JPH08231885A - 艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物、その製造法及び該組成物を用いた合成樹脂成形品 - Google Patents

艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物、その製造法及び該組成物を用いた合成樹脂成形品

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JPH08231885A
JPH08231885A JP7269303A JP26930395A JPH08231885A JP H08231885 A JPH08231885 A JP H08231885A JP 7269303 A JP7269303 A JP 7269303A JP 26930395 A JP26930395 A JP 26930395A JP H08231885 A JPH08231885 A JP H08231885A
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JP
Japan
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meth
hindered amine
light stabilizer
silica
resin composition
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JP7269303A
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Takuhiko Jinno
卓彦 神野
Atsushi Ishikawa
敦司 石川
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Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時分散安定性に優れ、かつ艶消し硬化被膜
を形成する光硬化性樹脂組成物、その製造法及び該組成
物を用いた合成樹脂成形品を提供する。 【解決手段】 分子中に1個以上の(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導
体(a)、光重合開始剤(b)、及び分子中に1個
の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤(e)の
存在下又は非存在下で有機溶剤に分散された超微粒子シ
リカ(c)とその超微粒子シリカを凝集させるに可能な
ヒンダードアミン系光安定剤(d)とから得られる凝集
物を含有する艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物、及び該
組成物を合成樹脂成形品に塗布した後、紫外線を照射し
て表面に艶消し硬化被膜を形成させた合成樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は艶消し硬化被膜を形成す
る光硬化性樹脂組成物、その製造法及び該組成物を用い
た合成樹脂成形品に関し、詳しくは経時分散安定性に優
れ、且つ艶消し硬化被膜を形成する光硬化性樹脂組成
物、その製造法及び該組成物を用いた合成樹脂成形品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂成形品の表面に艶消し性を付与
するには、一般に艶消し塗料が使用されている。近年、
艶消し塗料として、活性エネルギー線を照射して表面に
艶消し硬化被膜を形成する、艶消し被覆用光硬化性樹脂
組成物が使用されている。艶消し被覆用光硬化性樹脂組
成物は、目的に応じた艶消し外観すなわち艶消し度をだ
すために母体の光硬化性樹脂組成物に所定の艶消し剤を
分散・混合して調整されている。これに用いられる艶消
し剤は無機系、有機系の微粉末に大別される。無機系艶
消し剤としてはタルク、硫酸バリウム、無水ケイ酸(シ
リカ)等の微粉末、有機系艶消し剤としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の微粉末が使
用されているが、これらの中でもシリカの微粉末が多用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シリカ微粉末を艶消し
剤とする艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物は、その経時
分散安定性が悪い、すなわちこのものを長期間保存して
おくと、シリカ微粉末が沈降してしまい再分散が不可能
なケーキングが起るという問題がある。従来艶消しを発
現し得るシリカ微粉末としては、数mμ〜数十μの粒径
のものが使用されているが、このシリカ微粉末では細か
い柄目の艶消し硬化被膜を得るのが困難である。本発明
の目的は、このような現状での課題を解決して、経時分
散安定性に優れ、かつ艶消し硬化被膜を形成し、しかも
細かい艶消し柄目の硬化被膜を形成することができる光
硬化性樹脂組成物及びその製造法、並びに該光硬化性樹
脂組成物を用いた合成樹脂成形品を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために、分子中に1個以上の(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導
体(a)(以下、(メタ)アクリル酸エステル誘導体
(a)という)、光重合開始剤(b)及び有機溶剤に分
散された超微粒子シリカ(c)(以下、コロイダルシリ
カ(c)という)を含有してなる光硬化性樹脂組成物に
ついて検討したところ、該組成物は経時分散安定性に優
れていたが、その硬化被膜は透明であり、艶消しを呈し
なかった。さらに鋭意検討し、上記樹脂組成物にヒンダ
ードアミン系光安定剤を添加すると、その安定剤の中に
は、コロイダルシリカ(c)の超微粒子シリカを凝集さ
せて凝集物を生成しうるものがあることを見出した。そ
して(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、光重合
開始剤(b)及び前記凝集物を含有してなる光硬化性樹
脂組成物を合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネルギ
ー線を照射したところ、凝集物が艶消し剤となって硬化
被膜に艶消しを付与すること、超微粒子シリカを凝集さ
せるに可能なヒンダードアミン系光安定剤(d)(以
下、ヒンダードアミン系光安定剤(d)という)の種
類、量等を適宜に選べば細かい艶消し柄目の硬化被膜が
得られること、並びにその光硬化性樹脂組組成物が経時
分散安定性に優れたものであることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、 (メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、 光重合開始剤(b)、及び コロイダルシリカ(c)とヒンダードアミン系光安定
剤(d)から得られる凝集物を含有することを特徴とす
る艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物、分子中に1個以上
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アク
リル酸エステル誘導体(a)、光重合開始剤(b)及び
有機溶剤に分散された超微粒子シリカ(c)の混合物
と、超微粒子シリカを凝集させるに可能なヒンダードア
ミン系光安定剤(d)とを混合することを特徴とする請
求項1記載の組成物の製造法、並びに該被覆用光硬化性
樹脂組成物を合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネル
ギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた合
成樹脂成形品に関するものである。
【0006】さらに、艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
について検討したところ、ヒンダードアミン系光安定剤
(d)によってコロイダルシリカ(c)の超微粒子シリ
カを凝集させる際に、分子中に1個の環状ヒンダードア
ミン構造を有する光安定剤(e)(以下、ヒンダードア
ミン系光安定剤(e)という)を存在させると、得られ
る凝集物が、ヒンダードアミン系光安定剤(e)を使用
しない場合に比べて小さい粒径を有することを見出し
た。そして、該凝集物、(メタ)アクリル酸エステル誘
導体(a)及び光重合開始剤(b)を含有する光硬化性
樹脂組成物を合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネル
ギー線を照射したところ、凝集物が艶消し剤として作用
