JP2008202251A - コンクリート構造物の補強用治具とこれを用いた補強構造および補強施工方法 - Google Patents

コンクリート構造物の補強用治具とこれを用いた補強構造および補強施工方法 Download PDF

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鉄太郎 山下
Shitoki Kanefuji
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Abstract

【課題】補修および補強しようとするコンクリート構造物に強度的な劣化を与えないように施工でき、しかも施工面がどの向きであっても容易に施工可能にする。
【解決手段】鉄筋網4の交差する2本の鉄筋4a,4bを固定方向に拘束するヘッド部5aと、このヘッド部5aからその軸線方向に突き出されてコンクリート構造物に開けたアンカー孔1bにねじ込まれるロッド部5bと、このロッド部5bとヘッド部5aとの間の周面に形成され、かつ差し込み方向が先細りするテーパ部5cとからなり、ロッド部5aが、下穴の内面に切り込む錐として作用する第1のねじ山5gと、この第1のねじ山5gよりも高さが低く形成され、ねじ込みの際の案内として作用する第2のねじ山5hとの2条のねじ山が形成されたアンカーピン5を用いる。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば橋梁等のコンクリート構造物の補強に係り、特に亀裂を生じた橋梁床版や壁体の補修の他、既設構造物に対して新たに鉄筋を追加施工して補強するための補強用治具とこれを用いた補強構造および補強施工方法に関する。
コンクリート構造によって構築される道路橋では、車両の通過による動荷重を繰り返し受けるため、道路橋の主要部材の中でも橋梁の床版に対する負荷はかなり大きい。そして、橋梁自身が持つ強度に対して、過大な負荷の繰り返しや衝撃荷重が大きかったり耐用年限を大きく超えたりすると、床版の下面にクラックが発生し、このクラックは次第に下面を縦横に走るようにまでなって細網化し、コンクリートの剥落などを招くことになる。
このようなクラックの発生は、コンクリート中の鉄筋の腐食や破断の原因となるので、通常の場合はクラックが発生した初期の段階で床版を補強することが好ましいとされている。この床版の補修施工としては、従来、クラック内にエポキシ樹脂などを注入する樹脂注入法や、床版に発生した空洞部分やコンクリート剥離部分をセメントモルタルで修復する断面修復工法が行われている。
ところが、これらの工法の殆どは破損部位の修復を主な目的とするものであって、鉄筋の腐食の進行等を防ぐことなどには有効であるものの、構造物自体の強度を上げるという施工には対応できない。これに対し、橋梁などを含めて既設のコンクリート構造体に対して好適な補修および補強のための施工およびこのための治具も既に開発されており、例えば特許文献1に記載されたものがその一例として挙げられる。
この特許文献1に記載の補強構造は、例えば施工対象が橋梁の床版であれば、この床版の下面に沿って格子状に編んだ鉄筋網を配置し、この鉄筋網の鉄筋どうしがほぼ直交して交差する部分に沿って床版にアンカーピンを打ち込んで鉄筋網を床版の下面に裏打ちするというものである。そして、アンカーピンにはそのヘッド側にテーパ部を形成しておき、このテーパ部分を鉄筋が交差する部分に当たるように打設することで、鉄筋網に対してプレストレスを加えるようにし、さらに鉄筋網の全体を樹脂モルタルで封止する施工が行われる。
このようなピンと鉄筋網を用いた施工であれば、床版に鉄筋網を一体に接合する構造体が得られるので、床版の補修と同時にプレストレスを付与された鉄筋網により長期間に及んで安定した補強が維持される。
ところが、アンカーピンを打設する作業では、鉄筋網の格子配列に対応して床版にドリル等によって多数の打設孔を予め穿った後に、これらの打設孔にアンカーピンが打ち込まれることになる。そして、従来のアンカーピンは、圧入していくにしたがってこのピンの先端の外形が拡張変形してこの変形によって打設孔との間に係止力を持たせるというものである。したがって、クラックが発生していて強度的に劣化している補修前の床版に対して多数のアンカーピンを打ち込むと、床版に既に発生しているクラックに打設時の衝撃力が作用してしまい、施工時にクラックの発生を助長してしまう結果となる。
また、アンカーピンの打設によるクラックの成長を抑えるためには、例えばアンカーピンの打設ピッチを長くすることで一応は対応できる。しかしながら、打設ピッチが長いと、床版に対する鉄筋網の拘束点が減ることになり、両者の接合強度が低下してしまうだけでなく、アンカーピンによる鉄筋網に対するプレストレス負荷も不十分になる可能性がある。
