JPH08222565A - 電子回路基板の金属膜形成方法及びその装置並びにその配線修正方法 - Google Patents

電子回路基板の金属膜形成方法及びその装置並びにその配線修正方法

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JPH08222565A
JPH08222565A JP2687295A JP2687295A JPH08222565A JP H08222565 A JPH08222565 A JP H08222565A JP 2687295 A JP2687295 A JP 2687295A JP 2687295 A JP2687295 A JP 2687295A JP H08222565 A JPH08222565 A JP H08222565A
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幹雄 本郷
Katsuro Mizukoshi
克郎 水越
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子回路基板上に形成された配線の断線欠陥
を、簡便な修正ヘッドにより高精度かつ安全に修正す
る。 【構成】内部にノズルと対物レンズを備え、被修正基板
と対向する面に溝を有し、レーザ光を透過するための窓
を有するカップ状の修正ヘッド内に、ノズルを介してキ
ャリガスとCVD材料ガスの混合ガスを供給しつつ、上
記溝に大気の混入とCVD材料ガスの漏洩を防止するた
めの流体を流した状態で、レーザ光を照射してCVD材
料ガスを分解し、断線部分に金属膜を形成して修正す
る。 【効果】構造が簡便であり複雑な制御を必要とせず、高
精度でかつ安全に電子回路基板の排せんの断線欠陥を修
正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子、半導体
集積回路等の大形の電子回路基板を収納できる大きな真
空チャンバを用いないで上記大形の電子回路基板へCV
D(ChemicalVapor Deposition)法(化学気相成長法)
により金属膜を形成する電子回路基板の金属膜形成方法
及びその装置、特に上記大型の電子回路基板上において
配線の一部が欠落した断線欠陥等について修正する電子
回路基板の配線修正方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記大形の電子回路基板を収納できる大
きな真空チャンバを用いないで大形の電子回路基板へC
VD(Chemical Vapor Deposition )法(化学気相成長
法)により金属膜を形成する第1の従来技術としては、
特開平3−8428号公報に記載されているように、真
空チャンバを使わずに特殊な機構で部分的に真空雰囲気
を作ってレーザCVDにより加工物表面に反応生成物
(金属成分)を堆積させることが知られている。即ち、
この第1の従来技術には、加工物表面に複数本の同心円
を描く溝とエネルギビームを通す中心孔が形成された真
空本体を対向させて近接させ、差圧真空排気により反応
生成物を堆積する部分の周辺のみに差圧真空排気室を形
成し、そこに光分解反応又は熱分解反応するガス混合物
を所定の溝に供給して、エネルギビーム放射路の中で反
応さることにより、所定の反応生成物を堆積させるもの
である。
【0003】また第2の従来技術としては、特開平6−
207276号公報に記載されているように、材料ガス
をキャリアガスとともに供給して大気中でレーザCVD
により成膜対象物に金属膜を形成することが知られてい
る。即ち、この第2の従来技術においては、上端開口に
ウインドで覆われた通孔が形成されたノズル体にソース
ガスを供給し、レーザ光を照射して局所的な熱分解によ
り金属膜を形成する際、ノズル体を加熱したフードで覆
ってソースガスが付着するのを防ぐことで成膜対象物に
塵埃が付着するのを防ぐものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1及び第2の従来技術には、液晶表示素子、半導体集積
回路等の大形の電子回路基板の表面上に部分的に、容易
にシール可能なほぼ大気圧と同じ圧力でキャリアガスと
CVD材料ガスと混合ガスの雰囲気を形成して、微細な
レーザ光束を投影することによって、部分的な表面上に
微細な金属薄膜をCVD反応によって析出させようとす
る課題について考慮されていなかった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、液晶表示素子、半導体集積回路等の大形の電
子回路基板の表面上に部分的に、容易にシール可能なほ
ぼ大気圧と同じ圧力でキャリアガスとCVD材料ガスと
混合ガスの雰囲気を形成して、部分的な表面上に微細な
金属薄膜をCVD反応によって析出させることができる
ようにした電子回路基板の金属膜形成方法及びその装置
を提供することにある。本発明の他の目的は、液晶表示
素子、半導体集積回路等の大形の電子回路基板の表面上
に部分的に、容易にシール可能なほぼ大気圧と同じ圧力
でキャリアガスとCVD材料ガスと混合ガスの雰囲気を
形成して、前記電子回路基板の表面上を高解像度で観察
し、部分的な表面上に微細な金属薄膜をCVD反応によ
って析出させることができるようにした電子回路基板の
金属膜形成方法及びその装置を提供することにある。本
発明の他の目的は、液晶表示素子、半導体集積回路等の
大形の電子回路基板の表面上に部分的に、容易にシール
可能なほぼ大気圧と同じ圧力でキャリアガスとCVD材
料ガスと混合ガスの雰囲気を形成して、修正部分を高解
像度で観察し、この観察された修正部分に微細な金属薄
膜をCVD反応によって析出させて配線間を接続修正す
ることができるようにした電子回路基板の配線修正方法
及びその装置を提供することにある。本発明の他の目的
は、液晶表示素子、半導体集積回路等の大形の電子回路
基板の表面上に部分的に、容易にシール可能なほぼ大気
圧と同じ圧力でキャリアガスとCVD材料ガスと混合ガ
スの雰囲気を形成して、断線欠陥部分に微細な金属薄膜
をCVD反応によって析出させて配線間を接続修正する
ことと短絡欠陥または余剰欠陥を除去することとができ
るようにした電子回路基板の配線修正方法及びその装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、混合ガス室(ヘッド容器)の開放端とス
テージ上に載置された電子回路基板の表面との間に形成
される微小間隙に存在する流体によって前記混合ガス室
の内部を前記混合ガス室の外部とシールさせた状態で、
前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材料ガス
を混合させた混合ガスを供給し、レーザ光を前記混合ガ
ス室の透過部分を通して前記混合ガス室の開放端に存在
する電子回路基板の表面の所望の箇所に集光して照射し
て前記供給された混合ガスに含まれるCVD材料ガスの
CVD反応により金属膜を析出させることを特徴とする
電子回路基板の金属膜形成方法である。
【0007】また本発明は、混合ガス室(ヘッド容器)
の開放端とステージ上に載置された電子回路基板の表面
との間に形成される微小間隙に存在する流体によって前
記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさ
せた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにC
VD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、前記微小
間隙を通して前記混合ガス室の外部の雰囲気に漏れた混
合ガスを排気し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分
を通して前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路基
板の表面の所望の箇所に集光して照射して前記供給され
た混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応によ
り金属膜を析出させることを特徴とする電子回路基板の
金属膜形成方法である。
【0008】また本発明は、混合ガス室(ヘッド容器)
の開放端とステージ上に載置された電子回路基板の表面
との間に形成される微小間隙に存在する流体によって前
記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさ
せた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにC
VD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、CVD用
レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を通して前記混合
ガス室の開放端に存在する電子回路基板の表面の所望の
箇所に集光して照射して前記供給された混合ガスに含ま
れるCVD材料ガスのCVD反応により金属膜を析出さ
せる金属膜成膜工程と、前記混合ガス室に設置された透
過窓を通して除去用のパルスレーザ光を前記混合ガス室
の開放端に存在する電子回路基板の表面の余剰の金属膜
に対して集光して照射して余剰の金属膜を除去する金属
膜除去工程とを有することを特徴とする電子回路基板の
金属膜形成方法である。また本発明は、前記電子回路基
板の金属膜形成方法において、前記混合ガス室内に前記
混合ガスを供給する際、前記金属膜を析出する部分へノ
ズルによって局所的に前記混合ガスを供給することを特
徴とする。また本発明は、前記電子回路基板の金属膜形
成方法において、前記混合ガス室のガス圧力を、大気圧
より約80Torr(約10664Pa)以下(約76
0〜680Torr)に減圧されていることを特徴とす
る。また本発明は、前記電子回路基板の金属膜形成方法
において、CVD反応により金属膜を析出させる際、電
子回路基板上に集光照射されるレーザ光のスポット径を
4μmφ以下(ガウス分布)又はレーザ光の矩形開口投
影10μm×10μm以下で、パワー密度を1×105
〜2×106W/cm2とすることを特徴とする。
【0009】また本発明は、混合ガス室(ヘッド容器)
の開放端とステージ上に載置された電子回路基板の表面
との間に形成される微小間隙に存在する流体によって前
記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさ
せた状態で、前記混合ガス室内にキャリアガスにCVD
材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、レーザ光を前
記混合ガス室の透過部分を通して前記混合ガス室の開放
端に存在する電子回路基板の表面上の配線の断線箇所に
集光して照射して前記供給された混合ガスに含まれるC
VD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出させて
