JPH08247076A - 圧縮機の性能劣化診断装置 - Google Patents

圧縮機の性能劣化診断装置

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JPH08247076A
JPH08247076A JP7054311A JP5431195A JPH08247076A JP H08247076 A JPH08247076 A JP H08247076A JP 7054311 A JP7054311 A JP 7054311A JP 5431195 A JP5431195 A JP 5431195A JP H08247076 A JPH08247076 A JP H08247076A
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compressor
vibration
dispersion
performance deterioration
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Ikutomo Umeoka
郁友 梅岡
Kenichi Morishita
賢一 森下
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は圧縮機の性能劣化度合を圧縮機の振
動波形から判定するもので、圧縮機の流体振動を加振源
とする非定常成分を定量化することで圧縮性能、特に冷
凍能力を効率的に精度良く判定する圧縮機の性能劣化診
断装置を提供することを目的としたものである。 【構成】 センサ4と、増幅器5と、波形記録装置6
と、フィルタ7と、A/D変換器8と、波形処理器9
と、表示器10と、記録装置11と、波形処理器9にお
いて振動波形の非定常成分の定量化手段とを備えた構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮機の非破壊異常診断
に係わり、特に圧縮機の圧縮性能の異常を振動により診
断する方法及び、装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮機として、例えば冷凍冷蔵装置に用
いられるような冷媒を圧縮するものがある。この圧縮機
は通常、冷凍システムにつながっており、低温低圧の冷
媒ガスを吸い込み、圧縮機内で断熱圧縮され、高温高圧
の冷媒ガスを排出することが基本的な機能である。
【0003】しかしながら、圧縮機の圧縮要素部は金属
で構成されており、金属同士の摺動部が多数存在してい
る。このため、その摺動部は例えばゴミなどの異物が混
入した場合、この異物が原因となり摺動部に傷が付き圧
縮中の冷媒漏れから圧縮性能(例えば冷凍能力)の低下
を引き起こしたり、この摺動部の傷が原因となり、摺動
部品が摩耗し圧縮不良を引き起こしたりする。
【0004】また、圧縮機の組立時のミスによりクリア
ランスが大きく組み立てられ、圧縮中の冷媒漏れから規
定の圧縮性能が出力されないことがあった。
【0005】このことからこれらの冷媒漏れによる圧縮
性能の低下や圧縮不良を判断するため、圧縮機を冷凍シ
ステムから分離しカロリー計測装置で評価していた。
【0006】しかし、これでは費用と時間がかかり、数
をこなすことは現実的に不可能であった。また、冷凍冷
蔵室内の温度を検知することが考えられるが、圧縮機の
性能だけでなく冷媒ガス、熱交換器、断熱性能、温度検
知方法等により原因がいろいろ考えられ、圧縮機の性能
劣化を正しく診断できるものではなかった。
【0007】このため、圧縮機の性能劣化度合を効率的
に精度良く診断する方法が望まれていた。
【0008】これらの要望に答えるため、例えば電流ま
たはガス圧力等の電流値及び、圧力値を検出することに
より、圧縮機が異常な運転をしていないかを判断する方
法がある。
【0009】また、圧縮機の内部の異常を早期に発見す
るため、圧縮機の外郭に伝達する振動、音、AE信号を
検出して診断する方法が考案されている。
【0010】例えば特開昭62−75095号公報、特
開平2−205728号公報などが提案されており、特
開昭62−75095号公報は圧縮機のシリンダ傷、ゴ