これに対し、補修および補強しようとするコンクリート構造物に強度的な劣化を与えないように施工でき、しかも発生しているクラックについてもその成長が抑制できるようにするコンクリート構造物の補強施工方法も既に開発されており、例えば特許文献2に記載されたものがその一例として挙げられる。
この特許文献2に記載の補強施工方法は、既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置し、2本の交差する鉄筋の両方に補強用治具のテーパ周面が突き当たる位置に対応させ、コンクリート構造物に補強用治具のロッドの外径よりも大きな複数の打設孔を穿設し、複数の補強用治具のロッドをそれぞれの打設孔に差し込むとともに2本の交差する鉄筋からテーパが受ける拘束力とロッドが打設孔の内周面から受ける拘束力とで補強用治具をコンクリート構造物側に連接することによって鉄筋網をコンクリート構造物の表面に固定し、鉄筋網および補強用治具を含めて被覆層によって被覆した後、補強用治具の注入孔に外部から合成樹脂を注入して、固化させるというものである。
このように、補強用治具を、注入された合成樹脂の固化によってコンクリート構造物に固定するようにすれば、従来のアンカーピン等のように拡張変形による係合力を得られないでも済むので、補強用治具の配列ピッチを短くして一層強度を上げることができ、打設時にコンクリート構造体に無用な負荷を与えないのでその強度的な劣化も防止できる。
特許第2521644号公報 特許第3582971号公報
前述のように特許文献1に記載の補強構造では、圧入していくにしたがってアンカーピンの先端の外形が拡張変形していくので、クラックが発生していて強度的に劣化している補修前の床版に対して多数のアンカーピンを打ち込むと、床版に既に発生しているクラックに打設時の衝撃力が作用してしまい、施工時にクラックの発生を助長してしまう可能性がある。
一方、特許文献2に記載の補強施工方法では、コンクリート構造物に穿設した補強用治具のロッドの外径よりも大きな複数の打設孔に対して、補強用治具のロッドを注入された合成樹脂の固化によって固定するものであるが、この補強の施工面が既設の橋梁であれば補強用治具の差込方向が上向きなので合成樹脂が固化するまでの間、補強用治具のロッドが打設孔から抜け落ちないようにする必要がある。
そこで、本発明においては、補修および補強しようとするコンクリート構造物に強度的な劣化を与えないように施工でき、しかも施工面がどの向きであっても容易に施工可能にすることを目的とする。
本発明のコンクリート構造物の補強用治具は、既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を固定する補強用治具であって、鉄筋網の交差する2本の鉄筋を固定方向に拘束するヘッド部と、このヘッド部からその軸線方向に突き出されてコンクリート構造物に開けた下穴にねじ込まれるロッド部と、このロッド部とヘッド部との間の周面に形成され、かつ差し込み方向が先細りするテーパ部とからなり、ロッド部が、下穴の内面に切り込む錐として作用する第1のねじ山と、この第1のねじ山よりも高さが低く形成され、ねじ込みの際の案内として作用する第2のねじ山との2条のねじ山が形成されたものであることを特徴とする。
この補強用治具を用いた本発明のコンクリート構造物の補強構造は、既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置して固定したコンクリート構造物の補強構造であって、2本の交差する鉄筋の両方に補強用治具のテーパ部周面が突き当たる位置に対応させて穿設された複数の下穴に、それぞれ前記補強用治具のロッド部がねじ込まれるとともに、2本の交差する鉄筋から前記補強用治具のテーパ部が受ける拘束力と補強用治具のロッド部が下穴の内面から受ける拘束力とで補強用治具がコンクリート構造物側に連接されることによって鉄筋網がコンクリート構造物の表面に固定され、鉄筋網および補強用治具を含めて被覆層によって被覆されたものであることを特徴とする。
また、上記本発明の補強用治具を用いたコンクリート構造物の補強施工方法は、既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置し、2本の交差する鉄筋の両方に補強用治具のテーパ部周面が突き当たる位置に対応させて複数の下穴を穿設し、複数の補強用治具のロッド部をそれぞれの下穴にねじ込むとともに、2本の交差する鉄筋から補強用治具のテーパ部が受ける拘束力と補強用治具のロッド部が下穴の内面から受ける拘束力とで補強用治具をコンクリート構造物側に連接することによって鉄筋網をコンクリート構造物の表面に固定し、鉄筋網および補強用治具を含めて被覆層によって被覆することを特徴とする。
