JPH08218115A - 高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロール及びその製造方法 - Google Patents

高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロール及びその製造方法

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JPH08218115A
JPH08218115A JP2280395A JP2280395A JPH08218115A JP H08218115 A JPH08218115 A JP H08218115A JP 2280395 A JP2280395 A JP 2280395A JP 2280395 A JP2280395 A JP 2280395A JP H08218115 A JPH08218115 A JP H08218115A
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metal layer
carbon
roll
thickness
wear resistance
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Application number
JP2280395A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kurisu
泰 栗栖
Tatsuji Aso
辰二 阿蘇
Chihiro Yamaji
千博 山地
Yoshiaki Hirota
芳明 広田
Shoji Yamagata
祥司 山形
Takao Nagase
隆夫 永瀬
Masaru Fukuyama
勝 福山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れ、
高温、または通電加熱時の鋼板搬送性に優れた長寿命カ
ーボンロールを提供する。 【構成】 胴部がカーボンで形成されたロール外周面上
に、溶射または金属スリーブの焼きばめにより形成され
た、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに、該金属層の
表面に、溶射により形成された結合用金属層を介して、
厚み0.1〜0.5mmのセラミックス、またはサーメッ
トで構成された最表層を設ける。 【効果】 鋼板連続熱処理炉用搬送ロールに用いること
で、板形状悪化防止、蛇行発生防止、高速搬送が可能と
なり、通電用ロールでは接触不良に伴うスパーク発生を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱処理炉で用いられる
搬送用ロール、通電加熱用の通電ロール、あるいは押さ
えロールなどに用いられるカーボンロール及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属の焼鈍、例えば冷延鋼板の連続焼鈍
で使用される炉内搬送用ロールには、接触する鋼板の温
度が雰囲気温度より低い場合、鋼板に接触するロール中
央部の温度が低く、エッジ部が高温になって温度分布が
生じる。この温度分布に応じて、ロール中央がへこんだ
凹型のクラウンが生じる。逆に、接触する鋼板の温度が
雰囲気温度より高い場合、鋼板に接触するロール中央部
の温度が高く、エッジ部の温度が低くなって、凸型のク
ラウンが生じる。
【0003】このようにロールにクラウンが生じた状態
では、鋼板に温度分布や張力分布がついて、形状が悪化
し、耳波や絞りなどが生じやすくなる。また、鋼板の幅
が変化したときには、ロールのプロフィールも変化し
て、鋼板形状が不安定になりやすいため、ロールのプロ
フィールが安定するまで低速で操業しなければならない
などの問題が有った。
【0004】また、通電ロール、あるいは挟持式通電に
おける押さえロールでは、ロールにクラウンが生じると
鋼板への接触圧力が部分的に低下して、鋼板とロールの
間にスパークが発生する結果、鋼板、ロールの双方に溶
融痕が生じ、製品品質の低下、ロール寿命の低下をもた
らすという問題があった。
【0005】このように、ロールのプロフィールが変化
すると種々の不都合が生じるため、ロール表面温度を均
一にする対策、あるいは高熱伝導率かつ低熱膨張係数の
材質適用が検討されてきた。
【0006】特開昭57−136793号公報には、磁
束密度が高くなる部分の抵抗値が大きくなるように、ロ
ール表面に導電性磁性体膜を形成し、誘導加熱により一
様な温度分布を得る方法が記載されている。また、特開
昭61−79733号公報には、ロール表面を導電性セ
ラミックスで構成し、通電加熱可能とした搬送用ロール
が記載されている。このロールを用いると、導電性セラ
ミックスに通電した際の抵抗加熱によりロール幅方向の
温度分布を均一化することができ、ロールのプロフィー
ルが一定になるとしている。
【0007】しかしながら、これら従来の方法でロール
表面温度だけを均一にしても、ロール表面に温度差の大
きい物質が接触した場合には、ロール表面温度分布が不
均一になり、またロール表面から軸受け方向に熱が移動
し、ロール内部温度も不均一となるため、ロールプロフ
ィールの均一化は難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、高熱伝
導率かつ低熱膨張係数で柔軟性に富み、鋼板にならい易
い性質(以下この性質をならい性とする)を有するカー
ボンを用いれば、雰囲気温度によらずプロフィールをほ
ぼ一定に保つことが可能となる。しかし、カーボンは柔
