JPH08268822A - 抗菌剤及びその製造方法 - Google Patents
抗菌剤及びその製造方法Info
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- JPH08268822A JPH08268822A JP10048895A JP10048895A JPH08268822A JP H08268822 A JPH08268822 A JP H08268822A JP 10048895 A JP10048895 A JP 10048895A JP 10048895 A JP10048895 A JP 10048895A JP H08268822 A JPH08268822 A JP H08268822A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 銀イオン交換型ゼオライトからなる抗菌剤
が、銀イオン以外の金属イオンを含有する液体に接触し
ても所期の抗菌活性を得られるようにし、しかも、抗菌
剤をバインダー樹脂に均一に練り込んだものから抗菌性
樹脂塗膜を形成した場合でも、所期の抗菌活性を得られ
るようにする。 【構成】 銀イオン交換型ゼオライトを含有する抗菌剤
において、ゼオライトの骨格中の空孔Ａに銀塩３を保持
させる。このゼオライトは、銀イオンと交換可能な陽イ
オン交換型ゼオライト又は銀イオン交換型ゼオライトを
銀塩の溶融塩に浸漬させることにより製造される。
が、銀イオン以外の金属イオンを含有する液体に接触し
ても所期の抗菌活性を得られるようにし、しかも、抗菌
剤をバインダー樹脂に均一に練り込んだものから抗菌性
樹脂塗膜を形成した場合でも、所期の抗菌活性を得られ
るようにする。 【構成】 銀イオン交換型ゼオライトを含有する抗菌剤
において、ゼオライトの骨格中の空孔Ａに銀塩３を保持
させる。このゼオライトは、銀イオンと交換可能な陽イ
オン交換型ゼオライト又は銀イオン交換型ゼオライトを
銀塩の溶融塩に浸漬させることにより製造される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、黄色ブドウ球菌、大腸
菌等に対して抗菌活性を有する銀イオン交換型ゼオライ
トを含有する抗菌剤に関する。
菌等に対して抗菌活性を有する銀イオン交換型ゼオライ
トを含有する抗菌剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、抗菌活性を有する無機材料と
して、その構造中に銀イオンを含む複合酸化物が知られ
ている。このような抗菌性複合化合物の代表例として
は、銀イオン交換型ゼオライト（アルミノケイ酸塩）、
リン酸チタン銀、リン酸ジルコニウム銀等が知られてい
るが、中でも、加工性や耐熱性等の点から銀イオン交換
型ゼオライトが広く使用されるようになっている。この
銀イオン交換型ゼオライトは、図２に模式的に示すよう
に、アルミナケイ酸塩（符号２は酸素原子を表す）から
なる骨格中に銀イオン１が存在し、また空孔Ａを有する
構造となっている。
して、その構造中に銀イオンを含む複合酸化物が知られ
ている。このような抗菌性複合化合物の代表例として
は、銀イオン交換型ゼオライト（アルミノケイ酸塩）、
リン酸チタン銀、リン酸ジルコニウム銀等が知られてい
るが、中でも、加工性や耐熱性等の点から銀イオン交換
型ゼオライトが広く使用されるようになっている。この
銀イオン交換型ゼオライトは、図２に模式的に示すよう
に、アルミナケイ酸塩（符号２は酸素原子を表す）から
なる骨格中に銀イオン１が存在し、また空孔Ａを有する
構造となっている。
【０００３】ところで、銀イオン交換型ゼオライトなど
の抗菌剤を使用して、プラスチック成型品などの各種製
品に抗菌性を付与する場合、抗菌剤をバインダー樹脂に
均一に練り込んだ抗菌性樹脂組成物を各種製品の表面に
塗工することにより抗菌性樹脂塗膜を形成したり、抗菌
剤を溶剤に分散させた液を各種製品の表面に塗布して抗
菌剤コート層を形成したりすることが一般的に行われて