配線間を接続することを特徴とする電子回路基板の配線
修正方法である。また本発明は、混合ガス室(ヘッド容
器)の開放端とステージ上に載置された電子回路基板の
表面との間に形成される微小間隙にキャリアガスからな
るシールガスを供給して流すことによって前記混合ガス
室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさせた状態
で、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材料
ガスを混合させた混合ガスを供給し、前記微小間隙を通
して前記混合ガス室の外部の雰囲気に漏れた混合ガスを
排気し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を通して
前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路基板の表面
上の配線の断線箇所に集光して照射して前記供給された
混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応により
金属薄膜を析出させて配線間を接続することを特徴とす
る電子回路基板の配線修正方法である。
【0010】また本発明は、混合ガス室(ヘッド容器)
の開放端とステージ上に載置された電子回路基板の表面
との間に形成される微小間隙に存在する流体によって前
記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさ
せた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにC
VD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、レーザ光
を前記混合ガス室の透過部分を通して前記混合ガス室の
開放端に存在する電子回路基板の表面上の配線の断線箇
所に集光して照射して前記供給された混合ガスに含まれ
るCVD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出さ
せて配線間を接続する接続工程と、前記混合ガス室の透
過部分を通して除去用のパルスレーザ光を前記混合ガス
室の開放端に存在する電子回路基板の表面上の配線の断
線箇所又は配線の短絡箇所に対して集光して照射して余
剰の金属膜を除去する除去工程とを有することを特徴と
する電子回路基板の配線修正方法である。
【0011】また本発明は、混合ガス室(ヘッド容器)
の開放端とステージ上に載置された電子回路基板の表面
との間に形成される微小間隙に存在する流体によって前
記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさ
せた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにC
VD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、レーザ光
を前記混合ガス室に設置された対物レンズを通して前記
混合ガス室の開放端に存在する電子回路基板の表面上の
配線の断線箇所に集光して照射して前記供給された混合
ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応により金属
薄膜を析出させて配線間を接続することを特徴とする電
子回路基板の配線修正方法である。また本発明は、混合
ガス室の開放端とステージ上に載置された電子回路基板
の表面との間に形成される微小間隙にキャリアガスから
なるシールガスを供給して流すことによって前記混合ガ
ス室の内部を前記混合ガス室の外部とシールさせた状態
で、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材料
ガスを混合させた混合ガスを供給し、前記微小間隙を通
して前記混合ガス室の外部の雰囲気に漏れた混合ガスを
排気し、レーザ光を前記混合ガス室に設置された対物レ
ンズを通して前記混合ガス室の開放端に存在する電子回
路基板の表面上の配線の断線箇所に集光して照射して前
記供給された混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCV
D反応により金属薄膜を析出させて配線間を接続するこ
とを特徴とする電子回路基板の配線修正方法である。
【0012】また本発明は、前記電子回路基板の配線修
正方法において、前記混合ガス室内に前記混合ガスを供
給する際、前記金属膜を析出する部分へノズルによって
局所的に前記混合ガスを供給することを特徴とする。ま
た本発明は、前記電子回路基板の配線修正方法におい
て、前記混合ガス室のガス圧力を、大気圧より約80T
orr(約10664Pa)以下(約760〜680T
orr)に減圧されていることを特徴とする。また本発
明は、前記電子回路基板の配線修正方法において、CV
D反応により金属膜を析出させる際、電子回路基板上に
集光照射されるレーザ光のスポット径を4μmφ以下
(ガウス分布)又はレーザ光の矩形開口投影10μm×
10μm以下で、パワー密度を1×105〜2×106
/cm2とすることを特徴とする。また本発明は、混合
ガス室の開放端とステージ上に載置されたTFT基板の
表面との間に形成される微小間隙に存在する流体によっ
て前記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシー
ルさせた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリアガス
にCVD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、レー
ザ光を前記混合ガス室の透過部分を通して前記混合ガス
室の開放端に存在するTFT基板の表面上の少なくとも
ドレイン配線の断線箇所に集光して照射して前記供給さ
れた混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応に
より金属薄膜を析出させて隣接した画素電極と離間させ
てドレイン配線間を接続することを特徴とするTFT基
板の配線修正方法である。
【0013】また本発明は、前記TFT基板の配線修正
方法において、前記CVD材料ガスは、金属カルボニル
材料ガスであることを特徴とする。また本発明は、混合
ガス室の開放端とステージ上に載置されたTFT基板の
表面との間に形成される微小間隙に存在する流体によっ
て前記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部とシー
ルさせた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリアガス
にMo(CO)6材料ガスを混合させた混合ガスを供給
し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を通して前記
混合ガス室の開放端に存在するTFT基板の表面上の少
なくともドレイン配線の断線箇所に集光して照射して前
記供給された混合ガスに含まれるMo(CO)6材料ガ
スのCVD反応によりMo薄膜を析出させて隣接した画
素電極と離間させてドレイン配線間を接続することを特
徴とするTFT基板の配線修正方法である。
【0014】また本発明は、電子回路基板を載置して、
基台上に少なくともX,Y軸方向に移動可能に設置され
たステージと、前記ステージ上に載置された電子回路基
板の表面との間において形成される微小間隙に流体を存
在させることによって内部を外部に対してシールさせる
開放端を有し、対物レンズを出射端が直接内部に露出す
るようにほぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス
室に接続され、前記混合ガス室の内部にキャリアガスに
CVD材料ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガ
ス供給手段と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガ
ス室の内部の気体を排気する第1の排気手段と、前記微
小間隙を通して前記混合ガス室の外部に漏れた混合ガス
を排気する第2の排気手段と、前記ステージ上に載置さ
れた電子回路基板の表面からの光を前記対物レンズを通
して得て電子回路基板の表面を観察する観察光学系と、
レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源から出
射されたレーザ光を前記対物レンズを通して前記ステー
ジ上に載置された電子回路基板の表面に集光照射して、
前記混合ガス室の内部に供給された混合ガスに含まれる
CVD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出させ
るレーザ光照射光学系とを備えたことを特徴とする電子
回路基板の金属膜形成装置である。
【0015】また本発明は、電子回路基板を載置して、
基台上に少なくともX,Y軸方向に移動可能に設置され
たステージと、前記ステージ上に載置された電子回路基
板の表面との間において形成される微小間隙にキャリア
ガスを流すことによって内部を外部に対してシールさせ
る開放端を有し、対物レンズを出射端が直接内部に露出
するようにほぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガ
ス室に接続され、前記混合ガス室の内部にキャリアガス
にCVD材料ガスを混合させた混合ガスを供給する混合
ガス供給手段と、前記混合ガス室に接続され、前記混合
ガス室の内部の気体を排気する第1の排気手段と、前記
微小間隙を通して前記混合ガス室の外部に漏れた混合ガ
スを排気する第2の排気手段と、前記ステージ上に載置
された電子回路基板の表面からの光を前記対物レンズを
通して得て電子回路基板の表面を観察する観察光学系
と、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源か
ら出射されたレーザ光を前記対物レンズを通して前記ス
テージ上に載置された電子回路基板の表面に集光照射し
て、前記混合ガス室の内部に供給された混合ガスに含ま
れるCVD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出
させるレーザ光照射光学系とを備えたことを特徴とする
電子回路基板の金属膜形成装置である。
【0016】また本発明は、電子回路基板を載置して、
基台上に少なくともX,Y軸方向に移動可能に設置され
たステージと、前記ステージ上に載置された電子回路基
板の表面との間において形成される微小間隙に流体を存
在させることによって内部を外部に対してシールさせる
開放端を有し、対物レンズを出射端が直接内部に露出す
るようにほぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス
