JPH0692913B2 - 摺動運動部の異常診断システム - Google Patents

摺動運動部の異常診断システム

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JPH0692913B2
JPH0692913B2 JP1023888A JP2388889A JPH0692913B2 JP H0692913 B2 JPH0692913 B2 JP H0692913B2 JP 1023888 A JP1023888 A JP 1023888A JP 2388889 A JP2388889 A JP 2388889A JP H0692913 B2 JPH0692913 B2 JP H0692913B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は量産品の異常診断システムに係り、特に気体圧
縮機などの摺動運動装置の摺動運動部の異常診断システ
ムに関する。
〔従来の技術〕
摺動運動装置として、例えばルームエアコンや冷蔵庫に
使用される圧縮機がある。該圧縮機はフロンガス等の冷
媒を圧縮するためのものであり、摺動部が多数有り、し
かもその摺動部は精密に作られている。たとえば一部摺
動部にゴミなどの異物が混入した場合、この異物が原因
となり、摺動部に傷が付き、冷媒が漏洩する異常が発生
する。さらに、上記摺動部の傷が原因となり、摺動部が
焼損し、その結果、摺動部のロツクすなわち、摺動部が
稼動しなくなる異常事故が発生することになる。
これらの異常を防止するため、たとえば特開昭62−7509
5号,特開昭58−176545号などが提案されている。特開
昭62−75095号は圧縮機から発生する騒音あるいは振動
を検出し、信号の最大値と最小値との比率から異常の判
定を行う方法である。また、特開昭58−176545号は圧縮
機から発生する振動信号の時間特性パターンと周波数パ
ターンに対し、限界値を設け、それを越えるパターンを
示すものを異常とする方法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術において、該圧縮機の摺動部診断を実施す
るための基本となるセンシング技術は騒音及び振動検出
法である。たとえば、特開昭62−75095号に用いられて
いるマイクロフオンによる騒音検出法は周囲環境に大き
く作用される。すなわち暗騒音の問題であり、同公開公
報に記載されているように圧縮機の流れ作業下で診断を
実施するには作業による周囲のノイズ(各種計測器のブ
ザー音や機械,ベルトコンベア等のきしみ音,クレーン
の走行音など)が問題になる欠点が有る。また、同公開
公報に掲載されているもう一方の異常判定手法である振
動検出法では、振動波形の最大値と最小値との比率が設
定値を越えた場合を異常としている。しかし、圧縮機に
は100以上もの機種があり、発明者らが調査したとこ
ろ、各種圧縮機の振動出力波形は圧縮機ごとに異なる。
また、同一圧縮機であつてもその回転数やフロンガスの
圧縮比率(吸入圧力/吐出圧力)等の運動条件によつて
も異なるため、上記判定手法で全ての圧縮機、あるいは
各種運転条件下で診断することは大変難しいものと考え
られる。
また、特開昭58−17654号においては、検出した振動信
号全体のパターンを用いているため、前述した事項から
して、数多くの圧縮機や運転条件に合つた基準パターン
の限界値を求めることは大変難しいものと考えられる。
さらに決定的なことは、摺動部の初期異常(剥離やすり
傷など)を上述した振動検出法にて検出することが不可
能な点にある。第2図は第6回アコーステイツク・エミ
ツシヨン総合コンフアレンス論文集(1987年11月19,20
発表会開催、主催(社)日本非破壊検査協会)のP106〜
111に掲載された「転ガリ軸受のAEによる異常診断技
術」に記載してあるデータ例を示したものである。
ころがり軸受摺動部の剥離検出例であり、AE計測法にて
検出したAE信号のパワー値は剥離の初期段階から上昇す
るのに対し、上述振動加速度は、AE信号のパワー値より
だいぶ遅れ、最終段階で上昇しており、摺動部剥離の初
期検出が困難であることを示している。発明者らの度重
