JPH08217897A - プラズマ表面処理方法及びプラスチック表面処理装置 - Google Patents

プラズマ表面処理方法及びプラスチック表面処理装置

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JPH08217897A
JPH08217897A JP2397895A JP2397895A JPH08217897A JP H08217897 A JPH08217897 A JP H08217897A JP 2397895 A JP2397895 A JP 2397895A JP 2397895 A JP2397895 A JP 2397895A JP H08217897 A JPH08217897 A JP H08217897A
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JP
Japan
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gas
substrate
surface treatment
plasma
processing space
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JP2397895A
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Motokazu Yuasa
基和 湯浅
Shigemasa Kawai
重征 河合
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガス雰囲気中で、基材表面に放電プラズマに接
触させることによって、大気圧近傍の圧力下において、
簡単に基材の部分的な表面処理を行うことのできるプラ
ズマ表面処理方法及びプラスチック表面処理装置を提供
する。 【構成】略水平方向に配設された相対する上部及び下部
電極2,3と、該上部及び下部電極2,3の周辺部に垂
設された固体誘電体壁4a,4bによって形成される処
理空間11に、基材6を上部及び下部電極2,3電極に
対して略水平となるように配置し、該処理空間11に不
活性ガスと処理ガスとの混合ガスを導入し、大気圧近傍
の圧力下で電極に電圧を印加して放電プラズマを発生さ
せ、該放電プラズマを基材6表面に接触させることによ
り、該基材6表面を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ表面処理方法
及びプラスチック表面処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体表面の表面処理を行うドライプロセ
スとして、0.01〜10Torr程度の低圧でグロー
放電プラズマによる表面処理法が広く知られており、工
業的にも広く応用されている。これよりも高い圧力にな
ると放電が局所的になってアーク放電に移行し、耐熱性
の乏しいプラスチック基板への応用は困難となるため、
上記低圧下で行われている。上記の低圧を得るために、
容器は高価な真空チャンバーを必要とし、さらに真空排
気装置を設置する必要がある。また、真空中で処理する
ため大面積の基板に処理しようとすると、大きな真空容
器を使用しなければならなず、かつ、真空排気装置も大
出力のものが必要となる。その結果、設備が極めて高価
なものになってしまう。また、吸水率の高いプラスチッ
ク基板の表面処理を行なう場合、真空引きに長時間を用
し、処理品のコストが高くなるという問題点もあった。
【0003】そこで、このような問題点を克服するため
に、装置、設備の低コスト化と、大面積基板の処理が可
能な大気圧でのグロー放電プラズマによる表面処理方法
が提案され、例えば、細線型電極を用いて成膜する方法
が特公平2−48626号公報に開示されている。この
方法では、Heを主体とする不活性ガスと含フッ素ガス
やモノマーガスの混合物を、複数の開孔を有する多孔管
から基板近傍のプラズマ領域に供給する。
【0004】このような従来技術によって、基材の一部
分だけを部分的に表面処理する場合には、処理しない部
分を公知の方法によってマスクキングし、処理後にマス
キングを除去するという方法が一般的に採用されている
ため、マスキングに余分な工程を必要とするという欠点
があった。
【0005】特開平6ー108257号公報には、吹き
出し口端縁に突先部を設けた金属筒を電極とし、吹き出
し口からガスを吹き出して電圧を印加し、大気圧下で放
電プラズマを生成させるプラズマ反応装置が開示されて
いる。しかしながら、この装置では放電プラズマに接触
する基材部分のみが表面処理されるため、数cm2以上
の領域を処理する場合には、装置の数を増やしたり、装
置を走査する必要があり、装置機構が複雑になるという
欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決すべくものであり、その目的は、ガス雰囲気中で、
基材表面に放電プラズマに接触させることによって、大
気圧近傍の圧力下において、簡単な工程で基材の部分的
な表面処理が可能なプラズマ表面処理方法及びプラスチ
ック表面処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明のプラズマ表面
処理方法は、略水平方向に配設された相対する金属電極
と、該金属電極に対して略垂直方向に配設された固体誘
電体壁によって囲まれた処理空間に、基材を金属電極に
対して略水平となるように配置し、該処理空間に不活性
ガスと処理ガスとの混合ガスを導入し、大気圧近傍の圧
力下で電極に電圧を印加して放電プラズマを発生させ、
該放電プラズマを該基材表面に接触させることにより、
基材表面を処理することを特徴とする。
【0008】上記プラズマ表面処理とは、表面に官能基
層を形成または放電プラズマによりラジカル層を形成し
親水性や撥水性を付与し表面エネルギーが制御された表
面を形成することであり、このような表面処理によって
基板の濡れ性や接着性が改質され、さらに、電気特性や
光学特性等に優れた機能を有する膜を表面に形成するこ
とでもある。
【0009】上記基材としては、特に制限されず、プラ
スチックフィルム、シート、成形体等が使用可能であ
る。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレ
フタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル類;ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレ
フィン類の他、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリルなどが
挙げられる。基材としてプラスチックのフィルムを使用
する場合は、延伸物及び未延伸物のいずれもが使用可能
である。
【0010】上記基材としては、プラスチック以外に、
金属、ガラス、紙、繊維、セメント等の建築材料、不織
布等が挙げられ、これらのシート状物、成形品のいずれ
でもと使用可能であり、その表面が多孔質であってもよ
い。金属としては、ステンレス系鋼、炭素鋼、超鋼等の
合金;アルミニウム、銅、ニッケル等の単成分金属など
が挙げられる。
【0011】上記混合ガスとしては不活性ガスと処理ガ
スとの混合物が使用される。上記処理ガスは、プラズマ
表面処理の目的に応じて選択し、放電プラズマ雰囲気中
に供給することにより容易に表面処理が可能である。例
えば、基材表面にフッ素を化学結合させ表面エネルギー
を低くし撥水性を付与する場合には、フッ素含有ガスが
好適に使用される。このようなフッ素含有ガスとして
は、例えば、4フッ化炭素(CF4)や6フッ化炭素(C2F6)
や6フッ化プロピレン(C3F6)等のフッ化炭化水素ガ
ス;1塩素化3フッ素化炭素ガス(CClF3)等のハロゲ
ン化炭化水素ガス;6フッ化硫黄(SF6)等のフッ化硫黄
化合物が挙げられるが、安全性の点からフッ化水素等の
有害なガスが生成しない、4フッ化炭素、6フッ化炭素
や6フッ化プロピレン等が好ましい。
【0012】また、基材の表面エネルギーを高くして親
水性を付与する場合には、表面にカルボニル基、ヒドロ
キシル基、アミノ基等の官能基を有する層を形成するた
めに、炭化水素化合物のガスや蒸気が好適に使用され
る。このような炭化水素化合物としては、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等
のアルカン系ガス類;エチレン、プロピレン、ブテン、
ペンテン等のアルケン系ガス類;ペンタジエン、ブタジ
エン等のアルカジエン系ガス類;アセチレン、メチルア
セチレン等のアルキン系ガス類;ベンゼン、トルエン、
キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の
芳香族炭化水素系ガス類;シクロプロパン、シクロヘキ
サン等のシクロアルカン系ガス類;シクロペンテン、シ
クロヘキセン等のシクロアルケン系ガス類;メタノー
ル、エタノール等のアルコール系ガス類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン系ガス類;メタナール、エ
タナール等のアルデヒド系ガス類などが挙げられ、これ
らは単独で使用されてもよく2種以上が併用されてもよ
い。また、酸素ガス、酸素ガスと水素ガスの混合ガス;
水蒸気、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス;アンモニア
ガス等も使用可能である。
【0013】また、基材上にSiO2、TiO2やSnO2等の電気
的、光学的等の高機能を有する金属酸化物薄膜を形成す