して硬化被膜に艶消しを形成し、その艶消し柄目がより
細かいものであること、並びに光硬化性樹脂組成物の経
時分散安定性が優れたものであることを見出した。ま
た、より細かい艶消し柄目の硬化被膜を形成する光硬化
性樹脂組成物の好適な製造方法をも見出した。
【0007】すなわち、本発明は、 (メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、 光重合開始剤(b)、及び ヒンダードアミン系光安定剤(e)の存在下で、コロ
イダルシリカ(c)とヒンダードアミン系光安定剤
(d)とから得られる凝集物を含有することを特徴とす
る艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物、該被覆用光硬化性
樹脂組成物を合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネル
ギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた合
成樹脂成形品、並びに(メタ)アクリル酸エステル誘導
体(a)、光重合開始剤(b)、コロイダルシリカ
(c)及びヒンダードアミン系光安定剤(e)の混合物
と、ヒンダードアミン系光安定剤(d)とを混合するこ
とを特徴とする該被覆用光硬化性樹脂組成物の製造方法
に関するものでもある。
【0008】本発明の(メタ)アクリル酸エステル誘導
体(a)とは、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマー(以
下、(メタ)アクリレートモノマーという)、分子中に
2個以上のアクリロイルオキシ基を有する(メタ)アク
リレートオリゴマー(以下、(メタ)アクリレートオリ
ゴマーという)等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有
化合物の少なくとも1種である。なお、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基とはアクリロイルオキシ基及びメタクリ
ロイルオキシ基を、(メタ)アクリル酸エステル誘導体
とはアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステ
ル誘導体を意味し、(メタ)アクリレートモノマー及び
(メタ)アクリレートオリゴマーについても同様であ
る。
【0009】(メタ)アクリレートモノマーとしては、
分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
単官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、単官能
(メタ)アクリレートモノマーという)、分子中に2個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メ
タ)アクリレートモノマー(以下、2官能(メタ)アク
リレートモノマーという)及び分子中に少なくとも3個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メ
タ)アクリレートモノマー(以下、多官能(メタ)アク
リレートモノマーという)が挙げられる。(メタ)アク
リレートモノマーは1種又は2種以上使用できる。
【0010】単官能(メタ)アクリレートモノマーの具
体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ
エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレ
ート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリンの他、
カルボキシル基含有の(メタ)アクリレートモノマーと
して、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル
酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒド
ロフタル酸、カルボキシルエチル(メタ)アクリレー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、
N−(メタ)アクリロイルオキシ−N´,N´−ジカル
ボキシ−p−フェニレンジアミン、4−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルトリメリット酸などが挙げられる。
また、単官能(メタ)アクリレートモノマーには、N−
ビニルピロリドンのようなビニル基含有モノマー及び4
−(メタ)アクリロイルアミノ−1−カルボキシメチル
ピペリジンのような(メタ)アクリロイルアミノ基含有
モノマーが包含される。
【0011】2官能(メタ)アクリレートモノマーとし
ては、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
類、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レート類、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート類、脂肪族ポリオールのジ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付
加物のジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールAの
エポキシジ(メタ)アクリレート類等が代表的なもので
あるが、これらに限定されるものではなく種々のものが
使用できる。2官能(メタ)アクリレートモノマーの具
体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、イソ
ボルニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートの
他、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メ
タ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニル]プ
ロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキ
シエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン、2,2
−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエト
キシフェニル]メタン、水添ジシクロペンタジエニルジ
(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0012】多官能(メタ)アクリレートモノマーとし
ては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3価以上の脂
肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートが代表的な
ものであり、その他に、3価以上のハロゲン置換ポリオ
ールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキ
レンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ
(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス[(メタ)
アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン、トリ
ス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0013】(メタ)アクリレートオリゴマーとして
は、2官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレート
オリゴマー(以下、多官能ウレタン(メタ)アクリレー
トオリゴマーという)、2官能以上の多官能ポリエステ
ル(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、多官能ポリ
エステル(メタ)アクリレートオリゴマーという)、2
官能以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレートオリゴ
マー(以下、多官能エポキシ(メタ)アクリレートオリ
ゴマーという)などが挙げられる。(メタ)アクリレー
トオリゴマは1種又は2種以上できる。
【0014】多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリ
ゴマーとしては、1分子中に少なくとも1個の(メタ)