本発明のコンクリート構造物の補強用治具は、鉄筋網の鉄筋が交差する部分に適切に配置してコンクリート構造物に開けられた下穴にねじ込まれる際、ロッド部に形成された第1のねじ山により下穴の内面に切り込みながら進行する。また、この際、ロッド部に形成された第1のねじ山より高さが低い第2のねじ山により、ロッド部の軸線が下穴の軸線と同軸となるようにその姿勢が維持される。すなわち、本発明のコンクリート構造物の補強用治具を用いれば、既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置し、2本の交差する鉄筋の両方に補強用治具のテーパ部周面が突き当たる位置に対応させて複数の下穴を穿設し、複数の補強用治具のロッド部をそれぞれの下穴にねじ込むだけでコンクリート構造物の表面に鉄筋網を固定することが可能である。
ここで、補強用治具のヘッド部は、回転工具を嵌めて回転させるための多角形断面穴が形成されたものであることが望ましい。これにより、補強用治具のロッド部を下穴にねじ込む際に、補強用治具のヘッド部の多角形断面穴に回転工具を嵌めて回転させるだけで補強用治具を下穴にねじ込むことができる。
また、補強用治具のロッド部は、合成樹脂を注入するために多角形断面穴と連通された貫通孔が形成されたものであり、補強用治具のヘッド部は、合成樹脂を注入するための注入器具を接続するための注入器具接続部が多角形断面穴の奥に形成されたものであることが望ましい。これにより、補強用治具のロッド部を下穴にねじ込んだ後、注入器具接続部に注入器具を接続して合成樹脂を注入し、合成樹脂の固化によってさらに強固にコンクリート構造物に固定することができる。
あるいは、上記貫通孔を有さない補強用治具の場合、補強用治具のロッド部を下穴にねじ込む前に、下穴の底部に合成樹脂を注入することが望ましい。これにより、複数の補強用治具を回転工具により回転させてねじ込むと、下穴の底部に注入された合成樹脂により補強用治具が保持されるので、先にねじ込んだ補強用治具が後から回転工具により別の補強用治具をねじ込む際の振動により緩んでしまうのを防止することができる。また、コンクリート構造物の施工面に予測不可能な脆弱性が生じている場合であっても、この下穴の底部に注入しておいた合成樹脂が固化することにより補強用治具がコンクリート構造物に固定されるので、より確実な固定が可能となる。
(1)鉄筋網の交差する2本の鉄筋を固定方向に拘束するヘッド部と、このヘッド部からその軸線方向に突き出されてコンクリート構造物に開けた下穴にねじ込まれるロッド部と、このロッド部とヘッド部との間の周面に形成され、かつ差し込み方向が先細りするテーパ部とからなり、ロッド部が、下穴の内面に切り込む錐として作用する第1のねじ山と、この第1のねじ山よりも高さが低く形成され、ねじ込みの際の案内として作用する第2のねじ山との2条のねじ山が形成されたものであることを特徴とするコンクリート構造物の補強用治具を用いることによって、既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置し、2本の交差する鉄筋の両方に補強用治具のテーパ部周面が突き当たる位置に対応させて複数の下穴を穿設し、補強用治具のロッド部をそれぞれの下穴にねじ込むだけでコンクリート構造物の表面に鉄筋網を固定することが可能となり、補修および補強しようとするコンクリート構造物に強度的な劣化を与えないように施工でき、しかも補強用治具は下穴へねじ込むだけで固定されるので、施工面がどの向きであっても容易に施工することが可能となる。
(2)補強用治具のヘッド部が、回転工具を嵌めて回転させるための多角形断面穴が形成されたものであることにより、補強用治具のロッド部を下穴にねじ込む際に、補強用治具のヘッド部の多角形断面穴に回転工具を嵌めて回転させるだけで補強用治具を下穴にねじ込んで固定することができ、作業が容易であるとともに短時間で施工することが可能となる。
(3)補強用治具のロッド部が、合成樹脂を注入するために前記多角形断面穴と連通された貫通孔が形成されたものであり、補強用治具のヘッド部が、合成樹脂を注入するための注入器具を接続するための注入器具接続部が多角形断面穴の奥に形成されたものであることにより、補強用治具のロッド部を下穴にねじ込んだ後、注入器具接続部に注入器具を接続して合成樹脂を注入し、合成樹脂の固化によってさらに強固にコンクリート構造物に固定することができる。
