JP3411057B2 - 高ジルコニア質溶融鋳造耐火物 - Google Patents

高ジルコニア質溶融鋳造耐火物

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    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス窯用の耐火物と
して好適な高ジルコニア質溶融鋳造耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融鋳造耐火物は、配合された耐火物原
料をアーク電気炉に装入し、完全に溶融した溶湯を所定
形状の鋳型中に流し込み、多くの場合保温しながら常温
まで冷却固化せしめて得られたものであって、焼成また
は不焼成の結合耐火物とは組織、製法とも異なる緻密で
耐食性の優れた耐火物として広く知られている。
【0003】このような溶融鋳造耐火物の中で、ZrO
2成分を多く含む溶融鋳造耐火物が溶融ガラスに対して
優れた耐食性を示すことから、ジルコニア質溶融鋳造耐
火物がガラス窯の溶融ガラスと接触する壁の部分に広く
使用されている。
【0004】しかし、組織のほとんどがZrO2結晶
(バデライト)からなる高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
は、ZrO2結晶に特有の単斜晶から正方晶への可逆的
な結晶変態が1100℃付近にあり、この結晶変態に伴
う異常な体積膨張と収縮が存在し、亀裂のない実用性の
ある大きな寸法の溶融鋳造耐火物を鋳造することは難し
い技術であることが知られている。
【0005】これまでに、ZrO2を90重量%前後
はそれ以上含有する溶融鋳造耐火物が多種提案されて
いるが、亀裂の発生を防ぐ主な対応策は、ZrO2結晶
の間を埋めているSiO2を主成分とするマトリックス
ガラスにガラスを軟らかくする成分を加えてその粘性を
調整し、ZrO2結晶が結晶変態する温度範囲におい
て、ZrO2結晶の膨張と収縮による歪みを軟らかいマ
トリックスガラスで吸収することにより亀裂の発生を避
ける方法である。
【0006】たとえば、特公昭55−3319号では、
SiO2を主成分としAl23を含むマトリックスガラ
スにガラスを軟らかくするCuOやB23成分を加えて
マトリックスガラスの粘性を調整している。この場合、
Al23/SiO2比(重量比、以下同じ。)が0.5
以上ではマトリックスガラスが十分に軟らかくならない
ので、Al23/SiO2比は0.5未満とされる。し
かし、CuO成分を含む耐火物をガラス窯の壁に使用す
るとガラスが着色される問題があり、並板ガラスのよう
に着色を嫌うガラスを溶融するガラス窯用には向かな
い。
【0007】また、特公昭59−12619号では、S
iO2を主成分としAl23成分を含むマトリックスガ
ラスにP25成分を加えてマトリックスガラスを軟らか
くし、ZrO2結晶の膨張と収縮を吸収している。この
場合には、Al23/SiO2比を0.5以下としなく
ても亀裂のない溶融鋳造耐火物が得られ、ガラス窯用の
耐火物として溶融ガラス中に砂利(ガラス中にある欠点
の通称)を発生することがほとんどなく、ガラスが着色
する恐れのない耐火物が得られる。
【0008】高ジルコニア質溶融鋳造耐火物をガラスの
電気溶融に使用するため、特公平2−40018号で
は、耐火物のアルカリ金属酸化物の含有量を0.1重量
%以下と少なくして使用温度域における電気抵抗率が大
きくし、P25成分とB23成分を加えることによりマ
トリックスガラスを軟らかくして亀裂を防いだ高ジルコ
ニア質溶融鋳造耐火物を提案している。
【0009】また、特開昭63−285173号では、
SiO2を主成分としAl23を含むマトリックスガラ
スに、B23成分とイオン半径の大きいアルカリ金属と
アルカリ土類金属の酸化物であるK2O、Rb2O、Cs
2O、SrO、BaOなどの成分を加え、亀裂の発生が