ミかみ等の異常を検出するため、圧縮機から発生する騒
音あるいは振動を検出し、波長方向に分割した区間毎の
信号の積算変動量の最大値と最小値との比率から基準値
と比較し異常の判定を行う方法がある。
【0011】また、特開平2ー205728号公報は摺
動部の傷、摩耗等の不良を検出するため、圧縮機から発
生するAE信号を検出し、このAE信号を包絡線検波し
た信号に対し、1周期あたりに発生するあるしきい値を
こえたAE信号の発生数や、回転同調成分の強度から基
準値と比較し異常の判定を行う方法が考案されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、電流検知は圧縮機が圧縮不良を起こすぐ
らいの比較的強度の劣化を起こさないと判断できず、圧
縮中のガス漏れ等による圧縮性能の微妙な変化を検出す
ることはできない。
【0013】また、ガス圧力検知も同様である。さら
に、特開昭62−75095号公報の方法では圧縮機内
に異物が混入する等の聴感でも異常が分かるものでしか
判断できず、基本的に機械振動の変動を抽出しているた
め、圧縮機の圧縮性能については判断できないものであ
る。
【0014】また、特開平2−205728号公報のA
E信号を用いた診断でも摺動部の損傷によるAE信号の
特徴を定量化しているものであり、圧縮機の圧縮性能を
診断することはできないという問題があった。
【0015】本発明は上記問題点に鑑み、圧縮機の圧縮
性能の劣化度合を効率的に精度良く診断できる圧縮機の
性能劣化診断装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の圧縮機の性能劣化診断装置は、圧縮機におい
て冷媒を圧縮する過程で発生する流体振動により加振さ
れ発生する振動波形を検出するセンサと、この振動波形
を増幅する増幅器と、この増幅器から出力される信号を
記録する波形記録装置と、この波形記録装置または増幅
器から出力される信号のノイズ成分を除去するフィルタ
と、このフィルタから出力される信号をA/D変換する
ためのA/D変換器と、このA/D変換器から出力され
る信号の特徴を波形処理し、この波形処理値から性能劣
化度合を判定する波形処理器と、これらの結果を表示す
る表示器と、これらの結果を記録する記録装置とで構成
されており、波形処理器において圧縮機の圧縮過程で発
生する流体振動の非定常成分を定量化することで性能劣
化度合を判定するものである。
【0017】また、波形処理器で行われる流体振動の非
定常成分の定量化処理において、入力された振動波形を
周期毎に分割する手段と、この周期毎に分割した波形を
加算平均処理する手段と、分割された波形とこの加算平
均処理した波形との差の波形を算出する手段と、この差
の自乗を算出する手段と、この各自乗した波形を加算平
均処理し分散波形を求める手段と、この分散波形を積分
し分散パワーを求める手段と、振動波形の自乗平均を行
い振動パワーを求める手段と、この分散パワーとこの振
動パワーとの比を算出し比分散値を求める手段とで、性
能劣化度合を判定するものである。
【0018】さらに、波形処理器に入力された振動波形
を周期毎に分割する手段として、自己相関分析処理を用
いて振動波形を周期毎に分割するものである。
【0019】また、波形処理器における分散波形を積分
する手段において、分散波形の平滑化処理を行った後、
積分するものである。
【0020】さらに、波形処理器で行われる分散波形を
積分する手段において、圧縮機のバルブが開放している
間を積分するものである。
【0021】また、分散波形の積分範囲の決定手段にお
いて、圧縮機のバルブが開放している間の積分範囲を分
散波形にしきい値を設け、その交点から求めるものであ
る。
【0022】
【作用】本発明は上記した構成によって、圧縮機の外殻
に伝達する流体振動を加振源とする超音波領域までの振
動波形がセンサにより検出され、この検出された信号は
微少な信号のため、増幅器でこの信号が増幅される。次
に、この信号を後でも処理できるように波形記録装置に
記録される。フィルタでは、この波形記録装置または増
幅器から出力される信号の圧縮機以外から発生している
ノイズ成分を除去するため、低域の周波数成分と高域の