いる。
の抗菌剤を使用して、プラスチック成型品などの各種製
品に抗菌性を付与する場合、抗菌剤をバインダー樹脂に
均一に練り込んだ抗菌性樹脂組成物を各種製品の表面に
塗工することにより抗菌性樹脂塗膜を形成したり、抗菌
剤を溶剤に分散させた液を各種製品の表面に塗布して抗
菌剤コート層を形成したりすることが一般的に行われて
いる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように形成された抗菌性樹脂塗膜及び抗菌剤コート層
は、銀イオン以外のナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、鉄イオンなどの金属イオンを含有する液体、例えば
人汗やジュース類などに接触すると、抗菌作用に主とし
て関与する銀イオンが他の金属イオンにイオン交換され
てしまい、そのため所期の抗菌活性が得られなくなると
いう問題があった。
ように形成された抗菌性樹脂塗膜及び抗菌剤コート層
は、銀イオン以外のナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、鉄イオンなどの金属イオンを含有する液体、例えば
人汗やジュース類などに接触すると、抗菌作用に主とし
て関与する銀イオンが他の金属イオンにイオン交換され
てしまい、そのため所期の抗菌活性が得られなくなると
いう問題があった。
【０００５】更に、抗菌性樹脂塗膜の場合には、塗膜の
厚み方向にも抗菌剤が均一に分散しているために、表面
に存在して抗菌作用に関与する抗菌剤が、分散している
すべての抗菌剤の一部にすぎず、従って、使用した抗菌
剤の量から期待される抗菌活性の度合いよりも実際に得
られる抗菌活性の度合いが小さく、所期の抗菌活性が得
られないという問題があった。
厚み方向にも抗菌剤が均一に分散しているために、表面
に存在して抗菌作用に関与する抗菌剤が、分散している
すべての抗菌剤の一部にすぎず、従って、使用した抗菌
剤の量から期待される抗菌活性の度合いよりも実際に得
られる抗菌活性の度合いが小さく、所期の抗菌活性が得
られないという問題があった。
【０００６】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、銀イオン交換型ゼオライ
トを含有する抗菌剤が、銀イオン以外の金属イオンを含
有する液体に接触しても所期の抗菌活性を得られるよう
にし、しかも、抗菌剤をバインダー樹脂に均一に練り込
んだものから抗菌性樹脂塗膜を形成した場合でも、所期
の抗菌活性を得られるようにすることを目的とする。
解決しようとするものであり、銀イオン交換型ゼオライ
トを含有する抗菌剤が、銀イオン以外の金属イオンを含
有する液体に接触しても所期の抗菌活性を得られるよう
にし、しかも、抗菌剤をバインダー樹脂に均一に練り込
んだものから抗菌性樹脂塗膜を形成した場合でも、所期
の抗菌活性を得られるようにすることを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者は、銀イオン交
換型ゼオライトの骨格中の空孔に、抗菌活性を示す銀イ
オンを供給できる銀塩を保持させることにより上述の目
的が達成できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
換型ゼオライトの骨格中の空孔に、抗菌活性を示す銀イ
オンを供給できる銀塩を保持させることにより上述の目
的が達成できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【０００８】即ち、本発明は、銀イオン交換型ゼオライ
トを含有する抗菌剤において、ゼオライトの骨格中の空
孔に銀塩が保持されていることを特徴とする抗菌剤を提
供する。
トを含有する抗菌剤において、ゼオライトの骨格中の空
孔に銀塩が保持されていることを特徴とする抗菌剤を提
供する。
【０００９】また、本発明は、上述の抗菌剤の製造方法
であって、銀イオンと交換可能な陽イオン交換型ゼオラ
