、透明または白濁状態を電気的にコントロールする
方式の素子が提案されている。この方法は、基本的には
液晶分子の常光屈折率と支持媒体の屈折率とを一致さ
せ、電圧を印加して液晶の配向が揃うときに透明状態を
表示し、電圧無印加時には液晶分子の配向の乱れによる
光散乱状態の白濁状態を表示するものである。
【0004】このような方法として、特表昭58−50
1631号公報には液晶をポリマーカプセルに包含させ
る方法が開示され、特表昭61−502128号公報に
は液晶と光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂とを混合して
樹脂を硬化させることにより液晶を析出させて樹脂中に
液晶滴を形成させる方法が開示されている。これらは高
分子分散型液晶表示素子と称されている。
【0005】また、偏光板を用いて液晶セルの視角特性
を改善する方法として、特開平4−338923号公報
および特開平4−212928号公報には上記高分子分
散型液晶表示素子を直交偏光板中に挟んだ素子が開示さ
れている。この素子は、視野角特性を改善する効果が大
きいが、原理的に散乱による脱偏光を利用しているため
に明るさがTNモードに比べて1/2と低く、利用価値
が低い。
【0006】さらに、特開平5−27242号公報に
は、液晶の配向状態を高分子の壁や突起物で乱してラン
ダムドメインを作製し、視野角を改善する方法が開示さ
れている。しかし、この方法ではドメインがランダム
で、かつ、画素部分にも高分子材料が入り込むので電圧
無印加時の光線透過率が低い。また、液晶ドメイン間の
ディスクリネーションラインがランダムに発生し、電圧
印加時においても消滅しないので電圧印加時の黒レベル
が低い。これらの理由により、この液晶表示素子はコン
トラストが低いものになる。
【0007】また、本願出願人は、特願平5−3099
6号に液晶と樹脂材料との混合物を注入した液晶セルに
規則的な照度むらを有する紫外線を照射して液晶と高分
子とを規則的に相分離させることにより、高分子壁4中
で液晶分子が軸対称状に配列した液晶表示素子を提案し
ている。この液晶表示素子においては、図58(d)に
示すように液晶領域3内の液晶分子3aが軸対称状に配
向していることにより、図58(e)に示すように異な
る視角AおよびBから観察者がセルを観察しても表示の
コントラストが変化せず、反転現象なども生じないの
で、視角特性を著しく改善させることができる。なお、
図58(f)は飽和電圧印加の場合である。
【0008】ところで、液晶表示素子、特に上述のよう
な液晶材料の旋光性を利用した複屈折モードにおいて
は、セルギャップ(基板間隙)のバラツキが表示むら、
色むら、干渉縞などの表示品位の劣化を生じる原因とな
る。また、液晶セルが外力で狭められることにより、両
基板上の電極が接触すると、表示不能になったり、駆動
回路の損傷や短絡などが生じるため、セルギャップの均
一制御は極めて重要な課題である。
【0009】このセルギャップを均一に保つために、ガ
ラス繊維、ガラスビーズなどの無機物や有機物などから
なる粒状の粒径制御材などのLCDスペーサが一般に用
いられている。これらLCDスペーサは、セルギャップ
を均一に保つために、通常分布密度15から100個/
mm2程度用いられることが必要である。
【0010】しかし、スペーサが画素内に存在すると、
表示品位に悪影響を及ぼすことがある。例えば、ノーマ
リホワイトモードの液晶表示素子においては、スペーサ
が画素内に存在していると、スペーサを透過する光が常
に遮断されるので実質開口率の低下を招く。また、ノー
マリブラックモードの液晶表示素子においては、黒表示
時にスペーサを透過する光が完全に遮断されないので光
抜けが生じる。さらに、残留したスペーサなどが画素内
に不均一に凝集して分布していると、一様な液晶分子の
配向に影響を及ぼしてディスクリネーションが発生する
ことが確認されている。これらいずれの場合でも、コン
トラストが低下するという問題があった。
【0011】これを防ぐため、画素内にスペーサを配置
せずにセルギャップを均一制御する方法として、特開平
1−233421号公報および特開平1−239527
号公報には、スペーサとして高分子樹脂を使用して島状
にパターン配置することが開示されている。これによ
り、セルギャップの均一性ばかりでなく、画素部にスペ
ーサが存在しないので光抜け防止にも役立たせることが
できる。また、特開昭64−61729号公報には、基
板シール材の中に基板ギャップ制御材を混入させ、シー
ル材の部分のみを押圧して液晶基板を貼り合わせる方法
が開示されている。また、特開昭61−173223号
公報、特開昭61−184518号公報および特開昭6
2ー240930号公報などには、基板上に所定の厚み
の感光性樹脂や高分子樹脂をパターニングしてストライ
プ状の”貝柱”構造などを設けてスペーサとする方法が
開示されている。さらに、特開昭63−33730号公
報には、カラーフィルタの3色の画素間隙に黒色遮光膜
を設け、その黒色遮光膜に突起を持たせることによりス
ペーサとする方法が開示されている。
【0012】しかしながら、これらの方法では、基板間
隙保持用のスペーサとしての機能を持たせることはでき
るが、大面積に亘って強度や耐衝撃性を与えることはで
きない。さらに、液晶デバイスの加工においても、外圧
に対する配向変化を少なくするために高分子壁で完全に
囲まれた構造とした液晶セルにおいては、液晶材料の注
入ができなくなるという大きな問題を有していた。
【0013】さらに、球状スペーサ等を含む感光性材料
の露光、現像、剥離などのホトリソグラフィー工程を経
て画素外の領域にのみスペーサを配置した液晶パネルや
それらの製造方法に関する技術の開示が特開昭59−2
22817号公報、特開平3−94230号公報、特開
平6−194672号公報および特開平6−17513
3号公報になされている。また、特開平6−30104
0号公報には、複数の電極間に開口部を有する遮光膜を
設けて、この開口部を通して光反応性樹脂を背面露光し
てスペーサを固定する技術の開示がなされている。しか
し、これらの技術では信号配線を含む遮光膜内に開口部
あるいは遮光性の低い領域ができるために画像のコント
ラスト特性が低下するという問題点がある。加えて、こ
れらの技術は、いずれも液晶層を一様に配向させるべく
ラビングなどの配向処理工程を経て作製した配向膜を具
備しており、該配向処理工程に起因した静電気発生など
によりアクティブマトリクス素子などにおいて絶縁破壊
などが生じるという問題点がある。さらに、レジストな
どの現像、剥離工程で画素領域内に配向処理工程を経て
作製した配向膜が現像液等の薬液に直接触れることにな
り、液晶の分子配向や液晶素子の信頼性などに悪影響を
及ぼす可能性が指摘される。
【0014】更に、本願出願人は、液晶領域の表示品位
を改善すべく、ラビング処理などにより液晶分子が一様
に配向した液晶領域と高分子領域とを重合相分離の適用
により作製する液晶デバイスについて、基板キャップ制
御材を高分子領域たる壁に偏在させた構成体に関して特
願平6−49335号公報に、また、基板ギャップ制御
材が偏在した高分子壁の耐圧力値を向上させる構造体に
関する技術を特願平6−229946号公報に開示して
いる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人が、特願平
5−30996号において液晶表示素子の視角特性など
を改善するために提案した方法は、画素領域内の液晶ド
メインまたは液晶分子を軸対称状に配向させることによ
り素子の全方位的な視角特性を実現するものである。こ
の液晶表示素子では、例えば図58(d)〜(e)に示
すように電圧印加時に液晶分子と高分子壁との相互作用
により液晶分子が各壁方向に立ち上がって行くために、
見掛け上の屈折率がAとBの位置でほぼ同じ状態になっ
て視角特性の改善に大きな効果がある。しかし、視角特
性改善に最も効果的であるようにするためには、画素内
を一様に軸対称状に配向させる必要があり、そのために
は液晶ドメインの発生核を制御することが必要である。
このため、高分子壁の形成を規制することや、ノンラビ
ングプロセスで液晶核を発生させて液晶分子の軸対称状
配向を誘起することができるような球晶核を有する配向
膜を形成することも有効である。
【0016】しかし、本願出願人が、特願平5−309
96号において提案した方法でも、図59に示すよう
に、一対の基板591aと591bとに狭持された液晶
層において、液晶領域3と電極2a及び2bとの間に液
晶と高分子とが混在した領域16が存在して飽和電圧印
加時にも高分子領域4中に取り込まれた液晶分子の複屈
折性のために光漏れが生じたり、液晶と高分子との相分
離が不完全となる。このため、より高度な相分離の制御
が要求され、さらに、従来の広視角表示装置で問題とな
っていた画素内のディスクリネーションが抑制された高
画質かつ高品位の液晶表示素子の創出が求められてい
た。なお、この図59において、15cはパターン形成
された高分子、領域16は液晶領域3内への高分子の付
着を示している。
【0017】さらに、画素内にセルギャップを保持する
ためにビーズなどのスペーサが存在する場合には、この
ビーズなどを中心として配向状態の乱れが観測される。
この場合、液晶分子の軸対称状配向の対称軸が傾き、ま
たは軸位置がずれて、図60の偏光顕微鏡写真のような
配向状態となる。この場合、視角を変化させて素子を観
察すると、1画素内で視角方向で黒く見える部分7とな
る領域の面積が多くなり、他の画素と平均的な透過率に
差が生じて全体的にざらつきとして観察される。したが
って、この素子において、液晶分子の配向の対称軸を厳
密に制御する必要がある。
【0018】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、画素内へのスペーサの混入を抑制して高コントラス
トでざらつきを無くすことができ、また、セルギャップ
を均一に制御し、かつ大面積に亘って強度や耐衝撃性を
向上させることができる液晶素子およびその製造方法を
提供することを目的とする。また、本発明の他の目的
は、スペーサによる液晶領域の乱れ・配向軸の位置ずれ
を防止してざらつきが発生するのを防ぐことができる液
晶素子およびその製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明の液晶
素子は、対向配設された少なくとも一方が透明な一対の
基板の間隙に液晶層が狭持された液晶素子において、画
素の大きさを規定すべく設けられた遮光層で覆われてス
ペーサが存在して、一対の基板の間隙を保つ間隙保持手
段を構成すると共に、該画素内における液晶分子が2方
向以上、軸対称状またはランダム状に配向していること
を特徴とする。
【0020】請求項2の本発明の液晶素子は、前記画素
の外に、前記一対の基板の間隙を保つ間隙保持手段とし
ての絶縁体が形成されていることを特徴とする。
【0021】請求項3の本発明の液晶素子は、対向配設
された少なくとも一方が透明な一対の基板の間隙に、高
分子領域と液晶領域とを有する複合体が挟持された液晶
素子において、画素外である該高分子領域にスペーサが
存在していることを特徴とする。
【0022】請求項4の本発明の液晶素子は、前記液晶
領域内における液晶分子が2方向以上、軸対称状または
ランダム状に配向していることを特徴とする。
【0023】請求項5の本発明の液晶素子は、対向配設
された少なくとも一方が透明な一対の基板の間隙に、高
分子領域と液晶領域とを有する複合体が挟持された液晶
素子において、前記高分子領域に、絶縁体が前記一対の
基板の間隙を保つ間隙保持手段として形成されているこ
とを特徴とする。
【0024】請求項6の本発明の液晶素子は、前記液晶
領域内における液晶分子が2方向以上、軸対称状または
ランダム状に配向していることを特徴とする。
【0025】請求項7の本発明の液晶素子は、前記間隙
保持手段としての絶縁体が1層または2以上の層により
構成されていることを特徴とする。
【0026】請求項8の本発明の液晶素子は、前記絶縁
体の少なくとも1層が感光性樹脂層により構成されてい
ることを特徴とする。
【0027】請求項9の本発明の液晶素子は、前記絶縁
体の少なくとも一層が高分子フィルムにより構成されて
いることを特徴とする。
【0028】請求項10の本発明の液晶素子は、前記高
分子フィルムは感光性樹脂組成物からなるドライフィル
ムまたは感光性ポリマーにより形成されていることを特
徴とする。
【0029】請求項11の本発明の液晶素子は、前記画
素間を区切るための高分子壁が高分子フィルムまたはシ
ートにより画素外に設置されていることを特徴とする。
【0030】請求項12の本発明の液晶素子は、前記高
分子フィルムが露光および現像され、かつ、マトリック
ス状に配置されていることを特徴とする。
【0031】請求項13の本発明の液晶素子は、前記高
分子フィルム内に前記一対の基板間の間隙を保つ間隙保
持手段であるスペーサが含まれていることを特徴とす
る。
【0032】請求項14の本発明の液晶素子は、前記高
分子フィルムからなる壁と、光硬化性樹脂と液晶との混
合物の相分離により硬化した樹脂とで形成された高分子
壁で1または複数の画素が取り囲まれていることを特徴
とする。
【0033】請求項15の本発明の液晶素子は、前記高
分子フィルムの上または下に絶縁体が一層または多層に
より構成されていることを特徴とする。
【0034】請求項16の本発明の液晶素子は、前記絶
縁体が感光性樹脂層により構成されていることを特徴と
する。
【0035】請求項17の本発明の液晶素子は、色素を
含んだものであり、遮光層として機能することを特徴と
する。
【0036】請求項18の本発明の液晶素子は、対向配
設された少なくとも一方が透明な一対の基板の間隙に、
高分子領域と液晶領域とを有する複合体が挟持され、該
液晶領域により画素が構成された液晶素子において、前
記高分子領域に、前記絶縁体が1または2以上の層によ
り構成されると共に、該層の少なくとも1つに予め混在
させてあったスペーサにより一対の基板の間隙が均一に
規定されていることを特徴とする。
【0037】請求項19の本発明の液晶素子は、前記画
素が、前記液晶分子を2方向以上、軸対称状またはラン
ダム状に配向した領域を1または2以上含んで構成され
ていることを特徴とする。
【0038】請求項21の本発明の液晶素子は、前記液
晶分子を2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向
させる手段として、前記液晶分子を2方向以上、軸対称
状またはランダム状に配向させる領域の内部に両基板に
達する高分子柱が設けられていることを特徴とする。
【0039】請求項21の本発明の液晶素子は、前記液
晶分子を2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向
させる手段として、前記液晶分子を2方向以上、軸対称
状またはランダム状に配向させる領域の中央部に対応す
る、前記一対の基板の少なくとも一方の基板部分に、凸
部および凹部のいずれか一方がパターン形成されている
ことを特徴とする。
【0040】請求項22の本発明の液晶素子は、前記液
晶分子を2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向
させる手段として、前記液晶分子を2方向以上、軸対称
状またはランダム状に配向させる領域に対応する、前記
一対の基板の少なくとも一方の基板部分に、球晶が設け
られていることを特徴とする。
【0041】請求項23の本発明の液晶素子は、前記液
晶分子が2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向
された領域の中心部にスペーサが絶縁体で覆われて設け
られていることを特徴とする。
【0042】請求項24の本発明の液晶素子は、前記ス
ペーサが、該スペーサの混在された樹脂をパターン形成
してなる樹脂層にて固定され、該スペーサを覆う遮光層
の幅(D2)が、D1+4r2<D2(但し、D1は樹脂層
の幅、r2は樹脂層の幅方向におけるスペーサの長さ寸
法の1/2)を満足することを特徴とする。
【0043】請求項25の本発明の液晶素子は、前記ス
ペーサが存在する高分子領域部分の幅(D)が、r1<
A≦D/2(但し、r1は高分子領域部分の幅方向にお
けるスペーサの長さ寸法の1/2、Aは高分子領域部分
の幅方向におけるスペーサの中心から高分子領域部分の
端までの距離)を満足することを特徴とする。
【0044】請求項26の本発明の液晶素子は、前記絶
縁体のスペーサを混在する層の幅(D)が、r1<A≦
D/2(但し、r1は絶縁体のスペーサを混在する層の
幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1/2、Aは絶縁
体のスペーサを混在する層の幅方向におけるスペーサの
中心から絶縁体のスペーサを混在する層の端までの距
離)を満足することを特徴とする。
【0045】請求項27の本発明の液晶素子は、前記絶
縁体がスペーサを混在する層とスペーサの無い1または
2以上の層とにより構成され、少なくともスペーサの無
い1層の幅(D2)が、D1+4r2<D2(但し、D1は
スペーサを混在する層の幅、r2はスペーサを混在する
層の幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1/2)を満
足することを特徴とする。
【0046】請求項28の本発明の液晶素子は、前記絶
縁体がスペーサを混在する層とスペーサの無い1または
2以上の層とにより構成され、スペーサを混在する層の
幅(D)が、r1<A≦D/2(但し、r1は絶縁体のス
ペーサを混在する層の幅方向におけるスペーサの長さ寸
法の1/2、Aは絶縁体のスペーサを混在する層の幅方
向におけるスペーサの中心から絶縁体のスペーサを混在
する層の端までの距離)を満足し、かつ、少なくともス
ペーサの無い1層の幅(D2)が、D1+4r2<D2(但
し、D1はスペーサを混在する層の幅、r2はスペーサを
混在する層の幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1/
2)を満足することを特徴とする。
【0047】請求項29の本発明の液晶素子の製造方法
は、請求項1の液晶素子の製造方法であって、少なくと
も一方が透明な一対の基板の少なくともいずれかの基板
上に、液晶層の配向を規制する手段をラビングレスプロ
セスにより形成すると共に、同一または異なる基板上に
画素の大きさを規定する重合性材料をパターン形成する
工程とを経て基板の間隙を保つ間隙保持手段を構成する
工程と、該一対の基板を対向配設して液晶セルを得る工
程と、該液晶セル中に液晶を充填する工程とを含むこと
を特徴とする。
【0048】請求項30の本発明の液晶素子の製造方法
は、少なくとも一方が透明な一対の基板の一方上にスペ
ーサを混在する重合性材料をパターン形成する工程と、
該一対の基板を該スペーサにより基板間隙が均一になる
ように対向配設してセルを作製する工程と、該セル内に
少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含む混合物を
充填し、重合相分離を経て該重合性材料のパターン形成
された部分を含んで高分子領域を、他の部分に液晶領域
を分布させる工程とを含むことを特徴とする。
【0049】請求項31の本発明の液晶素子の製造方法
は、少なくとも一方が透明な一対の基板の一方に1また
は2以上の層からなる間隙保持手段としての絶縁体をパ
ターン形成する工程と、該一対の基板を該絶縁体により
基板間隙が均一になるように対向配設してセルを作製す
る工程と、該セル内に少なくとも液晶組成物および重合
性樹脂を含む混合物を充填し、重合相分離を経て、該絶
縁体を内部に含むように高分子領域を、他の部分に液晶
領域を分布させる工程とを含むことを特徴とする。
【0050】請求項32の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記間隙保持手段としての絶縁体の少なくとも1層
に感光性樹脂を用いることを特徴とする。
【0051】請求項33の本発明の液晶素子の製造方法
は、少なくとも一方が透明な一対の基板の一方に、少な
くとも1層にスペーサを混在させた1または2以上の感
光性樹脂からなる絶縁体をパターン形成する工程と、該
一対の基板を該スペーサにより基板間隙が同一になるよ
うに対向配設してセルを作製する工程と、該セル内に少
なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含む混合物を充
填し、重合相分離を経て、該絶縁体を内部に含むように
高分子領域を、他の部分に液晶領域を分布させる工程と
を含むことを特徴とする。
【0052】請求項34の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含む
混合物を重合相分離させる工程において、該混合物の均
一化温度以上で重合硬化させて液晶と高分子を相分離さ
せ、その後、冷却して液晶領域と高分子領域とを規則的
に分布させることを特徴とする。
【0053】請求項35の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含む
混合物を重合相分離させる工程において、該混合物の均
一化温度から冷却し、これにより液晶と高分子を重合相
分離させるとともに液晶領域と高分子領域とを規則的に
分布させることを特徴とする。
【0054】請求項36の本発明の液晶素子の製造方法
は、少なくとも一方が透明な一対の基板の間隙に、高分
子領域と液晶領域とを有する複合体が挟持された液晶素
子において、画素内における液晶分子が絶縁体からなる
軸の周りに軸対称状に配向し、その軸で覆われてスペー
サが存在していることを特徴とする。
【0055】請求項37の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記絶縁体からなる軸が高分子からなることを特徴
とする。
【0056】請求項38の本発明の液晶素子の製造方法
は、請求項37の液晶素子の製造方法であって、少なく
とも一方が透明な一対の基板の一方上に、スペーサを内
部に有する高分子島を形成する工程と、該一対の基板を
該スペーサにより基板間隙が均一になるように対向配設
してセルを作製する工程と、該セル中に少なくとも液晶
組成物および重合性樹脂を含む混合物を注入する工程
と、該混合物を該混合物の均一化温度以上で重合硬化さ
せて液晶と高分子の相分離させ、これにより該高分子島
を中心部として液晶領域を、他の部分に高分子領域を分
布させる工程とを含むことを特徴とする。
【0057】請求項39の本発明の液晶素子の製造方法
は、請求項37の液晶素子の製造方法であって、少なく
とも一方が透明な一対の基板の一方または両方上に、ス
ペーサを内部に有する高分子島を形成する工程と、該一
対の基板を該スペーサにより基板間隙が均一になるよう
に対向配設してセルを作製する工程と、該セル中に少な
くとも液晶組成物および重合性樹脂を含む混合物を注入
する工程と、該セル中に液晶と重合性樹脂の混合物を注
入する工程と、該混合物を該混合物の均一化温度から冷
却し、これにより液晶と高分子とを相分離させるととも
に、該高分子島を中央部として液晶領域を、他の部分に
高分子領域を分布させる工程とを含むことを特徴とす
る。
【0058】請求項40の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記スペーサを混在する重合性材料をパターン形成
する工程において、該重合性材料をその幅(D)が、r
1<A≦D/2(但し、r1は重合性材料の幅方向におけ
るスペーサの長さ寸法の1/2、Aは重合性材料の幅方
向におけるスペーサの中心から重合性材料の端までの距
離)を満足するようにパターン形成することを特徴とす
る。
【0059】請求項41の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記スペーサを混在する重合性材料をパターン形成
する工程の前又は後において、該重合性材料とは別の少
なくとも1層をその幅(D2)が、D1+4r2<D2(但
し、D1はスペーサを混在する重合性材料の幅、r2はス
ペーサを混在する重合性材料の幅方向におけるスペーサ
の長さ寸法の1/2)を満足するようにパターン形成す
ることを特徴とする。
【0060】請求項42の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記スペーサを混在する重合性材料をパターン形成
する工程において、該重合性材料の幅(D)を、r1<
A≦D/2(但し、r1は重合性材料の幅方向における
スペーサの長さ寸法の1/2、Aは重合性材料の幅方向
におけるスペーサの中心から重合性材料の端までの距
離)を満足するようにパターン形成し、前記スペーサを
混在する重合性材料をパターン形成する工程の前または
後において、該重合性材料とは別の少なくとも1層をそ
の幅(D2)が、D1+4r2<D2(但し、D1はスペー
サを混在する重合性材料の幅、r2はスペーサを混在す
る重合性材料の幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1
/2)を満足するようにパターン形成することを特徴と
する。
【0061】請求項43の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記相分離を進行させる過程または樹脂硬化過程に
おいて、前記一対の基板間に設けられた前記混合物に電
界および磁界のうち少なくともいずれかを付与すること
を特徴とする。
【0062】請求項44の本発明の液晶素子の製造方法
は、前請求項9または10に記載の液晶素子の製造方法
であって、少なくとも一方が透明な一対の基板の少なく
ともいずれかの基板上に、高分子フィルムを圧着する基
板を予熱する工程と、該高分子フィルムを押圧して基板
上に圧着させる工程と、該高分子フィルムと基板とを圧
着する際にヒーターにより加熱する工程と、該高分子フ
ィルムを任意の形状にパターニングする工程と、該一対
の基板を対向配置してセルを得る工程と、該セル内に少
なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含む混合物を充
填し、重合相分離を経て、該高分子フィルムのパターン
形成された部分を含んで高分子領域を、他の部分に液晶
領域を分布させる工程とを含むことを特徴とする。
【0063】請求項45の本発明の液晶素子の製造方法
は、請求項9または10の液晶素子の製造方法であっ
て、少なくとも一方が透明な一対の基板の少なくともい
ずれかの基板上の画素外に、高分子ドライフィルムをパ
ターン形成する工程と、該一対の基板を対向配置して液
晶セルを得る工程と、該液晶セル中に液晶を充填する工
程とを含むことを特徴とする。
【0064】請求項46の本発明の液晶素子は、前記ス
ペーサを混在した層状の絶縁体が重合性樹脂からなるこ
とを特徴とする。
【0065】請求項47の本発明の液晶素子は、前記重
合性樹脂の硬化後の表面自由エネルギーが70mN/m
以下であることを特徴とする。
【0066】請求項48の本発明の液晶素子は、前記重
合性樹脂の硬化後の表面自由エネルギーの極性成分が5
mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とす
る。
【0067】請求項49の本発明の液晶素子は、前記重
合性樹脂が光重合性樹脂であることを特徴とする。
【0068】請求項50の本発明の液晶素子は、前記重
合性樹脂が熱重合性樹脂であることを特徴とする。
【0069】請求項51の本発明の液晶素子は、前記ス
ペーサを混在した重合性樹脂からなる層の上に、重合性
樹脂からなる層が1層以上形成されていることを特徴と
する。
【0070】請求項52の本発明の液晶素子の製造方法
は、対向配設された、少なくとも一方が透明な一対の基
板の間に表示媒体が狭持された液晶素子の製造方法にお
いて、該少なくとも一方の基板の上に絶縁体を塗布する
第1の絶縁膜塗布工程と、該絶縁体の上にスペーサを散
布してその上から絶縁体を塗布するか、またはスペーサ
を含有させた絶縁体を塗布する第2の絶縁膜塗布工程
と、該スペーサを含む絶縁体を、最終的なパターン幅D
とスペーサの直径または長軸方向の寸法Sとに関して、
D’≦D−2Sを満足するパターン幅D’でパターニン
グする第1のパターニング工程と、該第1のパターニン
グ工程が行われた基板上に絶縁体を塗布する第3の絶縁
膜塗布工程と、該第1のパターニング工程の後であっ
て、第3の絶縁膜塗布工程の前に絶縁体の端からはみ出
していたスペーサ部分を絶縁体で覆う状態とすべく、該
