JPH08245429A - α−オレフイン低重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフイン低重合体の製造方法

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JPH08245429A
JPH08245429A JP7051561A JP5156195A JPH08245429A JP H08245429 A JPH08245429 A JP H08245429A JP 7051561 A JP7051561 A JP 7051561A JP 5156195 A JP5156195 A JP 5156195A JP H08245429 A JPH08245429 A JP H08245429A
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Takeshi Okano
丈志 岡野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ハロゲン含有化合物を含むクロム系触媒を使用
する方法において、反応液中に含有される触媒成分を効
果的に除去し、触媒除去後の工程の負荷が軽減され、ま
た、高価なアミン化合物等の触媒成分を回収して再利用
し得るα−オレフイン低重合体の製造方法を提供する。 【構成】クロム系触媒を使用したα−オレフイン低重合
体の製造方法において、クロム系触媒として、少なくと
も、クロム化合物(a)、アミン、アミド、イミドの群
から選ばれる1種以上の化合物(b)、アルキルアルミ
ニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)の組
み合わせから成る触媒系を使用し、反応溶媒中でα−オ
レフインの低重合を行い、次いで、触媒成分を含有する
反応液を2.5mol/l以下の酸またはアルカリ水溶
液と接触させて触媒成分を除去することを特徴とするα
−オレフイン低重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−オレフイン低重合
体の製造方法に関するものであり、詳しくは、ハロゲン
含有化合物を含むクロム系触媒を使用したα−オレフイ
ン低重合体の製造方法であって、反応液中に含有される
触媒成分を除去することにより、触媒除去後の工程の負
荷が軽減され、また、高価なアミン化合物等の触媒成分
を回収して再利用し得るα−オレフイン低重合体の工業
的に有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン等のα−オレフインの低
重合方法として、特定のクロム化合物と特定の有機アル
ミニウム化合物の組み合せから成るクロム系触媒を使用
する方法が知られている。例えば、特公昭43−187
07号公報には、クロムを含むVIB族の遷移金属化合
物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシドから成る
触媒系により、エチレンから1−ヘキセンを得る方法が
記載されている。
【0003】また、特開平3−128904号公報に
は、クロム−ピロリル結合を有するクロム含有化合物と
金属アルキル又はルイス酸とを予め反応させて得られた
触媒を使用してα−オレフインを三量化する方法が記載
されている。さらに、南アフリカ特許ZA93/035
0には、クロム化合物、ピロール含有化合物、金属アル
キル化合物及びハライド源を共通の溶媒中で混合するこ
とにより得られた触媒系を使用して、α−オレフインを
低重合する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】α−オレフインの低重
合反応により得られる各種の成分、例えば、α−オレフ
イン低重合体組成物から蒸留により回収される1−ヘキ
センは、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等の
有用なポリマーの原料モノマーとして利用され、炭素数
4の1−ブテンやブタン、炭素数8の1−オクテンやオ
クタン等は、例えば、硫化水素を付加させた後酸化する
ことにより、スルホン酸類に変換することが出来、その
塩類は、界面活性剤として有用である。
【0005】従って、反応液中に含有されるクロム化合
物などの触媒成分を除去し、得られるα−オレフイン低
重合体の高純度化を図ることは、α−オレフインの低重
合反応により得られる各種の成分の用途において重要で
あり、しかも、各成分の蒸留分離の条件によっては、ク
ロム化合物などの触媒成分による蒸留塔への付着などの
問題も惹起されるため、斯かる観点からも、反応液中に
含有されるクロム化合物などの触媒成分の除去の必要が
ある。
【0006】かかる目的のため、本発明者らの一部は、
クロム化合物とアミン又は金属アミドとアルキルアルミ
ニウム化合物の3成分の組み合わせから成る触媒を使用
し、α−オレフインを低重合して得られる反応液を酸ま
たはアルカリ水溶液と接触させてクロム化合物などの触
媒成分を除去する方法を提案した(特願平5−3296
68号)。
【0007】このような触媒除去において、酸やアルカ
リ水溶液の濃度は、触媒を抽出除去した後の工程の負荷
を軽減するためにはできるだけ低い方が好ましい。しか
しながら、特願平5−329668号に記載された3成
分の組み合わせから成る触媒の場合、反応液からクロム
化合物やアルキルアルミニウム化合物を除去するために
は酸やアルカリ水溶液の濃度はあまり低くては効果がな
い。
【0008】一方、触媒成分としてクロム化合物、アミ
ン、アミド、イミドの群から選ばれる1種以上の化合
物、アルキルアルミニウム化合物及びハロゲン含有化合
物の組み合わせから成る触媒は、α−オレフイン低重合
体を高収率で、しかも高選択率で製造することができる
ので工業的な実施の際には好適である。
【0009】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、クロム化合物(a)、アミン、アミ
ド、イミドの群から選ばれる1種以上の化合物(b)、
アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化
合物(d)の組み合わせから成るクロム系触媒を使用す
る方法において、反応液中に含有される触媒成分を効果
的に除去し、触媒除去後の工程の負荷が軽減され、ま