ない、電気抵抗率の大きな溶融鋳造耐火物を提案してい
る。
【0010】その後、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物は
その熱上げ時に400〜600℃の温度域において耐火
物の表層が貝殻状に欠落する現象(チップオフ現象)が
問題となり、特開平1−100068号では、P25
分とB23成分の含有量を限定して、チップオフ現象が
起きない高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を提案してい
る。
【0011】また。特開平3−218980号と特開平
3−28175号では、P25、B23およびCuOを
含有しないSiO2、Al23、ZrO2およびNa2
成分からなるマトリックスガラスを形成し、特定量のA
23成分とNa2O成分を含有せしめることにより亀
裂のない溶融鋳造耐火物を得るとともに、マトリックス
ガラス中にジルコン(ZrO2・SiO2 結晶)などの結
晶が析出してマトリックスガラスが減少または変質して
チップオフ現象が起きるのを防ぎ、かつ残存体積膨張の
積算傾向を防止(耐熱サイクル抵抗性を付与)した溶融
鋳造耐火物を提案している。
【0012】これらの提案により、溶融ガラスに対する
耐食性が高く、溶融ガラスを汚さずブリスター性(発泡
性)が小さく、また熱上げ時におけるチップオフ現象が
なく、耐熱サイクル抵抗性が高い耐火物が得られるよう
になり、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物がガラス窯用に
広く使用され始めている。また、最近では電気抵抗率の
大きいガラスの電気溶融に適した高ジルコニア質溶融鋳
造耐火物も市販され、特殊ガラスの分野にまでその用途
が広がりつつある。
【0013】しかしながら、特開平3−218980号
や特開平3−28175号に提案されている高ジルコニ
ア質溶融鋳造耐火物を試料とし、ガラス窯の壁に使用し
た場合を想定した高温荷重下におけるクリープ試験を行
った結果、高温荷重下でマトリックスガラスが耐火物表
面から滲み出す現象が観察され、実際にこれらの耐火物
をガラス窯の耐火物として長期間高温荷重下で使用する
場合には、耐火物の表面に滲み出したガラスにより溶融
ガラスが汚染され、ガラス製品中にコードと呼ばれる
が発生する原因となっていることが判明した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
ガラスに対して優れた耐食性を示し、ガラス窯用の耐火
物として使用されるとき、亀裂が発生して溶融ガラス中
に砂利を排出したり、ガラスを着色したりすることがな
く、熱上げ時に耐火物の表層が欠落するチップオフ現象
がなく、残存体積膨張の積算傾向を示さない、高温荷重
下においてマトリックスガラスが滲み出さない高品質の
高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を提供しようとするもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の高ジルコニア質
溶融鋳造耐火物は、耐火物中にZrO2を90〜95重
量%、SiO2を3.5〜7重量%、Al23を1.2
〜3重量%含有し、P 2 5 、B 2 3 およびCuOのいず
れも実質的に含まない高ジルコニア質溶融鋳造耐火物で
あって、Na2Oおよび/またはK2Oを合量で0.1〜
0.35重量%含有することを特徴とする。
【0016】本発明による高ジルコニア質溶融鋳造耐火
物の組織は、バデライトの比較的粗い結晶の粒界を、S
iO2、Al23およびZrO2と、ガラスを軟らかくす
る機能を担うNa2Oおよび/またはK2Oとを含む少量
のマトリックスガラスで埋めたものとなっている。
【0017】本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物で
