JPH08267278A - 溶接材料用アルカリガラス - Google Patents

溶接材料用アルカリガラス

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JPH08267278A
JPH08267278A JP7347195A JP7347195A JPH08267278A JP H08267278 A JPH08267278 A JP H08267278A JP 7347195 A JP7347195 A JP 7347195A JP 7347195 A JP7347195 A JP 7347195A JP H08267278 A JPH08267278 A JP H08267278A
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flux
moisture absorption
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fluidity
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JP7347195A
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Kazuhiko Ito
和彦 伊藤
Norio Seike
規生 政家
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接時においてフラックスを均一に供給する
ことができ、低電流域においてもアークを安定的に発生
して、ピット、ブローホール又は低温割れ等の溶接欠陥
を防止することができる耐吸湿性が優れた溶接材料用ア
ルカリガラスを提供する。 【構成】 溶接材料用アルカリガラスは、SiO2:6
0.0乃至84.0重量%、Na2O:5.0乃至1
0.0重量%、K2O:2.0乃至4.0重量%及びB2
3:5.0乃至15.0重量%を含有する。サンプル
4をアルミナるつぼ3に入れ、加熱炉2において加熱
し、サンプル4の膨張及び収縮を5gの荷重を作用させ
た石英棒1により検出した軟化点を基に焼成処理の温度
を決定する。この温度で焼成処理を行い、粒度及び比表
面積を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラックスに混合され、
アーク溶接時に使用される耐吸湿性が優れた溶接材料用
アルカリガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、アーク溶接は、大電流を放電する
ことにより、高温の熱を発生させて行われる。安定して
アークを発生させるためには、電流を大きくする必要が
あり、低電流ではアークが不安定となってしまう。
【0003】そこで、従来、アーク溶接においては、ア
ルカリ金属の電離電圧が低いという特性を利用して、低
電流域においてもアークの安定性を保持するために、ア
ルカリ金属を炭酸塩、弗化物又は複合酸化物等の形で溶
接材料に含有させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アルカリ金属
の化合物は潮解性が極めて大きく、即ち吸湿性が大きい
ため、溶接材料中に含有されると溶接材料中の水分が増
加し、溶接金属においてピット又はブローホール欠陥が
発生したり、低温割れが生じる場合がある。
【0005】また、アルカリ金属の化合物は吸湿により
凝集してしまうため、これをフラックスに混合する場合
には、均一に分散させることが困難である。従って、溶
接材料中において、アルカリ金属の化合物は均一に分散
されず、溶接時におけるアークの安定性を保持すること
は困難である。
【0006】このため、従来、アルカリ金属の化合物自
体を焼成又は溶融処理したり、それをガラス質化等する
ことにより、アルカリ金属の化合物の耐吸湿性の向上を
図っている(特公昭62−25479号、特公平4−1
6275号等)。なお、アルカリ金属の化合物をガラス
質化する場合には、アルカリ金属を溶融した後、粉砕し
て生成する。
【0007】しかしながら、前記公知技術によっても溶
接材料に含有されるアルカリ金属の化合物の耐吸湿性は
十分ではなく、更に一層の耐吸湿性の向上が必要であ
る。特に、アルカリ金属の化合物が混合されたフラック
ス入りワイヤ(以下、「FCW」という)においては、
他の溶接材料に比べて大気に曝されることが多いため吸
湿し易く、溶接欠陥の発生防止にはフラックスの耐吸湿
性の優劣は極めて重要な問題となる。また、前記ワイヤ
の製造時においては、フラックスの原料の一部となるア
ルカリ金属の化合物の吸湿又は表面形状の凹凸が原因と
なり、フラックスの流動性不良が生じる。このため、フ
ラックス充填時においてフラックスが不均一な状態で供
給され、アーク不安定の原因となる。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接時においてフラックスを均一に供給す
ることができ、低電流域においてもアークを安定的に発
生して、ピット、ブローホール又は低温割れ等の溶接欠
陥を防止することができる耐吸湿性が優れた溶接材料用
アルカリガラスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶接材料用
アルカリガラスは、SiO2:60.0乃至84.0重
量%、Na2O:5.0乃至10.0重量%、K2O:
2.0乃至4.0重量%及びB23:5.0乃至15.
0重量%を含有することを特徴とする。
【0010】また、SiO2:63.0乃至80.0重
量%、Na2O:5.0乃至10.0重量%、K2O:
2.0乃至4.0重量%及びB23:5.0乃至15.
0重量%を含有し、更にAl23:1.0乃至5.0重
量%、アルカリ土類金属酸化物:1.0乃至3.0重量
%、ZrO2:1.0乃至3.0重量%及びTiO21.
