JPH0827227A - ゴムラテックスの製造方法 - Google Patents

ゴムラテックスの製造方法

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JPH0827227A
JPH0827227A JP16373694A JP16373694A JPH0827227A JP H0827227 A JPH0827227 A JP H0827227A JP 16373694 A JP16373694 A JP 16373694A JP 16373694 A JP16373694 A JP 16373694A JP H0827227 A JPH0827227 A JP H0827227A
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rubber latex
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monomer
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JP16373694A
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Shinya Ebita
信哉 胡田
Hirotsugu Osawa
寛嗣 大澤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ABS樹脂原料に好適な、径が大きく球状の
粒子よりなるブタジエンを主成分とする共重合体ラテッ
クスを、短い重合時間にて製造する。 【構成】 脂肪族共役ジエン化合物単量体を80重量%
以上含む単量体を乳化重合するにあたり、重合率が20
重量%以下の時点で0.5〜20重量部の溶解度パラメ
ータが7〜15の非重合性有機溶媒及び0.1〜1.5
重量部の乳化剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムラテックス、とり
わけABS樹脂の原料として好適に用いられる重量平均
粒子径0.05〜0.8ミクロンのゴムラテックスの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂は、主として乳化重合法によ
りゴム質重合体粒子に芳香族ビニル化合物とシアン化ビ
ニル化合物をグラフト共重合させることによって得られ
る、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物共重合
体中にゴム質重合体が分散した形態を有する熱可塑性樹
脂であり、その性質は分散したゴム質重合体の粒子径に
より変化する。例えば上記樹脂の特徴である耐衝撃性と
加工性のバランスの良さは、粒子径の大きいゴム質重合
体を用いて初めて得られる性質である。
【0003】ところで、乳化重合法によりABS樹脂原
料となる合成ゴムラテックスを製造する場合、重合に要
する時間と上記ゴムラテックスの粒子径には密接な関連
があり、粒子径の大きなゴムラテックスの製造に要する
時間は粒子径の小さなゴムラテックスの製造に比べ著し
く長いのが通例である。かかる現象は、一定量の単量体
を重合させようとした場合、大粒子径ゴムラテックスの
製造に際してはゴムラテックス粒子の数を小粒子径ゴム
ラテックスの製造に比べて、著しく少なく設定しなけれ
ばならないことに起因すると考えられている。
【0004】かかる難点を克服し、短時間のうちに粒子
径の大きなゴムラテックスを製造する技術として(1)
乳化重合過程で、別途作成したラテックスを添加する方
法(特公昭48−16060号及び、特開昭63−48
313号公報)、(2)乳化重合過程に単量体を追加添
加する方法(特公平03−2165号公報)、(3)少
量の乳化剤と多量の無機電解質を併用する方法(特開昭
56−136807号公報)等が開示されている。これ
らの技術は、いづれも多量の小粒子径ゴムラテックスを
短時間のうちに製造し、重合過程で重合系を不安定化す
ることによりゴムラテックス粒子同志を融着合一(アグ
ロメレーション)させることにより、大きな粒子としよ
うとするものと思われる。これら技術に基けば、少量の
乳化剤のみで重合を行う方法や少量のシードラテックス
を重合過程で大粒子まで成長させる方法に比べて短時間
のうちに粒子径の大きいゴムラテックスを得ることが可
能となると思われるが、0.3ミクロン以上のゴムラテ
ックス粒子製造には50〜60時間を要しており経済的
に不利であった。
【0005】また、アクリロニトリルを必須成分とする
多段重合法により比較的短時間のうちに大粒径ゴムラテ
ックスを製造する技術は特公昭47−36024号公報
等により公知であるが、この技術により得られるゴムラ
テックス粒子は不規則な形状を有しており、ABS樹脂
原料として用いるには不適当な場合があった。この問題