第2の絶縁膜塗布工程にて塗布された絶縁体をパターニ
ングし、前記最終的なパターン幅Dにする第2のパター
ニング工程とを含むことを特徴とする。
【0071】請求項53の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記表示媒体を、液晶分子が2方向以上である軸対
称状またはランダム状に配向している液晶領域と、高分
子領域とからなる状態にすることを特徴とする。
【0072】請求項54の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記表示媒体を、液晶分子の配向が1方向である液
晶領域と高分子領域とからなる状態にすることを特徴と
する。
【0073】請求項55の本発明の液晶素子の製造方法
は、前記第1、第2および第3の絶縁膜塗布工程におい
て使用する絶縁体の少なくとも1つに、感光性材料を用
いることを特徴とする。
【0074】以下に、本発明の作用につき説明する。
【0075】本発明においては、画素領域外に配設され
た間隙保持手段としての絶縁体により基板間隙を均一に
保持する。本発明の絶縁体からなる間隙保持手段はホト
リソグラフィ技術等を用いて絶縁膜をパターニングする
ことによって形成することができる。間隙保持手段であ
る絶縁膜として、感光性ポリイミド等の感光性を有する
薄膜の使用や、あるいは、ホトレジスト膜そのものも使
うこともできるし、パターニングされたホトレジスト膜
をマスクにして、感光性を有さない絶縁膜をパターニン
グしてもよい。ホトレジスト材料としては、ネガ型及び
ポジ型の何れも使用できる。また、レジスト材料は、液
状タイプでもドライフィルムタイプでもよい。間隙保持
手段を複数の絶縁体膜を用いて形成してもよい。また、
間隙保持手段としての絶縁膜と従来のスペーサとを併用
することもできる。絶縁膜とスペーサとを併用すること
によって、スペーサの存在位置を制御することが可能に
なるとともに、間隙保持手段の機械的強度を高めること
ができる。
【0076】従って、基板上に散布されたスペーサ(ビ
ーズ状スペーサやファイバ状スペーサなど)を用いて基
板間隙を保持する従来の方法では、スペーサの存在位置
を制御できなかったのに対し、間隙保持手段を形成する
位置を制御することが可能となる。本発明によると、液
晶素子の画素領域外に効果的に間隙保持手段を配置でき
るので、画素内の液晶分子の配向をスペーサによって乱
すことを防止することができるとともに、大面積に亘っ
て液晶素子の強度や耐衝撃性を向上し、外圧(外力)に
よる表示変化を抑制することができる。
【0077】また、液晶分子の配向方向が互いに異なる
複数の液晶領域を有する液晶層を利用する場合、間隙保
持手段を形成する位置を制御することによって、液晶領
域の形成位置(液晶領域間の境界)を制御することが可
能となる。すなわち、配向方向が異なる液晶領域間に形
成されるディスクリネーション(配向欠陥)の位置を制
御することができる。例えば、広視野角液晶素子を提供
するために、画素毎に配向方向が異なる(各液晶領域の
液晶分子の配向方向は1方向の)TN型液晶層を用いる
場合、各画素を取り囲むように間隙保持手段を形成する
ことによって、画素外にディスクリネーションラインを
発生させることができる。各液晶領域における液晶分子
の配向はTN型に限られず、STN型等も利用できる。
また、配向膜にラビング処理を施さないノンラビングプ
ロセスで、液晶分子が軸対称状あるいは2方向以上の配
向またはランダム状配向した液晶層を用いることもでき
る。
【0078】各液晶領域を各画素に対応させて形成しな
くてもよく、複数の画素を含む液晶領域を形成してもよ
いし、1つの画素を複数の液晶領域に分割してもよい。
1つの画素を複数の液晶領域に分割する場合、画素内に
間隙保持手段を形成してもよい。この場合、間隙保持手
段によってディスクリネーションラインが形成される位
置が制御されるので、対応する位置にディスクリネーシ
ョンラインによる表示欠陥を見えなくするための遮光層
(ブラックマスク等)を形成することもできる。
【0079】さらに、相分離反応を利用して高分子材料
と液晶材料とからなる複合体からなる液晶層(表示媒体
層)を形成する場合、絶縁体と液晶材料及び高分子材料
との表面張力の関係を制御(材料を選択)することによ
って、高分子領域及び液晶領域の形成位置を制御するこ
とができる。すなわち、予め画素外に形成された絶縁体
の位置に高分子領域を形成し、画素内に液晶領域を形成
することができる。絶縁体とその位置に形成された高分
子領域とが間隙保持手段して作用することによって、外
圧に対する耐性及び耐衝撃性を向上させることができ
る。
【0080】上記絶縁体は画素に対応する各液晶領域の
外周に形成されていてもよく、画素を分断する複数の液
晶領域の外周に形成されていてもよい。画素内では液晶
領域がモノドメインとなっている方がディスクリネーシ
ョンラインが画素内に入り込まないので好ましい。
【0081】上記基板上の画素の中央部に、凸部および
凹部の一方または両方をパターン形成することにより、
液晶領域が形成される位置を制御することができるの
で、例えば、軸対称配向する液晶分子の対称軸の位置を
揃えることができる。
【0082】上記画素外に設けられる絶縁体は、部分的
にまたは全体的に1または2以上の絶縁膜を用いてもよ
い。この場合、液晶材料と樹脂材料との混合物から相分
離により液晶領域を成長させる際に、液晶領域を安定し
て形成するように材料を選択することができる。また、
1以上の絶縁膜に黒色などの有色の添加剤を含ませる
と、BMとしても用いることができ、ディスクリネーシ
ョンラインが見え難くなる。さらに、1以上の絶縁膜に
無機材料または有機材料からなるスペーサを含ませるこ
とにより、使用温度環境や外圧などにも影響を受け難
く、セルギャップを均一制御できる。
【0083】前記絶縁体としては、少なくとも1層が感
光性樹脂層より構成されるようにしてもよい。この場合
は、その樹脂層をホト工程にて形成できる。また、絶縁
体の少なくとも1層として、高分子フィルムを用いるよ
うにしてもよい。このようにすることで、絶縁体をレジ
スト材料で作製する場合のスピンコート等による塗布工
程の際の材料の無駄がなくなり、材料の利用効率が高く
なる。従って、生産のコストダウンを図ることができ
る。
【0084】さらに、上記高分子フィルムは熱圧着等に
より大面積に亘って、一度に基板上に粘着でき、密着性
及び均一性に優れ、利便性が高い。よって、大型表示素
子に対して、信頼性が非常に良く、生産効率を高めるこ
とができる。
【0085】上記絶縁体を2以上の層により作製する場
合、1以上の層を画素内に形成してもよい。上記1以上
の層は、例えば凸部および凹部の少なくとも一方として
機能させ得る。液晶材料と重合性樹脂材料との表面張力
の関係によっては、画素内の絶縁体形成領域に液晶材料
が優先的に分離され、あるいは画素外の絶縁体領域に高
分子材料が優先的に分離されて、画素外に高分子領域が
形成される。
【0086】液晶と重合性樹脂とを少なくとも含む混合
物は、重合性樹脂を重合することによって液晶と重合し
た樹脂(高分子)とを相分離させてもよく、温度を制御
することによって液晶と重合性樹脂とに相分離させてか
ら重合性樹脂を重合させてもよい。
【0087】相分離の時に電界または磁界あるいはその
両方を混合物に付与すると、対称軸を基板に対して垂直
方向に揃えることができる。
【0088】高分子材料と液晶材料との相分離を利用し
ない場合には、基板上に液晶分子の配向を制御する配向
膜を配向処理を行わないで形成することにより、液晶分
子の配向を乱さずに配向制御することができる。
【0089】画素内で液晶領域の液晶分子が軸対称状に
配向し、この液晶領域の対称軸またはその付近にのみス
ペーサが存在しているようにすれば、液晶分子の配向軸
は液晶領域の対称軸またはその付近にのみ存在すること
になり、液晶分子の配向軸は画素と例えば高分子壁の間
などに存在しなくなる。これにより、均一でざらつきの
ない優れた表示品位の液晶表示素子が得られる。
【0090】図1は、スペーサ7と、それを混在してい
る層との関係を示す図である。この図において、スペー
サ7の中心からそれを混在している層の端までの距離A
がその層の幅方向におけるスペーサ7の長さ寸法の1/
2であるr1より小さい場合には、その層の端からスペ
ーサ7が画素内に突出することで、液晶領域の配向の乱
れ・配向軸の位置ずれによるざらつきの増大等の表示特
性に悪影響を及ぼす原因となる。一方、前記距離Aの最
大値は、前記層の幅Dの1/2になる。
【0091】したがって、スペーサ7を混在している層
の幅Dについては、以下の数式1を満足する必要があ
る。なお、スペーサ7を混在している層としては、本発
明においては、スペーサが存在している高分子領域部分
と、1または複数の層からなる絶縁体のスペーサを混在
する層とが該当する。
【0092】r1<A≦D/2 …(数式1) 図2は、スペーサ7と、そのスペーサ7を混在する層9
aと、スペーサを覆う層9bとの関係を示す図である。
図2(a)に示すように、スペーサを混在する層9aの
幅方向におけるスペーサ7の長さ寸法の1/2をr2と
すると、スペーサを混在する層9aの幅D1と、スペー
サを覆う層9bの幅D2との間で、D1+4r2の値がD2
に等しい場合、あるいはD2よりも大きい場合には、ス
ペーサを覆う層9bの端からスペーサ7が現出し、画素
内にスペーサ7の少なくとも一部が突出することにな
り、上述した液晶領域の配向の乱れ・配向軸の位置ずれ
の原因となる。
【0093】したがって、スペーサを混在する層9aの
幅D1とスペーサを覆う層9bの幅D2とについては、以
下の数式2を満足する必要がある。満足する場合は、図
2(b)に示すようになる。なお、スペーサを覆う層9
bとしては、表示媒体が液晶のみからなる場合における
遮光層が該当する。また、スペーサを混在する層9aと
しては、絶縁体が2以上の層で構成される場合におい
て、その層のうちのスペーサを混在する層が該当し、他
の層の1または2以上がスペーサを覆う層9bに該当す
る。
【0094】D1+4r2<D2 …(数式2) なお、上記r1およびr2は、スペーサが球形の場合はそ
の半径に相当するが、ファイバなどを切断した円柱状の
場合にはその半径や高さ寸法が相当する。
【0095】図3は、TFTなどを備えたアクティブマ
トリクス型パネルに、本発明を適用してセル厚を均一に
保持する場合の説明図である。この図に示すように、T
FT205の近傍では金属層や絶縁層などの積層により
周辺よりも盛り上がっており、そのTFT205近傍で
の多層膜の厚み分布の差や、ゲート信号線202の幅と
ソース信号線203の幅との違いを利用して、上記スペ
ーサを多段階パターニングするのがよい。このようにす
ると、液晶セルの厚みを均一に保持できる。なお、図中
の107は、画素電極である。
【0096】更に、本発明において、露光、現像等のホ
ト工程を利用して絶縁体をパターニングする際には、遮
光膜や金属配線膜などの遮光層をホトマスクとして作用
させ、基板背面から露光することも極めて有効となる。
すなわち、この場合にはホトマスクの作製と厳密なアラ
イメント工程を省略できるという利点がある。特に、T
FTなどのアクティブマトリクス型パネルに適用する際
には、工程の簡略化と製造コストの低減を達成する上で
適している。
【0097】本発明にあっては、画素電極など、前記一
方の基板に必要な部材が形成された基板の上に、画素電
極などを覆って絶縁体を塗布し、絶縁層を形成する。次
に、スペーサを散布し、その後、絶縁体を塗布する。ま
たは、このスペーサ散布および絶縁体塗布に代えて、ス
ペーサを含む絶縁体を、前記絶縁層の上に塗布する。次
に、前記画素電極の上方およびその近傍部分から絶縁体
を除去すべくパターニングする。そのパターニングにお
いて絶縁体の残る部分のパターンは、マトリクス状に設
けられた画素電極の周囲を取り囲むような格子状の形状
である。また、このときのパターン幅D’は、最終的な
パターン幅をDとし、前記スペーサの直径または長軸方
向の長さ寸法をSとした場合、D’≦D−2Sを満足す
る値とする。このパターニングにより、画素電極と絶縁
体の端の側壁との離隔距離はS以上となり、絶縁体の端
の側壁からスペーサがはみ出していても、スペーサは画
素電極の上方から外側に外れた位置となる(図49)。
【0098】次に、上述のようにして絶縁体がパターン
化された基板の上に、更に絶縁体を塗布する。次に、前
記最終的なパターン幅Dでパターニングする。このとき
のパターニングは、先のパターニングの際のセンター位
置と一致させておく。これにより、上述のように、絶縁
体の端の側壁からはみ出していたスペーサが、最終的に
絶縁体にて覆われてしまう。なお、スペーサの上部は、
後工程で行う液晶材料を含む混合物の注入に際して支障
のないように、絶縁体から外側にはみ出している状態と
しておく。
【0099】以上のようにすることにより、画素と絶縁
体との界面にスペーサが析出したり、また、画素内にス
ペーサが残存したりすることがなく、液晶分子を軸対称
配向にした場合においても、その軸対称配向がスペーサ
にて阻害されることを防止でき、ざらつきの観察される
ことを防ぐことが可能となる。
【0100】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0101】本発明の液晶素子は、例えば、ガラスなど
からなる一方の基板上に、ITOなどからなる画素電極
をパターン形成し、各画素を囲むようにレジストなどか
らなる絶縁体を形成した構成とすることができる。対向
電極が形成された他方の基板との間隙には、液晶層、ま
たは高分子領域に囲まれた液晶領域からなる表示媒体を
挟持させる。
【0102】このような液晶素子においては、基板上に
ノンラビングプロセスにより形成された配向膜により液
晶層内で液晶分子を放射状、同心円状、渦巻状などの軸
対称状、または2方向以上もしくはランダム状に配向さ
せることができ、あるいは画素外に形成された絶縁体に
より液晶領域内で液晶分子を2方向以上、軸対称状また
はランダム状に配向させることができる。さらに、上記
画素外に形成された間隙保持手段としての絶縁体により
基板間隙を均一に保持させることができる。
【0103】(ビーズレス液晶セルの作製方法)上記液
晶素子は、画素外に設けた絶縁体により、高分子領域に
囲まれた液晶領域内の液晶分子の配向を制御すると共
に、基板間隙を均一に保持して液晶領域内、または高分
子領域に囲まれていない液晶層内へのスペーサ(ビーズ
状スペーサ)の混入を抑制している。この絶縁体は、画
素外に設けられる信号線上にパターニングすると液晶セ
ルとして用いるのに実用的である。
【0104】この絶縁体のパターニング方法としては、
以下のような3つの方法を用いることができる。
【0105】第1の方法は、絶縁性が高い有機膜など
を基板上に均一に成膜した後、ホトレジストを塗布して
マスク露光、現像、レジスト転写パターンを利用した有
機膜のエッチング、レジスト剥離などの工程を経ること
により絶縁体をパターン形成する方法である。
【0106】第2の方法は、感光性を有する絶縁性有
機膜(例えばネガ型ホトレジストやポジ型ホトレジスト
や感光性ポリイミドなど)を基板上に均一に成膜した
後、マスク露光、現像などの工程を経ることにより絶縁
体をパターン形成する方法である。この方法では、上記
第1の方法を簡略化できる。
【0107】第2の方法は、凸版印刷や凹版印刷ある
いはスクリーン印刷などの印刷法を単独で、あるいは組
み合わせて用いることにより、基板上に所定の厚みの絶
縁体をパターン形成する方法である。
【0108】これらの絶縁体は、1または2以上の絶縁
膜を組み合わせてパターニングすることもできる。特
に、液晶材料と樹脂材料とを含む混合物から相分離を利
用して液晶領域を成長させる場合、絶縁膜を多層にする
ことにより基板と絶縁体との表面エネルギーを部分的に
変化させることができ、液晶領域を安定して作製できる
ように材料を選択することができる。
【0109】また、大面積にわたって使用温度環境や外
圧などに対して影響を受けずにセルギャップを均一に保
つためには、上記絶縁体の1以上の絶縁膜にガラス繊
維、ガラスビーズ、無機物や有機物などからなる粒状の
粒径制御材(ビーズ状スペーサ)を混入させてセルギャ
ップの制御を行うこともできる。また、ビーズ状スペー
サを混入させる場合、絶縁体材料に均一に分散させて塗
布することもできる。また、絶縁体材料として紫外線硬
化樹脂を用いた場合、材料を塗布した後にスペーサを散
布し、マスクを用いてパターニングすることもできる。
【0110】さらに、黒色顔料やカーボンブラックなど
の黒色材料あるいは有色の材料を感光性材料中に分散さ
せて画素外の信号線上に形成してもよい。黒色樹脂層を
画素外にパターン形成することによりBM(ブラックマ
トリクス)として機能させることができ、従来の金属C
rなどからなるBMに比べて表面反射率が低減されるの
で液晶パネルの低反射化を図ることができる。また、T
FTアレイなどを形成した基板側に黒色樹脂層を形成し
た場合、これを基板間隙保持用スペーサおよびBMとし
て機能させることができるので、カラーフィルタなどを
形成した対向基板側にBMを配置した液晶パネルに比べ
て画素開口率を向上させることができる。
【0111】さらに、黒色樹脂層を第1層目の絶縁膜と
して設け、その上に異種または同種の第2層目の絶縁膜
を設けることにより、第2層目の絶縁膜のパターニング
時の位置合わせが容易になって、大面積の液晶パネルを
作製する際に均一性を向上できる。
【0112】このようにして画素外に絶縁体を形成する
ことにより、無機物や有機物などからなる粒状のスペー
サを液晶層または液晶領域内に存在させることなくセル
ギャップを均一に保持することができる。
【0113】また、液晶材料と樹脂材料とを含む混合物
から相分離を利用して液晶領域を成長させる場合、重合
・相分離の際に高分子領域を選択的に画素外に形成して
画素外に設けられた絶縁体と融合させることができる。
この場合、さらに耐衝撃性や外圧に対する強度を向上さ
せることができる。
【0114】感光性を有する絶縁性有機膜の代わりに高
分子フィルムを用いてもよい。
【0115】高分子フィルムは感光性ポリマーで構成さ
れているか、感光剤と、それを保持するための高分子材
料により構成される。これらの高分子フィルムは熱圧
着、または接着剤や光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用
いて基板に貼り付けた後、ホトマスクやレーザー光を用
いて部分的に光照射することにより、その光照射部にお
いて高分子材料の光分解反応で任意の形状にパターニン
グすることができる。また、高分子フィルムを任意の形
状にパターニングした後、基板に貼り付けてもよい。
【0116】上記高分子フィルムの基板に対する密着性
を上げるために、高分子フィルムの上または下に、例え
ば感光性を有する絶縁性有機膜を一層または多層により
構成した後、任意の形状にパターニングしても良い。
【0117】尚、高分子フィルムを任意の形状にパター
ニングした後に、感光性を有する絶縁性有機膜を少なく
とも一層パターニングして、多層構造としてもよいし、
その逆工程にして作製してもよい。
【0118】(スペーサの添加量)本願において、絶縁
体中に混在させるスペーサの添加量は、間隙保持手段と
してのスペーサの配置位置によって、若干の違いがあ
る。例えば、間隙保持手段をレジスト材料等の絶縁材料
にスペーサを混合した材料を用いて形成する場合、 (1)画素外の遮光層にのみスペーサを定着させる場合
には、スペーサの添加量は約0.1重量%〜約0.9重
量%の範囲が好ましい。
【0119】(2)画素外の遮光層上及び画素内の島状
凸部に定着させる場合には、スペーサの添加量は約1.
0重量%〜約4.5重量%の範囲が好ましい。
【0120】(3)画素内の中央部の液晶領域の配向軸
上にスペーサを配置する場合は、スペーサの添加量は約
2.0重量%〜約7.0重量%が好ましい。
【0121】上記(1)から(3)の各場合とも、上記
所定の範囲よりもスペーサの添加量が少ない場合には、
スペーサを用いての液晶パネルの均一な間隙保持能力に
問題が生じ、また、スペーサの添加量が多い場合には、
十分にスペーサの配置を規定することが困難になり、液
晶領域の軸対称配向を十分に制御できなくなる可能性が
ある。
【0122】レジスト材料を塗布した後スペーサを散布
する場合のスペーサ量の好ましい範囲は、十分な間隙保
持能力が得られるように、パネル面積に対する間隙保持
手段の面積を考慮して設定すればよい。場合によって
は、間隙保持手段を絶縁体のみで形成し、全くスペーサ
を用いない構成でもよい。さらに、スペーサを含む絶縁
体を更なる絶縁層で覆う構成を用いると、スペーサによ
って液晶分子の配向が乱されることがないので、スペー
サの添加量を上記の範囲よりも多くすることができる。
【0123】(液晶材料−樹脂材料複合系からの相分離
に対する基板上の表面張力の影響)上記液晶素子におい
て、液晶材料と樹脂材料とを含む混合物から相分離を利
用して液晶領域を成長させる場合について、以下に説明
する。
【0124】本発明者らは、自由エネルギーの制御を利
用した液晶領域と高分子領域との位置制御について、既
に提案している。これは、混合物が単一相にある状態か
ら、自由エネルギーの制御下で相分離を進行させて目的
とする位置や形状に分離した2相を発生させて固定化す
ることにより液晶領域と高分子領域の位置および形状制
御を行うものである。制御できる自由エネルギーとして
は、界面自由エネルギーなどが挙げられる。例えば、液
晶相と等方相とに対する界面自由エネルギーの異なる材
料を基板に塗布してパターニングすると、そのパターン
にしたがって液晶相を誘起することができる。また、素
子を構成する一対の基板間隙を制御することにより液晶
領域と高分子領域との位置制御を行う方法も考えられ
る。この方法では、基板間の空隙の違いにより、相分離
した2相の界面に「界面の面積を小さくするような界面
張力」を作用させて液晶領域と高分子領域の位置および
形状制御を行う。
【0125】上記液晶素子においても、基板上に表面張
力の異なる材料をパターン形成し、またはセルギャップ
の異なる領域を形成することにより、重合性材料および
液晶材料の親和性の違いを利用して液晶領域と高分子領
域の位置および形状を制御し、液晶分子を2方向以上、
軸対称状またはランダム状に配向させることができる。
つまり、予め基板上に絶縁材料をパターニングした領域
が存在すると、その領域とそれ以外の領域とで、液晶相
に対する界面自由エネルギーと等方相に対する界面自由
エネルギーとを制御することができる。したがって、上
記画素外にスペーサとして設けられる絶縁体の表面張力
などの界面自由エネルギーを調節することにより、液晶
材料と重合性材料との相分離を制御して進行させること
ができる。
【0126】特に、比較的重合反応が遅く、相分離過程
において重合性材料が十分に移動できるような場合に
は、液晶材料と重合性材料との内で表面張力の大きい成
分が、間隙保持手段としての絶縁体がパターン形成され
た領域と形成されていない領域との内で表面張力の大き
い領域に優先的に分離され、液晶材料と重合性材料との
内で表面張力の小さい成分が、前記絶縁体がパターン形
成された領域と形成されていない領域との内で表面張力
の小さい領域に優先的に分離される。
【0127】液晶材料の表面張力γLC>重合性樹脂
材料の表面張力γMの場合 図4の液晶素子は、ガラス等からなる基板1a、1bお
よびその上に形成されたITO等からなる透明電極2
a、2bを有する一対の基板101aと101bとの間
に、高分子領域4と液晶領域3とを有する液晶層(表示
媒体層)を有する。以下においても同様の機能の部材に
は同じ参照符号を用いる。図4に示すように、画素外の
少なくとも一部分に基板1上の画素領域よりも表面張力
の小さい領域11を形成すると、その領域11にモノマ
ーなどの重合性材料が優先的に分離されて画素外に高分
子領域4が形成される。また、画素内に液晶領域3が形
成される。
【0128】この場合、例えば、重合性樹脂材料中にフ
ッ素原子などを有する重合性樹脂材料を添加すると、重
合性樹脂の表面張力γMが低下するので好ましい。ま
た、フッ素原子を有する重合性樹脂材料と液晶材料とは
一般的に相溶性が低いので、相分離の際に液晶材料と樹
脂材料とが混在し難くなって、高分子中に存在する液晶
分子の量を少なくすることができる。したがって、電場
に応答しない液晶の割合が低下してコントラストを向上
させることができる。さらに、液晶領域と高分子領域と
の界面にフッ素原子が分布するので、液晶と高分子のア
ンカリング強度が低下して駆動電圧を降下させることが
できる。
【0129】液晶材料の表面張力γLC<重合性樹脂
材料の表面張力γMの場合 図5に示すように、画素内の少なくとも一部分に他の画
素領域よりも表面張力の小さい領域11を形成すると、
その領域に液晶領域3が優先的に分離して画素外に高分
子領域4が形成される。
【0130】したがって、上記絶縁体がの場合のよう
に画素外にパターン形成されている場合には、材料の表
面エネルギーを調節することにより液晶材料−樹脂材料
複合系の相分離を制御することができると共に、スペー
サとしてセルギャップを均一に制御し、あるいは高分子
領域と融合してセル強度を向上させることができる。ま
た、上記絶縁体がの場合のように画素内にパターン形
成されている場合には、画素外に他の絶縁体をパターン
形成することにより、セルギャップを均一に制御するこ
とができる。
【0131】(液晶分子の配向を制御する配向膜の作製
方法)上記高分子領域を設けない液晶層においては、配
向膜により液晶分子を2方向以上、軸対称状またはラン
ダム状に配向させる。この配向膜としては、液晶分子の
配向を乱さないために、配向処理を行わない方法により
作製したものを用いる。例えば、基板上に直鎖状結晶性
高分子を含む溶液を塗布して冷却することにより形成し
た、球晶を有する配向膜などを用いることができる。
【0132】(ドメイン内の液晶分子の配向状態)上記
液晶素子を偏光顕微鏡で観察すると、電圧無印加時に
は、例えば図6(a)に示すように、高分子壁4内に形
成された液晶領域3において、あるいは液晶層(図示せ
ず)において、偏光板の偏光軸方向に十字型の消光模様
6が観察される。これは、液晶分子が各液晶ドメインの
中央部を中心として放射状、同心円状または渦巻状など
の軸対称状に配列して液晶領域3がモノドメイン状態に
なっていることを示す。
【0133】本発明者らはすでに、特開平7−1207
28号公報において、液晶領域3に関する立体的な概念
図を図61及び62に開示している。なお、両図におい
ては、液晶領域613が円盤状の例を挙げている。
【0134】図61は、液晶分子配向に捩れが存在して
いる場合である。図61(b),(c)および(d)
は、図61(a)に示す液晶領域613を基板に平行に
輪切りにした場合における上基板表面近傍(Z=d)、
中間層(Z=d/2)、下基板表面近傍(Z=0)の3
層について液晶分子の配列を各々表示している。
【0135】この図から理解されるように、液晶分子
は、中心部にある軸に対して、軸対称的に配向してい
る。更に、セルを上層側から見た場合、それぞれの部分
がTN的な配向状態になっており、かつ、該TN配向が
回転しながら中心軸に対し軸対称になっていると推定さ
れる。
【0136】図62は、液晶領域623内の液晶分子配
向に捩れが存在していない場合であり、図61と同様に
して示している。この図62から理解されるように、液
晶分子の配向状態は、液晶分子の配向に捩れが存在しな
いために、上基板表面近傍(Z=d)、中間層(Z=d
/2)、下基板表面近傍(Z=0)とも同様の方向を向
いた配向状態となっており、かつ、図に示す通り、前記
図61の場合と同様に中心軸に対して軸対称に配向して
いると推定される。
【0137】このように、本発明による液晶デバイスで
は液晶領域内の液晶分子は、中央の極部を中心として放
射状、円心円状または渦巻状などの軸対称に配列して液
晶領域3がモノドメイン状態になっていることを示す。
【0138】このような配向状態の液晶素子において
は、図6(b)に示すように、電圧印加時にディスクリ
ネーションライン5が液晶領域3の周囲に形成され、液
晶領域3内部に形成されることは無い。したがって、液
晶領域3の外縁部をBMで若干覆うようにすると、画素
外部に意図的にディスクリネーションラインを形成する
ことが可能である。さらに、上記ディスクリネーション
ラインまたは中央部に生じるディスクリネーション点
(図示せず)を遮光層下に形成することにより、液晶素
子の黒レベルを向上させてコントラストを改善すること
ができる。この場合、有色の添加剤(例えば黒色)を絶
縁体に含ませてもよい。さらに、高分子領域4に液晶性