た、高価なピロール化合物等の触媒成分を回収して再利
用し得るα−オレフイン低重合体の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、クロム化合物
(a)、アミン、アミド、イミドの群から選ばれる1種
以上の化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物
(c)及びハロゲン含有化合物(d)の組み合わせから
成るクロム系触媒を使用してα−オレフインの低重合を
行った後、触媒成分を含有する反応液から触媒成分を除
去する際に、該反応液を低濃度の酸またはアルカリ水溶
液と接触させることにより、予想外にも、クロム化合物
やアルキルアルミニウム化合物を効果的に除去でき、上
記の目的を容易に達成し得るとの知見を得た。
【0011】本発明は、上記の知見に基づき達成された
ものであり、その要旨は、クロム系触媒を使用したα−
オレフイン低重合体の製造方法において、クロム系触媒
として、少なくとも、クロム化合物(a)、アミン、ア
ミド、イミドの群から選ばれる1種以上の化合物
(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハロゲ
ン含有化合物(d)の組み合わせから成る触媒系を使用
し、反応溶媒中でα−オレフインの低重合を行い、次い
で、触媒成分を含有する反応液を2.5mol/l以下
の酸またはアルカリ水溶液と接触させて触媒成分を除去
することを特徴とするα−オレフイン低重合体の製造方
法、に存する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、クロム系触媒として、少なくとも、クロム化
合物(a)、アミン、アミド、イミドの群から選ばれる
1種以上の化合物(b)、アルキルアルミニウム化合物
(c)及びハロゲン含有化合物(d)の組み合わせから
成る触媒系を使用する。
【0013】本発明で使用するクロム化合物(a)は、
一般式CrXnで表される。但し、一般式中、Xは、任
意の有機基または無機の基もしくは陰性原子または配位
性分子、nは1〜6の整数を表し、そして、nが2以上
の場合、Xは同一または相互に異なっていてもよい。ク
ロムの価数は0〜6価であり、上記の式中のnとしては
2以上が好ましい。
【0014】有機基としては、炭素数が通常1〜30の
各種の基が挙げられる。具体的には、炭化水素基、カル
ボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケト
ナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル
基およびアミド基などが例示れる。炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アラルキル基、シクロペンタジエニル
基など等が挙げられる。無機の基としては、硝酸基、硫
酸基などのクロム塩形成基が挙げられ、陰性原子として
は、酸素、ハロゲン等が挙げられる。
【0015】好ましいクロム化合物は、クロムのアルコ
キシ塩、カルボキシル塩、β−ジケトナート塩、β−ケ
トエステルのアニオンとの塩、または、クロムハロゲン
化物であり、具体的には、クロム(IV)t−ブトキシド、
クロム(III) アセチルアセトナート、クロム(III) トリ
フルオロアセチルアセトナート、クロム(III) ヘキサフ
ルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナー
ト)、Cr(PhCOCHCOPh)3(ここでPhはフ
ェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、クロム(I
II) アセテート、クロム(III) 2−エチルヘキサノエー
ト、クロム(III) ベンゾエート、クロム(III) ナフテネ
ート、Cr(CH3 COCHCOOCH3)3 、塩化第一
クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二ク
ロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第
一クロム、フッ化第二クロム等が挙げられる。
【0016】また、上記のクロム化合物と電子供与体か
ら成る錯体も好適に使用することが出来る。電子供与体
としては、窒素、酸素、リン又は硫黄を含有する化合物
の中から選択される。窒素含有化合物としては、ニトリ
ル、アミン、アミド等が挙げられ、具体的には、アセト
ニトリル、ピリジン、ジメチルピリジン、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルホルムアミド、アニリン、ニトロ
ベンゼン、テトラメチルエチレンジアミン、ジエチルア
ミン、イソプロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、
ピロリドン等が挙げられる。
【0017】酸素含有化合物としては、エステル、エー
テル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げられ、
具体的には、エチルアセテート、メチルアセテート、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、ジグライム、トリグライム、アセト
ン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ア
セトアルデヒド等が挙げられる。
【0018】リン含有化合物としては、ヘキサメチルホ
スホルアミド、ヘキサメチルフォスフォラストリアミ
ド、トリエチルホスファイト、トリブチルホスフィンオ
キシド、トリエチルホスフィン等が例示される。一方、
硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジメチルスルホ
キシド、テトラメチレンスルホン、チオフェン、ジメチ
ルスルフィド等が例示される。
【0019】従って、クロム化合物と電子供与体から成
る錯体例としては、ハロゲン化クロムのエーテル錯体、
エステル錯体、ケトン錯体、アルデヒド錯体、アルコー
ル錯体、アミン錯体、ニトリル錯体、ホスフィン錯体、
チオエーテル錯体などが挙げられる。具体的には、Cr
Cl3 ・3THF、CrCl3 ・3dioxane、C
rCl3 ・(CH3 CO2 n−C4 9 )、CrCl3