らかくて摩耗が激しいとともに強度が低く、機械的衝撃
により破壊しやすいという問題がある。
【0009】本発明の目的は、高熱伝導性、低熱膨張
性、ならい性といったカーボンの性質を生かしながら、
高強度、高耐摩耗性といった特性を有し、ロールプロフ
ィールが変化することなく、従ってクラウンを生じず、
高温、または通電加熱時の鋼板搬送性に優れ、かつ長時
間の使用においても損傷を受けない長寿命のカーボンロ
ール及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、胴部が
カーボンで形成されたロール外周面上に、溶射または金
属スリーブの焼きばめにより形成された、厚み1〜5mm
の金属層を設け、さらに該金属層の表面に、厚み0.1
〜0.5mmのセラミックス、またはサーメットで構成さ
れた最表層を設けたことを特徴とする高強度、高耐摩耗
性、かつならい性に優れたカーボンロール及びその製造
方法である。
【0011】本発明の第2は、胴部がカーボンで形成さ
れたロール外周面上に、溶射または金属スリーブの焼き
ばめにより形成された、厚み1〜5mmの金属層を設け、
さらに該金属層の表面に、溶射により形成された結合用
金属層を介して、厚み0.1〜0.5mmのセラミック
ス、またはサーメットで構成された最表層を設けたこと
を特徴とする高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れ
たカーボンロール及びその製造方法である。
【0012】本発明のカーボンロールは、高熱伝導性、
低熱膨張性、ならい性といったカーボンの性質を損なわ
ず、かつカーボンの表面に、厚み1〜5mmの金属層があ
るため高強度であり、更にその金属層の表面にセラミッ
クス、またはサーメット層があるため耐摩耗性に優れ
る。
【0013】本発明で用いるカーボンは、鋼板と均一に
接触すること、その表面に形成した金属層を保持するだ
けの強度を持つこと、並びに温度差によるロールプロフ
ィールの変化を最小限にするという観点から、ヤング率
2000kg/mm2 以下、圧縮強度3kg/mm2 以上、かつ
熱膨張係数7×10-6/℃以下であることが好ましい。
【0014】本発明のカーボンロールでは、通板時の溶
接部通過等により生じる機械的衝撃からカーボンの破壊
を防止するために、カーボン表面上に金属層を設けてい
る。この金属層の厚みは、1〜5mmの範囲であることが
必要である。もし、金属層の厚みが1mmよりも薄いと、
通板時の溶接部通過等により生じる機械的衝撃からカー
ボンを保護することができず、カーボンが損傷を受け
る。また、金属層の厚みが5mmよりも厚いと、カーボン
のならい性を損ない、鋼板との接触が不均一となる。
【0015】金属層を胴部のカーボンとの熱膨張係数差
が5×10-6/℃以下の金属により形成すると、熱膨張
係数差による金属層の浮き上がりがなく、より高温での
使用に耐える。例えば、熱膨張係数5×10-6/℃のカ
ーボンに対しては、Mo,Cr,Ti等の金属を金属層
に用いるが好ましい。
【0016】特に、主成分がFe,Niであり、それぞ
れの重量割合がFe;55〜70%、Ni;45〜30
%の範囲にある低熱膨張合金、または、主成分がFe,
Ni,Coであり、それぞれの重量割合がFe;50〜
60%、Ni;29〜31%、Co;16〜17%の範
囲にある低熱膨張合金は、強度も高く、金属層としての
特性に優れている。
【0017】金属層はジェットコート、プラズマ溶射、
爆発溶射等の溶射法、あるいは金属スリーブの焼ばめ法
により形成することができる。金属スリーブの焼ばめに
おいては、金属スリーブとして強度を保持するため、目
的とする厚みよりも厚いスリーブ、例えば厚み10mmの
スリーブを作製し、カーボンに焼ばめしたのち、所定の
厚み、例えば2mmまで削ることで目的とする厚みを持つ
金属層を形成することができる。
【0018】本発明第2のカーボンロールでは、金属層
と最表層との密着性向上のため、両層の間に結合用金属
層を設ける。結合用金属層はジェットコート、プラズマ
溶射、爆発溶射等の溶射法により形成することができ
る。溶射原料に粉末を用いる場合、粒径は10から50
μmであることが好ましい。結合用金属層の厚みは50
〜300μmの範囲であれば良い。
【0019】また、材質はNi−Cr,CoNiCrA
lY,CoCrAlY,NiCrAlY等の耐熱合金、
またはAl2 3 −CoCrAlYといったサーメット
材質が好ましい。
【0020】本発明のカーボンロールにおいて、セラミ
ックス、またはサーメットで構成された最表層は、ジェ
ットコート、プラズマ溶射、爆発溶射等の溶射法により
形成できる。
【0021】最表層の厚みは、0.1〜0.5mmの範囲
であることが必要である。これはもし金属層の厚みが
0.1mmよりも薄いと、機械的衝撃、熱的衝撃等により
最表層が剥離しやすくなるため、また、0.5mmよりも
厚いと、被膜施工後に剥離しやすくなるためである。
【0022】最表層の化学成分は、セラミックス、サー
メット材質のうち、酸化物セラミックスではZrO2
Al2 3 −Cr2 3 、ZrSiO4 、非酸化物セラ
ミックスでは、TiN、TiC、ZrN、ZrC、サー
メットではAl2 3 サーメット、ZrO2 サーメッ
ト、ZrSiO4 サーメット、WCサーメット等、鋼板
との接触下で耐摩耗性に優れ、かつFeとの反応性が低
い材質が好ましい。
【0023】また、本発明のカーボンロールを通電用ロ
ールとして使用する場合には、最表層を比抵抗が1×1
-3Ω・cm以下のセラミックス、またはサーメットによ
り構成することが好ましい。具体的には、例えば、Ti
