JPH08226424A - タッピンねじおよびその製造方法 - Google Patents

タッピンねじおよびその製造方法

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JPH08226424A
JPH08226424A JP7053690A JP5369095A JPH08226424A JP H08226424 A JPH08226424 A JP H08226424A JP 7053690 A JP7053690 A JP 7053690A JP 5369095 A JP5369095 A JP 5369095A JP H08226424 A JPH08226424 A JP H08226424A
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threads
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Terufumi Nojigawa
輝文 野地川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 高いねじ山4と低いねじ山24との2条のね
じ山を設け、ねじ山4,24の適所に、少なくとも該ね
じ山のフランクの法線方向に突出する凸部5,25を設
ける。 【効果】 低いねじ山24を有しているので、薄板にね
じ込む場合も、通常のタッピンねじの場合より、薄板に
設ける下穴の径を小さくしても、小さな初期ねじ込みト
ルクで、該薄板を破壊することなくねじ込むことができ
る。そして、下穴の径を小さくすることにより、ひっか
かり率を大きくすることができるので、下穴側にバーリ
ング加工を施さなくても、保持力を大きくすることがで
きる。凸部5,25が設けられているので、ねじ山4,
24が薄板等の被ねじ込み材側に形成される雌ねじに圧
着され、緩み止めが図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ねじ自身でねじ立てが
できるねじ、すなわちタッピンねじおよびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の通常のタッピンねじは、一条ねじ
とされており、かつそのねじ山の高さは、ねじの先端部
や不完全ねじ部を除いて全て同じ高さとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のタッピンね
じにおいては、薄板に対してねじ込む場合、薄板の下穴
の方にバーリング加工を行っておかないと、十分な保持
力が得られなかったので、下穴加工コストが高くなると
いう問題があった。
【0004】また、多くの場合、タッピンねじを締め付
け後、締結部に接着剤を付けることにより緩み止めを行
う必要があるが、このように接着剤を付けてしまうと、
タッピンねじの取り外しが不可能になるとともに、接着
剤を付ける作業の作業コストの方がタッピンねじをねじ
込む作業自体の作業コストより高くなるという問題があ
った。
【0005】また、バーリング加工を行った場合でも、
十分な保持力を得るためには、タッピンねじのリードを
ある程度小さくする必要があり、そのため、ねじ込みを
迅速に行うことができないという問題もあった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、本発明の目的の1つは、薄板に対してねじ込む
場合でも、薄板側にバーリング加工を行わなくても、十
分な保持力が得られるタッピンねじおよびその製造方法
を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、接着剤を付けること
なく緩み止めを図ることができ、しかも初期ねじ込みト
ルクを小さくすることができるタッピンねじおよびその
製造方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、ねじ込み作業を迅速
に行うことができ、なおかつ十分な保持力を得ることが
できるタッピンねじおよびその製造方法を提供すること