室に接続され、前記混合ガス室の内部にキャリアガスに
CVD材料ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガ
ス供給手段と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガ
ス室の内部の気体を排気する第1の排気手段と、前記微
小間隙を通して前記混合ガス室の外部に漏れた混合ガス
を排気する第2の排気手段と、前記ステージ上に載置さ
れた電子回路基板の表面からの光を前記対物レンズを通
して得て電子回路基板の表面を観察する観察光学系と、
CVD用レーザ光を出射するCVD用レーザ光源と、除
去加工用パルスレーザ光を出射する除去加工用レーザ光
源と、該CVD用レーザ光源から出射されたCVD用レ
ーザ光を前記対物レンズを通して前記ステージ上に載置
された電子回路基板の表面に集光照射して前記混合ガス
室の内部に供給された混合ガスに含まれるCVD材料ガ
スのCVD反応により金属薄膜を析出させ、前記除去加
工用レーザ光源から出射された除去加工用パルスレーザ
光を前記対物レンズを通して前記ステージ上に載置され
た電子回路基板の表面に集光照射して金属薄膜に対して
除去加工を施すレーザ光照射光学系とを備えたことを特
徴とする電子回路基板の金属膜形成装置である。
【0017】また本発明は、電子回路基板を載置して、
基台上に少なくともX,Y軸方向に移動可能に設置され
たステージと、前記ステージ上に載置された電子回路基
板の表面との間において形成される微小間隙に流体を存
在させることによって内部を外部に対してシールさせる
開放端を有し、透過部分を出射端が直接内部に露出する
ようにほぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス室
に接続され、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにC
VD材料ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガス
供給手段と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガス
室の内部の気体を排気する第1の排気手段と、前記微小
間隙を通して前記混合ガス室の外部に漏れた混合ガスを
排気する第2の排気手段と、前記ステージ上に載置され
た電子回路基板の表面からの光を前記混合ガス室に設置
された透過部分を通して得て電子回路基板の表面を観察
する観察光学系と、CVD用レーザ光を出射するCVD
用レーザ光源と、除去加工用パルスレーザ光を出射する
除去加工用レーザ光源と、該CVD用レーザ光源から出
射されたCVD用レーザ光を前記透過部分を通して前記
ステージ上に載置された電子回路基板の表面に集光照射
して前記混合ガス室の内部に供給された混合ガスに含ま
れるCVD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出
させ、前記除去加工用レーザ光源から出射された除去加
工用パルスレーザ光を前記透過部分を通して前記ステー
ジ上に載置された電子回路基板の表面に集光照射して金
属薄膜に対して除去加工を施すレーザ光照射光学系とを
備えたことを特徴とする電子回路基板の金属膜形成装置
である。
【0018】また本発明は、前記電子回路基板の金属膜
形成装置において、前記混合ガス室のガス圧力を、大気
圧より約80Torr(約10664Pa)以下(約7
60〜680Torr)に減圧するように制御すること
を特徴とする。また本発明は、前記電子回路基板の金属
膜形成装置において、前記対物レンズのNA(Numerica
l Aperture)を0.35以上で、且つ倍率が35倍以上
であることを特徴とする。また本発明は、前記電子回路
基板の金属膜形成装置において、CVD反応により金属
膜を析出させる際、電子回路基板上に集光照射されるレ
ーザ光のスポット径を4μmφ以下(ガウス分布)又は
レーザ光の矩形開口投影10μm×10μm以下で、パ
ワー密度を1×105〜2×106W/cm2とすること
を特徴とする。また本発明は、前記電子回路基板の金属
膜形成装置において、前記第2の排気手段は、前記電子
回路基板を搬出入する開閉部を有し、少なくとも前記ス
テージおよび混合ガス室を覆うカバーと、該カバーに接
続され、カバー内に漏れた混合ガスを排気する排気手段
とを備えて構成することを特徴とする。また本発明は、
前記電子回路基板の金属膜形成装置において、前記第2
の排気手段は、前記電子回路基板を搬出入する開閉部を
有し、少なくとも前記ステージおよび混合ガス室を覆う
装置カバーと、該装置カバー内にCVD材料ガスの漏洩
を検出する漏洩検出手段と、該漏洩検出手段で漏洩が検
出されたとき前記混合ガスの供給を遮断すると共に前記
装置カバー内を通常時より高い能力で排気する排気手段
とを備えて構成することを特徴とする。また本発明は、
前記電子回路基板の金属膜形成装置において、自動焦点
合わせ手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】液晶表示素子、半導体集積回路等の電子回路基
板上に形成された配線は性能や集積度の向上に伴って、
微細化が進んでいる。このために、レジスト塗布−露光
−エッチング−レジスト剥離といった一連の配線形成プ
ロセスの中で、異物等に起因して配線の欠陥、特に断線
欠陥が急増し、このことが製品の歩留まり低下、コスト
上昇をもたらす大きな要因となっている。そこで、大形
の電子回路基板の表面上の断線欠陥箇所の局部(部分的
に)を混合ガス室で覆い、該混合ガス室の圧力を大気圧
よりやや低め(約80Torr(約10664Pa)以
下)の雰囲気にしても、Mo(CO)6等のCVD材料
ガスをN2等のキャリアガスによって混合ガス室内に供
給でき、しかもエネルギー密度1×105〜2×106
/cm2のレーザ光をスポット径が10μm以下に集光
照射すれば、膜厚が0.1〜0.4μm程度のMo等の
金属薄膜(金属配線)を形成できることが実験により確
認され、これにより混合ガス室の開放端と電子回路基板
の表面との間に形成される微小間隙におけるシールの制
御を簡素化したことにある。
【0020】即ち、前記構成により、混合ガス室の圧力
が大気圧よりやや低め(約80Torr(約10664
Pa)以下)の雰囲気になるように、混合ガス室内にM
o(CO)6等のCVD材料ガスをN2等のキャリアガス
によって供給することによって、混合ガス室の開放端に
おける圧力差を殆どなくしてシールの制御を簡素化して
大気の混入とCVD材料ガスの漏洩とを防止して、大形
の電子回路基板の表面上において、前記混合ガス室で覆
われた断線欠陥箇所の局部に、膜厚が0.1〜0.4μ
m程度のMo等の金属薄膜(金属配線)を形成して断線
箇所等を修正することができる。特に大気の混入が防止
されるので、析出されたMo等の金属薄膜(金属配線)
も酸化されることもなく、即ち、膜質が劣化されること
なく、Mo等の金属薄膜(金属配線)の特性で断線箇所
等を修正することができる。
【0021】また、混合ガス室内に対物レンズを設置す
ることによって、対物レンズの出射端と電子回路基板の
表面との間に混合ガスのみが存在し、しかもNA(Nume
rical Aperture)を0.35以上で、且つ倍率が30倍
以上である対物レンズを使用することを可能にして、
0.3μm以下の解像度を得ることができ、亀裂等につ
いても観察して位置決めすることを可能にして、高精度
の断線等の欠陥を修正することができる。
【0022】
【実施例】本発明に係わる電子回路基板の金属薄膜形成
方法及びその装置並びにその配線修正方法について図面
を参照して具体的に説明する。図1は、本発明に係わる
電子回路基板の金属薄膜形成装置の一実施例を示す概略
構成図である。架台1上には、TFT基板等で形成され
た電子回路基板2を載置するためのステージ3と、レー
ザ光の集光と位置決め・観察に用いる対物レンズ52を
含むヘッド容器(混合ガス室)4と、レーザ発振器6
と、レーザ光7の強度を調整するための出力調整機構8
と、光学系筐体9と、焦点位置検出器10と、観察のた
めのTVカメラ11と、モニタ12とが設置されおり、
光学系筐体9内には、レーザ光7を反射するためのミラ
ー26、27、28及び照明装置29とハーフミラー3
0並びにレーザ出力検出器31が設置されている。ステ
ージ3は、X軸、Y軸、Z軸、θ軸(回転軸)の4軸を
有し、電子回路基板2を載置して基板自体の回転も含め
たアライメント動作、検査データに基づいた断線位置の
再現動作、修正時のレーザ光走査、および観察やレーザ
光照射時のピント合わせ等の動作を行う。ヘッド容器
(混合ガス室)4は、一端を開放して電子回路基板2上
の被修正部周辺を覆い、該電子回路基板2上の被修正部
周辺をCVD材料ガスの雰囲気に保つと同時に、CVD
材料ガスが他の部分へ拡散しないように隔壁の役目を果
たす。出力調整機構8は、レーザ発振器6から発振(出
射)されたレーザ光の出力を任意に変化させる為のもの
で、レーザ光7が直線偏光であればグレンレーザプリズ
ムの回転による透過率の変化を、またレーザ光出力が大
きくなければガラス基板上に連続的に膜厚を変化させて
金属膜を蒸着させたNDフィルタ等が採用される。レー
ザ発振器6の電源電流を直接制御しても良い。
【0023】光学系筐体9は、レーザ光7を電子回路基
板2上の被修正部に導くためのミラー等を固定するとと
もに、レーザ光7が外部に漏れないように遮蔽する機能
も有する。焦点位置検出器10は、観察時、あるいは修
正時に常にピントがあった状態に保ち、更にヘッド容器
(混合ガス室)4と電子回路基板2上の被修正部表面と
の間隙が一定になる様制御するための検出器である。こ
こで、焦点検出器10は、対物レンズ52による電子回
路基板2の表面の像をCCD素子などで受けて、得られ
た画像信号のコントラストが最も強い位置を焦点と判定
するまでステージ3をZ軸方向に微動駆動する信号を出
す。あるいは、別な照明装置(図示せず)のあとに縞状
のパターンを有するマスクを設置し、赤外光のみを選択
してそのパターンを対物レンズ52により電子回路基板
2上に投影し、その赤外光パターンをCCD素子で受光
して、縞状パターンのコントラストが最も強い位置を焦
点と判定し、その位置までステージ3をZ軸方向に微動
駆動する。ヘッド容器4には、配管15により排気ポン
プ16が接続され、配管17によりバルブ17aを介し
てCVD材料ガスを格納したボンベ18及びバルブ17
bを介して不活性ガス(キャリヤガス)を格納した不活
性ガスボンベ21が接続され、配管20によりバルブ2
0aを介して不活性ガス(キャリヤガス)を格納した不
活性ガスボンベ21が接続されている。また、CVDガ
スボンベ18には、配管22によりバルブ22aを介し
て不活性ガス(キャリヤガス)を格納した不活性ガスボ
ンベ21が接続されている。
【0024】更に全体が装置カバー25(破線で表示)
