JPH0825892B2 - 抗ウイルス剤 - Google Patents

抗ウイルス剤

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JPH0825892B2
JPH0825892B2 JP62152086A JP15208687A JPH0825892B2 JP H0825892 B2 JPH0825892 B2 JP H0825892B2 JP 62152086 A JP62152086 A JP 62152086A JP 15208687 A JP15208687 A JP 15208687A JP H0825892 B2 JPH0825892 B2 JP H0825892B2
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成明 武藤
浩一 新村
稔 大原
義春 小口
謙一 松永
国孝 広瀬
淳二 角地
教文 杉田
孝雄 古荘
親雄 吉汲
正明 高橋
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、海草類特に褐藻類より採取した多糖体又は
蛋白多糖体、および該多糖体又は蛋白多糖体(以下本物
質と略称する)を有効活性成分とする抗ウイルス剤、特
に抗レトロウイルス剤、就中抗エイズウイルス剤に関す
る。
近年、AIDS(Acquired immunodeficiency Syndrome)
といわれる一連の後天性免疫不全症候群が患者を死に至
らしめる重篤な病気として注目され、それに対する有効
な治療薬が渇望されている。現在、唯一のAIDS治療薬と
しては核酸誘導体の1つである3′−azido−3′−deo
xy thymidine(AZT)が知られているのみである。この
病気の原因はレトロウイルスの一種であるHIV(Human I
mmunodeficiency Virus)がヒトのT4リンパ系細胞に吸
着することによって感染が始まり、他のリンパ系細胞に
次々に感染して免疫系を破壊することによって起こるこ
とが既に研究されている。本発明者らは、すでに免疫系
に対してBRM(Biological Response Modifier)の働き
をする多くの蛋白多糖体を見出している。このBRMの働
きをする多糖体又は蛋白多糖体が免疫系に及ぼす影響が
大きいことに注目して鋭意検討を重ねた結果、海草類の
中で褐藻類に分類されている植物から抽出される物質に
HIVのヒト由来リンパ系細胞への吸着阻害活性、及びHIV
の増殖過程に必須の酵素であるRTase(逆転写酵素)阻
害活性があることを見出して本発明を完成させた。以下
に詳しく実施例をあげて説明をする。
海草は大きく分類すると褐藻類,紅藻類,緑藻類と3
つに分けることが出来るが、本発明にかかわっているの
は褐藻類に属するものである。すなわち、褐藻類は山田
幸男、瀬川宗吉共著「原色日本海藻図鑑」(保育社)昭
和46年6月1日発行およびその「増補版」昭和52年7月
1日発行に従えば、しおみどろ目、くろがしら目、むち
も目、あみじぐさ目、ながまつも目、けやりも目、うる
しぐさ目、はばもどき目、ういきょうも目、こんぶ目、
ひばまた目とさらに分けることが出来るが、好ましくは
もずく属、とろろこんぶ属、こんぶ属、わかめ属、ひじ
き属が好ましい。驚くべきことに、これらの海藻からの
抽出物がHIVの吸着阻害活性、逆転写酵素阻害活性を有
することを見出した。本発明は、褐藻類の中でしおみど
ろ目、くろがしら目、むちも目、あみじぐさ目、ながま
つも目、けやりも目、うるしぐさ目、はばもどき目、う
いきょう目、こんぶ目、ひばまた目から選択される海草
の乾燥物あるいはそのまま(原体)から抽出される本物
質を有効成分とする抗ウイルス剤に関するものである。
本物質は、褐藻植物のしおみどろ目、くろがしら目、
むちも目、あまじぐさ目、ながまつも目、けやりも目、
うるしぐさ目、はばもどき目、ういきょうも目、こんぶ