にある。
【0009】本発明の他の目的は、前記本発明のタッピ
ンねじを通常のタッピンねじと同様に転造加工により製
造することができるタッピンねじの製造方法を提供する
ことにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は以下の説明から
明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるタッピンね
じは、高いねじ山と低いねじ山との2条のねじ山を有
し、前記高いねじ山および/または低いねじ山の適所
に、少なくとも該ねじ山のフランクの法線方向に突出す
る凸部を設けられたものである。
【0012】また、本発明によるタッピンねじ製造方法
は、複数の転造ダイス間にブランクを供給するとともに
前記複数の転造ダイスを相対的に動かして前記ブランク
を前記複数の転造ダイス間で転がすことにより前記タッ
ピンねじをねじ転造によって製造するタッピンねじ製造
方法であって、前記凸部を設けるべき部分に対応する領
域における転造圧力を通常の場合の転造圧力より高く
し、前記複数の転造ダイスの少くとも1つのダイスのブ
ランク当接面の終端部付近を前記ブランクに食い込ま
せ、該ブランクの対応する部分の肉を外側に押し出すこ
とにより前記凸部を形成するものである。
【0013】
【作用】本発明のタッピンねじにおいては、低いねじ山
を有しているので、薄板にねじ込む場合でも、高いねじ
山と同一外径の通常のタッピンねじの場合より、薄板に
設ける下穴の径を小さくしても、小さな初期ねじ込みト
ルクで、該薄板を破壊することなく、ねじ込むことがで
きる。そして、そのように下穴の径を小さくすることに
より、ひっかかり率を大きくすることができるので、下
穴側にバーリング加工を施さなくても、保持力を大きく
することができるため、下穴加工の加工コストを低減す
ることができる。
【0014】また、高いねじ山および/または低いねじ
山の適所に、少なくとも該ねじ山のフランクの法線方向
に突出する凸部が設けられているので、ねじ山が薄板等
の被ねじ込み材側に形成される雌ねじに圧着され、緩み
止めが図られる。したがって、従来必要であった締結部
に接着剤を付ける作業も不要になり、これによっても作
業コストを大幅に低減することができるとともに、一端
締結したタッピンねじの取り外しも可能になる。
【0015】また、2条のねじ山を有しているので、ピ
ッチを従来の通常のタッピンねじと同じとしても、リー
ドを大きくすることができるので、ねじ込みを迅速に行
うことができ、これによっても作業コストを低減でき
る。
【0016】また、本発明のタッピンねじの製造方法に
よれば、前記凸部を有するタッピンねじを通常のタッピ
ンねじと同様に転造加工により製造できるので、本発明
のタッピンねじを安価に製造できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。図1は本発明によるタッピンねじの一実施例
の正面図を示し、このタッピンねじ1は軸部2とこの軸
部2の一端部に設けられた頭部3とを備えている。前記
軸部2には、高いねじ山4と低いねじ山24との2条の
ねじ山が設けられており、これらの高いねじ山4と低い
ねじ山24は同じ向き(右巻き)とされている。前記軸
部2の後端側(頭部3側)においては、各ねじ山4,2
4に、該ねじ山4,24のフランクの法線方向および軸
部2の径方向に突出する凸部5,25が各ねじ山4,2
4の1ピッチ毎に設けられている。図2,3は凸部5,
25の形状を明確にするために、図1とは別の方向から
凸部5,25を見た図であり、図2は図1のII−II
線における断面図、図3は図2のA方向矢視図である。
前記軸部2の先端側においては、各ねじ山4,24に前
記凸部5,25は設けられていない。前記頭部3にはド
ライバを嵌合するための穴ないしは溝6が設けられてい
る。
【0018】参考までに、本実施例におけるねじの各部
の寸法および角度の具体例の1つを下記に示す(勿論、
本発明は、このような具体的寸法に限定されないことは
言うまでもない)。
【0019】・高いねじ山4における外径d1=4.0