・(CH3 CO2 25 )、CrCl3 ・3(i−C
3 7 OH)、CrCl3 ・3[CH3 (CH 2 3
H(C2 5 )CH2 OH]、CrCl3 ・3pyri
dine、CrCl3 ・2(i−C3 7 NH2 )、
[CrCl3 ・3CH3 CN]・CH3 CN、CrCl
3 ・3PPh3 、CrCl2 ・2THF、CrCl2
2pyridine、CrCl2 ・2[(C2 5)2
H]、CrCl2 ・2CH3 CN、CrCl2 ・2[P
(CH3 2 Ph]等が挙げられる。(ここで、THF
はテトラヒドロフランを表す。)
【0020】クロム化合物としては、炭化水素溶媒に可
溶な化合物が好ましく、クロムのβ−ジケトナート塩、
カルボン酸塩、β−ケトエステルのアニオンとの塩、β
−ケトカルボン酸塩、アミド錯体、カルボニル錯体、カ
ルベン錯体、各種シクロペンタジエニル錯体、アルキル
錯体、フェニル錯体などが挙げられる。クロムの各種カ
ルボニル錯体、カルベン錯体、シクロペンタジエニル錯
体、アルキル錯体、フェニル錯体としては、具体的に
は、Cr(CO)6 、(C6 6)Cr(CO) 3
(CO)5 Cr(=CCH3 (OCH3 ))、(CO)
5 Cr(=CC6 5 (OCH3 ))、CpCrCl2
(ここでCpはシクロペンタジエニル基を示す。)、(
Cp* CrClCH3)2 (ここでCp* はペンタメチル
シクロペンタジエニル基を示す。)、(CH3)2 CrC
l等が例示される。
【0021】クロム化合物は、無機酸化物などの担体に
担持して使用することも出来るが、担体に担持させず
に、他の触媒成分と組み合わせて使用するのが好まし
い。すなわち、本発明において、クロム系触媒は、後述
する特定の接触態様で使用されるのが好ましいが、斯か
る態様によれば、クロム化合物の担体への担持を行わな
くとも高い触媒活性が得られる。そして、クロム化合物
を担体に担持させずに使用する場合は、複雑な操作を伴
う担体への担持を省略でき、しかも、担体の使用による
総触媒使用量(担体と触媒成分の合計量)の増大と言う
問題をも回避することが出来る。
【0022】本発明で使用するアミン(b)は、1級ま
たは2級のアミンである。1級アミンとしては、エチル
アミン、イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、
ベンジルアミン、アニリン、ナフチルアミン等が例示さ
れ、2級アミンとしては、ジエチルアミン、ジイソプロ
ピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミ
ン、ビス(トリメチルシリル)アミン、モルホリン、イ
ミダゾール、インドリン、インドール、ピロール、2,
5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロール、
3,4−ジエチルピロール、2,3,4−トリメチルピ
ロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−
テトラクロロピロール、2−アシルピロール、3,
3’,4,4’−テトラメチルジピロロメタン、ピラゾ
ール、ピロリジン等が例示される。
【0023】本発明で使用するアミド(b)としては、
1級または2級のアミンから誘導される金属アミドが挙
げられ、例えば、上記の1級または2級のアミンとIA
族、IIA族、IIIA族およびIVB族から選択され
る金属との反応により得られるアミドが挙げられる。斯
かる金属アミドとしては、具体的には、リチウムアミ
ド、ナトリウムエチルアミド、カルシウムジエチルアミ
ド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムベンジル
アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、
リチウムインドリド、ナトリウムピロライド、リチウム
ピロライド、カリウムピロライド、カリウムピロリジ
ド、アルミニウムジエチルピロライド、エチルアルミニ
ウムジピロライド、アルミニウムトリピロライド、リチ
ウム(2,5−ジメチルピロライド)等が挙げられる。
【0024】本発明においては、上記の2級のアミン、
2級のアミンから誘導される金属アミド又はこれらの混
合物が好適に使用される。特には、2級のアミンとして
は、ピロール、2,5−ジメチルピロール、3,4−ジ
メチルピロール、2,3,4−トリメチルピロール、
3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラク
ロロピロール、2−アシルピロール、3,3’,4,
4’−テトラメチルジピロロメタン、2級のアミンから
誘導される金属アミドとしては、アルミニウムピロライ
ド、エチルアルミニウムジピロライド、アルミニウムト
リピロライド、ナトリウムピロライド、リチウムピロラ
イド、カリウムピロライド、アルミニウム(2,5−ジ
メチルピロライド)、エチルアルミニウムビス(2,5
−ジメチルピロライド)、アルミニウムトリス(2,5
−ジメチルピロライド)、ナトリウム(2,5−ジメチ
ルピロライド)、リチウム(2,5−ジメチルピロライ
ド)、カリウム(2,5−ジメチルピロライド)が好適
である。そして、ピロール誘導体の中、ピロール環に炭
化水素基を有する誘導体が特に好ましい。
【0025】本発明で使用する前記以外のアミド又はイ
ミド(b)としては、下記一般式(1)〜(3)で表さ
れる化合物などが挙げられる。
【0026】
【化1】
【0027】一般式(1)中、M1 は、水素原子または
周期律表のIA、IIA、IB、 IIIA族から選ばれる金
属元素であり、R1 は、水素原子、炭素数1〜30のア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有し
ていてもよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んで
いてもよいアリール基を表し、R2 は、水素原子、炭素
数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素
を含んでいてもよいアリール基、または、アシル基CO
3 (R3 の定義はR1 と同じであり、R1 と異なって
いてもよい)を表し、R1 とR2 は環を形成してもよ
い。
【0028】一般式(2)中、M2 及びM3 は、水素原
