JPH08253188A - 自転車の後輪懸架装置 - Google Patents

自転車の後輪懸架装置

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Publication number
JPH08253188A
JPH08253188A JP5714795A JP5714795A JPH08253188A JP H08253188 A JPH08253188 A JP H08253188A JP 5714795 A JP5714795 A JP 5714795A JP 5714795 A JP5714795 A JP 5714795A JP H08253188 A JPH08253188 A JP H08253188A
Authority
JP
Japan
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shock absorber
rear wheel
bicycle
wheel suspension
main frame
Prior art date
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Pending
Application number
JP5714795A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nagase
猛 長瀬
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Priority to TW084104027A priority patent/TW340822B/zh
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体の低重心化を図れ、かつ小型で緩衝器に
泥水などがかかり難い自転車用後輪懸架装置を得る。 【構成】 メインフレーム7に上下揺動自在に連結した
リヤアーム9にクランク軸17を回転自在に支持させ
る。リヤアーム9のクランク軸受部を後側ダウンチュー
ブ5の管体部14の下方に位置づける。前記クランク軸
受部と前記管体部14の中心線との間に緩衝器26を略
水平状態で配置する。この緩衝器26の前端部を、枢支
部分を前側から覆うメインフレーム側ブラケット15に
枢支させ、後端部をリヤアーム9にリンク機構25を介
して連結した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自転車の後輪を上下揺
動自在に支持する自転車の後輪懸架装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、自転車としては悪路を走行し易く
するために後輪懸架装置を備えたものがある。この種の
後輪懸架装置は、例えば特開平6−107264号公報
に開示されたように、後輪を回転自在に支持するチェー
ンステーやシートステーなどからなるリヤアームを、ト
ップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブなどか
らなるメインフレームに上下揺動自在に連結し、このリ
ヤアームとメインフレームとの間にコイルスプリングを
有する緩衝器を介装した構造になっていた。また、前記
リヤアームの揺動軸部分は、メインフレームのクランク
軸支持用ハンガーブラケットに突設したリヤアーム用ブ
ラケットに、車幅方向へ向けられた支軸を介してチェー
ンステーの前端部を枢支させる構造になっていた。
【0003】前記緩衝器は、シートチューブの前方であ
ってダウンチューブの上方となる部位にシートチューブ
に沿わせて配置され、下端部がダウンチューブに緩衝器
用ブラケットを介して枢支され、上端部がリンク機構を
介してリヤアームのシートステーに連結されていた。こ
のリンク機構は、シートチューブの左右両側方に配置し
た左右一対のリンクを2種類直列に連結した構造になっ
ており、シートステーの前端が略上方に移動することに
よって緩衝器を収縮させるように構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うに構成された自転車の後輪懸架装置では、緩衝器がシ
ートチューブの前面近傍であってダウンチューブの上方
にその軸線を略上下方向に向けて配置されていることに
起因して下記の問題があった。
【0005】第1に、重量物である緩衝器がダウンチュ
ーブの上方となる高位置に配置されていることと、緩衝