重合材料を添加することにより、ディスクリネーション
ラインが全く発生しない配向状態とすることもできる。
【0139】このような配向状態を有する液晶素子に表
示電圧を印加すると、例えば図58(d)〜(f)に示
すように、基板に対して垂直な方向に平行になるように
液晶分子3aが立ち上がって来る。この時、液晶分子3
aは、初期配向である軸対称状の方向に沿って立ち上が
るので、液晶素子の各方向から見た見掛け上の屈折率が
均質化され、視角特性を改善することができる。
【0140】また、軸対称状の配向が以外でも、2方向
以上、またはランダム状の配向でも、液晶分子の立ち上
がり方向を2方向以上またはランダム状にすることがで
きるので、視角特性を改善することができる。
【0141】(画素内のドメイン数)各画素内の液晶ド
メイン数は、できるだけ少ないことが望ましい。1画素
内に多数のドメインが存在すると、ドメイン間にディス
クリネーションラインが発生して表示の黒レベルが低下
する。よって、液晶領域内で液晶分子が2方向以上、軸
対称状、またはランダム状に配列した単一のドメインで
画素が形成されているのが望ましい。この場合、1画素
に1ドメインが形成されるので、BMによりディスクリ
ネーションラインを覆うことが可能となる。
【0142】また、図7(a)に示すように、長方形の
画素8を有する液晶素子の場合、液晶分子が軸対称状に
配列している液晶領域3が2個以上集まった構成とする
ことができる。このような液晶素子においても、液晶領
域3がモノドメインである液晶素子と同様に視角特性を
優れたものにできる。この場合、高分子領域4または上
記絶縁体を長方形の画素8内に形成して画素を分断する
こともできる。
【0143】さらに、図7(b)の液晶素子の場合、画
素8内の複数の液晶領域3、3の境界に形成されるディ
スクリネーションラインの方向を偏光板の偏光軸と一致
させることにより、電圧印加時にディスクリネーション
ラインを見え難くすることができる。
【0144】このように画素を複数の液晶領域(または
液晶ドメイン)で分断して使用する場合、各液晶領域
(または液晶ドメイン)内に液晶分子の配向軸を揃える
手段を設ける必要がある。
【0145】(液晶分子を軸対称状に均一配向させる方
法)上述のように、基板上の画素外の少なくとも一部分
に、絶縁体としてレジスト材料などの表面張力が異なる
材料をパターン化して、液晶と重合性樹脂材料との混合
物を重合・相分離させると、液晶と高分子材料との位置
および形状を制御して液晶分子が画素内で軸対称状、2
方向以上、またはランダム状に配向している液晶分子が
得られる。このとき、一対の基板の少なくとも一方に凹
部または凸部もしくはその両方をパターン形成すること
により、セルギャップの異なる領域を形成して液晶材料
と重合性樹脂材料との相分離と制御し、対称軸の位置を
制御することができる。
【0146】相分離時に画素内で対称軸となる領域の
セルギャップが薄い場合(凸部が形成されている場合) 重合反応または温度降下により液晶と重合性樹脂(また
は高分子)とを相分離させる場合、図8(a)、(b)
に示すように基板101a上に凸部10cが存在する
と、その凸部10cが析出核の働きをして凸部10c付
近を取り囲むように液晶領域3が発達するので、対称軸
と凸部10cとを一致させることができる。よって、こ
の凸部10cの形成位置により、液晶分子の配向の対称
軸位置を制御することができる。なお、図8(b)は、
図8(a)の8B−8B’断面である。
【0147】凸部10cの高さはセルギャップの1/2
以下であり、かつ、液晶領域3を囲うように画素周辺に
設ける絶縁体10よりも低くするするのが望ましい。凸
部10cが高すぎると凸部10c上に高分子柱が形成さ
れ、この高分子柱が大きい場合には配向状態を乱すこと
もある。
【0148】また、凸部10cの大きさは、液晶析出の
核となる程度であればよい。小さいほど好ましく、例え
ば円柱の場合は直径が30μm以下であるのが好まし
い。凸部10cが大きすぎると凸部10c上に高分子柱
が形成されて電圧降下を起こし、コントラスト低下の原
因となる。
【0149】凸部10cの材質は、本発明では特に限定
しないが、レジストなどの有機材料やSiO2、Al2
3、ITOなどの無機材料を使用することができる。レ
ジスト材料を用いると、凸部10cの形成を簡単に行う
ことができる。また、透明導電膜であるITOは、凸部
10cを有する基板上にITO膜からなる画素電極を形
成することにより凸部10cとすることができる。さら
に、凸部10cを有する基板上に配向膜を形成して配向
膜を凸部としてもよい。また、このような凸部(凸部1
0cおよび画素電極、配向膜などの凸部)を液晶配向軸
の中心にするためには、垂直配向性を有する材料を使用
するのが望ましい。このような材料としては、例えばF
またはSi系添加剤を加えたレジスト材料を用いること
ができ、特に表面自由エネルギーが35mN/m以下で
あるものが望ましい。さらに、画素周辺に形成する絶縁
体10と上記凸部10cとを異なる材料により形成する
と、配向安定性を増す場合がある。
【0150】凸部10cの形状は、本発明では特に限定
しないが、円形、方形、長方形、楕円形、星形、十字型
などとすることができる。また、垂直方向に同一な形状
である必要はなく、傾斜を有するものであってもよい。
【0151】相分離時に画素内で対称軸となる領域の
セルギャップが厚い場合(凹部が形成されている場合) 重合反応または温度降下により液晶と重合性樹脂(また
は高分子)とを相分離させる場合(特に温度降下による
場合)、基板上に凹部が存在すると、相分離してきた液
晶は、凹部で表面張力が最小の球形になって安定化す
る。その結果、凹部で液晶が析出し、凹部付近を取り囲
むように液晶領域が発達するので、対称軸と凹部とを一
致させることができる。よって、この凹部の形成位置に
より、液晶分子の配向の対称軸を制御することができ
る。
【0152】凹部の深さは、本発明では特に限定しない
が、有機材料を用いる場合、できるだけ浅い方が電圧降
下が少なく、コントラスト低下の原因となりにくいので
望ましい。
【0153】また、凹部の大きさは、画素の大きさによ
り異なるが、ある程度大きな領域、例えば画素の面積の
40%程度であるのが望ましい。
【0154】凹部の形状は、本発明では特に限定しない
が、円形、方形、長方形、楕円形、星形、十字型などと
することができる。また、垂直方向に同一な形状である
必要はなく、傾斜を有するものであってもよい。
【0155】上記凹部、凸部および上記画素外に設けら
れる絶縁体は、一方の基板上に画素周辺に設ける絶縁体
を形成し、他方の基板上あるいは両基板上に凹部または
凸部を形成してもよい。
【0156】(高分子壁の作製方法)高分子壁に囲まれ
た液晶領域は、以下の2つの方法により作製することが
できる。
【0157】第1の方法は、少なくとも液晶と重合性
樹脂と重合開始剤とを含む混合物をセル中に注入し、混
合物の均一化温度(Tiso)以上の温度で重合性樹脂
を重合させることにより液晶と高分子とを相分離させ
て、その後冷却することにより高分子壁に囲まれた液晶
領域を作製する方法である。
【0158】第2の方法は、少なくとも液晶と重合性
樹脂と重合開始剤とを含む混合物をセル中に注入し、混
合物の均一化温度(Tiso)以上に加熱してから冷却
して液晶と重合性樹脂とを相分離させてから、重合性樹
脂を重合させて高分子壁に囲まれた液晶領域を作製する
方法である。
【0159】上記第1および第2の方法において、光重
合性樹脂を用いた場合には、紫外線(または可視光)の
照射により樹脂を硬化させることができる。また、熱硬
化性樹脂を用いた場合には、第1の方法により重合・相
分離を行うことができる。
【0160】(高分子材料の配向制御方法) 重合性液晶材料の添加 高分子壁内の高分子を、液晶分子の電圧印加時の配向方
向に有効に揃えるためには、重合性樹脂材料と液晶材料
と重合開始剤との混合物に液晶性を発現する官能基また
はそれに類する官能基を分子内に有する重合性液晶材料
を添加するのが望ましい。
【0161】相分離時に電圧または磁場を印加する方
法 液晶の軸対称状の配向は、画素内で形成することが重要
であり、配向軸が基板に対して大きくずれた配向状態の
発生を抑制する必要がある。本発明者らの検討によれ
ば、少なくとも液晶と重合性樹脂と重合開始剤とを含む
混合物に電圧または磁場あるいはその両方を付与しなが
ら液晶と高分子(または重合性樹脂)を相分離させるこ
とにより、液晶領域の軸対称配向の軸を基板に対して垂
直方向に揃えることができる。特に、液晶が均一相から
出現する時の小さなドロップレット状態の時に効果が大
きく、液晶領域が画素全体を覆うまで成長する前に電圧
または磁場を弱めてもよい。この電圧および磁場の強度
は、液晶の閾値(TNセルで評価した値)よりも大きけ
ればよく、周期的に強度変化するものを用いてもよい。
図9は、画素の中央部に凸部10cを設けたものであっ
て、相分離時に電圧(または磁場)を付与して作製した
液晶素子の偏光顕微鏡による観察図である。
【0162】(重合性樹脂)本発明に使用される重合性
樹脂としては、光硬化性樹脂や熱硬化樹脂などを用いる
ことができる。この光硬化性樹脂としては、例えば、C
3以上の長鎖アルキル基またはベンゼン環を有するアク
リル酸およびアクリル酸エステルなどが挙げられる。さ
らに具体的には、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミ
ル、n−ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリ
レート、トリデシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−ステアリルメタアクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニ
ルアクリレート、イソボルニルメタクリレートなどがあ
る。さらにポリマーの物理的強度を高めるために2官能
基以上の多官能性樹脂が好ましく、例えば、ビスフェノ
ールAジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラア
クリレート、ネオペンチルジアクリレート、R−684
などがある。さらに、液晶と硬化性樹脂との相分離を明
確にするためには、これらのモノマーをハロゲン化、特
に塩素化、およびフッ素化した樹脂がより好ましく、例
えば、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメ
タクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサクロロ
ブチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフロロ
プロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフロ
ロプロピルアクリレート、パーフロロオクチルエチルメ
タクリレート、パークロロオクチルエチルメタクリレー
ト、パーフロロオクチルエチルアクリレート、パークロ
ロオクチルエチルアクリレートなどが挙げられる。
【0163】熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル、イソボルニルアクリレート、パ
ーフルオロオクチルエチルアクリレートなどを用いるこ
とができる。
【0164】(重合抑制剤)液晶ドロップレット、即ち
液晶領域3の形状を大きくするためには、上記混合物に
重合性樹脂以外に重合反応を抑制する光重合抑制剤など
の化合物を添加するのが望ましい。例えばラジカル生成
後に共鳴系でラジカルを安定化するようなモノマーおよ
び化合物などであり、具体的にはスチレン、p−クロル
スチレン、p−フェニルスチレンなどである。
【0165】(重合開始剤)上記混合物には重合開始剤
を含ませてもよい。光重合開始剤としては、例えばIr
gacure184、651、907、Darocur
e1173、1116、2959などが使用できる。ま
た、電圧保持率を向上させるために低エネルギーの可視
光で重合できるような重合開始剤または増感剤などを使
用してもよい。
【0166】また、熱重合開始剤としては、t−ブチル
パーオキサイドなどを用いることができる。
【0167】これらの重合開始剤の添加量は、個々の化
合物の反応性により異なるので、本発明では特に限定し
ないが、液晶と重合性樹脂(後述する液晶性重合材料を
含む)との混合物に対して0.01〜5%であるのが好
ましい。0.01%以下では重合反応が十分に起こらな
い。また5%以上では、液晶と高分子との相分離速度が
早すぎて制御が困難となる。よって、液晶ドロップレッ
トが小さくなって駆動電圧が高くなり、さらに、基板上
の配向制御力が弱くなる。また、画素内に液晶領域が少
なくなり、さらに、ホトマスクなどを用いて照射強度分
布を設けた場合には遮光部(画素外)に液晶ドロップレ
ットが形成されてしまうので、表示のコントラストが低
下する。
【0168】(液晶材料)液晶については、常温付近で
液晶状態を示す有機物混合体であって、ネマチック液晶
(2周波駆動用液晶、Δε<0の液晶を含む)または、
コレステリック液晶(特に、可視光に選択反射特性を有
する液晶)、もしくはスメクチック液晶、強誘電性液
晶、ディスコチック液晶などが含まれる。これらの液晶
は混合して用いてもよく、特にコレステリック液晶(カ
イラル剤)が添加されたネマチック液晶が特性上好まし
い。
【0169】さらに、加工時に光重合反応を伴うため、
耐化学反応性に優れた液晶材料が好ましい。例えば、化
合物中、フッ素原子などの官能基を有する液晶材料であ
り、具体的にはZLI−4801−000、ZLI−4
801−001、ZLI−4792、ZLI−4427
(メルク社製)などが挙げられる。
【0170】また、液晶材料に2色性色素を添加して色
素分子の配列方向を変化させるようにした場合には、液
晶層を通過する光の吸収率変化を利用した表示方式であ
るゲスト−ホスト表示モードに適用することも可能であ
る。液晶と高分子とから形成される高分子分散型液晶表
示素子にゲスト−ホスト表示を適用した技術なども特開
平5−224191号公報等に開示されている。本発明
の液晶素子においてもゲスト−ホスト表示を利用するこ
とが可能であり、反射型表示素子への応用や偏光板の使
用枚数低減などのためにパネルの光線透過率の向上など
が期待できる。この目的に使用できる2色性色素は以下
に挙げる項目を満足することが重要となる。
【0171】(1)十分な光学濃度が得られる程度にホ
スト液晶に溶解すること (2)表示でのコントラストに寄与する2色性比が大き
いこと (3)耐光性を含む化合物の安定性に優れていること などである。一般には耐光性が高く、しかも液晶に対す
る溶解性に優れ、多くの光重合性樹脂の硬化反応を阻害
しにくいなどといった特徴を有するアントラキノン系の
色素が幅広く適用できるが、その他のアゾ系、ベンゾキ
ノン系などの2色性色素を用いることも可能であり、本
発明では規定しない。なお、これらの2色性色素の添加
比率としては、ホスト液晶に対して0.05〜10重量
%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。添加量が10重量%より多くなると十分にホスト液
晶に溶解しないだけでなく、液晶層を透過する光量が低
下してパネルの透過率が低減するためである。一方、
0.05重量%より少ないと、色素分子の配列方向の制
御による吸光度の変化を十分に実現することが困難とな
る。
【0172】(重合性液晶材料)上記液晶と重合性樹脂
との混合物に、重合性官能基を有する液晶性化合物(以
下、重合性液晶材料と称する、単体で液晶性を発現する
必要はない)を混合すると、液晶領域の周辺部に発生す
るディスクリネーションラインを抑制することができ
る。
【0173】これらの液晶材料と重合性液晶材料とを選
択する場合、それぞれの液晶性を発現する部分が類似し
ていることが望ましい。特に、化学的環境が特異なF、
Cl系液晶材料については、重合性液晶材料についても
F、Cl系液晶材料であることが好ましい。
【0174】使用可能な重合性液晶材料は、ホストの液
晶分子の液晶性を乱しにくい化合物であり、例えば次の
化学式(1)で示されるような化合物などである。
【0175】A−B−LC (1) この化学式(1)中のAは重合性官能基を示し、CH2
=CH−、CH2=CH−COO−、CH2=C(C
3)−COO−などの不飽和結合、または(化1)
【0176】
【化1】
【0177】などの歪みを持ったヘテロ環構造を持った
官能基を示す。また、化学式(1)中のBは、重合性官
能基と液晶性化合物とを結ぶ連結基であり、具体的には
アルキル鎖(−(CH2n−)、エステル結合(−CO
O−)、エーテル結合(−O−)、ポリエチレングリコ
ール鎖(−CH2CH2O−)、およびこれらの結合基を
組み合わせた結合基である。重合性液晶材料を液晶材料
と混合した時に液晶性を示すことが好ましいので、重合
性官能基Aから液晶性化合物LCの剛直部まで6箇所以
上の結合を有する長さを持つ連結基Bが特に好ましい。
また、化学式(1)中のLCは液晶性化合物を示し、次
の化学式(2)で示される化合物またはコレステロール
環およびその誘導体などである。
【0178】D−E−G (2) 上記化学式(2)中のGは、液晶の誘電率異方性などを
発現させる極性基であり、−CN、−OCH3、−C
l、−OCF3、−OCCl3、−H、−R(Rはアルキ
ル基)などの官能基を有するベンゼン環、シクロヘキサ
ン環、パラジフェニル環、フェニルシクロヘキサン環な
どがである。また、化学式(2)中のEは、D、Gを連
結する官能基で、単結合、−CH2−、−CH2CH
2−、−O−、−C≡C−、−CH=CH−などであ
る。さらに、化学式(2)中のDは、化学式(1)中の
Bと結合する官能基であり、かつ、液晶分子の誘電率異
方性、屈折率異方性の大きさを左右する部分であり、具
体的には、パラフェニル環、1,10−ジフェニル環、
1,4−シクロヘキサン環、1,10−フェニルシクロ
ヘキサン環などである。
【0179】(液晶と重合性材料との混合比)液晶と重
合性材料(重合性樹脂および重合性液晶材料を含む)を
混合する重量比は、画素サイズにより異なるが、液晶材
料:重合性材料が50:50〜97:3が好ましく、さ
らに好ましくは、70:30〜95:5である。液晶材
料が50%未満であると高分子壁の効果が高まりセルの
駆動電圧が著しく上昇して実用性を失う。また、液晶材
料が97%を超えると高分子壁の物理的強度が低下して
安定した性能が得られない。また、重合性液晶材料と液
晶性を有さない重合性材料との重量比は、上記重量比の
範囲内で重合性液晶材料が0.5%以上あればよい。
【0180】(駆動方法)作製されたセルは、単純マト
リックス駆動、TFTまたはMIMなどによるアクティ
ブ駆動などの駆動法で駆動でき、本発明では特に限定し
ない。
【0181】(基板材料)基板材料としては、可視光が
透過する透明固体であればいずれも用いることができ、
ガラス、石英、プラスチック、高分子フィルムなどを用
いることができる。特に、プラスチック基板の場合、表
面の凹凸をエンボス加工などにより形成するのが可能で
あるので適している。さらに、これらの基板を2種組み
合わせて異種基板でセルを作製することもでき、また、
同種異種を問わず厚みの異なった基板を2枚組み合わせ
て使用してもよい。
【0182】(画素の中央にビーズを配置する構成)液
晶ドメインの配向軸が形成される過程において、スペー
サ用ビーズが画素と絶縁体(例えば高分子壁部分)の境
界面にある場合、配向軸がビーズがある位置(例えば高
分子壁部分)に形成されることがある。この問題を解決
するために、スペーサ用ビーズの位置を配向軸を作製し
たい場所に固定させることで、配向軸の位置を例えば画
素の中心部に固定させることができる。つまり、画素内
で液晶領域の液晶分子が軸対称状に配向し、この液晶領
域の対称軸またはその付近にのみスペーサ用ビーズが存
在しているようにすれば、スペーサ用ビーズが画素とレ
ジスト(例えば高分子壁部分)の境界面には存在せず、
液晶分子の配向軸は液晶領域の対称軸またはその付近に
のみ存在することになる。これにより、均一でざらつき
のない優れた表示品位の液晶表示素子が得られる。
【0183】(スペーサおよび間隙保持手段としての絶
縁膜の配置箇所)スペーサ、および間隙保持手段として
の絶縁膜は、本願において以下のような配置を提案して
いる。
【0184】画素外にのみ間隙保持手段(スペーサ、
絶縁体、遮光層等を含む)を配置する基板構成 画素外に配置する間隙保持手段と共に、画素内の液晶
領域の略中央部に配向軸を制御すべく島状絶縁体を形成
して画素外および画素内の両方に間隙保持手段を配置す
る基板構成 画素内の液晶領域の中心部の配向軸を規定する箇所に
のみスペーサ用ビーズ等の間隙保持手段を配置する基板
構成などが挙げられる。
【0185】画素外に設ける場合には、後述する遮光層
や高分子領域に覆われるように形成する。更に、このよ
うな手段で、基板間隙保持部材を十分に覆いきれないと
きには、パターンの外側を間隙保持手段としての絶縁
体、あるいは重合相分離を経て形成される高分子領域等
で囲んで固定することも可能である。
【0186】一方、上述の構成のうち、画素内部にスペ
ーサ等の間隙保持部材を設ける場合には、該部材の外側
を間隙保持手段としての絶縁体や重合相分離を経て形成
される高分子等で覆うことも効果的である。
【0187】一方、画素内に設ける場合には、スペーサ
の外側を間隙保持手段としての絶縁体や、重合相分離で
形成される高分子等で囲むように構成する。
【0188】以上のようなスペーサおよび絶縁膜の配置
によって、基板の間隙を一定に保持すべく、図10(こ
こでは、画素外のパターニングによる概略図を示す)で
例示するような基板間隙保持部材(ビーズスペーサ)を
形成して本発明の目的を達成することが可能となる。
【0189】(遮光層)遮光層としては、BMだけでな
く、金属配線などの金属薄膜も該当する。特に、アクテ
ィブマトリクス基板では、ゲート信号線、ソース信号
線、層間絶縁膜、補助容量配線などの金属配線も遮光層
として作用する。また、遮光層の材料としては、光線遮
光能を有する金属薄膜や合金薄膜や、黒色顔料などの有
色顔料を含有した有機膜などが好ましい。
【0190】以下、本発明の各実施形態および比較例つ
いて説明する。
【0191】(実施形態1)ガラス基板1a、1b
(1.1mm厚み)上にITO(酸化インジュウムおよ
び酸化スズの混合物、50nm)からなる透明電極2
a、2bが形成された一対の基板101a、101bを
用い、一方の基板101a上に、黒色顔料が分散された
ネガ型黒色レジストCFPR−BK510S(東京応化
社製)をスピンコート法(500rpm.、20se
c)により均一に塗布した。これを焼成後、図11に示
すような遮光部12と透光部13とを有するホトマスク
14aを用いて所定の強度(200mJ/cm2)で露
光し、現像、リンスおよび後焼成工程を経て、図12
(a)、(b)に示すような膜厚2.4μmの黒色樹脂
層からなる第1の絶縁層10aを画素外にパターン形成
した。その後、この基板上にネガ型ホトレジストOMR
83(東京応化社製)中に平均粒径3.4μmのプラス
ティックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミカル
社製)0.1wt%を混入した絶縁材料を均一分散させ
た状態でスピンコート法により均一に塗布した。これを
焼成後、図13に示すような遮光部12と透光部13と
を有するホトマスク14bを用いて所定の強度(240
mJ/cm2)で露光し、現像、リンスおよび後焼成工
程を経て、図12(b)、(c)に示すような膜厚2.
8μmの柱状絶縁層からなる第2の絶縁層10bを画素
外にパターン形成した。図13において破線部はホトマ
スク14aとの配置関係を示している。高分子領域4は
クロスニコル下では、黒く見える。
【0192】また、他方の基板101b上にはシール材
(ストラクトボンドXNー21S、焼成温度170℃/
2h)を印刷法によりパターニングし、両基板を加圧、
焼成して貼り合わせてセル厚5.0μmの液晶セルを作
製した。
【0193】次に、重合性樹脂材料としてパーフルオロ
オクチルエチルアクリレート0.15g、ラウリルアク
リレート0.26gおよびR−684(日本化薬社製)
0.1g、光重合抑制剤としてp−フェニルスチレン
0.19g、液晶材料としてZLI−4792(メルク
社製:S−811を0.3重量%含有)4.25g、光
重合開始剤Irgacure651を0.025g混合
した混合物を作製し、減圧下において作製したセル中に
真空注入した。
【0194】その後、温度を混合物の均一化温度以上の
110℃に保ち、かつ、透明電極3、6間に実効電圧が
2.5Vで60Hzの電圧を印加しながら、第1の基板
101a側から高圧水銀ランプ下10mW/cm2の所
で5分間紫外線を照射して樹脂を硬化させた。なお、U
V露光の照射方向は101a側、および101b側のど
ちらでも良く本実施形態により特に規定しない。その
後、電圧を印加した状態を保ちながら5時間かけて40
℃まで冷却し、さらに室温(25℃)まで戻してから、
紫外線照射を行って樹脂を完全に重合させた。
【0195】上記一方の基板101aのITO電極2a
とパターニングした絶縁体の表面自由エネルギーを下記
表1に示し、混合物中の液晶材料と重合性樹脂材料の表
面自由エネルギーを下記表2に示す。
【0196】
【表1】
【0197】
【表2】
【0198】この表2と上記表1から、重合性樹脂材料
が絶縁体上に優先的に分離して画素外に高分子領域が形
成されることが理解される。
【0199】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、図12(c)に示すように、高分子領域4に囲ま
れた液晶領域3が1画素毎にモノドメイン状態で、か
つ、画素内でスペーサによる配向乱れが認められない、
比較的均一な軸対称状に配向していた。また、偏光軸が
互いに直行する2枚の偏光板を固定して、作製したセル
を回転させたところ、液晶領域の消光模様の位置が一定
で周りの高分子壁4のみが回転しているように観察され
た。このことから、殆どの液晶領域において均一な軸対
称状の配向が得られていることが分かった。
【0200】その後、作製したセルの両面に偏光軸を互
いに直交させて2枚の偏光板を貼り合わせて液晶素子を
作製した。
【0201】作製した液晶素子に電圧を印加しながら偏
光顕微鏡で観察したところ、電圧印加時においてもディ
スクリネーションラインが発生せず、全体が黒くなって
いくことが確認された。
【0202】作製した液晶素子の電気光学特性およびざ
らつきの評価について以下の表3および図14に示す。
尚、電気光学特性は、偏光軸と互いに平行にした2枚の
偏光板をブランク(透過率100%)として示した。ま
た、表3中、中間調における反転現象は、○印:反転現
象が起こらない状態、×印:容易に反転現象を観察でき
る状態、△印:辛うじて反転現象が観察される状態とし
て示した。
【0203】
【表3】
【0204】図14に示すように、本実施形態1の液晶
素子は、後述する比較例1のTNセルに見られるような
反転現象が生じず、電圧飽和時の広視角方向での透過率
の増加も生じなかった。さらに、表3に示すように、本
実施形態1の液晶素子は、中間調においてもざらつきが
観察されなかった。
【0205】また、画素外に絶縁体10a、10bが設
けられているのでスペーサが画素内に存在しないでも基
板間隙を均一に保持することができた。さらに、高分子
領域4が画素外に形成されて絶縁体10a、10bに融
合する状態で設けられており、絶縁体10aにスペーサ
が含まれているので、耐衝撃性および強度が優れた液晶
素子とすることができた。
【0206】(実施形態2)本実施形態では、液晶配向
膜をノンラビングプロセスにより形成して液晶層内の液
晶分子の配向を制御した。
【0207】実施形態1と同様のITO電極が形成され
た一方の基板上に、直鎖状結晶性高分子であるナイロン
6,6を1wt%含んだm−クレゾール溶液をスピンコ
ート法により塗布して140℃で2時間保持した後、窒
素雰囲気下、冷却速度6℃/minで室温まで冷却し
て、球晶径30μmの液晶配向膜をノンラビングプロセ
スにより作製した。
【0208】次に、その基板上に、黒色顔料が分散され
たネガ型黒色レジストCFPR−505S(東京応化社
製)をスピンコート法(500rpm.、20sec)
により均一に塗布した。これを焼成後、画素領域を遮光
部とし、画素以外の領域を透光部としたホトマスクを用
いて実施形態1と同様の工程を経ることにより膜厚2.