アクリロイルオキシ基及び水酸基を有する(メタ)アク
リレートモノマーとポリイソシアネートとのウレタン化
反応生成物等が挙げられる。多官能ウレタン(メタ)ア
クリレートオリゴマーとしては、ポリオール類をポリイ
ソシアネートと反応させて得られるイソシアネート化合
物と1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル
オキシ基及び水酸基を有する(メタ)アクリレートモノ
マーとのウレタン化反応生成物等が挙げられる。
【0015】ウレタン化反応に用いられる1分子中に少
なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸
基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレートが挙げられる。
【0016】ウレタン化反応に用いられるポリイソシア
ネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これら
ジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類を水
素添加して得られるジイソシアネート(例えば水素添加
トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソ
シアネートなどのジイソシアネート)、トリフェニルメ
タントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリ
イソシアネートなどのジ又はトリのポリイソシアネー
ト、あるいはジイソシアネートを多量化させて得られる
ポリイソシアネートが挙げられる。
【0017】ウレタン化反応に用いられるポリオール類
としては一般的に芳香族、脂肪族及び脂環式のポリオー
ルの他、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール等が使用される。通常、脂肪族及び脂環式のポリオ
ールとしては1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ジメチロールヘプタン、ジメ
チロールプロピオン酸、ジメチロールブチリオン酸、グ
リセリン、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
【0018】ポリエステルポリオールとしては前記のポ
リオール類と多塩基性カルボン酸(無水物)との脱水縮
合反応により得られるものである。多塩基性カルボン酸
の具体的な化合物としては(無水)コハク酸、アジピン
酸、(無水)マレイン酸、(無水)トリメリット酸、ヘ
キサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また、ポリ
エーテルポリオールとしてはポリアルキレングリコール
の他、前記ポリオール又はフェノール類とアルキレンオ
キサイドとの反応により得られるポリオキシアルキレン
変性ポリオールが挙げられる。
【0019】また、多官能ポリエステル(メタ)アクリ
レートオリゴマーは、(メタ)アクリル酸、多塩基性カ
ルボン酸(無水物)及びポリオールの脱水縮合反応によ
り得られる。脱水縮合反応に用いられる多塩基性カルボ
ン酸(無水物)としては(無水)コハク酸、アジピン
酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無
水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘキサ
ヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また、脱水縮合
反応に用いられるポリオールとしては1,4ーブタンジ
オール、1,6ーヘキサンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジメチロールヘプタン、
ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブチリオン
酸、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールな
どが挙げられる。
【0020】また、多官能エポキシ(メタ)アクリレー
トオリゴマーは、ポリグリシジルエーテルと(メタ)ア
クリル酸との付加反応により得られる。ポリグリシジル
エーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1、
6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0021】本発明の光重合開始剤(b)は、活性エネ
ルギー線の照射による本発明の組成物の硬化を開始する
ものであり、一般に知られる光重合開始剤を使用するこ
とができる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾフェノ
ン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイ
ルパーオキシド等が挙げられるがこの限りではない。
【0022】光重合開始剤(b)の使用量は、(メタ)
アクリル酸エステル誘導体(a)100重量部に対し1
〜10重量部、好ましくは2〜5重量部使用される。光
重合開始剤の使用量が上記範囲よりも多いと硬化被膜が
着色したり、また上記範囲よりも少ないと充分な硬化速
度が得られない。
【0023】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
における、コロイダルシリカ(c)とヒンダードアミン
系光安定剤(d)とから得られる凝集物は、ヒンダード
アミン系光安定剤(e)の存在下又は非存在下で、常温
で、コロイダルシリカ(c)にヒンダードアミン系光安
定剤(d)を添加、混合するだけで得ることができる。
【0024】本発明のコロイダルシリカ(c)におい
て、分散溶剤である有機溶剤としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレン
グリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル
(以下、エチルセロソルブという。)、エチレングリコ
ールモノn−プロピルエーテル等のアルコール系溶剤、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジ
メチルアセトアミド等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上を使用できる。これらの中でアルコール系有機溶
剤が特に好ましい。
【0025】本発明において、コロイダルシリカ(c)
はその超微粒子シリカの粒径及び濃度は特に限定される
ものではなく、例えば市販品として入手が容易な分散液
中に超微粒子シリカを約20〜30重量%含有するもの
が使用できる。コロイダルシリカ(c)は粒径の異なる
超微粒子シリカを2種以上含有していてもよく、例え
ば、粒径10〜20mμの超微粒子シリカと粒径50〜
600mμの超微粒子シリカとが有機溶剤に分散された
ものが挙げられる。
【0026】市販品のコロイダルシリカ(c)として
は、例えば、有機溶剤がメチルアルコールであるメタノ
ールシリカゾル[シリカ粒径:10〜15mμ、固形
分:30重量%、日産化学工業(株)製]、MA−ST
−M[シリカ粒径:20〜25mμ、固形分:40重量
%、日産化学工業(株)製]もしくはOSCAL113
2[シリカ粒径:10〜20mμ、固形分:30〜31
重量%、触媒化成工業(株)製]、該溶剤がエチルアル
コールであるOSCAL1232[シリカ粒径:10〜
20mμ、固形分:30〜31重量%、触媒化成工業
(株)製]、該溶剤がn−プロピルアルコールであるO
SCAL1332[シリカ粒径:10〜20mμ、固形
分:30〜31重量%、触媒化成工業(株)製]、該溶
剤がイソプロピルアルコールであるIPA−ST[シリ
カ粒径:10〜15mμ、固形分:30重量%、日産化
学工業(株)製]もしくはOSCAL1432[シリカ
粒径:10〜20mμ、固形分:30〜31重量%、触
媒化成工業(株)製]、該溶剤がn−ブチルアルコール
であるNBA−ST[シリカ粒径:10〜15mμ、固
形分:20重量%、日産化学工業(株)製]もしくはO
SCAL1532[シリカ粒径:10〜20mμ、固形
分:30〜31重量%、触媒化成工業(株)製]、該溶
剤がエチレングリコールであるEG−ST[シリカ粒
径:10〜15mμ、固形分:20重量%、日産化学工
業(株)製]もしくはEG−ST−ZL[シリカ粒径:
70〜100mμ、固形分:20重量%、日産化学工業
(株)製]、該溶剤がエチルセロソルブであるOSCA
L1632[シリカ粒径:10〜20mμ、固形分:3
0〜31重量%、触媒化成工業(株)製]、該溶剤がエ