器の上端部がリンク機構を介してシートステーの前端
(上端)に連結されて緩衝器より上方に多くの部材が存
在することから、車体重心が高くなってしまう。このた
め、この後輪懸架装置を備えた自転車は取り回し難いも
のであった。
【0006】第2に、前記後輪懸架装置は、チェーンス
テーを有する下部と、リンク機構およびシートステーな
どを有する上部とから構成され後輪懸架装置用構成部品
が車体の上下に広く分散してしまうため、大型になって
しまう。特に、リンク機構は、シートチューブを前後に
横切る関係から各リンクをシートチューブの側方に延在
させなければならず、車幅方向に大型化してしまう。
【0007】第3に、緩衝器はメインフレームの管体同
士の間の空間に配設されてはいるものの露出しているの
で、前輪によって跳上げられた泥水などがかかり易い。
【0008】上述したような問題点は、例えば特開昭5
4−108325号公報に示されたように、緩衝器を略
水平状態としてダウンチューブ内に装填することによっ
て解消することができる。この公報に開示された自転車
の後輪懸架装置は、リヤアームがダウンチューブの下部
と略同じ高さとなる部位で車体前後方向に延在するよう
に形成され、その前端部がダウンチューブのリヤアーム
用ブラケットに上下揺動自在に支持されていた。なお、
このリヤアームはクランク軸をリヤアームの揺動軸と同
軸上で回転自在に支持する構造になっていた。
【0009】そして、車体前後方向に沿って略水平に延
在されたダウンチューブの下部内に、緩衝器がダウンチ
ューブの後側開口からその後端部を突出させた状態で装
着されていた。緩衝器の前端部はダウンチューブに設け
た支軸に枢支され、後端部はダウンチューブの後方近傍
でリヤアームの上方延在部に連結されていた。
【0010】すなわち、この公報に示された後輪懸架装
置によれば、リヤアームおよび緩衝器などが車体の下部
のみに配設されることから低重心化および小型化を図る
ことができ、緩衝器の大部分がダウンチューブによって
覆われることから、前輪によってはね上げられた泥水な
どがかかり難くなる。
【0011】しかしながら、この後輪懸架装置はリヤア
ームを大きく揺動させることができないという問題があ
った。これは、緩衝器がダウンチューブ内に挿入されて
おりその揺動角度がダウンチューブによって制約を受け
るからである。詳述すると、ダウンチューブ内で略水平
状態に配置した緩衝器の後端部にリヤアームを連結した
場合、リヤアームとともに緩衝器がその前側枢支部を中
心に上下に揺動するが、リヤアームは緩衝器がダウンチ
ューブの内面に当たるまでしか揺動することができない
からである。
【0012】また、緩衝器をダウンチューブ内に挿入す
る構成を採ったのでは、緩衝器に使用するコイルスプリ
ングの外径がダウンチューブの内径によって制限されて
しまうので、緩衝器を設計する上での自由度が低くなっ
てしまう。これとともに、緩衝器の前端部を支承するた
めの部材と、リヤアームをメインフレームに連結するた
めのリヤアーム用ブラケットとの両方をメインフレーム
に高い位置精度をもって設置しなればならないという製
造上の問題もあった。
【0013】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、車体の低重心化を図ることができ、
かつ小型でしかも緩衝器に泥水などがかかり難い自転車
用後輪懸架装置を、リヤアームの揺動角度、緩衝器の設
計自由度および枢支部分の位置精度に関する問題を解消
しつつ得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る自転車
の後輪懸架装置は、リヤアームにクランク軸を回転自在
に支持させてこのクランク軸受部をダウンチューブの下
方に位置づけ、前記クランク軸受部とダウンチューブの
中心線との間に緩衝器を略水平状態で配置し、この緩衝
器の前端部をメインフレームに枢支させるとともに、後
端部をリヤアームに連結したものである。
【0015】第2の発明に係る自転車の後輪懸架装置
は、第1の発明に係る自転車の後輪懸架装置において、
リヤアームおよび緩衝器の前端部をメインフレームの共
通のブラケットに枢支させ、このブラケットを2箇所の
枢支部の少なくとも車体前側を覆いかつ車体の後方へ向
けて開放する断面略コ字状に形成したものである。
【0016】第3の発明に係る自転車の後輪懸架装置
は、第1の発明または第2の発明に係る自転車の後輪懸
架装置において、緩衝器の後端部をリヤアームに連結す
るリンク機構の一部を車体側面視において緩衝器後部と