4μmの黒色樹脂層からなる第1の絶縁層を画素外にパ
ターン形成した。その後、この基板上にネガ型透明耐熱
レジストV−259PA(新日鐡化学社製)中に平均粒
径3.2μmのプラスティックビーズ(ミクロパール:
積水ファインケミカル社製)0.1wt%を混入した絶
縁材料を均一分散させた状態でスピンコート法により均
一に塗布した。これを焼成後、上記ホトマスクの透光部
の内、各コーナーのみを透光部としたホトマスクを用い
て所定の露光、現像、リンスおよび後焼成工程を経て、
第2の絶縁層を画素外に形成した。
【0209】また、他方の基板上にはシール材を印刷法
によりパターニングし、両基板を貼り合わせてセル厚
5.2μmの液晶セルを作製した。
【0210】作製した液晶セルに、液晶材料ZLI−4
792(メルク社製:S−811を0.3重量%含有)
を真空注入法により注入した。
【0211】作製した液晶セルの電気光学特性を直交ニ
コル下で観察したところ、画素内にスペーサが無いため
にスペーサによる光遮断や液晶分子配向の乱れが生じ
ず、しかも視角が±40°の範囲内でも白黒反転が生じ
ない広視角液晶パネルを得ることができた。さらに、こ
の実施形態の液晶素子は第1の絶縁層および第2の絶縁
層が設けられているのでスペーサが画素内に存在しない
でも基板間隙を均一に保持することができた。
【0212】(比較例1)実施形態1と同様のITO電
極が設けられた一対の基板に、配向膜としてAL455
2(日本合成ゴム社製)を成膜後、ナイロン布を用いて
ラビング処理を行った。この両基板に平均粒径5μmの
プラスティックビーズ(ミクロパール:積水ファインケ
ミカル社製)を均一に散布し、対向基板上にシール材
(ストラクトボンドXNー21S、焼成温度170℃/
2h)を印刷法によりパターニングし、配向膜が互いに
直交するように両基板を貼り合わせてセル厚5.0μm
の液晶セルを作製した。
【0213】作製した液晶セル中に、実施形態2で用い
た液晶材料ZLI−4792(メルク社製:S−811
を0.3重量%含有)を注入し、セルの両面に偏光軸を
互いに直交させた2枚の偏光板を貼り合わせて従来のT
N型液晶表示素子を作製した。
【0214】作製した液晶素子の電気光学特性およびざ
らつきの評価については上記表3および図15に示し
た。図15に示すように、比較例1の素子は、中間調に
おける反転現象が生じ、電圧飽和時の広視角方向での透
過率の増加が生じた。さらに、表3に示すように、中間
調におけるざらつきが観察された。
【0215】(比較例2)実施形態1と同様の一方の基
板における画素外の全領域にネガ型ホトレジストOMR
83(東京応化社製)をパターン形成し、その後、シー
ル材(ストラクトボンドXNー21S、焼成温度150
℃/2h)を印刷法によりパターニングした。
【0216】他方の基板には、平均粒径5.3μmのプ
ラスティックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミ
カル社製)を均一に散布し、両基板を貼り合わせてセル
厚5.0μmの液晶セルを作製した。
【0217】作製した液晶セルに実施形態1と同様の液
晶材料と重合性樹脂材料とを含む混合物を注入して実施
形態1と同様にして液晶素子を作製した。
【0218】作製した液晶素子を偏光顕微鏡で観察した
ところ、図16に示すように、軸対称状に配向した液晶
領域3の一部分に、画素内に存在するスペーサ7による
配向乱れが生じていた。しかも、この配向乱れがディス
クリネーションラインを誘発していた。
【0219】作製した液晶素子の電気光学特性およびざ
らつきの評価については上記表3に示した。表3に示す
ように、比較例2の素子は、ディスクリネーションライ
ンの発生が多かった。
【0220】(実施形態3)本実施形態では、1層の絶
縁体を用いて完全にビーズレスの液晶素子を作製した。
【0221】実施形態1と同様の一方の基板上に感光性
ポリイミド(”ホトニース”UR−3140:東レ社
製)をスピンコート法(3000rpm.、20se
c)により均一に塗布した。これを焼成後(膜厚9.1
μm)、図13に示したホトマスク14bを用いて所定
の強度(150mJ/cm2)で露光し、現像、リンス
および後焼成工程を経て、最終膜厚5.3μmの絶縁体
を画素外にパターン形成した。
【0222】また、他方の基板上にはシール材(ストラ
クトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターニングし、上記画素外に設けられた
絶縁体のみをスペーサとして両基板を貼り合わせてセル
厚5.1μmの液晶セルを作製した。
【0223】作製した液晶セルに実施形態1と同様の液
晶材料と重合性樹脂材料とを含む混合物を注入し、実施
形態1と同様にして重合・相分離を行わせて液晶素子を
作製した。
【0224】作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察した
ところ、実施形態1と同様に液晶領域が軸対称状に配向
しており、また、画素外にパターン形成された絶縁体を
覆って重合相分離過程において生成した高分子領域が形
成されていた。よって、この絶縁体により基板間隙を均
一に制御すると共に、耐衝撃性を向上させることができ
た。
【0225】(実施形態4)本実施形態では、熱による
相分離と光重合による相分離とを組み合わせて液晶素子
を作製した。
【0226】実施形態1と同様の一方の基板上に、カー
ボンブラックが分散された耐熱ネガ型黒色レジストV−
259−BK(新日鐡化学社製)をスピンコート法(5
00rpm.、20sec)により均一に塗布した。こ
れを焼成後、図11に示したホトマスク14aを用いて
所定の強度(300mJ/cm2)で露光し、現像、リ
ンスおよび後焼成工程を経て、膜厚2.1μmの黒色樹
脂層からなる第1の絶縁層を画素外にパターン形成し
た。その後、この基板上にネガ型ホトレジストOMR8
3(東京応化社製)中に平均粒径3.4μmのプラステ
ィックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミカル社
製)0.1wt%を混入した絶縁材料を均一分散させた
状態でスピンコート法により均一に塗布した。これを焼
成後、図13に示したホトマスク14bを用いて所定の
強度(240mJ/cm2)で露光し、現像、リンスお
よび後焼成工程を経て、膜厚2.8μmの柱状絶縁層か
らなる第2の絶縁層を画素外にパターン形成した。
【0227】また、他方の基板上にはシール材(ストラ
クトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターニングし、両基板を貼り合わせてセ
ル厚5.0μmの液晶セルを作製した。
【0228】作製した液晶セル中に、実施形態1と同様
の液晶材料−重合製樹脂材料の混合物を減圧下から真空
注入した。
【0229】次に、混合物の均一等方相状態である11
0℃から液晶相一等方性相混在状態である55℃までの
温度範囲を5〜10サイクル印加した後、53℃で液晶
材料と重合性樹脂材料とを熱的に相分離させた。その
後、温度を一定に保ち、かつ、透明電極間に実効電圧が
2.5Vで60Hzの電圧を印加しながら、高圧水銀ラ
ンプ下10mW/cm2の所で5分間紫外線を照射して
樹脂を硬化させた。その後、電圧を印加した状態を保ち
ながら室温(25℃)まで戻し、さらに紫外線照射を行
って樹脂を完全に重合させた。
【0230】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、高分子領域に囲まれた液晶領域が1画素毎にモノ
ドメイン状態で、かつ、画素内でスペーサによる配向乱
れが認められない、比較的均一な軸対称状に配向してい
た。
【0231】その後、実施形態1と同様にセルの両面に
2枚の偏光板を貼り合わせ、液晶素子を作製した。
【0232】作製した液晶素子に電圧を印加しながら偏
光顕微鏡で観察したところ、電圧印加時においてもディ
スクリネーションラインが発生せず、全体が黒くなって
いくことが確認された。
【0233】作製した液晶素子の電気光学特性およびざ
らつきの評価については上記表3に示した。表3に示す
ように、本実施形態4の液晶素子は、比較例1のTNセ
ルに見られるような反転現象が生じず、電圧飽和時の広
視角方向での透過率の増加も生じなかった。さらに、中
間調においてもざらつきが観察されなかった。
【0234】また、絶縁体が設けられているのでスペー
サが画素内に存在しないでも基板間隙を均一に保持する
ことができ、さらに、高分子領域が画素外に形成されて
絶縁体に融合する状態で設けられており、また、絶縁体
にスペーサが含まれているので、耐衝撃性に優れた液晶
素子とすることができた。
【0235】(実施形態5)この実施形態では、非感光
性樹脂層からなる絶縁体をパターン形成した。
【0236】実施形態1と同様の一方の基板上に、ポリ
イミド(”セミコファイン”SP−910:東レ社製を
スピンコート法(3000rpm.、20sec)によ
り均一に塗布した。これを焼成後、ポジ型ホトレジスト
OFPR800(東京応化社製)を塗布、焼成後、図1
3に示したホトマスク14bを用いて所定の強度(24
0mJ/cm2)で露光し、現像、リンス処理後、エッ
チング、レジスト剥離およびキュア工程を経て、画素外
に膜厚5.1μmの非感光性樹脂層からなる絶縁体をパ
ターン形成した。
【0237】また、他方の基板上にはシール材(ストラ
クトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターニングし、両基板を貼り合わせてセ
ル厚4.9μmの液晶セルを作製した。
【0238】作製した液晶セル中に、実施形態1と同様
の液晶材料−重合製樹脂材料の混合物を注入し、実施形
態1と同様にして重合・相分離を行って液晶素子を作製
した。
【0239】作製したセルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、高分子領域に囲まれた液晶領域が軸対称状に配向し
ており、画素内でスペーサによる配向乱れが認められな
かった。また、高分子領域が画素外に形成されて絶縁体
に融合する状態で設けられているので、耐衝撃性に優れ
た液晶素子とすることができた。
【0240】(実施形態6)本実施形態では、重合性樹
脂材料として、熱硬化性樹脂を用いた。
【0241】実施形態1と同様にして作製した液晶セル
中に、重合性樹脂材料としてビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル0.25g、イソボルニルアクリレート
0.2gおよびパーフルオロオクチルエチルアクリレー
ト0.1g、液晶材料として実施形態1と同様のZLI
−4792(メルク社製:S−811を0.3重量%含
有)、熱重合開始剤t−ブチルパーオキサイド0.05
gを混合した混合物を注入した。
【0242】その後、透明電極間に実効電圧が2.5V
で60Hzの電圧を印加しながら、150℃で2時間加
熱することにより、系中の重合相分離の進行を促すと共
に、150℃から30℃まで12時間かけて冷却するこ
とにより、液晶領域の配向状態を制御・定着させた。
【0243】作製したセルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、実施形態1と同様な配向状態が確認され、かつ、偏
光板を直交ニコルにした時の電気光学特性評価も良好で
あった。さらに、高分子領域が画素外に形成されて絶縁
体に融合する状態で設けられているので、耐衝撃性に優
れた液晶素子とすることができた。
【0244】(実施形態7)本実施形態では、液晶材料
と重合性樹脂材料との混合物に重合性液晶性材料を添加
した。
【0245】実施形態1と同様にして作製した液晶セル
中に、重合性樹脂材料としてR−684(日本化薬社
製)0.1g、光重合抑制剤としてp−フェニルスチレ
ン0.19g、重合性液晶材料として下記の化合物(化
2)を0.06g、液晶材料としてZLI−4792
(メルク社製:S−811を0.3重量%含有)3.7
4g、光開始剤Irgacure651を0.02g混
合した混合物を注入し、実施形態1と同様にして重合・
相分離を行って液晶素子を作製した。
【0246】
【化2】
【0247】作製したセルを直交ニコル下で偏光顕微鏡
で観察したところ、実施形態1と同様な軸対称状の配向
状態が確認され、電圧印加時においてもディスクリネー
ションラインが発生しなかった。さらに、電圧印加時の
黒状態においても光漏れが少なく、視角特性が良好であ
った。さらに、高分子領域が画素外に形成されて絶縁体
に融合する状態で設けられているので、耐衝撃性に優れ
た液晶素子とすることができた。
【0248】(実施形態8)本実施形態では、印刷法に
より絶縁性材料をパターニングして液晶素子を作製し
た。
【0249】実施形態1と同様の一方の基板上に、カー
ボンブラックが分散された耐熱ネガ型黒色レジストV−
259−BK(新日鐡化学社製)をスピンコート法(1
000rpm.、20sec)により均一に塗布した。
これを焼成後、図11に示したホトマスク14aを用い
て所定の強度(300mJ/cm2)で露光し、現像、
リンスおよび後焼成工程を経て、膜厚1.2μmの黒色
樹脂層からなる第1の絶縁層を画素外にパターン形成し
た。その後、黒色インキ中に平均粒径4.0μmのプラ
スティックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミカ
ル社製)1.2wt%を混入した絶縁材料を図17に示
すスクリーン版15を用いて実線の矩形部分15aにパ
ターン化し、印刷法により基板上に定着した。これを1
50℃で2時間焼成して、スクリーン版15の矩形が配
置されたパターンで第2の絶縁層を画素外に形成した。
【0250】また、他方の基板上にはシール材(ストラ
クトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターニングし、両基板を貼り合わせてセ
ル厚5.0μmの液晶セルを作製した。
【0251】作製した液晶セル中に、実施形態1と同様
の液晶材料−重合性樹脂材料の混合物を注入し、実施形
態1と同様にして重合・相分離して液晶素子を作製し
た。
【0252】作製したセルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、実施形態1と同様に均一な軸対称状配向が得られ、
重合相分離過程において生成した高分子領域が画素外の
みに形成して絶縁体と融合していることが確認された。
印刷法により絶縁体が形成された本実施形態の液晶素子
は、絶縁体のパターンピッチの精度が感光性樹脂を用い
た場合よりも若干劣るものの、簡便なプロセスにより大
型基板のパターニングにも容易に適用し得る。
【0253】(実施形態9)本実施形態の液晶素子は、
ガラスなどからなる一方の基板上にITOなどからなる
画素電極パターンを形成し、各画素を囲むようにスペー
サを含んだ高分子フィルムからなる絶縁体を形成した構
成とすることができる。液晶層、又は高分子領域に囲ま
れた液晶領域からなる表示媒体を挟持させる(図12参
照)。
【0254】このような液晶素子においては、電場や磁
場等の外場を印加しながら等方性相状態から液晶相状態
へ冷却して、液晶領域内の配向制御することによって、
液晶層内で液晶分子を放射状、同心円状、渦巻状などの
軸対称状、または2方向以上もしくはランダム状に配向
させることができる。
【0255】上記液晶素子は、上記高分子フィルムを画
素電極が設けられる基板上に熱圧着した後、画素外に設
けられる信号線上にパターニングするために、紫外線を
マスク露光し、現像処理を行う。画素外に配設した上記
高分子フィルムにより、高分子に囲まれた液晶領域内の
液晶分子の配向を安定化させると共に、基板間隙を均一
に保持して液晶領域、または高分子領域に囲まれていな
い液晶層へのスペーサの混入を抑制できる。
【0256】以下に、本実施形態を具体的に示す。
【0257】まず、本実施形態において使用したドライ
フィルム180を図18に基づいて述べる。このドライ
フィルム180は、支持体フィルム181、中間層18
2、ホトレジスト層183及び保護フィルム184を順
次積層した構造の高分子フィルムである。支持体フィル
ム181はポリエステル、ポリイミド系のべースフィル
ムであり、ホトレジスト層183を形成するための基材
として用いられるものである。
【0258】中間層182はポリビニルアルコール、セ
ルロース類、ポリビニルピロリドンおよびポリアクリル
アミド等の親水性高分子からなり、貼り付ける基板との
密着性を向上させるためのものである。
【0259】ホトレジスト層183としては通常用いら
れる光硬化性の組成物を用いており、光重合性モノマ
ー、バインダー樹脂、光重合開始剤及びその他の助剤、
さらにはカルボン酸含有熱可塑性樹脂等を含んでいる。
【0260】保護フィルム184はホトレジストフィル
ム183をロール状にして用いる場合に粘着性を有する
ホトレジスト層183が支持体フィルム181に転着し
たりするのを防止する目的でホトレジスト層183に積
層している。
【0261】上記ドライフィルム180は、必要に応じ
て、薄膜化するために過熱した後に延伸処理を行っても
よい。
【0262】次に、本実施形態の液晶素子の製造内容に
つき説明する。
【0263】1.1mm厚の硝子基板1a上に、厚み5
0nmのITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混
合物)を透明電極2aとして有する基板を使用した(図
19)。
【0264】該基板1a上に、平均粒径4.5μmのプ
ラスチックビーズ7(ミクロパール:積水ファインケミ
カル製)を混入させて作製したドライフィルム180を
80℃に加熱し、4kg/cm2の圧力を加えながら
1.5m/minの速度で熱圧着した。
【0265】さらに、このドライフィルム180にホト
マスクを介して光照射強度分布を発生させ、紫外線を照
射した後、現像処理する。これにより、ホトマスクパタ
ーンに従って、画素電極を囲むように、図19に示すよ
うな膜圧3.0μmの柱状の高分子フィルム180から
なる絶縁体を形成した構造の基板190aが作製でき
た。このときの紫外線露光量は80〜160mJ/cm
2でよい。また、1%炭酸ナトリウム水溶液により現像
を行った。
【0266】また、他方の基板上にはシール剤(ストラ
クトボンドXN−21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターンニングし、両基板を貼り合わせて
セル厚4.5μmの液晶セルを作製した。
【0267】次に、作製した液晶セル中に、以下の混合
物を減圧下において真空注入した。その混合物は、重合
性樹脂材料としてパーフルオロオクチルエチルアクリレ
ート0.1g、ラウリルアクリレート0.26g、およ
びR−684(日本化薬社製)0.1g、光重合抑制剤
としてp−フェニルスチレン0.19g、液晶材料とし
てZLI−4792(メルク社製:S811を0.3重
量%含有)4.25g、光重合開始剤Irgacure
651Sを0.025g混合したものである。その後、
温度を混合物の均一化温度以上の110℃に保ち、か
つ、透明電極間に実効電圧が2.5Vで60Hzの電圧
を印加しながら、第一の基板190から高圧水銀ランプ
下10mW/cm2のところで、5分間紫外線を照射し
て樹脂を硬化させた。
【0268】その後、電圧を印加した状態を保ちながら
5時間かけて40℃まで冷却し、さらに室温まで戻して
から、紫外線照射を行って樹脂を完全に重合させた(図
12(b)参照)。
【0269】作製した液晶セルの電気光学特性を、直交
ニコル下で観察したところ、ほぼすべての画素におい
て、一画素ごとに、図12(c)に示すようにモノドメ
イン状態で、液晶分子が画素中央を中心に軸対称状に配
向していた。また、画素内にスペーサが存在しないため
に、光の遮断や液晶分子の配向乱れがなかった。
【0270】電気光学特性及びざらつきの評価につい
て、表4に示した。
【0271】
【表4】
【0272】表4中、中間調における反転現象の項目で
は、○印:反転現象が起こらない状態、×印:容易に反
転現象を観察できる状態、△印:辛うじて反転現象が観
察される状態を示している。
【0273】表4から理解されるように、本発明のセル
は、TNセルで見られるような±40゜反転現象は見ら
れず、電圧飽和時の広視角方向での透過率の増加も見ら
れない。なお、本測定では、偏光軸を互いに平行にした
2枚の偏光板をブランク(透過率100%)として測定
した。さらに、中間調においてもざらつきは、観察され
なかった。
【0274】また、マトリクス状にパターニングされた
高分子フィルム180上に配向膜203a(AL455
2:日本合成ゴム社製)を塗布し、50nm積層させる
と、図20に示すような、すり鉢状の凹面の構造体20
5が形成された。この基板201aと配向膜203bを
有する他方の基板201bとを上記のように貼り合わ
せ、液晶材料を注入した。それぞれの画素において液晶
分子の配向軸がより安定化し、各画素内の配向軸の位置
が揃って、視角を変化させたときに見られるざらつきを
低減する効果がみられた。
【0275】本実施形態では、プラスチックビーズ7を
含んだドライフィルム180を用いたが、ドライフィル
ムはプラスチックビーズを含まなくても間隙保持手段と
して機能することは言うまでもない。
【0276】(実施形態10)本実施形態は、高分子フ
ィルムにネガ型感光性フィルムを用いる場合である。ネ
ガ型感光性フィルムは、少なくとも光硬化型ポリマーと
光硬化型モノマーと光重合開始剤を含む混合物からな
る。
【0277】光硬化型ポリマーとしては、完全けん化ポ
リビニルアルコールや部分けん化ポリビニルアルコール
等の水酸基などの反応性残基を持つポリマーに光重合性
モノマーを導入した、感光性を有する材料が挙げられ
る。反応性残基を有するポリマーに(メタ)アクリル酸
を反応させて光硬化性を持たせる。必要であれば、ジイ
ソシアネート基をなどの2官能性を有する化合物を架橋
剤として用いてもよい。ジイソシアネート基等の2官能
性を有する化合物を用いた場合には、(メタ)アクリル
系モノマーを反応させる。
【0278】また、光重合性モノマーとしては、イソボ
ルニルメタアクリレートやヘキサメチレンジオールジア
クリレートなどの(メタ)アクリル基などの光重合性基
を持つ化合物であればよい。
【0279】作製方法は、まず、ポリビニルアルコール
(重量平均分子量100000)に対し、等量のm−キ
シリレンジイソシアネートを加え、この混合液を60℃
〜90℃で攪拌した。残存イソシアネート基が0.4重
量%残存している時点で反応を止めた。
【0280】上記のようにして作製した反応生成物に対
し、感光性モノマーのヘキサメチレンジオールアクリレ
ートと光重合開始剤のIrgacure651S(チバ
ガイギー社製)を反応生成物に対して、それぞれ、10
重量%、0.5重量%加え、230℃で2時間攪拌し
た。その後、4.5μmのスペーサを2重量%混入さ
せ、230℃に加熱した。この混合液を使用し、Tダイ
キャスト成型法などにより原反フィルムを作製した。な
お、必要に応じて、薄膜化するために、延伸処理を施し
てもよい。
【0281】上記感光性ポリマーにガラス基板等に貼り
着けるための粘着性がある場合には、保護フィルムや紙
などで覆い、ロール状に巻取れるようにする。ロール状
に該感光性フィルムを巻取っていれば、基板上に連続的
に貼り着けすることが可能であり、利便性が向上する。
【0282】上記のようにして作製した感光性ポリマー
フィルムを用いて、液晶セルを以下のように作製した。
すなわち、一方の基板を60℃で予熱し、保護フィルム
が貼り合わされている場合には、その保護フィルムを剥
がしながら、基板と感光性ポリマーフィルムとを80℃
に加熱し、4kg/cm2の加圧下で、1.5m/mi
nの速度で熱圧着した。
【0283】次に、感光性ポリマーに紫外線を照射する
際、ホトマスクを介して光照射強度分布を発生させ、紫
外線を照射後、現像処理する。すると、ホトマスクパタ
ーンに従って、画素電極を囲むように、図19に示すよ
うな膜圧3.0μmの柱状の高分子フィルム180から
なる絶縁体を形成した構造の基板が作製できた。このと
きの紫外線露光量は120mJ/cm2でよい。また、
1%炭酸ナトリウム水溶液により現像を行った。以降実
施形態9と同様に作製した液晶セルの電気光学特性とざ
らつきの評価について表4に示す。
【0284】上記実施形態ではネガ型感光性フィルムを
用いたが、感光性フィルムは光分解性ポリマーや感光剤
とバインダー樹脂を含むような組成物により構成されて
いるポジ型のものでもよい。
【0285】光分解性ポリマーの例としては、エチレン
/一酸化炭素共重合体(重量平均分子量150000)
あるいは塩化ビニル/一酸化炭素共重合体のようなケト
ン構造をもつポリマーやポリブタジエンなどの不飽和結
合を持つポリマーの光分解による低分子への変化を伴う
ポリマー組成物が挙げられる。
【0286】感光剤とバインダー樹脂を含む組成の例と
しては、ナフトキノンアジド系化合物やオニウム塩など
の感光剤と、ノボラック樹脂、スチレン−マレイミド共
重合体やポリメチルメタクリレート−メタクリル酸系共
重合体などのポリマーとを組み合わせ、ホトマスクを介
して光照射すると、光照射部のポリマーが溶剤に対して
可溶となり、パターニングを行うことができる。
【0287】(実施形態11)本実施形態では、図21
に示すように、画素内に規則的にパターン化した凸部1
0cが形成された液晶素子を作製した。図21(a)
は、凸部10cを有する基板210aの上面図、(b)
は(a)の21B−21B’断面図である。
【0288】実施形態1と同様の一方の基板上に、カー
ボンブラックが分散された耐熱ネガ型黒色レジストV−
259−BK(新日鐡化学社製)をスピンコート法(1
000rpm.、20sec)により均一に塗布した。
これを焼成後、画素外の透光部および画素中央部に形成
された15μmの島状透光部を有するネガパターンホト
マスクを用いて所定の強度(400mJ/cm2)で露
光し、現像、リンスおよび後焼成工程を経て、画素外に
膜厚1.3μmの黒色樹脂層からなる第1の絶縁層10
aをパターン形成すると共に、画素中央部に島状凸部1
0cを形成した。その後、この基板上にネガ型耐熱ホト
レジストV−259PA(新日鐡化学社製)中に平均粒
径4.0μmのプラスティックビーズ(ミクロパール:
積水ファインケミカル社製)0.3wt%を混入した絶
縁材料を均一分散させた状態でスピンコート法により均
一に塗布した。これを焼成後、図13に示したホトマス
ク14bを用いて所定の強度(300mJ/cm2)で
露光し、現像、リンスおよび後焼成工程を経て、第2の
絶縁層10bを画素外に形成した。
【0289】また、他方の基板上にはシール材(ストラ
クトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターニングし、両基板を貼り合わせてセ
ル厚5.1μmの液晶セルを作製した。
【0290】作製した液晶セル中に、実施形態1と同様
の液晶材料−重合性樹脂材料の混合物を注入し、実施形
態1と同様にして重合・相分離して液晶素子を作製し
た。
【0291】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、高分子領域に囲まれた液晶領域が1画素毎にモノ
ドメイン状態で、かつ、画素中心部に作製した島状凸部
10cを軸対称状配向の中心とした均一な軸対称状配向
が見られた。さらに、画素内でスペーサによる配向乱れ
も認められなかった。
【0292】その後、作製したセルの両面に偏光軸を互
いに直交させて2枚の偏光板を貼り合わせて液晶素子を
作製した。
【0293】作製した液晶素子に電圧を印加しながら偏
光顕微鏡で観察したところ、電圧印加時においてもディ
スクリネーションラインが発生せず、全体が黒くなって
いくことが確認された。
【0294】作製した液晶素子の電気光学特性およびざ
らつきの評価については上記表3に示した。表3から理
解されるように、本実施形態11の液晶素子は、比較例
1のTNセルに見られるような反転現象が生じず、電圧
飽和時の広視角方向での透過率の増加も生じなかった。
さらに、中間調においてもざらつきが観察されなかっ
た。
【0295】また、絶縁体10a、10bが設けられて
いるのでスペーサが画素内に存在しないでも基板間隙を
均一に保持することができ、さらに、高分子領域が画素
外に形成されて絶縁体10a、10bに融合する状態で
設けられ、絶縁体10bにスペーサが含まれているの
で、耐衝撃性に優れた液晶素子とすることができた。
【0296】(実施形態12)本実施形態では、図22
に示すように、一方の基板101上にTFT素子と画素
電極とを作製してアクティブマトリクス基板とした。
尚、この図22において、101は一方のガラス基板、
101aはアクティブマトリクス基板、102は半導体
層、103はゲート絶縁膜、104はゲート電極、10
5はコンタクト層、106は層間絶縁膜、107は画素
電極、108はソース電極、109はドレイン電極、1
10はBM層、111は対向基板、112はカラーフィ
ルタ、113は対向電極、114は対向側ガラス基板、
115は画素外に設けられた絶縁体、116はビーズス
ペーサ、117は液晶領域、118は高分子領域、20
2はゲート信号線、203はソース信号線、205はT
FTを示す。
【0297】図22に示すように透明ガラス基板101
上にTFT素子205と画素電極107とがマトリクス
状に設けられたアクティブマトリクス基板101a上
に、耐熱ネガ型黒色レジストV−259−BK(新日鐡
化学社製)をスピンコート法(1000rpm.、20
sec)により均一に塗布した。これを焼成後、ゲート
信号線202およびソース信号線203などの画素外に
形成された金属配線上を透光部13、画素部を遮光部1
2として、BM層110を形成すべく設計された図23
に示すネガパターンホトマスク14cを用いて、所定の
強度(400mJ/cm2)で露光し、現像、リンスお
よび後焼成工程を経て、第1の絶縁層をパターン形成し
て遮光層であるBM層110とした。この第1の絶縁層
は、非接触型表面形状分析装置により解析すると、膜厚
1.0μmであった。その後、この基板上にネガ型耐熱
ホトレジストV−259PA(新日鐡化学社製)中に平
均粒径3.5μmのプラスティックビーズ(ミクロパー
ル:積水ファインケミカル社製)1.2wt%を混入し
た絶縁材料を均一分散させた状態でスピンコート法によ
り均一に塗布した。これを焼成後、上記遮光膜層上のゲ
ート信号線202およびソース信号線203上の所定の
位置に柱状絶縁体115をパターン形成するように透光
部13および遮光部12が設計された図24に示すネガ
パターンホトマスク14dを用いて所定の強度(400
mJ/cm2)で露光し、現像、リンスおよび後焼成工
程を経て、柱状の第2の絶縁層115を画素外に形成し
た。図24において破線部はホトマスク14cとの配置
関係を示している。
【0298】次に、電気絶縁性表面を有する対向ガラス
基板111上に、印刷法、電着法またはスピンコートに
より顔料分散型カラーフィルタ112を形成して、所定
の形状にパターニングする。このカラーフィルタ112
上に、ITOからなる透明電極膜を例えばスパッタリン
グ法などにより50〜100nm堆積させて対向電極1
13を作製して対向側基板114とした。
【0299】その後、対向側基板114にシール材(ス
トラクトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2
h)を印刷法によりパターニングし、アクティブマトリ
クス基板101aを押圧により貼り合わせてセル厚5.