N、TiC、ZrN、ZrC等の非酸化物セラミック
ス、またはWCサーメット等のサーメットがある。
【0024】また、熱伝導率が2Wm-1-1以下の材質
を使用した場合、鋼板からロール表面への熱移動が少な
く、ロール温度と鋼板温度との差が大きい場合において
も、ロールプロフィールを一定に保ち、鋼板への接触状
態を均一にすることができる。材質としては、例えば、
熱伝導率が約1Wm-1-1のZrO2 、SiO2 等の酸
化物セラミックスがある。
【0025】最表層を、Feとの反応性が非常に低い、
主にZrO2 、及びSiO2 で構成する場合には、少な
くともX線回析により実質上、立方晶系ないし正方晶系
の相、またはそれらの混合相から成るZrO2 、あるい
はZrSiO4 と判定される物質が含まれていることが
好ましい。これは、これらの鉱物が、室温から高温への
温度変化において結晶変態を起こさず安定であるからで
ある。更に、最表層に含まれているZrO2 、の鉱物組
成のうち60wt%以上が立方晶系ないし正方晶系の相、
またはそれらの混合相である場合、温度変化に対し特に
安定である。
【0026】このような特性を満足する最表層は、Ca
O,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,HfO2 ,及び稀土
類元素酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
酸化物を2〜20wt%含有するZrO2 粉末を、通常の
溶射法により施工することで得られる。
【0027】このようにZrO2 に、CaO,Y
2 3 ,MgO,CeO2 ,HfO2 ,及び稀土類元素
酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物
粒子と、CaO,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,HfO
2 ,及び稀土類元素酸化物よりなる群から選ばれた少な
くとも1種の酸化物を2〜20wt%含有するZrO2
子とを混合してなる粉末を、爆発溶射により施工するこ
とでも、上記特性を満足する最表層が施工できる。
【0028】粉末に、CaO,Y2 3 ,MgO,Ce
2 ,HfO2 ,及び稀土類元素酸化物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の酸化物粒子を添加するのは、
ZrSiO4 粒子が溶射中に分解して生成するZrO2
を立方晶系ないし正方晶系の相、またはそれらの混合相
に安定化させるためである。
【0029】CaO,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,H
fO2 ,及び稀土類元素酸化物よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の酸化物粒子の添加量は、ZrO2 を立
方晶系ないし正方晶系の相、またはそれらの混合相に安
定化させるために、ZrSiO4 が分解して生成すると
ZrO2 と反応して得られる酸化物含有ZrO2 の2wt
%以上必要で、ZrO2 とFeとの反応性を非常に低く
押えるためには、20wt%以下の範囲とすることが好ま
しい。もし、2wt%未満では、ZrO2 は安定なものと
はならず、また、20wt%を超えると、Feの反応性が
増して、いずれも好ましくない。
【0030】
【作用】図面を用いて、本発明の作用を説明する。図1
は、本発明第1のカーボンロールの断面図である。図2
は、本発明第2のカーボンロールの断面図である。
【0031】カーボン3は、ロールの軸1上に設けられ
た断熱層2の上に密着して設けられている。断熱層2
は、最表層6から、結合用金属層5(図2の本発明第2
のカーボンロールのみに設けられる)、及び金属層4を
介して、カーボン3に伝わる熱が直接軸1へ熱移動する
のを少なくするとともに、移動した熱による軸1の熱膨
張とその熱応力を吸収する役割も受け持つ。
【0032】この構造により、ロール内の温度分布は均
一化される。更に、金属層は通板時の溶接部通過等によ
り生じる機械的衝撃によってカーボンが破壊するのを防
止する。
【0033】また、金属層4上には、セラミックス、ま
たはサーメットからなる、鋼板との耐摩耗性に優れた最
表層6を設けており、耐摩耗性に優れる。加えて、本発
明第2のカーボンロールでは、最表層6の金属層4への
密着性向上のため、結合用金属層5を設けている。
【0034】本発明のカーボンロールは、カーボンの熱
膨張率が1〜7×10-6/℃程度と小さいため、高温炉
内においてもロールクラウンが小さく、熱伝導率が大き
い。従って、鋼板の幅が変化してもプロフィールを常に
ほぼ一定に保つことができる、といった優れた特性を有
する。
【0035】本発明のカーボンロールを通電ロール、あ
るいは挟持式通電における押さえロールとして使用した
場合には、ヤング率が2000kg/mm2 以下と小さいた
め、熱間でも弾力性に富み、容易に被加熱材を通電ロー
ル間で押さえ込むことができる。また、最表層を比抵抗
が1×10-3Ω・cm以下のセラミックス、またはサーメ
ットにより構成することで、通電用ロールとして使用で
きる。
【0036】
【実施例】まず、本発明第1のカーボンロールについて
その製造方法の一例を示す。 (実施例1,2)ロールのカーボン部分に、ヤング率6
00kg/mm2 、圧縮強度4.8kg/mm2、熱膨張係数
1.5×10-6/℃、熱伝導率140Wm-1-1、の外
径300mm、長さ1300mmの円筒を用いた。
【0037】まず、直径100mmのS45C製ロール軸