(4)補強用治具のロッド部を下穴にねじ込む前に、下穴の底部に合成樹脂を注入することにより、複数の補強用治具を回転工具により回転させてねじ込むと、下穴の底部に注入された合成樹脂により補強用治具が保持されるので、先にねじ込んだ補強用治具が後から回転工具により別の補強用治具をねじ込む際の振動により緩んでしまうのを防止することができる。また、コンクリート構造物の施工面に予測不可能な脆弱性が生じている場合であっても、この下穴の底部に注入しておいた合成樹脂が固化することにより補強用治具がコンクリート構造物に固定されるので、より確実な固定が可能となる。
図1は本発明の実施の形態におけるコンクリート構造物の補強施工方法によって橋梁の床版を補強した例を示す概略図、図2は図1のA−A線矢視図であって鉄筋網および補強用治具の配置を示す底面図である。
図1において、路幅方向の両端に地覆2をそれぞれ一体に形成するとともに内部には鉄筋をスラブ状に配筋した橋梁の床版1が橋桁3によって支持されている。そして、床版1は既設のものであって、通過車両Vによる動荷重を繰り返し受けてその下面にクラックが発生していたものを補強するために、図2に示す格子状に縦および横の鉄筋4a,4bを予め溶接によって一体化した鉄筋網4を本実施の形態における補強用治具としてのアンカーピン5によって固定保持している。なお、鉄筋網4の施工後には、モルタル樹脂等による被覆層を施工するものとし、図1においては被覆層6として一点鎖線でその概略を示している。
図3はアンカーピン5の詳細であって、(a)は平面図、(b)は一部切欠正面図、(c)は底面図である。
図3に示すアンカーピン5は、図1において下側から床版1にねじ込むときの姿勢として示したもので、同図の(b)に示すように下端にはその端面を緩やかな円弧面状としたヘッド部5aを形成し、このヘッド部5aから上端に向けてロッド部5bを形成したものである。また、ロッド部5bには、ヘッド部5aとの間を上端側、すなわち、ねじ込み進行方向に外形を先細りさせたテーパ部5cを形成するとともに、回転工具を嵌めて回転させるための多角形断面穴としての六角穴5dと、合成樹脂の注入器具を接続するための注入器具接続部としての雌ねじ部5eと、雌ねじ部5e、六角穴5dおよびヘッド部5aに連ねて軸線方向に貫通させた一様な内径の注入孔5fを設けている。なお、雌ねじ部5eは六角穴5dの奥に形成されている。
そして、テーパ部5cよりも先端側のロッド部5bの外周面には、2条のねじ山5g,5hが形成されている。ねじ山5gは、断面形状が三角形になっている三角ねじであり、後述するアンカー孔1bの内面に切り込む錐として作用するものである(以下、このねじ山5gを「錐ねじ山」と称す。)。ねじ山5hは、錐ねじ山5gよりも高さが低く形成された台形ねじまたは角ねじであり、ねじ込みの際の案内として作用するものである(以下、このねじ山5hを「案内ねじ山」と称す。)。また、先端側には、注入孔5fの周壁部分を半径方向に切開してスリット5iを形成している。
アンカーピン5は、図2に示したように、縦および横配列の鉄筋4a,4bが交差する部分に対応させてそれぞれ床版1にねじ込まれる。すなわち、図4に示すように鉄筋4a,4bが十字状に交差しているコーナ部であってこれらの鉄筋4a,4bにロッド部5bの周面が同時に接触するような位置にアンカーピン5をねじ込む。そして、アンカーピン5を床版1にねじ込んでいくと、ロッド部5b部分に代わって図5に示すようにテーパ部5cが鉄筋4a,4bの周面に当たるようになり、アンカーピン5の打設中心から見るとこのテーパ部5cによってその外形半径が大きくなる。したがって、アンカーピン5は図2において矢印方向に鉄筋4a,4bを押すようになり、これらの鉄筋4a,4bには引張力が作用する。
このようにアンカーピン5にテーパ部5cを設けることによって、図2に示す格子状の鉄筋網4に対してアンカーピン5の位置を適切にすれば、図中の矢印で示すように鉄筋網4の中心から格子と45度の角度を持つ方向への一様な引張力を作用させることができる。したがって、図1に示すように床版1に対して施工したときには、この床版1が撓み変形しても鉄筋網4がこの撓み変形に追従して、アンカーピン5と鉄筋4a,4bとの間に隙間が発生することが防止される。
以上のアンカーピン5を用いた鉄筋網4による床版1に対する補強施工の要領は次の通りである。
まず、床版1の底面には、図6に示すように溝1aを刻む施工を行う。この溝1aは例えば幅および深さが1〜3mm程度として、注入される合成樹脂が速やかに流れることができるようにし、格子状の鉄筋網4の縦,横の鉄筋4a,4bの配列方向だけでなく、斜めに走る線も含むランダムな配列とする。このような溝1aの現場での施工は、例えばサンダー等の工具を用いれば比較的容易にしかも一様な深さに形成することができる。