周波数成分が除去される。このフィルタリングされた信
号は、A/D変換器によりアナログ信号がデジタル信号
に変換され、DSPを備えた波形処理器へ出力される。
この波形処理器では入力された信号の流体振動の影響に
より発生した非定常振動が定量化される。さらに、この
定量化数値に対応する圧縮性能(例えば冷凍能力)を表
すデータベースから圧縮機の圧縮性能が判定される。こ
れらの結果は表示器により画面上などに出力され性能劣
化度合を確認することができる。また、この結果をハー
ドディスク等の記録装置に保存されデータの蓄積が行わ
れる。
【0023】また、波形処理器において、入力された振
動波形を周期毎に分割され、その分割された振動波形は
加算平均処理される。次にこの平均波形に対し、各周期
毎に分割された波形との差が求められ、次に各々の周期
毎分割された波形毎に差の自乗した波形が算出される。
さらに算出された波形は加算平均処理され、1周期の平
均波形に対する各分割波形の分散波形の平均が算出され
る。続いてこの波形に対し積分が行われ、分散パワーが
算出される。一方、入力された振動波形に対し、自乗平
均が行われ振動パワーが求められる。最後にこの算出さ
れた振動パワーと分散パワーとの比が算出され、比分散
値が求められる。これにより、圧縮機の圧縮性能と対応
する流体振動の非定常成分の定量化が図られ、圧縮性能
を精度良く判定することができる。
【0024】さらに、この波形処理器に入力された振動
波形を周期毎に分割するための周期ピッチを決定するた
め、自己相関分析計算が行われる。その結果、回転周期
が相関分析波形のピークとなって現れ、ピークとピーク
の間が1周期のピッチを表しており、このピッチをもと
に、振動波形は周期毎に分割される。これにより、分割
による各波形の誤差がなくなり、正確な波形の分割を行
うことができる。
【0025】また、分散波形から分散パワーを算出する
間で、分散波形が一端平滑化処理され、その後、積分し
分散パワーが算出される。これにより、積分範囲の明確
化とデータが簡略化され、計算スピードの向上とデータ
の取り扱いを容易にすることができる。
【0026】さらに、分散波形を積分する際に、圧縮機
のバルブが開放している間で積分されることにより、圧
縮性能に対応する流体振動に関わる分散パワーが精度良
く抽出でき、圧縮性能の劣化を精度良く診断できる。
【0027】また、圧縮機のバルブが開放する範囲の決
定において、しきい値と分散波形との交点からバルブの
開放する範囲が決定される。これにより、バルブの開放
する範囲が精度良く検出できる。
【0028】
【実施例】ここで、冷蔵庫等に用いられる圧縮機を例に
とり詳細に説明する。
【0029】(実施例1)以下本発明の一実施例の圧縮
機の性能劣化診断装置について図面を参照しながら説明
する。
【0030】図1において、1はフロンガス等を圧縮す
る圧縮機で、2は圧縮要素を外殻である密閉ケース3に
固定している4点溶接部である。4は振動波形を検出す
るセンサで、圧縮機の基本波から100KHzぐらいま
での振動成分を検出できるものである。センサ4は圧縮
機1内部からの信号を最も強く伝達してくる箇所である
4点溶接部2の1点に設置されている。5はセンサ4が
検出した信号を増幅するものであり、6はこの信号を記
録する波形記録装置である。7は波形記録装置6及び、
増幅器5からの信号のノイズを除去するためのフィルタ
である。8はフィルタ7から出力される信号をA/D変
換するA/D変換器である。9はA/D変換された信号
から圧縮機1の圧縮過程における流体振動に起因する非
定常成分を定量化するための波形処理と、この定量化数
値と対応する性能劣化のデータベースから性能劣化度合
を判定するDSP等を備えた波形処理器である。10は
この結果を画面上またはプリンター等へ出力表示させる
表示器であり、これらの結果はハードディスク等の記録
装置11に記録される。また、データベースもこの記録
装置11に記録されている。
【0031】ここで、圧縮機の構造と振動波形について
説明する。図2、3は圧縮機1の構造を表しており、密
閉ケース3の内部に電動機12と圧縮要素13が配置さ
れている。圧縮要素13は主に電動機12の回転運動を
伝達するクランクシャフト14、クランクシャフト14