重ねたものである。
【0017】第4の発明に係る自転車の後輪懸架装置
は、第1ないし第3の発明のうち何れか一つの自転車の
後輪懸架装置において、リヤアームの揺動軸をクランク
軸より車体の前方に位置づけるとともに、緩衝器の前側
支軸を前記揺動軸の略真上に位置づけたものである。
【0018】
【作用】第1の発明によれば、後輪懸架装置の全体がメ
インフレームより下方に位置づけられる。また、クラン
ク軸およびこれを軸承する部分と、緩衝器などの重量が
嵩む部材が近接して配設される。さらに、緩衝器とリヤ
アームを連結する連結用部材が車体下部に位置づけら
れ、メインフレームと干渉することがない。さらにま
た、緩衝器がリヤアームとともに揺動するときにダウン
チューブと干渉するのを避けることができる。
【0019】第2の発明によれば、前輪によって跳上げ
られた泥水などはこのブラケットによって遮られる。
【0020】第3の発明によれば、リンク機構によって
緩衝器後部の側方が覆われる。第4の発明によれば、リ
ヤアームの揺動軸と緩衝器の前側支軸とをメインフレー
ムに枢支させるために使用するブラケットは、剛性を高
くする部分が車体前後方向における前記両軸を支持する
一部分でよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図7に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係る後輪懸架装
置を採用した自転車の側面図、図2は要部を拡大して示
す側面図、図3は図2におけるIII−III線断面図、図4
は図2におけるIV−IV線断面図、図5は図1および図2
におけるV−V線断面図、図6は図1におけるVI−VI線断
面図、図7は図2におけるVII−VII線断面図である。
【0022】これらの図において、1はこの実施例によ
る自転車である。この自転車1は、ヘッドチューブ2、
トップチューブ3、前側ダウンチューブ4、後側ダウン
チューブ5およびシートチューブ6からなる側面視略逆
三角形状のメインフレーム7に、後輪8を回転自在に支
持するリヤアーム9を上下方向に揺動自在に連結してい
る。
【0023】前記メインフレーム7は、ヘッドチューブ
2および後側ダウンチューブ5をそれぞれアルミダイキ
ャストによって形成し、これらに他のアルミニウム合金
製管体からなるトップチューブ3、前側ダウンチューブ
4およびシートチューブ6をろう付け、溶接、接着剤を
併用して圧入嵌合させる手法などによって結合すること
によって形成している。なお、トップチューブ3とシー
トチューブ6との結合部は本実施例ではろう付けを採用
している。また、この自転車を女性用として形成すると
きにはトップチューブ3を省略してもよい。
【0024】前記ヘッドチューブ2には前輪10を有す
るフロントフォーク11と、操向ハンドル12とを回動
自在に支持させている。また、シートチューブ6にはサ
ドル13のシートピラーチューブ13aを支持させてい
る。
【0025】前記後側ダウンチューブ5は、図2に示す
ように、前側ダウンチューブ4およびシートチューブ6
が結合する側面視略L字状の管体部14と、前記リヤア
ーム9の前端部および後述する緩衝器の前端部を枢支す
るためのブラケット15とが一体に設けてある。このブ
ラケット15は、図3に示すように、管体部14から左
右一対の側壁部15a,15aを車体の左右両側方に延
出させるとともに下方に延在させ、これら左右の側壁部
15a,15a同士を図4に示すように車体前側の前壁
部15bによって互いに接続することによって形成して
いる。すなわち、このブラケット15は図4に示す横断
面の形状が車体後方へ向けて開放するコ字状となるよう
に形成している。また、側壁部15aは図2に示すよう
に側面視略逆三角形状に形成している。
【0026】前記前壁部15bは、図2に示すように管
体部14に連なる上部から、側壁部15aの前端に沿っ
て後側ダウンチューブ5の前後方向の略中央となる部位
まで後下がりに延在している。このため、このブラケッ
ト15と管体部14とが一体に成形された後側ダウンチ
ューブ5には、管体部14の下方にブラケット15によ
って前方および左右両側方が覆われた側面視略三角形状
の空間Sが形成されることになる。そして、このブラケ
ット15の下端部にリヤアーム9を支軸16を介して上
下方向に揺動自在に支持させている。
【0027】リヤアーム9は、図1に示すようにクラン
ク軸17を回転自在に支持するハンガーハウジング18
と、このハンガーハウジング18から後輪8の車体左側
