JP3593168B2 - シートの連続表面処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シートの連続表面処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック、金属、紙、繊維等からなるシートは、家電部材、自動車部品等として汎用されているが、これらシートの利用価値を高める目的で、シート成形後にその表面処理が行われることが多い。このような表面処理としては、例えば、シート表面に官能基層を形成したり、放電プラズマによりラジカル層を形成したりしてシート表面エネルギーを制御し、また、親水性、撥水性等を付与して濡れ性、接着性等を改質し、更には、電気特性、光学特性等に優れた機能を有する膜を形成させる等が挙げられる。
【0003】
従来、シートの表面を改質し、優れた機能を有する膜を表面に形成する方法としては、大気圧下でのコロナ放電処理による方法、減圧下でのグロー放電によるプラズマ処理法、プラズマ重合法、プラズマCVD法等が知られている。
【0004】
大気圧下でのコロナ放電処理による方法は、シートの表面処理のドライプロセスとして実用化されているが、この方法は、シートの表面を酸化させ、親水化させるのみであり、例えば、撥水性に改良したり、薄膜をコーティングする等は困難であった。
【0005】
減圧下でのグロー放電によるプラズマ処理法は、表面処理の種々の目的に対応し得る処理方法として、産業的にも広く応用されている。しかし、この処理方法は、0.01〜10Torrの低圧領域でのグロー放電プラズマを用いるので、密閉槽、ポンプ等が必要になり、装置が大掛かりなものになる等の欠点を有していた。
【0006】
また、連続的にシートの表面処理を行う方法としては、長尺のシートをロール状に巻き上げたものを真空チャンバー内に入れ、チャンバー内でロールからシートを随時に引き出してシート表面に随時処理を施すバッチ方式、大気圧下から減圧下へ徐々に排気を行う差動排気方式により処理する方法等が知られている。しかし、これらの連続処理方法についても、処理室内を排気するために大容量を有する非常に大きなポンプが必要になるので、処理装置の大型化が避けられない欠点を有している。
【0007】
例えば、シート表面の連続処理を、種々の目的に対応し得るように減圧下でのグロー放電により行う場合には、上述のバッチ方式が用いられるが、この処理方法では、例えば、表面処理を施すシートが吸水性の高いプラスチック製シート等である場合、真空引きに長時間を要したり、ロール等の走行系が高価になるために、処理品がコスト高となる欠点があった。
【0008】
特開平3−143930号公報には、大気圧下でシートを連続的に表面処理するために、処理容器内をヘリウムガス等の混合ガスに置換した後、混合ガスを連続的に導入しつつ大気圧下にシートを非気密状態にシールされた導入口から導入してプラズマ放電処理を連続的に施す技術が開示されている。しかしながら、この方法では、シートの走行速度が約3m/分を超えると、外部空気の巻き込みにより、放電プラズマ中に空気が混入し、目的を達成することが困難となる欠点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、大気圧近傍の圧力下においても、かつシート走行速度を速くしても、連続的にシートの表面処理が可能であるシートの連続表面処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、不活性ガスと処理ガスとの混合ガスを大気圧近傍の圧力下で充満させた処理容器内に、一対の金属対向電極を配設し、前記金属対向電極の間にシートを連続的に走行させつつ、前記金属対向電極間に電圧を印加して放電プラズマを発生させることにより前記シート表面を処理するシートの連続表面処理方法において、前記処理容器内へのシート導入口及び前記処理容器内からのシート排出口が、混合ガスの漏れを許容しうる程度の非気密状態にシールされており、前記金属対向電極のうちの少なくとも一方の対向面の表面が、固体誘電体により完全に覆われており、前記混合ガスを、前記シートの表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させるところに存する。
【0011】
本発明で使用される不活性ガスとしては特に限定されず、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス;窒素ガス等が挙げられるが、好ましくは、ヘリウムガスである。ヘリウムガスは、準安定状態の寿命が長いので、上記処理ガスを励起するのに有利である。上記不活性ガスは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記不活性ガスとしてヘリウムガス以外のガスを用いる場合には、例えば、アセトン、メタノール等の有機物蒸気;メタン、エタン等の炭化水素ガス等を、0〜2体積%混合するのが好ましい。
【0012】
本発明では、上記不活性ガスに処理ガスを混合して処理容器内に充満させる。上記処理ガスは、表面処理の目的に応じて選択する。