なる実験においても振動検出法では該圧縮機摺動部損傷
の初期段階を検出することは不可能であつた。しかしAE
計測法を用いたところ、初期段階のすり傷による損傷の
検出が可能であつた。
本発明の目的は、摺動運動部の摩耗性異常およびすり傷
性異常を診断でき、摺動運動部を有する製品の信頼性を
向上させる摺動運動部の異常診断システムを提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の摺動運動部の異常
診断システムは、摺動運動部から発生するAE信号を検出
する手段と、前記摺動運動部の位置情報信号を検出する
位置検出手段と、前記AE信号を周波数分析する周波数分
析手段と、前記位置情報信号をトリガ信号とし前記AE信
号を複数回加算平均する加算平均手段と、前記加算平均
手段によって得られた加算平均波形に基づいて前記AE信
号の発生回数を検出する手段と、前記周波数分析して得
られた情報に基づいて摩耗性異常の有無を、前記発生回
数に基づいてすり傷性異常の有無を判定する異常判定手
段と、前記異常判定手段の判定結果を表示する表示手段
とを備える。
摺動運動部を有する量産品として、以下圧縮機を例に採
つて説明する。
たとえば、該圧縮機の軸受とクランクシヤフト摺動部に
金属片等の異物が混入した場合、これが原因となり軸受
とクランクシヤフト摺動部に傷が付く(削り取られる)
ことになる。この削り取られる時、AE信号すなわち弾性
波が発生する。
発明者らの実験の結果、摺動部に数μm以上の傷が付け
ば正常品の圧縮機とは異なるAE信号が発生することが確
認されている。
さらに興味深いことに、圧縮機から発生するAE信号は機
種の違い、あるいは運動条件にさほど影響されない点に
特徴がある。
そこで、上述した圧縮機単体あるいはルームエアコンや
冷蔵庫及びモータなど摺動運動部を有する部品から発生
するAE信号を出荷ラインにて検出し、このAE信号を解
析,評価することにより、摺動運動部の異常診断を可能
にした。
〔作用〕
たとえば圧縮機から発生するAE信号を調べると、定常的
に突発型AE信号(以下定常AE波と呼ぶ)が一回転に一回
発生するが、摺動部にすり傷性損傷が発生すると、該定
常AE波間の他のAE信号が発生する。また、摺動部に摩耗
性損傷が発生すると、AE信号があたかも振幅変調された
形態を示すことになる。そこで、摺動運動部から発生す
るAE信号を検出し、周波数分析して得られる回転同調周
波数の強度から、摺動運動部の摩耗性損傷の判定が可能
になる。
また、摺動運動部から発生する振動信号を検出し、AE信
号および振動信号に基づいて得られるAE信号の発生回数
から摺動運動部のすり傷性損傷の検出が可能になる。
本発明では、摺動運動部を持つ量産品が搭載された製品
の出荷ラインにおいて、該商品を運転し、運転状態が安
定した時点にて該摺動運動部から発生するAE信号及び摺
動運動部の運動位置信号(たとえば回転信号など)を検
出し上記信号処理を診断システムにて実行する。該診断
システムにて異常と判定された摺動運動部単体あるいは
それが搭載された製品は最終出荷ラインから取り外され
る。以上の操作を実行することにより信頼性を有する製
品出荷が可能となる。
さらには、該摺動運動部から発生するAE信号を検出する
ためのAEセンサ及び摺動部の運動位置信号を検出するた
めの加速度ピツクアツプなどセンサ類の不良チエツク並
びに該センサ類の該摺動運動部への取り付け不良等の各
種不良チエツク機能も付設し、高信頼性の診断システム
としたことを特徴とする。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明す
る。なお、ここでは摺動運動部を持つ量産品として圧縮
機を挙げ圧縮機が搭載される商品としてルームエアコン
の出荷ラインでの診断例について以下説明する。
第1図は本発明の一実施例に係るルームエアコン出荷ラ
インにおける圧縮機摺動部異常診断システムの全体構成
図である。また、第3図はルームエアコン出荷ラインに
てルームエアコン起動後、圧縮機から発生するAE出力例
を示したものである。第3図に示されるように、起動後
数分間はAE信号が多発するが、それ以降になると、AE信