チレングリコールモノn−プロピルエーテルであるNP
C−ST[シリカ粒径:10〜15mμ、固形分:30
重量%、日産化学工業(株)製]もしくはNPC−ST
−2[シリカ粒径:400〜500mμ、固形分:20
重量%、日産化学工業(株)製]、該溶剤がジメチルア
セトアミドであるDMAC−ST[シリカ粒径:10〜
15mμ、固形分:20重量%、日産化学工業(株)
製]もしくは DMAC−ST−ZL[シリカ粒径:7
0〜100mμ、固形分:20重量%、日産化学工業
(株)製]、該溶剤がキシレン及びn−ブチルアルコー
ルの混合溶剤であるXBA−ST[シリカ粒径:10〜
15mμ、固形分:30重量%、日産化学工業(株)
製]、該溶剤がメチルイソブチルケトンであるMIBK
−ST[シリカ粒径:10〜15mμ、固形分:30重
量%、日産化学工業(株)製]等が挙げられる。コロイ
ダルシリカ(c)は、これらの1種又は2種以上使用で
きる。
【0027】 コロイダルシリカ(c)を2種以上併用す
る場合、有機溶剤に分散された粒径10〜20mμの超
微粒子シリカ(以下、コロイダルシリカ(c1)とい
う)と有機溶剤に分散された粒径50〜600mμの超
微粒子シリカ(以下、コロイダルシリカ(c2)とい
う)との併用が好ましい。
【0028】コロイダルシリカ(c1)とコロイダルシ
リカ(c2)の配合割合は、使用する(メタ)アクリル
酸誘導体(a)や本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組
成物を塗布する基材等の種類により異なるが、通常、コ
ロイダルシリカ(c1)の超微粒子シリカ純分100重
量部に対してコロイダルシリカ(c2)が超微粒子シリ
カ純分で5〜100重量部、好ましくは10〜60重量
部である。コロイダルシリカ(c1)とコロイダルシリ
カ(c2)の配合割合が上記範囲以外でも艶消し硬化被
膜は得られるが、より細かい艶消し柄目の硬化被膜を得
るには、上記範囲の割合で配合すればよい。
【0029】本発明のヒンダードアミン系光安定剤
(d)には、代表的なものとして分子中に平均2個以上
の環状ヒンダードアミン構造を有する化合物からなる光
安定剤が挙げられる。環状ヒンダードアミン構造として
は、一般式(1):
【化1】 (式中、R1、R2、R3、及びR4は同一または相異なっ
てアルキル基を示す。R5は水素原子、アルキル基、ア
セチル基又はアルコキシ基を示す。)で表わされる一価
の基、当該一価の基からR5又はピペリジン環の4位の
水素原子を除いた二価の基、一般式(2):
【化2】 (式中、R1、R2、R3、及びR4は前記に同じ。)で表
わされる一価の基などが挙げられる。具体的には2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル基、1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジル基、4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル基、
2,2,6,6−テトラメチル−1,4−ピペリジンジ
イル基などが挙げられる。好ましい環状ヒンダードアミ
ン構造としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル基、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル基が挙げられる。
【0030】具体的なヒンダードアミン系光安定剤
(d)としては、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)(市販品としては商品名
スミソーブ577、住友化学工業(株)製)、セバシン
酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)(市販品としては商品名サノールLS−76
5、三共(株)製)、テトラキス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボンキシレート(市販品としては商品名アデ
カスタブLA−57、旭電化工業(株)製)、テトラキ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボンキシレート
(市販品としては商品名アデカスタブLA−52、旭電
化工業(株)製)、(混合2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル/トリデシル)1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボンキシレート(市販品としては商品名
アデカスタブLA−67、旭電化工業(株)製)、(混
合1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル
/トリデシル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
キシレート(市販品としては商品名アデカスタブLA−
62、旭電化工業(株)製)、8−アセチル−3−ドデ
シル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−ト
リアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン(市販
品としては商品名サノ−ルLS−440、三共(株)
製)等が挙げられる。
【0031】ヒンダードアミン系光安定剤(d)とし
て、その他分子中に平均2個以上の環状ヒンダードアミ
ン構造を有するオリゴマータイプ、ポリマータイプの光
安定剤も使用できる。かかる光安定剤としては、分子量
約2000の混合{1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル/β,β,β′,β′−テトラメチル
−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5.5)ウンデカン〕ジエチル}−1,2,3,4−
ブタンテトラカルボンキシレート(市販品としては商品
名アデカスタブLA−63又は63P、旭電化工業
(株)製)、分子量約1900の混合{2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル/β,β,β′,β′
−テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ(5.5)ウンデカン〕ジエチル}−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボンキシレート(市販品
としてアデカスタブLA−68LD、旭電化工業(株)
製)等が挙げられる。
【0032】コロイダルシリカ(c)とヒンダードアミ
ン系光安定剤(d)との配合割合は、通常、コロイダル
シリカ(c)中のシリカ純分100重量部に対してヒン
ダードアミン系光安定剤(d)が0.5〜60重量部、
好ましくは1〜50重量部である。ヒンダードアミン系
光安定剤(d)の配合量が、上記範囲よりも多いと凝集
をコントロールすることが困難となって凝集物の粒径が
不均一になり、硬化被膜に艶ブレないしブツが生じるな
ど良好な外観を有する艶消し硬化被膜が得られ難い。ま
た上記範囲よりも少ないと艶消しを発現し得る大きさま
での凝集物が得られ難い。
【0033】本発明の凝集物は、(メタ)アクリル酸エ
ステル誘導体(a)100重量部に対してコロイダルシ
リカ(c)がそのシリカ純分の重量で0.1〜15重量
部、好ましくは0.5〜10重量部となるように配合す
ればよい。シリカ純分の重量が上記範囲よりも多いと、
凝集物の粒径が不均一になり、硬化被膜に艶ブレないし
ブツが生じるなど良好な外観を有する艶消し硬化被膜が
得られ難い。シリカ純分の重量が上記範囲よりも少ない
と、艶消しが発現しない傾向にある。
【0034】また本発明においては、ヒンダードアミン
系光安定剤(e)の存在下で、コロイダルシリカ(c)
にヒンダードアミン系光安定剤(d)を添加、混合し
て、凝集物を製造するのが好ましい。ヒンダードアミン
系光安定剤(e)を存在させると、ヒンダードアミン系
光安定剤(d)単独の場合よりも、凝集物の粒径を小さ
くすることができるため、より細かい艶消し柄目の硬化
被膜を形成しうる組成物を得るのに効果的である。
【0035】本発明のヒンダードアミン系光安定剤
(e)は、これ単独ではコロイダルシリカ(c)中の超
微粒子シリカを凝集させることができないものである。
ヒンダードアミン系光安定剤(e)としては、代表的な
ものとして分子中に1個の環状ヒンダードアミン構造を
有する化合物からなる光安定剤が挙げられる。その環状
ヒンダードアミン構造はヒンダードアミン系光安定剤
(d)において上述したものが挙げられる。
【0036】具体的なヒンダードアミン系光安定剤