次いで、鉄筋網4を床版1の下面に沿わせてその位置を仮決めし、図4で説明したように、鉄筋4a,4bの両方にアンカーピン5のロッド部5bが接触できる位置を、芯出し棒等を使って床版1の下面に墨出しする。なお、このときの芯出し棒はロッド部5bと同じ外形を持つ金属棒等を利用すれば良く、アンカーピン5の施工数は鉄筋網4の大きさに応じて適宜選択すれば良い。
アンカーピン5の施工位置の墨付け後には、鉄筋網4を床版1から離すかまたは保持具によって位置を仮決めしたままとして、墨付けマークを目印にして図5に示すように下穴としてのアンカー孔1bをドリルによって穿孔する。このアンカー孔1bの内径は、ロッド部5bの外径よりも大きく、かつ、錐ねじ山5gよりも小さくて、注入樹脂の流れのつまりがない程度とし、アンカーピン5をきっちり打設したときにその先端に開放している注入孔5fが閉塞しない穿ち長さとする。
アンカー孔1bの穿孔作業を全て終えると、鉄筋網4の位置を再び正確に位置合わせして鉄筋4a,4bが交差する部分とアンカー孔1bの間の位置関係を調整して、再度床版1の底面に沿わせて仮固定する。そして、アンカーピン5のロッド部5bの先端部をアンカー孔1bの入口にあてがい、回転工具を六角穴5dに嵌めてアンカーピン5を回転させながら床版1にねじ込んでいく。このとき、アンカーピン5の錐ねじ山5gはアンカー孔1bの内面に切り込みながら進行し、案内ねじ山5hはアンカー孔1bの内面に当接することによって、アンカーピン5の姿勢を、その軸線がアンカー孔1bの軸線と一致するように保持する。
このようにアンカーピン5を回転させながら床版1にねじ込んでいくと、テーパ部5cが鉄筋4a,4bの周面に当たるようになり、アンカーピン5はこれらの鉄筋4a,4bによって保持される。すなわち、アンカーピン5をアンカー孔1bの中に打ち込んでいくにつれて、テーパ部5cが鉄筋4a,4bに対して楔のように係合していき、テーパ部5cはこれらの鉄筋4a,4bによってその周面の2点が拘束される。その結果、アンカー孔1bの中にねじ込まれたロッド部5bは、鉄筋4a,4bとの接触点から受ける反作用方向すなわち図2において示した矢印方向と逆向きの作用力を受け、この作用力が働く方向にアンカー孔1bの内面に押圧される。
したがって、図5に示すように、ヘッド部5aが鉄筋4aに突き当たって打ち込み完了となったときには、テーパ部5cが鉄筋4a,4bによって2点が拘束され、ロッド部5bはアンカー孔1bの中で図2の矢印方向と逆向きの作用力により押圧され、その周面がアンカー孔1bの内周面にほぼ線接触する。これにより、アンカーピン5はテーパ部5cで2点およびロッド部5bで1点が拘束されてその周面が3点で拘束されることになり、アンカーピン5はこれらの3点による拘束によって図5の状態に保持される。
このように、アンカーピン5は従来のコンクリート用打設ピンのようにロッド部の先端が拡張変形してこれによって係合力を作用させるのではなく、鉄筋4a,4bによるテーパ部5cへの拘束力を利用することで仮固定することができる。したがって、アンカーピン5を施工するときに既設の床版1に対して無用な内部応力を発生させることはなく、アンカーピン5の施工ピッチも短くなる。
なお、アンカーピン5のロッド部5bはアンカー孔1bの内周面に接触した状態で保持されるが、この部分だけがほぼ線接触状態になるだけであって、ロッド部5bとアンカー孔1bとの間には十分な隙間が保たれ、後述する合成樹脂の注入に何ら支障はない。
以上の要領でアンカーピン5をアンカー孔1bにねじ込んだ後には、図5に示すように、注入孔5fが開放している部分すなわち六角穴5dを、例えばスポンジを利用した取り外し可能なシール材(図示せず。)で封止する。そして、吹き付け装置によって下塗材6aを吹き付けて、床版1の下面に刻んだ溝1aをこの下塗材6aによって覆う。
下塗材6aは例えばポリマー等を用いることができ、吹き付け装置によって床版1の真下から吹き付けるように作業し、その層厚は1mm程度とする。この下塗材6aによる被覆施工により、図6に示すように床版1に刻んだ溝1aは下塗材6aによって閉じられる。
下塗材6aの吹き付けが完了すると、中塗材6bを図7および図8に示すように塗布する。この中塗材6bはコテ塗りまたは吹き付け作業によって行い、その厚さはヘッド部5aが埋没しない程度とする。そして、コテ塗りまたは吹き付けによって十分に充填することが好ましいが、作業性の面からもこのような充填塗布は困難である。これに対し、本発明の施工では、空洞ができてこれが残ったままでも、後述するように注入樹脂が代わって充填されるので、最終的な施工には何ら影響はない。