号出力が安定することが分かる。
第4図は第3図に示した点及び点において計測した
AE信号出力波形である。点においては摺動部が摩耗す
る際発生するラビング波形20が明瞭に表われている。こ
れに対し点のAE信号出力波形は定常AE波21が発生する
ものの、他のバックグランドノイズは低いことが分か
る。
このことから、圧縮機の起動直後においては、摺動部の
微細なバリなどが原因となり、わずかな金属接触現象を
起こす。この時、該ラビング波形20が発生するものと考
えられる。しかし、運動時間の経過に伴ない摺動部がな
じみ上述したような安定した定常AE波21のみの信号発生
パターンとなる。なお、異常圧縮機については、上述し
た摺動部のなじみが無く、そのまま摩耗性損傷やすり傷
性損傷に至るものがある。
上述した定常AE波21の発生要因は第5図に示すベーン30
の上死点におけるシリンダ溝31との衝突によるAE信号で
ある。
以上述べたように、圧縮機の摺動部異常診断を実施する
に当つては、圧縮機初期稼動後の不安定な時期を避け、
AE信号の発生が安定した後AE信号を検知することが好ま
しい。
第6図は第1図に示した圧縮機摺動部異常診断システム
40のルームエアコン出荷ライン41における据付位置を示
したものである。同図に示すエアコン入口42付近でエア
コンが起動され、それに伴ない圧縮機も運転される。次
に該異常診断システム40の位置にて、圧縮機から発生す
るAE信号及び回転信号を検知し、摺動部の異常診断を実
施し、異常と判定された圧縮機が搭載されたルームエア
コンはエアコン出口43にてラインから外される。
例えば上述したエアコン出荷ラインにおいては該エアコ
ン入口42から該異常診断システム40まで圧縮機は連続た
とえば数分〜数十分程度運転されることになる。
以上、前述した圧縮機摺動部異常診断システムのルーム
エアコン出荷ラインでの運用例について述べた。
次に第1図に示した圧縮機摺動部異常診断システムの具
体的構成とその動作例を説明する。ルームエアコン出荷
ラインで、ベルトコンベア1に載せられルームエアコン
室外機2が運ばれて来る。そこで作業者あるいはロボツ
トでも良いが、圧縮機3にセンサ4を取り付ける。該セ
ンサ4は圧縮機から発生するAE信号を検出するためのAE
センサ及び圧縮機の回転振動信号を検出するための加速
度ピツクアツプより構成されるもので、たとえば第7図
に示す一体化センサ50により構成される。該一体化セン
サ50はケース51内にAEセンサ52及び加速度ピツクアツプ
53を収納したものであり、上記両信号を同時かつスピー
デイに検出するのに便利である。しかし、特に両信号を
検出するのに高速性が要求されない場合はそれぞれ両セ
ンサを独立して、該圧縮機3に取り付けても良い。
次に該AEセンサ52,加速度ピツクアツプ53の出力は増幅
器5a,5bにて増幅され、該増幅器5aの出力すなわちAE信
号は検波回路6に通され、検波される。一方、該増幅器
5bの出力、すなわち圧縮機の回転振動信号は炉波器7に
通され、回転振動信号に含まれるノイズ成分が除去され
る。次に該検波回路6及び炉波器7の出力はA/Dコンバ
ータ8に入力される。
第8図に該A/Dコンバータ8に入力される信号波形例を
示す。次に信号取り込み指令スイツチ9より命令が発せ
られると、該A/Dコンバータ8は第8図に示した両信号
を取り込むことになる。次にFFT処理部10にて第8図に
示すAE検波信号60の周波数分析を実行する。一方、加算
平均処理部11においては、第8図に示す回転信号61をト
リガー信号とし、該AE検波信号60を複数回加算平均処理
する。上記加算平均処理はAE検波信号に含まれる圧縮機
のランダムノイズを除去し、摺動部損傷によつて発生す
るAE信号のみを有効に抽出するため行なうものである。
なお、該FFT処理部10及び加算平均処理部11はソフトウ
エアによつても達成できるが、上述したように繁頻に生
産されるルームエアコン出荷ライン(約10秒に1台の割
合で生産)などにおいては、処理スピードが一段と速い
専用ハードプロセツサを用いるのが最も好ましい。
次に該加算平均処理部11にて実行された処理結果は、波
形解析部12に入力される。該波形解析部12では入力され
