JP5021877B2 - 放電プラズマ処理装置 - Google Patents
放電プラズマ処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5021877B2 JP5021877B2 JP2001298024A JP2001298024A JP5021877B2 JP 5021877 B2 JP5021877 B2 JP 5021877B2 JP 2001298024 A JP2001298024 A JP 2001298024A JP 2001298024 A JP2001298024 A JP 2001298024A JP 5021877 B2 JP5021877 B2 JP 5021877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- plasma
- discharge
- generation space
- plasma generation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Plasma Technology (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電プラズマ処理装置に関し、特に、電圧印加電極と基材の間に金属板を設置することにより基材への電界の影響をなくした放電プラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、低圧条件下でグロー放電プラズマを発生させて被処理体の表面改質、又は被処理体上に薄膜形成を行う方法が実用化されている。しかし、これらの低圧条件下における処理装置は、真空チャンバー、真空排気装置等が必要であり、表面処理装置は高価なものとなり、大面積基板等を処理する際にはほとんど用いられていなかった。このため、特開平6−2149号公報、特開平7−85997号公報等に記載されているような大気圧近傍の圧力下で放電プラズマを発生させる常圧プラズマ処理装置が提案されてきている。
【0003】
しかしながら、常圧プラズマ処理方法においても、固体誘電体等で被覆した平行平板型等の電極間に被処理体を設置し、電極間に電圧を印加し、発生したプラズマで被処理体を処理する装置では、被処理体全体を放電空間に置くこととなり、被処理体にダメージを与えることになりやすいという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、被処理体を放電空間中に配置するのではなく、その近傍に配置し、放電空間から被処理体にプラズマを吹き付けるリモート型の装置が提案されている。特開平11−251304号公報及び特開平11−260597号公報には外側電極を備えた筒状の反応管及び反応管の内部に内側電極を具備し、両電極に冷却手段を設け、反応管内部でグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出して被処理体に吹きつけるプラズマ処理装置が、特開平11−335868号公報には平行平板型の電極を用い、さらに被処理体近傍の排気手段によって、プラズマを被処理体に接触させるプラズマ処理装置が開発されている。
【0005】
しかしながら、これらの装置は、放電空間から被処理体までの距離が遠く、このため、生成したプラズマを効率的に被処理体に接触させることができない。一方、電極を被処理体に近付けると、電極間のみでなく、印加電極と被処理体との間でも放電が起こりやすくなり、放電が安定しにくく、基材上に形成される薄膜にスジ状の模様が入って、膜質不良となるという問題を生じていた。さらに、被処理体が半導体デバイス等の場合には、放電が発生するに至らなくとも被処理体に電界がかかるだけで問題となるため、さらなる改良が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、高速処理及び大面積処理に対応可能でかつ、基材にダメージを与えず、異常放電を抑制し、基材上に形成される薄膜等に影響を与えない放電プラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、電圧印加電極と基材の間に金属板を設置した放電プラズマ装置を用いることにより、対向電極間で安定したグロー放電プラズマを発生させ、放電空間外に配置した被処理基材に接触させることにより、均一で、高速処理が可能で、かつ基材にダメージを与えず、良質な薄膜等を形成する処理を行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の特許請求しない第1の発明は、電圧印加電極と接地電極からなる対向電極を有し、前記対向電極の少なくとも一方の電極対向面が固体誘電体で被覆され、前記対向電極間に電界を印加することにより前記対向電極間に発生するグロー放電プラズマを、プラズマ発生空間外に配置された基材に導いて処理を行う処理装置であって、前記電圧印加電極と基材との間に金属板を設置することを特徴とする放電プラズマ処理装置である。
【0009】
また、本発明の特許請求しない第2の発明は、前記金属板と基材とが同電位になされていることを特徴とする上記第1の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
また、特許請求しない第3の発明は、電源に接続された電圧印加電極と、前記電圧印加電極と1の方向に対向してプラズマ発生空間を形成し、かつ接地された接地電極からなる平行平板電極を有し、前記平行平板電極を構成する2つの電極のうち少なくとも一方の電極の対向面が固体誘電体で被覆され、前記プラズマ発生空間に処理ガスを導入し、かつ前記電源にて前記2つの電極間に電界を印加することにより前記プラズマ発生空間内に大気圧近傍の圧力下でグロー放電プラズマを発生させ、更に前記処理ガスを前記プラズマ発生空間から前記1の方向と直交する方向に離れた位置に配置された基材に導いて処理を行う処理装置であって、前記電圧印加電極と前記位置との間に金属板が設置され、前記電圧印加電極と前記金属板との間に絶縁性の絶縁スペーサーが設けられ、前記絶縁スペーサーが前記プラズマ発生空間に連なる開口部を有し、前記金属板が前記絶縁スペーサーの前記開口部に連なる開口部を有し、前記絶縁スペーサーの前記開口部の前記1の方向の幅が、前記プラズマ発生空間の前記1の方向の幅より狭く、前記処理ガスが、前記プラズマ発生空間から前記絶縁スペーサーの前記開口部及び前記金属板の前記開口部を順次経て前記位置へ吹き出されることを特徴とする。
【0010】
本発明は、電源に接続された電圧印加電極と、接地された接地電極とからなる平行平板電極を有し、前記電圧印加電極と前記接地電極とが、1の方向に対向して両者間にプラズマ発生空間を形成し、前記平行平板電極を構成する2つの電極のうち少なくとも一方の電極の対向面が固体誘電体で被覆され、前記プラズマ発生空間に処理ガスを導入し、かつ前記電源にて前記2つの電極間に電界を印加することにより前記プラズマ発生空間内に大気圧近傍の圧力下でグロー放電プラズマを発生させ、更に前記処理ガスを前記プラズマ発生空間から離れた位置に配置された基材に導いて処理を行う処理装置であって、前記プラズマ発生空間と前記位置とが前記1の方向に離れ、前記接地電極が、前記電圧印加電極と前記位置との間に配置され、前記接地電極には前記プラズマ発生空間を向く面から前記位置を向く面に貫通するガス通過口が形成されていることを特許請求する特徴とする。