に熱伝導率0.86Wm-1-1のキャスタブルを厚み3
0mmで施工し、その上にこのカーボン円筒を400℃で
焼きばめした。次に、熱膨張係数6.4×10-6/℃の
Moをプラズマ溶射により施工して金属層とした。更
に、この上にジェットコートにより、比抵抗が1×10
-4Ω・ cmのWC−27NiCr溶射層を形成して最表層
とした。
【0038】各層の厚みは実施例1,2それぞれ以下の
通りである。 Mo(金属層) WC−27NiCr(最表層) 実施例1 1mm 0.1mm 実施例2 5mm 0.5mm
【0039】次に、本発明第2のカーボンロールについ
てその製造方法の一例を示す。 (実施例3,4,5)軸、キャスタブル、カーボンの構
成は実施例1と同様とした。まず、熱膨張係数4×10
-6/℃、厚み10mmのFe−Ni−Co低熱膨張合金製
金属スリーブを作製し、400℃でカーボン上に焼きば
めした後、厚み2mmに削り込んで金属層とした。次に、
この金属層上にプラズマ溶射により厚み100μmの結
合用金属層(Ni−Cr)を形成した。さらにその上か
ら下記のような成分の溶射原料粉末をプラズマ溶射し、
最表層を所定の厚み形成した。
【0040】溶射原料粉末の成分、および最表層の厚み
は実施例3,4,5それぞれ以下の通りである。 最表層溶射原料粉末成分 最表層厚み 実施例3 8wt%Y2 3 安定化ZrO2 0.1mm 実施例4 20wt%Y2 3 安定化ZrO2 0.2mm 実施例5 2wt%CaO安定化ZrO2 0.5mm
【0041】(実施例6,7)ロールのカーボン部分
に、ヤング率1350kg/mm2 、圧縮強度17.5kg/
mm2 、熱膨張係数4.8×10-6/℃、熱伝導率70W
-1-1、の外径300mm、長さ1300mmの円筒を用
いた。
【0042】まず、直径100mmのS45C製ロール軸
に熱伝導率4Wm-1-1のAl2 3 −SiO2 系ファ
イバーを厚み8mmで施工し、その上にこのカーボン円筒
を400℃で焼きばめした。次に、熱膨張係数4×10
-6/℃、厚み10mmのFe−Ni−Co低熱膨張合金製
の金属スリーブを作製し、400℃でカーボン上に焼き
ばめした後、所定の厚みに削り込んで金属層とした。
【0043】更に、この金属層上に爆発溶射により厚み
100μmの結合用金属層(Al23 −CoCrAl
Y)を形成し、その上から下記のような成分の溶射原料
粉末を爆発溶射し、厚み0.2mmの最表層を形成した。 実施例6 金属スリーブ厚み 1mm 最表層溶射原料粉末成分 20wt%CeO2 安定化ZrO2 (50wt%)+3wt%
Gd2 3 +6wt%CeO2 +41wt%ZrSiO4 実施例7 金属スリーブ厚み 5mm 最表層溶射原料粉末成分 (6wt%Gd2 3 −12wt%CeO2 安定化ZrO2
(50wt%))+5wt%Y2 3 +45wt%ZrSiO
4
【0044】(実施例8)軸、キャスタブル、カーボン
の構成は実施例6と同様とした。次に、熱膨張係数4×
10-6/℃、厚み10mmのFe−Ni−Co低熱膨張合
金製の金属スリーブを作製し、400℃でカーボン上に
焼きばめした後、所定の厚みに削り込んで金属層とし
た。
【0045】さらに、この金属層の上に爆発溶射により
厚み100μmの結合用金属層(Al2 3 −CoCr
AlY)形成し、その上から8wt%Y2 3 −2wt%H
fO2 安定化ZrO2 と10wt%Y2 3 添加ZrSi
4 の粉末を重量比1:1で混合した粉末を爆発溶射し
て、厚み0.1mmの最表層を形成した。
【0046】(実施例9,10,11,12,13,1
4)軸、キャスタブル、カーボン、金属層スリーブ、結
合用金属層の構成は実施例8と同様とした。結合用金属
層の上から下記のような成分の溶射原料粉末を爆発溶射
し、厚み0.2mmの最表層を形成した。 最表層溶射原料粉末成分 実施例9 20wt%CeO2 安定化ZrO2 (50wt%)+3wt%
2 3 +2wt%MgO+45wt%ZrSiO4 実施例10 10wt%MgO安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%C
aO+5wt%HfO2+40wt%ZrSiO4 実施例11 14wt%Y2 3 安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%
2 3 +45wt%ZrSiO4 実施例12 6wt%CaO安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%Y2
3 +45wt%ZrSiO4 実施例13 20wt%CaO安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%Y
2 3 +45wt%ZrSiO4 実施例14 4wt%CaO安定化ZrO2 (50wt%)+4wt%Y2
3 +1wt%HfO2+45wt%ZrSiO4
【0047】(実施例15)軸、キャスタブル、カーボ
ン、金属層スリーブ、結合用金属層の構成は実施例8と
同様とした。結合用金属層の上から10wt%CaO安定
化ZrO2 と10wt%Y2 3 添加ZrSiO4 の粉末
を重量比1:1で混合した粉末を爆発溶射して、厚み
0.5mmの最表層を形成した。
【0048】また比較例として、以下のロールを製造し
た。 (比較例1)軸、キャスタブル、カーボンの構成は実施
例1と同様で、カーボン表面に何も施工しない純カーボ
ンロールを作製した。
【0049】(比較例2,3)軸、キャスタブル、カー
ボンの構成は実施例1と同様とした。カーボン上に熱膨
張係数6.4×10-6/℃のMoをプラズマ溶射により
施工して金属層を形成した。厚みは比較例2,3それぞ