目、ひばまた目から選択される海草を水系溶媒で抽出す
ることによって得られる。
抽出に際して用いる水系溶媒とは水又は水に可溶な有
機溶媒、酸、塩基又は塩のいずれかを少量、例えば10%
程度以下含有する水溶液から選択される1種又は2種以
上の組合せよりなるものである。有機溶媒としてはメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが主
として用いられる。酸としては、塩酸、硫酸、酢酸など
である。塩基としてはアンモニヤ、苛性ソーダ、苛性カ
リ、炭酸ソーダなどである。
抽出は原料(乾燥基準)に対して5倍乃至200倍量の
抽出液を使用し、通常は4℃乃至120℃で20分乃至20時
間処理するものである。
精製処理工程とは、塩析、透析、限外濾過、逆滲透処
理、ゲル濾過、有機溶媒による沈澱処理などの1種又は
2種以上の方法の適用により低分子物を除去することを
意味するものである。工学的には加圧による膜分離法で
ある限外濾過法、逆滲透処理法の単独又は組合せが特に
好ましい。又場合により塩析工程後これらの処理を行っ
てもよい。
塩析工程に用いる塩析剤は硫安、食塩、塩化カリ、炭
酸バリウム等であるが、硫安の使用が最も好ましい。又
塩析工程の後処理として透析、限外濾過、ゲル濾過、逆
滲透処理等のいずれか1つ又はこれらの2以上の工程の
組合せが必要である。
透析は通常セロファン膜、コロジオン膜などの半透膜
を用いて実施されるものである。ゲル濾過はデキストラ
ン又はポリアクリルアミドゲルなどを充填したカラムを
用いて実施する。セファデックス、バイオゲルの名称で
販売せられている充填剤が通常用いられる。
限外濾過、逆滲透圧法はいずれも加圧下で膜を用いて
分画する方法である。前者は0.5〜5Kg/cm2、後者は20〜
35Kg/cm2で行うのが通常である。
有機溶媒による沈澱法はメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトンなどを用いるのが一般的であ
る。又、上記操作に加えて必要に応じイオン交換処理を
行っても良い。
上記精製操作が終った後は噴霧乾燥、凍結乾燥などで
水分を除去した後製品化するものである。
尚本物質をアルカリ性水溶液で処理すると、驚くべき
ことには抗ウイルス効果が増強されるので更に好まし
い。本物質を5倍乃至200倍量の0.01N乃至5N好ましくは
0.1乃至2Nのアルカリ性水溶液で、40℃乃至250℃、好ま
しくは60℃乃至200℃最も好ましくは100℃乃至150℃
で、5分乃至2時間好ましくは10分乃至1時間処理す
る。次に該処理液を中和し、精製処理工程を行なう。精
製処理工程は前記の塩析、透析、限外濾過、逆滲透処
理、ゲル濾過、有機溶媒による沈澱処理などの1種又は
2種以上の方法の適用により行なうことが出来る。条件
は前記と同じである。この精製操作が終った後は、噴霧
乾燥、凍結乾燥などで水分を除去した後製品化する。
また、本物質をジエチルアミノエチル(DEAE)−セル
ロース等のイオン交換セルロース等を用いたクロマトグ
ラフィーで更に精製を行い、その吸着物質を塩、アルカ
リ等で溶出させると抗ウイルス効果が強いものが得られ
るのでより好ましい。
本物質はα−ナフトール硫酸反応、インドール硫酸反
応、アンスロン硫酸反応、フェノール硫酸反応及び又は
ローリィ−フォーリン法、塩酸加水分解後のニンヒドリ
ン反応で陽性又は微陽性を示す。元素分析の結果、炭素
20〜55%、水素3〜9%、窒素16%未満を主成分として
含有する。
pHは6.0〜7.5を示す。
本物質の糖成分は少なくともグルコース、グルクロン
酸を含み、蛋白成分としては少なくともアスパラギン
酸、グルタミン酸、グリジンを含有する。
赤外線吸収スペクトルを測定すると、3600〜3200cm-1
付近に水酸基の吸収及び又は1700〜1600cm-1付近にアミ
ド基に由来する吸収を認めることが出来た。