0μmのアクティブマトリクス液晶セルを作製した。
【0300】作製したアクティブマトリクス液晶セル中
に、実施形態1と同様の液晶材料−重合性樹脂材料の混
合物を減圧下から真空注入した。その後、液晶セル温度
を100℃に保持して、セル両側の電極にTFTを通じ
て60Hz、±5Vの矩形波を印加しながら高圧水銀灯
により表面照度7mW/cm2(365nm)の紫外線
を10分間照射して、光重合相分離を行わせることによ
り液晶領域と高分子領域とが規則的に形成された液晶セ
ルを作製した。
【0301】この液晶セルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、図25に示すように、液晶領域3が画素の位置およ
び形状に制御して形成され、しかも画素内へのスペーサ
混入による液晶領域の配向乱れが認められなかった。本
実施形態12で作製したTFT基板においては、BM層
110だけでなく、ゲート信号線202およびソース信
号線203などの画素電極外に形成された金属配線膜も
遮光効果を有しており、遮光層として作用していること
が確認される。なお、この図25において、Rは赤の画
素、Gは緑の画素、Bは青の画素を示す。
【0302】その後、作製したセルの両面に透過軸を互
いに直交させて2枚の偏光板を貼り合わせて液晶素子を
作製した。
【0303】作製した液晶素子においては、従来のTN
モードの液晶素子に見られたような反転現象も認められ
ず、良好な表示が得られた。また、目視観察においても
透過率のむらが観察されず、液晶セルから10cm離れ
たところからの観察ではざらつきは認められなかった。
【0304】また、絶縁体110、115が設けられて
いるのでスペーサが画素内に存在しないでも基板間隙を
均一に保持することができ、さらに、高分子領域が画素
外に形成されて絶縁体に融合する状態で設けられている
ので、耐衝撃性に優れた液晶素子とすることができた。
【0305】(実施形態13)本実施形態では、液晶材
料と重合性樹脂材料との表面自由エネルギーが逆転し、
重合性樹脂材料の表面自由エネルギーが液晶材料の表面
自由エネルギーより大きい材料を用いた。
【0306】実施形態1と同様の一方の基板上に感光性
ポリイミド(”ホトニース”UR−3140:東レ社
製、表面張力約100mN/m)をスピンコート法(3
000rpm.、20sec)により均一に塗布した。
これを焼成後(膜厚9.1μm)、図13に示したホト
マスク14bを用いて所定の強度(150mJ/c
2)で露光し、現像、リンスおよび後焼成工程を経
て、最終膜厚5.3μmの柱状絶縁体を画素外にパター
ン形成した。その後、この基板上にネガ型ホトレジスト
OMR83(東京応化社製、表面張力約34mN/m)
をスピンコート法により均一に塗布した。これを焼成
後、図11に示したホトマスク14aの透光部13およ
び遮光部12が逆パターンで形成され、画素領域が透光
部、画素領域外が遮光部となったホトマスク(図示せ
ず)を用いて所定の強度で露光し、現像、リンスおよび
後焼成工程を経て、絶縁体を画素内にパターン形成し
た。
【0307】また、他方の基板上にはシール材(ストラ
クトボンドXNー21S、焼成温度170℃/2h)を
印刷法によりパターニングし、上記画素外に設けられた
絶縁体のみをスペーサとして両基板を貼り合わせてセル
厚5.1μmの液晶セルを作製した。
【0308】作製した液晶セルに、重合性樹脂材料とし
てR−684(日本化薬社製)0.4gとp−t−ブト
キシスチレン0.2g、液晶材料としてZLI−479
2(メルク社製:S−811を0.3重量%含有)4.
4g、光重合開始剤Irgacure651を0.02
5g混合した混合物を注入し、実施形態1と同様にして
重合・相分離を行って液晶素子を作製した。この重合性
樹脂材料の表面自由エネルギーは39.5mN/mであ
り、液晶材料の表面自由エネルギー32.2mN/mよ
りも大きく、実施形態1と逆であった。従って、液晶材
料は画素内の低表面エネルギーを有する絶縁体付近に凝
集する。
【0309】作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察した
ところ、画素外のITO電極上に高分子領域が形成さ
れ、画素内のレジストからなる絶縁体上に液晶領域が形
成されて、液晶領域内で液晶分子が軸対称状に配向して
いた。また、高分子領域は画素外の絶縁体と融合する状
態で形成されていた。このように絶縁体を形成して基板
上の表面自由エネルギーを調整することにより、液晶材
料と高分子材料の相分離を制御して液晶領域と高分子領
域とを選択的に配置することができる。
【0310】(実施形態14)本実施形態では、図26
に示すように、画素内に規則的にパターン化した凸部1
0cが形成された液晶素子を作製した。図26(a)
は、凸部10cを有する基板260aの上面図、(b)
は(a)の26B−26B’断面図である。
【0311】実施形態1と同様の一方の基板上に、ネガ
型ホトレジストOMR83(東京応化社製)に直径5.
5μmのスペーサ(プラスチックビーズ)を0.05w
t%混入させたものを用いて、図26に示すような画素
外の絶縁体10および画素中央部の島状凸部10cをパ
ターン形成した。なお、絶縁体10および島状凸部10
cの下部にはMo薄膜からなる遮光層(図示せず)を設
けた。
【0312】また、他方の基板上には配向膜AL455
2(日本合成ゴム社製)を塗布し、ラビング処理は行わ
なかった。両基板を粒径5.3μmのスペーサ(ガラス
ビーズ)を2wt%混入したシール材により貼り合わせ
て液晶セルを作製した。
【0313】次に、重合性樹脂材料としてR−684
(日本化薬社製)0.1g、光重合抑制剤としてp−フ
ェニルスチレン0.06g、液晶材料としてZLI−4
792(メルク社製:S−811を0.4重量%含有)
3.74g、光重合開始剤Irgacure651を
0.02g混合した混合物を、作製したセル中に注入し
て、実施形態1と同様に重合・相分離を行った。
【0314】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、図27に示すように、高分子領域4に囲まれた液
晶領域3が1画素毎にモノドメイン状態で、かつ、画素
中心部に作製した島状凸部10cを軸対称状配向の中心
とした均一な軸対称状配向が見られた。さらに、画素内
でスペーサによる配向乱れも認められなかった。また、
偏光軸が互いに直行する2枚の偏光板を固定して、作製
したセルを回転させたところ、液晶領域の消光模様の位
置が一定で周りの高分子壁4のみが回転しているように
観察された。このことから、殆どの液晶領域において均
一な軸対称状の配向が得られていることが分かった。
【0315】その後、作製したセルの両面に偏光軸を互
いに直交させて2枚の偏光板を貼り合わせて液晶素子を
作製した。
【0316】作製した液晶素子に電圧を印加しながら偏
光顕微鏡で観察したところ、電圧印加時においてもディ
スクリネーションラインが発生せず、全体が黒くなって
いくことが確認された。
【0317】作製した液晶素子の電気光学特性およびざ
らつきの評価について以下の表5および図28に示す。
【0318】
【表5】
【0319】表5および図28に示すように、本実施形
態14の液晶素子は、比較例1のTNセルに見られるよ
うな反転現象が生じず、電圧飽和時の広視角方向での透
過率の増加も生じなかった。さらに、本実施形態14の
液晶素子は、中間調においてもざらつきが観察されなか
った。
【0320】また、本実施形態では、図26に示す絶縁
体10を形成する際にのみプラスチックビーズスペーサ
を混入して基板間隙保持手段としているので、スペーサ
が画素内に存在しないでも耐衝撃性に優れた液晶素子と
することができた。
【0321】(比較例3)実施形態1と同様の一方の基
板上に、スペーサが含まれないレジストを用いた以外は
実施形態14と同様にして図26に示すような絶縁体1
0および島状凸部10cをパターン形成し、セルギャッ
プを均一にするために粒径5.35μmのプラスチック
ビーズからなるスペーサを散布した。この基板と対向基
板とを実施形態14と同様にして貼り合わせてセルを作
製した。
【0322】作製したセルに実施形態14と同様の液晶
材料ZLI−4792(メルク社製:S−811を0.
4重量%含有)を注入して液晶セルとした。
【0323】作製したセルを偏光顕微鏡で観察したとこ
ろ、液晶分子が軸対称状に配向していたが、図60に示
したように、画素内に存在するスペーサ7に影響されて
配向の中心位置が画素中心より大きくずれている領域が
多かった。また、目視によってもざらつきが顕著であっ
た。
【0324】(実施形態15)実施形態1と同様の基板
上に、ネガ型ホトレジストOMR83(東京応化社製)
に直径5.75μmのスペーサ(プラスチックビーズ)
を0.1wt%混入させたものを用いて、図30に示す
ような図26よりも線幅が狭い、画素外の絶縁体20お
よび画素中央部の島状凸部20cをパターン形成した。
また、絶縁体20および島状凸部20cの下部にはMo
薄膜からなる遮光層(図示せず)を設けた。この状態の
基板表面を顕微鏡で観察したところ、絶縁体20、島状
凸部20cと画素(液晶領域部分)の境界面にスペーサ
7が存在しているのが観察された。次に、その基板上
に、上記レジストにスペーサ7を混入させないで図30
に示すような画素外の絶縁体10および画素中央部の島
状凸部10cをパターン形成した。この状態の基板表面
を顕微鏡で観察して、絶縁体10、島状凸部10cと画
素(液晶領域部分)の境界面にスペーサが存在していな
いことを確認した。
【0325】また、他方の基板上には配向膜AL455
2(日本合成ゴム社製)を塗布し、ラビング処理は行わ
なかった。両基板を粒径5.3μmのスペーサ(ガラス
ビーズ)を2wt%混入したシール材により貼り合わせ
て液晶セルを作製した。
【0326】作製したセルに実施形態14と同様の混合
物を注入し、セルの電極間に実効電圧が2.5Vで60
Hzの電圧を印加しながら、混合物の均一化温度に一旦
加熱してから冷却して液晶相を析出させた。その後、電
圧印加を停止して液晶相が画素に対応した領域にほぼ広
がった時に紫外線を照射して重合性樹脂を硬化させた。
【0327】作製した液晶素子は、液晶領域内で液晶分
子が軸対称状に均一に配向し、液晶領域内にスペーサが
存在しないので中間調においてもざらつきが観察されな
かった。また、絶縁体20にスペーサが混入されている
ので、スペーサが画素内に存在しないでも耐衝撃性に優
れた液晶素子とすることができた。
【0328】(実施形態16)TFT(不図示)と画素
電極2aとがマトリクス状に形成されたガラス基板1a
上に、ネガ型ホトレジストOMR83(東京応化社製)
に直径5.5μmのスペーサ7(プラスチックビーズ)
を0.75wt%混入させた材料を用いて、図31
(a)に示すマスクを使用して、図31(b)に示すよ
うな画素外の絶縁体10および画素中央部の島状凸部1
0cをパターン形成した。図31(b)は、図31
(a)の31B−31B’に対応する位置に形成された
絶縁体の断面図である。なお、絶縁体10および島状凸
部10cの下部にはMo薄膜からなる遮光層(図示せ
ず)を設けた。
【0329】また、コモン電極が形成された対向基板上
には配向膜AL4552(日本合成ゴム社製)を塗布
し、ラビング処理は行わなかった。両基板を粒径5.3
μmのスペーサ(ガラスビーズ)を2wt%混入したシ
ール材により貼り合わせてセル厚5.1μmの液晶セル
を作製した。
【0330】作製したセルに実施形態14と同様の混合
物を注入して120℃まで昇温し、ソース電極に60H
zで±2.5Vの矩形波、ゲート電極に10V、コモン
電極に−1.5Vの電圧を印加しながら、対向基板側か
ら高圧水銀ランプ下10mW/cm2(365nm)の
ところで紫外線を8分間照射して、重合性樹脂を硬化さ
せた。その後、電圧印加をしながら6時間かけて室温
(25℃)まで冷却し、液晶素子とした。
【0331】作製した液晶素子を偏光顕微鏡で観察した
ところ、液晶領域内にビーズ状スペーサが存在せず、液
晶分子が画素中心を対称軸として軸対称状に均一に配向
していることが確認された。また、電圧印加時、中間調
においてもざらつきが観察されなかった。また、絶縁体
にスペーサが混入されているので、スペーサが画素内に
存在しないでも耐衝撃性に優れた液晶素子とすることが
できた。本実施形態においても、Mo薄膜で構成される
BM層と共にTFT基板に形成された金属配線膜も遮光
層として作用しており、これらの遮光層の効果のために
高いコントラストのシャープな画像が得られた。
【0332】(実施形態17)実施形態1と同様の基板
上に、ビーズ状スペーサを散布し、その上にネガ型ホト
レジストOMR83(東京応化社製)をコーティングし
て、図29に示した画素外の絶縁体20および画素中央
部の島状凸部20cをパターン形成した基板290aを
得た。また、絶縁体20および島状凸部20cの下部に
はMo薄膜からなる遮光層(図示せず)を設けた。次
に、その基板290a上に、上記レジストにスペーサを
混入させないで図30に示した画素外の絶縁体10およ
び画素中央部の島状凸部10cをパターン形成し、基板
300aを得た。
【0333】また、他方の基板上には配向膜AL455
2(日本合成ゴム社製)を塗布し、ラビング処理は行わ
なかった。両基板を粒径5.3μmのスペーサ(ガラス
ビーズ)を2wt%混入したシール材により貼り合わせ
て液晶セルを作製した。
【0334】作製したセルに実施形態14と同様の混合
物を注入し、セルの電極間に実効電圧が2.5Vで60
Hzの電圧を印加しながら、混合物の均一化温度に一旦
加熱してから冷却して液晶相を析出させた。その後、電
圧印加を停止して液晶相が画素に対応した領域にほぼ広
がった時に紫外線を照射して重合性樹脂を硬化させた。
【0335】作製した液晶素子を偏光顕微鏡で観察した
ところ、絶縁体20内にスペーサ7が均一に分散し、絶
縁体10と画素領域との界面にスペーサが析出していな
かった。よって、液晶領域内で液晶分子がスペーサに影
響されずに軸対称状に均一に配向し、電圧印加時に中間
調においてもざらつきが観察されなかった。また、画素
外に形成された絶縁体20にスペーサが混入されている
ので、スペーサが画素内に存在しないでも耐衝撃性に優
れた液晶素子とすることができた。
【0336】(実施形態18)画素の中央にビーズを配
置する構成の実施形態18について説明する。
【0337】厚さ1.1mmの硝子基板上に、酸化イン
ジウムおよび酸化スズの混合物であるITOからなる厚
さ50nmの透明電極を有する基板部を使用する。図3
2で示すように、この基板部のうち第1の基板部301
は、斜線で示したマスク302を用いて直径5.0μm
のスペーサ用ビーズを5wt%混合させたレジスト材料
(OMR83:東京応化社製)で凹凸部の島303を形
成する。また、この凹凸部の島303は画素中央部に島
状にレジストで形成される絶縁体を作製する。このレジ
ストの下には、Mo薄膜による遮光層を設ける。さら
に、その上に同レジスト材料(ビーズなし)で図33の
斜線に示す遮光部のマスク304を用いて凹凸部の島3
03を中心としたパターニングを施した。これにより、
図34に示すようなレジストパターン305が形成さ
れ、レジストパターン305の凹凸部における島303
にのみスペーサ用ビーズ306が存在している。また、
もう一方の第2の基板上に配向膜(AL4552:日本
合成ゴム社製)を塗布し、ラビング処理は行わない。こ
のようにして作製した第1の基板部301と第2の基板
部を対向させて貼り合わせてセルを構成する。このセル
中に、R−684(日本化薬社製)0.1gとp−フェ
ニルスチレン0.1gと下記の化合物(化3)0.06
gと、さらに液晶材料ZLI−4792(メルク社製:
S−811 0.4重量%含有)3.74gと光重合開
始剤Irgacure651 0.02gとを混合した
混合物を作製し、これを注入する。
【0338】
【化3】
【0339】その後、上記混合物の注入された液晶セル
を温度110℃に保って、かつ、各基板部の透明電極間
に実効電圧2.5V:60Hzの電圧を印加しながら、
第1の基板301側から高圧水銀ランプ下10mW/c
2の所で5分間紫外線を照射して樹脂を硬化させる。
冷却中もその電圧を印加した状態を保つ。その後、5時
間かけて40℃まで冷却し、さらに、室温25℃に戻し
てからさらに同じ紫外線照射装置で硬化を完璧にした。
【0340】このようにして作製した液晶素子を、偏光
顕微鏡で観察したところ、一画素毎に、図35に示すよ
うにモノドメイン状態で、かつ、レジストパターン30
5の島303を中心に消光部分307が見られ、液晶分
子が島303を中心に軸対称状に配向していた。互いに
直交する2枚の偏光板を固定し、作製したセルを回転さ
せたところ、液晶領域308のシュリーレン模様の位置
が一定で、周りの高分子壁309だけが回転しているよ
うに観察された。これにより、ほとんどの液晶領域30
8において液晶分子が軸対称状配向を達成していること
が解った。
【0341】さらに、作製した液晶セルの前後に互いに
直交する2枚の偏光板を貼り合わせて高分子壁309に
囲まれた液晶領域308を有する液晶表示素子を作製し
た。この液晶表示素子を電圧印加しながら、偏光顕微鏡
で観察したところ、電圧印加時においてもディスクリネ
ーションラインが発生せず全体に黒くなっていくことが
観察された。この液晶表示素子の電気光学特性について
は図36に示している。本測定では、偏光軸を互いに平
行にした2枚の偏光板をブランク(透過率100%)と
して測定した。図36から本発明の液晶セルは、図37
の従来のTNセルの電気光学特性で見られるような反転
現象は認められなかった。さらに、中間調においてもざ
らつきは観察されなかった。
【0342】(比較例4)上記実施形態18と同様のI
TO付基板部に、図32、図33に示すマスク302、
304を用いてスペーサ用ビーズを5wt%含有させた
レジスト材料でパターニングを施した。実施形態18で
はレジストパターン305の島303にのみスペーサ用
ビーズが存在しているが、比較例4では島303およ
び、島303周囲の高分子壁部分にもスペーサ用ビーズ
が存在している。もう一方の基板部には実施形態18と
同様の配向膜を成膜した後、実施形態18と同様に各基
板部を対向させて貼り合わせた。このようにして作製し
たセルに実施形態18と同様の液晶材料ZLI−479
2(S−811 0.4重量%含有)注入し、実施形態
18と同様の製法により液晶セルを作製した。この液晶
セルを偏光顕微鏡にて観察したところ、図38のレジス
トパターン305’に示すように、画素とレジストの境
界部分の画素の端にビーズ310が析出しているケース
が多く、そのため、そのビーズ310に液晶配向が影響
されて液晶ドメインの配向軸が画素中心よりずれて消光
部分307’が現れており、全体的に見て強くざらつき
が観察された。本比較例では、スペーサの添加量が少し
多すぎるために、絶縁体を用いてスペーサを十分に覆い
きれなくなり、液晶分子の配向が乱れるために、表示品
位に液晶が出る。
【0343】(実施形態19)ガラス基板(1.1mm
厚)上にITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混
合物)からなる厚み50nmの透明電極が形成された一
対の基板を用い、第1の基板上にスピンコート法にて平
均粒径5.5μmのプラスティックビーズ(ミクロパー
ル:積水ファインケミカル社製)を2wt%混合させた
ネガ型ホトレジストOMR83(東京応化社製)を均一
に塗布し、焼成する。
【0344】その後、図39に示すホトマスク14eを
用いて所定の露光、現像工程等を行ってパターニングさ
れた第1段階のレジスト壁を形成した。このとき、図4
0に示すように該レジスト壁において壁面からビーズが
析出している箇所が幾つも観察された。
【0345】次に、同種のレジストを該基板上にコーテ
ィングして、図39のホトマスク14eより線幅が20
μm(左右に10μm)太い、図41に示すホトマスク
14fを用いて露光を行い、第1段階のレジスト壁界面
に析出したビーズを完全に遮蔽した。本実施形態による
多段階からのパターニング工程を経て作製した基板の顕
微鏡による観察例を水平面図として図10(a)に示
し、ビーズスペーサ7を含む絶縁体10a、10bの1
0B−10B’断面概略図を図10(b)に例示する。
なお、この図示した状態は、他の実施形態においてビー
ズ等のスペーサを遮蔽する場合にも同様にされる。
【0346】次に、もう一方の第2の基板上にポリイミ
ド配向膜AL4552(日本合成ゴム社製)を塗布し、
ラビング処理は行わなかった。
【0347】次いで、第2の基板上にシール材(ストラ
クトボンドXN−21S)を印刷法にてパターニング
し、両者基板を貼り合わせて液晶セルを構成した。この
第2の基板の作製は、第1の基板の作製よりも先に行っ
てもよい。
【0348】次に、作製した液晶セルに、樹脂材料とし
てR−684(日本化薬社製)を0.1g、p−フェニ
ルスチレンを0.1g、および前記化合物1を0.06
gと、また、液晶材料としてZLI−4792(メルク
社製:S−811を0.3重量%含有)を3.74g
と、光重合開始剤Irgacure651を0.02g
とを混合した混合物(実施形態7と同一)を作製し、注
入を行った。
【0349】その後、上記混合物の注入された液晶セル
を110℃に温度を保って、かつ、透明電極間に実効電
圧2.5V:60Hzの電圧を印加しながら、高圧水銀
ランプ下10mW/cm2のところで5分間紫外線を照
射して重合相分離を進行させた。
【0350】その後、5時間かけて25℃まで冷却し
た。さらに、同じ紫外線照射装置でセル内のマトリクス
を完全に硬化させた。
【0351】こうして作製した液晶セルを、偏光顕微鏡
で観察したところ、一画素ごとに、図27に示すよう
に、高分子領域4に囲まれた液晶領域3が各画素毎にモ
ノドメイン状態で、かつ、画素中心から液晶分子が軸対
称状に配向していた。この配向状態は、ほとんどの液晶
領域において達成されている。その確認は以下のように
して行った。すなわち、互いに直交する2枚の偏光板を
固定し、作製したセルを回転させた。その結果、液晶領
域のシュリーレン模様の位置が一定で、周りの高分子壁
だけが回転しているように観察された。
【0352】さらに、作製したセルの前後に互いに直交
する2枚の偏光板を貼り合わせて高分子壁に囲まれた液
晶表示素子を作製した。
【0353】この液晶表示素子を電圧印加しながら、偏
光顕微鏡で観察したところ、電圧印加時においてもディ
スクリネーションラインが発生せず全体に黒くなってい
くことが観察された。一方、電気光学特性に関して、偏
光軸を互いに平行にした2枚の偏光板をブランクとして
評価したところ、実施形態18で示した電圧−透過率特
性を表す図36と同様に反転現象は見られず、電圧飽和
時の広視角方向での透過率の増加も見られなかった。ま
た、中間調においてもざらつきは観察されなかった。
【0354】(実施形態20)本実施形態は、ゲスト−
ホスト型(G−H型)の液晶を使用する場合である。実
施形態19と同様の製造方法に従って作製した液晶セル
に、以下の混合物を減圧下で真空注入した。その混合物
は、樹脂材料としてR−684(日本化薬社製)0.3
6g、前記化合物1を0.09gおよびp−フェニルス
チレン0.15gからなる混合物と、光重合開始剤Ir
gacure184 0.03gと、液晶材料としてZ
LI−4792(メルク社製:カイラル剤S−811を
0.3%添加)にアントラキノン系2色性黒色色素LC
D465(日本化薬社製)を1%添加した液晶組成物
4.4gとを均一に混合したものである。
【0355】次に、上記材料を充填した液晶セルを等方
性液体相から液晶相への相転移を利用して、それらの2
相共存領域の温度に保持して、該セルの対向電極間に実
効電圧1.5Vで60Hzの電圧を印加して液晶領域の
配向を制御した。その後、冷却により該セルを液晶相の
温度範囲に設定した状態で、高圧水銀ランプにて照射強
度5mW/cm2(365nm)で15分間紫外線を照
射して光重合相分離を進行させた。さらに、室温(25
℃)で同じ紫外線照射装置を用いて樹脂成分の重合硬化
を完壁にした。
【0356】この実施形態で作製した液晶セルを偏光顕
微鏡で観察したところ、本発明の他の実施形態と同様に
高分子領域に囲まれた液晶領域が1画素毎にモノドメイ
ン状態でかつ画素内にスペーサによる配向乱れがない状
態であり、液晶領域中の液晶分子および色素分子が軸対
称状に配向しているのが確認され、ゲスト−ホスト表示
にも適用できることが確かめられた。
【0357】(実施形態21)実施形態19の製造方法
に準じて、第1のガラス基板上にスピンコート法にて平
均粒径5.5μmのプラスティックビーズ(ミクロパー
ル:積水ファインケミカル社製)を2wt%混合させた
ネガ型黒色レジストCFPR−BK510S(東京応化
社製)を均一に塗布し、焼成する。
【0358】その後、図39のホトマスク14eを用い
て所定の露光、現像工程等を行ってパターニングされた
第1段階のレジスト壁を形成した。
【0359】引き続いて、実施形態19のネガ型ホトレ
ジストOMR83を該基板上にコーティングして、図3
9のホトマスク14eより線幅が20μm(左右に10
μm)太い、図41に示すホトマスク14fを用いて露
