JPH0826396B2 - 電磁鋼板の製造法 - Google Patents

電磁鋼板の製造法

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JPH0826396B2
JPH0826396B2 JP63311138A JP31113888A JPH0826396B2 JP H0826396 B2 JPH0826396 B2 JP H0826396B2 JP 63311138 A JP63311138 A JP 63311138A JP 31113888 A JP31113888 A JP 31113888A JP H0826396 B2 JPH0826396 B2 JP H0826396B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、モーターやトランスの鉄心材料として用い
られる電磁鋼板の製造法に関する。さらに詳しくは本発
明は、板面に対して垂直方向に<100>軸が高度に集積
し、低鉄損で高磁束密度を有する電磁鋼板の製造法に関
する。
(従来の技術) 電磁鋼板に対しては、機器の電力損失を低減し小型化
を図るため、低鉄損・高磁束密度化という磁気特性の改
善が従来から強く求められている。
電磁特性を改善するため、電気抵抗を高めたりあるい
は粒径をある程度大きくするなどの方法が採用されてい
るが、磁気特性の飛躍的な向上を図るには、磁化容易軸
である<100>軸を磁化の方向にそろえることが最も有
効な方法である。
この方法を利用したものが一方向性電磁鋼板であり、
これは圧延方向に<100>軸が集積し、圧延方向に磁界
をかけて使用した場合には優れた磁気特性を示す。この
一方向性電磁鋼板はトランスのような一方向にのみ磁化
をかけて使用する機器に対しては極めて有効な方法であ
るが、モーターのように板面内の全方向にわたって磁化
される機器、あるいはEIコアのような2方向に磁化され
る機器に対しては、必ずしも有効な方法とはいえない。
ところでモーターのような機器に対しては、<100>
方位が板面内に無方向に分布した集合組織であることが
最も適している。このような集合組織を形成するために
は、板面垂直方向に<100>軸が高密度に集積している
ことが必要である。
一方、EIコアのような機器に対しては、(100)<001
>方位あるいは(100)<011>方位のような面内の2方
向に<100>軸が存在するような集合組織が最も適して
いる。このような集合組織を形成するためには、モータ
ーの場合と同じように板面垂直方向に<100>軸が高密
度に集積していることが必要である。
以上のような板面垂直方向に<100>軸を有する電磁
鋼板の製造方法として、以下の方法が知られている。
(1)凝固組織を用いる方法 溶湯急冷を利用する方法 高速回転する冷却ロールの表面に溶湯を吹き出し、0.
05〜0.5mm厚さ程度の薄板を直接製造する方法である。
この方法により6重量%程度のSiを含有する珪素鋼薄帯
を製造すると板面に垂直かもしくはそれから20〜30°傾
いた方向に長軸を有する柱状粒組織となる。
インゴット柱状晶の〔100〕繊維組織を利用する方
法 特殊な鋳造方法によって製造した柱状晶インゴットを
{100}面が圧延面となるように圧延し、1000℃以上の
温度で焼鈍する方法である。
(2)表面エネルギーを利用する方法 厚さ0.15mm以下の薄珪素鋼板の場合、弱酸化性であっ
て1000℃以上の温度の雰囲気中で焼鈍する方法であり、
結晶粒は一度板厚程度の大きさに成長した後、板面垂直
方向に<100>軸を有する結晶粒が表面エネルギーを駆
動力として優先成長する。
(3)交叉圧延を利用する方法 微量のAl等を添加した珪素鋼を交叉圧延し、1150℃で