本物質は水系溶媒に可溶で、有機溶媒に不溶である。
水系溶媒は水又は水を主体として水に可溶のアルコー
ル、酸、塩基等を含むものであり、有機溶媒はクロロホ
ルム、ベンゼン、エーテル等を言う。
本物質は白色又は褐色で分子量はゲル濾過クロマトグ
ラフィーにより103〜3×106である。
ラット(呑竜系)4〜5週令、体重100〜150gのもの
を用い、本物質を1000mg/Kg経口投与し、7日間観察を
行ったが全匹生存していた。
本物質はその毒性が極めて低く且つ副作用も殆んど生
起しないなど安全な物質である。
一般にウイルスは、標的細胞に吸着し、ウイルスの核
酸が細胞内に注入され、さらに細胞のゲノムにインテグ
レートされる過程を経てウイルスが複製されることが知
られている。また、特にレトロウイルスについては、細
胞のゲノムにインテグレートされる前に、ウイルス由来
の核酸であるRNAから、逆転写酵素の作用によってDNAに
転写される過程が必要である。本発明者等は、本物質が
HIVのヒト由来リンパ系細胞への吸着および、それに引
き続く感染を阻害すること、および、逆転写酵素活性を
阻害することを見出した。すなわち、HIVを50〜1000μg
/mlの濃度の本物質で0℃にて2時間処理した後HIVを洗
浄し、MT−4細胞に加えて吸着させ、3日間培養後のHI
V抗原陽性細胞を測定する方法にて、本物質の効果を検
討したところ、本物質による前処理により、HIV抗原陽
性細胞がほとんど消失し、HIVのヒト由来リンパ系細胞
に対する強い吸着阻害効果が認められた。一方、本物質
の逆転写酵素活性に及ぼす影響をラット肝臓全メッセン
ジャーRNAを鋳型として測定したところ、本物質500μg/
mlの添加により強い逆転写酵素活性の阻害がみられた。
これらのことは、本物質がウイルスの感染を阻害する
作用をもつこと、特に逆転写酵素をもつレトロウイルス
の感染を阻害すること、就中、HIV感染によって引き起
こされるAIDSに有効であることを示すものである。
抗ウイルス剤としてすでに使用されているAZTの場
合、正常細胞に対しても***阻害作用を示す副作用がみ
られるが、本物質は急性毒性も極めて低く、安全な物質
であり、ウイルス感染、特にレトロウイルス感染を阻害
する作用を示すことにより抗ウイルス剤として有用であ
る。即ちウイルス感染症、特にレトロウイルス感染症、
就中AIDSに有効である。
本物質は、抗ウイルス剤として用いる場合、任意の剤
型にすることができる。又、投与も各経路で行なわれ
る。更に本発明の薬剤は、ウイルス剤として用いられて
いる前記のAZTなどとの併用においても効力を減ずるこ
とがなく、これら他の薬剤との併用は有効な手段として
使用し得る。
経口投与の場合には、それに適用される錠剤、顆粒
剤、散剤、カプセル剤などは、それらの組成物中に製剤
上一般に使用される結合剤、包含剤、賦形剤、潤滑剤、
崩壊剤、湿潤剤のような添加物を含有していてもよく、
又経口用液体製剤として用いる場合は、内用水剤、振盪
合剤、懸濁液剤、乳剤、シロップ剤の形態であってもよ
く、又使用する前に再溶解させる乾燥生成物の形態であ
ってもよい。さらに、このような液体製剤は普通用いら
れる添加剤、保存剤のいずれを含有してもよい。注射用
の場合には、その組成物は安定剤、緩衝剤、保存剤、等
張化剤などの添加剤を含んでいてもよく、単位投与量ア
ンプル、又は多投与量容器中で提供される。なお、上記
組成物は水溶液、懸濁液、溶液、油性または水性ビヒク
ル中の乳液のような形態であってもよく、一方活性成分
は使用する前に適当なビヒクルたとえば発熱物質不含の
滅菌した水で再溶解させる粉末であってもよい。
本発明の抗ウイルス剤は人間及び動物に経口的または
非経口的に投与される。経口的投与は舌下投与を包含す
る。非経口的投与は注射例えば皮下、筋肉、静脈注射、
点滴などを含む。本発明の抗ウイルス剤の投与量は動物
か人間により、また年齢、個人差、病状などに影響され