イトを銀塩の溶融液に浸漬し、それによりゼオライトの
交換可能な陽イオンを銀イオンに交換し、且つゼオライ
トの骨格中の空孔に銀塩を保持させることを特徴とする
抗菌剤の製造方法、又は銀イオン交換型ゼオライトを銀
塩の溶融液に浸漬し、それによりゼオライトの骨格中の
空孔に銀塩を保持させることを特徴とする抗菌剤の製造
方法を提供する。
であって、銀イオンと交換可能な陽イオン交換型ゼオラ
イトを銀塩の溶融液に浸漬し、それによりゼオライトの
交換可能な陽イオンを銀イオンに交換し、且つゼオライ
トの骨格中の空孔に銀塩を保持させることを特徴とする
抗菌剤の製造方法、又は銀イオン交換型ゼオライトを銀
塩の溶融液に浸漬し、それによりゼオライトの骨格中の
空孔に銀塩を保持させることを特徴とする抗菌剤の製造
方法を提供する。
【００１０】以下、本発明を詳細に説明する。
【００１１】本発明の抗菌剤は、図１に模式的に示すよ
うに、陽イオン交換型のゼオライト（符号２は酸素原子
を表す）の陽イオン交換サイトに銀イオン１と、場合に
よりアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなど
の交換可能な陽イオン４とが存在し、更に、ゼオライト
の骨格中の空孔Ａに銀塩３が保持されている構造を有す
る。このように、ゼオライトの骨格中の空孔Ａに銀塩３
を保持することにより、イオン交換可能な銀イオン１に
加えて空孔に保持されている銀塩３が抗菌活性に寄与す
るため、ゼオライトの実質的な銀イオン濃度を高めるこ
とができる。よって、本発明の抗菌剤は、銀イオン以外
の金属イオンを含有する液体に接触しても所期の抗菌活
性が得られるようになる。また、本発明の抗菌剤をバイ
ンダー樹脂に均一に練り込んだものから抗菌性樹脂塗膜
を形成した場合でも、所期の抗菌活性を得られるように
なる。
うに、陽イオン交換型のゼオライト（符号２は酸素原子
を表す）の陽イオン交換サイトに銀イオン１と、場合に
よりアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなど
の交換可能な陽イオン４とが存在し、更に、ゼオライト
の骨格中の空孔Ａに銀塩３が保持されている構造を有す
る。このように、ゼオライトの骨格中の空孔Ａに銀塩３
を保持することにより、イオン交換可能な銀イオン１に
加えて空孔に保持されている銀塩３が抗菌活性に寄与す
るため、ゼオライトの実質的な銀イオン濃度を高めるこ
とができる。よって、本発明の抗菌剤は、銀イオン以外
の金属イオンを含有する液体に接触しても所期の抗菌活
性が得られるようになる。また、本発明の抗菌剤をバイ
ンダー樹脂に均一に練り込んだものから抗菌性樹脂塗膜
を形成した場合でも、所期の抗菌活性を得られるように
なる。
【００１２】本発明において使用するゼオライトとして
は銀イオンを交換することができ、しかも骨格中の空孔
に銀塩を保持できる種々のゼオライトを使用することが
できる。例えば、モレキュラーシーブス４Ａ、同１３
Ｘ、同１３Ｙなどを挙げることができる。
は銀イオンを交換することができ、しかも骨格中の空孔
に銀塩を保持できる種々のゼオライトを使用することが
できる。例えば、モレキュラーシーブス４Ａ、同１３
Ｘ、同１３Ｙなどを挙げることができる。
【００１３】本発明の抗菌剤において使用する銀塩とし
ては、比較的陰イオン半径が小さく、毒性の低いものを
使用することができ、中でも、塩化銀又は硝酸銀を使用
することが好ましい。
ては、比較的陰イオン半径が小さく、毒性の低いものを
使用することができ、中でも、塩化銀又は硝酸銀を使用
することが好ましい。
【００１４】本発明の抗菌剤において、銀イオン交換型
ゼオライトの骨格中の空孔に保持させる銀塩の量に関し
ては、使用するゼオライトの種類や銀塩の種類などによ
り異なり一義的には決定することはできないが、保持さ
れる銀塩の量が増加するにつれて抗菌活性が高まる傾向
にある。
ゼオライトの骨格中の空孔に保持させる銀塩の量に関し
ては、使用するゼオライトの種類や銀塩の種類などによ