において後方へ延在し後端部に後輪8を回転自在に片持
ち支持するアーム19と、これらハンガーハウジング1
8およびアーム19の内方に収容された動力伝達装置2
0とから構成しており、前記メインフレーム7の後側ダ
ウンチューブ5の下方に位置づけられている。
【0028】前記ハンガーハウジング18は、図5に示
すように略有底円筒状に形成したハウジング本体18a
と、このハウジング本体18aの開口部を閉塞するカバ
ー18bとからなり、軸心部にクランク軸17を軸受2
1を介して回転自在に支持させている。なお、このハン
ガーハウジング18が本発明に係るクランク軸受部を構
成している。前記クランク軸17はハンガーハウジング
18から左右両側方に突出しており、両端部にペダル付
きクランク22をそれぞれ取付けている。
【0029】また、このハンガーハウジング18の周壁
部分には、図2に示すように、前上がりに突出する前側
ステー23と、後上がりに突出する後側ステー24とが
一体に設けてある。前記前側ステー23は、突出端部を
前記ブラケット15内の空間Sに車体後側から臨ませる
とともに、前記支軸16を介してブラケット15に軸支
させている。後側ステー24は、後述するリンク機構2
5および緩衝器26を介してブラケット15に連結して
いる。
【0030】前側ステー23とブラケット15との連結
部分は、図3および図5に示すように、前側ステー23
の突出端部に車幅方向へ延在するように形成したボス部
23aに軸受ブッシュ27を圧入し、さらにこの軸受ブ
ッシュ27の内方に円筒状カラー28を摺動自在に嵌合
させ、このカラー28を、内部に挿通させた支軸16に
よってブラケット15の左右の側壁部15a,15aに
締結させる構造になっている。なお、29はスペーサで
ある。すなわち、リヤアーム9は、前記カラー28に対
して前側ステー23が軸受ブッシュ27とともに回動す
ることによって、支軸16を中心として上下方向に揺動
することになる。
【0031】リヤアーム9のアーム19は、図5および
図6に示すように、前記ハンガーハウジング18の車体
左側後部にねじ止めした前側筒状連結部材30と、この
前側筒状連結部材30に前端を溶接しかつ後端に後側筒
状連結部材31を溶接した管体製アーム本体32と、前
記後側筒状連結部材31にねじ止めした後輪支持ハウジ
ング33と、この後輪支持ハウジング33に軸受34,
35を介して回転自在に支持させた後輪軸36などから
構成している。
【0032】前記後輪軸36は後輪8のハブ8aがスプ
ライン嵌合し、後輪8側の軸端部にクイックレリーズ機
構を有する締結具37が螺合している。この締結具37
は、レバー37aを図6に示した位置から図6の上側
(車体右側)へ向けて起立させることによって、ねじ部
37bに対してヘッド部37cが軸方向外側へ相対的に
移動し、ねじ部37bを緩めることが可能になる構造に
なっている。なお、図6において符号8bは後輪8のス
ポーク、8cはブレーキ装置である。
【0033】前記動力伝達装置20は、前記クランク軸
17にスプライン結合させた状態で圧入嵌合した第1傘
歯車38と、この第1傘歯車38に噛合する第2傘歯車
39が前端部にセレーション嵌合し前記アーム19内を
前後に延びて後端部に第3傘歯車40をセレーション嵌
合した伝動軸41と、前記第3傘歯車40に噛合し前記
後輪軸36に一方向クラッチ36aを介して連結された
第4傘歯車42などから構成している。なお、前記伝動
軸41は、前端部をハンガーハウジング18に軸受43
を介して回転自在に支持させ、後端部を後輪支持ハウジ
ング33に軸受44を介して回転自在に支持させてい
る。
【0034】すなわち、この動力伝達装置20によれ
ば、乗員がペダル付きクランク22を回転させることに
よって、クランク軸17および第1傘歯車38が回転
し、駆動力が第1傘歯車38→第2傘歯車39→伝動軸
41→第3傘歯車40→第4傘歯車42→一方向クラッ
チ36a→後輪軸36という伝達系を介して後輪8に伝
達されて後輪8が回転する。
【0035】前記ハンガーハウジング18の後側ステー
24に連結したリンク機構25は、図2、図4および図
7に示すように、後側ステー24の突出端部に車幅方向
へ延在するように形成したボス部24aの左右両側に支
軸45を介して枢支させた側面視略三角形状の板材から
なる左右一対の第1リンク46と、各第1リンク46の
3つの角部分のうち車体前側の角部分の車幅方向外側に
支軸47を介して枢支させた細長い板材からなる左右一
対の第2リンク48とから構成している。