を支持する主軸受15、副軸受16、シリンダ17、ロ
ーラ18、ベーン19、副軸受16の内部に収納された
バルブ20とから構成されている。圧縮要素13の各部
品間の摺動には潤滑油21を潤滑させ摺動させている。
22は吸入管で23は吐出管である。
【0032】冷媒は、冷却システム(図示せず)から吸
入管22を通り、シリンダ17の吸入ポート23からシ
リンダ17内の吸入室24に吸い込まれる。次にクラン
クシャフト14の回転運動によりローラ19がシリンダ
17内で旋回運動を行うことにより、容積が縮小されて
冷媒は断熱圧縮され高温高圧冷媒となる。
【0033】ここで、ローラ19が旋回するときにベー
ン18がローラ19に追従し往復運動を行うため、シリ
ンダ17内でベーン18が仕切となり吸入室24と圧縮
室25が形成され、冷媒は効率良く圧縮される。
【0034】高温高圧となった冷媒ガスはバルブ20を
押し上げ吐出切り欠き26からマフラー27内に導かれ
る。その後、マフラー27の吐出穴(図示せず)から密
閉ケース3の吐出空間28に放出され、吐出管23から
冷却システムに導かれる。
【0035】図4はセンサ4で計測された1回転の振動
波形とシリンダ17内の圧縮要素13の1回転における
メカ部品の挙動との関係について表している。メカ部品
の挙動はア〜エの状態を1回転とし、冷媒の圧縮を繰り
返している。
【0036】アの状態は圧縮開始点の状態を表し、ベー
ン18がシリンダ17に最も引っ込んでいる状態であ
る。この状態では低温低圧の冷媒が吸入室24に吸い込
まれた状態である。
【0037】この状態を回転角度0度とし、特に上死点
と呼ぶ。この上死点の時に振動波形ではベーン18と他
部品との衝突により大きな衝撃波が発生する。
【0038】イの状態は180度回転が進んだ状態で、
ベーン18がシリンダ17に最も突出した状態であり、
下死点と呼ぶ。この状態になると吸入室24は容積が縮
小されて、圧縮室25となり、新たに吸入室24’が形
成される。また、振動波形ではベーン18が不安定な支
持となり小さな衝撃波が発生する。
【0039】ウの状態は回転が270度進んだ状態であ
り、圧縮室25のガス圧荷重がバルブ20の押さえつけ
力よりもまして、バルブ20を押し上げて圧縮冷媒がシ
リンダ17外へ吐出される状態である。
【0040】エの状態は1回転し圧縮が完了した状態を
表している。振動波形ではこの270度を起点に上死点
まで衝撃波が発生しており、ガス圧荷重が周辺の部品を
支持側の部品に押さえつけられながら摺動していること
から発生していると考えられる。また、冷媒は理論的に
は部品間のオイルシールによりシリンダ17内に密閉さ
れている状態だが、1回転中に冷媒漏れが多少あること
が現状である。
【0041】特に、回転角度270度から上死点にかけ
て冷媒は高温高圧となるため、冷媒はバルブの開放に伴
いシリンダ外へ放出されると共に冷媒の漏れは特に著し
く圧縮室25外へ漏れていく。
【0042】このため、振動波形の衝撃波の生成に大き
く寄与している冷媒のガス圧荷重にこのガスの放出とガ
ス漏れは大きく影響している。さらに、振動波形の衝撃
波はマクロ的には周期的に見えるがミクロ部分ではこの
ガス圧荷重の変動により、回転毎に非定常な振動を繰り
返している。
【0043】また、この非定常成分は圧縮機の冷凍能力
が大きいと大きく、冷凍能力が小さいと小さくなる傾向
である。
【0044】以上のように構成された一実施例における
動作を説明する。圧縮機1内部から発生した振動成分は
機械部品内を伝達し、4点溶接部2に伝達する。4点溶
接部2の1点に設置されたセンサ4によりこの伝達され
た振動は検出され、電圧信号等に変換される。
【0045】この信号は増幅器5により増幅され、出力
された信号は一端、波形記録装置6に記録され再生して
フィルタ7に出力されるか、直接フィルタ7に出力され
る。
【0046】フィルタ7に入力された信号は圧縮機1の
振動を計測した条件等により外部から主に低域の周波数
のノイズが混入することと、高域の周波数でA/D変換
するときの折り返しノイズの発生が心配される。
【0047】このことからフィルタ7ではこれらのノイ
ズ成分の除去が行われ、A/D変換器8に出力される。