mm ・低いねじ山24における外径d2=3.3mm ・谷径d3=2.6mm ・高いねじ山4および低いねじ山24のリードl1=l2
=1.4mm、 ・ピッチP=0.7mm ・リード角に対する高いねじ山4および低いねじ山24
の前端側のフランクの傾斜角度α1,β1=30度(図4
参照) ・リード角に対する高いねじ山4および低いねじ山24
の後端側のフランクの傾斜角度α2,β2=10度(図4
参照) 上記具体例に対応する通常のタッピンねじの各部の具体
的寸法および角度は、次の通りである。
【0020】・外径=4.0mm ・谷径=3.0mm ・リードおよびピッチ=0.7mm ・フランク角(α1+α2に対応する)=60度 このタッピンねじ1においては、低いねじ山24を有し
ているので、薄板(例えば厚さ0.3〜0.6mm)に
ねじ込む場合でも、高いねじ山4と同一外径の通常のタ
ッピンねじの場合より、薄板に設ける下穴の径を小さく
しても、小さな初期ねじ込みトルクで、該薄板を破壊す
ることなくねじ込むことができる。そして、下穴の径を
小さくすることにより、ひっかかり率を大きくすること
ができるので、下穴側にバーリング加工を施さなくて
も、保持力を大きくすることができるため、下穴加工コ
ストを低減することができる。なお、このタッピンねじ
1の場合、下穴の径は谷径と同程度することが好まし
く、例えば、前記具体的寸法および角度例の場合、下穴
の径は2.7mm程度とすることが好ましい(対応する
通常のタッピンねじの場合、下穴の径は3.7mm程度
とされる)。
【0021】また、各ねじ山4,24に、該ねじ山のフ
ランクの法線方向に突出する凸部5,25が設けられて
いるので、ねじ山4,24が薄板等の被ねじ込み材側に
形成される雌ねじに圧着され、緩み止めが図られる。し
たがって、従来必要であった締結部に接着剤を付ける作
業も不要になり、これによっても作業コストを大幅に低
減することができる(なお、本実施例では、高いねじ山
4および低いねじ山24の両方に凸部5,25を設けて
いるが、本発明においては、高いねじ山4または低いね
じ山24の一方のみに凸部を設けてもよい)。
【0022】また、2条のねじ山4,24を有している
ので、ピッチを従来の通常のタッピンねじと同じとして
も、リードを大きくすることができるので、ねじ込みを
迅速に行うことができ、これによっても作業コストを低
減できる。
【0023】次に、前記図1〜4のタッピンねじ11を
ねじ転造により製造する方法の一実施例を説明する。図
5は本実施例におけるブランク(素材)1′を示してお
り、このブランク1′は横断面円形の軸部2′および頭
部3を備えている。前記軸部2′のうちの、タッピンね
じ1になったときに凸部5,25が設けられないことと
なる部分(先端側)は小径部2a′とされ、凸部5,2
5が設けられることとなる部分(後端側)は小径部2
a′より適当な大きさだけ太い大径部2b′とされてい
る。前記頭部3にはドライバを嵌合するための穴ないし
は溝6が設けられている。
【0024】図6は本実施例における転造作業を示す平
面図であり、7は転造固定平ダイス(以下、固定ダイス
という)、8は転造移動平ダイス(以下、移動ダイスと
いう)である。図7は固定ダイス7の正面図、図8は固
定ダイス7の拡大側面図、図9は固定ダイス7の要部の
拡大平面図を示している。前記固定ダイス7のブランク
当接面9には、図10に示されるような、タッピンねじ
1のねじ山4に対応する横断面形状のねじ山形成溝10
が設けられている。なお、図6,8および9において
は、後述する逃げ部12におけるねじ山形成溝10の頂
部を線10b(図8では実線、図9では破線)、それ以
外の部分におけるねじ山形成溝10の頂部を実線10
a、後述する逃げ部12における高いねじ山4の頂部に
対応するねじ山形成溝10の底部を破線10d、それ以
外の部分における高いねじ山4の頂部に対応するねじ山
形成溝10の底部を破線10cでそれぞれ示している
(図6,8および9においては、図面が煩雑にならない
ようにするため、低いねじ山24の頂部に対応するねじ
山形成溝10の底部は図示していないが、この底部も高
いねじ山4の頂部に対応するねじ山形成溝10の底部と