り異なり一義的には決定することはできないが、保持さ
れる銀塩の量が増加するにつれて抗菌活性が高まる傾向
にある。
【００１５】次に本発明の抗菌剤の製造方法を説明す
る。
る。
【００１６】本発明の抗菌剤は、銀イオン以外の交換可
能な陽イオン、例えばナトリウムイオンなどを有する陽
イオン交換性ゼオライトを、塩化銀や硝酸銀などの溶融
塩に通常２〜１０時間程度浸漬し、その後、溶融塩から
ゼオライトを引上げ、室温まで冷却し、必要に応じて２
００メッシュ以下に粉砕することにより製造することが
できる。この場合、ゼオライトを溶融銀塩に浸漬するこ
とにより、ゼオライトの交換性陽イオンは銀イオンに交
換され、しかもゼオライトの骨格中の空孔には銀塩が保
持されることとなる。
能な陽イオン、例えばナトリウムイオンなどを有する陽
イオン交換性ゼオライトを、塩化銀や硝酸銀などの溶融
塩に通常２〜１０時間程度浸漬し、その後、溶融塩から
ゼオライトを引上げ、室温まで冷却し、必要に応じて２
００メッシュ以下に粉砕することにより製造することが
できる。この場合、ゼオライトを溶融銀塩に浸漬するこ
とにより、ゼオライトの交換性陽イオンは銀イオンに交
換され、しかもゼオライトの骨格中の空孔には銀塩が保
持されることとなる。
【００１７】また、本発明の抗菌剤を製造する際に、既
に交換性陽イオンが銀イオンに交換された銀イオン交換
型ゼオライトを原料として用いてもよく、その場合に
は、銀イオン交換型ゼオライトを銀塩の溶融塩に浸漬
し、そして取り出した後に必要に応じて２００メッシュ
以下に粉砕することにより製造することができる。
に交換性陽イオンが銀イオンに交換された銀イオン交換
型ゼオライトを原料として用いてもよく、その場合に
は、銀イオン交換型ゼオライトを銀塩の溶融塩に浸漬
し、そして取り出した後に必要に応じて２００メッシュ
以下に粉砕することにより製造することができる。
【００１８】以上の本発明の抗菌剤の製造方法によれ
ば、銀イオン交換型ゼオライトを溶融銀塩に浸漬すると
いう簡便な操作で抗菌活性の良好な抗菌剤を製造するこ
とができる。
ば、銀イオン交換型ゼオライトを溶融銀塩に浸漬すると
いう簡便な操作で抗菌活性の良好な抗菌剤を製造するこ
とができる。
【００１９】
【作用】本発明の抗菌剤においては、銀イオン交換型ゼ
オライトの骨格中の空孔に銀塩が保持されている。従っ
て、イオン交換性の銀イオンに加えて空孔内の銀塩が抗
菌活性に寄与し、ゼオライトの実質的な銀イオン濃度を
高めることが可能となる。よって、本発明の抗菌剤は、
銀イオン以外の金属イオンを含有する液体に接触しても
所期の抗菌活性が得られるようになる。また、本発明の
抗菌剤をバインダー樹脂に均一に練り込んだものから抗
菌性樹脂塗膜を形成した場合でも、所期の抗菌活性が得
られるようになる。
オライトの骨格中の空孔に銀塩が保持されている。従っ
て、イオン交換性の銀イオンに加えて空孔内の銀塩が抗
菌活性に寄与し、ゼオライトの実質的な銀イオン濃度を
高めることが可能となる。よって、本発明の抗菌剤は、
銀イオン以外の金属イオンを含有する液体に接触しても
所期の抗菌活性が得られるようになる。また、本発明の
抗菌剤をバインダー樹脂に均一に練り込んだものから抗
菌性樹脂塗膜を形成した場合でも、所期の抗菌活性が得
られるようになる。
【００２０】
【実施例】以下に本発明を実施例に従って具体的に説明
する。
する。
【００２１】実施例１ 樹脂バインダー２０重量部と、銀イオンに対するイオン
交換容量が４．４ｍｅｑ／ｇである粒径１〜２ｍｍの含
水ナトリウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラーシ
ーブス４Ａ、東ソー社製）８０重量部とを均一に混合し
た。
交換容量が４．４ｍｅｑ／ｇである粒径１〜２ｍｍの含
水ナトリウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラーシ
ーブス４Ａ、東ソー社製）８０重量部とを均一に混合し
た。