光を行い、第1段階のレジスト壁界面に析出したビーズ
を完全に遮蔽した。
【0360】次に、もう一方の第2の基板上にもポリイ
ミド配向膜AL4552を塗布し、ラビング処理は行わ
なかった。この第2の基板の作製は、第1の基板の作製
よりも先に行ってもよい。
【0361】次いで、実施形態19と同様の液晶と樹脂
の混合材料を注入し、実施形態19と同様の製造法によ
り液晶セルを作製した。
【0362】作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察した
ところ、各画素がモノドメイン状態であり、かつ、画素
中心に液晶分子が軸対称状に配向していた。さらに、こ
の液晶セルの前後に互いに直交する2枚の偏光板を配置
して液晶表示素子を作製し、電圧を印加させながら、広
視角方向から観察しても、ざらつきは観察されなかっ
た。なお、第1段階で黒色絶縁体層が形成されているた
め、遮光特性が向上し、しかも、シャープな画質が得ら
れた。
【0363】(実施形態22)実施形態19と同様のス
ペーサを10wt%混入したバインダー材料(UV硬化
性樹脂)を図42のようなスペーサ印刷用の穴421を
有するマスク14gを用いてITO付ガラス基板にシー
ル印刷を行い、紫外線照射によりビーズをガラス基板上
に固定した。顕微鏡で基板表面を観察したところ、ビー
ズが規則的に基板表面に配置されているのがわかった。
【0364】次に、その上に、ネガ型ホトレジストOM
R83(東京応化社製)をコーティングして、図41に
示すホトマスク14fを被せて、露光、現像、リンス工
程等を経てパターニングした。作製した基板の表面を顕
微鏡で観察したところ、ビーズはレジスト壁に完全に埋
没した状態であり、レジスト壁面には析出していないこ
とがわかった。
【0365】次に、もう一方の基板には、実施形態19
と同様に配向膜を成膜後、両基板を貼り合わせ、液晶セ
ルを作製した。
【0366】次いで、実施形態19と同様の液晶と樹脂
の混合材料を注入し、実施形態19と同様の製造法によ
り液晶セルを作製した。
【0367】作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察した
ところ、各画素がモノドメイン状態であり、かつ、画素
中心に液晶分子が軸対称状に配向していた。さらに、こ
の液晶セルの前後に互いに直交する2枚の偏光板を配置
して液晶表示素子を作製し、電圧を印加させながら、広
視角方向から観察しても、ざらつきは観察されなかっ
た。
【0368】(比較例5)比較例5は、1段目と2段目
のマスクの線幅の差がビーズ径よりも小さい場合であ
る。
【0369】実施形態19と同様の基板上に上記スペー
サ用ビーズ2wt%を混合させたネガ型ホトレジストO
MR83をコーティングして、該基板上に図39の遮光
部12より線幅が10μm程度太いホトマスク(図示せ
ず)を被せて、露光、現像等の工程を経てパターニング
した。
【0370】次に、その上に同じレジスト材料を塗布
し、図41に示すホトマスク14fを被せて、露光、現
像等の工程をを経て第2段階のパターニングされたレジ
スト壁を形成した。形成されたレジスト壁近傍を顕微鏡
で観察したところ、1段目のパターニングにおいて形成
したレジスト壁より著しく析出したビーズが存在する箇
所においては2段目のレジストパターニングにおいても
壁面に一部が析出しているのが観察された。
【0371】次いで、実施形態19に従って、この第1
基板と同様に配向膜を成膜させた第2基板を貼り合わせ
て液晶セルを作製し、実施形態19と同様の液晶と樹脂
の混合材料を注入し、実施形態19と同様の製造法に基
づき、液晶セルを作製した。作製したセルの前後に互い
に直交する2枚の偏光板を貼り合わせて液晶素子を作製
した。
【0372】作製した液晶素子を電圧印加しながら、偏
光顕微鏡で観察したところ、図43に示すように画素4
32とレジスト壁の界面にビーズの一部が現れており、
その場所に液晶分子の方向に影響を受けている部分が多
数観察された。そのため液晶ドメインの配向軸が画素中
心よりずれており、視角方向が異なる場合、平均的な傾
きを持つ液晶ドメインの領域の大きさが違うため、比較
例5において作製された液晶素子は中間調において著し
いざらつきが観察された。
【0373】(実施形態23)透明ガラス1a上の各画
素ごとにスイッチング素子(TFT素子)と各画素電極
2aが配設されたアクティブマトリクス基板上に実施形
態19と同様にスペーサビーズ7を2wt%混合したネ
ガ型ホトレジストOMR83(東京応化社製)を均一に
塗布し、焼成した。
【0374】その後、図44に示すホトマスク14hを
用いて、露光、現像によりビーズ7が内部に分散した第
1段階目のレジスト壁20をパターニングした。
【0375】次いで、ビーズが混在しないホトレジスト
OMR83を塗布して、図44のホトマスク14hより
も左右に10μmずつ線幅の太い、図45に示すホトマ
スク14iを被せて、露光、現像により2段階目のレジ
スト10をパターニング形成した。上記工程を経て作製
した絶縁体において、ビーズスペーサ7はレジスト中に
含まれており、レジスト表面に析出している箇所は認め
られなかった。
【0376】次に、対向側のカラーフィルター基板にポ
リイミド膜を成膜した後、TFT基板と貼りあわせてT
FT液晶セルを作製した。
【0377】作製したTFT液晶セルに、実施形態19
と同様の液晶と樹脂の混合物を真空注入した後、該TF
T液晶セルのソース電極に実効電圧2.5V:60H
z、ゲート電極にDC10Vの電圧を印加しながら、一
旦、混合物の均一化温度に加熱して、その後、徐々に冷
却し液晶相が析出した後、電圧印加を停止して液晶相が
画素に対応した領域にほぼ広がった時に紫外線照射して
重合相分離を進行させて高分子領域に囲まれた液晶領域
を有するTFT液晶セルを作製した。
【0378】作製したTFT液晶セルの前後に互いに直
交する2枚の偏光板を貼り合わせてTFT液晶表示素子
とした。この液晶表示素子を顕微鏡下で観察すると、液
晶領域内で液晶分子が軸対称状配向をしており、中間調
においてもざらつき現象は認められなかった。
【0379】(実施形態24)本実施形態は、TFTゲ
ート信号線にのみスペーサを設ける場合である。
【0380】まず、実施形態23と同様の製造方法に従
って、透明ガラス上の各画素ごとにスイッチング素子
(TFT素子)と画素電極が配設されたアクティブマト
リクス基板上に、スペーサビーズを2wt%混合したネ
ガ型ホトレジストOMR83(東京応化社製)を均一に
塗布し、焼成した。
【0381】その後、TFTゲート信号線上の比較的積
層段差の均一な部位にスペーサビーズを含有した絶縁体
がパターニングできるように設計された、図46に示す
ホトマスク14jを用いて、露光、現像によりビーズが
内部に分散した第1段階目のレジスト壁20をパターニ
ングした(図47(b))。
【0382】次いで、ビーズが混在しないホトレジスト
OMR83を塗布して、図47(a)に示すホトマスク
14kを被せて、露光、現像により2段階目のレジスト
10をパターニング形成した。上記ホトマスク14k
は、図46のホトマスク14jの透光部13の幅、つま
りホトマスク14jでゲート信号線の領域に対応するパ
ターン幅より上下に5μm程度太く、画素中央付近に島
状透光部を有するものである。上記工程を経て作製した
TFT基板470a上のビーズ分散状況を顕微鏡で観察
したところ、ゲート信号線上にビーズが分散しており、
ソース信号線には1個もなかった。また、ビーズはレジ
スト中に完全に入っているのが確認された。
【0383】次に、対向側のカラーフィルター基板にポ
リイミド膜を成膜した後、TFT基板と貼り合わせてT
FT液晶セルを作製した。
【0384】作製したTFT液晶セルに、実施形態19
と同様の液晶と樹脂の混合物を真空注入した後、TFT
液晶セルのソース電極に実効電圧2.5V:60Hz、
ゲート電極にDC10Vの電圧を印加しながら、110
℃に温度を保って、TFT基板側から高圧水銀ランプ下
10mM/cm2 で5分間紫外光を照射して重合相分離
させた(冷却中も電圧を印加した状態を保った)。
【0385】その後、5時間かけて25℃まで冷却し、
電圧を除去した。さらに、同じ紫外線照射装置で液晶セ
ル内のマトリクスを紫外線露光により完全に硬化させ
た。
【0386】作製したTFT液晶セルの前後に互いに直
交する2枚の偏光板を貼り合わせてTFT液晶表示素子
とした。この液晶表示素子を顕微鏡下で観察すると、液
晶領域内で中央部に形成された絶縁体の島を中心として
液晶分子が軸対称状に配向をしており、中間調において
もざらつき現象は認められなかった。
【0387】(実施形態25)実施形態23と同様の透
明ガラス上の各画素ごとにスイッチング素子(TFT素
子)と画素電極とが配設されたアクティブマトリクス基
板上に、10wt%のスペーサビーズを混在させた光硬
化性樹脂を図48に示すようなスペーサ印刷用穴481
を有するマスク14lを用いて、TFT基板に印刷し、
露光工程を経て硬化・定着させた。顕微鏡でTFT基板
表面を観察すると、ソース信号線とゲート信号線の交点
にビーズが樹脂によって固定されているのが観察され
た。
【0388】その後、ホトレジストOMR83を塗布し
て、実施形態23と同様の図45に示すホトマスク14
iを用いて露光、現像等の工程を経て絶縁物質をパター
ニング形成した。
【0389】次いで、実施形態23と同様の工程を経
て、該TFT基板とカラーフィルター基板と貼り合わせ
て、TFT液晶セルを作製後、実施形態19と同様の液
晶と樹脂の混合材料を注入して、実施形態23の加工方
法に従ってTFT液晶表示素子を作製した。
【0390】本実施形態で作製した液晶表示素子は、液
晶領域内で、液晶分子が軸対称状配向をしており、電圧
印加時の中間調においてもざらつき現象は認められなか
った。
【0391】(実施形態26)実施形態19と同様の基
板上に上記のスペーサ用ビーズ平均粒径5.5μmのプ
ラスティックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミ
カル社製)を所定の乾式散布法にて散布した後、該基板
上にスピンコート法にてネガ型黒色レジストCFPR−
BK510S(東京応化社製)を均一に塗布し、焼成し
た。
【0392】その後、図39のホトマスク14eを用い
て所定の露光、現像工程等を経て、画素外の信号線上に
のみにスペーサ用ビーズが固定されてパターン化された
第1段階の絶縁性レジスト壁を形成した。
【0393】次に、実施形態19のネガ型ホトレジスト
OMR83を該基板上にコーティングして、図39のホ
トマスク14eより線幅が20μm(左右に10μm)
太い、図41に示すホトマスク14fを用いて露光を行
い、第1段階のレジスト壁界面に析出したビーズを完全
に遮蔽した。
【0394】一方、第2の基板上にはポリイミド配向膜
AL4552を塗布し、ラビング処理は行わなかった。
【0395】次いで、実施形態19と同様の液晶と樹脂
の混合材料を注入し、実施形態19と同様の製造法によ
り液晶セルを作製した。
【0396】本実施形態で作製した液晶セルは、上記実
施形態21で作製した液晶セルと同様の特性が得られ
た。さらに、本実施形態では、プラスティックビーズを
レジスト溶液に分散させた後にスピンコート法で基板上
に塗布する方法に比べて、最初にビーズ散布工程を行う
ことにより、ビーズの均一分散・定着性が向上すること
が確認された。
【0397】なお、ビーズ散布の方法は揮発性溶液にス
ペーサビーズを分散させたものを基板上に噴霧散布する
湿式散布法でも構わない。
【0398】(実施形態27)実施形態23と同様の透
明ガラス上の各画素ごとにスイッチング素子(TFT素
子)と画素電極が配設されたアクティブマトリクス基板
上に上記のスペーサ用ビーズ平均粒径5.5μmのプラ
スティックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミカ
ル社製)を所定の乾式散布法にて散布した。
【0399】その後、該基板上にスピンコート法にてポ
ジ型ホトレジストOFPR800(東京応化社製)を均
一に塗布し、焼成した。
【0400】その後、TFT信号線や遮光膜となる金属
配線をホトマスクとして利用して、TFT基板背面から
露光後、現像等の工程を経てスペーサ用ビーズが内部に
分散した第1段階目のレジスト壁をパターニングした。
【0401】次いで、ネガ型ホトレジストOMR83
(東京応化社製)を塗布して、図45のホトマスク14
iを被せて、TFT基板側から露光後、現像等の工程を
経て2段階目のレジストをパターニング形成した。上記
工程を経て作製した絶縁体において、ビーズスペーサは
レジスト中に含まれており、レジスト表面に析出してい
る箇所は認められなかった。
【0402】次に、対向側のカラーフィルター基板にポ
リイミド膜を成膜した後、TFT基板と貼り合わせてT
FT液晶セルを作製した。
【0403】作製したTFT液晶セルに実施形態19と
同様の液晶と樹脂の混合物を真空注入した後、TFT液
晶セルのソース電極に実効電圧2.5V:60Hz、ゲ
ート電極にDC10Vの電圧を印加しながら、110℃
に温度を保って、TFT基板側から高圧水銀ランプ下1
0mW/cm2 で5分間紫外光を照射して重合相分離さ
せた(冷却中も電圧を印加した状態を保った)。
【0404】その後、5時間かけて25℃まで冷却し、
電圧を除去した。さらに、同じ紫外線照射装置で液晶セ
ル内のマトリクスを後露光により完全に硬化させた。
【0405】作製したTFT液晶セルの前後に互いに直
交する2枚の偏光板を貼り合わせてTFT液晶表示素子
とした。この液晶表示素子を顕微鏡下で観察すると、液
晶領域内で中央部に形成された絶縁体の島を中心として
液晶分子が軸対称状配向をしており、中間調においても
ざらつき現象は認められなかった。
【0406】本実施形態では第1段階でのホト工程にお
いてTFT基板の金属配線膜などの遮光層をホトマスク
として利用することでマスクアライメント工程の簡略化
が達成された。
【0407】(実施形態28)実施形態19と同様のI
TO電極が形成された一方の基板上に、直鎖状結晶性高
分子であるナイロン6,6を1wt%含むm−クレゾー
ル溶液をスピンコート法にて塗布して、140℃で2時
間保持した後、窒素雰囲気下、冷却速度3℃/minで
室温まで冷却して、球晶径30μmの液晶配向膜をノン
ラビングプロセスにより形成した。
【0408】次いで、スペーサ用ビーズとして、平均粒
径5.5μmのプラスティックビーズ(ミクロパール:
積水ファインケミカル社製)を所定の乾式散布法にて散
布した後、該基板上にスピンコート法にてネガ型黒色レ
ジストCFPR−BK510S(東京応化社製)を均一
に塗布し、焼成した。
【0409】その後、図39のホトマスク14eを用い
て所定の露光、現像工程等を経て、画素外の信号線上に
のみスペーサ用ビーズが固定されてパターン化された第
1段階の絶縁性レジスト壁を形成した。
【0410】次に、実施形態19のネガ型ホトレジスト
OMR83を該基板上にコーティングして、図39のホ
トマスク14eより線幅が20μm(左右に10μm)
太い、図41に示すホトマスク14fを用いて露光を行
い、第1段階のレジスト壁界面に析出したビーズを完全
に遮蔽した。
【0411】次に、第2の基板上には同様に上記球晶径
10μmの液晶配向膜をノンラビングプロセスにより形
成した後、両基板を貼り合わせ、液晶セルを作製した。
【0412】作製した液晶セルに、液晶組成物ZLI−
4801−001(メルク社製:S−811を0.3重
量%含有)を真空注入法により注入した。
【0413】作製した液晶セルを直交ニコル下で電気光
学特性を観察したところ、画素内にスペーサが無いため
表示特性の劣化が認められず、±40°でも白黒反転が
生じない広視角液晶パネルが得られた。
【0414】(実施形態29)本実施形態を以下に説明
する。
【0415】1.1mm厚のガラス基板上にITO(酸
化インジウムおよび酸化スズの混合物)からなる厚さ5
0nmの透明電極が形成された一対の基板を用いる。第
1の基板上には、スピンコート法にて平均粒径4.5μ
mのプラスティックビーズ(ミクロパール:積水ファイ
ンケミカル社製)を5wt%混合させたネガ型ホトレジ
ストを均一に塗布する。続いて、該レジストの条件にし
たがってプリベークを行い、図41に示すホトマスク1
4fを用いて所定の露光を行い、更に現像、リンスおよ
びポストベークを行ってレジスト壁を形成した。上記ネ
ガ型ホトレジストにつき、硬化後の表面自由エネルギー
を表6に記載する。
【0416】
【表6】
【0417】表面自由エネルギーの極性成分とは表面自
由エネルギーの水素結合成分(γs h)と表面自由エネル
ギーの双極子成分(γs p)の和である。この和と表面自
由エネルギーの分散力成分(γs d)との3者の総和が固
体の表面自由エネルギー(γs)となる。
【0418】表より理解されるように、上記レジスト壁
中のプラスティックビーズの分散性は、サンプルAで一
部で数個の凝集が見られたが、概ね良好であった。サン
プルB〜Dに関しては凝集は観察されず、極めて良好な
分散状態であった。
【0419】もう一方の第2の基板上には、シール材
(ストラクトボンドXN−21S)にガラスファイバー
(4.5μm:2wt%)を混合したものを印刷法でパ
ターンニングした。
【0420】その後、両基板を貼り合わせてセルA〜D
を構成した。貼り合せたセルについて10点でセル厚を
測定し、その平均と標準偏差を求めた結果を表7に示
す。
【0421】
【表7】
【0422】作製したセルに、液晶ZLI−4792
(メルク社製;カイラルS−811を0.33wt%添
加)を真空注入し、得られた液晶素子について色むらを
観察した結果を表7に併せて示す。
【0423】前同様に作製した別のセルに、以下の混合
物を真空注入した。その混合物は、樹脂材料としてβ−
(パーフロロオクチル)エチルアクリレート0.15
g、ラウリルアクリレート0.25g、R−684(日
本化薬社製)0.1gおよびp−フェニルスチレン0.
2gを混合した物と、液晶材料としてZLI−4792
(メルク社製:S−811を0.33wt%含有)4.
25gと、さらに重合開始剤(Irgacure65
1)0.025gとを混合したものである。
【0424】その後、セルの温度を、上記混合物材料の
均一化温度以上の110℃に保ち、かつ、透明電極間に
実効電圧が2.5Vで60Hzの電圧を印加しながら、
第2の基板側から高圧水銀ランプ下で10mW/cm2
のところで10分間、紫外線を照射した。その後、同様
の電圧を印加したまま、25℃まで6時間かけて徐冷
し、更に紫外線照射を10分間行い、セル内の重合性物
質を完全に硬化させた。
【0425】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、図43に示すようにレジスト壁の端に存在するス
ペーサに起因する配向乱れが認められるが、高分子領域
に囲まれた液晶領域がモノドメイン状態であり、かつ比
較的軸対称状に配向した模様が見られた。2枚の偏光板
を固定して作製したセルを回転させたところ、軸対称状
に液晶が配向している液晶領域の消光模様は位置がほぼ
一定で、周囲の高分子壁のみが回転しているように観察
された。また、電圧を印加すると、スペーサが配向を乱
している箇所以外ではディスクリネーションラインの発
生はなく、中間調における反転現象もほぼ見られず、比
較的均一に軸対称状の配向が見られるセルができた。
【0426】(実施形態30)実施形態29と同様のレ
ジストを用いてセルを作製し、同様の液晶/樹脂混合物
を真空注入した。材料を注入したセルをオーブンに移し
て、混合物の等方相状態である100℃から液晶相状態
に転移する52℃の間で、±1℃/minの割合で5サ
イクル温度を上下させた。
【0427】その後、温度を50℃に保ち、液晶材料と
樹脂材料とを熱的に相分離させた。この温度のまま、透
明電極間に実効電圧が2.5Vで60Hzの電圧を印加
しながら、高圧水銀ランプ下10mW/cm2のところ
で5分間、紫外線を照射して樹脂を硬化させた。この場
合においても、実施形態29と同様にスペーサが配向を
乱している箇所以外では、電圧を印加してもディスクリ
ネーションラインの発生はなく、中間調における反転現
象もほぼ見られず、比較的均一に軸対称状の配向が見ら
れるセルかできた。
【0428】(比較例6)実施形態29と同様に、1.
1mm厚のガラス基板上にITO(酸化インジウムおよ
び酸化スズの混合物)からなる厚さ50nmの透明電極
が形成された一対の基板を用いる。その第1の基板上に
は、スピンコート法にて平均粒径4.5μmのプラステ
ィックビーズ(ミクロパール:積水ファインケミカル社
製)を5wt%混合させたネガ型ホトレジストを均一に
塗布した。その後、該レジストの条件にしたがってプリ
ベークを行い、図41に示すホトマスク14fを用いて
所定の露光を行い、更に現像、リンスおよびポストベー
クを行ってレジスト壁を形成した。上記ネガ型ホトレジ
ストの硬化後の表面自由エネルギーを表8に記載する。
【0429】
【表8】
【0430】表面自由エネルギーの極性成分とは表面自
由エネルギーの水素結合成分(γs h)と表面自由エネル
ギーの双極子成分(γs p)との和である。この和と表面
自由エネルギーの分散力成分(γs d)との3者の総和が
固体の表面自由エネルギー(γs)となる。
【0431】この表より理解されるように、レジスト壁
中のプラスティックビーズの分散性は、サンプルEでは
数箇所で数個の凝集が見られ、サンプルFでは比較的多
くの箇所で3個〜10個の凝集が見られる分散状態であ
った。
【0432】もう一方の第2の基板上には、シール材
(ストラクトボンドXN−21S)にガラスファイバー
(4.5μm:2wt%)を混合したものを印刷法でパ
ターンニングして両基板を貼り合わせてセルEおよびF
を構成した。貼り合せたセルについて10点でセル厚を
測定し、その平均と標準偏差を求めた結果を表9に示
す。
【0433】
【表9】
【0434】作製したセルに、液晶ZLI−4792
(メルク社製;カイラルS−811を0.33wt%添
加)を真空注入し、得られた液晶素子について色むらを
観察した結果を、表9に併せて示す。
【0435】この場合には、実施形態29と同様に液晶
ZLI−4792(メルク社製;カイラルS−811を
0.33wt%混合)を真空注入したが、セル厚にむら
があることに起因してシュリーレン模様の位置が中心よ
りずれており、レジスト壁端面に存在するスペーサから
電圧印加時にディスクリネーションが見られた。
【0436】(比較例7)比較例6で作製したものと同
じセルに、実施形態29と同じ液晶/樹脂の混合材料を
真空注入し、同様の方法で電圧を印加しながら徐冷し、
紫外線を照射して液晶素子を作製した。
【0437】得られた液晶素子においては、画素内の液
晶領域において配向乱れが生じており、軸対称に配向し
ている箇所に於いてもシュリーレン模様が中心よりずれ
ていた。
【0438】(比較例8)比較例6で作製したセルに、
実施形態29と同じ液晶/樹脂の混合材料を真空注入し
て、実施形態30に示す方法で温度と電圧を制御しなが
ら紫外線を照射した。結果は、比較例7と同じであり、
液晶領域中で配向乱れが生じており、軸対称状に配向し
ている領域に於いてもシュリーレン模様を中心がずれて
おり、中間調で反転現象が生じていた。
【0439】(実施形態31)1.1mm厚のガラス基
板の上に、ITO(酸化インジウムおよび酸化スズの混
合物)からなる厚さ50nmの透明電極が形成された一
対の基板を用いる。その第1の基板上には、スピンコー
ト法にて平均粒径4.3μmのプラスティックビーズ
(ミクロパール:積水ファインケミカル社製)を5wt
%混合させた実施形態26で使用した4種類のネガ型ホ
トレジストを均一に塗布した。その後、該レジストの条
件にしたがってプリベークを行い、図39に示すホトマ
スク14eを用いて所定の露光を行い、更に現像、リン
スおよびポストベークを行って第1段目のレジスト壁を
形成した。第1段目のレジスト壁中のプラスティックビ
ーズの分散性は、サンプルAで一部で数個の凝集が見ら
れたが、概ね良好であった。サンプルB〜Dに関しては
凝集は観察されず極めて良好な分散状態であった。
【0440】次に、ネガ型ホトレジストOMR83(東
京応化社製)を該基板上にコーティングし、所定のプリ
ベークを行い、図39のホトマスク14eより線幅が2
0μm(左右に10μm)太い図41に示すホトマスク
14fを用いて所定の露光を行い、次いで現像、リンス
およびポストベークを行い、第2段目のレジスト壁を形
成した。
【0441】もう一方の第2の基板上には、シール材
(ストラクトボンドXN−21S)にガラスファイバー
(4.7μm、5wt%)を混合したものを印刷法にて
印刷した。その後、第1の基板と第2の基板とを貼り合
わせて液晶セルA1〜D1を構成した。
【0442】貼り合せたセルについて10点でセル厚を
測定し、その平均と標準偏差を求めた結果を表10に示
す。
【0443】
【表10】
【0444】次に、作製した液晶セルに、以下の混合物
を真空注入した。その混合物は、樹脂材料としてβ−
(パーフロロオクチル)エチルアクリレート0.15
g、ラウリルアクリレート0.25g、R−684(日
本化薬社製)0.1gおよびp−フェニルスチレン0.