最終焼鈍を行うことにより、{100}<001>方位の結晶
粒を2次再結晶させる方法である。
(4)γ単相温度域からの冷却による方法(特開昭53-3
1515号)であって、本質的にCを含有しない鋼板をγ単
相域へ昇温した後徐冷して、その時のγ−α変態によっ
て板面垂直方向に<100>軸を集積させる方法である。
(発明が解決しようとする課題) このように従来から板面垂直方向に<100>軸を有す
る電磁鋼板の製造方法が種々開示されているが、これら
の公知方法はかかる電磁鋼板の製造法として万全ではな
く、それぞれ何らかの問題を有している。
すなわち前記の(1)−の方法では、<100>軸の
集積度が低くかつ板厚精度、占積率の点で不充分であ
る。
また(1)−、(2)および(3)の方法で得られ
る組織は集積度を高めようとすると非常に大きな結晶粒
組織となり、異常渦電流損が増大してしまうとともに、
(1)−の方法では特殊な鋳造方法によるインゴット
を用い、(2)の方法では0.15mm以下という薄い板にし
か適用することができず、さらに(3)の方法では交叉
圧延という長尺の薄板には適用できない圧延方法によっ
ており、工業的には実用化が非常に困難である。
さらに(4)の方法では、板面垂直方向の<100>軸
密度はランダムなものの、高々3〜7倍程度であり、従
って磁気特性も不十分である。
以上のように、従来の電磁鋼板の製造法には様々な問
題があり、これらの問題の解決が望まれていたのであ
る。
ここに本発明の目的はこれらの問題を全て解決するこ
とができる電磁鋼板の製造法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決するため種々検討を重
ねた結果、冷間圧延電磁鋼板を弱酸化雰囲気中で焼鈍す
ると、まず弱脱炭反応が起こり、γ相または(α+γ)
相からα相へ変態するが、この際に板面に垂直方向に<
100>軸が強く配向すること、およびこの結晶組織を強
脱炭すれば板厚中心に向ってこの方位が成長することを
見い出した。
しかし工業的にこの高温での焼鈍を行う場合にはタイ
トコイルで焼鈍を行う必要があるが、この焼鈍時にタイ
トコイルの幅方向の中央部で脱炭が生じにくくなるた
め、<100>軸が均一に配向しないという問題が生じて
しまう。
そこで本発明者らはこれを防ぐ方法を検討した結果、
焼鈍前にタイトコイルに散布する焼鈍分離剤中に脱炭を
促進させる物質を混ぜておき、その後に焼鈍を行うこと
により、焼鈍時に脱炭が均一に進行し、板面に垂直方向
に<100>軸が強く配向することを見い出し、本発明を
完成した。
ここに本発明の要旨とするところは、重量%で C:0.02〜1%、Si+Al:0.2〜7%、 残部Feおよび不可避的不純物 からなる鋼組成を有する冷間圧延鋼板の表面に、Fe、T
i、V、Nb、Ta、Zr、Cr、W、Mo、Mn、Cu、Ni、およびP
bから成る群から選ばれた1種もしくは2種以上の元素
を有する合金または化合物を含有する焼鈍分離剤の粉末
を散布した後に、(α+γ)二相領域またはγ単相領域
の温度域で焼鈍し、さらにα単相となる温度域で C:0.01%以下 となるまで焼鈍することを特徴とする、電磁鋼板の製造
法である。
本発明の好適態様によれば、上記電磁鋼板はさらにM
n:5%以下含有していてもよい。
(作用) 以下、本発明を作用効果とともに詳述する。なお、本
明細書において、特にことわりがない限り「%」は「重
量%」を意味するものとする。
まず本発明にかかる電磁鋼板の製造法を略述すると次
のようになる。
すなわち前述のように、コイルの幅方向の中央部にお
いて脱炭が生じにくくなることを防止するために、脱炭
を進行させる目的で用いるアルミナおよび/またはマグ
ネシアなどに例示される焼鈍分離剤中に、後述する脱炭
を促進させる物質を混入して粉末とし、この粉末を冷間