を解決するため、より短時間のうちに粒子径の大きなA
BS樹脂原料に適した球形を有するゴムラテックスを製
造し得る技術として、特定量の乳化剤を用い、かつ少量
のシアン化ビニル化合物を重合開始反応時に使用するこ
とで著しく重合が加速されかつ球形の粒子からなるゴム
ラテックスが得られる技術が開発されているが(特開平
5−17507号公報)、得られたゴムはブタジエンと
シアン化ビニル化合物の共重合体であるため、ブタジエ
ン100%のゴムに比べてABS化時にASのグラフト
反応を促進する効果はあるが、ゴム粒子表面へのグラフ
ト量が比較的少なくなってしまう欠点があった。
【0006】一方、コ−ト紙のバインダ−等に有用なラ
テックスを製造する方法として、重合初期から特定の有
機溶媒を使用する方法も開発されているが(特開平3−
229703号公報)、この方法では有機溶媒は重合連
鎖移動剤の効率を上げる目的で使用されており、目的も
使用範囲も違っている。すなわち、この方法においては
エチレン系不飽和単量体を20重量部以上使用すること
を必須としており、そのため重合速度を向上させるとい
う思想は全くない。更に、粒子の凝集を起こさせること
を目的として、重合途中に親油性のスチレン、ベンゼン
又は親水性のアセトン等の溶媒やポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド等の物質をラテックス中に
加えて撹拌等の処理により大粒子径のラテックスを得る
方法も知られているが、これらは溶媒の添加時期が重合
途中であるため、重合速度を確実に向上させることは困
難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、シアン化ビニル単量体を使用せずに、より短時間
のうちに粒子径の大きなABS樹脂原料に適した球形を
有するゴムラテックスを製造し得る技術を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、特定量の少量の乳化
剤を用い、かつ少量の特定の有機溶剤を重合開始反応時
に使用することで、著しく重合が加速され、かつ球形の
粒子からなるゴムラテックスが得られることを見出し、
本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、脂肪族共役ジエン単
量体100重量部、又は脂肪族共役ジエン単量体および
これと共重合可能なビニル単量体を含む単量体であっ
て、全単量体に占める脂肪族共役ジエン単量体の割合が
85重量%以上である単量体100重量部を乳化重合し
てラテックスを製造する方法において、重合率が20重
量%以下の時点で、(1)溶解度パラメータが7〜15
である非重合性有機溶媒0.5〜20重量部、(2)乳
化剤0.1〜1.5重量部を添加することを特徴とする
ラテックスの製造方法である。以下、本発明の内容につ
いて説明する。
【0010】本発明の特徴とするところは、重合反応の
初期の段階で、上記特定の有機溶媒を少量の乳化剤とと
もに使用する点である。上記特定の有機溶媒を使用する
ことによる重合反応が加速される理由に関しては十分明
らかではないが、(1)上記特定の有機溶媒がブタジエ
ン及び水両者共にある一定以上溶解可能であることから
界面張力が低下して、溶媒を使用しない場合に比べて同
等の撹拌状態で粒子が小さくなり界面の面積が大きくな
ること、及び(2)上記特定の有機溶媒がブタジエン及
び水両者共にある一定以上溶解可能であることから、界
面での物質移動が容易となる等の理由で、全体の重合が
加速されることが考えられる。一方で、最終的に粒子径
の大きなゴムラテックスが得られる理由として、重合初
期段階で生じた微小粒子が、その成長に伴い乳化剤によ
る粒子表面の被覆率が低下し、ゴムラテックス粒子が不
安定化することにより、粒子同志が融着合一(アグロメ
レーション)するためと考えられる。
【0011】本発明の方法は、単に短時間のうちに粒子
径の大きいゴムラテックスが得られるばかりではなく、
重合途中に別途作成したゴムラテックスを添加する方法
に比べて同一反応器で重合させ得る単量体量を多くで
き、重合途中に単量体を添加する方法の様に新たに重合
させねばならない単量体を加える必要がないなど、経済
的にも有利なである。
【0012】本発明においては、重合率が20重量%以
下の時点において特定の有機溶媒及び特定量の乳化剤を
添加することによって重合速度が向上する。ここで、重
合率は下記の式によって求められる値をいう。
【0013】
【数1】
【0014】なお、上記式中の固形分は下記の方法で求
める。重合装置からSUS304製1リットルの耐圧容
器に約250ミリリットルをサンプリングし、耐圧容器
を大気圧(760mmHg)にし、1時間後にサンプル
約1gを直径6cm約1gのアルミ皿に取り計量する
(計量A)。このアルミ皿を乾燥機(TABAI,ES