る場合には、金属水素ガス、金属ハロゲン化ガス、金属
アルコラート等の金属有機化合物のガス又は蒸気を用い
ることによって形成可能である。
【0014】上記不活性ガスとしては、ヘリウム,ネオ
ン,アルゴン,キセノン等の希ガスや窒素ガスが挙げら
れ、これらは単独で用いられても2種以上が併用されて
もよい。上記不活性ガスのうち、ヘリウムガスは準安定
状態の寿命が長いため、上記処理用ガスを励起するのに
好ましい。また、ヘリウム以外の不活性ガスを用いる場
合は、2体積%以下のアセトン、メタノール等の蒸気や
メタン、エタン等の炭化水素ガスを混合するのが好まし
い。
【0015】前記処理ガスと不活性ガスとの混合比は、
用いるガスの種類により適宜決定されるが、処理ガスの
濃度は、高くなると高電圧を印加しても放電プラズマが
発生し難くなるので、10体積%以下が好ましく、より
好ましくは0.1〜5体積%の範囲である。
【0016】上記混合ガスの大気圧近傍の圧力下とは、
100〜800Torrの圧力下のことであり、特に圧
力調整が容易で装置が簡便になる700〜780Tor
rの範囲が好ましい。
【0017】以下、第1発明のプラズマ表面処理方法の
一例として図面を参照して説明する。図1は第1発明で
使用される処理装置の1例を示す模式図である。本処理
装置は、電源部1、上部電極2及び下部電極3ならびに
固体誘電体壁4a、4bから構成される。上記上部電極
2及び下部電極3は略水平方向に相対するように配設さ
れ、上部電極2と下部電極3間の周辺には、上記固体誘
電体壁4a、4bが垂設されている。
【0018】上記上部電極2及び下部電極3と固体誘電
体壁4a、4bによって囲まれた処理空間11に、基材
6を略水平方向に配置して、該基材6のプラズマ処理を
行う。処理空間の形状は、特に制限はなく、角筒形であ
ってもよく円筒形であってもよい。基材6には、上部及
び下部電極の露出面に対応する形状及び面積のプラズマ
処理が施される。
【0019】上記電極配置構造として、図1では水平方
向に上部電極2と下部電極3が対向する平行平板型を使
用したが、平行平板型以外の、同軸円筒型、円筒対向平
板型、球対向平板型、双曲面対向型でも複数の細線から
なるものが使用可能である。
【0020】上記上部電極2及び下部電極3の材質とし
ては、ステンレス、真鍮等の多成分系金属;銅、アルミ
ニウム等の純金属などが挙げられる。
【0021】上記基材6は、上部電極2と下部電極3の
接触部で水平に保持されるが、基材6として、金属等の
導電性材料、多孔質材料を使用する場合は、表面処理す
る部分に対向する電極表面を完全に覆うように固体誘電
体(図示しない)を装着するのが好ましい。上記固体誘
電体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)
等のプラスチック;パイレックスガラス等のガラス;S
iO2 、Al23、TiO2 等の単体やY23とZrO
2 からなる固溶体等のセラミックなどが挙げられ、処理
ガスと反応しないものが選択される。
【0022】上部電極2及び下部電極3間の距離は、固
体誘電体の厚みや、基材6の厚み、印加電圧の大きさ等
によって適宜決定されるが、基材6の厚み以上30mm
未満の範囲が好ましい。電極間距離が30mmを越える
と、放電プラズマがアーク放電に移行しやすくなり均一
性が損なわれるので好ましくない。
【0023】上記電源部1はkHz台の周波数の電圧を
印加可能であるが、例えば、耐熱性の低いプラスチック
製基材の表面処理には、1〜30kHzの低い周波数が
好ましい。
【0024】上部電極2と下部電極3に電圧を印加する
ことにより放電プラズマを発生するが、その際の電圧
は、電極形状や、電極間距離等によって適宜決められる
が、電圧印加時の電界強度は0.1〜40kV/cm程
度が好ましい。電界強度が0.1kV/cm未満である
と放電プラズマが発生し難くなって処理に時間がかか
り、電界強度が40kV/cmを越えるとアーク放電に
移行する挙動を示すので好ましくない。
【0025】前記混合ガスを処理空間11へ連続的に導
入することによって、処理空間11は混合ガスで置換さ
れ大気圧近傍の圧力に保たれる。上記混合ガスは、流量
調整されてガス導入管7a,7bから直接処理空間11
へ導入されてもよく、電極にガス導入管を配設してもよ
い。また、上記電極2及び下部電極3の対向面を、図1
に示すように多孔構造とし、この孔10より混合ガスを
処理空間11へ供給してもよい。特に、処理空間11が
大きくなったり、複雑な形状の場合は、このような孔1
0からの供給することにより、処理空間11への均一な
供給が可能となる。また、上記混合ガスは、固体誘電体
4a,4bに配設されたガス導入管から処理空間11へ
供給してもよい。
【0026】過剰に供給された混合ガスは、固体誘電体
4a,4bに配設されたガス排出孔8から排出される。