中塗材6bの塗布の後には、注入孔5fからシール材を抜き取り、図7に示すように注入器具8を雌ねじ部5eにねじ込んで、この注入器具8から合成樹脂として例えばエポキシ樹脂7を注入する。このエポキシ樹脂7の注入にはアンカーピン5の1個ごとに行うこともできるが、それほど数が多くない場合にはエポキシ樹脂7の圧送装置から複数のホースを分岐させてこれらを各アンカーピン5の雌ねじ部5eに接続して同時に注入作業しても良い。この同時作業であれば、各アンカーピン5からのエポキシ樹脂7の注入量および注入圧を一様化できるので、施工上では非常に好ましい。
なお、エポキシ樹脂7の充填の後には、注入器具8を雌ねじ部5eから取り外し、図9に示すように中塗材6bの表面に上塗材6cをコテによって塗布し、下塗材6a、中塗材6bおよび上塗材6cによって被覆層6が形成される。
注入孔5fに供給されたエポキシ樹脂7は、図7および図8に示すように注入孔5fの上端から吹き出してアンカー孔1bの中に送り出され、アンカー孔1bの中では重力と注入圧力とによってエポキシ樹脂7は下向きに速やかに流れ出ていく。そして、アンカー孔1bから抜けたエポキシ樹脂7は、床版1の下側に刻んだ溝1aの中に流れ込んでクラックに浸透していくほか、下塗材6aが被覆していない床版1の下面と鉄筋4a,4bとの間の隙間を充填するように流れていく。
すなわち、クラックC(図4参照。)は下塗材6aによって被覆された状態となっているが、溝1aと同様に切開された断面形状を持つので、溝1aからのエポキシ樹脂7がその注入圧によって流動すると、下塗材6aを押し広げるようにしてクラックCの中に浸透させることができる。また、鉄筋4a,4bが直にクラックCと交差している部分では、これらの鉄筋4a,4bに沿って供給されてくるエポキシ樹脂7は直接クラックCの中に入り込んでいく。したがって、クラックCの発生の仕方が不定型であっても、鉄筋4a,4bの背筋およびランダムに形成した溝1aを利用してエポキシ樹脂7をクラックCに充填することができる。
このようにアンカーピン5の注入孔5fから注入されたエポキシ樹脂7はアンカー孔1bの中だけに止まるのではなく、床版1のほぼ全体の広い領域に分布させることができる。したがって、エポキシ樹脂7を適当な量だけ注入した後に養生期間を置くと、エポキシ樹脂7の固化によってアンカーピン5のロッド部5bはアンカー孔1bの中に強固に固定され、これによって鉄筋網4を安定して床版1に保持することができる。
また、床版1の下面と鉄筋4a,4bとの間にも固化したエポキシ樹脂7がそのまま残るので、床版1の下面を強固に被覆でき、床版1内の既設配筋の腐食の防止だけでなく、新たに補強用として施工した鉄筋網4も同様にその腐食が防止される。
さらに、クラックCについてもエポキシ樹脂7が充填されることから、衝撃荷重等を受けてもその成長を抑えることができ、その補修だけでなく、補強強度も充分に高くすることができる。
以上の例では橋梁の床版の補強施工としたが、これに代えて各種のコンクリート構造体を施工対象としてもよいことは無論である。
また、本実施形態におけるコンクリート構造物の補強施工方法は、上記アンカーピン5に代えて図10に示すアンカーピン9を用いることも可能である。このアンカーピン9は、アンカーピン5の注入孔5fおよびスリット5iを省略したものである。なお、図10において、アンカーピン5と共通するアンカーピン9の各部分については同一符号を付している。
このアンカーピン9を用いた鉄筋網4による床版1に対する補強施工の要領は次の通りである。
まず、アンカーピン5の場合と同様に、鉄筋網4を床版1の下面に沿わせてその位置を仮決めし、鉄筋4a,4bの両方にアンカーピン9のロッド部5bが接触できる位置を、芯出し棒等を使って床版1の下面に墨出しする。アンカーピン9の施工位置の墨付け後には、鉄筋網4を床版1から離すかまたは保持具によって位置を仮決めしたままとして、墨付けマークを目印にしてアンカー孔1bをドリルによって穿孔する。このアンカー孔1bの内径は、ロッド部5bの外径よりも若干小さい程度とし、アンカーピン9をきっちり打設したときにその先端に後述の合成樹脂を注入するための間隙1cが形成される程度の穿ち長さとする。
アンカー孔1bの穿孔作業を全て終えると、鉄筋網4の位置を再び正確に位置合わせして鉄筋4a,4bが交差する部分とアンカー孔1bの間の位置関係を調整して、再度床版1の底面に沿わせて仮固定する。そして、アンカー孔1bの底部の間隙1cへ合成樹脂を注入し、アンカーピン9のロッド部5bの先端部をアンカー孔1bの入口にあてがい、回転工具を六角穴5dに嵌めてアンカーピン9を回転させながら床版1にねじ込んでいく。このとき、アンカーピン9の錐ねじ山5gはアンカー孔1bの内面に切り込みながら進行し、案内ねじ山5hはアンカー孔1bの内面に当接することによって、アンカーピン9の姿勢を、その軸線がアンカー孔1bの軸線と一致するように保持する。