圧延鋼板の表面に焼鈍前に散布しておく。
そして、この冷間圧延鋼板をコイルに巻き取る。
次に、後述するように炭素量を選定することによりγ
相領域を拡大した冷間圧延鋼板を、まず (α+γ)二相領域またはγ単相領域の温度域で焼鈍す
る。一般には800〜1200℃の温度域で真空中、もしくは
露点−20℃以下の不活性ガスにCOガス、CO2ガスおよびH
2ガスなどを混合した雰囲気中で焼鈍する。この焼鈍に
よって表面から5〜80mmの部分が脱炭され、α単相とな
る。内部は依然として(α+γ)二相またはγ単相のま
まである。
このような弱脱炭性の雰囲気中では、表面部分は容易
に脱炭されるが、表面から100μm以上まで脱炭するに
は、非常に多くの時間を要するので、表面のα結晶粒は
内部へはゆっくりとしか成長せず、板面内方向へと2次
元的に成長する。
このとき、板面に対し垂直方向に<100>軸を有する
結晶粒が優先的に成長し、表面のα単相領域は板面垂直
方向に<100>軸が強く配向した組織となる。この表面
のα結晶粒の直径は、30〜500μm程度であるが、集積
度は非常に高い。
続いて、このようにして弱脱炭性の雰囲気での焼鈍を
終えた冷間圧延鋼板を、強く脱炭の生じる温度、たとえ
ば露点が+30℃の水素中で600℃以上かつ脱炭後にα単
相となる温度でC:0.01%以下になるまで焼鈍すると、表
面のα結晶粒が内部の(α+セメンタイト)二相領域、
(α+γ)二相領域またはγ単相領域に向って成長しα
相の柱状粒組織となるが、この際表面で生成した{10
0}集合組織が内部にまで成長し、板面に垂直方向に<1
00>軸が強く配向するのである。
次に本発明において用いる冷間圧延鋼板の組成を限定
する理由について説明する。
C: γ相域を拡大し、(α+γ)→α変態またはγ→α変
態による集合組織の制御を行うために、後述する最終焼
鈍前の段階で0.02%以上、好ましくは、0.05%以上含有
することが有効である。上限は、脱炭時間を抑えるため
に1%以下、好ましくは0.3%以下とする。また最終焼
鈍後の段階では、磁気特性を劣化させないために0.01%
以下とし、好ましくは0.003%以下とする。
Si+Al: 鉄損低下のため電気抵抗値を増加し、かつ機械的強度
を高める目的でSi、Alは1種もしくは2種を総量で0.2
%以上添加する。一方、過剰に加えると磁束密度が低下
し、かつ脆化するため7%以下とする。
また所望により添加を行っても本発明の効果を減じな
い元素およびその量は、次の通りである。N≦0.05%、
Co≦1%、Ni≦2%、Mo≦1%、Cr≦1%、Cu≦1%、
S≦0.5%、P≦0.5%、As≦0.05%、Se≦0.05%、Sb≦
0.1%、B≦0.01%、Te≦0.1%、V≦0.05%、Ti≦0.05
%。
なお必要に応じてMnを添加することが有効である。
Mn: 電気抵抗を増大させ渦電流損を低下させるためと、γ
相域を拡大し(α+γ)またはγ→α変態による集合組
織制御を容易にするため添加することが好ましい。しか
し、あまり多量に加えると変態温度が過度に低下してし
まう。最終焼鈍の後期は、脱炭後α単相となる温度で焼
鈍する必要上この焼鈍温度をあまり低下させないため
に、脱炭後のα相から(α+γ)相への変態温度が800
℃以上となるよう添加する。しかしあまり過剰に加える
と磁束密度が低下するため、5%以下とすることが好ま
しい。具体的に添加できるMn量は、α相域拡大元素であ
るSiおよびAlの含有量に関係するが、(Si+Al)を2%
含有する場合はおよそ3.5%以下、(Si+Al)を3%含
有する場合はおよそ5%以下である。
冷間圧延鋼板の、上記以外の成分はFeおよび不可避的
不純物である。
また本発明において用いる冷間圧延鋼板は、冷間圧延