【0048】例えば今回の場合、下限周波数300Hz
と上限周波数100KHzに設定し、フィルタリングを
行った。A/D変換器8では入力されたアナログ信号が
デジタル信号に変換され波形処理器9に出力される。
【0049】例えば今回の場合、300KHzのサンプ
リング周波数で行った。波形処理器9では上述した振動
波形の非定常成分を定量化する等の波形処理演算がDS
P等を用いて行われ、次にこれらの算出結果と圧縮性能
の対応を表すデータベース(例えば今回の場合冷凍能力
と波形処理値とのデータベース)から圧縮性能が判定さ
れる。判定された結果は表示部10に出力され確認する
ことができる。
【0050】また、記録装置11においてこれらの結果
が保存され圧縮機毎のデータベースが構築される。以上
のことから、圧縮機の性能劣化度合を振動で効率良く判
定できる。
【0051】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0052】実施例1に対し、圧縮機の性能劣化度合を
精度良く判定するため、波形処理器9で行われる振動波
形の非定常成分の定量化に関する波形処理手段について
規定するものである。
【0053】図5において、27で波形処理器9に振動
波形が入力される。例えば今回の場合、20周期分の振
動波形を入力した。入力された振動波形は28で1周期
毎に分割され、29で20周期分の振動波形の加算平均
波形が算出される。次に30で加算平均された振動波形
に対し、28で分割された各振動波形との差がそれぞれ
の波形で求められ、31で振動波形毎にその差が自乗さ
れる。
【0054】さらに32で各自乗波形に対し加算平均処
理が行なわれ分散波形が算出される。33ではこの分散
波形が積分され、振動波形の非定常成分を表す分散パワ
ーが算出される。一方、34で27で入力された振動波
形の自乗平均が行われ、振動パワーが算出される。最後
に35で分散パワーと振動パワーとの比が算出され、比
分散値が求められる。36からはその計算結果が出力さ
れる。
【0055】図6は冷凍能力大品と冷凍能力小品の振動
波形37、38と分散波形39、40を表しており、分
散波形39、40の斜線部の面積の大きさが分散パワー
を表しており、冷凍能力が大きい方がこの面積が大きい
ことが分かる。つまり、分散パワーが大きいほど冷凍能
力が大きいことを表している。
【0056】また、振動パワーとの比を算出しているの
は圧縮機にかかる負荷または機種による分散パワーの変
動を除外するためである。以上のことから、この波形処
理手段で比分散値を算出することにより、圧縮性能であ
る冷凍能力を効率良く判定することができる。
【0057】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0058】実施例2に対して、入力された20周期分
の波形を1周期毎に分割するための1周期のピッチ数を
求める手段について規定するものである。
【0059】図7はサンプルデータ数に対する自己相関
分析値の関係41を表している。波形処理器9に入力さ
れた20周期分の波形同士の一方の時間波形の時間軸を
ずらしながら相関分析計算が行われる。
【0060】このため、時間軸のずれが1周期のN倍毎
に相関分析値のピークが現れる。このピークは20周期
分の平均周期を表している。これにより、図7に示すよ
うに初期状態から最初のピーク42までのサンプル数を
カウントすることにより、1周期のピッチ数を効率的に
正確に得ることができる。今回の場合約5,130ポイ
ントであった。
【0061】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0062】実施例2において波形処理器9で行われる
分散波形32から積分して分散パワー33を算出する手
段について規定するものである。
【0063】分散波形32は非常にサンンプル数が大き
く、このまま積分すると数値が見かけ上莫大な数値とな
り且つ積分範囲が不明確となり誤差要因となるため、分
散波形32に対し平滑化処理を行い分散パワー33を算
出した。今回の場合60ポイント、時間にすると0.2
msecの間隔で平滑化処理を行った。
【0064】図8は平滑化処理前の分散波形43と平滑