た加算平均処理波形の圧縮機1回転当りのAE信号発生数
を検出する。圧縮機摺動部に異常が発生すると、第9図
に示すように正常品より発生する定常AE波21の他にすり
傷による異常摺動部から異常AE波70が発生する。上記波
形解析部12では第9図に示すように設定されたしきい値
電圧Eと加算平均処理波形を比較し、Eを越えた信
号発生数Nを計数し、異常判定処理部13に結果を出力す
る。
第9図には摩耗性異常によつて発生する異常AE波71も併
記した。該FFT処理部0にて第9図に示した正常品及び
摩耗性異常品より発生する該異常AE波71を周波数分析す
ると第10図に示すようになる。正常品の場合、圧縮機の
回転数に相当する周波数成分fが第1ピークとなり、
その倍高調波成分が徐々に減衰する形をとる。しかし、
摩耗性異常品の場合は上記と異なり、ほとんど該f
のみが顕著に表われる。該FFT処理部10からは上述した
周波数分析結果が該異常判定処理部13に出力される。
次に該異常判定処理部13にて実行する処理手段を第11図
により説明する。該FFT処理部10から取り込んだ周波数
分析データをもとに次に示す演算を実行する。
Kf=Af/Af …(1) 上記Afは周波数分析結果の強度の全周波数に亘る総和
値であり、Afは圧縮機回転数に相当する周波数成分の
強度である。さらに第11図に示すように、上記Kf及び
Nとそれぞれの設定値k1,k2とを比較することにより圧
縮機摺動部の異常診断を実行する。次に該異常判定処理
部13による診断結果は表示部14にて外部に表示される。
以上のように、摺動運動部から発生するAE信号および回
転振動信号より、摺動運動部の損傷を検出することがで
き、摺動運動部を有するルームエアコンの信頼性が向上
する。
〔第2の実施例〕 次に本発明の他の実施例について述べる。本実施例は前
述した圧縮機摺動部異常診断システムにシステムチエツ
ク機能を付設し、システム自体の誤動作によるエラーを
防止するための実施例である。第12図に本発明の実施例
である圧縮機異常診断システムの構成を示す。
該信号取り込み指令スイツチ9の指令を回転信号チエツ
ク部15に入力する。該回転信号チエツク部15では指令を
受けた後、該炉波器7より出力される回転信号の実効的
な電圧レベル(たとえば平均値など)を調べ、規準値と
比較する。規準値を越えた場合、その旨指令(ここでは
説明の都合上甲指令とする)を該異常判定処理部13に出
力する。一方、規準値を越えない場合、その持続時間が
計測され、設定された規定時間を越えた場合、その旨指
令(ここでは乙指令とする)が該異常判定処理部13に出
力される。該異常判定処理部では甲指令があつた場合、
該加速度ピツクアツプ53が良好であるとして診断を実行
する。しかし乙指令があつた場合には該加速度ピツクア
ツプ53の不良あるいは該一体化センサ50の圧縮機への取
り付け忘れがあつたとして、診断を中止し、即座に表示
部を通じオペレータに通報する。
以上の処理を実行することにより該一体化センサ50の不
良及びオペレータの操作ミスが検出できる。そのため上
記不良やミスが原因で起きる診断エラーを回避すること
が可能となるため、診断データの信頼性がさらに向上す
る。
〔第3の実施例〕 次に上記診断システムに該AEセンサ52の不良検出機能を
付加した実施例について述べる。
該加算平均処理部11から出力される加算平均処理波形の
実効的な電圧レベル(たとえば平均値など)を該波形解
析部12にて調べ規準値と比較する。規準値を越えた場合
はその旨指令(ここではα指令とする)が該異常判定処
理部13に出力される。一方、診断の度に規準値を越えな
い場合が、指定回数連続して続いた場合、その旨指令
(ここではβ指令とする)が該異常判定処理部13に出力
される。該異常判定処理部ではα指令があつた場合、該
AEセンサ52が良好であるとし診断を実行する。しかしβ
指令があつた場合、該AEセンサ52が不良であるとし、即
座に該表示部14を通じオペレータに通報する。
以上の処理を実行することにより、AEセンサ不良を検出
でできる。そのため、オペレータはAEセンサを修理す
る、あるいは新品と交換するなど即座に対策を立てるこ
とが可能となる。
〔第4の実施例〕 次に上記診断システムに該一体化センサ50の取り付け不