(e)としては、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン(市販品としては商品名サ
ノールLS−744、三共(株)製)、1−[2−{3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン(市販品としては商品名サノールLS−2626、
三共(株)製)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジルメタクリレート(市販品としては商品名
アデカスタブLA−82、旭電化工業(株)製)、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレ
ート(市販品としては商品名アデカスタブLA−87、
旭電化工業(株)製)等が挙げられる。
【0037】ヒンダードアミン系光安定剤(e)の使用
量は、該光安定剤の種類によって異なるが、例えばヒン
ダードアミン系光安定剤(e)として2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(市販品
としては商品名アデカスタブLA−87)を使用する場
合、コロイダルシリカ(c)における超微粒子シリカ1
00重量部に対して、通常1〜12重量部、好ましくは
3〜10重量部である。ヒンダードアミン系光安定剤
(e)として上記以外ものを使用するときには、コロイ
ダルシリカ(c)における超微粒子シリカ100重量部
に対して、上記2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルメタクリレートを使用する場合と同じ数の環状
ヒンダードアミン構造単位が存在するように、その使用
量を決定すればよい。
【0038】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
は、ヒンダードアミン系光安定剤(e)を使用しない場
合には、通常、(メタ)アクリル酸エステル誘導体
(a)、光重合開始剤(b)及びコロイダルシリカ
(c)を混合し、次にこの混合物にヒンダードアミン系
光安定剤(d)を添加して混合すれば、製造できる。
【0039】そして、ヒンダードアミン系光安定剤
(e)を使用する場合、凝集物の粒径を小さくして、よ
り細かい艶消し柄目の硬化被膜を形成しうる艶消し被覆
用光硬化性樹脂組成物を得るには、(メタ)アクリル酸
エステル誘導体(a)、光重合開始剤(b)、コロイダ
ルシリカ(c)及びヒンダードアミン系光安定剤(e)
を混合し、次にこの混合物に、ヒンダードアミン系光安
定剤(d)を添加、混合して、製造するのが、好まし
い。すなわち、(メタ)アクリル酸エステル誘導体
(a)、光重合開始剤(b)、コロイダルシリカ(c)
及びヒンダードアミン系光安定剤(d)からなる組成物
と、ヒンダードアミン系光安定剤(e)とを混合して
も、得られる艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物がより細
かい艶消し柄目の硬化被膜を形成し難い。
【0040】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
は上記何れの製造方法に得られたものであっても、ヒン
ダードアミン系光安定剤(d)の使用量が前述した範囲
内にあれば、ヒンダードアミン系光安定剤(d)が本来
の光安定剤としての性質も発現し、耐候性のある硬化被
膜を形成するものとなる。さらに、ヒンダードアミン系
光安定剤(d)をコロイダルシリカ(c)における超微
粒子シリカ100重量部に対して、12重量部以上使用
すると、シリカによる硬化被膜の耐水性劣化を防止し、
逆に、耐水性を向上させることもできる。
【0041】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
には、溶剤、種々の添加剤、たとえば増粘剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を配合しても差し支えない。溶剤と
してはエチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアル
コール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリ
コールモノアルキルエーテル類等のアルコール系溶剤が
凝集物の分散安定の面で特に好ましく、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等
の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類等も用いることができる。
【0042】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
は、通常適切な溶剤と混合し合成樹脂成形品に塗布した
後、紫外線を照射して硬化させる。紫外線以外の活性エ
ネルギー線、例えばα線、β線、γ線、電子線等を照射
して硬化させることもできる。
【0043】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
を表面塗布する合成樹脂成形品の基材としては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂の区別なく使用され、たとえば、
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリア
リルジグリコールカーボネート、ABS樹脂、ポリスチ
ロール、PVC、ポリエステル樹脂、アセタール樹脂等
が用いられる。また、合成樹脂成形品の形状としては、
一般の成形品の他、シート、フィルム等も対象となる。
【0044】塗布の方法としては、カーテンフロー塗
装、スプレー塗装、ロール塗装、浸漬法等公知の方法を
適宜用いればよい。要は所望の均一な厚みと、平滑な表
面が得られる方法であればよく、被塗布物の形状に応じ
て、適宜選ぶことができる。被膜の厚みとしては、通常
0.5〜20μ、好ましくは1.0〜10μの範囲であ
る。
【0045】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明するが、こ
れらは例示的なものであり、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0046】以下の各実施例及び各比較例における配合
量は重量部であり、コロイダルシリカ(c)については
シリカ純分の重量部である。各実施例及び各比較例の
(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、コロイダル
シリカ(c)又はシリカ粉末、並びにヒンダードアミン
系光安定剤(d)及び(e)についての略称の意味は次
の通りである。
【0047】<(メタ)アクリル酸エステル誘導体
(a)> A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート B:ペンタエリスリトールトリアクリレートとジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネートとの反応により得られ
るウレタンアクリレートオリゴマー C:ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメ
チレンジイソシアネートとの反応により得られるウレタ
ンアクリレートオリゴマー D:ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロ
ンジイソシアネートとの反応により得られるウレタンア
クリレートオリゴマー E:アロニックスM−8030(ポリエステルアクリレ
ート)[東亜合成化学工業(株)製] F:ポリエチレングリコールジアクリレート[新中村化
学(株)製 A−400] G:アロニックスM−8100(ポリエステルアクリレ
ート)[東亜合成化学工業(株)製]
【0048】<コロイダルシリカ(c)又はシリカ粉末
> a:シリカゾルIPA−ST(平均粒径10〜15mμ
のシリカの30重量%のイソプロパノール分散液)
[日産化学工業(株)製] b:サイロイド404(平均粒径5.2μのシリカ粉
末)[富士デヴィソン化学(株)製] c:サイロイド244(平均粒径1.8μのシリカ粉
末)[富士デヴィソン化学(株)製] d:アエロジル200(平均粒径12mμのシリカ粉
末)[日本アエロジル(株)製] e:シリカゾルNPC−ST−2(平均粒径400〜5
00mμのシリカの20重量%のエチレングリコールモ
ノn−プロピルエーテル分散液)[日産化学工業(株)
製]
【0049】<ヒンダードアミン系光安定剤> ヒンダードアミン系光安定剤(d) S−577:スミソーブ577 [住友化学工業
(株)製] LA−62:アデカスタブLA−62[旭電化工業
(株)製] LA−63P:アデカスタブLA−63P[旭電化工業