同様に形成される)。
【0025】前記固定ダイス7のブランク当接面9うち
の、ブランク1′の大径部2b′を当接される領域9b
(図7における上側の領域)の終端部には、図6および
8によく示されるように、対向する移動ダイス8から遠
ざかって行く方向に傾斜した斜面11が設けられてい
る。なお、本実施例では、この斜面11は図9に示され
るように若干円弧状に湾曲されているが、平面状として
もよい。
【0026】他方、前記固定ダイス7のうちの、ブラン
ク1′の小径部2a′を当接される領域9a(図7にお
ける下側の領域)においては、通常のねじ転造における
ダイスと同様の逃げ部12が設けられている。この逃げ
部12では、図9によく示されるように、ねじ山形成溝
10の頂部10bおよび底部10dがともに対向する移
動ダイス8から徐々に遠ざかって行く方向に傾斜されて
いる。ここで、この逃げ部12の傾斜角度は斜面11の
傾斜角度より小さくとられている。なお、本実施例で
は、前記斜面11においては、ねじ山形成溝10の底部
10cは、逃げ部12におけるねじ山形成溝10の底部
10dの場合のように移動ダイス8から遠ざかる方向に
傾斜されていないが、この斜面11部分におけるねじ山
形成溝10の底部10cを逃げ部12における底部10
dと同様に移動ダイス8から遠ざかる方向に傾斜しても
よい。
【0027】図6に示されるように、前記移動ダイス8
は、通常の転造平ダイスと同様の構成となっており、そ
のブランク当接面13には固定ダイス7における斜面1
1や逃げ部12に相当する斜面および逃げ部を設けられ
ていない。なお、14aはこの移動ダイスのねじ山形成
溝の頂部、14bは底部を示している。
【0028】本実施例では、図6および7に示されるよ
うに、ブランク1′の軸部2′のうちの大径部2b′は
固定ダイス7のブランク当接面9の領域9bに当接さ
れ、小径部2a′は固定ダイス7のブランク当接面の領
域9aに当接されるように設定した上、通常のねじ転造
の場合と全く同様にして、移動ダイス8を図6の矢印B
方向に移動し、移動ダイス8と固定ダイス7との間でブ
ランク1′を転がすと、ブランク1′にねじ山4,24
が形成されて行く。
【0029】ここにおいて、ブランク1′の小径部2
a′と固定ダイス7のブランク当接面9の領域9aとの
接触部においては転造圧力が通常の大きさとなるように
すると、ブランク1′の大径部2b′と固定ダイス7の
ブランク当接面9の領域9bとの接触部においては転造
圧力は通常のそれより大きくなる(逆に言えば、ブラン
ク1′の大径部2b′の径は、該大径部2b′と固定ダ
イス7の領域9bとの接触部において転造圧力が通常の
転造圧力より適当な大きさだけ大きくなるように設定す
る)。そして、ブランク1′が固定ダイス7のブランク
当接面9の領域9bの終端部の斜面11の始端に達する
と、この部分では固定ダイス7とブランク1′との間の
接触面積が小さくなり、固定ダイス7とブランク1′と
の間の接触圧力が高くなるので、固定ダイス7の斜面1
1の始端付近がブランク1′に深く食い込むと同時に、
対応する部分のブランク1′の肉が外側に押し出される
ことにより、ねじ山4,24のフランクの法線方向およ
び軸部2の径方向に膨出する凸部5,25が形成され
る。
【0030】他方、ブランク1′の小径部2a′と固定
ダイス7のブランク当接面9の領域9aとの接触部にお
いては転造圧力が通常の大きさとなっていること、およ
び逃げ部12の傾斜角度は小さく、移動ダイス8から徐
々に離間して行くことから、この領域9aにおいては凸
部5,25は形成されず、通常通りのねじ山4,24が
得られる。
【0031】なお、図1に示されるタッピンねじ1にお
いては、軸部2の一部の区間(後端側)においてのみ、
ねじ山4,24に凸部5,25を形成しているが、軸部
2の全区間においてねじ山4,24に凸部5,25を設
けてもよい。その場合には、固定ダイス7のブランク当
接面9の全領域の終端部に斜面11を設ければよい。た
だし、軸部2の全区間においてねじ山4,24に凸部
5,25を設けると、初期ねじ込みトルクが大きくなる
虞があるが、図1に示されるタッピンねじ1のように軸
