JPH08216962A - シャフトドライブ式自転車の懸架構造 - Google Patents

シャフトドライブ式自転車の懸架構造

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JPH08216962A
JPH08216962A JP4622995A JP4622995A JPH08216962A JP H08216962 A JPH08216962 A JP H08216962A JP 4622995 A JP4622995 A JP 4622995A JP 4622995 A JP4622995 A JP 4622995A JP H08216962 A JPH08216962 A JP H08216962A
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rear arm
frame
shock absorber
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vehicle body
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Takeshi Nagase
猛 長瀬
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペダルを踏み込んで、このときの動力を後車
輪に伝えようとするとき、緩衝器が無駄に縮小されない
ようにして、無用な動力損失が生じないようにすると共
に、緩衝器を小形、かつ、軽量にさせる。 【構成】 車体フレーム2に、前後方向に延びるリヤア
ーム20の前端部21を枢支軸22により枢支する。こ
の枢支軸22を中心として同上リヤアーム20の後端部
23を上下方向に揺動自在とする。このリヤアーム20
の後端部23に後車輪27を支承し、一端部が上記車体
フレーム2に連結され、他端部が上記リヤアーム20の
長手方向の中途部に連結される緩衝器36を設ける。ペ
ダル56を支持するクランク軸57を設ける。このクラ
ンク軸57に上記後車輪27を連動連結させるドライブ
シャフト63を、上記リヤアーム20の内部に設ける。
上記リヤアーム20の長手方向の中途部に上記クランク
軸57を支承させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シャフトドライブ式
自転車の懸架構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記懸架構造には、従来、例えば、ドイ
ツ特許公開第3120552A1号公報に示されたもの
がある。
【0003】これによれば、自転車の車体フレームに、
前後方向に延びるリヤアームの前端部が枢支軸により枢
支されている。この枢支軸を中心として同上リヤアーム
の後端部が上下方向に揺動自在とされ、このリヤアーム
の後端部に後車輪が支承され、一端部が上記車体フレー
ムに連結され、他端部が上記リヤアームの長手方向の中
途部に連結される緩衝器が設けられている。
【0004】一方、ペダルを支持するクランク軸が設け
られると共に、このクランク軸に上記後車輪を連動連結
させるドライブシャフトが設けられ、このドライブシャ
フトは上記リヤアームの内部に設けられている。これら
リヤアームとドライブシャフトの各後端部側は上記後車
輪との接触を避けるため、左右方向でこの後車輪の外側
方に配設されている。また、上記車体フレームの上部に
は乗員を着座させるシートが設けられている。
【0005】上記の場合、枢支軸とクランク軸のクラン
ク主軸とは一本の軸体で構成されており、シートに着座
した乗員が上記軸体の前側に達したペダルをその上方か
ら下方に向って順次踏み込んでこのペダルを上記軸体の
回りに回転させれば、この踏み込みによる動力が上記軸
体を構成するクランク軸とドライブシャフトとを介して
後車輪に伝えられ、これにより、自転車が路面上を走行
できることとなる。
【0006】また、例えば、凹凸のある路面上を走行す
る場合には、後車輪からリヤアームを介して車体フレー
ム側に衝撃力が伝えられようとするが、この衝撃力は上
記緩衝器が伸縮動作することにより吸収され、もって、
乗員に良好な乗り心地が確保されることとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成によれば、次のような問題がある。
【0008】第1に、ペダルを踏み込んでこのペダルを
軸体の回りに回転させ、このときの動力を後車輪に伝え
る場合において、上記軸体の回りのペダルの回転軌跡の
ほぼ前端に上記ペダルが達したとき、このペダルに対す
る踏み込み力がほぼ最大となって、大きな動力が後車輪
に伝えられる。
【0009】ところで、この場合の大きな踏み込み力は
上記軸体の回りにモーメントを生じさせ、これはリヤア
ームの後端部側を上方に回動させるよう働く。このた
め、このリヤアームに押されて緩衝器が無駄に縮小させ
られ、よって、ペダルから後車輪への動力が上記緩衝器
により無駄に消費されて、無用な動力損失が生じるとい