このようにアンカーピン9を回転させながら床版1にねじ込んでいくと、テーパ部5cが鉄筋4a,4bの周面に当たるようになり、アンカーピン9はこれらの鉄筋4a,4bによって保持される。すなわち、アンカーピン9をアンカー孔1bの中に打ち込んでいくにつれて、テーパ部5cが鉄筋4a,4bに対して楔のように係合していき、テーパ部5cはこれらの鉄筋4a,4bによってその周面の2点が拘束される。その結果、アンカー孔1bの中にねじ込まれたロッド部5bは、鉄筋4a,4bとの接触点から受ける反作用方向すなわち図2において示した矢印方向と逆向きの作用力を受け、この作用力が働く方向にアンカー孔1bの内面に押圧される。
したがって、図10に示すように、ヘッド部5aが鉄筋4aに突き当たって打ち込み完了となったときには、テーパ部5cが鉄筋4a,4bによって2点が拘束され、ロッド部5bはアンカー孔1bの中で図2の矢印方向と逆向きの作用力により押圧され、その周面がアンカー孔1bの内周面にほぼ線接触する。これにより、アンカーピン9はテーパ部5cで2点およびロッド部5bで1点が拘束されてその周面が3点で拘束されることになり、アンカーピン9はこれらの3点による拘束によって図10の状態に保持される。
このように、アンカーピン9はアンカーピン5と同様に、従来のコンクリート用打設ピンのようにロッド部の先端が拡張変形してこれによって係合力を作用させるのではなく、鉄筋4a,4bによるテーパ部5cへの拘束力を利用することで仮固定することができる。したがって、アンカーピン9を施工するときに既設の床版1に対して無用な内部応力を発生させることはなく、アンカーピン9の施工ピッチも短くなる。
なお、アンカーピン9では、複数箇所にねじ込む際に、アンカー孔1bの底部の間隙1cに注入された合成樹脂によりアンカーピン9が保持されるので、先にねじ込んだアンカーピン9が後から他のアンカーピン9をねじ込む際の振動により緩んでしまうことが防止される。また、コンクリート構造物の施工面に予測不可能な脆弱性が生じている場合であっても、このアンカー孔1bの底部の間隙1cに注入しておいた合成樹脂が固化することにより、アンカーピン9がコンクリート構造物に固定されるので、より確実な固定が可能である。
以上の要領でアンカーピン9をアンカー孔1bにねじ込んだ後、吹き付け装置によって下塗材6aを吹き付ける。下塗材6aの吹き付けが完了すると、前述と同様に中塗材6bおよび上塗材6cを塗布し、下塗材6a、中塗材6bおよび上塗材6cによって被覆層6が形成される。
本発明のコンクリート構造物の補強用治具とこれを用いた補強構造および補強施工方法は、例えば橋梁等のコンクリート構造物の補強、特に亀裂を生じた橋梁床版や壁体の補修の他、既設構造物に対して新たに鉄筋を追加施工して補強するためのものとして有用である。
本発明の実施の形態におけるコンクリート構造物の補強施工方法によって橋梁の床版を補強した例を示す概略図である。 図1のA−A線矢視図であって鉄筋網および補強用治具の配置を示す底面図である。 図2のアンカーピンの詳細であって、(a)は平面図、(b)は一部切欠正面図、(c)は底面図である。 鉄筋網の鉄筋に対するアンカーピンの配置の概略を示す底面図である。 アンカーピンをアンカー孔にねじ込んで鉄筋を固定した後に塗布材を塗布したときの要部の断面図である。 床版の底面に刻む溝の施工例であって、(a)は床版を斜め下方から見たときの概略図、(b)は溝の形状を示す断面図である。 アンカー孔にねじ込んだアンカーピンの注入孔からエポキシ樹脂を注入したときの樹脂の流れを示す要部の断面図である。 図7のB−B線矢視による縦断面図である。 エポキシ樹脂の注入によって床版の溝に樹脂が充填されたときの要部の断面図である。 別のアンカーピンをアンカー孔にねじ込んで鉄筋を固定した状態を示す要部断面図である。
符号の説明
1 床版
1a 溝
1b アンカー孔
1c 間隙
2 地覆
3 橋梁
4 鉄筋網
4a,4b 鉄筋
5,9 アンカーピン
5a ヘッド部
5b ロッド部
5c テーパ部
5d 六角穴
5e 雌ねじ部
5f 注入孔
5g,5h ねじ山
5i スリット
6 被覆層
6a 下塗材
6b 中塗材
6c 上塗材
7 エポキシ樹脂
8 注入器具

Claims (8)

  1. 既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を固定する補強用治具であって、