上記処理ガスとしては、表面エネルギーを低くし、撥水性を付与する場合には、基板表面にふっ素を化学結合させる含ふっ素ガスを選択する。上記含ふっ素ガスとしては特に限定されず、例えば、4ふっ化炭素、6ふっ化炭素、6ふっ化プロピレン等のふっ化炭化水素ガス;1塩素化3ふっ素化炭素ガス等のハロゲン化炭化水素ガス;6ふっ化硫黄等のふっ化硫黄化合物等が挙げられるが、好ましくは、4ふっ化炭素、6ふっ化炭素、6ふっ化プロピレン等である。これらは安全であり、ふっ化水素等の有害なガスが生成しない。
【0013】
また上記処理ガスとしては、表面エネルギーを高くし、親水性を付与する場合には、例えば、カルボニル基、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基を有する層を表面に形成させる炭化水素化合物のガスやその蒸気を選択する。
【0014】
上記カルボニル基、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基を有する層を表面に形成させる炭化水素化合物のガスとしては特に限定されず、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン系ガス類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン系ガス類;ペンタジエン、ブタジエン等のアルカジエン系ガス類;アセチレン、メチルアセチレン等のアルキン系ガス類;ベンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン等の芳香族炭化水素系ガス類;シクロプロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系ガス類;シクロベンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン系ガス類;メタノール、エタノール等のアルコール系ガス類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系ガス類;メタナール、エタナール等のアルデヒド系ガス類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、酸素ガス、酸素ガスと水素ガスとの混合ガスやその蒸気、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス、アンモニアガス等を用いてもよい。
【0015】
電気的、光学的に高機能である二酸化けい素、二酸化チタン、酸化第二すず等の金属酸化物薄膜を表面に形成する場合には、上記処理ガスとしては、例えば、金属水素ガス;金属ハロゲン化ガス;金属アルコラート等の金属有機化合物のガスやその蒸気等を選択する。
【0016】
上記不活性ガス及び上記処理ガスの混合比は、用いられるガスの種類により適宜選択される。好ましくは、上記処理ガスの濃度が、0〜10体積%であり、より好ましくは、0.1〜5体積%である。10体積%を超えると、高電圧を印加しても、放電プラズマが発生し難くなる。
【0017】
本発明においては、上記混合ガスの処理容器内における圧力を、大気圧近傍の圧力下に維持する。上記大気圧近傍の圧力下の圧力としては、100〜800Torrが好ましく、より好ましくは、700〜780Torrである。700〜780Torrであると、圧力調整が容易になり、装置が簡便になる。
【0018】
本発明においては、処理容器内に一対の金属対向電極を配設する。上記金属対向電極としては特に限定されず、例えば、ステンレス、真ちゅう等の多成分系の金属からなるもの;銅、アルミニウム等の純金属からなるもの等が挙げられる。
【0019】
上記一対の金属対向電極は、その少なくとも一方の対抗面の表面が、固体誘電体により完全に覆われている。上記一対の金属対向電極の間への印加により、上記金属対向電極間に所望の放電プラズマを発生させることができる。上記固体誘電体が、上記一対の金属対向電極のうちの少なくとも一方の対向面の表面を完全に覆っていない場合には、その部分からアーク放電が生じるので、上記固体誘電体の配設は、上記の構造に限定される。
【0020】
上記固体誘電体の材質としては特に限定されず、例えば、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック;二酸化けい素、パイレックスガラス、酸化アルミニウム、二酸化チタン等のガラスやセラミックス等が挙げられる。これらは、シート状で用いてもよく、フィルム状で用いてもよい。
上記固体誘電体の厚みは、0.05〜4mmが好ましい。0.05mm未満であると、高電圧印加時に、絶縁破壊が起こりアーク放電が生じ、4mmを超えると、放電し難くなる。
【0021】
本発明においては、表面処理に供されるシートは、上記金属対向電極の間を連続的に走行させるように処理容器内に導入され、排出される。上記シートの導入及び排出は、公知の通常の方法により行うことができる。処理容器へのシート導入口、及び、処理容器からのシート排出口は、混合ガスの漏れを許容しうる程度の非気密状態にシールされる。処理容器内の混合ガスは大気圧近傍の圧力下にあり、上記シールにより、混合ガスが処理容器の外に漏れることを遮断する必要性はない。