排出された混合ガスは、必要に応じて、除害器等により
除害して大気中に放出してもよく、処理空間へ供給して
再使用してもよい。なお、固体誘電体4a,4bが多孔
質である場合や1個以上の排出孔を有する場合は、排出
孔を設ける必要はないが、空気中に混合ガスが拡散しな
いように安全性を配慮して、必要に応じて、容器内で放
電プラズマ処理を行ってもよい。このような多孔質また
は排出孔を有する固体誘電体4a,4bを使用する場合
は、外部からの空気混入がないように、処理空間内を僅
かながら加圧状態にするのが好ましい。
【0027】上記基材は、必要に応じて加熱や冷却して
もよいが、撥水性や親水性を付与する場合は室温で十分
である。基材のプラズマ放電処理される部分の厚みは、
用途に応じて適宜決定されるが、放電プラズマが均一に
発生し易い0.03〜30mm未満が好ましい。基材に
は、公知の処理方法により、表面洗浄や表面活性化の処
理が施されていてもよい。
【0028】上記上部電極2及び下部電極3の孔10か
ら混合ガスを処理空間11内に導入し、両電極に所定の
電圧を印加して放電プラズマを発生させ、基材6に接触
させることにより、基材表面を放電プラズマ処理する。
【0029】放電プラズマ処理に要する時間は、印加電
圧の大きさや、基材、混合ガス配合等によって適宜決定
されるが、例えば、フッ化炭素ガスを使用してプラスチ
ック表面を撥水処理する場合、前記印加電圧の範囲で
は、5秒程度で撥水性能の付与が可能であり、それ以上
の時間をかけて処理しても効果は著しく向上せず、短時
間の処理で十分である。
【0030】次に、第2発明のプラスチック表面処理装
置について説明する。第2発明のプラスチック表面処理
装置は、略水平方向に配設された相対する上部及び下部
電極と該上部及び下部電極の周辺部に垂設された固体誘
電体壁によって形成される処理空間と、該処理空間に不
活性ガスと処理ガスとの混合ガスを導入するためのガス
導入管と、処理空間の排気を行うためのガス排出管と、
上記金属電極間に電圧を印加するための電源とを具備す
る。
【0031】第2発明の処理装置につき、図2に示す模
式図を参照しながら説明する。本処理装置は、電源部
1、上部電極2及び下部電極3ならびに固体誘電体壁4
a、4bから構成される。上記上部電極2及び下部電極
3は略水平方向に対向して配設され、上部電極2及び下
部電極3と、両方の電極の周辺から垂設された固体誘電
体壁4a、4bとによって処理空間11が形成されてい
る。
【0032】第2発明の上部電極2及び下部電極3に用
いられる材質は、第1発明で使用されるものと同様な材
質が使用される。また、第2発明で使用される固体誘電
体としては、第1発明で用いられるものと同様な材料が
使用される。
【0033】上記上部電極2と下部電極3にはそれぞれ
混合ガス導入管7a,7bが接続されており、混合ガス
は両方の電極の対向面に設けられた孔10より処理空間
11に供給される。また、上部電極2には電圧を印加す
るための電源部1が接続されている。
【0034】上記上部電極2と下部電極3には、絶縁具
9を介して装置を上下方向に開閉するために電極固定具
5が接続されており、電極固定具5を作動させて装置を
開け、基材6を固体誘電体壁4aと4bの間に挿入して
閉じることにより、基材6を固体誘電体壁4aと4bの
接触部で挟持することができる。このような構造を採用
して、基材を移動させながら部分的な処理を連続して行
うことにより、大きな基材でも比較的小さな装置によっ
て処理が可能となる。
【0035】また、上記固体誘電体壁4aと4bには、
過剰の混合ガスを排出するための排出管8が接続されて
いる。
【0036】本装置を使用して、第1発明と同様な方法
で、上記上部電極2と下部電極3の孔10から混合ガス
を、処理空間11へ供給しながら、両電極に所定の電圧
を印加して放電プラズマを発生させ、基材6表面に接触
させて、放電プラズマ処理を行うことにより、例えば、
基材に撥水性や親水性を付与することできる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例を示すが、本発明はこれによ
って限定されるものではない。 (実施例1、2)図2に示した円筒形の装置において、
1mmの孔が1cm間隔に設けられた直径120mmの
2枚のステンレス(SUS304) 製円板を対向するように配
置して、上部電極2及び下部電極3とし、内径90m
m、外径110mmのポリエチレンテレフタレート製円
筒を固体誘電体壁4a,4bとし、上下の固体誘電体壁
間に基材6として150□×3mm厚のポリカーボネー
ト板(旭硝子社製「商品名レキサン」、静的接触角67
度)を挟持させた。次いで、処理空間11に表1に示し
た組成の混合ガスを連続的に供給して大気圧とし、表1
に示した所定の印加電圧及び処理時間で放電プラズマ処
理を行い、基材6の両面に撥水化処理を施した。