は、ガラスを軟らかくする成分としてNa2Oおよび/
またはK2Oを含み、P25、B2 3 およびCuOのい
ずれも実質的に含まない組成を採用している。さらに本
発明の耐火物では、Na2Oおよび/またはK2Oの含有
量を従来より少ない範囲内に限定し、熱上げ時に耐火物
の表層が欠落するチップオフ現象がなく、残存体積膨張
が積算されない耐熱サイクル抵抗性のよい、かつ耐火物
が熱間の荷重下において使用されてもマトリックスガラ
スが耐火物の表面からほとんど滲み出さない高品質の溶
融鋳造耐火物を提供することに成功した。
【0018】耐火物中のZrO2成分の含有量は、多い
方が溶融ガラスに対する耐食性が高く、この意味で90
重量%以上としてある。しかし、ZrO2成分の含有量
が95重量%を超えると耐火物中のマトリックスガラス
の量が少なくなって耐火物に亀裂が発生しやすくなり、
溶融鋳造して亀裂のない耐火物を得るのが困難となる。
【0019】SiO2成分はマトリックスガラスを形成
する必須成分であり、亀裂の発生を避けるのに必要な最
低限の量のマトリックスガラスを耐火物中に存在せしめ
るため、3.5重量%以上含有せしめてある。しかし、
SiO2成分の含有量が多いと耐火物の耐食性が低下す
るので7重量%以下としてあり、好ましくは6重量%以
下とする。
【0020】Al23成分が含有されていることは、マ
トリックスガラスの温度と粘性の関係を調整する重要な
役割を果たすとともに、マトリックスガラス中に溶けて
いるZrO2成分の濃度を低減する効果を有している。
例えば、耐火物中のAl23含有量が0.9重量%の場
合には、マトリックスガラス中に数重量%のZrO2
溶けているのに対し、2重量%のAl23を含む耐火物
では、マトリックスガラス中に含まれるZrO2は2重
量%以下となる。
【0021】このAl23成分の含有効果を利用して、
マトリックスガラス中にジルコンが析出するのを防止で
き、マトリックスガラスの変質を防いで耐火物のチップ
オフ現象と残存体積膨張の積算による亀裂の発生を避け
ることができる。
【0022】さらに、ガラスの粘性を適度に高めて高温
荷重下におけるマトリックスガラスの滲み出しを防止す
るため、Al23成分の含有量を1.2重量%以上とし
てあり、マトリックスガラスの粘性が大きくなり過ぎな
いようにAl23成分の含有量を3重量%以下としてい
る。
【0023】Na2OとK2O成分は、マトリックスガラ
スの粘性を左右する重要な成分であり、マトリックスガ
ラス中に溶けているZrO2成分の濃度をある程度抑制
する効果もあるため、その含有量の調整は重要である。
Na2Oおよび/またはK2Oの含有量が合量で0.1重
量%より少ないと、マトリックスガラスの粘性が大きく
なって、耐火物を亀裂なく鋳造することが困難となり、
0.35重量%を超えると、マトリックスガラスが必要
以上に軟らかくなって、高温荷重下において耐火物の表
面からガラスが滲み出しやすくなる。耐火物中にNa 2
Oを0.1〜0.35重量%含有すると好ましい。
【0024】耐火物のAl23含有量は、好ましくは
1.2〜2.5重量%とすることにより、高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物に亀裂が発生しにくくなり、耐熱サイ
クル抵抗性や高温荷重下におけるマトリックスガラスの
滲み出し傾向が更に改善される。
【0025】また、Na2Oおよび/またはK2O成分の
含有量を、好ましくは合量で0.2〜0.35重量%と
することにより高温下で耐火物を荷重を加えたときに表
面からガラスが滲み出ない耐火物が得られ、かつ大型の
溶融鋳造耐火物も安定して亀裂なく鋳造できる。
【0026】かくして、本発明の好ましい高ジルコニア
質溶融鋳造耐火物は、耐火物中にZrO2を90〜95
重量%、SiO2を3.5〜6重量%、Al23を1.