子または周期律表のIA、IIA、IB、 IIIA族から選
ばれる金属元素であり、R4 及びR 5は、水素原子、炭
素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、または、ヘ
テロ元素を含んでいてもよいアリール基を表し、R4
5は環を形成していてもよく、Aは不飽和結合を含ん
でいてもよいアルキレン基を表す。
【0029】一般式(1)又は一般式(2)で表される
酸アミド類としては、例えば、アセトアミド、N−メチ
ルヘキサンアミド、スクシンアミド、マレアミド、N−
メチルベンズアミド、イミダゾール−2−カルボンアミ
ド、ジ−2−テノイルアミン、β−ラクタム、δ−ラク
タム、ε−カプロラクタム、および、これらと周期律表
のIA、IIA、IBまたは IIIA族の金属との塩が挙げ
られる。イミド類としては、例えば、1,2−シクロヘ
キサンジカルボンイミド、スクシンイミド、フタルイミ
ド、マレイミド、2,4,6−ピペリジントリオン、ペ
ルヒドロアゼシン−2,10−ジオン、および、これら
と周期律表のIA、IIA、IBまたは IIIA族の金属と
の塩が挙げられる。
【0030】一般式(3)中、M4 は、水素原子または
周期律表のIA、IIA、IB、IIIA族から選ばれる金
属元素であり、R6 は、水素原子、炭素数1〜30のア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、置換基を有し
ていてもよいアリール基、または、ヘテロ元素を含んで
いてもよいアリール基を表し、R7 は、水素原子、炭素
数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロ元素
を含んでいてもよいアリール基、または、SO28
(R8 の定義はR6 と同じであり、R6 と異なっていて
もよい)を表し、R6 とR7 は環を形成してもよい。
【0031】一般式(3)で示されるスルホンアミド類
およびスルホンイミド類としては、例えば、ベンゼンス
ルホンアミド、N−メチルメタンスルホンアミド、N−
メチルトリフルオロメチルスルホンアミド、および、こ
れらと周期律表のIA、IIA、IBまたは IIIA族の金
属との塩が挙げられる。
【0032】これらのアミド又はイミド化合物の中で
は、一般式(1)で表される化合物が好ましく、特に、
一般式(1)中のR2 がアシル基COR3 を表し、R1
とR2が環を形成しているイミド化合物が好ましい。本
発明において、アルキルアルミニウム化合物(c)とし
ては、下記一般式(4)で示されるアルキルアルミニウ
ム化合物が好適に使用される。
【0033】
【化2】 R1 m Al(OR2 n p q ・・・(4)
【0034】一般式(4)中、R1 及びR2 は、炭素数
が通常1〜15、好ましくは1〜8の炭化水素基であっ
て互いに同一であっても異なっていてもよく、Xはハロ
ゲン原子を表し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、p
は0≦p<3、qは0≦q<3のそれぞれの数であっ
て、しかも、m+n+p+q=3である数を表す。
【0035】上記のアルキルアルミニウム化合物として
は、例えば、下記一般式(5) で示されるトリアルキル
アルミニウム化合物、一般式(6)で示されるハロゲン
化アルキルアルミニウム化合物、一般式(7)で示され
るアルコキシアルキルアルミニウム化合物、一般式
(8)で示される水素化アルキルアルミニウム化合物な
どが挙げられる。なお、各式中のR1 、XおよびR2
定義は上記一般式(4)の場合と同じである。
【0036】
【化3】 R1 3Al ・・・ (5) R1 m AlX3-m ・・・ (6) (mは1. 5≦m<3) R1 m Al(OR2 3-m ・・・(7) (mは0<m<3、好ましくは1. 5≦m<3) R1 m AlH3-m ・・・(8) (mは0<m<3、好ましくは1. 5≦m<3)
【0037】上記のアルキルアルミニウム化合物の具体
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド等が挙げられる。こ
れらの中、ポリマーの副生が少ないと言う点でトリアル
キルアルミニウムが特に好ましい。アルキルアルミニウ
ム化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
【0038】本発明において、ハロゲン含有化合物
(d)としては、周期律表のIIIA、IIIB、IV
A、IVB、VA、VB、VIB族の群から選ばれる元
素を含むハロゲン含有化合物が好適に使用される。そし
て、ハロゲンとしては、塩素または臭素が好ましい。
【0039】上記のハロゲン含有化合物の具体例として
は、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタ
ン、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニ
ウム、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、塩化ガリウム、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メ
チレン、ジクロロエタン、ヘキサクロロベンゼン、1,
1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエ
タン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタク
ロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1,1−トリク
ロロプロパン、1,1,2,2−テトラクロロプロパ
ン、1,1,1−トリクロロブタン、1,1,2,2−
テトラクロロブタン、1,1,1−トリクロロペンタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロペンタン、1,1,
1−トリブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモ
エタン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロ
ヘキサン、1,3,5−トリクロロベンゼン、トリチル
クロリド、四塩化シラン、トリメチルクロロシラン、四