    鉄筋網の交差する2本の鉄筋を固定方向に拘束するヘッド部と、
    このヘッド部からその軸線方向に突き出されてコンクリート構造物に開けた下穴にねじ込まれるロッド部と、
    このロッド部とヘッド部との間の周面に形成され、かつ差し込み方向が先細りするテーパ部とからなり、
    前記ロッド部が、前記下穴の内面に切り込む錐として作用する第1のねじ山と、この第1のねじ山よりも高さが低く形成され、ねじ込みの際の案内として作用する第2のねじ山との2条のねじ山が形成されたものである
    ことを特徴とするコンクリート構造物用の補強用治具。
  2. 前記ヘッド部は、回転工具を嵌めて回転させるための多角形断面穴が形成されたものである請求項1記載のコンクリート構造物用の補強用治具。
  3. 前記ロッド部は、合成樹脂を注入するために前記多角形断面穴と連通された貫通孔が形成されたものであり、
    前記ヘッド部は、前記合成樹脂を注入するための注入器具を接続するための注入器具接続部が前記多角形断面穴の奥に形成されたものである
    請求項2記載のコンクリート構造物用の補強用治具。
  4. 既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置して固定したコンクリート構造物の補強構造であって、
    2本の交差する鉄筋の両方に請求項1から3のいずれかの補強用治具のテーパ部周面が突き当たる位置に対応させて穿設された複数の下穴に、それぞれ前記補強用治具のロッド部がねじ込まれるとともに、2本の交差する鉄筋から前記補強用治具のテーパ部が受ける拘束力と前記補強用治具のロッド部が前記下穴の内面から受ける拘束力とで前記補強用治具が前記コンクリート構造物側に連接されることによって前記鉄筋網が前記コンクリート構造物の表面に固定され、
    前記鉄筋網および補強用治具を含めて被覆層によって被覆された
    コンクリート構造物の補強構造。
  5. 既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を固定する補強用治具であって、鉄筋網の交差する2本の鉄筋を固定方向に拘束するヘッド部と、このヘッド部からその軸線方向に突き出されてコンクリート構造物に開けた下穴にねじ込まれるロッド部と、このロッド部とヘッド部との間の周面に形成され、かつ差し込み方向が先細りするテーパ部とからなり、前記ロッド部が、前記下穴の内面に切り込む錐として作用する第1のねじ山と、この第1のねじ山よりも高さが低く形成され、ねじ込みの際の案内として作用する第2のねじ山との2条のねじ山が形成されたものであることを特徴とする補強用治具を用いたコンクリート構造物の補強施工方法であって、
    既設のコンクリート構造物の表面に複数の鉄筋をほぼ格子状に交差させた鉄筋網を配置し、2本の交差する鉄筋の両方に前記補強用治具のテーパ部周面が突き当たる位置に対応させて複数の下穴を穿設し、
    複数の前記補強用治具のロッド部をそれぞれの下穴にねじ込むとともに、2本の交差する鉄筋から前記補強用治具のテーパ部が受ける拘束力と前記補強用治具のロッド部が前記下穴の内面から受ける拘束力とで前記補強用治具を前記コンクリート構造物側に連接することによって前記鉄筋網を前記コンクリート構造物の表面に固定し、
    前記鉄筋網および補強用治具を含めて被覆層によって被覆する
    コンクリート構造物の補強施工方法。
  6. 前記補強用治具のヘッド部が、回転工具を嵌めて回転させるための多角形断面穴が形成されたものであり、
    前記補強用治具のロッド部を前記下穴にねじ込む際に、前記補強用治具のヘッド部の多角形断面穴に回転工具を嵌めて回転させる
    ことを特徴とする請求項5記載のコンクリート構造物の補強施工方法。
  7. 前記補強用治具のロッド部が、合成樹脂を注入するために前記多角形断面穴と連通された貫通孔が形成されたものであり、
    前記補強用治具のヘッド部が、前記合成樹脂を注入するための注入器具を接続するための注入器具接続部が前記多角形断面穴の奥に形成されたものであり、
    前記補強用治具のロッド部を前記下穴にねじ込んだ後、前記注入器具接続部に注入器具を接続して合成樹脂を注入する
    ことを特徴とする請求項6記載のコンクリート構造物の補強施工方法。
  8. 前記補強用治具のロッド部を前記下穴にねじ込む前に、前記下穴の底部に合成樹脂を注入することを特徴とする請求項5または6に記載のコンクリート構造物の補強施工方法。
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