2〜2.5重量%と、Na2Oおよび/またはK2 を合
量で0.2〜0.35重量%含有する。
【0027】耐火物の組成をこの好ましい範囲に限定す
ることにより、マトリックスガラスの1100℃付近に
おける粘性が最適化され、亀裂の発生、残存体積膨張の
積算、チップオフ現象の他、耐火物からのマトリックス
ガラスの滲み出しの問題のない高ジルコニア質溶融鋳造
耐火物を安定して提供できる。
【0028】本発明の耐火物には、P25、B23およ
びCuOの成分を実質的に含まない。すなわち、P
25、B23およびCuO成分はいずれも0.02重量
%未満、好ましくは0.01重量%未満であり、この程
度のわずかな含有量であることを実質的に含まないとし
ている。したがって通常の原料中に不可避的な不純物と
して含まれる微少量のP25、B23およびCuO成分
が耐火物に導入されても本発明の溶融鋳造耐火物には特
に支障とならない。
【0029】また、耐火物中に不純物として含まれてい
るFe23およびTiO2成分は、その合量が0.55
重量%以下、好ましくは0.3重量%以下であればなん
ら問題とならない。
【0030】
【実施例】以下本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例によってなんら限定されるものではない。
【0031】ZrO2原料である脱珪ジルコン(約5重
量%のSiO2を含む)、Al23原料であるバイヤー
アルミナ、SiO2原料である珪砂にNa2CO3、K2
3などの原料粉末を混合して所定の組成の混合原料と
し、これを黒鉛電極を備えた500kVAの単相交流ア
ーク電気炉に装入し、2200〜2400℃の温度で完
全に溶融した。
【0032】この溶湯をバイヤーアルミナの粉末に埋め
てある内寸法200mm×300mm×700mmの黒
鉛鋳型中に流し込み、室温付近の温度になるまで放冷し
た。得られた種々の溶融鋳造耐火物の化学分析値と調べ
た諸性質を表1と表2に併せて示した。表1と表2にお
いて、No.1〜No.8は本発明の実施例であり、N
o.9〜No.1は比較例である。
【0033】これらの高ジルコニア質溶融鋳造耐火物の
鋳造に際して、Na2O、K2OおよびSiO2成分の一
部が気化して飛散するため、最初に配合した混合原料の
組成と比べ、鋳造された溶融鋳造耐火物のNa2O、K2
OおよびSiO2成分の含有量は減少している。
【0034】鋳造された高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
について、高温荷重下におけるマトリックスガラスの滲
み出しを調べるため、直径30mmで高さ30mmの円
柱状試験片を各溶融鋳造耐火物から切り取り、荷重軟化
試験装置を使用して、これに2kg/cm2の荷重をか
けた状態で1500℃に昇温し24時間保持した。
【0035】高温荷重下における耐火物表面からのマト
リックスガラスの滲み出し量は、試験後の試験片の体積
増加量を試験前の体積で除した%で示した。この
き、試験片の外観にガラスの滲み出しが認められず、体
積の増加量が1%以下のものをマトリックスガラスが滲
み出さない良好な耐火物と判定した。
【0036】耐熱サイクル抵抗性の評価は次のように行
った。すなわち、40mm×40mm×30mmの試験
片を各溶融鋳造耐火物から切り取り、これを電気炉に入
れて室温から800℃まで300℃/hで昇温し、次い
で800℃から1250℃まで1時間かけて昇温し、1
250℃において1時間保持し、その後800℃まで1
時間かけて降温し、800℃で1時間保持する。
【0037】この800℃と1250℃の間の昇降温を
1サイクルとして、昇降温を40サイクル繰り返した後
室温まで冷却した。このとき、試験片に外観上亀裂が認
められず、残存体積膨張の積算が3%以下のものを良好
な耐火物と判定した。
【0038】耐食指数は、15mm×15mm×50m
mの直方体の試験片を各溶融鋳造耐火物から切り出し、
並板ガラスを溶かした1500℃の白金ルツボ中に48
時間吊して試験片の侵食量(体積)を測定し、耐食指数
=No.試験片の侵食量(mm3)/各試験片の侵食