0乃至5.0重量%からなる群から選択された少なくと
も1種を総量で1.0乃至8.0重量%含有するもので
あってもよい。
【0011】更に、溶接材料用アルカリガラスは、粒度
が48メッシュ以下であって、そのうち200メッシュ
以下のものが90重量%以下であり、その比表面積が
2.5m2/g以下であることが好ましい。
【0012】
【作用】本願発明者等は、アーク溶接におけるフラック
スにアルカリ金属の化合物を混合する場合において、フ
ラックスの耐吸湿性及び流動性の向上を図るべく種々の
実験研究を行った。その結果、所定の成分組成を有する
アルカリ金属の化合物にBを添加すると共に、その化合
物をガラス質化させ、またその単位重量当たりの表面積
(以下、「比表面積」という)を小さくすることによ
り、耐吸湿性及び流動性が優れたフラックスを製造でき
ることを見い出した。
【0013】即ち、ガラス質の化合物は耐吸湿性に優れ
ているため、ガラス質の結晶構造(SiO2骨格)をで
きる限り破壊せずに、その化合物を適切な成分組成とし
てガラス質化することにより、耐吸湿性を向上させるこ
とができる。それにまた、溶接材料にアルカリ金属の化
合物を混入させることにより、アーク溶接時において、
アークを安定的に供給することもできる。
【0014】またこのとき、アルカリ金属の化合物にB
を添加すると、アルカリガラスの製造時において、その
化合物の融点が降下するため、低い温度で焼成処理を施
すことができ、作業時間を短縮することができ、更には
製造コストを低減することができる。なお、高温度によ
る焼成処理はガラス質の基本骨格(以下、「NWF(ネ
ット・ワーク・フォーマー)」という)自体を破壊して
しまうため、アルカリ金属が前記化合物の表面に現れ、
耐吸湿性が劣化してしまう。このような事態を防止する
ためにも焼成処理の温度を低下させることは極めて重要
である。
【0015】更に、ガラス質化した前記化合物を、その
軟化点に近い温度で溶融及び粉砕し、その後焼成するこ
とにより、前記化合物の表面のみが溶融され、その比表
面積を小さくすることができる。このため、前記化合物
に物理的に吸着する水分子を低減することができる。
【0016】上述したように、アルカリ金属の化合物が
フラックスに混入されると、フラックスの流動性に極め
て大きな影響を与える。即ち、アルカリ金属の化合物の
吸湿性及び表面形状に起因してフラックスの流動性を劣
化させてしまう。しかし、吸湿性の問題は上述したアル
カリ金属の化合物のガラス質化、焼成処理及びBの添加
を行うことにより解決することができ、一方表面形状の
問題は、前記化合物の焼成処理及びBの添加を行うこと
により解決することができる。
【0017】つまり、アルカリ金属の化合物をガラス質
化し、また焼成処理を施し、更にBを添加することによ
り、その化合物が混入されたフラックスの流動性を極め
て向上させることができる。なお、本発明に係る溶接材
料用アルカリガラスは耐吸湿性が優れたボロン原料にも
なる。
【0018】次に、本発明に係る溶接材料用アルカリガ
ラスの成分組成、粒度及び比表面積の限定理由並びに焼
成処理の温度範囲について説明する。
【0019】SiO2(二酸化ケイ素):60.0乃至
84.0重量% SiO2は化合物をガラス質化させるための必須の化合
物である。即ち、化合物がガラス質であるためには、化
合物がSiO2からなるNWFを有することが必要であ
り、アルカリ金属の化合物をガラス質化させることによ
り、耐吸湿性が向上する。しかし、SiO2の添加量が
60.0重量%未満ではガラス質化が困難(溶融し凝固
したものがガラス質になりにくい)であり、一方SiO
2を84.0重量%を超えて添加すると溶融温度が高く
なり、焼成処理の温度が高くなり過ぎてしまう。従っ
て、SiO2の含有量は60.0乃至84.0重量%と
する。なお、より好ましいSiO2の含有量は63.0
乃至80.0重量%である。
【0020】Na2O(酸化ナトリウム):5.0乃至
10.0重量% アルカリ金属の化合物であるNa2Oは、アーク溶接時
においてアークの安定化を図るために添加される化合物
である。Na2Oの添加量が5.0重量%未満では、十
分なアークの安定化を図ることができない。一方、従
来、ガラス質化したアルカリ金属の化合物にはNa2
が約17.0重量%含有されていたが、Na2Oの添加
量を減少させ、SiO2を増加させることにより、耐吸
湿性をより一層向上させることができる。そのため、S
iO2の増加と共にNa2Oを10.0重量%まで減少さ
せる必要がある。従って、Na2Oの含有量は5.0乃
至10.0重量%とする。なお、耐吸湿性及びアークの
安定性を考慮すると、Na2Oの含有量は8.0乃至1
0.0重量%であることが好ましい。
【0021】2O(酸化カリウム):2.0乃至4.