PEC,CORP.MODEL,LC−112)に入
れ、130℃、45分間乾燥させた後、アルミ皿を取り
出し、デシケ−タに入れ、30分間放冷したものを計量
する(計量B)。ここで用いるアルミ皿は予めデシケ−
タ内に30分以上経過したものを計量する(計量C)。
なお、計量はカ−ルツァイス株式会社製ザルトリウスA
200S型を用い、小数点以下4桁までのグラム数を読
み取る。固形分は下記の式にて求める。
【0015】 固形分=乾燥後のサンプル重量/乾燥前のサンプル重量 =(計量B−計量C)/(計量A−計量C) 有機溶媒等の添加時期として好ましいのは重合開始時で
ある。重合開始時とは、単量体の合計100重量部の
時、単量体の消費速度が1時間当たり0.5重量部以下
の条件のことである。
【0016】本発明に用いる特定の有機溶媒は、本発明
の目的とする機能を発現させるために水、及び脂肪族共
役ジエン両者にある一定以上溶解可能である必要がある
ことからその溶解度パラメータが7〜15であることが
肝要であり、より少量の特定の有機溶媒の添加で本発明
の目的とする機能を発現させるためには水及び脂肪族共
役ジエン両者への溶解度の差が小さいことが有効である
ことから、特に9〜14であることが好ましい。ここ
で、溶解度パラメータは、以下の式にて求める値をい
う。
【0017】
【数2】
【0018】尚、溶媒の沸点はJIS,K0066の化
学製品の蒸留試験方法において、RIGOSHA,C
O.LTD製の蒸留装置、DISTILATION,A
PPARATUS型式150−01Eを用い試験を行
い、溶媒の留出量25重量%時点の蒸留温度(℃)を絶
対温度(K)に換算したものを上式に当てはめる。この
ような有機溶媒としては、下記一般式(1)〜(4)で
示されるものが好ましい。
【0019】
【化1】
【0020】このような有機溶媒としては、具体的には
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
アセトアミド、ジメチルホルムアミドが挙げられ、有機
溶媒添加後のラテックスの分散安定性を損ないにくい点
からアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリ
ルが好ましい。これらの有機溶媒は単独若しくは2種以
上組み合わせて使用される。
【0021】有機溶媒の使用量は、単量体の合計100
重量部あたり0.5〜20重量部であることが肝要であ
り、好ましくは1〜5重量部である。同化合物の使用量
が0.5重量部未満では、本発明の効果は十分でなく、
20重量部を超えるとラテックスが不安定化し、重合残
渣が増加する傾向を示す。重合開始時に用いる乳化剤と
しては、不均化ロジン酸、或いはオレイン酸、ステアリ
ン酸などの高級脂肪酸のアルカリ金属塩、ドデシルベン
ゼンスルホン酸といったスルホン酸のアルカリ金属塩、
アルケニルコハク酸といった二塩基酸のアルカリ金属塩
を単独又は組み合わせて用いることができる。これらの
うちABS樹脂に残留したときのABS樹脂の熱安定性
に悪影響を与えにくい点から不均化ロジン酸及び不飽和
結合を持たないステアリン酸などの高級脂肪酸のアルカ
リ金属塩が好ましい。
【0022】重合開始時に用いる乳化剤量は、単量体の
合計100重量部あたり0.1〜1.5重量部であるこ
とが肝要である。乳化剤量が0.1重量部未満の場合で
も、本発明の効果は発現するが、重合残渣が発生し易く
なる。1.5重量部を越えると重合系の粘度上昇が顕著
となり、重合熱の除去等で困難を生じる。なお、最終的
に得られるゴムラテックス粒子径は、重合開始時に使用
する乳化剤量(本発明では単量体の合計100重量部に
対し、0.1〜1.5重量部)によって決まるため、目
標とする粒子径に応じ乳化剤量を決定し、この乳化剤量
に対し、重合残渣の発生がなく、かつ最も重合加速効果
が発現するように特定の有機溶媒量を設定することが好
ましい。したがって、重合に使用する全乳化剤量には特
に制限は無い。また、ゴムラテックスの安定性を確保す
るために、乳化剤は重合途中に一括、分割、或いは連続
的に添加することは任意である。
【0023】本発明において用いられる脂肪族共役ジエ
ンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレンなどが挙げられるが、ABS樹脂原料としては
1,3−ブタジエンが好適である。脂肪族共役ジエンと
他のビニル単量体を共重合させることも可能で、その他
のビニル単量体としてスチレン、αメチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチ
ルメタアクリレート、エチルメタアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル化合物を用いることができる。
また、メルカプタン類、テレペン類といった分子量調整
剤の使用も任意である。全単量体に占める脂肪族共役ジ