(株)製] ヒンダードアミン系光安定剤(e) LA−87:アデカスタブLA−87[旭電化工業
(株)製]
【0050】実施例1〜11及び比較例1〜7 表1に示す(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、
コロイダルシリカ(c)又はシリカ粉末、光重合開始剤
(b)及びヒンダードアミン系光安定剤(d)を用いて
艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物を製造した。すなわち
(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、コロイダル
シリカ(c)又はシリカ粉末、光重合開始剤(b)及び
エチルセロソルブを混合し、次いでこの混合物にヒンダ
ードアミン系光安定剤(d)を徐々に添加しながら混合
して、凝集物を含有する艶消し被覆用光硬化性樹脂組成
物を得た。光重合開始剤としては1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトンを使用した。またエチルセロソ
ルブは、得られる艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物の不
揮発成分が37.5重量%になる量を使用した。
【0051】このようにして得た艶消し被覆用光硬化性
樹脂組成物を、厚さ2mmのメタクリル樹脂板(住友化
学工業(株)製スミペックス#000)に垂らし塗りし
て被膜を形成させ、室温で30分間、次いで60℃で5
分間乾燥後、当該樹脂板を空気中にて高圧水銀灯(アイ
グラフィックス社製、アイキュアーUE021−403
C、500V、H02−L41(2))を用いて150
mmの距離から80W/cm、5秒間紫外線を照射して
被膜を硬化させた。艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物の
経時分散安定性の評価結果、メタクリル樹脂板上に形成
された硬化被膜の艶消し及び物性評価結果を表2に示
す。
【0052】経時分散安定性の評価、艶消し柄目及び物
性評価は以下のようにして実施した(以下、同様であ
る)。 1)経時分散安定性:40℃で艶消し被覆用光硬化性樹
脂組成物の放置後の状態を観察 ○:4ケ月以上放置しても均一な状態を保持していた。 ×:放置後1ケ月で沈降したシリカが再分散不能であっ
た。 2)艶消し柄目:10倍率ルーペによる目視 3)全光線透過率(%)及び曇価:ヘーズコンピュータ
での測定 4)光沢度:光沢度計60°での測定 5)耐摩耗性:#0000のスチールウールによる擦傷
テスト A:強くこすっても傷がつかない B:強くこするとわずかに傷がつく 6)密着性:クロスカットセロハンテープ剥離テスト 被膜に1mm間隔に基材に達する被膜切断線を縦横それ
ぞれ11本入れて1mmの目数を100個作り、その上
にセロハンテープを貼付け急激に剥がす。このセロハン
テープの操作を同一箇所で3回繰り返した後、剥離しな
かった目数の数で表わす。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】1)クリアーとは硬化被膜が透明であり、
艶消しを呈しなかったことを意味する。(以下、同様で
ある。) 2)比較例2及び4の硬化被膜にはクラックが発生した
ため、耐摩耗性及び密着性については未測定であった。
【0056】実施例12〜17 表3に示す(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、
コロイダルシリカ(c)、光重合開始剤(b)、ヒンダ
ードアミン系光安定剤(d)及びヒンダードアミン系光
安定剤(e)を用いて艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
を製造した。すなわち(メタ)アクリル酸エステル誘導
体(a)、コロイダルシリカ(c)、光重合開始剤
(b)及びエチルセロソルブを混合し、この混合物にま
ずヒンダードアミン系光安定剤(e)を添加して混合
し、次いでヒンダードアミン系光安定剤(d)を徐々に
添加しながら混合して、凝集物を含有する艶消し被覆用
光硬化性樹脂組成物を得た。光重合開始剤としては1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使用した。
またエチルセロソルブは、得られる艶消し被覆用光硬化
性樹脂組成物の不揮発成分が37.5重量%になる量を
使用した。
【0057】このようにして得た艶消し被覆用光硬化性
樹脂組成物を、実施例1と同様にして、メタクリル樹脂
板上への硬化被膜の形成を行った。艶消し被覆用光硬化
性樹脂組成物の経時分散安定性の評価結果、該硬化被膜
の艶消し及び物性評価結果を表4に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】実施例18〜23及び比較例8〜12 表5に示す(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、
コロイダルシリカ(c)又はシリカ粉末、光重合開始剤
(b)及びヒンダードアミン系光安定剤(d)を用いて
艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物を製造した。すなわち
(メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、コロイダル
シリカ(c)又はシリカ粉末、光重合開始剤(b)及び
エチルセロソルブを混合し、次いでこの混合物にヒンダ
ードアミン系光安定剤(d)を徐々に添加しながら混合
して、凝集物を含有する艶消し被覆用光硬化性樹脂組成
物を得た。光重合開始剤としては1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトンを使用した。またエチルセロソ
ルブは、得られる艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物の不
揮発成分が37.5重量%になる量を使用した。
【0061】このようにして得た艶消し被覆用光硬化性
樹脂組成物を、厚さ2mmのポリカーボネート板(太佑
機材(株)製)に垂らし塗りして被膜を形成させ、室温
で30分間、次いで70℃で5分間乾燥後、当該板を空
気中にて高圧水銀灯(アイグラフィックス社製、アイキ
ュアーUE021−403C、500V、H02−L4
1(2))を用いて150mmの距離から80W/c
m、5秒間紫外線を照射して被膜を硬化させた。艶消し
被覆用光硬化性樹脂組成物の経時分散安定性の評価結
果、ポリカーボネート板上に形成された硬化被膜の艶消
し及び物性評価結果を表6に示す。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】実施例24〜27 (メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)、コロイダル
シリカ(c1)、コロイダルシリカ(c2)、光重合開
始剤(b)及びエチルセロソルブを混合し、次いでこの
混合物にヒンダードアミン系光安定剤(d)を徐々に添
加しながら混合して、凝集物を含有する艶消し被覆用光
硬化性樹脂組成物を得た。(メタ)アクリル酸エステル
誘導体(a)としてはB:ペンタエリスリトールトリア
クリレートとジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
との反応により得られるウレタンアクリレートオリゴマ
ー、G:アロニックスM−8100(ポリエステルアク
リレート)[東亜合成(株)製]及びF:ポリエチレン
グリコールジアクリレート[新中村化学(株)製 A−
400]の混合物を、光重合開始剤(b)としては1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを、ヒンダー
ドアミン系光安定剤(d)としてはアデカスタブLA−
62[旭電化工業(株)製]を用い、表7に示すコロイ
ダルシリカ(c1)及びコロイダルシリカ(c2)を用
いた。またエチルセロソルブは、得られる艶消し被覆用
光硬化性樹脂組成物の不揮発分が37.5重量%になる
量を使用した。
【0065】このようにして得た艶消し被覆用光硬化性
樹脂組成物を、厚さ2mmのポリカーボネート板[太佑
機材(株)製]に垂らし塗りして被膜を形成させ、70
℃で5分間乾燥後、当該板を空気中にて高圧水銀灯[ア
イグラフィックス社製、アイキュア−UE021−40
3C、500V、H02−L41(2)]を用いて15
0mmの距離から80W/cm、5秒間紫外線を照射し
て被膜を硬化させた。
【0066】艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物の経時分
散安定性の評価結果、並びにポリカーボネート板に形成
された硬化被膜の艶消し柄目評価結果及び物性評価結果