2gを混合した物と、液晶材料としてZLI−4792
(メルク社製:S−811を0.33wt%含有)を
4.25gと、さらに重合開始剤(Irgacure6
51)を0.025gとを混合したものである。注入後
のセルの色むらを観察した結果を表10に示す。
【0445】セルA1〜D1の温度を混合物材料の均一
化温度以上の110℃に保ち、かつ、透明電極間に実効
電圧が2.5Vで60Hzの電圧を印加しながら、第2
の基板側から高圧水銀ランプ下で10mW/cm2のと
ころで10分間、紫外線を照射し、電圧を印加したまま
25℃まで6時間かけて徐冷し、更に紫外線照射を10
分間行いセル内の重合性物質を完全に硬化させた。
【0446】この状態のセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、実施形態14の場合と同様に、図27に示すよう
な、高分子領域に囲まれた液晶領域がモノドメイン状態
であり、かつ完全に軸対称状に配向した模様が見られ
た。また、2枚の偏光板を固定して、作製したセルを回
転させたところ、液晶領域の消光模様の位置が一定で、
周囲の高分子壁のみが回転しているように観察された。
また、電圧を印加しても、ディスクリネーションライン
の発生はなく、中間調における反転現象も見られず、均
一に軸対称状の配向が見られるセルができた。
【0447】(実施形態32)実施形態30と同様に、
A1〜D1のセルに液晶/樹脂混合物を真空注入し、材
料を注入したセルをオーブンに移して、混合物の等方相
状態である100℃から液晶相状態に転移する52℃の
間で、±1℃/minの割合で5サイクル温度を上下さ
せた。
【0448】その後、温度を50℃に保ち液晶材料と樹
脂材料とを熱的に相分離させた。この温度のまま、透明
電極間に実効電圧が2.5Vで60Hzの電圧を印加し
ながら、高圧水銀ランプ下10mW/cm2のところで
5分問、紫外線を照射して樹脂を硬化させた。
【0449】この場合にも、実施形態31と同様に、高
分子壁に囲まれた液晶領域がモノドメイン状態であり、
かつ完全に軸対称状に配向した模様が観察できた。ま
た、セルを回転させても、シュリーレン模様の中心位置
の移動もなく、電圧を印加してもディスクリネーション
ラインの発生もなく、中間調における反転現象も見られ
ないセルができた。
【0450】(比較例9)実施形態32と同様の方法
で、レジスト材料が表8に示すEとFである第1段目の
レジスト壁を形成した。
【0451】次に、実施形態32と同様に、OMR83
(東京応化社製)を用いて第2段目のレジスト壁を形成
し、同じ材料を同条件で真空注入して、実施形態31の
条件(相分離させてから露光を行う)および実施形態3
2の条件(露光してから相分離を行う)で紫外線を照射
して樹脂を硬化させた。
【0452】この場合には、第1段目のレジスト壁中で
プラスティックビーズが数個ずつ凝集しており、セル化
した後もビーズが凝集している付近で、セル厚のむらが
生じていた。これに起因すると考えられるシュリーレン
模様の中心軸のずれがどちらの条件で作製したセルに於
いても観察された。
【0453】(実施形態33)実施形態29で使用した
同様の基板上に、焼成後の表面自由エネルギーが表11
に示す値になる熱重合性樹脂(サンプルG〜J)に平均
粒径4.5μmのプラスティックビーズ(ミクロパー
ル:積水ファインケミカル社製)を5wt%混合させ、
スピンコート法で塗布した。
【0454】
【表11】
【0455】次に、これを所定の温度で所定の時間焼成
した後に、ポジ型レジストOFPR800(東京応化社
製)を塗布し、更にベークした後、図41に示すホトマ
スク14fを用いて所定の露光を行い、更に現像、リン
スおよびポストベークを行って、熱重合性樹脂のエッチ
ングを行った。
【0456】次いで、レジストOFPR800の剥離を
行って、スペーサを含んだ絶縁体による壁を形成した。
スペーサの分散性は、どのサンプルG〜Jに於いても極
めて良好であった。
【0457】もう一方の基板には、シール材(ストラク
トポンドXN−21S)にガラスファイバー(4.5μ
m:2wt%)を混合したものを印刷法でパターンニン
グした。その後、両基板を貼り合わせてセルG〜Jを構
成した。
【0458】貼り合せたセルについて10点でセル厚を
測定し、その平均と標準偏差を求めた結果を表12に示
す。
【0459】
【表12】
【0460】作製したセルに、液晶ZLI−4792
(メルク社製;カイラルS−811を0.33wt%添
加)を真空注入し、得られた液晶素子につき色むらを観
察したが、どのセルG〜Jに於いても色むらは見られな
かった。
【0461】また、同様に作製した別のセルに、以下の
混合物を真空注入した。その混合物は、樹脂材料として
β−(パーフロロオクチル)エチルアクリレート0.1
5g、ラウリルアクリレート0.25g、R−684
(日本化薬社製)0.1gおよびp−フェニルスチレン
0.2gを混合した物と、液晶材料としてZLI−47
92(メルク社製:S−811を0.33wt%含有)
を4.25gと、さらに重合開始剤(Irgacure
651)を0.025gとを混合した物である。その
後、以下のようにして2種類のセルを得た。
【0462】第1のセルは、セルの温度を、混合物材料
の均一化温度以上の110℃に保ち、かつ、透明電極間
に実効電圧が2.5Vで60Hzの電圧を印加しなが
ら、第2の基板側から高圧水銀ランプ下で10mW/c
2の所で10分間紫外線を照射し、電圧を印加したま
ま25℃まで6時間かけて徐冷し、更に紫外線照射を1
0分間行いセル内の重合性物質を完全に硬化させて得
た。
【0463】第2のセルは、材料を注入したセルをオー
ブンに移して、混合物の等方相状態である100℃から
液晶相状態に転移する52℃の間で、±1℃/minの
割合で5サイクル温度を上下させた。その後、温度を5
0℃に保ち、液晶材料と樹脂材料とを熱的に相分離させ
た。この温度のまま、透明電極間に実効電圧が2.5V
で60Hzの電圧を印加しながら、高圧水銀ランプ下1
0mW/cm2のところで5分間紫外線を照射して樹脂
を硬化させて得た。
【0464】上記第1、第2のどちらのセルも偏光顕微
鏡で観察したところ、実施形態14の時と同様に図27
に示すような、高分子領域に囲まれた液晶領域がモノド
メイン状態であり、かつ、絶縁体壁の端に存在するスペ
ーサに起因する配向乱れが認められるが、比較的軸対称
状に配向した模様が見られた。また、2枚の偏光板を固
定して作製したセルを回転させたところ、液晶領域の消
光模様の位置がほぼ一定で、周囲の高分子壁のみが回転
しているように観察された。また、電圧を印加すると、
スペーサが配向を乱している箇所以外ではディスクリネ
ーションラインの発生はなく、中間調における反転現象
も見られず、比較的均一に軸対称状の配向が見られるセ
ルができた。
【0465】(実施形態34)実施形態33と同様の熱
重合性樹脂(サンプルG〜J)を用い、平均粒径4.3
μmのプラスティックビーズ(ミクロパール:積水ファ
インケミカル社製)を5wt%混合させ、同様の方法で
基板上に塗布した。これを所定の温度で所定の時間焼成
した後に、ポジ型レジストOFPR800(東京応化社
製)を塗布し、ベークした。その後、図39に示すホト
マスク14eを用いて所定の露光、現像、リンス、ポス
トベークを行って、熱重合性樹脂のエッチングを行い、
次いでレジストOFPR800の剥離を行ってスペーサ
を含んだ絶縁体による第1段目の壁を形成した。スペー
サの分散性は、どのサンプルに於いても極めて良好であ
った。
【0466】次に、ネガ型ホトレジストOMR83(東
京応化社製)を該基板上にコーティングし、所定のプリ
ベークを行い、図39のホトマスク14eより線幅が2
0μm(左右に10μm)太い図41に示すホトマスク
14fを用いて所定の露光を行い、次いで現像、リンス
およびポストベークを行い、第2段目のレジスト壁を形
成した。
【0467】もう一方の第2の基板上には、シール材
(ストラクトポンドXN−21S)にガラスファイバー
(4.5μm、5wt%)を混合したものを印刷法にて
印刷した。その後、両基板を貼り合わせて液晶セルG1
〜J1を構成した。
【0468】貼り合せたセルについて10点でセル厚を
測定し、その平均と標準偏差を求めた結果を表13に示
す。
【0469】
【表13】
【0470】また、同様に作製したセルに、実施形態3
3の場合と同様の液晶/樹脂の混合物を真空注入し、実
施形態33で説明した第1のセルと第2のセルを得る場
合と同様の条件で樹脂材料を硬化させた。
【0471】これにより得られたセルを偏光顕微鏡で観
察したところ、高分子領域に囲まれた液晶領域がモノド
メイン状態であり、かつ軸対称状に配向した模様が見ら
れた。また、2枚の偏光板を固定して作製したセルを回
転させると、液晶領域の消光模様の位置は一定で、電圧
を印加してもディスクリネーションラインの発生はな
く、中間調における反転現象も見られず、均一に軸対称
状の配向が見られるセルができた。
【0472】(比較例10)熱重合成樹脂として、表1
4に示すサンプルKおよびLを用いて、実施形態34と
同様の方法で第1段目の絶縁体壁と、第2段目のレジス
ト壁とを有する第1の基板を作製した。これらの材料中
でのプラスティックビーズの分散性はあまり良くなく、
比較的多くの箇所で3〜7個ずつの凝集が見られた。
【0473】
【表14】
【0474】第2の基板は、実施形態34と同様にして
得た。その後、両基板を貼り合わせてセルKおよびLを
構成した。
【0475】貼り合せたセルについて10点でセル厚を
測定し、その平均と標準偏差を求めた結果を表15に示
す。
【0476】
【表15】
【0477】また、前同様のセルに、実施形態33の場
合と同様の液晶/樹脂の混合物を真空注入して、実施形
態33で説明した第1のセルと第2のセルを得る場合と
同様の条件で樹脂材料を硬化させた。
【0478】得られたセルは、液晶領域は高分子領域に
囲まれており、モノドメイン状態で軸対称状に配向して
いるが、セルを回転させ観察するとシュリーレン模様の
中心が動いてしまった。また、電圧を印加しても、ディ
スクリネーションラインの発生はみられないが、方向に
よっては中間調における反転現象が少し見られた。
【0479】以上のように、スペーサを混在する絶縁体
の表面自由エネルギーを規定することにより、スペーサ
の分散性がきわめて良好になり、その結果として好まし
いセルギャップが得られる。これにより、基板上にスペ
ーサを湿式もしくは乾式で散布する必要もなくなるた
め、工程の簡素化、工程のクリーン化が実現できる。
【0480】(実施形態35)図49は、本発明方法
を、対向配設した2つの基板の一方の基板に画素電極が
マトリクス状に設けられる液晶表示素子の製造に適用し
た例を示す工程説明図である。
【0481】先ず、図49(a)に示すように、画素電
極492aなど、前記一方の基板491aに必要な部材
が形成された基板の上に、図49(b)に示すように画
素電極492aなどを覆ってレジスト493aを塗布
し、絶縁層を形成する。
【0482】次に、図49(c)に示すように、スペー
サ497aを散布し、その後、レジスト494aを塗布
する。または、このスペーサ散布およびレジスト塗布に
代えて、スペーサを含むレジストを、前記絶縁層493
aの上に塗布してもよい。このスペーサ497として
は、球状のものや、もしくは円柱状または角柱状などの
長短の有る形状のものを使用できる。
【0483】次に、図49(d)に示すように、前記画
素電極492aの上方およびその近傍部分からレジスト
493a、494aを除去すべくパターニングする。そ
のパターニングにおいてレジスト493a、494aの
残る部分のパターンは、マトリクス状に設けられた画素
電極492aの周囲を取り囲むような格子状の形状であ
る。また、このときのパターン幅D’は、最終的なパタ
ーン幅をDとし、前記スペーサ497の直径または長軸
方向の長さ寸法をSとした場合、D’≦D−2Sを満足
する値とする。前記直径はスペーサが球状のものを考慮
した場合であり、長軸方向の長さ寸法はスペーサが円柱
状または角柱状などの長短の有る形状のものを考慮した
場合である。このパターニングにより、画素電極492
aとレジスト493a、494aの端の側壁との離隔距
離はS以上となり、レジスト493a、494aの端の
側壁からスペーサ497がはみ出していても、スペーサ
497は画素電極492aの上方から外側に外れた位置
となる。
【0484】次に、図49(e)に示すように、上述の
ようにしてレジスト493a、494aがパターン化さ
れた基板の上に、更にレジスト495aを塗布する。こ
のとき、先に形成したレジスト493a、494aの無
い部分に主として今回のレジスト495aを塗布する。
但し、スペーサ497の上部が露出するのであれば、先
に形成したレジスト493a、494aの上に今回のレ
ジスト495aを塗布してもよい。
【0485】次に、図49(f)に示すように、前記最
終的なパターン幅Dでパターニングする。このときのパ
ターニングは、図49(d)におけるパターニングの際
のセンター位置と一致させておく。これにより、上述の
ように、レジスト493a、494aの端の側壁からは
み出していたスペーサ497のすべてが、最終的にレジ
スト495aにて覆われてしまう。なお、スペーサ49
7の上部は、後工程で行う液晶材料を含む混合物の注入
に際して支障のないように、レジスト495aから外側
にはみ出している状態としておく。そのはみ出させる寸
法は、たとえば、レジストとこのレジストに接触する基
板との隙間が1.5μm以上となるようにするのが好ま
しい。
【0486】以上のようにすることにより、画素とレジ
ストからなる絶縁体との界面にスペーサが析出したり、
また、画素内にスペーサが残存したりすることがなく、
液晶分子を軸対称配向にした場合においても、その軸対
称配向がスペーサにて阻害されることを防止でき、ざら
つきの観察されることを防ぐことが可能となる。上記の
例では、間隙保持手段としての絶縁体をレジストを用い
て形成したが、感光性を有さない絶縁材料を公知の方法
でパターニングしてもよい。
【0487】次に、本発明において、各画素における液
晶分子を軸対称配向とさせる場合につき説明する。
【0488】図50は、この場合の液晶表示素子の製造
方法の説明図である。
【0489】先ず、図50(a)および(b)に示すよ
うに、上述のようにして、スペーサ等507を含むレジ
スト510が所定のパターンで形成された基板501a
と、もう一方の基板501bとを液晶層503を狭持す
るように対向配設してなるセルを作製した。
【0490】次に、かかるセル中に、少なくとも液晶材
料と重合性樹脂とを混合した混合物を注入する。実施形
態4と同様の製造方法に従って紫外線照射により液晶表
示素子を作製した。
【0491】この液晶表示素子では、スペーサが画素内
に存在しないため、乱される可能性が皆無となる。よっ
て、中間調で視角を倒した場合にあっても、ざらつきが
観察されることはない。
【0492】(実施形態36)実施形態35をより詳細
に説明する。
【0493】先ず、ガラス基板(厚さ1.1mm)上に
ITO(酸化インジュウムおよび酸化スズの混合物)か
らなる厚み50nmの透明電極が形成された一対の基板
を用い、一方の基板上に、ネガ型ホトレジストOMR8
3(東京応化社製、15cp)をスピンコート(300
0rpm,20sec)により均一に塗布した。
【0494】次に、これを80℃,30minで焼成し
た。その後、平均粒径4.5μmのプラスティックビー
ズ(ミクロパール:積水ファインケミカル社製)を平均
1000個/mm2散布し、その上から同ネガ型ホトレ
ジストOMR83を同様に塗布し、焼成した。
【0495】次に、これを図51に示すような遮光部5
12と透光部514とを有するホトマスク31を用いて
所定の強度(200mJ/cm2)で露光し、現像、リ
ンスおよび後焼成(120℃,lhr)を経て、図52
(a)、(b)に示すような膜厚0.5μm(パターン
幅WL3,WL4が10μm)の絶縁層521、522を
画素外にパターニングした。そのとき、画素526とレ
ジスト521、522との界面にスペーサ527が析出
しているのが観察された。図51に示すホトマスク31
はハッチング部分である遮光部の隣合うもの同士の離隔
距離を10μmとしてある。図52(a)は得られた基
板の平面図、図52(b)はその断面図である。
【0496】次に、同OMR83(60CP)をスピン
コート(1500rpm,20sec)にて塗布、80
℃、30minで焼成した。その後、図53に示すよう
な遮光部532、透光部534(パターン幅WL5、W
6が20μm)を有するホトマスク32を用いて露光
し、現像、リンスおよび後焼成を経て、図54(a)お
よび(b)に示すような膜厚2.3μm、パターン幅が
20μmの絶縁層をパターニングした。図53に示すホ
トマスク32はハッチング部分である遮光部532の隣
合うもの同士の離隔距離を20μmとしてある。図54
(a)は平面図、図54(b)はその断面図である。
【0497】次に、もう一方の基板上にシール材(スト
ラクトボンドXN−21S,焼成温度180℃,1.5
hr)をスクリーン印刷にてパターニングした。このも
う一方の基板と、前述した基板とは、どちらを先に所定
の状態に形成してもよい。
【0498】次に、両基板を貼り合わせ、セル厚5.0
μmの液晶セルを作製した。続いて、このセル中に、減
圧下において後述する混合物を真空注入した。その混合
物は、重合性樹脂材料としてβ−(パーフロロオクチ
ル)エチルアクリレート0.15g、ラウリルアクリレ
ート0.26gおよびR−684(日本化薬社製)0.
1gと、光重合抑制剤としてp−フェニルスチレン0.
19gと、液晶材料としてZLI−4792(メルク社
製:S−811を0.3重量%含有)4.25gと、光
重合開始剤(Irgacure651)0.025gと
を混合したものである。
【0499】実施形態4と同様の製造方法に従って紫外
線照射により液晶表示素子を作製した。
【0500】図55は、この状態のセルを偏光顕微鏡で
観察した結果である。この図より理解されるように、高
分子領域309に囲まれた液晶領域308が1画素毎に
モノドメイン状態で、かつ、画素内でスペーサによる配
向乱れが観察されない、比較的均一な軸対称状に配向し
ていた。また、偏光軸が違いに直交する2枚の偏光板を
固定して、作製したセルを回転させたところ、液晶領域
308の消光模様307の位置が一定で周りの高分子領
域309のみが回転しているように観察された。なお、
図55中の303aは、軸対称状となった液晶領域30
8の軸心部を示す。
【0501】このことから、殆どの液晶領域において均
一な軸対称配向が得られていることが分かった。
【0502】次に、作製したセルの両面に偏光軸を互い
に直交させた2枚の偏光板を貼り合わせて液晶表示素子
を作製した。
【0503】以上のようにして製造した液晶表示素子に
電圧を印加しながら偏光顕微鏡で観察したところ、電圧
印加時においてもディスクリネーションラインが発生せ
ず、全体が黒くなって行くことが確認された。
【0504】表16は、作製された液晶表示素子の電気
光学特性およびざらつきの評価について示す。尚、電気
光学特性は、偏光軸と互いに平行にした2枚の偏光板を
ブランク(透過率100%)として示した。
【0505】
【表16】
【0506】(比較例11)比較例11の液晶表示素子
を以下のように製造した。
【0507】先ず、実施形態36と同様な基板に、プラ
スチックビーズ(径4.5μm)を1000個/mm2
散布した後、OMR83(15cp)をスピンコートに
て塗布、80℃,30minにて焼成した。
【0508】次に、実施形態36と同様、図51に示す
ホトマスク31を用いて露光、現像、リンスおよび後焼
成を経て、厚さ0.3μmの絶縁層を基板上に形成し
た。
【0509】次に、同OMR83(60cp)をスピン
コートにて塗布、80℃、30minにて焼成した。
【0510】次に、図53に示すホトマスク32を用い
て露光、現像、リンスおよび後焼成により実施形態36
と同様にパターンを基板上に形成した。顕微鏡にて画素
周辺を観察したところ、レジストと画素の界面に析出し
ているスペーサはレジストに覆われていたが、幾つかの
画素にスペーサが残存していることが観察された。
【0511】次に、この基板をもう一方の基板と貼り合
わせてセル厚5.0μmの液晶セルを作製した。
【0512】次に、実施形態36と同様な液晶材料と重
合性樹脂材科を含む混合物を作製したセル中に減圧下に
おいて真空注入した。
【0513】次に、実施形態36と同様の方法に従って
液晶セルを作製し、セルを偏光顕微鏡下で観察した。図
56に示すように、画素562上に残存しているスペー
サによって軸対称配向の状態が乱されている画素が多く
観察された。
【0514】次に、このセルに偏光軸を直交させた2枚
の偏光板を貼り合わせて液晶表示素子を作製した。この
液晶表示素子に電圧を印加しながら、中間調において、
斜めから観察したところ、ややざらつきが認められた。
このセルの電気光学特性を表16に示す。
【0515】(比較例12)比較例12の液晶素子を以
下のように製造した。
【0516】先ず、実施形態36と同様の透明電極付ガ
ラス基板上にOMR83(15cp)をスピンコートに
て均一に塗布し、80℃、30minで焼成した。
【0517】次に、プラスチックビーズ(径4.0μ
m)を平均1000個/mm2散布し、その上からOM
R83(15cp)を塗布し、スピンコートにて基板上
に塗布した。
【0518】次に、図53に示すような有するホトマス
ク32を用いて露光、現像、リンスおよび後焼成を経て
絶縁層を基板上に形成した。このとき、画素上に残存し
ているスペーサは観察されなかったが、レジスト壁と画
素との界面にスペーサが析出しているのが観察された。
【0519】次に、この基板をもう一方のガラス基板と
貼り合わせ、セル厚4.5μmの液晶セルを作製した。
【0520】次に、作製した液晶セルに、実施形態36
と同様の液晶材料と重合性樹脂材料とを含む混合物を注
入し、実施形態36と同様にしてセルを作製した。
【0521】このようにして作製されたセルを偏光顕微
鏡下で観察したところ、比較例11と比較して、画素内
にスペーサがないため、図57に示すように、軸対称の
乱れは少ないが、画素572とレジスト壁10の界面に
スペーサ7が析出しているため、その場所に配向が依存
する傾向が見られた。
【0522】次に、このセルに偏光軸を直交させた2枚
の偏光板を貼り、液晶表示素子を作製した。作製した液
晶素子の電気光学特性およびざらつきの評価については
表16に示した。
【0523】(実施形態37)実施形態37の液晶素子
を以下のように製造した。
【0524】先ず、実施形態36と同様のガラス基板に
OMR83(15cp)をスピンコートにて均一に塗布
し、80℃,30min.で焼成した。
【0525】次に、その上にプラスチックビーズ(径
4.0μm)を0.05重量%混合させたOMR83
(60cp)をスピンコートにて塗布した。
【0526】次に、図51に示すホトマスク31にて露
光、現像、リンスを経て後露光を経て絶縁層を基板上に
パターニングした。
【0527】次に、OMR83(60cp)をスピンコ
ートにて塗布し、80℃,30min.で焼成した。そ
の後、図53に示すようなホトマスク32を用いて露
光、現像、リンスおよび後焼成(120℃,1時間)を
行った。以上のパターニングを行った基板を顕微鏡で観
察したところ、実施形態36と同じく、画素内にスペー
サはなく、かつ、レジスト−画素界面にもスペーサの析
出は見られなかった。
【0528】次に、この基板をもう一方の基板と貼り合
わせ、セルを作製した。続いて、作製したセル中に、後
述の混合物を真空注入した。その混合物は、重合性樹脂
材料としてβ−(パーフロロオクチル)エチルアクリレ
ート0.2g、イソボルニルアクリレート0.3gおよ
びR−684(日本化薬社製)0.lgと、光重合抑制
剤としてp−フロロスチレン0.1gと、液晶材料とし
てZLI−4792(メルク社製:S−811を0.3
重量%含有)4.25gと、光重合開始剤(Irgac
ure651)0.025gとを混合したものである。
【0529】次に、実施形態36と同様の方法に従って
液晶セルを作製し、セルを偏光顕微鏡下で観察した。実
施形態36と同様、図55に示したように、高分子領域
に囲まれた液晶領域が1画素毎にモノドメイン状態で、
かつ、画素内でスペーサによる配向乱れが観察されな
い、比較的均一な軸対称状に配向していた。また、偏光
軸が互いに直交する2枚の偏光板を固定して、作製した
セルを回転させたところ、液晶領域の消光模様の位置が
一定で周りの高分子壁のみが回転しているように観察さ
れた。このことから、殆どの液晶領域において均一な軸
対称配向が得られていることが分かった。
【0530】次に、実施形態36と同様に液晶表示素子
を作製し、電気光学特性を測定し、表16に示した。ま
た、電圧を印加しながら、中間調にて視角を倒して観察
してもざらつきはなかった。
【0531】以上のように本実施形態35〜37によれ
ば、画素外に配設されたスペーサにより基板間隙を均一
に保持し、あるいは外圧に対する表示変化を抑制して強
度や耐衝撃性に優れた大面積に対応できる液晶表示素子
を得ることができる。また、スペーサの影響による画素
内での液晶の配向不良や配向軸の不良あるいはディスク
リネーションの発生を抑制して高コントラストで表示の
ざらつき、特に中間調におけるざらつきがない高品位な
表示を得ることができる。
【0532】(実施形態38)本実施例では、ラビング
プロセスを適用せず液晶材料を軸対称状に配向させた液
晶素子を作製した。
【0533】実施例1と同様のITO電極が設けられた
一対の基板に、配向膜材料として使用されているポリイ
ミド材料AL4552(日本合成ゴム社製)を成膜後、
実施形態19と同様の絶縁膜形成、パターニング工程等
を経て、第1基板側にスペーサが混在した柱状絶縁層か
ら構成される基板間隙保持手段を形成した。
【0534】また、他方の第2基板にも、ポリイミド材
料AL4552を成膜後、他の実施形態と同様にシール
材を用いて両基板を貼り合わせて液晶セルを作製した。
【0535】作製した液晶セルに、液晶組成物ZLI−
4801−000(メルク社製:S−811を0.3重
量%含有、d/p(セルギャップ/カイラルピッチ)=
0.25)を真空注入法により注入し、90゜ツイスト
配向の液晶層を得た。
【0536】次いで、この液晶パネルの液晶領域の分子
配向制御工程として、実施形態4と同様の加熱工程と電
圧印加工程とを経て、実施形態4等と同じように液晶領
域が1画素毎に均一な軸対称状に配向したセルを作製し
た。
【0537】本実施形態で作製した液晶パネルでは、従
来の液晶セルの作製で行われているラビング工程を適用
せずに、しかも、従来の一軸配向とは異なり、広視角液
晶素子に有効な軸対称配向を容易に実現できた。さら
に、画素外の遮光層の領域に効果的にスペーサを含む絶
縁体から構成される基板間隙保持手段が形成されている
ことから、基板間隙の均一性の向上やパネルの強度及び
耐衝撃性のが大幅に改善されるという特徴を有してい
た。
【0538】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画素外に
配設された絶縁体により基板間隙を均一に保持し、ある
いは外圧に対する表示変化を抑制して強度や耐衝撃性に
優れた大面積に対応できる液晶素子を得ることができ
る。よって、液晶層内または液晶領域内にスペーサを存
在させる必要がなく、スペーサの影響による画素内での
液晶の配向不良や配向軸の不良あるいはディスクリネー
ションの発生を抑制して高コントラストで表示のざらつ
き(特に中間調におけるざらつき)が無い高品質な表示
を得ることができる。
【0539】また、画素外または画素内に配設された絶
縁体の材料および位置を調整することにより基板上の表
面張力を異ならせ、またはセルギャップを異ならせるこ
とができるので、高分子領域と液晶領域との形成位置お
よび形状を制御することができ、また、ノンラビングプ
ロセスで液晶分子を2方向以上、軸対称状またはランダ
ム状に配向させることができる。
【0540】この高分子領域を画素外に選択的に形成
し、画素外に形成された絶縁体と融合させることによ
り、さらに外圧に対する表示変化を抑制し、耐衝撃性を
向上させることができる。
【0541】さらに、基板上の画素の中央部に、凸部お
よび凹部の一方または両方をパターン形成することによ
り、軸位置が揃った均一な軸対称状配向を得ることがで
き、さらにざらつきの無い良好な表示とすることができ
る。
【0542】画素外に設けられる絶縁体は、部分的にま
たは全体的に1種類以上の絶縁膜を用いてもよい。この
場合、液晶材料と樹脂材料との混合物から相分離により
液晶領域を成長させる際に、液晶領域を安定して形成す
るように材料を選択することができる。また、1種類以
上に黒色などの有色の添加剤を含ませると、BMとして
も用いることができ、ディスクリネーションラインが見
え難くなる。さらに、1種類以上に無機材料または有機
材料からなるスペーサを含ませることにより、使用温度
環境や外圧などにも影響を受け難くして、セルギャップ
を均一に制御することができる。
【0543】上記絶縁体を2種類以上の材料により作製
する場合、1種類以上を画素内に形成することにより、
液晶材料と重合性樹脂材料との表面張力の関係によっ
て、画素内に液晶材料が優先的に分離され、画素外に高
分子領域が形成される。
【0544】相分離の時に電圧または磁場あるいはその
両方を印加すると、対称軸を基板に対して垂直方向に揃
えることができるので、さらに均一な配向制御を行うこ
とができる。
【0545】高分子材料と液晶材料との相分離を利用し
ない場合には、基板上に液晶分子の配向を制御する配向
膜を配向処理を行わないで形成することにより、液晶分
子の配向を乱さずに配向制御することができる。
【0546】画素内で液晶領域の液晶分子が軸対称状に
配向し、この液晶領域の対称軸またはその付近にのみス
ペーサが存在しているようにすれば、液晶分子の配向軸
を液晶領域の対称軸またはその付近にのみ存在させるよ
うにすることができため、液晶分子を対称軸またはその
付近を中心として軸対称状に配向させることができて、
均一でざらつきのない優れた表示品位の液晶表示素子を
得ることができる。
【0547】また、本発明による場合は、画素内で液晶
分子が放射状に配向した液晶素子において、画素内への
スペーサの存在や画素と高分子壁の境界面にスペーサあ
る場合での液晶領域の配向の乱れ・配向軸の位置ずれに
よるざらつきの増大等の表示特性に及ぼす悪影響を解消
でき、表示特性を改善することが可能となる。
【0548】また、本発明による場合は、スペーサを混
在する絶縁体の表面自由エネルギーを本発明のように規
定することにより、スペーサの分散性がきわめて良好に
なり、その結果として好ましいセルギャップが得られ
る。これにより、基板上にスペーサを湿式もしくは乾式
で散布する必要もなくなるため、工程の簡素化、工程の
クリーン化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スペーサと、それを混在している層との関係を
示す図である。
【図2】スペーサと、そのスペーサを混在する層と、ス
ペーサを覆う層との関係を示す図であり、(a)スペー
サが画素部に析出した場合、(b)はスペーサが絶縁体
に完全に埋没した場合を示す。
【図3】TFTなどを備えたアクティブマトリクス型パ
ネルに、本発明を適用してセル厚を均一に保持する場合
の説明図である。