を施したものであればよく特に制限を必要としない。こ
こで冷間圧延とは再結晶の生じない500℃以下の温度で
の圧延をいう。冷間圧延に際しては、好ましくは20%以
上、より好ましくは50%以上の圧下率の圧延を行うこと
が良い。また中間焼鈍をはさんで複数回圧延しても良
い。板厚は本質的に制限はないが、実用上の見地からは
脱炭に長時間を要するので2mm以下であることが好まし
い。
次に本発明における焼鈍の条件について詳述する。
(1)第1段目の焼鈍 脱炭前に(α+γ)の二相混合状態もしくはγ相単相
の状態で、脱炭された場合にα単相となる温度で行う。
このときの雰囲気は、板表面から5〜80μm程度の深さ
の領域が脱炭され、α単相となりそれ以上内部まで脱炭
が進行し難い、弱脱炭性の雰囲気であることが好まし
い。均熱時間は、組成、温度、雰囲気により決まる。
このような遅い脱炭によって(α+γ)相あるいはγ
相からα相へとゆっくりと変態させ、かつ板面と平行な
方向へとα結晶粒を成長させると、板面に対し垂直な方
向に<100>軸を有するα結晶粒が選択的に生成、成長
する。
(2)第2段目の焼鈍 600℃以上の温度でかつ、脱炭後α単相となる温度で
行う。このときの雰囲気は、内部まで脱炭が進行する強
脱炭性の雰囲気である。
上述の第1段目、第2段目の焼鈍は連続して行っても
良く、特に板厚の薄い場合は、第2段目の焼鈍を省略す
ることもできる。
また第1段目の焼鈍後冷間圧延鋼板の表面に絶縁コー
ティングを施し、その後第2段目の焼鈍を行っても良
い。
次に本発明における焼鈍雰囲気について説明する。
前記第1段目の焼鈍の雰囲気としては次のいずれかを
用いることが望ましい。
(1)1torr以下の真空: 1torr以下の真空であれば、弱脱炭性で弱酸化性の雰
囲気が得られる。さらに工業的に達成可能な限り低真空
でもよい。
(2)露点−70℃以上、−20℃以下の不活性ガス、COガ
ス、CO2ガスおよびH2ガスの1種もしくは2種以上から
なる雰囲気: さらに前記第2段目の焼鈍雰囲気としては、脱炭速度
を大きくするため露点−20℃以上の不活性ガスおよびH2
ガスの1種もしくは2種以上からなる雰囲気を用いる。
但し、浸炭しない範囲でCOガスまたはCO2ガスを含有し
ていても良い。
また脱炭を促進させる物質として、Fe、Ti、V、Nb、
Ta、Zr、Cr、W、Mo、Mn、Cu、Ni、およびPbから成る群
から選んだ1種もしくは2種以上の元素を含んだ合金ま
たは化合物を含有する焼鈍分離剤の粉末を用いてもよ
い。
これらの物質による脱炭の進行過程は次のように表わ
される。
即ち、Cとの親和力の比較的高いFe、Ti、V、Nb、T
a、Zr、Cr、W、Mo、Mnおよびそれらから成る合金にお
いては、Tiの場合を例にとれば、次のような反応によ
り、脱炭が進行する。
式(1)、(2)より、総括的には、式(3)のような
形態で反応が進行する。
C(母材中)+Ti(分離剤中)=TiC・・・(3) また、Cとの親和力が比較的低いCu、Ni、Pb、Fe、Mn
などは酸化物の形で脱炭に寄与する。Fe2O3を例にとれ
ば、 式(4)、(5)より、総括的には、式(6)のような
形態で反応が進行する。
以上詳述してきた本発明にかかる電磁鋼板の製造補に
より、板面に対して垂直方向に<100>軸が高度に集積
した低鉄損で高磁束密度を有する電磁鋼板を製造するこ
とが可能となる。
さらに本発明を実施例を用いて詳述するが、これは本
発明の例示でありこれにより本発明が不当に制限される
ものではない。
実施例1 第1表に示すBの組成を有する鋼を真空溶製し、イン
ゴットを作製した後、3mmの厚さまで熱間圧延し、その
後0.5mmの厚さまで冷間圧延した。
そして冷間圧延鋼板を10cm角に切断しこれらを3枚積
み重ね、一方の層間にはAl2O3の粉末を、もう一方の層