【0022】
本発明においては、上記混合ガスにより処理容器内の空気を置換した後、上記混合ガスを上記処理容器内に連続的に導入する。上記混合ガスの導入は、上記シートを上記金属対向電極の間に連続的に走行させつつ、上記混合ガスを、上記シートの表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させることにより行う。上記逆の方向については、後に詳しく例示をもって説明する。本発明においては、シートの表面に接触させるように上記混合ガスを供給することにより、放電プラズマ中に空気が巻き込むことを減少させることができ、これにより処理能力の低下を未然に防ぐことができる。
【0023】
本発明2のシートの連続表面処理装置は、不活性ガスと処理ガスとの混合ガスを大気圧近傍の圧力下で充満させた処理容器内に、一対の金属対向電極を配設し、前記金属対向電極の間にシートを連続的に走行させつつ、前記金属対向電極間に電圧を印加して放電プラズマを発生させることにより前記シート表面を処理するように構成したシートの連続表面処理装置において、前記処理容器内へのシート導入口及び前記処理容器内からのシート排出口が、混合ガスの漏れを許容しうる程度の非気密状態にシールされており、前記金属対向電極のうちの少なくとも一方の対向面の表面が、固体誘電体により完全に覆われており、前記混合ガスを前記シートの表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させるように配設したガス流発生機構を有することよりなるものである。
【0024】
上記シートの連続表面処理装置としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
図1は、上記シートの連続表面処理装置の一例の断面図である。図1の装置は、電源部1、処理容器2、上部電極3、下部電極4、ターボブロアーによるガス流発生機構5、シート6、シート導入口7、シート排出口8、固体誘電体9、ガス導入管10、ガス排出口11、固体誘電体製側壁12、ガス流路13、及び、シート走行系一式から構成される。
【0025】
上記電源部1は、kHz台の周波数の電圧が印加可能であれば特に限定されず、例えば、耐熱性の低いプラスチック製シートの表面処理を行う場合には、1〜30kHzの電圧が印加可能であるものが好ましい。
放電プラズマは、上記電源部1による電圧の印加によって発生させる。上記電圧は、例えば、上記上部電極3及び上記下部電極4の形状、上記固体誘電体9の厚みや種類、上記上部電極3と上記下部電極4との間の距離等により適宜決められる。好ましくは、電界強度が、1〜40kV/cmである。1kV/cm未満であると、処理に時間がかかり、上記シート6の走行時間が遅くなり、40kV/cmを超えると、アーク放電に移行する挙動を示す。
【0026】
上記処理容器2としては特に限定されず、例えば、ステンレス製のもの(SUS304)、他の金属製のもの、ガラス製のもの、プラスチック製のもの等があげらる。上記処理容器2には、その両側壁に、上記シート6が導入されるシート導入口7と上記シート6の表面処理終了部が排出されるシート排出口8とがそれぞれ設けられている。
【0027】
上記シート6は、上記処理容器2外部に設けられたロールによって、上記シート導入口7から上記シート排出口8へと搬送される。
上記シート導入口7及び上記シート排出口8は、上記処理容器2内部の充満ガスの漏れを許容しうる程度の非気密状態にシールされており、例えば、ポンプによりわずかに連続的に排気可能である構造を有しているもの等が好ましい。また、上記シート導入口7及び上記シート排出口8は、バルブにより開閉可能である機構を有しており、開状態で上記シート6を配置及び撤去し、閉状態で表面処理を行う。
【0028】
上記上部電極3及び上記下部電極4の配置構造としては特に限定されず、図1に示された平行平板型構造のほか、例えば、平行平板型構造、同軸円筒型構造、円筒対向平板型構造、球対向平板型構造、双曲面対向型構造、複数の細線と対向する平板からなる構造等が挙げられる。上記上部電極3と上記下部電極4との間の距離は、固体誘電体9の厚み、シート6の厚み、印加電圧の大きさ等により適宜決定される。好ましくは、1〜30mmである。1mm未満であると、上記シート6が、走行中に上記上部電極3に触れ傷つく可能性があり、30mmを超えると、放電プラズマの均一性が損なわれる。
【0029】
上記上部電極3及び上記下部電極4は、図1に示されたように上記上部電極3を接地側として、上記下部電極4を負荷側としてもよく、上記上部電極3を負荷側して、上記下部電極4を接地側としてもよい。
【0030】