るので、場合によっては下記範囲外の量を投与する場合
も生ずるが、一般に人間を対象とする場合、本物質の経
口投与量は体重1Kg、1日当り0.1〜1000mg、好ましくは
1〜100mgを1回から3回に分けて投与する。
以下、実施例を示す。
実施例 1 褐藻類の中のながまつも目もずく科内もずく属から選
択されたもずくの乾燥物100gを細片化し、容量3のス
テンレス製タンクに入れ、2000mlの水を加えて攪拌しつ
つ温度を90℃〜95℃に保った。約3時間抽出したのち、
室温まで冷却した。
抽出スラリーを遠心分離機により抽出液と残渣とに分
離する。更に残渣に0.4N−NaOH2000mlを加えて90〜95℃
にて3時間抽出したのち、室温まで冷却し、2N−HClでp
Hを7.0に調整後遠心分離し、抽出液と残渣に分離した。
抽出液は合し、減圧濃縮装置により400mlまで濃縮
し、限外濾過装置を用いて脱塩後凍結乾燥により乾燥
し、21gの乾燥物(A)を得た。
実施例 2 褐藻類の中のこんぶ目こんぶ科内とろろこんぶ属から
選択されたとろろこんぶの乾燥物100gを細片化し、容量
3のステンレス製タンクに入れ、2000mlの水を加えて
攪拌しつつ温度を90℃〜95℃に保った。約3時間抽出し
たのち、室温まで冷却した。
抽出スラリーを遠心分離機により抽出液と残渣とに分
離した。更に残渣に0.4N−NaOH2000mlを加えて90〜95℃
にて3時間抽出したのち、室温まで冷却し、2N−HClでp
Hを7.0に調整後遠心分離し、抽出液と残渣に分離した。
抽出液は合し、減圧濃縮装置により400mlまで濃縮
し、限外濾過装置を用いて脱塩後凍結乾燥により乾燥
し、23gの乾燥物(B)を得た。
実施例 3 褐藻類の中のこんぶ目こんぶ科内こんぶ属から選択さ
れたまこんぶの乾燥物100gを細片化し、容量3のステ
ンレス製タンクに入れ、2000mlの水を加えて攪拌しつつ
温度を90〜95℃に保った。約3時間抽出したのち、室温
まで冷却した。
抽出スラリーを遠心分離機により抽出液と残渣とに分
離した。更に残渣に0.4N−NaOH2000mlを加えて90〜95℃
にて3時間抽出したのち、室温まで冷却し、2N−HClでp
Hを7.0に調整後遠心分離し、抽出液と残渣に分離した。
抽出液は合し、減圧濃縮装置により400mlまで濃縮
し、限外濾過装置を用いて脱塩後凍結乾燥により乾燥
し、20gの乾燥物(C)を得た。
実施例 4 褐藻類の中のこんぶ目こんぶ科内わかめ属から選択さ
れたわかめの乾燥物100gを細片化し、容量3のステン
レス製タンクに入れ、2000mlの水を加えて攪拌しつつ温
度を90〜95℃に保った。約3時間抽出したのち、室温ま
で冷却した。
抽出スラリーを遠心分離機により抽出液と残渣とに分
離した。更に残渣に0.4N−NaOH2000mlを加えて90〜95℃
にて3時間抽出したのち、室温まで冷却し、2N−HClでp
Hを7.0に調整後遠心分離し、抽出液と残渣に分離した。
抽出液は合し、減圧濃縮装置により400mlまで濃縮
し、限外濾過装置を用いて脱塩後凍結乾燥により乾燥
し、18gの乾燥物(D)を得た。
実施例 5 褐藻類の中のひばまた目ほんだわら科内ひじき属から
選択されたひじきの乾燥物100gを細片化し、容量3の
ステンレス製タンクに入れ、2000mlの水を加えて攪拌し
つつ温度を90〜95℃に保った。約3時間抽出したのち、
室温まで冷却した。
ひじき抽出スラリーを遠心分離機により抽出液と残渣
とに分離した。
抽出液は、減圧濃縮装置により400mlまで濃縮し、凍
結乾燥により乾燥し、20gの乾燥物(E−1)を得た。
実施例 6 ひじきの乾燥物100gを細片化し、容量3のステンレ
ス製タンクに入れ、2000mlの水を加えて攪拌しつつ温度
を90〜95℃に保った。約3時間抽出したのち、室温まで
冷却した。
抽出スラリーを遠心分離機により抽出液と残渣とに分
離した。更に残渣に0.4N−NaOH2000mlを加えて90〜95℃