【0011】
前記電界が、パルス立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が10μs以下、電界強度が10kV/cm〜1000kV/cm、周波数が0.5kHz〜500kHzのパルス電界であることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、大気圧近傍の圧力下でグロー放電プラズマを発生させることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、対向する電極の少なくとも一方の対向面を固体誘電体で被覆した電圧印加電極と接地電極からなる対向電極間に電界を印加し、当該電極間に処理ガスを導入して発生するグロー放電プラズマを放電空間から離れた位置に配置された基材に誘導して接触させて処理する放電プラズマ処理装置において、電圧印加電極と基材間にかかる電界を遮断するために、電圧印加電極と基材の間に金属板を設置させた放電プラズマ処理装置である。以下に詳細に本発明を説明する。
【0014】
本発明の装置の一例を図で説明する。図1は、本発明のプラズマ放電装置の電圧印加電極2と接地電極3、金属板6、基材10の位置を説明するための模式的装置図である。図1において、電圧印加電極2と接地電極3は対向して設けられ、電圧印加電極2と基材10の間には金属板6が設置されている。処理ガスは、矢印方向に電圧印加電極2と接地電極3間に形成される放電空間4に導入され、プラズマ化され、プラズマ吹き出し口5より基材10に吹き付けられる。金属板6は、電圧印加電極2への高電圧印加時に、電圧印加電極2−基材10間にかかる電界から基材10を遮断する効果を有する。また、金属板6はガスの整流のために、電圧印加電極の下側のみでなく、接地電極の下側にもかかるように設置されている。図1においては、金属板6は両電極全体の下側に設けられ、プラズマ吹き出し口5に対応する開口部を有する例を示している。また、電圧印加電極2と金属板6の間には、絶縁性の高い物質、すなわち、放電が生じにくい物質、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂、石英等のセラミックス、空気等のガスで構成される絶縁スペーサー7を存在させるのが好ましい。絶縁スペーサー7は、金属板6と同様の大きさで、プラズマ吹き出し口5に対応する開口部を有するものが好ましい。また、金属板6と基材10は、金属板6及び基材10の両方を接地したり、電気的に接触する等の手段で同電位になるようにされるのが好ましい。
【0015】
図1のように、金属板が電圧印加電極2と基材10の間に設置されることにより、従来、電圧印加電極2と基材10の間にかかっていた電界は、電圧印加電極2と金属板6の間の電界に置き換わる。すなわち、電界が基材10にかかる前に金属板6にかかり、基材10からみれば電界が遮蔽された構造となる。また、絶縁スペーサー7は、電圧印加電極2と金属板6の間の電界及び放電を和らげる働きがあり、金属板6及び電圧印加電極2と金属板6の間の空間に対する熱的、電気的負荷を軽減する働きもするものである。
【0016】
さらに、金属板と接地電極を兼ねる構成にすることもできる。図2は、金属板と接地電極を兼ねる場合の例を示す模式的装置図である。複数のガス導入口を有する電圧印加電極2と金属板6を兼ねた接地電極3との間に電界を印加するものであり、電圧印加電極2は、固体誘電体11によって被覆され、また接地電極3のガス通過口12に対応する位置にも固体誘電体13が設けられている。
【0017】
上記電極の材質としては、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられる。電極の形状としては、プラズマ放電が安定にできれば、特に限定されないが、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極間の距離が一定となる構造であることが好ましく、より好ましくは電圧印加電極と接地電極間の間が平行平坦部分を有する形状であり、特に好ましくは、両電極が略平面形状であるのが好ましい。
【0018】
上記固体誘電体は、電極の対向面の一方又は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が生じやすい。
【0019】
上記固体誘電体の厚みは、0.01〜4mmであることが好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高電圧を要することがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発生することがある。
【0020】
固体誘電体の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0021】
特に、25℃環境下における比誘電率が10以上のものである固体誘電体を用いれば、低電圧で高密度の放電プラズマを発生させることができ、処理効率が向上する。比誘電率の上限は特に限定されるものではないが、現実の材料では18,500程度のものが入手可能であり、本発明に使用出来る。特に好ましくは比誘電率が10〜100の固体誘電体である。上記比誘電率が10以上である固体誘電体の具体例としては、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物を挙げることが出来る。
【0022】
上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して適宜決定されるが、0.1〜50mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜5mmである。0.1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するのに充分でないことがあり、一方、50mmを超えると、均一な放電プラズマを発生させにくい。
【0023】
本発明では、上記電極間に、高周波、パルス波、マイクロ波等による電界が印加され、プラズマを発生させるが、パルス電界を印加することが好ましく、特に、電界の立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が、10μs以下である電界が好ましい。10μsを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実現することは、実際には困難である。より好ましくは50ns〜5μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すものとする。
【0024】
上記パルス電界の電界強度は、10〜1000kV/cmとなるようにするのが好ましく、より好ましくは20〜1000kV/cmである。電界強度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
【0025】