塩化ゲルマニウム、四塩化スズ、トリブチルスズクロリ
ド、三塩化リン、三塩化アンチモン、トリチルヘキサク
ロロアンチモネート、五塩化アンチモン、三塩化ビスマ
ス、三臭化ホウ素、三臭化アルミニウム、四臭化炭素、
ブロモホルム、ブロモベンゼン、ヨードメタン、四臭化
ケイ素、ヘキサフルオロベンゼン、フッ化アルミニウム
等が挙げられる。
【0040】上記のハロゲン含有化合物の中、ハロゲン
原子の数が多いものが好ましく、また、反応溶媒に可溶
の化合物が好ましい。特に好ましいハロゲン含有化合物
の例としては、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1
−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエ
タン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,
2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、四
塩化チタン、四塩化ゲルマニウム、四塩化スズ等が挙げ
られる。なお、ハロゲン含有化合物は、2種以上の混合
物として使用することも出来る。
【0041】本発明においては、クロム系触媒として上
記の各触媒成分から成る触媒系を使用し、反応溶媒中で
α−オレフインの低重合を行う。そして、クロム化合物
(a)とアルキルアルミニウム化合物(c)とが予め接
触しない態様でα−オレフインとクロム系触媒とを接触
させるのが好ましい。斯かる特定の接触態様により、選
択的に三量化反応を行わせ、原料エチレンから1−ヘキ
センを高収率で得ることが出来る。
【0042】また、上記の特定の接触態様のうちでも、
クロム化合物(a)とアルキルアルミニウム化合物
(c)とを予め接触しない態様に維持し、且つ、クロム
化合物(a)とアルキルアルミニウム化合物(c)とを
低重合反応時にα−オレフィンと同時に接触させる方法
を採用することが好ましい。上記の特定の接触態様は、
具体的には、(1)触媒成分(b)〜(d)を含む溶液
中にα−オレフイン及び触媒成分(a)を導入する方
法、(2)触媒成分(a)、(b)及び(d)を含む溶
液中にα−オレフイン及び触媒成分(c)を導入する方
法、(3)触媒成分(a)及び(d)を含む溶液中にα
−オレフイン、触媒成分(b)及び(c)を導入する方
法、(4)触媒成分(c)及び(d)を含む溶液中にα
−オレフイン、触媒成分(a)及び(b)を導入する方
法、(5)触媒成分(a)及び(b)を含む溶液中に、
α−オレフイン、触媒成分(c)及び(d)を導入する
方法、(6)触媒成分(b)及び(c)を含む溶液中に
α−オレフイン、触媒成分(a)及び(d)を導入する
方法、(7)触媒成分(c)を含む溶液中に、α−オレ
フイン、触媒成分(a)、(b)及び(d)を導入する
方法、(8)触媒成分(a)を含む溶液中にα−オレフ
イン、触媒成分(b)〜(d)を導入する方法、(9)
α−オレフイン及び各触媒成分(a)〜(d)をそれぞ
れ同時かつ独立に反応系に導入する方法などによって行
うことが出来る。そして、上記の各溶液は、通常、反応
溶媒を使用して調製される。
【0043】なお、本発明において、「クロム化合物と
アルキルアルミニウム化合物とが予め接触しない態様」
とは、反応の開始時のみならず、その後の追加的なα−
オレフイン及び触媒成分の反応器への供給においても斯
かる態様が維持されることを意味する。しかし、上記の
特定の態様は、触媒の調製の際に要求される好ましい態
様であり、触媒が調製された後は無関係である。従っ
て、反応系から回収された触媒を反応系に循環させるこ
とは、上記の好ましい態様に反することではない。
【0044】クロム化合物とアルキルアルミニウム化合
物とが予め接触する態様でクロム系触媒を使用した場合
にα−オレフインの低重合反応の活性が低くなる理由
は、未だ詳らかではないが、次の様に推定される。
【0045】すなわち、クロム化合物とアルキルアルミ
ニウムとを接触させた場合、クロム化合物に配位してい
る配位子とアルキルアルミニウム化合物中のアルキル基
との間で配位子交換反応が進行すると考えられる。そし
て、斯かる反応によって生成するアルキル−クロム化合
物は、通常の方法で得られるアルキル−クロム化合物と
異なり、それ自身不安定である。そのため、アルキル−
クロム化合物の分解還元反応が優先して進行し、その結
果、α−オレフインの低重合反応に不適当な脱メタル化
が惹起され、α−オレフインの低重合反応の活性が低下
すると推定される。
【0046】本発明において、原料α−オレフインとし
ては、炭素数が2〜30の置換または非置換のα−オレ
フインが使用される。具体的には、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メ
チル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げ
られる。特に、原料α−オレフインとしてエチレンが好
適であり、エチレンからその三量体である1−ヘキセン
を高収率かつ高選択率で得ることが出来る。
【0047】本発明において、反応溶媒としては、ブタ
ン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、2−メチルヘキサン、オクタン、2,2,4−トリ
メチルペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、デカリン等の炭素数1〜20の鎖状または脂環式の
飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素
などが使用される。これらは、単独で使用する他、混合
溶媒として使用することも出来る。
【0048】また、反応溶媒として、反応原料のα−オ
レフインそれ自体または主原料以外のα−オレフインを
使用することも出来る。反応溶媒用としては、炭素数が
4〜30のα−オレフインが使用されるが、常温で液状
のα−オレフインが特に好ましい。特に、反応溶媒とし
ては、炭素数が4〜10の鎖状飽和炭化水素または脂環
式飽和炭化水素が好ましい。これらの溶媒を使用するこ
とにより、ポリマーの副生を抑制することが出来、更
に、脂環式炭化水素を使用した場合は、高い触媒活性が
得られると言う利点がある。
【0049】本発明において、クロム化合物の使用量
は、溶媒1リットル当たり、通常1.0×10-7〜0.