を表8に示す。
【0067】比較例13 ヒンダードアミン系光安定剤(d)を添加しなかった以
外は、実施例24と同様にして光硬化性樹脂組成物を得
た。このようにして得た光硬化性樹脂組成物を用いて実
施例24と同様にしてポリカーボネート板に硬化被膜を
形成させた。この硬化被膜は透明で艶消しを呈していな
かった。光硬化性樹脂組成物の経時分散安定性の評価、
及びポリカーボネート板に形成された硬化被膜の物性評
価を実施例24と同様にして行った。その結果を表8に
示す。
【0068】比較例14〜16 コロイダルシリカ(c1)及びコロイダルシリカ(c
2)に代えて、表7に示すシリカ微粉末を用いた以外
は、比較例13と同様にして光硬化性樹脂組成物を得
た。このようにして得た光硬化性樹脂組成物を用いて実
施例24と同様にしてポリカーボネート板に硬化被膜を
形成させた。光硬化性樹脂組成物の経時分散安定性の評
価、並びにポリカーボネート板に形成された硬化被膜の
艶消し柄目評価及び物性評価を実施例24と同様にして
行った。その結果を表8に示す。
【0069】
【表7】
【0070】
【表8】
【0071】実施例28〜35 (メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)としてB、G
及びFの混合物の代わりに、D:ペンタエリスリトール
トリアクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反
応により得られるウレタンアクリレートオリゴマーを使
用し、表9に示すコロイダルシリカ(c1)及びコロイ
ダルシリカ(c2)を使用し、さらにヒンダードアミン
系光安定剤(d)の配合量を表9に示す量に代えた以外
は、実施例24と同様にして凝集物を含有する艶消し被
覆用光硬化性樹脂組成物を得た。
【0072】このようにして得た艶消し被覆用光硬化性
樹脂組成物を、厚さ2mmのメタクリル樹脂板[住友化
学工業(株)製スミペックス#000]に垂らし塗りし
て被膜を形成させ、室温で30分間、次いで60℃で5
分間乾燥後、当該樹脂板を空気中にて高圧水銀灯[アイ
グラフィックス社製、アイキュア−UE021−403
C、500V、H02−L41(2)]を用いて150
mmの距離から80W/cm、5秒間紫外線を照射して
被膜を硬化させた。艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物の
経時分散安定性の評価、並びにメタクリル樹脂板に形成
された硬化被膜の艶消し柄目評価及び物性評価を実施例
24と同様にして行った。その結果を表10に示す。
【0073】比較例17〜22 コロイダルシリカ(c1)及びコロイダルシリカ(c
2)に代えて表9に示すシリカ微粉末を使用し、またヒ
ンダードアミン系光安定剤(d)を添加しなかった以外
は実施例28と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
このようにして得た光硬化性樹脂組成物を用いて実施例
28と同様にしてメタクリル樹脂板に硬化被膜を形成さ
せた。光硬化性樹脂組成物の経時分散安定性の評価、並
びにメタクリル樹脂板に形成された硬化被膜の艶消し柄
目評価及び物性評価を実施例24と同様にして行った。
その結果を表10に示す。
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】実施例36〜39 (メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)としてB、G
及びFの混合物の代わりに、C:ペンタエリスリトール
トリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートと
の反応により得られるウレタンアクリレートオリゴマー
を使用し、表11に示すコロイダルシリカ(c1)及び
コロイダルシリカ(c2)を使用し、またヒンダードア
ミン系光安定剤(d)の配合量を0.4重量部に代えた
以外は、実施例24と同様にして凝集物を含有する艶消
し被覆用光硬化性樹脂組成物を得た。このようにして得
た艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物を用いて実施例28
と同様にしてメタクリル樹脂板に硬化被膜を形成させ
た。光硬化性樹脂組成物の経時分散安定性の評価、並び
にメタクリル樹脂板に形成された硬化被膜の艶消し柄目
評価及び物性評価を実施例24と同様にして行った。そ
の結果を表12に示す。
【0077】
【表11】
【0078】
【表12】
【0079】本発明の実施態様としては、 (1)多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ー、光重合開始剤(b)及びコロイダルシリカ
(c)とヒンダードアミン系光安定剤(d)とから得ら
れる凝集物を含有することを特徴とする艶消し被覆用光
硬化性樹脂組成物。 (2)多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
が水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとジイ
ソシアネートとのウレタン化反応で得られるものである
前記(1)の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物。 (3)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーが
ペンタエリスリトールトリアクリレートである前記
(1)の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物。 (4)多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ー、光重合開始剤(b)及びヒンダードアミン系光
安定剤(e)の存在下でコロイダルシリカ(c)とヒン
ダードアミン系光安定剤(d)とから得られる凝集物を
含有することを特徴とする艶消し被覆用光硬化性樹脂組
成物。 (5)多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
が水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとジイ
ソシアネートとのウレタン化反応で得られるものである
前記(4)の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物。 (6)水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーが
ペンタエリスリトールトリアクリレートである前記
(4)の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物。が挙げられ
る。
【0080】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物
の実施態様の他の1つとしては、 (メタ)アクリル酸エステル誘導体(a)100重量
部、 光重合開始剤(b)1〜10重量部、並びに コロイダルシリカ(c1)、その超微粒子シリカ純分
100重量部に対して超微粒子シリカ純分5〜100重
量部のコロイダルシリカ(c2)、及びコロイダルシリ
カ(c1)とコロイダルシリカ(c2)との合計超微粒
子シリカ純分100重量部に対してヒンダードアミン系
光安定剤(d)0.5〜60重量部から得られる凝集物
を超微粒子シリカ純分で0.1〜15重量部を含有する
艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物が挙げられる。
【0081】
【発明の効果】本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂組成
物は経時分散安定性に優れており、また該組成物を合成
樹脂成形品に塗布した後活性エネルギー線を照射すれ
ば、コロイダルシリカ(c)とヒンダードアミン系光安
定剤(d)とから得られる凝集物によって合成樹脂成形
品の表面に艶消し硬化被膜を形成することができる。そ
してヒンダードアミン系光安定剤(d)の種類、量など
を選ぶことにより、シリカ微粉末の艶消し剤を使用する
従来の被覆用光硬化性樹脂組成物では得るのが困難であ
った、細かい艶消し柄目の艶消し硬化被膜を形成するこ
とができる。
【0082】また、本発明の艶消し被覆用光硬化性樹脂
組成物が、ヒンダードアミン系光安定剤(e)の存在下
でコロイダルシリカ(c)とヒンダードアミン系光安定
剤(d)とから得られる凝集物を含有するときは、より
細かい艶消し柄目の艶消し硬化被膜を形成することがで
きる。
【0083】さらに、本発明の艶消し被覆用光硬化性樹
脂組成物が、コロイダルシリカ(c)としてコロイダル
シリカ(c1)とコロイダルシリカ(c2)とを併用し