化処理した後の分散波形44を示しており、処理後は処
理前と比べ非常に頻雑としていた分散波形の形状が明確
になっていることが分かる。これにより、積分範囲が明
確となり、精度良く分散パワーを算出することができ
る。また、数値の巨大化によるオーバーフローがなくな
ると共に、処理速度が向上する。
【0065】(実施例5)以下本発明の第5の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0066】実施例2の波形処理器9で行われる分散波
形32から分散パワー33を算出するために行われる積
分処理について、その積分範囲を規定するものである。
【0067】図9は振動波形45と分散波形46を示し
たものである。振動波形45の回転角270度近辺のバ
ルブが開放し、閉鎖する間は、冷媒ガスの放出とガス漏
れの影響により加振源である流体振動が周期毎に変動
し、振動波形45の非定常成分が特に大きく発生する部
分である。
【0068】また、上死点の大きな衝撃波は機械振動に
起因するところが大きく、且つ鋭いピークであるため波
形処理の際に誤差要因となるところが大きい。このた
め、非定常成分を大きく発生しているバルブ開点48か
らバルブ閉点49の間の積分範囲50で積分することに
より、圧縮性能により対応した精度良い分散パワー33
を求めることができる。
【0069】(実施例6)以下本発明の第6の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0070】実施例5の波形処理の積分範囲の規定にお
いて、積分範囲の認識手段について規定するものであ
る。
【0071】図10の分散波形51において、しきい値
52をトリガーレベルとし上死点ピーク53から逆回転
方向に探索していき交点A54を求め、さらに回転角2
70度近辺から探索し交点B55を求めることにより積
分範囲56を効率よく、正確に求めることができる。
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明は、圧縮機において
冷媒を圧縮する過程で発生する流体振動により加振され
発生する振動波形を検出するセンサと、この振動波形を
増幅する増幅器と、この増幅器から出力される信号を記
録する波形記録装置と、この波形記録装置または増幅器
から出力される信号のノイズ成分を除去するフィルタ
と、このフィルタから出力される信号をA/D変換する
ためのA/D変換器と、このA/D変換器から出力され
る信号の特徴を波形処理し、この波形処理値から性能劣
化度合を判定する波形処理器と、これらの結果を表示す
る表示器と、これらの結果を記録する記録装置とで構成
されており、波形処理器において圧縮機の圧縮過程で発
生する流体振動の非定常成分を定量化することで性能劣
化度合を効率良く判定することができる。
【0073】また、波形処理器で行われる流体振動の非
定常成分の定量化処理において、入力された振動波形を
周期毎に分割する手段と、この周期毎に分割した波形を
加算平均処理する手段と、分割された波形とこの加算平
均処理した波形との差の波形を算出する手段と、この差
の自乗を算出する手段と、この各自乗した波形を加算平
均処理し分散波形を求める手段と、この分散波形を積分
し分散パワーを求める手段と、振動波形の自乗平均を行
い振動パワーを求める手段と、この分散パワーとこの振
動パワーとの比を算出し、比分散値を求める手段とで、
振動波形処理を行うことで精度良く性能劣化度合を判定
することができる。
【0074】さらに、波形処理器に入力された振動波形
を周期毎に分割する手段として、自己相関分析処理を用
いて振動波形を周期毎に分割することで、振動波形を精
度良く周期毎に分割することができる。
【0075】また、波形処理器における分散波形を積分
する手段において、分散波形の平滑化処理を行った後、
積分することで、分散パワーをエラーなく高速で正確に
求めることができる。
【0076】さらに、波形処理器で行われる分散波形を
積分する手段において、圧縮機のバルブが開放している
間を積分することで、より圧縮性能に対応する振動の非
周期成分の分散パワーを算出することができる。
【0077】また、分散波形の積分範囲の決定手段にお