5mol、好ましくは1.0×10-6〜0.2mol、
更に好ましくは1.0×10-5〜0.05molの範囲
とされる。一方、アルキルアルミニウム化合物の使用量
は、クロム化合物1mol当たり、通常50mmol以
上であるが、触媒活性および三量体の選択率の観点か
ら、0.1mol以上とするのがよい。そして、上限
は、通常1.0×104 molである。また、アミン、
アミド又はイミドの各使用量は、クロム化合物1mol
当たり、通常0.001mol以上であり、好ましくは
0.005〜1000mol、更に好ましくは0.01
〜100molの範囲とされる。また、ハロゲン含有化
合物の使用量は、アミン、アミド又はイミドの使用量と
同一の範囲とされる。
【0050】本発明においては、クロム化合物(a)、
アミン、アミド、イミドの群から選ばれる1種以上の化
合物(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)及びハ
ロゲン含有化合物(d)のモル比(a):(b):
(c):(d)は、1:0.1〜10:1〜100:
0.1〜20が更に好ましく、1:1〜5:5〜50:
1〜10が特に好ましい。斯かる特定条件の採用によ
り、例えばエチレン低重合体として、ヘキセンを90%
以上の収率(全生成量に対する割合)で製造することが
出来、しかも、ヘキセン中の1−ヘキセンの純度を99
%以上に高めることが出来る。
【0051】本発明では前述した触媒を使用してα−オ
レフインを低重合するが、反応溶媒中のクロム化合物の
濃度は、上述したように一般に1.0×10-7〜0.5
mol/lの範囲から選択される。クロム化合物の濃度
が、1.0×10-7〜0.1mol/l、好ましくは
2.0×10-7〜0.02mol/lの比較的低濃度で
あると後述の触媒除去がより効果的となるので好まし
い。
【0052】反応温度は、通常0〜250℃、好ましく
は0〜150℃、更に好ましくは20〜100℃であ
る。一方、反応圧力は、常圧ないし250kg/cm2
の範囲から選択し得るが、通常は、100kg/cm2
までの圧力で十分である。そして、滞留時間は、通常1
分から20時間、好ましくは0.5〜6時間の範囲とさ
れる。反応形式は、回分式、半回分式または連続式のい
ずれであってもよい。
【0053】また、反応時に水素を共存させるならば、
副生するポリマーの形状を粉末状にすることができるた
め、クロム化合物やアルキルアルミニウム化合物等の触
媒成分がポリマーに付着することを防ぐことができ、結
果として後述の触媒成分の除去率を改善することができ
る。共存させる水素の量は、水素分圧として、通常0.