良チエツク機能を付加した実施例について述べる。上記
目的を達成するため、第12図に示すように、回転周波数
チエツク部16を設けたものである。該炉波器7より出力
される圧縮機の回転信号の周波数を該回転周波数チエツ
ク部16にて計数する。該一体化センサ50の取り付け具合
が悪かつた場合出力されるAE検波信号と回転信号の出力
波形を正常取り付け時と比較し第13図に示す。該一体化
センサ50が圧縮機に完全に密着し、良好な状態で得られ
る信号に対し、取り付け状態が悪いとAE検波信号はあた
かも異常圧縮機から発生するAE信号のごとき形態とな
り、回転信号は周期性の無いランダムな波形となり正常
品の周波数とは異なつてしまう。
ルームエアコン製造ラインにて運転される圧縮機の回転
数は機種により異なるが、ある一定の範囲内で運転され
る。該回転周波数チエツク部16で計数した周波数の値は
該異常判定処理部13に入力される。該異常判定処理部13
では入力された回転周波数が定められた範囲内に有る場
合には診断を実行するが、それ以外の場合は該一体化セ
ンサ50の取り付け不良であるとして、診断を中止し、該
表示部14を通じ即座にオペレータに通報する。オペレー
タは上記通報により、該一体化センサ50の取り付け具合
を変えるなどの対策を採ることができる。さらに、第13
図にて示したセンサ取り付け不良にて検出したような波
形にて異常診断を行なうことも防止できる。
第14図は上述した実施例を包含し、ルームエアコン等に
搭載される圧縮機の摺動部異常診断を出荷ラインにて実
施する際のフロー図を示したものである。まず、圧縮機
へセンサが取り付けられ、次に信号取り込み指令スイツ
チによりAE検波信号及び回転信号が取り込まれる。次に
加速度ピツクアツプの良否(たとえばケーブル類の断線
による不良など)がチエツクされ、異常があつた場合、
結果が表示される。次にセンサ取り付け不良チエツク
(たとえばルームエアコンの銅パイプにセンサが触れ圧
縮機に密着していないなど)が実行され、異常があつた
場合、結果が表示される。上記チエツクにて異常がなか
つた場合、周波数分析及び加算平均処理が実行される。
次に加算平均処理結果を用い、AEセンサの良否(たとえ
ばケーブル類の断線など)がチエツクされ、異常があつ
た場合結果が表示される。さらに上記チエツクにて異常
が認められなかつた場合、波形解析が実行され、次に周
波数分析結果及び波形解析結果をもとに、圧縮機の摺動
部異常診断が実行され最後に診断結果が表示される。上
記診断終了後、ベルトコンベアにて運ばれて来た別の圧
縮機にセンサを取り付け、同様の操作を繰り返す。
なお、表示部では、上述したチエツクごとに各チエツク
項目に相当する異常名が表示されるため、オペレータは
現在の状況を良く把握しながら作業を進めることができ
る。
以上摺動運動部をもつ量産品の例としてルームエアコン
の出荷ラインでの圧縮機診断の実施例について述べた。
上述したシステムにて診断を実施すれば高精度かつ高感
度及び高速で異常品が検出できるばかりでなく、センサ
類の不良チエツクも含めシステム自体のセルフチエツク
も診断の度行えるなど信頼性の高い異常診断が可能とな
る。
〔その他の実施例〕
上記した方法にてルームエアコン等に登載された圧縮機
が診断され、良品については製品として出荷され、顧客
に納入されることになる。しかし商品製作メーカとして
は、その商品のメインテナンスも含め最後まで面倒を見
る必要がある。
上述した診断方法において正常とされた圧縮機でも規準
値ぎりぎりで正常と判定され、出荷される商品も存在す
る。工場内の出荷ラインにて診断され出荷された商品の
圧縮機AE診断結果と、その製造番号の対応付けが得られ
れば顧客納入後さらに商品の品質管理が出来ることにな
る。
たとえば圧縮機不良により修理が必要となつた商品につ
いて、出荷ラインにて診断したときのAE解析データを調
てみる。AE解析データより出荷時は完壁な正常パターン
であつた圧縮機にかかわらず不良になつた商品について
は、使用時の潤滑状態の悪化や圧縮機に用いられている
材料の劣化などが考えられる。その場合、今後出荷され
る圧縮機の潤滑油を良好なものに変えるあるいは材料を