たものである場合は、これらヒンダードアミン系光安定
剤(d)とから得られる凝集物によって合成樹脂成形品
の表面に細かい艶消し柄目の艶消し硬化被膜を形成する
ことができる。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に1個以上の(メタ)アクリロ
    イルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導
    体(a)、 光重合開始剤(b)、及び 有機溶剤に分散された超微粒子シリカ(c)とその超
    微粒子シリカを凝集させるに可能なヒンダードアミン系
    光安定剤(d)とから得られる凝集物を含有することを
    特徴とする艶消し被覆用光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 超微粒子シリカを凝集させるに可能なヒ
    ンダードアミン系光安定剤(d)が、分子中に平均2個
    以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤であ
    る請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 超微粒子シリカ100重量部に対して超
    微粒子シリカを凝集させるに可能なヒンダードアミン系
    光安定剤(d)を0.5〜60重量部使用する請求項1
    又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 有機溶剤がアルコール系溶剤である請求
    項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 分子中に1個以上の(メタ)アクリロイ
    ルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体
    (a)、光重合開始剤(b)及び有機溶剤に分散された
    超微粒子シリカ(c)の混合物と、超微粒子シリカを凝
    集させるに可能なヒンダードアミン系光安定剤(d)と
    を混合することを特徴とする請求項1記載の組成物の製
    造法。
  6. 【請求項6】 有機溶剤がアルコール系溶剤である請求
    項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 分子中に1個以上の(メタ)アクリロ
    イルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導
    体(a)、 光重合開始剤(b)、及び 分子中に1個の環状ヒンダードアミン構造を有する光
    安定剤(e)の存在下で、有機溶剤に分散された超微粒
    子シリカ(c)とその超微粒子シリカを凝集させるに可
    能なヒンダードアミン系光安定剤(d)とから得られる
    凝集物を含有することを特徴とする艶消し被覆用光硬化
    性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 有機溶剤がアルコール系溶剤である請求
    項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 分子中に1個以上の(メタ)アクリロイ
    ルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体
    (a)、光重合開始剤(b)、有機溶剤に分散された超
    微粒子シリカ(c)及び分子中に1個の環状ヒンダード
    アミン構造を有する光安定剤(e)の混合物と、超微粒
    子シリカを凝集させるに可能なヒンダードアミン系光安
    定剤(d)とを混合することを特徴とする請求項7記載
    の組成物の製造法。
  10. 【請求項10】 有機溶剤がアルコール系溶剤である請
    求項9記載の製造法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の艶消し被覆用光硬化性
    樹脂組成物を、合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネ
    ルギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた
    合成樹脂成形品。
  12. 【請求項12】 請求項4記載の艶消し被覆用光硬化性
    樹脂組成物を、合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネ
    ルギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた
    合成樹脂成形品。
  13. 【請求項13】 請求項7記載の艶消し被覆用光硬化性
    樹脂組成物を、合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネ
    ルギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた
    合成樹脂成形品。
  14. 【請求項14】 請求項8記載の艶消し被覆用光硬化性
    樹脂組成物を、合成樹脂成形品に塗布した後、活性エネ
    ルギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた
    合成樹脂成形品。
  15. 【請求項15】 有機溶剤に分散された超微粒子シリカ
    (c)が有機溶剤に分散された粒径10〜20mμの超
    微粒子シリカと粒径50〜600mμの超微粒子シリカ
    とからなることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  16. 【請求項16】 有機溶剤に分散された超微粒子シリカ
    (c)が有機溶剤に分散された粒径10〜20mμの超
    微粒子シリカと有機溶剤に分散された粒径50〜600
    mμの超微粒子シリカとからなることを特徴とする請求
    項1記載の組成物。
  17. 【請求項17】 超微粒子シリカを凝集させるに可能な
    ヒンダードアミン系光安定剤(d)が、分子中に平均2
    個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤で
    ある請求項15又は16記載の組成物。
  18. 【請求項18】 粒径10〜20mμの超微粒子シリカ
    100重量部に対して50〜600mμの超微粒子シリ
    カが5〜100重量部であることを特徴とする請求項1
    5又は16記載の組成物。
  19. 【請求項19】 粒径10〜20mμの超微粒子シリカ
    と粒径50〜600mμの超微粒子シリカとの合計量1
    00重量部に対して超微粒子シリカを凝集させるに可能
    なヒンダードアミン系光安定剤(d)を0.5〜60重
    量部使用する請求項15、16又は17記載の組成物。
  20. 【請求項20】 有機溶剤がアルコール系溶剤である請
    求項15、16、17又は18記載の組成物。
  21. 【請求項21】 請求項16記載の艶消し被覆用光硬化
    性樹脂組成物を、合成樹脂成形品に塗布した後、活性エ
    ネルギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させ
    た合成樹脂成形品。
  22. 【請求項22】 請求項19記載の艶消し被覆用光硬化
    性樹脂組成物を、合成脂成形品に塗布した後、活性エネ
    ルギー線を照射して表面に艶消し硬化被膜を形成させた
    合成樹脂成形品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10180950A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Lintec Corp 防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法
KR20060032444A (ko) * 2004-10-12 2006-04-17 천일합성목재(주) 피브이씨 하드코팅용 조성물과 그 제조방법 및 그를이용한 피브이씨 가공 프로세스
JP2007283294A (ja) * 2006-03-23 2007-11-01 Sumitomo Chemical Co Ltd 積層体の製造方法
JP2014015537A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シート、積層成形品及び積層成形品の製造方法

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