れ以下の通りである。 比較例2 Mo金属層被膜厚み;0.5mm 比較例3 Mo金属層被膜厚み;6mm 更に、この金属層上にプラズマ溶射により厚さ100μ
mのNi−Crの結合用金属層を形成し、その上から8
wt%Y2 3 安定化ZrO2 粉末をプラズマ溶射して、
厚み0.2mmの最表層を形成した。
【0050】(比較例4,5)軸、キャスタブル、カー
ボンの構成は実施例6と同様とした。次に、熱膨張係数
4×10-6/℃、厚み10mmのFe−Ni製金属スリー
ブを作製し、400℃でカーボン上に焼きばめした後に
削り込んで金属層とした。厚みは比較例4,5それぞれ
以下の通りである。 比較例4 金属層スリーブ厚み;0.5mm 比較例5 金属層スリーブ厚み;6mm 更に、この金属層の上にプラズマ溶射により厚み100
μmのNi−Crの結合用金属層を形成し、その上から
8wt%Y2 3 安定化ZrO2 粉末をプラズマ溶射し
て、厚み0.2mmの最表層を形成した。
【0051】(比較例6,7)軸、キャスタブル、カー
ボンの構成は実施例6と同様とした。次に、熱膨張係数
6.4×10-6/℃のMoをプラズマ溶射により厚み2
mmで施工して金属層とした。この金属層の上にプラズマ
溶射により厚み100μmのNi−Crの結合用金属層
を形成し、その上から8wt%Y2 3 安定化ZrO2
末のプラズマ溶射により最表層を形成した。この最表層
の厚みは比較例6,7それぞれ以下の通りである。 比較例6 最表層溶射被膜厚み;0.05mm 比較例7 最表層溶射被膜厚み;0.6mm
【0052】(比較例8)軸、キャスタブル、カーボン
の構成は実施例6と同様とした。熱膨張係数4×10-6
/℃、厚み10mm、熱伝導率13Wm-1-1のFe−N
i製金属スリーブを作製し、400℃でカーボン上に焼
きばめした後に厚み2mmに削り込んで金属層を形成し
た。しかし、この金属層の表面には何も処理を行わなか
った。
【0053】以上のようにして加工した試験ロールにつ
いて、熱間の転動摩耗試験機により耐摩耗性及び強度を
評価し、エッジドロップを持つ鋼板への圧下試験により
ならい性を評価した。
【0054】耐摩耗性は、幅100mmの鋳鉄ロール(径
300mm)を、誘導加熱により700℃に加熱し、カー
ボンが圧壊しない圧下力である線圧3kg/mmの圧力で試
験ロールに押し当てながら回転し、試験ロールが300
0km回転走行した摩耗量により評価した。摩耗量が10
μm以上のものは×、10μm未満2μm以上で○、2
μm未満で◎とした。
【0055】強度は、幅100mmの鋳鉄ロール(径30
0mm)の表面軸方向に幅1mm×高さ1mm×長さ100mm
の鋼板を貼り付け、誘導加熱により700℃に加熱し、
線圧3kg/mmの圧力で試験ロールに押し当てながら回転
して衝撃を与え、カーボン破壊までの回転数により評価
した。500回未満で破壊したものは×、500回以上
1000回未満で破壊したものは○、1000回以上の
衝撃に耐えたものは◎とした。
【0056】ならい性は、エッジドロップが幅40mmで
25μmの鋼板を定盤上に置き、線圧3kg/mmの圧下力
を加え、エッジドロップ部が定盤に接触するかどうかを
評価した。定盤への接触判定は、鋼板に着色剤を塗り、
着色剤が定盤に転写されるかどうかで行った。
【0057】この試験は、常温の場合、及び、鋼板とロ
ールとの間に温度差がある場合を想定して、鋼板を40
0℃に加熱した場合で行った。常温の場合も、400℃
に加熱した場合もともに接触しないものは×、片方のみ
接触したものは○とし、両方とも接触したものは◎とし
た。
【0058】また、最表層の鉱物組成はX線回析により
分析し、ZrO2 の結晶相のうち、立方晶(c)、正方
晶(t)、単斜晶(m)の割合をX線ピーク高さIから
以下の式により算出した。()内の数字は結晶方位を示
す。
【数1】 また、ZrSiO4 については、検出された場合を○と
した。
【0059】表1に本発明の実施例及び比較例の試験結
果をまとめた。本発明のカーボンロールはいずれも、耐
摩耗性、強度、ならい性に優れていることが判る。ただ
し、実施例1,2は最表層の熱伝導率が7Wm-1-1
大きいため、高温鋼板との接触により、ロールにクラウ
ンを生じ、ならい性が劣っている。なお、すべての試験
で評価が◎であったものは総合評価も◎としている。
【0060】これに対し、比較例1は表面に何も施工し
ていないため摩耗が激しく、比較例6はセラミック溶射
層の厚みが薄く試験中に剥離した。また、最表層を設け
ていない比較例8は、耐摩耗性、及び高温鋼板に対する
ならい性に劣る結果となった。
【0061】一方、比較例2,4は金属層の厚みが薄
く、強度に劣っている。また、比較例3,5は金属層の
厚みが厚すぎて、ならい性に劣り、比較例7はセラミッ
ク溶射層の厚みが厚く、試験中にセラミック溶射層が剥
離した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明のカーボンロールは、高熱伝導
性、低熱膨張性、ならい性といったカーボンの性質を生
かしながら、高強度、高耐摩耗性といった特性を有する
ため、ロールプロフィールが変化することなく、従っ
て、クラウンを生じず、高温、または通電加熱時の鋼板
搬送性に優れ、かつ長寿命である。たとえば、熱負荷の
かかる金属の連続熱処理炉用の搬送ロール等に使用すれ
ば、カーボンの高熱伝導性により、高温の被加熱材と接
触しても温度分布が付きにくく、かつカーボンの熱膨張
率が小さいことにより、サーマルクラウンの発生を抑制
でき、鋼板との接触不良にともなう変形や、温度の不均
一さを防止することができる。