で覆われている。この装置カバー25は、必ずしもレー
ザ発振器6及び光学系筐体9、84を全て覆う必要はな
いことは明らかである。即ち、装置カバー25は、架台
1上に取り付けられて、電子回路基板2を載置した状態
でステージ3がX軸、Y軸、Z軸、θ軸方向に移動可能
に該ステージ3及びヘッド容器4の外側を覆うように形
成して、万一ヘッド容器4の開放端65と電子回路基板
2の表面との微小間隙からCVD材料ガスが漏れたとし
ても、大気に放出されないように覆うためのものであ
る。また装置カバー25には、電子回路基板2を、搬送
手段44または保管するローダとの間で、例えばロボッ
ト機構45により、ステージ3上に搬入または搬出する
ための開閉部46を有している。そして、上記ステージ
4、レーザ発振器6、バルブ等の制御を行う制御装置3
2と、排気ポンプ16から排出されたCVD材料ガスを
無害化するための除害装置33と、装置カバー25に接
続されたダクト35と、ダクト35及び排気配管36内
を強制排気するためのブロワ38と、除害した排気ガス
やダクト35で排出するガスを必要に応じて再度除害す
るための大容量除害装置39、及びCVD材料ガスの漏
洩を検出するための漏洩検知器40を備えている。ブロ
ワ38は、通常は低出力で運転し、緊急時、例えば漏洩
検知器40がCVD材料ガスの漏洩を検知したときには
高出力で運転できる機能を有する。尚、通常運転時はブ
ロワ38で強制的に排出されたガスは破線で示した配管
41経由してそのまま大気に開放し、漏洩検知器40で
CVD材料ガスの漏洩を検知した場合など、緊急時にの
み大容量除害装置39を経由するように切り換えても良
い。
【0025】ここで、図2は、光学系筐体9の先端部に
設置されたヘッド容器4の詳細を示した図である。ヘッ
ド容器(混合ガス室)4は、レーザ光透過窓51と対物
レンズ52がヘッド本体53に固定された構成となって
いる。なお、レーザ光透過窓51およびOリング54、
55は、対物レンズ52がヘッド本体53に対して気密
性が保たれて取り付けられた場合には、必要がない。特
に、対物レンズ52がネジ部等でヘッド本体53に対し
て気密性が保たれない場合に、Oリング54、55と押
え板56により気密性を保つようにレーザ光透過窓51
を備える構造が必要となる。また対物レンズ52をヘッ
ド本体53に対して室の下側から取り付ける場合を示し
ているが、気密性が保たれるならば、ヘッド本体53に
対して上側より取り付けるようにしても良い。特に重要
なことは、電子回路基板2の表面を0.3μm以下のパ
ターン(断線である配線の亀裂)を高解像度で観察する
ことができるようにするために、NA(Numerical Aper
ture)が0.35以上で、且つ倍率が35倍以上の対物
レンズを用いる必要がある。このような対物レンズを用
いた場合、作動距離は、スーパー級のレンズを使用して
も約18mm以下となり、対物レンズの出射端と電子回
路基板2の表面との間隙が狭くなる。従って、対物レン
ズ52から離して取り付けることは難しくなる。即ち、
図2において、例えば、レーザ光透過窓51で、混合ガ
スが供給される室の気密性を保ち、このレーザ光の透過
窓51の上方に対物レンズを設置することは寸法的に難
しいばかりでなく、例え寸法的に設置ができたとして
も、レーザ光透過窓51を通して得られる電子回路基板
2の表面からの光像を正確に結像させるような解像度に
影響されない特殊の対物レンズを使用する必要がある。
いずれにしても、図2に示すように、ヘッド本体53の
中央に対物レンズ52を設置することにより、倍率が約
100倍の対物レンズ52を用いることも可能となる。
【0026】また、ヘッド本体53には、キャリアガス
単独(不活性ガス単独)及びキャリアガス(不活性ガ
ス)とCVD材料ガスの混合ガスを供給するために配管
17に接続された供給口60及び該供給口60に接続さ
れて混合ガスを、室を構成する電子回路基板2の表面の
修正部(室の内部)に吹き付けるためのノズル61と、
室の内部に供給された混合ガスを排出するための配管1
5に接続された排出口62と、不活性ガス(キャリアガ
ス)等のシール用の流体を供給するために配管20に接
続された供給口63及び該供給口63に連なって不活性
ガス(キャリアガス)等のシール用の流体を保持するた
めの溝64が開放端65に形成されている。なお、混合
ガスをヘッド本体53の室の内部に供給するために、ノ
ズル61を用いることを説明したが、必ずしもノズル6
1を用いる必要はない。しかし、ノズル61を用いれ
ば、新しいCVD材料ガスが含まれた混合ガスが常に電
子回路基板2の表面の修正部に供給されることになり、
この点でノズル61を用いた方が優れている。
【0027】ヘッド本体53の室の内部に供給されたC
VD材料ガスとキャリアガスとの混合ガスは、常に排出
口62から排出することにより、ヘッド容器4の内部は
大気圧より約80Torr以下に減圧されたやや低い圧
力に保たれる。このように、ヘッド本体53の室の内部
と外部との圧力差は、約80Torr以下と非常に小さ
いので、溝64内にシールガスを常に流すという単純な
制御により、大気がヘッド本体53の室の内部に侵入し
たり、混合ガスとしてCVD材料ガスがヘッド本体53
の外部に漏れるのを容易に防ぐことができる。また対物
レンズ52によって集光されるレーザ光のスポット径d
は、d=2.44λf/D(λはレーザ光の波長で、約
0.5μm、fは対物レンズの焦点距離、Dは対物レン
ズの有効径で、3〜4mm)の関係から、対物レンズの
倍率が30倍の場合約2.7μm、対物レンズの倍率が
40倍の場合約2μm、対物レンズの倍率が100倍の
場合約0.8μmとなる。そして集光されたレーザ光の
パワー密度を約5×105〜15×105W/cm2にす
ることによって、Mo(CO)6等のCVD材料ガスと
2等のキャリアガスの混合ガスの雰囲気にある断線欠
陥部にレーザ光を照射することにより、照射部が加熱さ
れ、その部分のみでMo(CO)6等のCVD材料ガス
が分解してMo等の金属膜が析出し、断線欠陥が修正さ
れる。
【0028】なお、図1に示した装置の説明において、
光学的に焦点位置を検出する説明を行ったがこれに限定
されるわけではない。例えば、ヘッド本体53に形成さ
れている溝64にシールガスを供給し、その圧力が一定
になるように制御することで、ヘッド本体53の開放端
65と電子回路基板2の表面との微小間隙を一定に保つ
ことができ、常にその状態でピントが合うように調整さ
れていれば、対物レンズ52と開放端65との間のZ軸
方向の位置関係は固定されているので、電子回路基板2
の表面を対物レンズ52を基準に光学的に焦点位置合わ
せするのと同様に自動的に焦点を合わせた状態にするこ
とができる。次に、電子回路基板2の一実施例であるT
FT基板上に形成されたドレイン線の断線欠陥を修正す
る場合について説明する。ここで、ドレイン線はガラス
基板上に薄膜トランジスタのゲート線と交差する方向に
形成されたAl、W、Mo、Cr、Ti等の金属単層あるい
は複数層あるいは酸化インジウム、酸化錫からなる透明
導電膜で構成され、一般的にはCrとAlの2層構造の配
線である。幅は10〜20ミクロン、膜厚は0.1〜
0.5ミクロン程度である。断線欠陥は、通常はフォト
リソ工程での異物が原因で発生し、断線部分の長さは数
〜数100ミクロンの範囲である。しかし、断線欠陥に
は、配線に亀裂が生じる場合もある。
【0029】まず、断線欠陥を有するTFT基板2をス
テージ3上に載置し、欠陥検査装置(図示せず)による
検査結果情報に従い、制御装置32によりステージ3を
駆動して、ヘッド容器(混合ガス室)4の対物レンズ5
2の視野内に断線欠陥部が入る様に位置決めする。そこ
で、焦点位置検出器10で検出しながらステージ3をZ
軸方向に上昇微動させ、TFT基板2の表面を対物レン
ズ52のピント位置(焦点位置)へ約0.2〜0.4μ
mの精度で一致させる。尚、ピントがあった位置で、T
FT基板2の表面とヘッド容器4の開放端65との間の
微小間隙が一定値になるように、予め調整してある。こ
の間隙は狭い方が望ましいが、ヘッド容器4の開放端6
5がTFT基板2の表面を損傷する恐れがないように、
数10〜100μmに設定される。
【0030】次にTFT基板2の表面は対物レンズ52
に対して合焦状態にあり、しかも対物レンズ52のNA
が0.35以上(倍率が40倍の場合NAが0.4、倍
率が100倍の場合NAが0.75)であるため、照明
装置29から照射された照明光によって対物レンズ52
を通して照明されたTFT基板2の表面の光像が対物レ
ンズ52によってTVカメラ11上に高解像度で拡大結
像される。そして、TVカメラ11で高解像度で拡大結
像されたTFT基板2の表面の画像が撮像されてモニタ
12上に表示される。このモニタ12に表示された画面
を観察しながらステージ3を移動させて、図3(a)に
示すように、ドレイン線70の一部に存在する断線部の
一端(始点)71とモニタ12上のカーソル線72、7
3の交点を一致させ、このときのステージの座標を制御
装置32に入力記憶させて修正の始点とする。ここで、
カーソル線72、73の交点位置は、予めレーザ光7の
照射位置(集光スポットの中心)に合わせてある。次
に、図3(b)に示すように、ステージ3を移動させて
断線部の他端(終点)74とカーソル線72、73の交
点を位置決めし、このときのステージの座標を制御装置
32に入力記憶させて修正の終点とする。始点71と終
点74は逆でも構わない。始点71と終点74の設定が
終了したら、改めて始点に位置決めする。
【0031】次に、不活性ガスボンベ21に接続された
配管20に設けられたバルブ20aを制御装置32から
の制御により開き、N2等の不活性ガス(キャリアガ
ス)を配管20を通して供給口63へ供給し、ヘッド本
体53の開放端65に設けられた溝64から開放端65
とTFT基板2の表面との間の微小間隙から流す。その
あと、ヘッド本体53の室の内部の大気を追い出すため
に、不活性ガスボンベ21に接続されたバルブ17bを
制御装置32からの制御により開き、N2等の不活性ガ
ス(キャリアガス)のみを配管17を通してノズル61
から供給しつつ、排気ポンプ16により排気口62から
配管15を通して排気し、ヘッド本体53の室の内部の
圧力が、ヘッド本体53の外部の圧力(大気圧)と等し
いか、わずかに低くなるように(約80Torr以下に
なように)制御する。これにより、ヘッド本体53の開
放端65とTFT基板2の表面との間の微小間隙に形成
されるキャリアガスによるシール状態を維持することが
できる。
【0032】その後、制御装置32からの制御により、
バルブ22a及びバルブ17aを開いてN2等のキャリ
アガスを配管22を通して例えば、Mo(CO)6等の
結晶粒子が収納されたボンベ18に供給されることによ
ってボンベ18内で昇華したMo(CO)6等のCVD
材料ガスがキャリアガスによって強制的に運ばれて、即
ちキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合ガス