1〜100kg/cm2 、好ましくは1.0〜80kg
/cm2 の範囲とされる。
【0054】本発明においては、α−オレフインの低重
合を行い、触媒成分を含有する反応液を2.5mol/
l以下の酸またはアルカリ水溶液と接触させて触媒成分
を除去する。好ましくは、触媒成分の除去に先立ち、反
応液中の副生ポリマーの分離除去を行う。反応液中の副
生ポリマーの分離除去は、公知の固液分離装置を適宜使
用し、副生ポリマーを溶融させることなく行われる。固
液分離装置としては、濾過機または遠心分離機を使用す
るのが好ましい。
【0055】触媒成分の除去に使用される酸としては、
硝酸、塩酸、硫酸が好適に使用され、アルカリとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムが好適に使用される。これらの酸またはアルカリ
は、2.5mol/l以下の低濃度で使用され、好まし
くは、酸は1.0×10-5〜2.0mol/l、アルカ
リは3.0×10-7〜2.0mol/lの範囲で使用す
る。
【0056】触媒成分を含有する反応液と酸またはアル
カリ水溶液との接触は、各種の抽出装置を使用して行う
ことが出来るが、攪拌槽と静置分離槽とを使用して行う
のが好適である。そして、これらの組み合わせは、1段
であっても多段であってもよく、また、回分式または連
続式の何れの抽出方式であってもよい。
【0057】上記の抽出にて容易に除去される触媒成分
は、使用する抽剤(酸またはアルカリ水溶液)によって
異なるが、主として、クロム化合物(a)、アミン、ア
ミド、イミドの群から選ばれる1種以上の化合物
(b)、アルキルアルミニウム化合物(c)などであ
る。本発明においては、必要に応じ、攪拌層を2個使用
し、酸水溶液とアルカリ水溶液の両者による抽出を行う
ことも出来る。
【0058】抽出条件としては、特に制限はないが、攪
拌槽と静置分離槽を使用した場合、攪拌槽における油
層:水層の体積比は、通常1:0.1〜10、好ましく
は1:0.5〜5、処理温度は、通常25〜60℃、好
ましくは40〜60℃、処理時間は、通常5〜120
分、好ましくは30〜90分とされる。
【0059】本発明において、触媒成分の除去は、任意
の段階で行うことが出来る。従って、触媒成分を含有す
る反応液は、必ずしも、反応系から導出された直後の反
応液に限定されず、α−オレフイン低重合体の主成分お
よび/または溶媒を蒸留分離した後の反応液であっても
よい。しかしながら、α−オレフイン低重合体および溶
媒の大部分を蒸留分離した後の反応液から触媒成分の除
去を行う場合は、その直前の蒸留分離において、触媒成
分による蒸留塔への付着などの問題が惹起されることが
ある。従って、触媒成分の除去は、蒸留後の任意の段階
で行うことが出来るが、触媒成分が高度に濃縮されない
段階で行う必要がある。
【0060】抽出処理後の酸またはアルカリ水溶液中の
金属イオンは、公知の方法によって回収することが出来
る。金属イオンの回収方法としては、例えば、キレート
樹脂による方法が挙げられる。キレート樹脂としては、
例えば三菱化学(株)製の「ダイヤイオンCR10」、
「ダイヤイオンCR11」等が挙げられる。これらのキ
レート樹脂によれば、特に、3価のクロムイオンとアル
ミニウムイオンとを効率良く回収することが出来る。ま
た、金属イオンの回収方法としては、上記の他、適宜に
化学反応を利用して不溶性金属として沈殿させる方法を
採用することも出来、また、斯かる沈殿回収法と上記の
キレート樹脂による方法とを組み合わせることも出来
る。
【0061】本発明においては、触媒除去に用いる酸ま
たはアルカリ水溶液の濃度が低いため、上記の金属イオ
ンの回収の際、抽出液の中和工程等における負荷を軽減
できる。また、低濃度の酸またはアルカリ水溶液を用い
るため、触媒成分中の高価なアミンを回収し再利用する
ことができるという利点もある。即ち、例えば低濃度の
アルカリ水溶液を用いる場合には、ピロール等のアミン
とハロゲン化合物との反応が抑制できるため、油層に残
存する高価なアミンを蒸留等によって回収し再利用する
ことができる。また、低濃度の酸を用いる場合には、ピ
ロール等のアミンの重合反応等を抑制することができる
ので、酸に抽出される高価なアミンを中和等の工程を経
て、蒸留により回収し再利用することができる。
【0062】一方、触媒成分が除去された反応液は、通
常、付着混入した酸またはアルカリ分を水洗によって除
去した後、α−オレフイン低重合体と溶媒とに蒸留分離
される。蒸留分離は、公知の蒸留装置を使用して行わ
れ、回収された溶媒は、反応系に循環使用することも出
来る。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更
に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限
り以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 150℃の乾燥器で加熱乾燥した2Lのオートクレーブ
を熱時に組み立てた後、真空窒素置換した。このオート
クレーブには破裂板を備えた触媒成分フィード管を取り
付けておいた。n−ヘプタン( 480ml) 、2,5−
ジメチルピロール(0.30mmol)のn−ヘプタン
溶液、トリエチルアルミニウム(1.52mmol)の
n−ヘプタン溶液、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン(0.50mmol)のn−ヘプタン溶液をオートク
レーブの胴側に仕込み、一方、触媒成分フィード管にク
ロム(III) 2−エチルヘキサノエート(0.10mmo
l)のn−ヘプタン溶液を仕込んだ。n−ヘプタンの全
体量は500mlであった。
【0064】先ず、オートクレーブを80℃に加熱し、
次いで80℃でエチレンを触媒成分フィード管より導入
した。エチレン圧により破裂板が破裂し、クロム化合物
がオートクレーブ胴側に導入されてエチレンの低重合が
開始された。全圧が35kg/cm2 Gとなる迄エチレ
ンを導入し、その後、全圧を35kg/cm2 Gに、温
度を80℃に維持した。すなわち、オートクレーブ内で
処理される見合量のエチレンを連続的に供給して全圧を
35kg/cm2 Gに維持した。
【0065】30分反応後、反応器を冷却し、オートク
レーブの圧力を解除して脱ガスを行った後、窒素下で濾
過機によって反応液中の副生ポリマー(56.1mg)
を分離除去して、α−オレフイン低重合体を含む反応液
を回収した。除去したポリマー中の成分を高周波プラズ