【0036】そして、前記各第1リンク46における上
側の角部分に緩衝器26の後端連結部材49を支軸50
を介して回動自在に連結している。また、前記各第2リ
ンク48は第1リンク46との連結部から上方へ延ば
し、上端を後側ダウンチューブ5の後部ボス状ブラケッ
ト51に支軸52を介して枢支させている。さらに、前
記第1リンク46および第2リンク48は、図2に示す
ように側面視において緩衝器26の後端部と重なるよう
に配設している。
【0037】なお、上述した支軸45,47,50,5
2を有する各枢支部分は前記前側ステー23の枢支部分
と同等の構造になっており、何れも軸受ブッシュ27、
カラー28およびスペーサ29が介装してある。各枢支
部分に装着されるこれらの部材の寸法、形状などはそれ
ぞれ異なるが、これらの部材は全ての枢支部分において
同一の機能を果たす関係から、本実施例では混乱を避け
るために同一符号を付してある。
【0038】前記緩衝器26は、前記第1リンク46に
連結される後端連結部材49を後端に設けた内筒53
と、この内筒53が軸方向に摺動自在に嵌入する外筒5
4とを有する油圧式減衰器を軸心部に設け、この油圧式
減衰器の外周側に圧縮コイルスプリング55を設けるこ
とによって構成している。この圧縮コイルスプリング5
5は、前記外筒54の前端に設けた前端連結部材56と
前記後端連結部材49との間に弾装させている。
【0039】そして、この緩衝器26は、前記ブラケッ
ト15内の空間Sに車体後側から臨ませ、前端連結部材
56をブラケット15の左右の側壁部15aに支軸57
を介して枢支させている。前記支軸57の配設位置は、
図2に示すように、リヤアーム9の揺動中心となる前記
支軸16の略真上となる部位に位置づけられている。こ
れによって、この緩衝器26はリヤアーム9のハンガー
ハウジング18と後側ダウンチューブ5における管体部
14の中心線C(図2)との間に車体の前後方向に向け
て略水平とした状態で配置され、前端部がメインフレー
ム7にブラケット15を介して枢支されるとともに、後
端部がリヤアーム9にリンク機構25を介して連結され
ることになる。本実施例では、緩衝器26と後側ダウン
チューブ5の管体部14との間に図3に示すように揺動
用隙間Dが設けてある。
【0040】また、緩衝器26の前端部をブラケット1
5に枢支する部分の構造は、図4に示すように、前端連
結部材56に設けたボス部56a内にクッションゴム5
8を介してカラー59を弾性支持させ、このカラー59
を、内部に挿通させた支軸57によってブラケット15
の左右の側壁部15a,15aに締結させる構造になっ
ている。なお、前記クッションゴム58はボス部56と
カラー59の両方に焼き付けている。すなわち、このク
ッションゴム58が捩り方向に弾性変形することによっ
て、緩衝器26は前側の支軸57を中心にして上下方向
に揺動することができる。
【0041】上述したように構成した自転車1は、リヤ
アーム9、リンク機構25および緩衝器26によって後
輪懸架装置が構成され、後輪8が路面の凹凸を乗り越え
たりして後輪8に上方への力が加わると、リヤアーム9
が支軸16を中心にして図1において左回りに揺動す
る。このときには、リヤアーム9の後側ステー24がリ
ンク機構25の第1リンク46を前上方へ押し、さら
に、この第1リンク46が第2リンク48によって上下
方向の移動が規制されている関係から車体前側へ移動し
ながら支軸47を中心に図2において左回りに回り、緩
衝器26の後端連結部材49を略車体前方へ向けて押
す。これによって、緩衝器26が上下方向に僅かに揺動
しながら圧縮されて凹凸乗り越え時の衝撃が緩衝され
る。
【0042】したがって、後輪8に加えられる衝撃を、
全体がメインフレーム7より下方に位置する後輪懸架装
置によって緩衝することができる。このように後輪懸架
装置の構成部材の全てがメインフレーム7より下方に位
置していることにより、自転車1の低重心化を図ること
ができる。
【0043】また、この後輪懸架装置は、リヤアーム9
にクランク軸17を回転自在に支持させ、クランク軸1
7およびこれを軸承するハンガーハウジング18と、緩
衝器26などの重量が嵩む部材を互いに近接した状態で
車体中心の近傍に配設したため、マスの集中化を図るこ
とができる。その上、緩衝器26とリヤアーム9を連結
するリンク機構25が車体下部に位置づけられているか
ら、これがメインフレーム7と干渉することがない。
【0044】さらに、緩衝器26を後側ダウンチューブ