となって、ボンベ18から配管17を通して供給され、
ノズル61から欠陥部に吹き付けつつ、ヘッド本体53
の室(混合ガス室)の内部を上記混合ガスの雰囲気に置
換する。この間も、ヘッド本体53の室の内部の圧力
が、ヘッド本体53の外側の圧力(大気圧)が等しいか
よりわずかに低くなるように保つ。大気圧との差は数〜
80mmHg程度あった方が良い。これはヘッド容器4
の開放端65とTFT基板2の表面との間に形成される
微小間隙をシールしているシールガスの効果と併せて、
混合ガスに含まれるCVD材料ガスがヘッド本体53の
外側に漏れるのを完全に抑えるためである。
【0033】シールガスとキャリアガスは、別々なガス
でも良いし、同一のガスを用いても良い。ともにHe、
Ar、Xe、Kr、Neなどの不活性ガスの他、N2等(本
発明においては不活性ガスの中に含まれることとす
る。)から選んで使用することができる。更に、キャリ
アガスとしては必要に応じてH2等の還元性ガスを単体
で、あるいはこれを添加した混合ガスを使用することが
できる。ここでは、シールガスがヘッド本体53内に侵
入しても影響がないように、シールガスとキャリアガス
を同一のガスとし、N2(窒素)を選択した場合につい
て述べる。また、CVD材料ガスとして、種々の物質を
用いることができる。例えば、Al(CH3)3(トリメチ
ルアルミニウム等のアルキル金属)(この材料はあまり
優れた材料でない。)、Mo(CO)6(モリブデンヘキ
サカルボニル)、W(CO)6(タングステンヘキサカル
ボニル)等の金属カルボニル、銅ヘキサフルオロアセチ
ルアセトオネート、ジメチル金ヘキサフルオロアセチル
アセトネート等、通常のCVDあるいはレーザCVDに
使用する材料ガスを使用することができる。材料によっ
ては蒸気圧が低く、加熱が必要なものもあるが、配管や
修正ヘッド内部への結晶の付着を防止するために、室温
における飽和蒸気圧以下で使用する必要があり、その意
味からも室温での飽和蒸気圧が高い物質が望ましい。ま
た、大気中で発火せず、毒性が低く、安定性の高いもの
が望ましい。その意味からもジメチル金ヘキサフルオロ
アセチルアセトネートあるいは金属カルボニル特にMo
(CO)6(モリブデンヘキサカルボニル)が適している。
本実施例では、CVD材料ガスとしてMo(CO)6(モリ
ブデンヘキサカルボニル)を選択した場合について述べ
る。ところで、一般にCVD材料ガスの飽和蒸気圧は、
大気圧より小さい。Mo(CO)6(モリブデンヘキサカル
ボニル)の場合、その飽和蒸気圧はおよそ100mTo
rr(0.1Torr)である。この場合、ヘッド本体
53の室の内部圧力が0.1Torr以下でないとこの
Mo(CO)6のCVD材料ガスを単独で供給することが
できない。そこで、本発明の場合、供給側の圧力を上げ
て、N2等のキャリアガスによって昇華したMo(CO)6
のCVD材料ガスを強制的に運ぶようにして、Mo(C
O)6のCVD材料ガスを、大気圧或いは大気圧に近い圧
力を有するヘッド本体53の室の内部へ供給できるよう
にしたことにある。即ち、キャリアガスを使うことによ
り、CVD材料ガスを、初めて大気圧下或いは大気圧に
近い雰囲気下のヘッド本体53の室の内部へ供給するこ
とができる。
【0034】次にヘッド本体53内の雰囲気がCVD材
料ガスとキャリアガスの混合ガスに置換され、定常状態
に達してから、制御装置32からの制御によりレーザ発
振器6からレーザ光7を照射する。本実施例では、レー
ザとして連続発振Arレーザを使用するが、連続発振Y
AGレーザの基本波あるいはその高調波、あるいはパル
ス化したこれらのレーザを使用することができる。レー
ザ出力の調整は、レーザ光7の出力はミラー28を退避
させ、レーザ光を検出器31で測定しつつ、制御装置3
2により出力調整器8を調整することにより行う。ある
いはミラー28を透過するレーザ光7の出力を検出して
も良い。該調整中は、制御装置32により、ヘッド容器
4の手前に設けられたシャッタ(図示せず)を閉じて、
レーザ光7がTFT基板2に照射されないように制御す
る。
【0035】出力調整後、シャッタ(図示せず)があけ
られ、レーザ光7は、さきほど位置決めされた断線部の
始点71に照射される。ここで金属膜の析出開始を確認
してから、ステージ3を所定の速度で始点71から終点
74に移動させ、終点74でステージ3の移動が終了し
た時点でレーザ光7の照射も停止する。これらの動作に
より図4に示すように、レーザ光の照射された部分のみ
でCVD材料ガスが分解されて金属膜75(本実施例で
はMo膜)が析出し、断線欠陥が修正される。尚、レー
ザ光を照射しても金属膜が析出しない場合がある。これ
は断線部が光を透過する一方、ドレイン線自体は、Al
であるため反射率が高くかつ熱伝導が良すぎて材料ガス
が分解するまで温度が上がらないためである。この様な
場合には、まずレーザ出力を大きくして短時間だけ(例
えばパルスレーザ光を用いて出力が200mW(パワー
密度約6×106W/cm2)で、0.5〜1sec)照
射し、スポット状の析出膜を形成し、その析出膜を起点
(核)にして、通常の条件でレーザ光を照射すれば良
い。ここで採用したMo膜はAlと比較して反射率が低
くかつ熱伝導も悪いので、比較的容易にMoの金属膜を
連続的に形成することができる。
【0036】通常、CVD材料ガスとしてMo(CO)6
を単体で(キャリアガスなしで)使用した場合、Mo
(CO)6ガス圧0.1Torr、レーザ出力20mW、
走査速度15μm/sでガラス基板上に膜厚1.5μm
のMo配線を形成することができるが、同じガス圧のM
o(CO)6を大気圧のN2で希釈した場合、レーザ出力1
0〜60mW(パワー密度約3×105〜2×106W/
cm2)、走査速度2ないし5μm/sの条件にする
と、膜厚0.1〜0.4μmのMo配線が形成できるこ
とが実験により確認され、配線抵抗として400〜15
00Ω/mmが得られる。対物レンズ52として、倍率
40倍の通常の光学顕微鏡用対物レンズを使用した場
合、レーザ光の集光スポット径として2μm程度が得ら
れ、この時の析出配線幅は5〜10μmが得られる.こ
の配線は通常の断線長さ数10μmを考えると、接続抵
抗を含めても100〜200Ωで接続でき、寸法的にも
電気的にも本実施例で修正対象としているTFT基板の
ドレイン線断線の修正に十分適用することができる。
【0037】同一TFT基板上に、他にも断線欠陥があ
る場合には、上記手順を繰り返す。全ての修正が終了し
た時点で、制御装置32からの制御により、ヘッド本体
53の室の内部へ供給しているCVD材料ガスとキャリ
アガスの混合ガスをキャリアガスのみに切り換える。十
分にヘッド本体53の室の内部からCVD材料ガスを排
出したあと、ヘッド本体53の室の内部ヘのキャリアガ
スの供給とヘッド本体53の開放端65の溝64へのシ
ールガスの供給とを停止し、ステージ3を降下させてT
FT基板2をヘッド容器4に対して必要に応じて退避さ
せ、開閉部46を開いて、TFT基板2を例えばロボッ
ト機構45によりステージ3から取り出し、修正が完了
する。修正時には、CVD材料ガスとキャリアガスの混
合ガスが、常に排出口62から配管15を介して排気ポ
ンプ16で排出されるが、排出ガスは除害装置33によ
り無害化される。処理されたガスはブロワ38、配管4
1を介してそのまま大気中に放出しても良いし、必要に
応じてブロワ38で強制的に再度、大容量除害装置39
を経て大気中に放出しても良い。この時、ブロワ38は
通常の運転(低出力運転)を行っている。一方、装置カ
バー25にはダクト35が接続されていて、ブロワ38
によりカバー25内部を排気する。これによりカバー2
5内部は常に大気よりわずかに減圧状態に保たれる。
【0038】さらに、漏洩検知器40のセンサ(図示せ
ず)を修正ヘッド4の周辺、CVD材料ガスボンベ18
の周辺、ダクト35の内部、作業者の作業位置周辺等に
設置して、常時モニタする。ここで、漏洩検知器40と
してCVD材料ガス自体を検出しても良いし、加熱等に
より分解して発生する成分を検出しても良い。本実施例
で使用しているMo(CO)6の場合は、サンプリングし
たガスを250〜350℃に加熱することで分解し、発
生するCO(一酸化炭素)を検出することで、容易にM
o(CO)6を検出することができる。なお、一般的に、
COガス検出器はアルコールなど有機溶剤の干渉を受け
るので、使用に当たっては注意が必要である。 万一、
材料ガスやシールガスの圧力制御の不調、排気ポンプの
故障等によりCVD材料ガスが修正ヘッド4とTFT基
板2の間隙から漏洩したり、配管の破損等によりCVD
材料ガスが漏洩して、許容濃度より高い濃度のCVD材
料ガスを検知した場合には、CVD材料ガスボンベ18
の元バルブ(図示せず)を自動的に閉じる、ブロワ38
の能力を高出力運転に切り換えて排気ガスを大容量除害
装置39を経由するように経路を切り換えることにより
急速にカバー25内の雰囲気を排出して漏洩したCVD
材料ガスのカバー25外への拡散を防ぐ、警報等で作業
者に知らせる、等の対策を行うことにより作業者の安全
を確保する。これまでの説明で、大気の混入および材料
ガスの漏洩を防ぐためにシールガスを使用した場合につ
いて述べてきたが、修正後に洗浄工程を実施することが
できるならば、シールガスの代わりに液体を用いること
が可能である。液体としては各種オイルの他に磁性流
体、純水等が使用でき、修正ヘッド内外の圧力の制御は
厳密さを要求されない。但し、液体を使用した場合、シ
ールガスの印加圧力を一定にすることで実現した自動焦
点機構は使えない。
【0039】次に、本発明に係わる電子回路基板の金属
膜形成方法及びその装置に関する他の実施例について具
体的に説明する。図5は、本発明に係わる電子回路基板
の金属膜形成装置の他の実施例を示した構成図である。
架台1上には電子回路基板2を載置するためのステージ
3と、レーザ光透過窓とレーザ光の集光と位置決め・観
察に用いる対物レンズを含み内部に混合ガス室4aを形
成したヘッド容器4と、CVD用レーザ発振器6と、レ
ーザ光7の強度を調整するための出力調整機構8と、除
去加工用パルスレーザ発振器81と、パルスレーザ光8
2の出力調整機構83と、光学系筐体84と、焦点位置
検出器10と、観察のためのTVカメラ11と、モニタ
12とが設置されており、光学系筐体84内には、レー
ザ光7を反射するためのミラー26、27、28、レー
ザ光82を反射するためのミラー85と、レーザ光82
および7を矩形に成形するための可変スリット86、8
9と、照明装置29とハーフミラー30、及びレーザC
VD用レーザ出力検出器31、除去加工用レーザ光検出
器88が設置されている。なお、図1及び図2に示す符
号と同一の符号が付与された構成は同一である。
【0040】ここで、矩形スリット86、89は、ヘッ
ド容器4内に固定されている対物レンズ52により、ピ
ント位置にあるTFT基板2の表面の像が結像される位
置に置かれる。この時、矩形スリット86、89で設定
された矩形の寸法は、使用する対物レンズ52の倍率M
の逆数の大きさで(すなわち1/Mで)TFT基板2上