にて3時間抽出したのち、室温まで冷却し、2N−HClでp
Hを7.0に調整後遠心分離し、抽出液と残渣に分離した。
抽出液は合し、減圧濃縮装置により400mlまで濃縮
し、限外濾過装置を用いて脱塩後凍結乾燥により乾燥
し、25gの乾燥物(E−2)を得た。
実施例 7 実施例5で得られたひじきの熱抽出物20gを1N−NaOH
水溶液に溶解させ、120℃で20分間加熱処理を行った。
次いで室温にまで冷却した後、処理液を2N−HClにてpH
を7.0に調整した後、限外濾過装置を用いて脱塩を行な
い、凍結乾燥により乾燥して19gのアルカリ処理物(E
−3)を得た。
各種褐藻類より新しく抽出された物質の物理化学的性
質を示しているのが表−1の一覧である。本表におい
て、フェノール硫酸呈色反応は糖類の存在を表わし、ロ
ーリィ−フォーリン法はペプチド結合の存在を示してい
る。分子量についてはゲル濾過法によって平均的に多く
存在する画分を記載した。
実施例 8 実施例1〜7で得られた物質について、レトロウイル
スが特異的に保持する逆転写酵素の阻害度を以下の方法
により測定した。
本物質はすべて凍結乾燥品10mgを滅菌蒸留水10mlに溶
解した(濃度:1mg/ml)。
1μの20mM D.T.T.(ジチオスレイトール:シグマ
社製)、5μの5倍濃度酵素反応液(250mM Tris−HC
l(pH8.3)−250mM KCl−40mM MgCl2)、1μの3d NT
P溶液(1mM dATP−1mM dGTP−1mM dTTP:シグマ社製)、
2μの100μg/mlオリゴ(dT)12〜18(PL−biochemic
als社)、1μのメッセンジャーRNA(正常ラット肝臓
由来:1μg/μ)、0.5μのRNase Inhitor(16unit/
μ:宝酒造社製)と1μの[α−32P]dCTP(〜800
Ci/mmol,10μCi/μ:アマシャムジャパン社製)を1.5
ml容量のエッペンドルフチューブに加え、37℃ウォータ
ーバス中においた。
5分後、先に調製した1mg/ml濃度の本物質12.5μを
反応チューブに添加し、更に1μの逆転写酵素(7ユ
ニット/μ:宝酒造社製、Rousassociated virus由
来)を加え、最終反応液量を25μとして、37℃で反応
させた。
1時間後5μの反応液を2cm×2cmのDEAE紙(東洋濾
紙社製)にしみこませ、風乾後、濾紙1枚あたり10mlの
0.5M−Na2HPO4水溶液に浸し、振盪しながら濾紙上のDNA
合成に使用されなかった[α−32P]dCTPを洗浄した
(この操作を5分間おきに5回実施した)。
その後10mlの液体シンチレーションカクテル(アマシ
ャムジャパン社製)の入っているガラスバイヤル瓶に上
記DEAE紙を入れ、シンチレーションカウンター(アロカ
社製)にて1分間放射活性(c.p.m.)をカウントした。
逆転写酵素活性阻害率(%)は以下の式により求め
た。
Co:本物質非添加の放射活性 Cs:本物質添加の放射活性 各本物質の逆転写酵素(RTase)活性阻害率を表−1
に示す。
褐藻類の中の代表としてもずく抽出物(A),とろろ
こんぶ抽出物(B),こんぶ抽出物(C),わかめ抽出
物(D),ひじき抽出物(E−1,E−2,E−3)を選び、
各本物質の逆転写酵素活性阻害率を表−1に示した。
実施例 9 本物質によるHIV(AIDSウイルス)のヒトリンパ球へ
の吸着阻害は以下の方法により実施した(尚、すべての
操作は無菌条件下で行なった)。
HIV浮遊液1mlと本物質溶液(800μg/ml)1mlを試験管
に入れ、氷中に静置した。2時間後試験管から1mlのウ
イルス浮遊液をとり、ヒトリンパ球由来細胞株MT−4
[Jpn.J.Cancer Res.(Gann),28,219−229(1982)]
に多重感染度(M.O.I.)≒2でウイルスを吸着させた。
遠心(毎分2,000回転,10分間)後、上澄液をすて沈澱し