上記パルス電界の周波数は、0.5kHz以上であることが好ましい。0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎる。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも構わない。負荷との整合のとり易さや取り扱い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。このようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大きく向上させることができる。
【0026】
また、上記パルス電界におけるひとつのパルス継続時間は、200μs以下であることが好ましい。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0027】
本発明の放電プラズマ処理装置は、どのような圧力下でも用いることができるが、大気圧近傍の圧力下でグロー放電プラズマを発生させる常圧放電プラズマ処理に用いるとその効果を十分に発揮できる。常圧放電プラズマ処理においては、低圧下の処理よりも高い電圧を必要とするため、本発明の装置が特に有利である。
【0028】
上記大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0029】
本発明で処理できる被処理基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等が挙げられる。基材の形状としては、板状、フィルム状等のものが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の表面処理方法によれば、様々な形状を有する基材の処理に容易に対応することができる。
【0030】
本発明で用いる処理ガスとしては、電界を印加することによってプラズマを発生するガスであれば、特に限定されず、処理目的により種々のガスを使用できる。
【0031】
上記処理用ガスとして、CF4、C2F6、CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いることによって、撥水性表面を得ることができる。
【0032】
また、処理用ガスとして、O2、O3、水、空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を堆積することもできる。
【0033】
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、光学的機能を与えることができ、ハロゲン系ガスを用いてエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸素系ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行ったり、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマで表面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0034】
経済性及び安全性の観点から、上記処理用ガス単独雰囲気よりも、以下に挙げるような希釈ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好ましい。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素気体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。また、希釈ガスを用いる場合、処理用ガスの割合は0.01〜10体積%であることが好ましい。
【0035】
なお、本発明の装置によれば、プラズマ発生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラズマを発生させることが可能である。公知の低圧条件下におけるプラズマ処理はもちろん、特定のガス雰囲気下の大気圧プラズマ処理においても、外気から遮断された密閉容器内で処理を行うことが必須であったが、本発明のグロー放電プラズマ処理装置を用いた方法によれば、開放系、あるいは、気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理が可能となる。
【0036】
本発明のパルス電界を用いた大気圧放電処理装置によると、全くガス種に依存せず、電極間において直接大気圧下で放電を生じせしめることが可能であり、より単純化された電極構造、放電手順による大気圧プラズマ装置、及び処理手法でかつ高速処理を実現することができる。また、パルス周波数、電圧、電極間隔等のパラメータにより処理に関するパラメータも調整できる。
【0037】
【実施例】
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
図1に示す装置を用い、放電プラズマ処理を行った。電圧印加電極2及び接地電極3として、長さ242mm×高さ60mm×厚み20mmのSUS製平行平板電極を用い、各電極には固体誘電体としてアルミナを1mmの厚さに溶射し、2mmの間隔をおいて設置した。金属板6として、242mm×42mm×1mmのSUS製板をプラズマ吹き出し口5に対応した開口部を有するようにし、同じ形状のポリテトラフルオロエチレン樹脂製絶縁スペーサーを介して電極の下部に設置した。基材として、シリコーンウェーハを用い、金属板6との間隔を2mmになるように設置した。処理ガスとして、N280体積%とO220体積%の混合希釈ガス中にTEOSを0.02g/minとなるように放電空間4に導入し、電極間に電圧20kVPP、周波数10kHzのパルス電界を印加したところ、放電状態は、均一に良好であり、基材との異常放電も生ぜず、基材上にSiO2薄膜が100nmの厚さで均一に形成された。
【0039】
比較例1
金属板、絶縁スペーサーを設置しない以外は、実施例と同様にして基材上への薄膜形成を行った。放電開始後、基材に向かって電圧印加電極先端から、針状の微少な落雷が見られ、基材の落雷箇所の薄膜には打痕状の模様が認められた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の常圧プラズマ処理装置は、被処理基材に熱的、電気的ダメージを与えず、かつ異常放電をが起きない簡便な処理装置であるので、高速処理及び大面積処理に対応可能でかつ半導体製造工程で用いられる種々の方法を始めとして、あらゆるプラズマ処理方法において、インライン化及び高速化を実現するのに有効に用いることができる。これにより、処理時間の短縮化、コスト低下が可能になり、従来では不可能あるいは困難であった様々な用途への展開が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電プラズマ処理装置の例を説明する模式的装置図である。
【図2】本発明の放電プラズマ処理装置の他の例を説明する模式的装置図である。
【符号の説明】
1 電源(高電圧パルス電源)
2 電圧印加電極
3 接地電極
4 放電空間
5 ガス吹き出し口
6 金属板
7 絶縁スペーサー
10 基材
11 固体誘電体
12 ガス通過口
13 固体誘電体