0重量% アルカリ金属の化合物であるK2Oも上述したNa2Oと
同様にアークの安定化を図るために添加される化合物で
ある。上述のようにNa2Oを減少させた場合であって
もアークの安定化を保持する必要がある。そこで、従
来、K2Oの添加量は約1.5重量%の添加量であった
が、Na2Oの減少を補完するため、2.0重量%以上
添加する。また、KはNaに比べ電離電圧が低いため、
Naより添加量が少なくてもアークの安定化の効果は大
きいが、KはNaよりイオン半径が大きいため、NWF
を破壊しやすい。そのため、K2Oの添加量が4.0重
量%を超えると、NWFが破壊され耐吸湿性が劣化して
しまう。従って、K2Oの含有量は2.0乃至4.0重
量%とする。なお、Na及びKと同様のアルカリ金属で
あるLiの酸化物もアーク安定性の向上のために約8重
量%まで添加してもよい。その場合、下記に示す理由に
よって、Na2O及びK2Oの一部をLi2Oに置き換え
るとアーク安定性を確保しながら、Na2O及びK2Oの
みを添加する場合より耐吸湿性の劣化を抑制することが
できる。即ち、Liはアルカリ金属であるがNaよりイ
オン半径が小さく、Liの酸化物が添加されてもNWF
を破壊しないと推定される。この破壊の程度はLiの方
がNaより小さいと考えられ、Siのイオン半径とアル
カリ金属のイオン半径の比率がNWF骨格の強度に影響
を及ぼすと考えられるからである。
【0022】23(酸化ホウ素):5.0乃至15.
0重量% Bはガラス質化したアルカリ金属の化合物の融点及び軟
化点を降下させる元素である。従来、前記化合物にはB
23は添加されていなかったが、前記化合物にB23
添加することにより、前記化合物の融点及び軟化点を降
下させることができる。このため、アルカリ金属の化合
物をガラス質化する際に従来よりも低温度の熱処理で可
能となり、製造コストを低減させることができる。ま
た、ガラス質化したアルカリ金属の化合物を粉砕した
後、焼成処理を施す場合において、従来よりも低温度で
よいため焼成コストの低減も図ることができる。しか
し、B23の添加量が5.0重量%未満である場合、融
点等の降下が十分ではなく、一方B23の添加量が1
5.0重量%を超えると、B23がNWFを破壊し、耐
吸湿性が劣化してしまう。従って、B23の含有量は
5.0乃至15.0重量%とする。なお、より一層の軟
化点の降下及び耐吸湿性を考慮すると、B23の含有量
は9.0乃至13.0重量%であることが好ましい。
【0023】Al23(酸化アルミニウム):1.0乃
至5.0重量%、アルカリ土類金属酸化物:1.0乃至
3.0重量%、ZrO2(酸化ジルコニウム):1.0
乃至3.0重量%、TiO2(酸化チタン):1.0乃
至5.0重量%、且つ総量:1.0乃至8.0重量% 本願発明者等は種々の実験研究により、上述したSiO
2、Na2O、K2O及びB23以外の第5の成分として
Al23、アルカリ土類金属の酸化物、ZrO2及びT
iO2からなる群から選択された少なくとも1種をアル
カリ金属の化合物に添加することにより耐吸湿性がより
一層向上することを見い出した。このような結果となる
詳細な理由は不明であるが、前記Al23等の化合物を
アルカリ金属の化合物に添加することにより、そのNW
Fを強固にするためであると考えられる。Al23等の
添加量が夫々1.0重量%未満では、耐吸湿性の顕著な
向上は図れず、Al23、アルカリ土類金属酸化物、Z
rO2、TiO2及び4種類の化合物の総量が夫々5.0
重量%、3.0重量%、3.0重量%、5.0重量%及
び8.0重量%を超えると、ガラス質化したアルカリ金
属の化合物の融点が上昇し、上述したB23の効果が低
減してしまう。また、溶接作業性を劣化させてしまう場
合もある。従って、Al23の含有量は1.0乃至5.
0重量%、アルカリ土類金属の酸化物の含有量は1.0
乃至3.0重量%、ZrO2の含有量は1.0乃至3.