量(mm3)により求めた。No.試験片は従来
ラス窯に使用されている標準的な溶融鋳造耐火物であ
る。
【0039】砂利の発生とガラスの着色の有無について
は、上記の耐食性試験の白金ルツボ中に残ったガラスを
観察して判定した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物
では、高ジルコニア質溶融鋳造耐火物に特有のいくつか
の問題点が同時に解決され、その結果として高品質の溶
融鋳造耐火物を得ている。すなわち、先ずZrO2結晶
の結晶変態に伴う体積変化によって生じる亀裂は従来の
手法、つまり軟らかいマトリックスガラスを耐火物中に
形成して回避している。
【0043】チップオフ現象については、マトリックス
ガラス中に溶けているZrO2成分がジルコン(ZrO2
・SiO2結晶)となってマトリックスガラス中に析出
することにより変質するのを、耐火物中のAl23とN
2Oおよび/またはK2Oの含有量を限定してマトリッ
クスガラス中に溶けているZrO2成分を少なくして回
避している。
【0044】また、この対応策は残存体積膨張が積算し
て亀裂が発生する傾向を阻止するのにも有効と考えら
れ、ジルコンが析出してマトリックスガラスの量が減少
して変質し、マトリックスガラスの粘性が適切な範囲か
らはずれてバデライトの膨張と収縮にマトリックスガラ
スが追随できなくなるのを防いで耐熱サイクル抵抗性を
改善している。
【0045】また、マトリックスガラスの高温荷重下に
おける耐火物からの滲み出しは、耐火物中のAl23
Na2Oおよび/またはK2O成分を前述の適切な範囲に
限定することによって、マトリックスガラスの粘性を一
定レベル以上に維持して防いでいる。
【0046】かくして、本発明の高ジルコニア質溶融鋳
造耐火物では、従来使用されている高ジルコニア質溶融
鋳造耐火物と比べて、耐食性は改善され、昇温時に表層
が部分的に欠落するチップオフ現象がほとんどなく、耐
熱サイクル性が顕著に優れ、かつ高温荷重下におけるマ
トリックスガラスの滲み出しがない。
【0047】したがって、本発明の溶融鋳造耐火物をガ
ラス窯に用いる場合、耐火物に亀裂がほとんど発生しな
いことから、耐火物に亀裂が発生した部分から溶融ガラ
ス中に耐火物の微小片が排出されて砂利が発生する原因
となることがなく、高温荷重下におけるマトリックスガ
ラスの滲み出しによる溶融ガラスの汚染(同様に砂利の
原因とされている。)もない。
【0048】本発明の高ジルコニア質溶融鋳造耐火物を
ガラス窯に使用すると、ガラス窯の耐久性と信頼性が増
すとともに、製造されるガラス製品の歩留りと品質が顕
著に向上することになり、高融点を有する組成のガラス
を溶融する窯や、高品質が要求されるエレクトロニクス
用ガラス基板や表示用ガラス基板などのファインガラス
製品のガラスを溶融するガラス窯の耐火物に使用でき、
これらのガラス製品の品質と歩留まりが向上するなどの
効果を考慮するとその産業上の利用効果は多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 C04B 35/657

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火物中にZrO2を90〜95重量%、
    SiO2を3.5〜7重量%、Al23を1.2〜3重
    量%含有し、P 2 5 、B 2 3 およびCuOのいずれも実
    質的に含まない高ジルコニア質溶融鋳造耐火物であっ
    、Na2Oおよび/またはK2Oを合量で0.1〜0.
    35重量%含有することを特徴とする高ジルコニア質溶
    融鋳造耐火物。
  2. 【請求項2】耐火物中に不可避的な不純物として含まれ
    るP25、B23およびCuOがいずれも0.02重量
    %未満である請求項1に記載の高ジルコニア質溶融鋳造
    耐火物。
  3. 【請求項3】耐火物がガラス窯に使用されるものである
    請求項1または2に記載の高ジルコニア質溶融鋳造耐火
    物。
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