Claims (1)
- 電源に接続された電圧印加電極と、接地された接地電極とからなる平行平板電極を有し、前記電圧印加電極と前記接地電極とが、1の方向に対向して両者間にプラズマ発生空間を形成し、前記平行平板電極を構成する2つの電極のうち少なくとも一方の電極の対向面が固体誘電体で被覆され、前記プラズマ発生空間に処理ガスを導入し、かつ前記電源にて前記2つの電極間に電界を印加することにより前記プラズマ発生空間内に大気圧近傍の圧力下でグロー放電プラズマを発生させ、更に前記処理ガスを前記プラズマ発生空間から離れた位置に配置された基材に導いて処理を行う処理装置であって、前記プラズマ発生空間と前記位置とが前記1の方向に離れ、前記接地電極が、前記電圧印加電極と前記位置との間に配置され、前記接地電極には前記プラズマ発生空間を向く面から前記位置を向く面に貫通するガス通過口が形成されていることを特徴とする放電プラズマ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001298024A JP5021877B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 放電プラズマ処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001298024A JP5021877B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 放電プラズマ処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003100646A JP2003100646A (ja) | 2003-04-04 |
JP5021877B2 true JP5021877B2 (ja) | 2012-09-12 |
Family
ID=19118992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001298024A Expired - Lifetime JP5021877B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 放電プラズマ処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5021877B2 (ja) |
Families Citing this family (27)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004103035A1 (ja) * | 2003-05-14 | 2004-11-25 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | プラズマ処理装置およびその製造方法 |
JP3686662B1 (ja) * | 2003-05-14 | 2005-08-24 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP3853803B2 (ja) * | 2004-02-04 | 2006-12-06 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置およびその製造方法 |
JP2005302681A (ja) * | 2003-05-14 | 2005-10-27 | Sekisui Chem Co Ltd | プラズマ処理装置 |
JP4506111B2 (ja) * | 2003-06-26 | 2010-07-21 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 薄膜形成方法及び薄膜製造装置 |
JP4506110B2 (ja) * | 2003-06-26 | 2010-07-21 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 薄膜形成方法及び薄膜製造装置 |
KR101002335B1 (ko) | 2003-10-08 | 2010-12-17 | 엘지디스플레이 주식회사 | 상압 플라즈마 처리 장치 |
JP4541114B2 (ja) * | 2004-07-06 | 2010-09-08 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP4398330B2 (ja) * | 2004-09-02 | 2010-01-13 | 株式会社イー・スクエア | プラズマ表面処理装置 |
JP4564874B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2010-10-20 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP4551262B2 (ja) * | 2005-04-05 | 2010-09-22 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP4643387B2 (ja) * | 2005-08-10 | 2011-03-02 | シャープ株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP4714557B2 (ja) * | 2005-11-02 | 2011-06-29 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP2007141583A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Uinzu:Kk | 放電プラズマ処理装置及び放電プラズマ処理方法 |
JP2007141582A (ja) * | 2005-11-16 | 2007-06-07 | Uinzu:Kk | 放電プラズマ処理装置 |
JP2007250284A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | National Univ Corp Shizuoka Univ | プラズマ電極 |
CN101658076A (zh) | 2007-03-27 | 2010-02-24 | 积水化学工业株式会社 | 等离子处理装置 |
JP4647705B2 (ja) * | 2007-04-19 | 2011-03-09 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
DE102007037406A1 (de) * | 2007-08-08 | 2009-06-04 | Neoplas Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur plasmagestützten Oberflächenbehandlung |
KR100975665B1 (ko) * | 2008-01-25 | 2010-08-17 | (주)에스이 플라즈마 | 양산용 상압 플라즈마 발생장치 |