0重量%、TiO2の含有量は1.0乃至5.0重量%
であり、4種類の化合物の総量は1.0乃至8.0重量
%とする。なお、耐吸湿性のより一層の向上を図るた
め、4種類の化合物の総量は5.0乃至7.0重量%で
あることが好ましい。
【0024】粒度:48メッシュ以下であって、そのう
ち200メッシュ以下が90重量%以下 ガラス質化したアルカリ金属の化合物がフラックスに混
入される場合において、その化合物の粒度はフラックス
の流動性、分散性及び耐吸湿性に大きな影響を与える。
即ち、前記化合物の粒度が48メッシュより大きいとフ
ラックスの流動性が悪化し、フラックス入りワイヤ(F
CW)を製造する場合フラックスを均一に分散させるこ
とが困難となる。一方、粒度が200メッシュ以下であ
る前記化合物の量が90重量%を超えると、粒度が細か
くなり過ぎて比表面積が増加するため、フラックスの耐
吸湿性が劣化してしまう。従って、ガラス質化したアル
カリ金属の化合物の粒度は48メッシュ以下であって、
そのうち200メッシュ以下が90重量%以下とする。
【0025】比表面積:2.5m2/g以下 上記粒度と同様、ガラス質化したアルカリ金属の化合物
の比表面積は、フラックスの流動性及び耐吸湿性に大き
な影響を与える。即ち、前記化合物の比表面積が2.5
2/gを超えると、その表面形状の凹凸が多くなり、
フラックスの流動性及び耐吸湿性が劣化してしまう。従
って、ガラス質化したアルカリ金属の化合物の比表面積
を2.5m2/gに制限する。なお、より一層の流動性
及び耐吸湿性を得るために、比表面積を1.0m2/g
以下とすることが好ましい。
【0026】焼成処理の温度範囲:(軟化点−200
℃)乃至軟化点 焼成処理の温度範囲を決定するためには、先ず軟化点を
測定し、このときの温度を上限とする。そして、軟化点
より200℃低い温度を下限とする。これは、軟化点未
満の温度では粒子表面が軟化溶融することによる比表面
積の減少が少なく、一方軟化点を超えると粒子は一粒、
一粒くっ付き合い、元のガラス状の塊となり再度粉砕す
る必要が生じるからである。従って、軟化点以下の温度
で焼成する必要がある。この温度範囲で焼成処理を行う
ことにより、アルカリガラスの粒度を変更せず、粒の凹
凸のみをなくしてその表面を円滑にすることができる。
これは、ガラスに特有の軟化点の存在を利用しているも
のであり、耐吸湿性を考慮すると、できる限り軟化点に
近い温度で焼成処理を行うことが好ましい。
【0027】以上のようなガラス質化したアルカリ金属
の化合物は、フラックスに混入され溶接棒(SMA
W)、フラックス入りワイヤ(FCW)又はサブマージ
溶接(SAW)等の溶接材料に使用される。また、フラ
ックスに混入される前記化合物の量は、0.01乃至1
0.0重量%であればよい。前記化合物の添加量が0.
01重量%未満であると、アーク溶接時におけるアーク
の安定化を図ることができず、一方前記化合物が10.
0重量%を超えて混入されると、B量が溶着金属中にお
いて増加し、高温割れ又は凝固割れが生じやすくなって
しまう。
【0028】従って、本発明に係る溶接材料用アルカリ
ガラスのフラックスへの添加量は0.01乃至10.0
重量%とする。なお、フラックスのより一層の耐吸湿性
及び流動性の向上を図るためには、前記アルカリガラス
は0.5乃至5.0重量%であることが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について、本発明の特
許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0030】先ず、アルカリガラスが所定の成分組成と
なるように、各化合物を秤量した後、配合及び混合し
て、電気炉又はアーク炉等において溶解した。その後、
凝固、粉砕した後、篩い分けしたものを供試材とした。
各供試材の成分組成は下記表1に示すとおりである。な
お、単位はすべて重量%である。
【0031】
【表1】 上記*はAl2O3+TiO2の値である 上記*はZrO2+Al2O3の値である
【0032】次に、各供試材に対して次のように焼成処
理を施した。先ず、加熱炉に各供試材を入れて加熱し、
焼成温度に達した後、その温度で1時間放置しその後空
冷を行った。このときの加熱保持時間又は冷却条件につ
いては、加熱炉自体の状態と一度に焼成する量とを考慮
して行った。なお、冷却時の冷却速度は速い方が好まし
い。
【0033】また、焼成温度は次のように軟化点を測定
し、その軟化点の温度を焼成温度とした。図1は軟化点
測定のための熱機械分析機を示す模式図である。先ず、
各供試材から一定量をサンプル4として取り出し、それ
をアルミナるつぼ3に入れ、サンプル4の入ったアルミ
ナるつぼ3を加熱炉2において加熱する。その加熱によ
るサンプル4の膨張及び収縮を5gの荷重を作用させた
石英棒1により検出することにより、各供試材の軟化点
を測定した。
【0034】図2は横軸に加熱温度をとり、縦軸にサン
プル4の膨張及び収縮量をとって、熱機械分析機におけ
る加熱温度と試料サンプルの膨張及び収縮との関係を示
すグラフ図である。各供試材の軟化点は図2に示すよう
に膨張及び収縮が急変する温度付近の上下の直線部分を
外挿してその温度を軟化点とし、その温度を焼成温度と
した。
【0035】また、各供試材の比表面積の測定はB.