【0065】また、板幅変更の際も、ロールのプロフィ
ールが安定しているため、板形状の悪化が防止でき、ま
た蛇行などの発生も防止できる。その結果、ライン速度
を落とさずに生産が可能となり、高速搬送も可能にな
る。一方、通電ロールに応用した場合、高温に加熱され
た金属と接触してもプロフィールが安定していること、
カーボンのならい性を損なわないことから接触不良に伴
うスパークの発生を防止できる。
【0066】カーボンの欠点である摩耗に対しては、本
ロールの場合、硬質のセラミックス、またはサーメット
で構成される最表層を有するので、長時間安定して使用
可能であり、また、仮に摩耗が進んでも表層のみを再処
理すれば何度でも母材を使えるので、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1のカーボンロールの構造を示すもの
である。
【図2】本発明第2のカーボンロールの構造を示すもの
である。
【符号の説明】
1 軸 2 断熱層 3 カーボン 4 金属層 5 結合用金属層 6 セラミックス、またはサーメットで構成された最表
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】金属層を胴部のカーボンとの熱膨張係数差
が5×10-6/℃以下の金属により形成すると、熱膨張
係数差による金属層の浮き上がりがなく、より高温での
使用に耐える。例えば、熱膨張係数5×10-6/℃のカ
ーボンに対しては、Mo,Cr,Ti等の金属を金属層
に用いることが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】また、ZrSiO4 粒子とCaO,Y2
3 ,MgO,CeO2 ,HfO2 ,及び稀土類元素酸化
物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物粒子
と、CaO,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,HfO2
及び稀土類元素酸化物よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の酸化物を2〜20wt%含有するZrO2 粒子と
を混合してなる粉末を、爆発溶射により施工することで
も、上記特性を満足する最表層が施工できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】CaO,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,H
fO2 ,及び稀土類元素酸化物よりなる群から選ばれた
少なくとも1種の酸化物粒子の添加量は、ZrO2 を立
方晶系ないし正方晶系の相、またはそれらの混合相に安
定化させるために、2wt%以上必要で、ZrO2 とFe
との反応性を非常に低く押えるためには、20wt%以下
の範囲とすることが好ましい。もし、2wt%未満では、
ZrO2 は安定なものとはならず、また、20wt%を超
えると、Feの反応性が増して、いずれも好ましくな
い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】更に、この金属層上に爆発溶射により厚み
100μmの結合用金属層(Al23 −CoCrAl
Y)を形成し、その上から下記のような成分の溶射原料
粉末を爆発溶射し、厚み0.2mmの最表層を形成した。 実施例6 金属厚み 1mm 最表層溶射原料粉末成分 20wt%CeO2 安定化ZrO2 (50wt%)+3wt%
Gd2 3 +6wt%CeO2 +41wt%ZrSiO4 実施例7 金属厚み 5mm 最表層溶射原料粉末成分 (6wt%Gd2 3 −12wt%CeO2 安定化ZrO2
(50wt%))+5wt%Y2 3 +45wt%ZrSiO
4
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】(実施例8)軸、キャスタブル、カーボン
の構成は実施例6と同様とした。次に、熱膨張係数4×
10-6/℃、厚み10mmのFe−Ni−Co低熱膨張合
金製の金属スリーブを作製し、400℃でカーボン上に
焼きばめした後、所定の厚み2mmに削り込んで金属層と
した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】さらに、この金属層の上に爆発溶射により
厚み100μmの結合用金属層(Al2 3 −CoCr
AlY)形成し、その上から8wt%Y2 3 −2wt%
HfO2 安定化ZrO2 と10wt%Y2 3 添加ZrS
iO4 の粉末を重量比1:1で混合した粉末を爆発溶射
して、厚み0.1mmの最表層を形成した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】(実施例9,10,11,12,13,1
4)軸、キャスタブル、カーボン、金属層、結合用金属
層の構成は実施例8と同様とした。結合用金属層の上か
ら下記のような成分の溶射原料粉末を爆発溶射し、厚み
0.2mmの最表層を形成した。 最表層溶射原料粉末成分 実施例9 20wt%CeO2 安定化ZrO2 (50wt%)+3wt%
2 3 +2wt%MgO+45wt%ZrSiO4 実施例10 10wt%MgO安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%C
aO+5wt%HfO2+40wt%ZrSiO4 実施例11 14wt%Y2 3 安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%