上記上部電極3の幅及び上記下部電極4の幅は、上記シート6の幅と同等又はそれ以上が好ましい。上記上部電極3の長さ及び上記下部電極4の長さは、適宜決定され、好ましくは、上記上部電極3の幅又は上記下部電極4の幅以下である。上記上部電極3の幅又は上記下部電極4の幅を超えると、放電プラズマの均一性が損なわれる。また、上記上部電極3の長さ及び上記下部電極4の長さがより長くなると、上記上部電極3の面積及び上記下部電極4の面積が大きくなり、上記シート6が放電プラズマに接触する距離が長くなるので、走行速度が高めるられるが、面積増加に伴い、印加電圧が大きくなるので、電源、安全設備等の装置が高価になる。
【0031】
図1では、1組の電極しか示されていないが、必要に応じて、多数組の電極を設置し、上記シート6が放電プラズマに接触する距離を長くし、高速で上記シートを走行させてもよい。
【0032】
上記固体誘電体9は、上記金属電極のうち少なくとも一方の対向面の表面を完全に覆っている。上記固体誘電体9は、図1に示されるように上記下部電極4の上記上部電極3に臨む面に配設されてもよく、上記上部電極3の上記下部電極4に臨む面に配設されてもよい。上記シート6が金属等の導電性材料の場合には、上記上部電極3側及び上記下部電極4側に配設することが好ましい。
【0033】
図1のシートの連続表面処理装置は、上記混合ガスを上記シート6の表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させるように配設したガス流発生機構を有している。上記ガス流発生機構としては、例えば、図1に示されるシート排出側から導入側にポンプやブロアー等で電極間の空間に存在する混合ガスを循環させるガス流発生機構5のほか、例えば、図2に示されるノズル状のガス供給器によってガスを吹き出すガス流発生機構、図3に示されるシートの処理面に対向する電極に所望の方向に上記混合ガスを供給する孔を設けて、ガスを吹き出すガス流発生機構、図4に示されるシート導入側電極端部付近からポンプで吸い込むガス流発生機構、図5に示されるシート排出側電極端部付近からポンプやブロアー等でガスを吹き出すガス流発生機構、図6に示されるファンで送風するガス流発生機構等が挙げられる。
【0034】
図2の14、図3の15、図4、図5の16、図6の17は、上記ガス流発生機構をそれぞれ表す。図6の17は、送風機である。
【0035】
処理容器側壁に反射するガス流の影響が少なく、ガスの再利用が容易であるので、上記ガス流発生機構5が、特に好ましい。
上記ガス発生機構5は、シート導入口7側にガス吹き出し口より口径が大きいガス吸い込み口を有し、シート排出口8側にスリット状のガス吹き出し口を有しているものが好ましい。こうすると、均一な高速ガス流が発生しやすくなり、混合ガスの消費効率がよい。
上記ガス流を効率良く発生させるために、図1に示されるように、ガス流が通らない側には、上記固体誘電体を用いた固体誘電体製側壁を設けてもよい。
【0036】
図1の連続表面処理装置は、上記シート6の処理を行う片面側にガス流を発生させているが、両面処理を行う場合には、上記シート6の両側で上記ガス流を発生させてもよい。
また、ガス流路13の途中に処理用ガス濃度検出用センサーを配置し、ガス流中の混合ガス濃度制御を行ったり、不要ガスの分離器を設けて混合ガスの純度制御等を行ってもよい。
【0037】
上記混合ガスは、流量制御され、ガス導入管10から処理容器2内部に導入される。上記混合ガスは、不活性ガスの流量や質量と、処理用ガスの流量や質量とが異なるので、ガス混合器で充分混合してから上記処理容器2内に導入するのが好ましい。
上記処理容器2内の過剰な混合ガスは、ガス排出口11から排出され、その後、大気放出されてもよいし、再び上記処理容器2内に導入されてもよい。
【0038】
上記ガス流発生機構から供給される上記混合ガスの流速は、上記シートの走行速度、上記シートの導入に要する導入口の気密性、上記シートの種類等によって適宜選択される。好ましくは、上記シートの走行速度以上である。
【0039】
本発明のシートの連続表面処理方法及び装置の対象となるシートとしては特に限定されず、例えば、プラスチック、金属、ガラス、紙、繊維、不織布等が挙げられる。これらは、緻密でもよく、多孔質でもよい。
【0040】
上記プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
【0041】
上記プラスチックがフィルムである場合、上記フィルムは、延伸でもよく、未延伸でもよい。
上記金属としては、例えば、ステンレス系鋼、炭素鋼、超鋼等の汎用合金;アルミニウム、銅、ニッケル等の単成分からなる金属等が挙げられる。
【0042】
上記シートの厚みは、用途に応じて適宜選択される。好ましくは、0〜200μmである。200μmを超えると、上記シート導入口のシール又は上記シート排出口のシールで起こる外部空気の侵入や上記混合ガスの漏れが、許容範囲以上になる可能性がある。
【0043】
上記シートは、公知の方法により、表面洗浄や表面活性化の処理が行われたものでもよい。
上記シートは、必要に応じて加熱又は冷却されてもよいが、撥水性や親水性を付与する場合は、室温以下で充分である。
【0044】
【作用】