E.T一点法により行い、このときの供試材の粒度は全
て48メッシュ以下であって、200メッシュ以下を2
0〜80重量%となるように調整した。
【0036】以上のように製作した各供試材を以下のよ
うな方法により、耐吸湿性、アークの安定性、フラック
スの流動性及び製造コストについて評価をおこなった。
以下、その評価基準について説明する。
【0037】耐吸湿性の評価 各供試材から一定量をサンプルとして取り出し、底面の
直径が35mm、高さが30mmの円筒形をした秤量瓶
にその底部から高さが4.5〜5.5mmとなるように
前記サンプルを入れ、下記表2に示す吸湿条件の下に吸
湿試験を行い、前記各サンプルの質量の増加を測定する
ことにより耐吸湿性を評価した。また、下記表3は評価
基準と下記表7において記載している記号とを示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】アークの安定性の評価 アークは少なくとも1分間出し続けて、溶接作業者の観
察により評価を行った。下記表7においてアークの安定
性が十分満足するとの評価には○を、アークの安定性が
やや劣るとの評価には△により示している。
【0041】フラックスの流動性 下記表4に示す成分からなるフラックスにアルカリガラ
スを混合させ、その混合フラックスをワイヤ外皮金属の
成分組成が下記表5に示す元素を含有するワイヤに充填
し、その充填の度合いの観察により、フラックスの流動
性の評価を行った。
【0042】
【表4】 メタル成分 :Fe,Fe-Si,Fe-Mn,Fe-Al,Ni,Mg等 スラグ形成材:Si,Mn,Zr,Al,Ca,Mg,Ba等の金属酸化物
【0043】
【表5】
【0044】なお、下記表7において記載する混合フラ
ックスの評価の記号を下記表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】製造コストの評価 アルカリガラスの製造時の溶融と焼成時の温度の高低に
より製造コストを評価した。即ち、溶融及び焼成温度が
低い場合は製造コストが低く、一方高い場合には製造コ
ストが高い。下記表7において、製造コストが低いとの
評価には○を、製造コストが高いとの評価には×により
示す。
【0047】下記表7において、焼成処理の有無及び比
表面積の値を示すと共に、上述の各評価の結果を示す。
また、各実施例及び比較例についての総合判定を上記表
3と同様の評価記号を使用して示す。
【0048】
【表7】
【0049】以下、上記表7の各実施例及び比較例の結
果について詳細に説明する。
【0050】実施例No1については、SiO2、Na2
O、K2O及びB23が所定量含有されたアルカリガラ
スであり、未焼成品であるが、耐吸湿性及びアーク安定
性は良好な結果であった。また、比表面積はやや大きい
ものの、フラックスの流動性も良好な結果を示してい
る。これより、本実施例No1は、総合的に良好なアル
カリガラスであるといえる。
【0051】実施例No2及び3については、実施例N
o1と同様の成分組成からなり、実施例No2及び3の
焼成処理は夫々軟化点より200℃及び100℃低い温
度で行った。そのため、夫々比表面積は実施例No1よ
りも小さく、フラックスの流動性については実施例No
1よりも優れている。また、耐吸湿性等については実施
例No1と同様の結果であった。これより、本実施例N
o2及び3は、総合的に優れたアルカリガラスであると
いえる。
【0052】実施例No4については、実施例No1と
同様の成分組成からなり、焼成処理は軟化点の近傍の温
度により行った。そのため、比表面積は0.6m2/g
と小さく、耐吸湿性及びフラックスの流動性は極めて優
れている。また、アークの安定性等についても実施例N
o1と同様良好な結果であった。これより、本実施例N
o4は、総合的に極めて優れたアルカリガラスであると
いえる。
【0053】実施例No5〜No7については、実施例
No1と同様の成分を含有しており、実施例No7のB
23の含有量は実施例No1より少ないが、実施例No
5及び6のそれは実施例No1よりも多い。また、焼成
処理はいずれも軟化点の近傍の温度により行った。その
ため、耐吸湿性及びフラックスの流動性はいずれの実施
例も優れているが、特に実施例No6及びNo7の耐吸
湿性及びフラックスの流動性は極めて優れている。ま
た、アークの安定性等についてはいずれも実施例No1
と同様良好な結果であった。これより、実施例No5〜
7はいずれも総合的に優れており、特にNo6及び7は
極めて優れているといえる。なお、以下の実施例につい
てはすべて本実施例No5〜7と同様に、軟化点の近傍
の温度により焼成処理を行った。
【0054】実施例No8については、実施例No1と
同様の成分の他にLi2Oを含有している。そのため、
耐吸湿性及びフラックスの流動性は優れており、アーク
の安定性等についても良好な結果であった。これより、
本実施例No8は総合的に優れたアルカリガラスである
といえる。
【0055】実施例No9及び11については、実施例