2 3 +45wt%ZrSiO4 実施例12 6wt%CaO安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%Y2
3 +45wt%ZrSiO4 実施例13 20wt%CaO安定化ZrO2 (50wt%)+5wt%Y
2 3 +45wt%ZrSiO4 実施例14 4wt%CaO安定化ZrO2 (50wt%)+4wt%Y2
3 +1wt%HfO2+45wt%ZrSiO4
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】(実施例15)軸、キャスタブル、カーボ
ン、金属層、結合用金属層の構成は実施例8と同様とし
た。結合用金属層の上から10wt%CaO安定化ZrO
2 と10wt%Y2 3 添加ZrSiO4 の粉末を重量比
1:1で混合した粉末を爆発溶射して、厚み0.5mmの
最表層を形成した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】(比較例4,5)軸、キャスタブル、カー
ボンの構成は実施例6と同様とした。次に、熱膨張係数
4×10-6/℃、厚み10mmのFe−Ni製金属スリー
ブを作製し、400℃でカーボン上に焼きばめした後に
削り込んで金属層とした。厚みは比較例4,5それぞれ
以下の通りである。 比較例4 金属層厚み;0.5mm 比較例5 金属層厚み;6mm 更に、この金属層の上にプラズマ溶射により厚み100
μmのNi−Crの結合用金属層を形成し、その上から
8wt%Y2 3 安定化ZrO2 粉末をプラズマ溶射し
て、厚み0.2mmの最表層を形成した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 広田 芳明 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 山形 祥司 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 永瀬 隆夫 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 福山 勝 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部がカーボンで形成されたロール外周
    面上に、溶射または金属スリーブの焼きばめにより形成
    された、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに、該金属
    層の表面に、厚み0.1〜0.5mmのセラミックス、ま
    たはサーメットで構成された最表層を設けたことを特徴
    とする高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカー
    ボンロール。
  2. 【請求項2】 胴部がカーボンで形成されたロール外周
    面上に、溶射または金属スリーブの焼きばめにより形成
    された、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに、該金属
    層の表面に、溶射により形成された結合用金属層を介し
    て、厚み0.1〜0.5mmのセラミックス、またはサー
    メットで構成された最表層を設けたことを特徴とする高
    強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロー
    ル。
  3. 【請求項3】 セラミックス、またはサーメットで構成
    された最表層が、溶射により形成されていることを特徴
    とする請求項第1項または第2項記載の高強度、高耐摩
    耗性、かつならい性に優れたカーボンロール。
  4. 【請求項4】 金属層が、胴部のカーボンとの熱膨張係
    数差が5×10-6/℃以下の金属により形成されている
    ことを特徴とする請求項第1〜3項のいずれか1項記載
    の高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボン
    ロール。
  5. 【請求項5】 金属層を形成する金属が主に、FeとN
    iを成分とする低熱膨張合金、または、FeとNiとC
    oを成分とする低熱膨張合金からなることを特徴とする
    請求項第4項記載の高強度、高耐摩耗性、かつならい性
    に優れたカーボンロール。
  6. 【請求項6】 最表層が、熱伝導率が2Wm-1-1以下
    のセラミックスにより構成されていることを特徴とする
    請求項第1〜5項のいずれか1項記載の高強度、高耐摩
    耗性、かつならい性に優れたカーボンロール。
  7. 【請求項7】 最表層に少なくともX線回析により、実
    質上、立方晶系ないし正方晶系の相、またはそれらの混
    合相から成るZrO2 、あるいはZrSiO4 と判定さ
    れる物質が含まれていることを特徴とする請求項第6項
    記載の高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカー
    ボンロール。
  8. 【請求項8】 X線回析により求めた、最表層に含まれ
    ているZrO2 の鉱物組成のうち60%以上が、立方晶
    系ないし正方晶系の相、またはそれらの混合相であるこ
    とを特徴とする請求項第7項記載の高強度、高耐摩耗
    性、かつならい性に優れたカーボンロール。
  9. 【請求項9】 最表層に含まれているZrO2 が、Ca