【００２２】このゼオライト混合物を温度４８０℃の塩
化銀溶融塩中にアルゴン雰囲気下で３時間浸漬し、それ
によりナトリウムイオンを銀イオンにイオン交換し、更
にゼオライトの骨格中の空孔内に塩化銀を取り込ませ
た。これらを溶融塩中より取り出した後、２００ｍｅｓ
ｈ以下に粉砕することにより抗菌剤を得た。
化銀溶融塩中にアルゴン雰囲気下で３時間浸漬し、それ
によりナトリウムイオンを銀イオンにイオン交換し、更
にゼオライトの骨格中の空孔内に塩化銀を取り込ませ
た。これらを溶融塩中より取り出した後、２００ｍｅｓ
ｈ以下に粉砕することにより抗菌剤を得た。
【００２３】実施例２ 塩化銀溶融塩に代えて温度２５０℃の硝酸銀溶融塩に、
大気圧中でゼオライト混合物を浸漬する以外は、実施例
１と同様にして抗菌剤を得た。
大気圧中でゼオライト混合物を浸漬する以外は、実施例
１と同様にして抗菌剤を得た。
【００２４】実施例３ 含水ナトリウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラー
シーブス４Ａ、東ソー社製）に代えて、銀イオンに対す
るイオン交換容量が３．８ｍｅｑ／ｇである含水ナトリ
ウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラーシーブス１
３Ｘ、東ソー社製）を使用する以外は実施例１と同様に
して抗菌剤を得た。
シーブス４Ａ、東ソー社製）に代えて、銀イオンに対す
るイオン交換容量が３．８ｍｅｑ／ｇである含水ナトリ
ウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラーシーブス１
３Ｘ、東ソー社製）を使用する以外は実施例１と同様に
して抗菌剤を得た。
【００２５】実施例４ 塩化銀溶融塩に代えて温度２５０℃の硝酸銀溶融塩に、
大気圧中でゼオライト混合物を浸漬する以外は、実施例
３と同様にして抗菌剤を得た。
大気圧中でゼオライト混合物を浸漬する以外は、実施例
３と同様にして抗菌剤を得た。
【００２６】比較例１ 銀イオンに対するイオン交換容量が４．４ｍｅｑ／ｇで
ある粒径１〜２ｍｍの含水ナトリウムイオン交換型ゼオ
ライト（モレキュラーシーブス４Ａ、東ソー社製）をガ
ラスカラムに充填し、そのカラムに１規定の硝酸銀水溶
液を通液することによりナトリウムイオンを銀イオンに
飽和するまで交換した。その後１１０℃で乾燥すること
により比較のための抗菌剤を得た。
ある粒径１〜２ｍｍの含水ナトリウムイオン交換型ゼオ
ライト（モレキュラーシーブス４Ａ、東ソー社製）をガ
ラスカラムに充填し、そのカラムに１規定の硝酸銀水溶
液を通液することによりナトリウムイオンを銀イオンに
飽和するまで交換した。その後１１０℃で乾燥すること
により比較のための抗菌剤を得た。
【００２７】比較例２ 含水ナトリウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラー
シーブス４Ａ、東ソー社製）に代えて、銀イオンに対す
るイオン交換容量が３．８ｍｅｑ／ｇである含水ナトリ
ウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラーシーブス１
３Ｘ、東ソー社製）を使用する以外は比較例１と同様に
して比較のための抗菌剤を得た。
シーブス４Ａ、東ソー社製）に代えて、銀イオンに対す
るイオン交換容量が３．８ｍｅｑ／ｇである含水ナトリ
ウムイオン交換型ゼオライト（モレキュラーシーブス１
３Ｘ、東ソー社製）を使用する以外は比較例１と同様に
して比較のための抗菌剤を得た。
【００２８】（評価）実施例及び比較例の抗菌剤につい
て、取り込まれた塩と交換された銀イオンとの合計量
（銀イオン交換量）を通常の化学分析法により調べた。
その結果を表１に示す。また、それらの抗菌活性につい
て、以下に示すように試験し評価した。その結果を表１
に示す。
て、取り込まれた塩と交換された銀イオンとの合計量
（銀イオン交換量）を通常の化学分析法により調べた。
その結果を表１に示す。また、それらの抗菌活性につい