エン単量体の割合はABS樹脂用として好適なゴム弾性
を有する重合物を得るため及び本発明における溶媒によ
る効果が好適に現れる点から85重量%以上であること
が肝要であり、好ましくは90重量%以上である。更
に、99.5重量%以上である領域において、特にこの
特定の有機溶媒の添加効果が大きい。
【0024】本発明において重合に用いる単量体は、重
合反応開始時に一括して投入しても、重合過程で分割、
或いは連続的に投入しても良い。重合開始時点に投入す
る単量体と、分割或いは連続的に追添加する単量体の組
成は、得ようとするゴムラテックスの性質に応じ、任意
に設定することができる。本発明において用いられる重
合開始剤としては、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウムといった水溶性過硫酸塩、
クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物を一成
分とするレドックス系開始剤等を用いることができる。
重合開始剤は、単量体の合計100重量部に対し0.0
5〜0.4重量部程度が好ましい使用量である。過硫酸
塩に開始剤として使用する場合、生成する硫酸イオンを
中和する程度のpH調整剤を使用することが望まれる
が、大量の酸、アルカリや無機電解質を加える必要はな
い。
【0025】ゴムラテックスの分散媒体としての水の使
用量は、単量体の合計100重量部に対し50〜200
重量部が好ましく、さらに好ましくは60〜120重量
部が好適である。極端に使用水量を下げるとゴムラテッ
クス粘度が上昇し好ましくなく、また多量の水の使用は
経済的に不利である。水は、重合反応開始時点に全量一
括して投入しても、重合過程で分割、或いは連続的に投
入しても良い。実際には、重合進行に伴うゴムラテック
ス粘度上昇を緩和し、かつ重合残渣を軽減すべく、乳化
剤とともに重合途中で連続的に追添加する方法が好まし
いが、特に制約すべき要素ではない。
【0026】重合温度は、通常のゴムラテックス製造に
用いられる領域、すなわち50〜80℃で実施すること
が可能である。重合温度は、重合期間を通じ一定である
必要はなく、高速度で反応の進む重合の前半を低温で実
施し、重合速度の低下する重合後半を高温で実施するな
ど、適宜設定すれば良い。また重合は必ずしも完結させ
る必要はなく、求められる架橋度に対応した任意の重合
率で重合を終了し、残余の単量体を回収するなど、当業
者公知の方法で行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。な
お、実施例及び比較例中の粒子径の測定は、日立電子顕
微鏡H600ABを用い8000倍に拡大したネガを2
5000倍に拡大焼き付けた写真の粒子1個1個の粒子
径を測定し、5000個以上の粒子径測定値について重
量平均粒子径に換算した値を用いる。なお、電子顕微鏡
の倍率検定にはダウケミカル社製の単分散ラテックス粒
子1090Å、2160Å、2620Åの3種を使用し
た。ここで言う単分散とは(数平均粒子径/重量平均粒
子径)の値が1.1以下のものである。
【0028】また、実施例及び比較例中の部数は、重量
部を表わす。
【0029】
【実施例1】重合を開始する時点において、以下の組成
の物質(固形分基準)を、内部を真空に脱気した50リ
ットルオートクレーブに投入し、65℃にて反応させ
た。 1,3−ブタジエン 100.0 部 ブタノール(溶解度パラメ−タ:10.9) 3.0 部 t−ドデシルメルカプタン 0.2 部 不均化ロジン酸カリウム塩 0.6 部 牛脂ケン化石けん 0.3 部 (日本油脂(株)製、商標ノンサールTN−1) 過硫酸ナトリウム 0.25部 カセイソーダ 0.1 部 重炭酸ソーダ 0.35部 脱イオン水 60.0 部 65℃到達後10時間目から20時間目の間に、以下の
組成の物質をオートクレーブに連続添加しながら重合を
継続した。
【0030】 不均化ロジン酸カリウム塩 0.3 部 牛脂ケン化石けん 0.1 部 過硫酸ナトリウム 0.1 部 カセイソーダ 0.05部 重炭酸ソーダ 0.15部 脱イオン水 45.0 部 連続添加終了後、重合系を80℃に昇温し、65℃到達
時から30時間目に冷却し重合を終了した。重合率は8
5重量%、電子顕微鏡写真により求めたゴムラテックス
の重量平均粒子径は0.32ミクロンであった。得られ
たラテックスはきれいな球形を有し、かつ微小粒子や巨
大粒子を含まないものであった。
【0031】
【実施例2】実施例1の重合条件のうち、ブタノール
3.0部をアセトニトリル(溶解度パラメメ−タ:1
3.5)3.0部に置き換えて重合を行った。65℃到
達時から30時間目重合率は87重量%、電子顕微鏡写
真より求めたゴムラテックス重量平均粒子径は0.35
ミクロンであった。得られたラテックスはきれいな球形
