JPH08244820A - 容器の封止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワンタッチで開閉でき，コンパクト化に有利
な容器の封止構造の開示 【構成】 筒枠状の基部３の上端部を天面部５により閉
鎖し，この天面部５内に柔軟性を有する変形部９を形成
し，この変形部９に上方に延びる注出口部１０を突設
し，この注出口部１０とこの注出口部１０を封止する蓋
体４とが互いに嵌合する構造とされていることを特徴と
する容器の封止構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，内容液の密封性向上や
液垂れの防止等を図った容器の封止構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来，容器の封止構造の一例としては，
例えば，ヒンジ式のキャップがある。このキャップは，
ボトル本体の開口部に固定される円筒状の枠部と，同じ
く円筒状の蓋体とで構成されている。枠部の上部は円形
の天面部によって閉鎖されており，天面部には，上方に
突出する注出口部が突設されている。天面部の縁部には
注出口部をおおう蓋体が樹脂ヒンジを介して取り付けら
れている。蓋体の内面には注出口部に嵌合する封止用突
起が形成されており，蓋体を枠部に嵌合させると，蓋体
の封止用突起が注出口部に嵌合してボトルの封止が行わ
れるようになっている。

【０００３】また，ノズル式のキャップも知られてい
る。この筒状のキャップの天面部には，内容液を注出す
る小さな開口部と，この開口部からキャップの外周に延
びる溝とが形成されている。この溝には矩形断面のノズ
ルが嵌合し，ノズルは開口部の縁部に起倒可能に取り付
けられている。ノズルを立てるとノズルと天面部の開口
部が連通し，ノズルを倒すとノズルと天面部の開口部が
遮断されるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら，前者の
ヒンジキャップの場合，予め注出口部が天面部から上方
に突出しているので，蓋体は注出口部の高さの奥行きを
必要とする。このため，枠部が注出口部の高さ部分だけ
大きくなると共に，蓋体も注出口部の高さ相当分大きく
なり，ボトルのコンパクト化やプラスチック使用量の低
減化に不利であるという問題がある。

【０００５】また，後者のノズル式キャップの場合，ノ
ズルの注出口が露出するので，注出口に内容液が付着し
たままになり汚れ易いという不具合がある。

【０００６】本発明は，このような問題に着目してなさ
れたものであり，ボトルなどの容器の小型化をさらに進
めることが出来ると共に，プラスチック使用量の低減化
を図り，さらに，汚れの生じ難い容器の封止構造を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に，本発明にかかる容器の封止構造は，筒枠状の基部の
上端部を天面部により閉鎖し，この天面部内に柔軟性を
有する変形部を形成し，この変形部に上方に延びる注出
口部を突設し，この注出口部とこの注出口部を封止する
蓋体とが互いに嵌合する構造とされていることを特徴と
する。

【０００８】

【作用】本発明の容器の封止構造によれば，開封する際
に蓋体を持ち上げると，注出口部を介して変形部が上方
に引っ張られる。変形部は柔軟性を持っているから，凸
状態となり，注出口部が上方に延びる。従って，内容液
を注出するときに，注ぎ易くなる。蓋体を閉めると，蓋
体と注出口部とを嵌合して注出口部が封止されると共
に，変形部が反転して窪む。従って，注出口部が押し込
まれて注出口部の突出量が小さくなる。変形部の窪みに
より注出口部が下がるため，蓋体の高さを低くすること
が可能である。

【０００９】

【実施例】以下，本発明の実施例の容器の封止構造を図
１〜図４に基づいて説明する。

【００１０】図１はこの実施例の容器の封止構造として
のキャップの断面構成を示している。キャップ１は，ポ
リエチレンやポリプロピレンなどからなるもので，図５
に示すようなプラスチックボトルの口部２に固定される
筒枠状の基部３と，蓋体４とで概略構成される。基部３
は円筒形に形成され，基部３の上部は天面部５とされて
いる。天面部５の周囲にははめ込み用の段部６が形成さ
れており，蓋体４の周縁部が嵌合できるようになってい
る。天面部５と蓋体４とは一対のヒンジ７，７と，一対
のヒンジ７，７間に形成されたＬ型弾性ヒンジ８とによ
って連結されており，一対のヒンジ７，７とＬ型弾性ヒ
ンジ８とでいわゆるダブルアクションヒンジが形成され
ている。

【００１１】変形部９は，天面部５から球面形状に突出
しており，ヒンジ７，７から離れて位置する。変形部９
はこの実施例では凸状部として形成されているが，凹状
に窪んだ形状でも良い。変形部９は天面部５より薄肉に
形成されており，これによって天面部５の上下に変形で
きるようになっている。この変形部９の上下方向の柔軟
性は，薄肉に形成するほかに柔軟な樹脂（低密度ポリエ
チレンやポリ塩化ビニル等）で形成することによっても
与えることができる。変形部９及び天面部５は基部３と
同一樹脂であっても良いし，異なる樹脂であっても良
い。本実施例では変形部９及び天面部５は基部３と一体
に形成されている。変形部９の上部には注出口部１０が
突設されている。

【００１２】注出口部１０は変形部９の突出或いは没入
により上下方向に変位する。注出口部１０は変形部９よ
り硬く形成されている。注出口部１０の硬さは肉厚を天
面部５と同じ厚さにすることによって与えられる。注出
口部１０の端部の周囲には円環状のビード１１が設けら
れている。ビード１１は，蓋体４の外筒１２の先端凸部
１２ａと係合して蓋体４の開閉動作に伴って変形部９を
上下に変形させる。