に投影される。しかるに、レーザ光7を照射することに
より、矩形スリット89で設定した寸法の1/Mの矩形
状にレーザ光を集光照射することができ、CVD材料ガ
ス雰囲気で、レーザ出力を適切に設定して照射すること
により、矩形スリット89で設定した寸法の1/Mの矩
形状に金属膜を析出させて形成することができる。ま
た、レーザ光82を照射することにより、矩形スリット
86で設定した寸法の1/Mの矩形状にレーザ光を集光
照射することができ、CVD材料ガス雰囲気でレーザ出
力を適切に設定して照射することにより、矩形スリット
86で設定した寸法の1/Mの矩形状に除去加工を行う
ことができる。ステージ3、修正ヘッド4、出力調整機
構8および83、光学系筐体9、焦点位置検出器10は
図1で説明した通りであり、ここでは説明を省略する。
但し、出力調整機構8及び83は用いずに、それぞれの
レーザ発振器電源(図示せず)で、励起電流あるいは励
起電圧を制御することでもレーザ光の出力調整を行って
も良い。混合ガス室4aを形成したヘッド容器4には、
配管15で排気ポンプ16が、配管17でCVD材料ガ
スを格納したボンベ18が、配管20で不活性ガスボン
ベ21が接続されている。また、CVDガスボンベ18
には、配管22で不活性ガスを格納したボンベ21が接
続され、前記した所望の箇所が装置カバー25(破線で
表示)で覆われている。更に、上記ステージ4、レーザ
発振器6、バルブ等の制御を行う制御装置32と、装置
カバー25に接続されたダクト35、及び漏洩検知器4
0が設置されている。ここで、配管15及びダクト35
の先は図1と同じであり、図5では省略してある。
【0041】図2に詳細を示したヘッド容器4にCVD
材料ガスとキャリアガスの混合ガスを供給し、レーザ発
振器6から発振されたレーザ光7を断線欠陥部分に照射
することにより、CVD材料ガスを分解して析出した金
属膜により修正することができる。また、CVD材料ガ
スを供給しない状態で、パルスレーザ発振器81から発
振されたパルスレーザ光82(パワー密度106〜109
W/cm2で、パルス幅として5〜20ns(200n
s位でも良い。))を照射することにより、余剰欠陥や
短絡欠陥の除去、あるいは断線欠陥部の形状修正を行う
ことができる。
【0042】以下、図に従いTFT基板2上に形成され
たドレイン線の断線欠陥、および余剰欠陥を修正する場
合を例に、修正方法を説明する。ここで、ドレイン線は
ガラス基板上に薄膜トランジスタのゲート線と交差する
方向に形成されたAl,W,Mo,Cr,Ti等の金属単層
あるいは複数層あるいは酸化インジウム、酸化錫からな
る透明導電膜で構成されるが、一般的にはCrとAlの2
層構造の配線である。幅は10〜20μm、膜厚は0.
1〜0.5μm程度である。断線欠陥や余剰欠陥は、通
常はフォトリソ工程及びエッチング工程での異物が原因
で発生し、欠陥の大きさは数〜数100μmの範囲であ
る。まず、断線欠陥あるいは余剰欠陥を有するTFT基
板2をステージ3上に載置し、欠陥検査装置(図示せ
ず)による検査結果情報に従い、制御装置32によりス
テージ3を駆動して、修正ヘッド4の対物レンズ52視
野内に欠陥部が入る様に位置決めする。そこで、焦点位
置検出器10で検出しながらステージ3を上昇させ、T
FT基板2の表面と対物レンズ52のピント位置(焦点
位置)を一致させる。光学系全体を下降させてピントを
合わせても良い。尚、ピントがあった位置で、TFT基
板2の表面とヘッド容器4の開放端65との間の微小間
隙が一定値になるように、予め調整してある。この微小
間隙は狭い方が望ましいが、ヘッド容器4の開放端65
がTFT基板2の表面を損傷する恐れがないように、数
10〜100μm程度に設定される。
【0043】まず、断線欠陥の修正について説明する。
モニタ12上で観察しながらステージ3を移動させて、
図6(a)に示すようにドレイン線70の一部に存在す
る断線部の一端(始点)をモニタ12上のカーソル線9
1、92、93、94で囲み、そのときの中心座標(ス
テージの座標)を制御装置32に入力記憶させて、修正
の始点とする。この時設定するカーソル線の間隔は、ド
レイン線よりやや狭くすることが望ましい。ここで、カ
ーソル線91、92、93、94は矩形スリット89を
構成するナイフエッジの対物レンズ52の投影位置に一
致するように調整されている。すなわち、カーソル線9
1、92、93、94位置を移動させることにより、同
期をとって矩形スリット89を構成するナイフエッジが
移動し、結果としてカーソル線91、92、93、94
で囲まれた部分のみにレーザ光7が照射できるようにな
っている。次に、図6(b)に示すように、ステージ3
を移動させて断線部の他端(終点)をカーソル線91、
92、93、94で囲み、その中心座標を制御装置32
に入力記憶させて、修正の終点とする。始点と終点は逆
でも構わない。始点と終点の設定が終了したら、改めて
始点に位置決めする。
【0044】次に、シールガスを供給口63から供給す
る。そのあと、修正ヘッド本体53内の大気を追い出す
ためにキャリアガスのみをノズル61から供給しつつ、
排気口62から排気し、ヘッド本体53の混合ガス室4
aの内部の圧力が、ヘッド本体53の外部の圧力(大気
圧よりわずかに低い)と等しいか、あるいはわずかに低
くなるように制御する。その後、キャリアガスとCVD
材料ガスの混合ガスをボンベ18から配管17を通して
供給し、ノズル61から欠陥部に吹き付けつつ、ヘッド
本体53の室4aの内部を混合ガス雰囲気に置換する。
この間も、ヘッド本体53の室4aの内部の圧力がヘッ
ド本体53の外側の圧力と等しいかわずかに低くなるよ
うに保つ。ヘッド本体53の外側の圧力との差は、数な
いし80mmHg程度で良い。これはヘッド容器4の開
放端65とTFT基板2の表面との間隙をシールしてい
るシールガスの効果と併せて、CVD材料ガスが漏れる
のを完全に抑えるためである。
【0045】シールガスとキャリアガスについては、前
の実施例で説明した通りであり、ここでは共にN2(窒
素)を選択した。また、CVD材料ガスについても、前
の実施例で説明した通りであり、ここではMo(CO)
6(モリブデンヘキサカルボニル)を選択した。ヘッド本
体53内の雰囲気がCVD材料ガスとキャリアガスの混
合ガスに置換され、定常状態に達してからレーザ光7を
照射する。本実施例ではレーザとして連続発振Arレー
ザを使用する。レーザ光7の出力はミラー28を退避さ
せ、レーザ光を検出器31で測定しつつ、出力調整器8
を調整することにより行う。あるいはミラー28を透過
するレーザ光7の出力を検出しても良い。調整中は、レ
ーザ光7がTFT基板2に照射されないように、ヘッド
容器4の手前のシャッタ(図示せず)を閉じる。
【0046】出力調整後、シャッタ(図示せず)があけ
られ、レーザ光7はさきほど位置決めされた断線部の始
点の設定された位置に照射される。ここで金属膜の析出
開始を確認してから、ステージ3を所定の速度で始点か
ら終点に移動させ、終点でステージ3の移動が終了した
時点でレーザ光7の照射も停止する。これらの動作によ
り図6(c)に示すように、レーザ光の照射された部分
のみでCVD材料ガスが分解されて金属膜95(本実施
例ではMo膜)が析出し、断線欠陥が修正される。レー
ザ照射条件は、設定寸法が8μm角(TFT基板2の表
面に縮小投影された寸法)の場合で、レーザ出力は80
〜150mW(パワー密度約1×105〜2.5×105
W/cm2)、走査速度2〜5μm/sの条件が選択さ
れる。これらの条件で、膜厚0.2から0.6μmのM
o配線(幅は8〜10μm)が形成でき、配線抵抗とし
て200〜1000Ω/mmが得られる。この配線は、
通常の断線長さ数10μmを考えると、接続抵抗を含め
ても100〜200Ωで接続でき、本実施例で修正対象
としているTFT基板のドレイン線断線の修正には、十
分適用することができる。尚、レーザ光7を照射しても
金属膜が析出しない場合がある.これは基板がガラスで
ありレーザ光7が透過してしまう上に、ドレイン線自体
はAl等の熱伝導の良い金属膜であるため、CVD材料
ガスの分解温度まで加熱できないためである。この様な
場合には、パルスレーザ光82を照射して、ドレイン線
の断線部の始点の一部を加工することで解決できる。こ
れは、矩形投影パルスレーザ光(矩形開口の寸法を約2
μmに絞り、レーザ出力を200〜500mW(パワー
密度約5×106〜1.2×107W/cm2)で、10
0ns程度パルス照射)による加工で、加工部周辺にド
レイン線自体のAl等の飛散物を発生させて付着し、こ
れらの付着物を、CVD成膜時のレーザ光7の吸収の核
とするためである。また前記したように、ヘッド本体の
室4aの内部にMo(CO)6を含む混合ガスを供給した
状態で、例えばパルスレーザ光を用いて出力が200m
W(パワー密度約6×106W/cm2)で、スポット径
を2μm以下に絞って、0.5〜1sec照射すること
により、スポット状のMo析出膜を形成し、このスポッ
ト状のMo析出膜をCVD成膜時のレーザ光7の吸収の
核としても良い。
【0047】この後、TFT基板2を取り出すまでの手
順は、前の実施例で説明したとおりである。特にTFT
基板2の場合、図7に示すようにドレイン線70に近接
して画素電極100が存在するため、このドレイン線の
断線を修正する際、CVDによって析出されたMo等の
金属薄膜が上記画素電極100と離間するように形成す
ることが必要である。もし、何らかの原因で、図7に示
すように断線欠陥修正時に析出膜96が広がって、ドレ
イン線70の両側に形成されている画素電極100に接
触した場合には、次に説明する方法によって析出膜96
を画素電極100から離間させることが必要となる。即
ち、この場合には、矩形スリット86を構成するナイフ
エッジに対応するカーソル線101、102、103、
104で除去すべき部分を囲み、しかるのちパルスレー
ザ発振器81よりパルスレーザ光82を発振させる。こ
の時、修正ヘッド4内は大気雰囲気でもキャリガス雰囲
気でも良い。これにより、パルスレーザ光82はモニタ
12上のカーソル線101、102、103、104で
囲まれた領域に照射され、図6(c)に示したように、
画素電極100と接触していたMo膜が除去される。レ
ーザ出力によっては画素電極100の一部も除去される
が、ドレイン線70との短絡部がなくなれば、画素とし
ての機能を十分にはたすことができ、これで修正が完了
する。画素電極100及び100’の両方に接触した場
合は2回に分けて修正すれば良い。尚、断線欠陥を修正
した部分の形状修正だけでなく、ドレイン線70自体の
余剰欠陥あるいは短絡欠陥についても、同様の手順で修
正できることは明らかであり、ここでは説明を省略す
る。
【0048】尚、シールガスを使って空気マイクロメー
タの原理で自動焦点合わせが実現できること、あるいは
シールガスの代わりに液体を使用することができること
は第1の実施例の説明で述べた通りである。以上、詳細
に説明してきたように、本実施例の修正装置によれば、