KR101429263B1 (ko) * | 2008-08-29 | 2014-09-23 | 주식회사 뉴파워 프라즈마 | 용량 결합 플라즈마 반응기 및 이를 이용한 플라즈마 처리 방법 및 이것에 의해 제조된 반도체 장치 |
JP4861387B2 (ja) * | 2008-09-19 | 2012-01-25 | 積水化学工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP6026079B2 (ja) * | 2011-03-01 | 2016-11-16 | マイクロプラズマ株式会社 | プラズマ電極 |
JP5678823B2 (ja) * | 2011-07-06 | 2015-03-04 | 豊田合成株式会社 | 金属と樹脂との複合体及びその製造方法 |
JP6127276B2 (ja) | 2014-02-04 | 2017-05-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | プラズマ処理装置及び方法 |
JP6295439B2 (ja) | 2015-06-02 | 2018-03-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | プラズマ処理装置及び方法、電子デバイスの製造方法 |
EP3806586B1 (en) * | 2018-05-30 | 2022-07-13 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial Systems Corporation | Active gas generation device |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3399887B2 (ja) * | 1999-09-22 | 2003-04-21 | パール工業株式会社 | プラズマ処理装置 |
JP3580211B2 (ja) * | 2000-02-23 | 2004-10-20 | セイコーエプソン株式会社 | 局所処理装置 |
JP2002170820A (ja) * | 2000-11-30 | 2002-06-14 | Sharp Corp | 薄膜トランジスタの製造方法およびそれに用いられるプラズマ処理装置 |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001298024A patent/JP5021877B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003100646A (ja) | 2003-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5021877B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP3823037B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003019433A (ja) | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いた処理方法 | |
JP2003217898A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
KR20040048272A (ko) | 대기압 플라즈마를 이용한 표면처리장치 | |
JP3962280B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP3782708B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いる放電プラズマ処理方法 | |
JP2003218099A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JP2003318000A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003166065A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003208999A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JP2003317998A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JP3722733B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003338398A (ja) | 放電プラズマ処理方法及びその装置 | |
JP3793451B2 (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2004207145A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2003129246A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2002320845A (ja) | 常圧プラズマ処理装置 | |
JP4772215B2 (ja) | 常圧プラズマ処理装置 | |
JP2003142298A (ja) | グロー放電プラズマ処理装置 | |
JP2003049276A (ja) | 放電プラズマ処理装置及びそれを用いた処理方法 | |
JP2003171768A (ja) | 放電プラズマ処理装置 | |
JP2004115896A (ja) | 放電プラズマ処理装置及び放電プラズマ処理方法 | |
JP2002151476A (ja) | レジスト除去方法及びその装置 | |
JP2003113475A (ja) | 放電プラズマ処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080604 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110216 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110412 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120416 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20120426 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120523 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120615 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5021877 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622 Year of fee payment: 3 |