5の軸線Cとハンガーハウジング18との間に位置づ
け、緩衝器26と後側ダウンチューブ5の管体部14と
の間に隙間が開くように構成したから、この緩衝器26
がリヤアーム9とともに揺動するときに後側ダウンチュ
ーブ5と干渉するのを避けることができる。さらにま
た、リヤアーム9および緩衝器26の前端部を共通のブ
ラケット15に枢支させ、このブラケット15を2箇所
の枢支部の車体前側を覆うように形成したため、前輪1
0によって跳上げられた泥水などはこのブラケット15
によって遮られる。なお、2つの枢支部分を一つのブラ
ケット15に設けたとしても、このブラケット15は断
面コ字状に形成されているから、リブを設けたり肉厚を
部分的に厚くすることなく剛性を確保できる。
【0045】しかも、リンク機構25の第1、第2リン
ク46,48を側面視において緩衝器26の後端部と重
なるように配設したから、リンク機構25によって緩衝
器後部を側方を覆うことができる。
【0046】加えて、リヤアーム9の揺動軸となる支軸
16をクランク軸17より車体の前方に位置づけるとと
もに、緩衝器26の前側の支軸57を前記支軸16の略
真上に位置づけたため、支軸16,57を支持するブラ
ケット15は、剛性を高くする部分が車体前後方向にお
ける前記両軸を支持する一部分でよい。
【0047】なお、本実施例では前記支軸16,57を
支持するブラケット15を後側ダウンチューブ5の管体
部14と一体に形成したが、このブラケットは管体部1
4とは別体に形成し、管体部14にボルトにより締結さ
せてもよい。また、本実施例ではリヤアーム9として後
輪8を片持ち支持する構造とした例を示したが、このリ
ヤアーム9は後輪8を両持ち支持する構造としてもよ
い。さらに、このリヤアーム9に設ける動力伝達装置も
本実施例で示したようにシャフトドライブ式に限定され
ることはなく、チェーン式動力伝達装置を採用すること
もできる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係る自
転車の後輪懸架装置は、リヤアームにクランク軸を回転
自在に支持させてこのクランク軸受部をダウンチューブ
の下方に位置づけ、前記クランク軸受部とダウンチュー
ブの中心線との間に緩衝器を略水平状態で配置し、この
緩衝器の前端部をメインフレームに枢支させるととも
に、後端部をリヤアームに連結したため、後輪懸架装置
の全体がメインフレームより下方に位置づけられる。
【0049】このため、自転車の低重心化を図ることが
できる。また、クランク軸およびこれを軸承する部分
と、緩衝器などの重量が嵩む部材が近接して配設される
から、マスの集中化を図ることができる。このため、こ
の後輪懸架装置を採用した自転車は上述したように低重
心化が達成されることと相俟って取り回しを楽に行うこ
とができる。
【0050】さらに、緩衝器とリヤアームを連結する連
結用部材が車体下部に位置づけられメインフレームと干
渉することがないから、この後輪懸架装置は自転車の車
体上部に延在する部材が不要になるとともに、前記連結
用部材がメインフレームを避けて車体側方に突出するこ
とがないので小型化を図ることができる。
【0051】さらにまた、緩衝器がリヤアームとともに
揺動するときにダウンチューブと干渉するのを避けるこ
とができるから、緩衝器をダウンチューブ内に挿入した
場合に較べてリヤアームが大きな角度をもって揺動する
ようになる。これとともに、緩衝器のコイルスプリング
の設計上の自由度も高くなる。加えて、緩衝器の上下に
メインフレームとリヤアームが位置しているため、これ
ら両者によって緩衝器を上下から保護できるという効果
もある。
【0052】第2の発明に係る自転車の後輪懸架装置
は、第1の発明に係る自転車の後輪懸架装置において、
リヤアームおよび緩衝器の前端部をメインフレームの共
通のブラケットに枢支させ、このブラケットを2箇所の
枢支部の少なくとも車体前側を覆いかつ車体の後方へ向
けて開放する断面略コ字状に形成したため、前輪によっ
て跳上げられた泥水などはこのブラケットによって遮ら
れる。
【0053】このため、ブラケットに設けた2箇所の枢
支部分およびリヤアーム、緩衝器の前端部にかかり難く
なる。また、リヤアームの前端部および緩衝器の前端部
が一つのブラケットに枢支されることから、二つの枢支
部分を各別のブラケットを用いる場合に較べてメインフ
レームに対して容易にかつ高精度に位置決めすることが
できる。なお、2つの枢支部分を一つのブラケットに設
けたとしても、このブラケットは断面コ字状に形成され