断線欠陥の修正だけでなく、余剰欠陥や短絡欠陥、さら
には断線欠陥修正時に発生した余剰欠陥の形状異常の修
正も行うことができる。また、ここではドレイン線の欠
陥修正についてのみ説明してきたが、ゲート線、電源線
等についても、全く同様に修正することができる。CV
D材料ガスが漏洩した場合についても、前の実施例で説
明したとおりであり、ここでは説明を省略する。尚、ヘ
ッド容器4は、図2に示した構造で説明してきたが、種
々の形のものを採用することができる。例えば、図8に
示す様にヘッド本体53にスリーブ110を付加するこ
とにより、電子回路基板2の対向面積を大きくすること
ができ、大気の混入及び材料ガスの漏洩を防ぐ上で大き
な効果がある。更に、ノズル61から供給された材料ガ
スとキャリアガスの混合ガスの流れが乱されないので、
均一かつ再現性良く成膜することができる効果もある。
また、複数本のノズルを対向させて設置し、これら複数
本のノズルからキャリアガスとCVD材料ガスの混合ガ
スを吹き出させて、レーザ照射部に渦を形成することに
より、CVD材料ガスを安定して供給することができ
る。その他、ノズルを光軸に平行に配置し、キャリアガ
スと材料ガスの混合ガスをTFT基板2の表面に垂直に
供給しても実施例で述べたものと同一の効果が得られ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、TFT基板のような大
形の電子回路基板に対して大気圧とほぼ等しい圧力のC
VD材料ガス雰囲気を部分的に形成し、この部分的に形
成されたCVD材料ガス雰囲気においてレーザCVDに
より金属薄膜を析出させて、非常に能率よく、高精度で
かつ安全に大形の電子回路基板上に形成された配線の断
線欠陥等の修正を行うことができ、製品の歩留まりを向
上させることができる効果を奏する。また本発明によれ
ば、大形の電子回路基板に対して対応できる混合ガス室
の構成及びシールの制御を簡潔にして、レーザCVD装
置としても簡素化して大幅な原価低減を図ることができ
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子回路基板の金属薄膜形成装
置の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】図1に示すヘッド容器の部分を拡大して示した
断面図である。
【図3】本発明に係わるTFT基板におけるドレイン線
の断線欠陥を修正する方法を説明するための図である。
【図4】本発明に係わるTFT基板におけるドレイン線
の断線欠陥を修正した結果を示す図である。
【図5】本発明に係わる電子回路基板の金属薄膜形成装
置の一実施例を示す構成図である。
【図6】本発明に係わるTFT基板におけるドレイン線
の断線欠陥を修正する他の方法を説明するための図であ
る。
【図7】本発明に係わるTFT基板におけるドレイン線
の断線欠陥を修正した部分の形状を更に修正する方法を
示す図である。
【図8】図2と異なるヘッド容器の部分を拡大して示し
た断面図である。
【符号の説明】
2…電子回路基板(TFT基板)、3…ステージ 4…ヘッド容器、4a…混合ガス室、6…レーザ発振器 7…レーザ光、9…光学系筐体、16…真空ポンプ 18…CVD材料ガスボンベ、21…キャリアガスボン
ベ、25…装置カバー 33…除害装置、35…ダクト、38…ブロワ、40…
漏洩検知器 52…対物レンズ、61…ノズル、64…溝、65…開
放端、81…パルスレーザ発振器

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室の
    内部にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合
    ガスを供給し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を
    通して前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路基板
    の表面の所望の箇所に集光して照射して前記供給された
    混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応により
    金属膜を析出させることを特徴とする電子回路基板の金
    属膜形成方法。
  2. 【請求項2】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室の
    内部にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合
    ガスを供給し、前記混合ガス室の外部の雰囲気を排気
    し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を通して前記
    混合ガス室の開放端に存在する電子回路基板の表面の所
    望の箇所に集光して照射して前記供給された混合ガスに
    含まれるCVD材料ガスのCVD反応により金属膜を析
    出させることを特徴とする電子回路基板の金属膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室の
    内部にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合
    ガスを供給し、CVD用レーザ光を前記混合ガス室の透
    過部分を通して前記混合ガス室の開放端に存在する電子
    回路基板の表面の所望の箇所に集光して照射して前記供
    給された混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反
    応により金属膜を析出させる金属膜成膜工程と、前記混
    合ガス室に設置された透過窓を通して除去用のパルスレ
    ーザ光を前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路基
    板の表面の余剰の金属膜に対して集光して照射して余剰
    の金属膜を除去する金属膜除去工程とを有することを特
    徴とする電子回路基板の金属膜形成方法。
  4. 【請求項4】前記混合ガス室内に前記混合ガスを供給す
    る際、前記金属膜を析出する部分へノズルによって局所
    的に前記混合ガスを供給することを特徴とする請求項1
    又は2又は3記載の電子回路基板の金属膜形成方法。
  5. 【請求項5】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室内
    にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合ガス
    を供給し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を通し
    て前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路基板の表
    面上の配線の断線箇所に集光して照射して前記供給され
    た混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応によ
    り金属薄膜を析出させて配線間を接続することを特徴と
    する電子回路基板の配線修正方法。
  6. 【請求項6】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    キャリアガスからなるシールガスを供給して流すことに
    よって前記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部と
    シールさせた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリア
    ガスにCVD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、
    前記混合ガス室の外部の雰囲気を排気し、レーザ光を前
    記混合ガス室の透過部分を通して前記混合ガス室の開放
    端に存在する電子回路基板の表面上の配線の断線箇所に
    集光して照射して前記供給された混合ガスに含まれるC
    VD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出させて
    配線間を接続することを特徴とする電子回路基板の配線
    修正方法。
  7. 【請求項7】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室の
    内部にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合
    ガスを供給し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を
    通して前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路基板
    の表面上の配線の断線箇所に集光して照射して前記供給
    された混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応
    により金属薄膜を析出させて配線間を接続する接続工程
    と、前記混合ガス室の透過部分を通して除去用のパルス
    レーザ光を前記混合ガス室の開放端に存在する電子回路
    基板の表面上の配線の断線箇所又は配線の短絡箇所に対
    して集光して照射して余剰の金属膜を除去する除去工程
    とを有することを特徴とする電子回路基板の配線修正方
    法。
  8. 【請求項8】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室の
    内部にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合
    ガスを供給し、レーザ光を前記混合ガス室に設置された
    対物レンズを通して前記混合ガス室の開放端に存在する
    電子回路基板の表面上の配線の断線箇所に集光して照射
    して前記供給された混合ガスに含まれるCVD材料ガス
    のCVD反応により金属薄膜を析出させて配線間を接続
    することを特徴とする電子回路基板の配線修正方法。
  9. 【請求項9】混合ガス室の開放端とステージ上に載置さ
    れた電子回路基板の表面との間に形成される微小間隙に
    キャリアガスからなるシールガスを供給して流すことに
    よって前記混合ガス室の内部を前記混合ガス室の外部と
    シールさせた状態で、前記混合ガス室の内部にキャリア
    ガスにCVD材料ガスを混合させた混合ガスを供給し、
    前記混合ガス室の外部の雰囲気を排気し、レーザ光を前
    記混合ガス室に設置された対物レンズを通して前記混合