たMT−4細胞を20%FCSを含むRPMI1640(Gibco Laborat
ories,NY)中に、細胞濃度2×105/mlになるように浮遊
させた。
96穴プレートに上記MT−4細胞浮遊液を100μずつ
分注して、5%CO2、37℃の条件下で培養した。培養3
日目に間接蛍光抗体法によりHIV吸着細胞と非吸着細胞
を算出した。
HIV吸着阻害率(%)を次式で求めた。
結果を表−1に示した。
実施例 10 圧力式自動充填機を用い、0号硬カプセルに実施例1
の本物質を330mg充填し、カプセルを作製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 国孝 東京都新宿区百人町3−26−1 (72)発明者 角地 淳二 東京都世田谷区南烏山6−16−31−406 (72)発明者 杉田 教文 東京都文京区春日2の10の13の402 (72)発明者 古荘 孝雄 東京都町田市旭町1−6−13 (72)発明者 吉汲 親雄 東京都国立市東2−19−46 (72)発明者 高橋 正明 東京都港区高輪1−5−33−314

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海草類の中の褐藻類より生産した多糖体又
    は蛋白多糖体を有効成分とする抗ウイルス剤。
  2. 【請求項2】褐藻類は、しおみどろ目、くろがしら目、
    むちも目、あみじぐさ目、ながまつも目、けやりも目、
    うるしぐさ目、はばもどき目、ういきゃうも目、こんぶ
    目、ひばまた目から選ばれる特許請求の範囲第1項に記
    載の抗ウイルス剤。
  3. 【請求項3】褐藻植物の目内では、ながまつも目内もず
    く科、こんぶ目内こんぶ科、ひばまた目内ほんだわら科
    に属するすべての海草から選ばれる特許請求の範囲第2
    項に記載の抗ウィルス剤。
  4. 【請求項4】もずく属、とろろこんぶ属、こんぶ属、わ
    かめ属、ひじき属より選ばれる特許請求の範囲第3項に
    記載の抗ウイルス剤。
  5. 【請求項5】α−ナフトール硫酸反応、インドール硫酸
    反応、アンスロン硫酸反応、フェノール硫酸反応及び又
    はローリィ−フォーリン法、塩酸加水分解後のニンヒド
    ロリン反応で陽性または微陽性を示し、元素分析値とし
    て炭素20〜55%、水素3〜9%、窒素16%未満を主成分
    として含有し、pHは6.0〜7.5を示し、糖成分として少な
    くともグルコース、グルクロン酸を含み、蛋白成分とし
    て少なくともアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン
    を含有し、3600〜3200cm-1付近に水酸基の赤外線吸収ス
    ペクトルの吸収及び又は1700〜1600cm-1付近にアミド基
    に由来する赤外線吸収スペクトルの吸収を有し、水系溶
    媒に可溶で、有機溶媒に不溶であり、白色又は褐色で分
    子量はゲル濾過クロマトグラフィーにより103〜3×106
    である、特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記
    載の抗ウイルス剤。
  6. 【請求項6】抗レトロウイルス剤であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の抗ウイルス剤。
  7. 【請求項7】抗エイズウイルス剤であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の抗ウイルス剤。
JP62152086A 1987-06-18 1987-06-18 抗ウイルス剤 Expired - Lifetime JPH0825892B2 (ja)

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