マ発光分光装置「ICAP−88」(日本ジャーレルア
ッシュ製)で測定(以下、ICP分析という。)した結
果、仕込み量の8.5wt%のCrと1.1wt%のA
lが含まれていた。一方、反応液中のα−オレフイン低
重合体の組成をガスクロマトグラフにより分析した結
果、触媒活性は116,143(g−α−オレフィン/
g−Cr・hr)、全生成物中のC6全体の含量は8
5.2wt%、C6中の1−ヘキセンの含量は97.6
wt%であった。
【0066】反応液(894ml)の一部(50ml)
を窒素下で採取し、表−1に示す濃度の硝酸(50m
l)を用いて、窒素雰囲気下で触媒成分を抽出した。こ
の時、油層と水層の体積比は1:1、抽出温度は20
℃、処理時間は30分であった。有機層は更に水洗を行
い、抽出に使用した酸層(抽出層)、抽出層を水洗した
洗液及び抽出後の有機層それぞれについて、触媒成分元
素の含有量をICP分析により測定した。結果を表−1
に示した。
【0067】実施例2〜3 実施例1において、触媒成分の抽出液として表−1に示
す濃度の酸を使用したこと以外は実施例1と同様に反応
を行った。分析結果を表−1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】実施例4〜5 実施例1において、触媒成分の抽出液として表−2に示
す濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用したこと以外は
実施例1と同様に反応を行った。分析結果を表−2に示
した。
【0070】実施例6 実施例1において、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンのn−ヘプタン溶液の代わりに、クロロホルム(0.
19mmol/l)のn−ヘプタン溶液を使用したこと
以外は、実施例4と同様に反応を行った。分析結果を表
−2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】比較例1 実施例1において、n−ヘプタン( 970ml) 、ピロ
ール(1.24mmol)のn−ヘプタン溶液、トリエ
チルアルミニウム(2.00mmol)のn−ヘプタン
溶液をオートクレーブの胴側に仕込み、一方、触媒成分
フィード管にクロム(III) 2−エチルヘキサノエート
(0.40mmol)のn−ヘプタン溶液を仕込み(こ
の時、n−ヘプタンの全量は1Lであった。)、反応温
度を60℃に、抽出液を1.4mol/lの塩酸に変更
したこと以外は、実施例1と同様に低重合反応、副生ポ
リマーの分離及び触媒成分の抽出を行った。分析結果を
表−3に示した。
【0073】比較例2 1.4mol/lの塩酸の代わりに1.2mol/lの
水酸化ナトリウム水溶液を使用したこと以外は比較例1
と同様に反応を行った。分析結果を表−3に示した。
【0074】
【表3】
【0075】実施例及び比較例から明らかなように、ハ
ロゲン含有化合物を含まない3成分から成る触媒系を使
用した比較例においては、低濃度の抽出液ではクロム化
合物等の触媒成分の除去効果が非常に小さいのに対し
て、ハロゲン含有化合物を含む本発明の触媒系を使用し
た実施例では、抽出後の有機層に含まれる触媒成分が少
なく、低濃度の抽出液であっても十分な触媒成分の除去
効果が達成されることが分かる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともクロム化合
物、アミン、アミド、イミドの群から選ばれる1種以上
の化合物、アルキルアルミニウム化合物及びハロゲン含
有化合物の組み合わせから成るクロム系触媒を使用する
方法において、反応液中に含有される触媒成分を効果的
に除去し、触媒除去後の工程の負荷が軽減され、また、
高価なアミン化合物等の触媒成分を回収して再利用し得
るα−オレフイン低重合体の製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 岡野 丈志 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島開発研究所内 (72)発明者 難波 美明 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム系触媒を使用したα−オレフイン
    低重合体の製造方法において、クロム系触媒として、少
    なくとも、クロム化合物(a)、アミン、アミド、イミ
    ドの群から選ばれる1種以上の化合物(b)、アルキル
    アルミニウム化合物(c)及びハロゲン含有化合物
    (d)の組み合わせから成る触媒系を使用し、反応溶媒
    中でα−オレフインの低重合を行い、次いで、触媒成分
    を含有する反応液を2.5mol/l以下の酸またはア
    ルカリ水溶液と接触させて触媒成分を除去することを特
    徴とするα−オレフイン低重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン含有化合物(d)が、周期律表
    のIIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、
    VIB族の群から選ばれる元素を含むハロゲン含有化合
    物である請求項1に記載のα−オレフイン低重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 酸またはアルカリ水溶液が、硝酸、塩
    酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸
    化カルシウムの水溶液から選ばれる請求項1又は2に記
    載のα−オレフイン低重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 クロム化合物(a)とアルキルアルミニ
    ウム化合物(c)とが予め接触しない態様でα−オレフ
    インとクロム系触媒とを接触させる請求項1〜3のいず
    れかに記載のα−オレフイン低重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 α−オレフィンがエチレンであり、α−
    オレフイン低重合体が主として1−ヘキセンである請求
    項1〜4のいずれかに記載のα−オレフイン低重合体の
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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