【図4】表面張力の異なる領域における液晶材料と重合
性樹脂材料と(液晶の表面張力>重合性樹脂材料の表面
張力の場合)の相分離状態を説明するための図である。
【図5】表面張力の異なる領域における液晶材料と重合
性樹脂材料と(液晶の表面張力<重合性樹脂材料の表面
張力の場合)の相分離状態を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態である液晶素子の偏光顕微
鏡による観察図であり、(a)は電源OFFの時、
(b)電源ONの時である。
【図7】本発明の他の実施形態である長方形の画素を有
する液晶素子の偏光顕微鏡による観察図であり、(a)
は画素に液晶領域が2つ存在する場合、(b)は画素に
液晶領域が多数存在する場合である。
【図8】(a)は本発明の他の実施形態である画素の中
央部に凸部を設けた液晶素子の一方の基板を示す平面
図、(b)は(a)の8B−8B’断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態である画素の中央部に凸
部を設けた液晶素子の偏光顕微鏡による観察図である。
【図10】(a)は本発明の一実施形態(例えば実施形
態19など)で示されるスペーサと、このスペーサを混
在する層およびそれらを覆う絶縁体層から形成される基
板の概略を示す平面図、(b)は(a)の10B−10
B’断面図である。
【図11】実施形態1の液晶素子の作製に用いたホトマ
スク14aを示す平面図である。
【図12】実施形態1の液晶素子を示し、(a)はその
平面図、(b)は(a)の12B−12B’断面図、
(c)はそれの偏光顕微鏡観察図である。
【図13】実施形態1の液晶素子の作製に用いたホトマ
スク14bを示す平面図である。
【図14】実施形態1の液晶素子の電気光学特性を示す
図である。
【図15】比較例1の液晶素子の電気光学特性を示す図
である。
【図16】比較例2の液晶素子の偏光顕微鏡による観察
図である。
【図17】実施形態8の液晶素子の作製に用いたスクリ
ーン印刷版を示す平面図である。
【図18】実施形態9で用いるドライフィルムを示す断
面図である。
【図19】実施形態9で作製される基板上の柱状の高分
子フィルムを示す斜視図である。
【図20】実施形態9で得られたすり鉢状の凹面の構造
を示す断面図である。
【図21】(a)は実施形態11の液晶素子の一方の基
板を示す平面図、(b)は(a)の21B−21B’断
面図である。
【図22】(a)は実施形態12の液晶素子を示す断面
図、(b)はその平面図である。
【図23】実施形態12の液晶素子の作製に用いたネガ
パターンホトマスク14cを示す平面図である。
【図24】実施形態12の液晶素子の作製に用いたネガ
パターンホトマスク14dを示す平面図である。
【図25】実施形態12の液晶素子の偏光顕微鏡による
観察図である。
【図26】(a)は実施形態14の液晶素子の一方の基
板を示す平面図、(b)は(a)の26B−26B’断
面図である。
【図27】実施形態14の液晶素子の偏光顕微鏡による
観察図である。
【図28】実施形態14の液晶素子の電気光学特性を示
す図である。
【図29】(a)は実施形態15及び17の液晶素子の
一方の基板に形成された絶縁体(1層目)を示す平面
図、(b)は(a)の29B−29B’断面図である。
【図30】(a)は実施形態15の液晶素子の一方の基
板に形成された絶縁体(2層目)を示す平面図、(b)
は(a)の30B−30B’断面図である。
【図31】(a)は実施形態16の液晶素子の作製に用
いたマスクの平面図、(b)は、(a)のマスクの31
B−31B’に対応する位置に形成された絶縁体の断面
図である。
【図32】実施形態18の液晶素子の作製に用いたマス
ク302の平面図である。
【図33】実施形態18の液晶素子の作製に用いたマス
ク304の平面図である。
【図34】(a)は実施形態18の液晶素子の一方基板
部301の平面図、(b)は(a)の34B−34B’
断面図である。
【図35】実施形態18の液晶素子の偏光顕微鏡による
観察図である。
【図36】実施形態18の液晶素子の電気光学特性を示
す図である。
【図37】従来のTNセルの電気光学特性を示す図であ
る。
【図38】比較例4の液晶素子の偏光顕微鏡による観察
図である。
【図39】実施形態19で使用した第1段目のホトマス
ク14eを示す図である。
【図40】(a)は実施形態19における第1段階パタ
ーニングで形成したビーズ入り絶縁体を示す平面図、
(b)は(a)の40B−40B’断面図である。
【図41】実施形態19で使用した第2段目のホトマス
ク14fを示す図である。
【図42】実施形態22で用いたスペーサ印刷用のマス
ク14gを示す図である。
【図43】比較例5で作製した液晶素子の偏光顕微鏡に
より観察した状態を示す図である。
【図44】実施形態23で用いたTFT基板用の第1段
階目のホトマスク14hを示す図である。
【図45】(a)は実施形態23で用いたTFT基板用
の第2段階目のホトマスク14iを示す平面図、(b)
は(a)のマスクの45B−45B’に対応する位置に
形成された絶縁体の断面図である。
【図46】実施形態24で用いたゲート信号線のみをパ
ターニングするためのTFT基板用の第1段階目のホト
マスク14jを示す図である。
【図47】(a)は実施形態24で用いたTFT基板用
の第2段階目のホトマスク14kを示す平面図、(b)
は(a)のマスクの47B−47B’に対応する位置に
形成された絶縁体の断面図である。
【図48】実施形態25で用いたTFT基板へのスペー
サ印刷用のマスク14lを示す図である。
【図49】本発明方法を、対向配設した2つの基板の一
方の基板に画素電極がマトリクス状に設けられる液晶表
示素子の製造に適用した例を示す工程説明図である。
【図50】本発明において、各画素における液晶分子を
軸対称配向とさせる場合の液晶表示素子の製造方法の説
明図である。
【図51】実施形態36、37および比較例11で使用
するホトマスク31を示す平面図である。
【図52】(a)は図51のホトマスク31によりパタ
ーン化されたレジストを示す平面図であり、(b)は
(a)の52B−52B’断面図である。
【図53】実施形態36、37および比較例12で使用
するホトマスク32を示す平面図である。
【図54】(a)は図53のホトマスク32によりパタ
ーン化されたレジストを示す平面図であり、(b)は
(a)の54B−54’B断面図である。
【図55】実施形態36、37で得られた液晶表示素子
を偏光顕微鏡観察した場合における観察図である。
【図56】比較例11で得られた液晶表示素子を偏光顕
微鏡観察した場合における観察図である。
【図57】比較例12で得られた液晶表示素子を偏光顕
微鏡観察した場合における観察図である。
【図58】(a)〜(c)はTNモードの液晶素子の視
角によるコントラスト変化を説明するための図であり、
(d)〜(f)は広視角モードの液晶素子の視角による
コントラスト変化を説明するための図である。
【図59】従来の高分子領域に囲まれた液晶領域を有す
る液晶素子において、液晶領域内で基板上に高分子が付
着した状態を示す断面図である。
【図60】画素内に存在する粒状スペーサ(ビーズ)が
液晶領域の配向状態を乱している状態を示す偏光顕微鏡
の観察図である。
【図61】液晶分子の配向に捩れが存在している場合の
配向状態を示す模式図である。(b),(c)および
(d)は、(a)に示す液晶領域613を基板に平行に
輪切りにした場合における上基板表面近傍(Z=d)、
中間層(Z=d/2)、下基板表面近傍(Z=0)の3
層について液晶分子の配列を各々表示している。
【図62】液晶分子の配向に捩れがない場合の配向状態
を示す模式図である。(b),(c)および(d)は、
(a)に示す液晶領域623を基板に平行に輪切りにし
た場合における上基板表面近傍(Z=d)、中間層(Z
=d/2)、下基板表面近傍(Z=0)の3層について
液晶分子の配列を各々表示している。
【符号の説明】
1a,1b 基板 2a,2b 電極 3 液晶領域 4 高分子領域 5 ディスクリネーションライン 6 消光模様 7 スペーサ 8 画素 10、10a、10b、20 絶縁体 10c、20c 凸部 11 表面張力の小さい領域 12 遮光領域 13 透光領域 14a、14b、14c、14d、14e、14f、1
4h、14i、14j、14k ホトマスク 14g、14l、15 スクリーン版 101 一方のガラス基板 101a アクティブマトリクス基板 102 半導体層 103 ゲート絶縁層 104 ゲート電極 105 コンタクト層 106 層間絶縁膜 107 画素電極 108 ソース電極 109 ドレイン電極 110 BM層 111 対向基板 112 カラーフィルタ 113 対向電極 114 対向側ガラス基板 115 第2の絶縁体 116 ビーズスペーサ 117 液晶領域 118 高分子領域 202 ゲート信号線 203 ソース信号線 205 TFT 301 第1の基板部 302、304 マスク 303 島 305 レジストパターン 306 スペーサ用ビーズ 307 消光部分 308 液晶領域 309 高分子壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 信明 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 長江 伸和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 寺下 慎一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 近藤 正彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配設された少なくとも一方が透明な
    一対の基板の間隙に液晶層が狭持された液晶素子におい
    て、 画素の大きさを規定すべく設けられた遮光層で覆われて
    スペーサが存在して、一対の基板の間隙を保つ間隙保持
    手段を構成すると共に、該画素内における液晶分子が2
    方向以上、軸対称状またはランダム状に配向している液
    晶素子。
  2. 【請求項2】 前記画素の外に、前記一対の基板の間隙
    を保つ間隙保持手段としての絶縁体が形成されている請
    求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 対向配設された少なくとも一方が透明な
    一対の基板の間隙に、高分子領域と液晶領域とを有する
    複合体が挟持された液晶素子において、 画素外である該高分子領域にスペーサが存在している液
    晶素子。
  4. 【請求項4】 前記液晶領域内における液晶分子が2方
    向以上、軸対称状またはランダム状に配向している請求
    項3に記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 対向配設された少なくとも一方が透明な
    一対の基板の間隙に、高分子領域と液晶領域とを有する
    複合体が挟持された液晶素子において、 前記高分子領域に、絶縁体が前記一対の基板の間隙を保
    つ間隙保持手段として形成されている液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶領域内における液晶分子が2方
    向以上、軸対称状またはランダム状に配向している請求
    項5に記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記間隙保持手段としての絶縁体が1層
    または2以上の層により構成されている請求項2から6
    のいずれか1つに記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 前記絶縁体の少なくとも1層が感光性樹
    脂層により構成されている請求項7に記載の液晶素子。
  9. 【請求項9】 前記絶縁体の少なくとも一層が高分子フ
    ィルムにより構成されている請求項7または8に記載の
    液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記高分子フィルムは感光性樹脂組成
    物からなるドライフィルムまたは感光性ポリマーにより
    形成されている請求項9に記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 前記画素間を区切るための高分子壁が
    高分子フィルムまたはシートにより画素外に設置されて
    いる請求項3または5に記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 前記高分子フィルムが露光および現像
    され、かつ、マトリックス状に配置されている請求項1
    0に記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 前記高分子フィルム内に前記一対の基
    板間の間隙を保つ間隙保持手段であるスペーサが含まれ
    ている請求項9、10、11または12に記載の液晶素
    子。
  14. 【請求項14】 前記高分子フィルムからなる壁と、光
    硬化性樹脂と液晶との混合物の相分離により硬化した樹
    脂とで形成された高分子壁で1または複数の画素が取り
    囲まれている請求項9、10、11、12または13に
    記載の液晶素子。
  15. 【請求項15】 前記高分子フィルムの上または下に絶
    縁体が一層または多層により構成されている請求項9、
    10、11、12、13または14に記載の液晶素子。
  16. 【請求項16】 前記絶縁体が感光性樹脂層により構成
    されている請求項15に記載の液晶素子。
  17. 【請求項17】 前記高分子フィルムは、色素を含んだ
    ものであり、遮光層として機能する請求項9、10、1
    1、12、13、14、15または16に記載の液晶素
    子。
  18. 【請求項18】 対向配設された少なくとも一方が透明
    な一対の基板の間隙に、高分子領域と液晶領域とを有す
    る複合体が挟持され、該液晶領域により画素が構成され
    た液晶素子において、 前記高分子領域に、前記絶縁体が1または2以上の層に
    より構成されると共に、該層の少なくとも1つに予め混
    在させてあったスペーサにより一対の基板の間隙が均一
    に規定されている液晶素子。
  19. 【請求項19】 前記画素が、前記液晶分子を2方向以
    上、軸対称状またはランダム状に配向した領域を1また
    は2以上含んで構成されている請求項1から18のいず
    れか1つに記載の液晶素子。
  20. 【請求項20】 前記液晶分子を2方向以上、軸対称状
    またはランダム状に配向させる手段として、前記液晶分
    子を2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向させ
    る領域の内部に両基板に達する高分子柱が設けられてい
    る請求項1から19のいずれか1つに記載の液晶素子。
  21. 【請求項21】 前記液晶分子を2方向以上、軸対称状
    またはランダム状に配向させる手段として、前記液晶分
    子を2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向させ
    る領域の中央部に対応する、前記一対の基板の少なくと
    も一方の基板部分に、凸部および凹部のいずれか一方が
    パターン形成されている請求項1から19のうちのいず
    れか1つに記載の液晶素子。
  22. 【請求項22】 前記液晶分子を2方向以上、軸対称状
    またはランダム状に配向させる手段として、前記液晶分
    子を2方向以上、軸対称状またはランダム状に配向させ
    る領域に対応する、前記一対の基板の少なくとも一方の
    基板部分に、球晶が設けられている請求項1から19の
    いずれか1つに記載の液晶素子。
  23. 【請求項23】 前記液晶分子が2方向以上、軸対称状
    またはランダム状に配向された領域の中心部にスペーサ
    が絶縁体で覆われて設けられている請求項1から19の
    いずれか1つに記載の液晶素子。
  24. 【請求項24】 前記スペーサが、該スペーサの混在さ
    れた樹脂をパターン形成してなる樹脂層にて固定され、
    該スペーサを覆う遮光層の幅(D2)が、D1+4r2<
    D2(但し、D1は樹脂層の幅、r2は樹脂層の幅方向に
    おけるスペーサの長さ寸法の1/2)を満足する請求項
    2に記載の液晶素子。
  25. 【請求項25】 前記スペーサが存在する高分子領域部
    分の幅(D)が、r1<A≦D/2(但し、r1は高分子
    領域部分の幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1/
    2、Aは高分子領域部分の幅方向におけるスペーサの中
    心から高分子領域部分の端までの距離)を満足する請求
    項3に記載の液晶素子。
  26. 【請求項26】 前記絶縁体のスペーサを混在する層の
    幅(D)が、r1<A≦D/2(但し、r1は絶縁体のス
    ペーサを混在する層の幅方向におけるスペーサの長さ寸
    法の1/2、Aは絶縁体のスペーサを混在する層の幅方
    向におけるスペーサの中心から絶縁体のスペーサを混在
    する層の端までの距離)を満足する請求項18から23
    に記載の液晶素子。
  27. 【請求項27】 前記絶縁体がスペーサを混在する層と
    スペーサの無い1または2以上の層とにより構成され、
    少なくともスペーサの無い1層の幅(D2)が、D1+4
    r2<D2(但し、D1はスペーサを混在する層の幅、r2
    はスペーサを混在する層の幅方向におけるスペーサの長
    さ寸法の1/2)を満足する請求項18から23に記載
    の液晶素子。
  28. 【請求項28】 前記絶縁体がスペーサを混在する層と
    スペーサの無い1または2以上の層とにより構成され、
    スペーサを混在する層の幅(D)が、r1<A≦D/2
    (但し、r1は絶縁体のスペーサを混在する層の幅方向
    におけるスペーサの長さ寸法の1/2、Aは絶縁体のス
    ペーサを混在する層の幅方向におけるスペーサの中心か
    ら絶縁体のスペーサを混在する層の端までの距離)を満
    足し、かつ、少なくともスペーサの無い1層の幅(D
    2)が、D1+4r2<D2(但し、D1はスペーサを混在
    する層の幅、r2はスペーサを混在する層の幅方向にお
    けるスペーサの長さ寸法の1/2)を満足する請求項1
    8または23に記載の液晶素子。
  29. 【請求項29】 請求項1の液晶素子の製造方法であっ
    て、 少なくとも一方が透明な一対の基板の少なくともいずれ
    かの基板上に、液晶層の配向を規制する手段をラビング
    レスプロセスにより形成すると共に、同一または異なる
    基板上に画素の大きさを規定する遮光層をパターン形成
    する工程と、 該遮光層の上に、スペーサを混在する重合性材料をパタ
    ーン形成する工程とを経て基板の間隙を保つ間隙保持手
    段を構成する工程と、 該一対の基板を対向配設して液晶セルを得る工程と、 該液晶セル中に液晶を充填する工程とを含む液晶素子の
    製造方法。
  30. 【請求項30】 少なくとも一方が透明な一対の基板の
    一方上にスペーサを混在する重合性材料をパターン形成
    する工程を経て基板の間隙を保つ間隙保持手段を構成す
    る工程と、 該一対の基板を該スペーサにより基板間隙が均一になる
    ように対向配設してセルを作製する工程と、 該セル内に少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含
    む混合物を充填し、重合相分離を経て該重合性材料のパ
    ターン形成された部分を含んで高分子領域を、他の部分
    に液晶領域を分布させる工程とを含む液晶素子の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 少なくとも一方が透明な一対の基板の
    一方に1または2以上の層からなる間隙保持手段として
    の絶縁体をパターン形成する工程と、 該一対の基板を該絶縁体により基板間隙が均一になるよ
    うに対向配設してセルを作製する工程と、 該セル内に少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含
    む混合物を充填し、重合相分離を経て、該絶縁体を内部
    に含むように高分子領域を、他の部分に液晶領域を分布
    させる工程とを含む液晶素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記間隙保持手段としての絶縁体の少
    なくとも1層に感光性樹脂を用いる請求項31に記載の
    液晶素子の製造方法。
  33. 【請求項33】 少なくとも一方が透明な一対の基板の
    一方に、少なくとも1層にスペーサを混在させた1また
    は2以上の感光性樹脂からなる絶縁体をパターン形成す
    る工程と、 該一対の基板を該スペーサにより基板間隙が同一になる
    ように対向配設してセルを作製する工程と、 該セル内に少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含
    む混合物を充填し、重合相分離を経て、該絶縁体を内部
    に含むように高分子領域を、他の部分に液晶領域を分布
    させる工程とを含む液晶素子の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記少なくとも液晶組成物および重合
    性樹脂を含む混合物を重合相分離させる工程において、
    該混合物の均一化温度以上で重合硬化させて液晶と高分
    子を相分離させ、その後、冷却して液晶領域と高分子領
    域とを規則的に分布させる請求項30から33のうちい
    ずれか1つに記載の液晶素子の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記少なくとも液晶組成物および重合
    性樹脂を含む混合物を重合相分離させる工程において、
    該混合物の均一化温度から冷却し、これにより液晶と高
    分子を重合相分離させるとともに液晶領域と高分子領域
    とを規則的に分布させる請求項30から33のうちいず
    れか1つに記載の液晶素子の製造方法。
  36. 【請求項36】 少なくとも一方が透明な一対の基板の
    間隙に、高分子領域と液晶領域とを有する複合体が挟持
    された液晶素子において、 画素内における液晶分子が絶縁体からなる軸の周りに軸
    対称状に配向し、その軸で覆われてスペーサが存在して
    いる液晶素子。
  37. 【請求項37】 前記絶縁体からなる軸が高分子からな
    る請求項36に記載の液晶素子。
  38. 【請求項38】 請求項37の液晶素子の製造方法であ
    って、 少なくとも一方が透明な一対の基板の一方上に、スペー
    サを内部に有する高分子島を形成する工程と、 該一対の基板を該スペーサにより基板間隙が均一になる
    ように対向配設してセルを作製する工程と、 該セル中に少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含
    む混合物を注入する工程と、 該混合物を該混合物の均一化温度以上で重合硬化させて
    液晶と高分子の相分離させ、これにより該高分子島を中
    心部として液晶領域を、他の部分に高分子領域を分布さ
    せる工程とを含む液晶素子の製造方法。
  39. 【請求項39】 請求項37の液晶素子の製造方法であ
    って、 少なくとも一方が透明な一対の基板の一方または両方上
    に、スペーサを内部に有する高分子島を形成する工程
    と、 該一対の基板を該スペーサにより基板間隙が均一になる
    ように対向配設してセルを作製する工程と、 該セル中に少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含
    む混合物を注入する工程と、 該セル中に液晶と重合性樹脂の混合物を注入する工程
    と、 該混合物を該混合物の均一化温度から冷却し、これによ
    り液晶と高分子とを相分離させるとともに、該高分子島
    を中央部として液晶領域を、他の部分に高分子領域を分
    布させる工程とを含む液晶素子の製造方法。
  40. 【請求項40】 前記スペーサを混在する重合性材料を
    パターン形成する工程において、該重合性材料をその幅
    (D)が、r1<A≦D/2(但し、r1は重合性材料の
    幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1/2、Aは重合
    性材料の幅方向におけるスペーサの中心から重合性材料
    の端までの距離)を満足するようにパターン形成する請
    求項29、30または33に記載の液晶素子の製造方
    法。
  41. 【請求項41】 前記スペーサを混在する重合性材料を
    パターン形成する工程の前又は後において、該重合性材
    料とは別の少なくとも1層をその幅(D2)が、D1+4
    r2<D2(但し、D1はスペーサを混在する重合性材料
    の幅、r2はスペーサを混在する重合性材料の幅方向に
    おけるスペーサの長さ寸法の1/2)を満足するように
    パターン形成する請求項29、30または33に記載の
    液晶素子の製造方法。
  42. 【請求項42】 前記スペーサを混在する重合性材料を
    パターン形成する工程において、該重合性材料の幅
    (D)を、r1<A≦D/2(但し、r1は重合性材料の
    幅方向におけるスペーサの長さ寸法の1/2、Aは重合
    性材料の幅方向におけるスペーサの中心から重合性材料
    の端までの距離)を満足するようにパターン形成し、 前記スペーサを混在する重合性材料をパターン形成する
    工程の前または後において、該重合性材料とは別の少な
    くとも1層をその幅(D2)が、D1+4r2<D2(但
    し、D1はスペーサを混在する重合性材料の幅、r2はス
    ペーサを混在する重合性材料の幅方向におけるスペーサ
    の長さ寸法の1/2)を満足するようにパターン形成す
    る請求項29、30または33に記載の液晶素子の製造
    方法。
  43. 【請求項43】 前記相分離を進行させる過程または樹
    脂硬化過程において、前記一対の基板間に設けられた前
    記混合物に電界および磁界のうち少なくともいずれかを
    付与する請求項30、31、33、34、35、38、
    39、40、41および42のうちいずれか1つに記載
    の液晶素子の製造方法。
  44. 【請求項44】 請求項9または10に記載の液晶素子
    の製造方法であって、 少なくとも一方が透明な一対の基板の少なくともいずれ
    かの基板上に、高分子フィルムを圧着する基板を予熱す
    る工程と、 該高分子フィルムを押圧して基板上に圧着させる工程
    と、 該高分子フィルムと基板とを圧着する際にヒーターによ
    り加熱する工程と、 該高分子フィルムを任意の形状にパターニングする工程
    と、 該一対の基板を対向配置してセルを得る工程と、 該セル内に少なくとも液晶組成物および重合性樹脂を含
    む混合物を充填し、重合相分離を経て、該高分子フィル
    ムのパターン形成された部分を含んで高分子領域を、他
    の部分に液晶領域を分布させる工程とを含む液晶素子の
    製造方法。
  45. 【請求項45】 請求項9または10の液晶素子の製造
    方法であって、 少なくとも一方が透明な一対の基板の少なくともいずれ
    かの基板上の画素外に、高分子ドライフィルムをパター
    ン形成する工程と、 該一対の基板を対向配置して液晶セルを得る工程と、 該液晶セル中に液晶を充填する工程とを含む液晶素子の
    製造方法。
  46. 【請求項46】 前記スペーサを混在した層状の絶縁体
    が重合性樹脂からなる請求項18に記載の液晶素子。
  47. 【請求項47】 前記重合性樹脂の硬化後の表面自由エ
    ネルギーが70mN/m以下である請求項46に記載の
    液晶素子。
  48. 【請求項48】 前記重合性樹脂の硬化後の表面自由エ
    ネルギーの極性成分が5mN/m以上40mN/m以下
    である請求項46に記載の液晶素子。
  49. 【請求項49】 前記重合性樹脂が光重合性樹脂である
    請求項47または48に記載の液晶素子。
  50. 【請求項50】 前記重合性樹脂が熱重合性樹脂である
    請求項47または48に記載の液晶素子。
  51. 【請求項51】 前記スペーサを混在した重合性樹脂か
    らなる層の上に、重合性樹脂からなる層が1層以上形成
    されている請求項18、46から50に記載の液晶素
    子。
  52. 【請求項52】 対向配設された、少なくとも一方が透
    明な一対の基板の間に表示媒体が狭持された液晶素子の
    製造方法において、 該少なくとも一方の基板の上に絶縁体を塗布する第1の
    絶縁膜塗布工程と、 該絶縁体の上にスペーサを散布してその上から絶縁体を
    塗布するか、またはスペーサを含有させた絶縁体を塗布
    する第2の絶縁膜塗布工程と、 該スペーサを含む絶縁体を、最終的なパターン幅Dとス
    ペーサの直径または長軸方向の寸法Sとに関して、D’
    ≦D−2Sを満足するパターン幅D’でパターニングす
    る第1のパターニング工程と、 該第1のパターニング工程が行われた基板上に絶縁体を
    塗布する第3の絶縁膜塗布工程と、 該第1のパターニング工程の後であって、第3の絶縁膜
    塗布工程の前に絶縁体の端からはみ出していたスペーサ
    部分を絶縁体で覆う状態とすべく、該第3の絶縁膜塗布
    工程にて塗布された絶縁体をパターニングし、前記最終
    的なパターン幅Dにする第2のパターニング工程とを含
    む液晶素子の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記表示媒体を、液晶分子が2方向以
    上である軸対称状またはランダム状に配向している液晶
    領域と、高分子領域とからなる状態にする請求項52に
    記載の液晶素子の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記表示媒体を、液晶分子の配向が1
    方向である液晶領域と高分子領域とからなる状態にする
    請求項52に記載の液晶素子の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記第1、第2および第3の絶縁膜塗
    布工程において使用する絶縁体の少なくとも1つに、感
    光性材料を用いる請求項52、53、または54に記載
    の液晶素子の製造方法。
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