【0038】撥水化処理された基材6表面に2mmの水
滴を1cm間隔で滴下し、共和界面科学社製接触角測定
装置「商品名CA−X150」を用いて基材両面の静的
接触角を測定したところ、放電プラズマが接触した直径
90mmの円形の領域のみが処理前の基材よりも大きな
接触角を示し、撥水化されていることが判明した。表1
には、静的接触角の最大値及び最小値を示した。
【0039】(実施例3)図2に示した円筒形の装置に
おいて、1mmの孔が1cm間隔に設けられたステンレ
ス(SUS304) 製の上部電極2の表面に500μm厚のY
2 3 安定化ZrO2 溶射膜を形成し、下側の固体誘電
体壁4bを使用せず、上側の固体誘電体壁4aとしてポ
リエチレンテレフタレートを使用し、基材6として15
0□×2mm厚の表面研磨したステンレス(SUS304) 板
を下部電極3と接するように配置した。次いで、表1に
示した混合ガスを処理空間に導入して大気圧とした後、
表1に示した所定の印加電圧及び処理時間で放電プラズ
マ処理を行い、基材6の上側にのみ撥水化処理を施し
た。上記基材の撥水化処理面につき、実施例1と同様に
して静的接触角を測定し、その結果を表1に示した。
【0040】(実施例4、5)表1に示した組成の混合
ガス、印加電圧及び処理時間で放電プラズマ処理を行っ
たこと以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート
板基材の両面に親水化処理を施した。この親水化処理さ
れた基材の両面につき、実施例1と同様にして静的接触
角を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】(実施例6)図2に示した円筒形の装置に
おいて、混合ガス導入管7a,7bから表1に示した組
成の異なる混合ガスをそれぞれ導入し、表1に示した印
加電圧及び処理時間で放電プラズマ処理を行ったこと以
外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート板基材の
両面に処理を施した。この撥水化処理された基材の両面
につき、実施例1と同様にして静的接触角を測定し、そ
の結果を表1に示した。静的接触角の測定結果から、基
材上面では、放電プラズマが接触した直径90mmの円
形の領域のみが撥水化処理され、基材下面では、放電プ
ラズマが接触した直径90mmの円形の領域のみが親水
化処理されていることが判明した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】第1発明のプラズマ表面処理方法は、上
述の構成であり、ガス雰囲気中で、基材表面に放電プラ
ズマに接触させることによって、大気圧近傍の圧力下に
おいて、簡単に基材の部分的な表面処理を行うことがで
きる。第2発明のプラスチック表面処理装置は、上述の
構成であり、大気圧近傍の雰囲気下で、基材の両面を同
時に表面処理することができるので、表面処理工程が簡
単になり、容易に表面処理行程をインライン化が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1発明に使用される表面処理装置の
一例を示す模式図である。
【図2】図2は、第2発明の表面処理装置の一例を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 電源 2 上部電極 3 下部電極 4a,4b 固体誘電体壁 5 電極固定治具 6 基材 7a,7b 混合ガス導入管 8 ガス排出管 9 絶縁具 10 孔 11 処理空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略水平方向に配設された相対する上部及び
    下部電極と、該上部及び下部電極の周辺部に垂設された
    固体誘電体壁によって形成される処理空間に、基材を上
    部及び下部電極に対して略水平となるように配置し、該
    処理空間に不活性ガスと処理ガスとの混合ガスを導入
    し、大気圧近傍の圧力下で電極に電圧を印加して放電プ
    ラズマを発生させ、該放電プラズマを基材表面に接触さ
    せることにより、該基材表面を処理することを特徴とす
    るプラズマ表面処理方法。
  2. 【請求項2】略水平方向に配設された相対する上部及び
    下部電極と該上部及び下部電極の周辺部に垂設された固
    体誘電体壁によって形成される処理空間と、該処理空間
    に不活性ガスと処理ガスとの混合ガスを導入するための
    ガス導入管と、処理空間の排気を行うためのガス排出管
    と、上記金属電極間に電圧を印加するための電源とを具
    備することを特徴とするプラスチック表面処理装置。
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