【００１３】図１に示すように，基部３の内側にはボト
ル２の口部に螺着されるネジが形成され，天面部５の下
面にはボトルの口部内面に嵌合する内筒１３が突設され
ている。ボトル２の口部はこの内筒１３と基部３の内面
との間に挟み込まれるように固定される。

【００１４】蓋体４の内面には，前述の外筒１２が形成
され，外筒１２の内側にインナーリング１４が形成され
ている。外筒１２の先端部は注出口部１０のビード１１
の下部を封止できるように筒の内側に向かって絞られる
と共に，先端部に先端凸部１２ａを有し，注出口部１０
のビード１１と係合して蓋体４を開け閉めするときに，
変形部９を上下に変形させるようになっている。外筒１
２の外側には天面部５に付き当てられて変形部９の過度
の押し込み変形を防止するリブ１５が形成されている。
リブ１５が天面部５に当たるときに，外筒１２とインナ
ーリング１４との間の隙間に注出口部１０の先端部が進
入し，注出口部１０のビード１１の下部を外筒１２の先
端凸部１２ａが保持する。

【００１５】この実施例の容器の封止構造によれば，通
常時は蓋体４を閉めるときに変形部９を押圧するので，
変形部９が窪んで注出口部１０に蓋体４の外筒１２，１
４が嵌合する。開封する際に蓋体４を持ち上げると，注
出口部１０を介して変形部９が天面部５の上方に引っ張
られる。変形部９は柔軟性を持っているから，反転して
凸状態となり，変形部９が上方に延びる。そして内容液
を注出するときに，注出口部１０が天面部５の上方に突
出するので注ぎ易くなる。蓋体４を閉めると，外筒１
２，１４が注出口部１０に嵌合して注出口部１０が封止
されると共に，変形部９が再反転して窪む。

【００１６】このように，変形部９が再度押し込まれて
注出口部１０の突出量が小さくなる一方，蓋体４は注出
口部１０に嵌合しているので，蓋体の高さを低くするこ
とが可能となり，キャップ１の樹脂使用量を減少化でき
ると共に，製品のコンパクト化を促進できる。また，親
指などの片手で蓋体４の開け閉めを簡単に操作出来ると
共に，ワンタッチ操作で行っても確実に封止を行うこと
が出来るので，指などが汚れることがない。

【００１７】本実施例では，変形部９が天面部の中央よ
りもヒンジ７（固定側）とは反対側によって位置してい
るため，後述する図５のように天面部の中央に変形部を
形成する場合に比較して，蓋体４を開ける際の作用点か
らの距離が近く，よって比較的小さい力で容易に変形部
９を引き出せるという利点がある。

【００１８】図５は第２実施例を示すものである。図５
に示す容器の封止構造では，天面部５の中央の位置に変
形部９が形成されている。そして図１に示す注出口部１
０より細い径の注出口部１６が変形部９に形成され，蓋
体４にはインナーリング１４に代わる封止突起１７が突
設されている。封止突起１７は注出口部１６の内側に嵌
合して注出口部１６を封止する。外筒１８は図１の外筒
１２よりも径が細く注出口部１６の外側に嵌合する。な
お，蓋体４側には支持リブ１５と，段部６が形成されて
いないが，第１実施例と共通する構成には図面に図１と
同一の符号をつけることによって説明を省略する。

【００１９】図６は本発明の第３実施例を示す。この第
３実施例の容器の封止構造は，蓋体４は基部３と連結さ
れておらず，蓋体４は基部３の周りにねじ込む方式とさ
れている。また，基部３はボトル２の口部に押し込んで
固定するように，係合部１９を有し，ボトル２の口部に
基部３の下端を保持するフランジ２０と，係合部１９と
係合する係合部２１とが形成されている。さらに，注出
口部２２は基部側（下側）にビード２３を有し，蓋体４
の外筒１２の先端凸部１２ａがビード２３の下部を保持
するようになっている。第１実施例と共通する構成には
図面に図１と同一の符号をつけることによって説明を省
略する。

【００２０】

【発明の効果】本発明の容器の封止構造によれば，開封
する際に蓋体を持ち上げると，注出口部を介して変形部
が上方に引っ張られ，注出口部が上方に延びる。従っ
て，内容液を注出するときに，注ぎ易くなる。また，蓋
体を閉めると，蓋体と注出口部とが嵌合し，注出口部が
封止されると共に，変形部が反転して押し込まれるた
め，注出口部の突出量が小さくなり，蓋体の高さを低く
することができる。従って，ボトルなどの容器の小型化
をさらに進めることが出来ると共に，プラスチック使用
量の低減化を図り，さらに，汚れの生じ難い容器の封止
構造を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の容器の封止構造の断面構
成を示す断面図

【図２】第１実施例のキャップの斜視図

【図３】図１に示すキャップの基部の側面図

【図４】図１に示すキャップの基部の平面図

【図５】本発明の第２実施例を示すキャップの断面図

【図６】本発明の第３実施例を示すキャップの断面図

【符号の説明】

１ キャップ ２ ボトル ３ 基部 ４ 蓋体 ５ 天面部 ６ 段部 ７ ヒンジ ８ Ｌ型弾性ヒンジ ９ 変形部 １０ 注出口部 １１ ビード １２ 外筒 １３ 内筒 １４ インナーリング １５ 蓋体のリブ １６ 注出口部 １７ 封止突起 １８ 外筒 １９ 係合部 ２０ フランジ ２１ 係合部 ２２ 注出口部 ２３ ビード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筒枠状の基部の上端部を天面部により閉鎖
   し，この天面部内に柔軟性を有する変形部を形成し，こ
   の変形部に上方に延びる注出口部を突設し，この注出口
   部とこの注出口部を封止する蓋体とが互いに嵌合する構
   造とされていることを特徴とする容器の封止構造。