変更するなど、設計へのフイードバツクを図ることが可
能となる。さらに上記規準値ぎりぎりにて出荷された商
品の修理が多い場合は規準値をさらに厳しくする等のフ
イードバツクを図ることも可能となる。
上記フイードバツクを繰り返すことにより、圧縮機が搭
載された商品の信頼性を将来に亘つて著しく向上させる
ことが可能となる。
そこで本発明においては、第15図に示すように、上述し
た実施例に製造番号を読み取るための製造番号読み取り
センサ80(たとえばバーコードリーダなど)、データ処
理部81並びにデータ収録部82を付加したものである。具
体的動作と効果について以下述べる。
ベルトコンベア1に載せられたルームエアコン用室外機
2の製造番号を該製造番号読み取りセンサ80にて読み取
り、該異常判定処理部13より出力されるAE解析データと
製造番号の対応付けを該データ処理部81にて実施する。
次にその結果を該データ収録部82にて記憶する。
上述したAE解析データとしては例えば、AE平均値,AEピ
ーク値,周波数の第1,第2,第3ピーク値の電圧,圧縮機
の回転数及び前述したKfやNの値並びに異常診断結果
などが挙げられる。なお、該データ収録部82はパソコン
等のフロツピーデイスクでも十分その機能をはたすこと
ができるが、大型コンピユータなどを用いればデータの
収録はもちろんのこと、統計的なデータ管理も可能とな
る。さらに、上述した実施例では商品個々を知る情報と
して製造番号としたが、特に製造番号でなくても、商品
個々を区別できる情報であれば何を用いてもかまわな
い。
以上述べた本実施例を用いれば、圧縮機等の摺動運動部
をもつ商品の信頼性を将来的に亘つて向上させることが
可能となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、摺動運動部の異常、特に摩耗性異常お
よびすり傷性異常を診断できるので、摺動運動部をもつ
製品の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の摺動運動部の異常診断システムを工場の
出荷ラインに用いた場合には、摺動運動部をもつ量産品
の異常診断が可能となるため、異常品を搭載した商品の
出荷がなくなるなど、商品の信頼性を大幅に向上させる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例、第2図は本発明の特徴を説
明するためのデータ例、第3図,第4図,第8図,第9
図,第10図は本発明を説明するためのデータ例、第5図
は本発明を説明するための補足図、第6図,第7図は本
発明の一部機能を説明するための構成図、第11図は本発
明に用いた異常診断アルゴリズムの一例、第12図,第15
図は本発明の他の実施例、第13図は他の実施例を説明す
るためのデータ例、第14図は上記発明例を用い摺動運動
部を有する量産品の異常診断を実施する際のフロー図で
ある。 1……ベルトコンベア、2……ルームエアコン室外機、
3……圧縮機、4……センサ、8……A/Dコンバータ、
9……信号取り込みスイツチ、10……FFT処理部、11…
…加算平均処理部、12……波形解析部、13……異常判定
処理部、14……表示部、15……回転信号チエツク部、16
……回転周波数チエツク部、40……圧縮機摺動部異常診
断システム、41……ルームエアコン出荷ライン、80……
製造番号読み取りセンサ、81……データ処理部、82……
データ収録部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 耕一 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株式 会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 田中 聰介 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株式 会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 神谷 章 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株式 会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 蓼沼 博志 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株式 会社日立製作所栃木工場内 (56)参考文献 特開 平2−16420(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺動運動部から発生するAE信号を検出する