No1と同様の成分の他にAl23を夫々4.1重量%
及び0.5重量%含有している。そのため、耐吸湿性及
びフラックスの流動性はいずれも良好以上の結果を示し
ており、特に実施例No9の耐吸湿性は極めて優れてい
る。また、アークの安定性等についても良好な結果であ
った。これより、本実施例No9及び11はいずれも総
合的に良好以上であり、特に実施例No9は優れたアル
カリガラスであるといえる。なお、実施例No9におけ
る比表面積はNo11より大きいが、Al23を添加し
ており、そのため化学的吸着水が少ない効果によりフラ
ックスの流動性が優れている。通常、吸着水は物理的吸
着水と化学的吸着水とに分類され、前者は比表面積に影
響され、後者は組成に影響されると考えられる。この実
施例No9はその組成により化学的吸着水が少ない例で
あるため、フラックスの流動性が優れた結果となった。
【0056】実施例No10については、実施例No1
と同様の成分の他にAl23及びTiO2を混合したも
のを6.8重量%含有している。そのため、ガラスの軟
化点が上昇したものの、耐吸湿性は優れた結果を示し
た。また、フラックスの流動性等についても良好な結果
であった。これにより、本実施例No10は総合的に良
好なアルカリガラスであるといえる。
【0057】実施例No12については、実施例No1
と同様の成分の他にZrO2を2.2重量%含有してい
る。そのため、耐吸湿性は極めて優れており、フラック
スの流動性についても優れた結果を示した。また、アー
クの安定性等についても良好な結果であった。これよ
り、本実施例No12は総合的に優れたアルカリガラス
であるといえる。
【0058】実施例No13及び14については、実施
例No1と同様の成分の他にMgOを夫々2.3重量%
及び4.2重量%含有している。そのため、耐吸湿性は
いずれも優れており、特に実施例No13の耐吸湿性は
極めて優れている。フラックスの流動性についてはいず
れも良好以上の結果であり、特に実施例No13のフラ
ックスの流動性は極めて優れている。また、実施例No
14はガラスの軟化点が上昇したものの、製造コストの
評価等についても良好な結果であった。これより、本実
施例No13及び14はいずれも総合的に良好以上であ
り、特に実施例No13は極めて優れたアルカリガラス
であるといえる。
【0059】実施例No15については、実施例No1
と同様の成分の他にAl23を3.0重量%とZrO2
を2.0重量%含有している。そのため、耐吸湿性及び
フラックスの流動性は共に極めて優れている。また、ア
ークの安定性等についても良好な結果を示した。これよ
り、本実施例No15は総合的に極めて優れたアルカリ
ガラスであるといえる。
【0060】実施例No16及び17については、実施
例No15と同様の成分の他にMgOを夫々2.0重量
%及び2.2重量%含有している。そのため、耐吸湿性
は共に優れており、特に実施例No16は極めて優れて
いる。フラックスの流動性についてはいずれも良好以上
の結果であり、特に実施例No16のフラックスの流動
性は極めて優れている。また、実施例No17はガラス
の軟化点が上昇し、実施例No16に比べ比表面積の減
少量が小さいものの、製造コストの評価等については良
好な結果を示した。これより、本実施例No16及び1
7はいずれも総合的に良好以上であり、特に実施例No
16は極めて優れたアルカリガラスであるといえる。
【0061】実施例No18及び19については、実施
例No1と同様の成分の他にCaOを夫々2.1重量%
及び4.3重量%含有している。そのため、耐吸湿性は
共に優れており、特に実施例No18は極めて優れてい
る。フラックスの流動性についてはいずれも良好以上の
結果であり、特に実施例No18のフラックスの流動性
は極めて優れている。また、実施例No19はガラスの
軟化点が上昇し、実施例No18に比べ比表面積の減少
量が小さいものの、製造コストの評価等については良好
な結果を示した。これより、本実施例No18及び19
はいずれも総合的に良好以上であり、特に実施例No1
8は極めて優れたアルカリガラスであるといえる。
【0062】実施例No20及び21については、実施
例No1と同様の成分の他にSrOを夫々2.2重量%
及び4.4重量%含有している。そのため、耐吸湿性は
共に優れており、特に実施例No20は極めて優れてい
る。フラックスの流動性についてはいずれも良好以上の
結果であり、特に実施例No20のフラックスの流動性
は極めて優れている。また、実施例No21はガラスの
軟化点が上昇し、実施例No20に比べ比表面積の減少
量が小さいものの、製造コストの評価等については良好
な結果を示した。これより、本実施例No20及び21
はいずれも総合的に良好以上であり、特に実施例No2
0は極めて優れたアルカリガラスであるといえる。
【0063】実施例No22及び23については、実施
例No1と同様の成分の他にBaOを夫々2.1重量%
及び4.3重量%含有している。そのため、耐吸湿性は