    O,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,HfO2 ,及び稀土
    類元素酸化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    酸化物を2〜20wt%含有するZrO2 であることを特
    徴とする請求項第7項または第8項記載の高強度、高耐
    摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロール。
  10. 【請求項10】 比抵抗が1×10-3・cm以下のセラミ
    ックス、またはサーメットにより構成された最表層を設
    けたことを特徴とする請求項第1〜5項のいずれかに記
    載の高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボ
    ンロール。
  11. 【請求項11】 カーボンで形成された胴部の外周面上
    に、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに該金属層の表
    面に、厚み0.1〜0.5mmのセラミックス、またはサ
    ーメットで構成された最表層を設けたカーボンロールを
    製造する際に、溶射により金属層を形成することを特徴
    とする高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカー
    ボンロールの製造方法。
  12. 【請求項12】 カーボンで形成された胴部の外周面上
    に、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに該金属層の表
    面に、厚み0.1〜0.5mmのセラミックス、またはサ
    ーメットで構成された最表層を設けたカーボンロールを
    製造する際に、金属スリーブを焼ばめて金属層を形成す
    ることを特徴とする高強度、高耐摩耗性、かつならい性
    に優れたカーボンロールの製造方法。
  13. 【請求項13】 セラミックス、またはサーメットの溶
    射により最表層を形成することを特徴とする請求項第1
    1項または第12項記載の高強度、高耐摩耗性、かつな
    らい性に優れたカーボンロールの製造方法。
  14. 【請求項14】 カーボンで形成された胴部の外周面上
    に、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに該金属層の表
    面に、結合用金属層を介して、厚み0.1〜0.5mmの
    セラミックス、またはサーメットで構成された最表層を
    設けたカーボンロールを製造する際に、溶射により金属
    層、及び結合用金属層を形成することを特徴とする高強
    度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロール
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 カーボンで形成された胴部の外周面上
    に、厚み1〜5mmの金属層を設け、さらに該金属層の表
    面に、結合用金属層を介して、厚み0.1〜0.5mmの
    セラミックス、またはサーメットで構成された最表層を
    設けたカーボンロールを製造する際に、金属スリーブを
    焼ばめて金属層を形成し、溶射により結合用金属層を形
    成することを特徴とする高強度、高耐摩耗性、かつなら
    い性に優れたカーボンロールの製造方法。
  16. 【請求項16】 セラミックス、またはサーメットの溶
    射により最表層を形成することを特徴とする請求項第1
    4項または第15項記載の高強度、高耐摩耗性、かつな
    らい性に優れたカーボンロールの製造方法。
  17. 【請求項17】 ZrSiO4 粒子と、CaO,Y2
    3 ,MgO,CeO2 ,HfO2 ,及び稀土類元素酸化
    物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物粒子
    と、CaO,Y2 3 ,MgO,CeO2 ,HfO2
    及び稀土類元素酸化物よりなる群から選ばれた少なくと
    も1種の酸化物を2〜20wt%含有するZrO2 粒子と
    を混合してなる粉末を溶射して最表層を形成することを
    特徴とする請求項第13項または第16項記載の高強
    度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロール
    の製造方法。
JP2280395A 1995-02-10 1995-02-10 高強度、高耐摩耗性、かつならい性に優れたカーボンロール及びその製造方法 Pending JPH08218115A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014007406A1 (ja) * 2012-07-06 2014-01-09 トーカロ株式会社 溶射被覆層を有する炭素材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014007406A1 (ja) * 2012-07-06 2014-01-09 トーカロ株式会社 溶射被覆層を有する炭素材料
JPWO2014007406A1 (ja) * 2012-07-06 2016-06-02 トーカロ株式会社 溶射被覆層を有する炭素材料

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