ているから、リブを設けたり肉厚を部分的に厚くするこ
となく剛性を確保することができる。
【0054】第3の発明に係る自転車の後輪懸架装置
は、第1の発明または第2の発明に係る自転車の後輪懸
架装置において、緩衝器の後端部をリヤアームに連結す
るリンク機構の一部を車体側面視において緩衝器後部と
重ねたため、リンク機構によって緩衝器後部の側方が覆
われるから、特別な保護部材を用いることなく緩衝器後
部に異物が当たるのを防ぐことができる。
【0055】第4の発明に係る自転車の後輪懸架装置
は、第1ないし第3の発明のうち何れか一つの自転車の
後輪懸架装置において、リヤアームの揺動軸をクランク
軸より車体の前方に位置づけるとともに、緩衝器の前側
支軸を前記揺動軸の略真上に位置づけたため、リヤアー
ムの揺動軸と緩衝器の前側支軸とをメインフレームに枢
支させるために使用するブラケットは、剛性を高くする
部分が車体前後方向における前記両軸を支持する一部分
でよい。このため、前記ブラケットを容易に製造できる
ようになるとともに、車体前後方向の寸法が一つの軸を
支持する場合と同等になり小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る後輪懸架装置を採用した自転車
の側面図である。
【図2】 本発明に係る後輪懸架装置の要部を拡大して
示す側面図である。
【図3】 図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】 図2におけるIV−IV線断面図である。
【図5】 図1および図2におけるV−V線断面図であ
る。
【図6】 図1におけるVI−VI線断面図である。
【図7】 図2におけるVII−VII線断面図である。
【符号の説明】
1…自転車、4…前側ダウンフレーム、5…後側ダウン
フレーム、7…メインフレーム、8…後輪、9…リヤア
ーム、14…管体部、15…ブラケット、16…支軸、
17…クランク軸、18…ハンガーハウジング、25…
リンク機構、26…緩衝器、57…支軸。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントフォーク支持部から後下がりに
    延在して後端部がシート支持部に連なるダウンチューブ
    を有するメインフレームに、後輪を回転自在に支持する
    リヤアームの前端部を揺動自在に連結し、このリヤアー
    ムと前記メインフレームとの間に緩衝器を介装した自転
    車の後輪懸架装置において、前記リヤアームの前部にク
    ランク軸を回転自在に支持させるとともにこのクランク
    軸受部を前記ダウンチューブの下方に位置づけ、このク
    ランク軸受部と前記ダウンチューブの中心線との間に緩
    衝器を車体の前後方向に向けて略水平とした状態で配置
    し、この緩衝器の前端部をメインフレームに枢支させる
    とともに、後端部をリヤアームに連結したことを特徴と
    する自転車の後輪懸架装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自転車の後輪懸架装置に
    おいて、リヤアームおよび緩衝器の前端部を共通のブラ
    ケットを介してメインフレームに枢支させ、このブラケ
    ットを、メインフレームから下方へ突出して前記2箇所
    の枢支部の少なくとも車体前側を覆いかつ車体の後方へ
    向けて開放する断面略コ字状に形成したことを特徴とす
    る自転車の後輪懸架装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の自転車の
    後輪懸架装置において、緩衝器の後端部をリンク機構を
    介してリヤアームに連結し、このリンク機構の一部を車
    体側面視において緩衝器後部と重ねたことを特徴とする
    自転車の後輪懸架装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうち何れか一
    つの自転車の後輪懸架装置において、リヤアームの揺動
    軸をクランク軸より車体の前方に位置づけるとともに、
    緩衝器の前側支軸を前記揺動軸の略真上に位置づけたこ
    とを特徴とする自転車の後輪懸架装置。
JP5714795A 1995-03-16 1995-03-16 自転車の後輪懸架装置 Pending JPH08253188A (ja)

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