本発明のシートの連続表面処理方法は、混合ガスをシートの表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させるので、放電プラズマ中の巻き込み空気が減少され、大気圧近傍の圧力下で高速で連続的にシートの連続表面処理を行うことができる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0046】
実施例1〜3
ガス流発生器5としてターボブロアーで循環させる機構を具した図2に示した装置(電極幅350×長さ150mm)を用い、以下に示した操作により、厚み50μm、幅300mmのポリエチレンテレフタレート(東レ社製ルミラーT50、接触角70度)フィルムの表面に表1に示した処理条件で撥水処理を施した。処理後のフィルム表面の静的接触角を測定した。
【0047】
静的接触角の測定は、処理後のフィルムから任意に1m切り出し、2mmの水滴を10cm間隔で液滴し共和界面科学社製の接触角測定装置(商品名CA−X150)を用いて静的接触角を測定し、最大値及び最小値を表1に併記した。
【0048】
<操作>
まず、被処理体であるポリエチレンテレフタレートフィルム巻重体を巻き出しロールにセットし、フィルムを導入口7→電極間→排出口8の順で通し、巻き取りロールに固定した。その後、導入口7、排出口8を閉じ、処理容器2内部の空気をガス導入管11から所定のガス流量の混合ガスを供給して置換し大気圧とした。続いて、ガス流発生器5によって電極間に所望の流速のガス流を発生させ、巻き取りロールを回転し導入口7から排出口8の方向に所定の速度でフィルムを連続的走行させた後、電圧を印加し電極間に放電プラズマを発生させ連続的に処理した。
【0049】
比較例1
ガス流発生器5を具していないこと以外は、実施例と同様な装置で、実施例1の操作及び条件で同様にして表面処理を行った。その結果、静的接触角は、45〜58度を示し、親水化されていることが明らかとなった。そこで、走行速度3m/分で同様に処理を行ったところ、100〜107度の接触角を示し、撥水性に表面処理された。
【0050】
実施例4及び5
親水化処理を目的に、実施例1〜3で用いた装置、操作で、表1に示す条件で表面処理を行った。接触角測定の結果も表1に併記した。
【0051】
【表1】
Figure 0003593168
【0052】
実施例から明らかなように、本発明は、従来技術に比べ高速で均一な連続的な表面処理が可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明のシートの連続表面処理方法及び装置は、上述の構成よりなるので、シートの表面を均一かつ比較的高速で連続的に表面処理でき、容易に表面処理工程をインライン化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートの連続表面処理装置の模式断面図。
【図2】ガス流発生機構の例を示す模式図。
【図3】ガス流発生機構の例を示す模式図。
【図4】ガス流発生機構の例を示す模式図。
【図5】ガス流発生機構の例を示す模式図。
【図6】ガス流発生機構の例を示す模式図。
【符号の説明】
1 電源部
2 処理容器
3 上部電極
4 下部電極
5 ターボブロアーによるガス流発生機構
6 シート
7 シート導入口
8 シート排出口
9 固体誘電体
10 ガス導入管
11 ガス排出口
12 固体誘電体製側壁
13 ガス流路
14 ノズル
15 多数の孔が設けられた電極
16 ポンプ
17 送風器

Claims (2)

  1. 不活性ガスと処理ガスとの混合ガスを大気圧近傍の圧力下で充満させた処理容器内に、一対の金属対向電極を配設し、前記金属対向電極の間にシートを連続的に走行させつつ、前記金属対向電極間に電圧を印加して放電プラズマを発生させることにより前記シート表面を処理するシートの連続表面処理方法において、
    前記処理容器内へのシート導入口及び前記処理容器内からのシート排出口が、混合ガスの漏れを許容しうる程度の非気密状態にシールされており、
    前記金属対向電極のうちの少なくとも一方の対向面の表面が、固体誘電体により完全に覆われており、
    前記混合ガスを、前記シートの表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させることを特徴とするシートの連続表面処理方法。
  2. 不活性ガスと処理ガスとの混合ガスを大気圧近傍の圧力下で充満させた処理容器内に、一対の金属対向電極を配設し、前記金属対向電極の間にシートを連続的に走行させつつ、前記金属対向電極間に電圧を印加して放電プラズマを発生させることにより前記シート表面を処理するように構成したシートの連続表面処理装置において、
    前記処理容器内へのシート導入口及び前記処理容器内からのシート排出口が、混合ガスの漏れを許容しうる程度の非気密状態にシールされており、
    前記金属対向電極のうちの少なくとも一方の対向面の表面が、固体誘電体により完全に覆われており、
    前記混合ガスを前記シートの表面にその走行方向と逆の方向から連続的に接触させるように配設したガス流発生機構を有する
    ことを特徴とするシートの連続表面処理装置。
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