    ガス室の開放端に存在する電子回路基板の表面上の配線
    の断線箇所に集光して照射して前記供給された混合ガス
    に含まれるCVD材料ガスのCVD反応により金属薄膜
    を析出させて配線間を接続することを特徴とする電子回
    路基板の配線修正方法。
  10. 【請求項10】前記混合ガス室内に前記混合ガスを供給
    する際、前記金属膜を析出する部分へノズルによって局
    所的に前記混合ガスを供給することを特徴とする請求項
    5又は6又は7又は8又は9記載の電子回路基板の配線
    修正方法。
  11. 【請求項11】混合ガス室の開放端とステージ上に載置
    されたTFT基板の表面との間に形成される微小間隙に
    存在する流体によって前記混合ガス室の内部を前記混合
    ガス室の外部とシールさせた状態で、前記混合ガス室の
    内部にキャリアガスにCVD材料ガスを混合させた混合
    ガスを供給し、レーザ光を前記混合ガス室の透過部分を
    通して前記混合ガス室の開放端に存在するTFT基板の
    表面上の少なくともドレイン配線の断線箇所に集光して
    照射して前記供給された混合ガスに含まれるCVD材料
    ガスのCVD反応により金属薄膜を析出させて隣接した
    画素電極と離間させてドレイン配線間を接続することを
    特徴とするTFT基板の配線修正方法。
  12. 【請求項12】前記CVD材料ガスは、金属カルボニル
    材料ガスであることを特徴とする請求項11記載のTF
    T基板の配線修正方法。
  13. 【請求項13】電子回路基板を載置して、基台上に少な
    くともX,Y軸方向に移動可能に設置されたステージ
    と、前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面と
    の間において形成される微小間隙に流体を存在させるこ
    とによって内部を外部に対してシールさせる開放端を有
    し、対物レンズを出射端が直接内部に露出するようにほ
    ぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス室に接続さ
    れ、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材料
    ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガス供給手段
    と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガス室の内部
    の気体を排気する第1の排気手段と、前記混合ガス室の
    外部の雰囲気を排気する第2の排気手段と、前記ステー
    ジ上に載置された電子回路基板の表面からの光を前記対
    物レンズを通して得て電子回路基板の表面を観察する観
    察光学系と、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レー
    ザ光源から出射されたレーザ光を前記対物レンズを通し
    て前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面に集
    光照射して、前記混合ガス室の内部に供給された混合ガ
    スに含まれるCVD材料ガスのCVD反応により金属薄
    膜を析出させるレーザ光照射光学系とを備えたことを特
    徴とする電子回路基板の金属膜形成装置。
  14. 【請求項14】電子回路基板を載置して、基台上に少な
    くともX,Y軸方向に移動可能に設置されたステージ
    と、前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面と
    の間において形成される微小間隙にキャリアガスを流す
    ことによって内部を外部に対してシールさせる開放端を
    有し、対物レンズを出射端が直接内部に露出するように
    ほぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス室に接続
    され、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材
    料ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガス供給手
    段と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガス室の内
    部の気体を排気する第1の排気手段と、前記混合ガス室
    の外部の雰囲気を排気する第2の排気手段と、前記ステ
    ージ上に載置された電子回路基板の表面からの光を前記
    対物レンズを通して得て電子回路基板の表面を観察する
    観察光学系と、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レ
    ーザ光源から出射されたレーザ光を前記対物レンズを通
    して前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面に
    集光照射して、前記混合ガス室の内部に供給された混合
    ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応により金属
    薄膜を析出させるレーザ光照射光学系とを備えたことを
    特徴とする電子回路基板の金属膜形成装置。
  15. 【請求項15】電子回路基板を載置して、基台上に少な
    くともX,Y軸方向に移動可能に設置されたステージ
    と、前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面と
    の間において形成される微小間隙に流体を存在させるこ
    とによって内部を外部に対してシールさせる開放端を有
    し、対物レンズを出射端が直接内部に露出するようにほ
    ぼ中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス室に接続さ
    れ、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材料
    ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガス供給手段
    と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガス室の内部
    の気体を排気する第1の排気手段と、前記混合ガス室の
    外部の雰囲気を排気する第2の排気手段と、前記ステー
    ジ上に載置された電子回路基板の表面からの光を前記対
    物レンズを通して得て電子回路基板の表面を観察する観
    察光学系と、CVD用レーザ光を出射するCVD用レー
    ザ光源と、除去加工用パルスレーザ光を出射する除去加
    工用レーザ光源と、該CVD用レーザ光源から出射され
    たCVD用レーザ光を前記対物レンズを通して前記ステ
    ージ上に載置された電子回路基板の表面に集光照射して
    前記混合ガス室の内部に供給された混合ガスに含まれる
    CVD材料ガスのCVD反応により金属薄膜を析出さ
    せ、前記除去加工用レーザ光源から出射された除去加工
    用パルスレーザ光を前記対物レンズを通して前記ステー
    ジ上に載置された電子回路基板の表面に集光照射して金
    属薄膜に対して除去加工を施すレーザ光照射光学系とを
    備えたことを特徴とする電子回路基板の金属膜形成装
    置。
  16. 【請求項16】電子回路基板を載置して、基台上に少な
    くともX,Y軸方向に移動可能に設置されたステージ
    と、前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面と
    の間において形成される微小間隙に流体を存在させるこ
    とによって内部を外部に対してシールさせる開放端を有
    し、透過部分を出射端が直接内部に露出するようにほぼ
    中央に設置した混合ガス室と、該混合ガス室に接続さ
    れ、前記混合ガス室の内部にキャリアガスにCVD材料
    ガスを混合させた混合ガスを供給する混合ガス供給手段
    と、前記混合ガス室に接続され、前記混合ガス室の内部
    の気体を排気する第1の排気手段と、前記混合ガス室の
    外部の雰囲気を排気する第2の排気手段と、前記ステー
    ジ上に載置された電子回路基板の表面からの光を前記混
    合ガス室に設置された透過部分を通して得て電子回路基
    板の表面を観察する観察光学系と、CVD用レーザ光を
    出射するCVD用レーザ光源と、除去加工用パルスレー
    ザ光を出射する除去加工用レーザ光源と、該CVD用レ
    ーザ光源から出射されたCVD用レーザ光を前記透過部
    分を通して前記ステージ上に載置された電子回路基板の
    表面に集光照射して前記混合ガス室の内部に供給された
    混合ガスに含まれるCVD材料ガスのCVD反応により
    金属薄膜を析出させ、前記除去加工用レーザ光源から出
    射された除去加工用パルスレーザ光を前記透過部分を通
    して前記ステージ上に載置された電子回路基板の表面に
    集光照射して金属薄膜に対して除去加工を施すレーザ光
    照射光学系とを備えたことを特徴とする電子回路基板の
    金属膜形成装置。
  17. 【請求項17】前記第2の排気手段は、前記電子回路基
    板を搬出入する開閉部を有し、少なくとも前記ステージ
    および混合ガス室を覆うカバーと、該カバーに接続さ
    れ、カバー内の気体を排気する排気手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項13又は14又は15又は16記載
    の電子回路基板の金属膜形成装置。
  18. 【請求項18】前記第2の排気手段は、前記電子回路基
    板を搬出入する開閉部を有し、少なくとも前記ステージ
    および混合ガス室を覆う装置カバーと、該装置カバーに
    接続され、カバー内の気体を排気する排気手段と、前記
    装置カバー内にCVD材料ガスの漏洩を検出する漏洩検
    出手段と、該漏洩検出手段で漏洩が検出されたとき前記
    混合ガス供給手段による混合ガスの供給を遮断すると共
    に前記排気手段により装置カバー内を通常時より高い能
    力で排気させるように制御する制御手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項13又は14又は15又は16記載
    の電子回路基板の金属膜形成装置。
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