    手段と、前記摺動運動部の位置情報信号を検出する位置
    検出手段と、前記AE信号を周波数分析する周波数分析手
    段と、前記位置情報信号をトリガ信号とし前記AE信号を
    複数回加算平均する加算平均手段と、前記加算平均手段
    によって得られた加算平均波形に基づいて前記AE信号の
    発生回数を検出する手段と、前記周波数分析して得られ
    た情報に基づいて摩耗性異常の有無を、前記発生回数に
    基づいてすり傷性異常の有無を判定する異常判定手段
    と、前記異常判定手段の判定結果を表示する表示手段と
    を備えることを特徴とする摺動運動部の異常診断システ
    ム。
  2. 【請求項2】前記振動信号の電圧に基づいて前記位置検
    出手段の不良を判定する信号チェック手段を備え、前記
    表示手段が前記信号チェック手段の判定結果を表示する
    特許請求の範囲第1項記載の摺動運動部の異常診断シス
    テム。
  3. 【請求項3】前記AE信号の電圧に基づいて前記AE信号を
    検出する手段の不良を判定するAEチェック手段を備え、
    前記表示手段が前記AEチェック手段の判定結果を表示す
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載の摺動運動部
    の異常診断システム。
  4. 【請求項4】前記振動信号の周波数に基づいて前記位置
    検出手段の不良を判定する周波数チェック手段を備え、
    前記表示手段が前記周波数センサチェック手段の判定結
    果を表示する特許請求の範囲第1項記載の摺動運動部の
    異常診断システム。
  5. 【請求項5】摺動運動部から発生するAE信号を検出する
    手段と、検出された前記AE信号を検波する検波手段と、
    摺動運動部の振動信号を検出する位置検出手段と、前記
    振動信号を炉波し、前記摺動運動部の位置情報信号を抽
    出する炉波手段と、信号取り込み指令により、前記検波
    手段で得られたAE検波信号および前記炉波手段で得られ
    た前記位置情報信号を取り込んで、両信号をそれぞれA/
    D変換するA/Dコンバータ部と、A/D変換された前記AE検
    波信号を周波数分析する手段と、A/D変換された前記位
    置情報信号をトリガー信号として、A/D変換された前記A
    E検波信号を複数回加算平均する加算平均手段と、前記
    加算平均手段で得られた加算平均波形に基づいて前記AE
    信号の発生回数を求める波形解析手段と、前記周波数分
    析手段から出力された分析結果と第1判定値とを、およ
    び前記波形解析手段から出力された解析結果と第2判定
    値とをそれぞれ比較して、前記摺動運動部の異常を判定
    する異常判定手段と、前記異常判定手段の判定結果を表
    示する表示手段とを備えることを特徴とする摺動運動部
    の異常診断システム。
  6. 【請求項6】前記AE信号を検出する手段と前記位置検出
    手段は一体型である特許請求の範囲第1項または第5項
    記載の摺動運動部の異常診断システム。
  7. 【請求項7】番号を付された異常診断対象物の前記番号
    を読み取る手段と、前記番号と前記番号に対応する異常
    診断対象物についての前記異常判定手段の判定結果とを
    収録するデータ収録部を備える特許請求の範囲第1項ま
    たは第5項記載の摺動運動部の異常診断システム。
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