いて、圧縮機のバルブが開放している間の積分範囲を分
散波形にしきい値を設けその交点から求めることで、積
分範囲を効率良く、正確に求めることができる。これに
より、圧縮機の圧縮性能をいちいちカロリー計測装置で
計測することなしに効率的に精度良く診断することがで
きる圧縮機の性能劣化診断装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す圧縮機の性能劣化
診断装置のブロック図
【図2】本発明の診断対象となる圧縮機の横断面図
【図3】本発明の診断対象となる圧縮機のA−A’断面
【図4】本発明の診断対象となメカ挙動と振動波形図
【図5】本発明の第2の実施例を示す波形処理フロ−チ
ャート
【図6】本発明の第2の実施例を示すための振動波形と
分散波形図
【図7】本発明の第3の実施例を示すための自己相関分
析図
【図8】本発明の第4の実施例を示すための平滑化処理
前と平滑化処理後の分散波形図
【図9】本発明の第5の実施例を示すための振動波形と
分散波形図
【図10】本発明の第6の実施例を示すための分散波形
【符号の説明】
1 圧縮機 2 4点溶接部 3 密閉ケース 4 センサ 5 増幅器 6 波形記録装置 7 フィルタ 8 A/D変換器 9 波形処理器 10 表示器 11 記録装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機において冷媒を圧縮する過程で発
    生する流体振動により加振され発生する振動波形を検出
    するセンサと、この振動波形を増幅する増幅器と、この
    増幅器から出力される信号を記録する波形記録装置と、
    この波形記録装置または増幅器から出力される信号のノ
    イズ成分を除去するフィルタと、このフィルタから出力
    される信号をA/D変換するためのA/D変換器と、こ
    のA/D変換器から出力される信号の特徴を波形処理
    し、この波形処理値から性能劣化度合を判定する波形処
    理器と、これらの結果を表示する表示器と、これらの結
    果を記録する記録装置とで構成されており、波形処理器
    において圧縮機の圧縮過程で発生する流体振動の非定常
    成分を定量化することで性能劣化度合を判定することを
    特徴とする圧縮機の性能劣化診断装置。
  2. 【請求項2】 波形処理器で行われる流体振動の非定常
    成分の定量化処理において、入力された振動波形を周期
    毎に分割する手段と、この周期毎に分割した波形を加算
    平均処理する手段と、分割された波形とこの加算平均処
    理した波形との差の波形を算出する手段と、この差の自
    乗を算出する手段と、この各自乗した波形を加算平均処
    理し分散波形を求める手段と、この分散波形を積分し分
    散パワーを求める手段と、振動波形の自乗平均を行い振
    動パワーを求める手段と、この分散パワーとこの振動パ
    ワーとの比を算出する手段とで、比分散値を求める手段
    とで振動波形処理を行うことを特徴とする請求項1記載
    の圧縮機の性能劣化診断装置。
  3. 【請求項3】 波形処理器に入力された振動波形を周期
    毎に分割する手段として、自己相関分析処理を用いて振
    動波形を周期毎に分割することを特徴とする請求項2記
    載の圧縮機の性能劣化診断装置。
  4. 【請求項4】 波形処理器における分散波形を積分する
    手段において、分散波形の平滑化処理を行った後、積分
    することを特徴とする請求項2記載の圧縮機の性能劣化
    診断装置。
  5. 【請求項5】 波形処理器で行われる分散波形を積分す
    る手段において、圧縮機のバルブが開放している間を積
    分することを特徴とする請求項2記載の圧縮機の性能劣
    化診断装置。
  6. 【請求項6】 分散波形の積分範囲の決定手段におい
    て、圧縮機のバルブが開放している間の積分範囲を分散
    波形にしきい値を設け、その交点から求めることを特徴
    とする請求項5記載の圧縮機の性能劣化診断装置。
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