共に優れており、特に実施例No22は極めて優れてい
る。フラックスの流動性についてはいずれも良好以上の
結果であり、特に実施例No22のフラックスの流動性
は極めて優れている。また、実施例No23はガラスの
軟化点が上昇し、実施例No22に比べ比表面積の減少
量が小さいものの、製造コストの評価等については良好
な結果を示した。これより、本実施例No22及び23
はいずれも総合的に良好以上であり、特に実施例No2
2は極めて優れたアルカリガラスであるといえる。
【0064】実施例No24については、実施例No1
と同様の成分の他にAl23を2.5重量%、ZrO2
とAl23とを混合したものを1.5重量%、MgOを
1.1重量%及びCaOを1.2重量%含有している。
そのため、耐吸湿性及びフラックスの流動性は極めて優
れている。また、アークの安定性等についても良好な結
果を示した。これより、本実施例No24は総合的に極
めて優れたアルカリガラスであるといえる。
【0065】実施例No25については、実施例No1
と同様の成分の他にAl23を4.2重量%、ZrO2
を2.1重量%、MgOを2.0重量%及びCaOを
1.0重量%含有している。本実施例では第5成分であ
るAl23、ZrO2及びアルカリ土類金属の合計量が
所定量より多いため、実施例No24に比べ耐吸湿性及
びフラックスの流動性は若干劣っている。そのため、B
23の添加による効果は小さいものの、製造コストの評
価等については良好な結果を示している。これより、本
実施例No25は総合的に良好なアルカリガラスである
といえる。
【0066】実施例No26については、実施例No2
5と同様の成分の他にSrOを1.2重量%、BaOを
1.2重量%含有する。本実施例では実施例No25と
同様に第5成分の合計量が所定量より多いため、実施例
No25に比べ耐吸湿性は若干劣ってしまう。しかし、
フラックスの流動性については優れており、アークの安
定性等についても良好な結果を示している。これによ
り、本実施例No26は総合的に良好なアルカリガラス
であるといえる。
【0067】実施例No27については、実施例No1
と同様の成分組成である。焼成処理を軟化点より100
℃高い温度により行ったため、試料が固化してしまっ
た。そのため、再粉砕が必要となり、比表面積が大きく
なったが、耐吸湿性及びフラックスの流動性は良好であ
った。これより、本実施例No27は総合的に良好なア
ルカリガラスであるといえる。
【0068】次に比較例No1〜No11の結果につい
て説明する。
【0069】比較例No1については、Na2Oの含有
量が多く、B23が全く含有されていない。また、焼成
処理が行われていないため、比表面積が3.1m2/g
と極めて大きい。そのため、耐吸湿性は通常必要とされ
るものに比べ極めて劣っており、フラックスの流動性に
ついても劣っている。また、アークの安定性は良好であ
るが、溶融温度が高いため、製造コストが高くなってし
まった。これより、本比較例No1は、総合的に極めて
劣っているアルカリガラスであるといえる。
【0070】比較例No2については、比較例No1と
同様の成分組成である。焼成処理を軟化点より100℃
低い温度により行っているため、比較例No1より比表
面積は減少しているが、耐吸湿性は若干向上しているも
のの、十分ではない。また、フラックスの流動性及び製
造コストの低減については何等向上が見られなかった。
これより、本比較例No2は、総合的に極めて劣ってい
るアルカリガラスであるといえる。
【0071】比較例No3については、K2Oを添加し
ないこと以外は比較例No1と同様の成分であり、比較
例No1と同様にB23が含有されていない。焼成処理
を軟化点より100℃低い温度により行っており、比表
面積が2.0m2/gと比較例No1に比べて小さくな
っているため、フラックスの流動性は良好な結果であっ
たが、耐吸湿性は十分ではない。また、溶融温度及び焼
成温度が高いため、製造コストを低減させることができ
なかった。これより、本比較例No3は、総合的に劣っ
ているアルカリガラスであるといえる。
【0072】比較例No4については、比較例No1と
同様の成分であり、比較例No1に比べNa2Oを減少
させているが、B23は比較例No1と同様に全く含有
されておらず、焼成処理も行われていない。比較例No
3に比べて耐吸湿性については改善が見られるが、溶融
温度が高いため、製造コストを低減させることはできな
かった。これより、本比較例No4は、総合的に劣って
いるアルカリガラスであるといえる。
【0073】比較例No5については、比較例No4と
同様の成分組成であり、焼成処理を軟化点の近傍の低い
温度で行っている。そのため、耐吸湿性及びフラックス
の流動性は優れた結果を示しているが、B23が含有さ
れていないため、溶融温度及び焼成温度が高く、製造コ
ストを低減させることができなかった。これより、本比
較例No5は、総合的に劣っているアルカリガラスであ
るといえる。