間にはAl2O3の粉末とFeの粉末の混合物を、それぞれ焼
鈍分離材として充填した後、一段目焼鈍として10-5torr
の真空中で950℃にて3時間焼鈍を行い、その後積み重
ねられた3枚の板のうちの真中の1枚を取り出し、板の
両面について<100>軸密度を調査した。
<100>軸密度は、ECP(Electron Channel Pattern)
法により、試験片の各部に200個の結晶粒を測定し、板
面垂直方向から±5°以内に<100>軸を有する結晶粒
の数の全体に対する比率を、配向性のない場合との比率
で割った値とした。
結果を第1図および第2図に示す。
第1図に焼鈍分離剤の違いによる<100>軸密度の変
化を板のエッジからの距離を様々に変えて示している。
第1図より焼鈍分離剤中にFeが含まれている場合は、板
のエッジに近い部分もエッジから最も離れた中心の5cm
の付近でも<100>軸密度はそれほど変わらずオープン
に近い軸密度であるのに対し、焼鈍分離材中にFeが含ま
れていない場合には、板の中心に近づくにつれて<100
>軸密度は低下していき、中心の5cmの部分では、わず
か2倍程度になっていることがわかる。
第2図に板の中心部分の断面の金属組織の写真を示す
が、焼鈍分離材中にFeが含まれている場合は、表層部か
ら50μmの脱炭による柱状粒の生成が認められるが、Fe
が含まれていない場合には柱状粒の生成は認められな
い。すなわちFeが含まれていない場合に<100>軸密度
が低かったのは脱炭が起こらなかったためであり、この
場合のFeの役割は鋼中のCの脱炭を促進することであ
る。
実施例2 第1表に示す鋼を真空溶製しインゴットを作製した
後、3mmの厚さまで熱間圧延しさらに0.5mmの厚さまで冷
間圧延した。その後第2表に示す条件で1段目および2
段目の焼鈍を行った。
この試料について中央部の断面光学顕微鏡観察による
結晶粒組織の状態および<100>軸密度につき調査し
た。なお<100>軸密度は、ECP法によった。結果を第2
表に示す。
本発明にかかる方法により集積度の高い{100}面集
合組織が形成されていることが明らかである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明により優れた
磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を工業的規模で生産
することが可能となった。
かかる効果を有する本発明の意義は著しい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、焼鈍分離剤の違いによる<100>軸密度の変
化を表わすグラフ;および 第2図は、本発明に係る電磁鋼板の断面の金属組織の写
真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で C:0.02〜1%、Si+Al:0.2〜7%、 残部Feおよび不可避的不純物 からなる鋼組成を有する冷間圧延鋼板の表面に、Fe、T
    i、V、Nb、Ta、Zr、Cr、W、Mo、Mn、Cu、Ni、およびP
    bから成る群から選ばれた1種もしくは2種以上の元素
    を有する合金または化合物を含有する焼鈍分離剤の粉末
    を散布した後に、(α+γ)二相領域またはγ単相領域
    の温度域で焼鈍し、さらにα単相となる温度域で C:0.01%以下 となるまで焼鈍することを特徴とする、電磁鋼板の製造
    法。
  2. 【請求項2】前記冷間圧延鋼板が、さらに、重量%でM
    n:5%以下を含有する請求項(1)記載の電磁鋼板の製
    造法。
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