部2の後端側においてのみねじ山4,24に凸部5,2
5を形成し、軸部2の先端側には凸部5,25を形成し
なければ、初期ねじ込みトルクを小さくし、しかもある
程度タッピンねじ1を締め付けた時点で、緩み止め機能
を発揮させることができるという利点が得られる(通
常、緩み止め機能はタッピンねじ1をある程度ねじ込ん
だ時点でのみ必要になる)。
【0032】図11は本発明における固定ダイス7の他
の実施例を示しており、この実施例では斜面11がブラ
ンク1′の進行方向と垂直な方向に対し斜に傾斜されて
いる。前記図6〜9の固定ダイス7のように斜面11が
ブランク1′の進行方向に対し垂直方向とされている場
合は、図1のように凸部5,25は軸部2の軸線方向と
平行方向に配列されて形成されるが、図11のように斜
面11がブランク1′の進行方向と垂直な方向に対し斜
に傾斜されている場合は、図12のように凸部5,25
が軸部2に螺旋状に配列されて形成される。
【0033】また、前記各実施例では、固定ダイス7側
のみに斜面11が設けられているので、ねじ山4,24
の1ピッチ毎に凸部5,25が1つ形成されているが、
移動ダイス8の方にも斜面11を設ければ、図13のよ
うにねじ山4,24の1ピッチ毎に凸部5,25を2つ
形成することも可能である(ただし、斜面11がブラン
ク1′の進行方向に対し斜方向とされている場合や多条
ねじの場合は、1ピッチ当りの凸部5,25の数はこれ
とは変って来る)。
【0034】また、図14および15は本発明における
固定ダイス7のさらに他の実施例を示しており、この実
施例では、ブランク当接面9の領域9bの終端部には斜
面11も逃げ部も設けられていない。このような固定ダ
イス7を用いて前記同様にねじ転造を行えば、図16の
ように凸部5,25が軸部2のほぼ径方向に立ち上がっ
て形成される。このような形状の凸部5,25が形成さ
れる場合も、緩み止め機能を得ることができる。ただ
し、この場合、タッピンねじ1を意図的に緩み方向に回
転させようとする際に、凸部5,25が薄板等のねじ込
み対象物を破壊してしまう虞があるが、前記実施例のよ
うにブランク当接面9の領域9bの終端部に斜面11を
設ければ、凸部がタッピンねじ1の軸部2の半径方向に
対し傾斜して立ち上がるようにし、タッピンねじ1を意
図的に緩み方向に回転させようとする際、凸部5,25
が被ねじ込み材を破壊してしまう虞を小さくすることが
できる。
【0035】図17は本発明における固定ダイス7のさ
らに他の実施例を示しており、この実施例では、ブラン
ク1′の軸部2′には図5のブランク1′の場合のよう
に段差を設けず、全長に渡って均一な径とする一方、固
定ダイス7のブランク当接面9の領域9bを領域9aよ
り突出させることにより、領域9bにおける転造圧力を
通常より増大させる。これによっても、前記実施例の場
合と同様の効果を得ることができる。
【0036】なお、前記各実施例においては、ねじ山
4,24の山形はそれぞれ三角形状とされているが、本
発明においては、ねじ山4,24の山形はそれぞれ他の
種の山形としてもよい。
【0037】また、前記各実施例においては、凸部5,
25はねじ山4,24のフランクの法線方向および軸部
2の径方向に突出しているが、軸部2の径方向には突出
しないようにしてもよい(そのようにしても、緩み止め
機能は得られる)。
【0038】さらに、前記各実施例では平ダイスを用い
ているが、本発明のタッピンねじ製造方法においては丸
ダイス等の他の形状のダイスを用いてもよい。ただし、
丸ダイスを用いる場合は、丸ダイスのブランク当接面の
終端部を決め、1つ1つのブランクに対する転造作業が
常にこの終端部において完了するように設定する必要が
ある。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によるタッピンね
じは、 (イ)薄板に対してねじ込む場合でも、薄板側にバーリ
ング加工を行わなくても、十分な保持力が得られる、 (ロ)接着剤を付けることなく緩み止めを図ることがで
き、しかも初期ねじ込みトルクを小さくすることができ
る。したがって、従来必要であった締結部に接着剤を付