を有し、かつ微小粒子や巨大粒子を含まないものであっ
た。
【0032】
【実施例3】実施例1の重合条件のうち、ブタノール
3.0部をジメチルホルムアミド(溶解度パラメ−タ:
11.7)3.0部に置き換え重合を行った。65℃到
達時から30時間目重合率は84重量%、電子顕微鏡写
真より求めたゴムラテックスの重量平均粒子径は0.3
1ミクロンであった。得られたラテックスはきれいな球
形を有し、かつ微小粒子や巨大粒子を含まないものであ
った。
【0033】
【実施例4】実施例1の重合条件のうち、ブタノール
3.0部をアセトニトリル1.0部に置き換え重合を行
った。65℃到達時から30時間目重合率は80重量
%、電子顕微鏡写真により求めたゴムラテックス重量平
均粒子径は0.33ミクロンであった。得られたラテッ
クスはきれいな球形を有し、かつ微小粒子や巨大粒子を
含まないものであった。
【0034】
【実施例5】実施例1の重合条件のうち、重合開始時の
不均化ロジン酸カリウム塩を0.4部、牛脂ケン化石け
んを0.2部に置き換え重合を行った。65℃到達時か
ら30時間目重合率は82重量%、電子顕微鏡写真より
求めたゴムラテックスの重量平均粒子径は0.37ミク
ロンであった。得られたラテックスはきれいな球形を有
し、かつ微小粒子や巨大粒子を含まないものであった。
【0035】
【実施例6】実施例1と同様の重合を、スチレン3.0
部を加え1,3−ブタジエン97.0部に置き換えて実
施した。65℃到達時から30時間目重合率は88重量
%、電子顕微鏡写真により求めたゴムラテックス重量平
均粒子径は0.29ミクロンであった。得られたラテッ
クスはきれいな球形を有し、かつ微小粒子や巨大粒子を
含まないものであった。
【0036】
【比較例1】実施例1と同様の重合を、ブタノールを使
用せずに実施した。65℃到達時から30時間目重合率
30重量%、電子顕微鏡写真により求めたゴムラテック
スの重量平均粒子径は0.33ミクロンであった。
【0037】
【比較例2】実施例1と同様の重合を、重合開始時の不
均化ロジン酸カリウム塩を1.4部、牛脂ケン化石けん
を0.7部に置き換えて実施したところ、65℃到達後
3時間目にて重合系粘度が著しく増加し、反応温度は制
御できなかった。
【0038】
【比較例3】まず、実施例1の重合条件のうち、1,3
ブタジエンを80.0部に置き換え、スチレン20部を
加え、ブタノ−ルを使用せずに重合を行った。65℃到
達時から30時間目に冷却し、重合を終了した。重合率
は88重量%、電子顕微鏡写真で求めたゴムラテックス
の重量平均粒子径は0.28ミクロンであった。次い
で、同様の重合をブタノ−ルを使用して行ったが、得ら
れた結果はブタノ−ルを使用しない上記結果と同様であ
った。
【0039】
【発明の効果】本発明の技術に基けば、0.25〜0.
8ミクロンといった粒子径の大きなABS樹脂原料に好
適な球形粒子よりなるゴムラテックス製造を短時間のう
ちに実施できるばかりでなく、0.05〜0.2ミクロ
ンといった小粒子の共重合体ゴムラテックスの製造にお
いても重合反応の円滑な開始が可能であり、特にゴムラ
テックスの粒子径を限定することなく利用が可能であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン単量体100重量部、
    又は脂肪族共役ジエン単量体およびこれと共重合可能な
    ビニル単量体を含む単量体であって、全単量体に占める
    脂肪族共役ジエン単量体の割合が85重量%以上である
    単量体100重量部を乳化重合してゴムラテックスを製
    造する方法において、重合率が20重量%以下の時点
    で、 (1)溶解度パラメータが7〜15である非重合性有機
    溶媒0.5〜20重量部、 (2)乳化剤0.1〜1.5重量部を添加することを特
    徴とするゴムラテックスの製造方法。
JP16373694A 1994-07-15 1994-07-15 ゴムラテックスの製造方法 Withdrawn JPH0827227A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7177582B2 (en) 2004-03-24 2007-02-13 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming apparatus using electrophotography and process cartridge
KR20150037646A (ko) * 2013-09-30 2015-04-08 주식회사 엘지화학 디엔계 고무질 중합체 및 제조방법, 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

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