【0074】比較例No6及び7については、比較例N
o4と同様の成分の他にB23を夫々4.0重量%及び
15.7重量%を含有しており、比較例No6は焼成処
理を行わなかったが、比較例No7は軟化点の近傍の温
度で焼成処理を行った。そのため、比較例No6につい
ては、耐吸湿性及びフラックスの流動性については良好
な結果であったが、B23の含有量が所定量より少ない
ため、溶融温度が高く、製造コストを低減させることが
できなかった。また、比較例No7については、逆にB
23の含有量が所定量より多いため、軟化点を降下させ
ることはできたが、耐吸湿性を劣化させてしまった。こ
れより、本比較例No6及び7は、総合的に劣っている
アルカリガラスであるといえる。なお、以下の比較例で
はすべて焼成処理を行っており、その温度は軟化点の近
傍の温度である。
【0075】比較例No8については、比較例No6と
同様の成分であるが、Na2Oは所定量より少ない。そ
のため、耐吸湿性及びフラックスの流動性は優れている
が、アークの安定性は劣化してしまった。これより、本
比較例No8は、総合的に劣っているアルカリガラスで
あるといえる。
【0076】比較例No9及び10については、比較例
No6と同様の成分であるが、比較例No9はK2Oの
含有量が所定量より少なく、一方比較例No10はその
含有量が所定量より多い。そのため、比較例No9は、
耐吸湿性及びフラックスの流動性については優れている
ものの、アークの安定性が劣化してしまった。一方、比
較例No10は、フラックスの流動性は優れており、ま
たアークの安定性も良好であるが、耐吸湿性が劣化して
しまった。これより、本比較例No9及び10は、総合
的に劣っているアルカリガラスであるといえる。
【0077】比較例No11については、比較例No6
と同様の成分の他にLi2Oを9.8重量%含有してい
る。このLi2Oの含有量は所定量より多いため、耐吸
湿性を劣化させてしまった。これより、本比較例の11
は、総合的に劣っているアルカリガラスであるといえ
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶接時においてフラックスを均一に分散することがで
き、低電流域においてもアークを安定的に供給して、ピ
ット、ブローホール又は低温割れ等の溶接欠陥を防止す
ることができる耐吸湿性が優れた溶接材料用アルカリガ
ラスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軟化点測定のための熱機械分析機を示す模式図
である。
【図2】熱機械分析における加熱温度と試料サンプルの
膨張及び収縮との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1;石英棒 2;加熱炉 3;るつぼ 4;サンプル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2:60.0乃至84.0重量
    %、Na2O:5.0乃至10.0重量%、K2O:2.
    0乃至4.0重量%及びB23:5.0乃至15.0重
    量%を含有することを特徴とする溶接材料用アルカリガ
    ラス。
  2. 【請求項2】 SiO2:63.0乃至80.0重量
    %、Na2O:5.0乃至10.0重量%、K2O:2.
    0乃至4.0重量%及びB23:5.0乃至15.0重
    量%を含有し、更にAl23:1.0乃至5.0重量
    %、アルカリ土類金属酸化物:1.0乃至3.0重量
    %、ZrO2:1.0乃至3.0重量%及びTiO21.
    0乃至5.0重量%からなる群から選択された少なくと
    も1種を総量で1.0乃至8.0重量%含有することを
    特徴とする溶接材料用アルカリガラス。
  3. 【請求項3】 粒度が48メッシュ以下であって、その
    うち200メッシュ以下のものが90重量%以下であ
    り、その比表面積が2.5m2/g以下であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の溶接材料用アルカリガ
    ラス。
JP7347195A 1995-03-30 1995-03-30 溶接材料用アルカリガラス Pending JPH08267278A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504258A (ja) * 2000-07-22 2004-02-12 カール ツァイス スティフツンク 耐薬品性の高いホウケイ酸ガラス、およびその使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004504258A (ja) * 2000-07-22 2004-02-12 カール ツァイス スティフツンク 耐薬品性の高いホウケイ酸ガラス、およびその使用

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