て、以下に示すように試験し評価した。その結果を表１
に示す。
【００２９】抗菌活性試験 抗菌剤をポリエチレンに１２０℃で５重量％の割合で均
一に練り込み、１ｍｍ厚さのシート状に成形することに
より練り込み型の抗菌性ＰＥシートを作製した。また、
抗菌剤をエタノールに５重量％の濃度で均一に分散さ
せ、その分散液をポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）シート（Ｓ２５、帝人社製）に塗布し乾燥すること
により抗菌剤コート層を有する塗布型の抗菌性ＰＥＴシ
ートを作製した。
一に練り込み、１ｍｍ厚さのシート状に成形することに
より練り込み型の抗菌性ＰＥシートを作製した。また、
抗菌剤をエタノールに５重量％の濃度で均一に分散さ
せ、その分散液をポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）シート（Ｓ２５、帝人社製）に塗布し乾燥すること
により抗菌剤コート層を有する塗布型の抗菌性ＰＥＴシ
ートを作製した。
【００３０】得られた抗菌性ＰＥシート及び抗菌性ＰＥ
Ｔシートのそれぞれの表面に、大腸菌（３．２×１０5
個）又は黄色ブドウ球菌（３．２×１０5個）を植え、
恒温恒湿（２５℃、７０％ＲＨ）環境下に放置し、２４
時間後の菌の存在個数を調べた。その結果を表２に示
す。
Ｔシートのそれぞれの表面に、大腸菌（３．２×１０5
個）又は黄色ブドウ球菌（３．２×１０5個）を植え、
恒温恒湿（２５℃、７０％ＲＨ）環境下に放置し、２４
時間後の菌の存在個数を調べた。その結果を表２に示
す。
【００３１】同様の試験を、人工汗中に１時間浸漬し乾
燥した抗菌性ＰＥシート及び抗菌性ＰＥＴシートについ
ても行った。その結果を表３に示す。
燥した抗菌性ＰＥシート及び抗菌性ＰＥＴシートについ
ても行った。その結果を表３に示す。
【００３２】
【表１】
【００３３】
【表２】 表注： ＰＥ*1； 練り込み型の抗菌性ＰＥシート ＰＥＴ*2； 塗布型の抗菌性ＰＥＴシート
【００３４】
【表３】 表注： ＰＥ*1； 練り込み型の抗菌性ＰＥシート ＰＥＴ*2； 塗布型の抗菌性ＰＥＴシート
【００３５】表１から、実施例の抗菌剤は、出発原料の
ゼオライトの銀イオン交換容量以上の銀イオン交換量を
有していることがわかる。この場合、ゼオライトの種類
（ゼオライト４Ａ及びゼオライト１３Ｘ）によらず、銀
イオン交換量を出発原料のゼオライトの銀イオン交換容
量以上に増加していることがわかる。また、塩化銀と硝
酸銀とでは、ゼオライトに取り込まれる量に実質的に差
がないことがわかる。
ゼオライトの銀イオン交換容量以上の銀イオン交換量を
有していることがわかる。この場合、ゼオライトの種類
（ゼオライト４Ａ及びゼオライト１３Ｘ）によらず、銀
イオン交換量を出発原料のゼオライトの銀イオン交換容
量以上に増加していることがわかる。また、塩化銀と硝
酸銀とでは、ゼオライトに取り込まれる量に実質的に差
がないことがわかる。
【００３６】また、表２からは、実施例の抗菌剤は、練
り込み型あるいは塗布型のいずれの場合にも、比較例の
抗菌剤に比べ優れた抗菌活性を有していることがわか
る。
り込み型あるいは塗布型のいずれの場合にも、比較例の
抗菌剤に比べ優れた抗菌活性を有していることがわか
る。
【００３７】表３からは、実施例の抗菌剤は、人工汗に
接触しても抗菌活性が低下しないことがわかる。一方、
比較例の抗菌剤は、表２と表３との結果から、人工汗に
接触することにより大きく抗菌活性が低下することがわ
かる。
接触しても抗菌活性が低下しないことがわかる。一方、
比較例の抗菌剤は、表２と表３との結果から、人工汗に
接触することにより大きく抗菌活性が低下することがわ
かる。
【００３８】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は、銀イオン以外の金属
イオンを含有する液体に接触しても所期の抗菌活性が得
られる。しかも、バインダー樹脂に均一に練り込んだも