ける作業も不要になり、これによっても作業コストを大
幅に低減することができるとともに、一端締結したタッ
ピンねじの取り外しも可能になる。
【0040】(ハ)ねじ込み作業を迅速に行うことがで
き、なおかつ十分な保持力を得ることができる等の優れ
た効果を得られるものである。
【0041】また、本発明によるタッピンねじの製造方
法は、前記本発明のタッピンねじを通常のタッピンねじ
と同様に転造加工により製造することができる等の優れ
た効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタッピンねじの一実施例を示す正
面図である。
【図2】図1のII−II線における拡大断面図であ
る。
【図3】図2のA方向矢視図である。
【図4】前記実施例のタッピンねじのねじ山を示す拡大
断面図である。
【図5】本発明のタッピンねじの製造方法の一実施例に
おけるブランクの正面図である。
【図6】前記タッピンねじの製造方法の実施例における
ねじ転造作業の様子を示す平面図である。
【図7】前記タッピンねじの製造方法の実施例における
固定ダイスを示す正面図である。
【図8】前記固定ダイスを示す側面図である。
【図9】前記固定ダイスの要部を示す拡大平面図であ
る。
【図10】前記固定ダイスのねじ山形成溝を示す拡大断
面図である。
【図11】本発明のタッピンねじの製造方法における固
定ダイスの他の実施例を示す正面図である。
【図12】図10の固定ダイスを用いて製造される本発
明のタッピンねじの他の実施例を示す正面図である。
【図13】本発明のタッピンねじのさらに他の実施例を
示す拡大断面図である。
【図14】本発明のタッピンねじの製造方法における固
定ダイスのさらに他の実施例を示す正面図である。
【図15】図14の固定ダイスの要部を示す平面図であ
る。
【図16】図14および15の固定ダイスを用いて製造
される本発明のタッピンねじのさらに他の実施例を示す
拡大断面図である。
【図17】本発明のタッピンねじの製造方法における固
定ダイスのさらに別の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 タッピンねじ 1′ ブランク 2 軸部 2a′ 小径部 2b′ 大径部 4 高いねじ山 5 高いねじ山の凸部 7 固定ダイス 8 移動ダイス 9 固定ダイスのブランク当接面 9a ブランク当接面9の、ブランク1′の小径部2
a′が当接される領域 9b ブランク当接面9の、ブランク1′の大径部2
b′が当接される領域 11 斜面 24 高いねじ山 25 高いねじ山の凸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高いねじ山と低いねじ山との2条のねじ
    山を有し、前記高いねじ山および/または低いねじ山の
    適所に、少なくとも該ねじ山のフランクの法線方向に突
    出する凸部を設けられたことを特徴とするタッピンね
    じ。
  2. 【請求項2】 前記凸部は、タッピンねじの軸部の半径
    方向に対し傾斜して立ち上がっている請求項1記載のタ
    ッピンねじ。
  3. 【請求項3】 複数の転造ダイス間にブランクを供給す
    るとともに前記複数の転造ダイスを相対的に動かして前
    記ブランクを前記複数の転造ダイス間で転がすことによ
    り請求項1または2記載のタッピンねじをねじ転造によ
    って製造するタッピンねじ製造方法であって、前記凸部
    を設けるべき部分に対応する領域における転造圧力を通
    常の場合の転造圧力より高くし、前記複数の転造ダイス
    の少くとも1つのダイスのブランク当接面の終端部付近
    を前記ブランクに食い込ませ、該ブランクの対応する部
    分の肉を外側に押し出すことにより前記凸部を形成する
    タッピンねじ製造方法。
JP7053690A 1995-02-18 1995-02-18 タッピンねじおよびその製造方法 Pending JPH08226424A (ja)

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