のから抗菌性樹脂塗膜を形成した場合でも、所期の抗菌
活性を得ることができる。また、本発明の抗菌剤は本発
明の製造方法により簡便に製造することができる。
イオンを含有する液体に接触しても所期の抗菌活性が得
られる。しかも、バインダー樹脂に均一に練り込んだも
のから抗菌性樹脂塗膜を形成した場合でも、所期の抗菌
活性を得ることができる。また、本発明の抗菌剤は本発
明の製造方法により簡便に製造することができる。
【図１】本発明の抗菌剤を構成する銀イオン交換型ゼオ
ライトの骨格の模式図である。
ライトの骨格の模式図である。
【図２】従来の銀イオン交換型ゼオライトの骨格の模式
図である。
図である。
【符号の説明】 １ 銀イオン ２ 酸素原子 ３ 銀塩 ４ 交換可能な陽イオン Ａ 空孔
Claims (6)
- 【請求項１】 銀イオン交換型ゼオライトを含有する抗
菌剤において、ゼオライトの骨格中の空孔に銀塩が保持
されていることを特徴とする抗菌剤。 - 【請求項２】 銀塩が塩化銀又は硝酸銀である請求項１
記載の抗菌剤。 - 【請求項３】 請求項１記載の抗菌剤の製造法であっ
て、銀イオンと交換可能な陽イオン交換型ゼオライトを
銀塩の溶融塩に浸漬し、それによりゼオライト中の交換
可能な陽イオンを銀イオンに交換し、且つゼオライトの
骨格中の空孔に銀塩を保持させることを特徴とする抗菌
剤の製造方法。 - 【請求項４】 銀塩が塩化銀又は硝酸銀である請求項３
記載の抗菌剤の製造方法。 - 【請求項５】 請求項１記載の抗菌剤の製造方法であっ
て、銀イオン交換型ゼオライトを銀塩の溶融塩に浸漬
し、それによりゼオライトの骨格中の空孔に銀塩を保持
させることを特徴とする抗菌剤の製造方法。 - 【請求項６】 銀塩が塩化銀又は硝酸銀である請求項５
記載の抗菌剤の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10048895A JPH08268822A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 抗菌剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10048895A JPH08268822A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 抗菌剤及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08268822A true JPH08268822A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=14275324
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10048895A Pending JPH08268822A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 抗菌剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08268822A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1086270C (zh) * | 1998-11-12 | 2002-06-19 | 中国科学院化学研究所 | 一种抗菌组合物及其制备方法 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP10048895A patent/JPH08268822A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1086270C (zh) * | 1998-11-12 | 2002-06-19 | 中国科学院化学研究所 | 一种抗菌组合物及其制备方法 |
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