う問題がある。
【0010】また、上記従来構成によれば、緩衝器は、
上記した踏み込み力によるモーメントに対抗するため、
その分、この緩衝器の容量をより大きくすることが要求
されるが、このために、緩衝器が無駄に大形になった
り、重量が重くなったりするという問題がある。
【0011】第2に、上記従来構成では、リヤアームの
後端部と緩衝器とは後車輪との接触を避ける上で、いず
れもこの後車輪の外側方に位置させられ、つまり、上記
リヤアームの後端部と緩衝器は車幅方向で車体中心から
一側方に偏位して設けられている。
【0012】このため、自転車の走行時に、後車輪側か
らリヤアームや緩衝器に衝撃力が与えられると、この衝
撃力はリヤアームに捩りを生じさせることにより無用に
大きい負荷を与え、また、緩衝器に曲げモーメントを与
えてその伸縮動作にこじりを生じさせるおそれがある。
【0013】そこで、これらに対応する必要上、リヤア
ームや緩衝器には十分の強度が与えられるが、このた
め、これらがより大形になり、かつ、重量が重くなると
いう問題がある。
【0014】また、上記緩衝器は車体中心から一側方に
偏位して設けられるため、上記車体フレームとリヤアー
ムに対する緩衝器の位置精度が低下しがちとなる。
【0015】更に、上記従来構成では、シートに着座し
ようとして、このシートの後方からこのシートに跨がろ
うとする場合には、このシートの後方の後車輪を大きく
跨ぐ必要があって、乗降がしにくいという問題もある。
【0016】第3に、上記従来構成では、リヤアームを
枢支する枢支軸と、ペダルを支持するクランク軸のクラ
ンク主軸とが一本の軸体で共用されている。このため、
例えば、シートとペダルとの相対的な位置関係を所望の
状態にしようとして、このペダルを支持するクランク軸
を所望の位置に定めたとすると、これに影響されてリヤ
アームの枢支部の位置が規制され、もって、このリヤア
ームを十分に長くできないことがあり、この場合には、
このリヤアームに連結された緩衝器のレバー比の設定の
自由度が低下して、この緩衝器による衝撃力の吸収が不
十分になるおそれがある。
【0017】第4に、自転車を持ち運びする際には、こ
れを折り畳むなどしてコンパクトな形状にすることが望
まれる。
【0018】しかし、上記従来構成の自転車にはそのよ
うな考慮はなされていない。
【0019】第5に、シートの高さ調整ができるようこ
のシートを車体フレームに移動自在に支持させた場合で
あって、上記したように、自転車をコンパクトな形状に
しようとする際、上記シートがこのコンパクト化の邪魔
にならないようにすることが望まれる。
【0020】しかし、上記従来構成の自転車にはそのよ
うな考慮は全くなされていない。
【0021】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、次の目的を有している。
【0022】第1に、ペダルを踏み込んで、このときの
動力を後車輪に伝えようとする場合に、この踏み込みで
生じるモーメントにより、緩衝器が無駄に縮小されない
ようにして、無用な動力損失が生じないようにすると共
に、緩衝器を小形、かつ、軽量にさせることを目的とす
る。
【0023】第2に、自転車の走行時に、後車輪側から
リヤアームや緩衝器が衝撃力を受けるとき、この衝撃力
が上記リヤアームに無用に大きい負荷を与えないように
すると共に、上記緩衝器の伸縮動作にこじりを生じさせ
ないようにし、もって、これらを小形、かつ、軽量にで
きるようにすることを目的とする。
【0024】また、上記車体フレームとリヤアームとに
対する緩衝器の位置精度を向上させることを目的とす
る。
【0025】更に、シートへの乗降が容易にできるよう
にすることを目的とする。
【0026】第3に、車体フレームに対するリヤアーム
の枢支部の配置の自由度を向上させて、このリヤアーム
に連結された緩衝器による衝撃力の吸収が十分になされ
るようにすることを目的とする。
【0027】第4に、自転車をコンパクトな形状にでき
るようにして、これの持ち運びが容易にできるようにす
ることを目的とする。
【0028】第5に、シートの高さ調整ができるようこ
のシートを車体フレームに移動自在に支持させた場合で
あって、上記したように、自転車をコンパクトな形状に
しようとする際、上記シートが邪魔にならないようにし
て、上記コンパクト化が更に効果的になされるようにす
ることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1の発明のシャフトドライブ式自転車の懸架構
造は、車体フレームに、前後方向に延びるリヤアームの
前端部を枢支軸により枢支し、この枢支軸を中心として
同上リヤアームの後端部を上下方向に揺動自在とし、こ
のリヤアームの後端部に後車輪を支承し、一端部が上記
車体フレームに連結され、他端部が上記リヤアームの長
手方向の中途部に連結される緩衝器を設け、一方、ペダ
ルを支持するクランク軸を設けると共に、このクランク
軸に上記後車輪を連動連結させるドライブシャフトを設
け、このドライブシャフトを上記リヤアームの内部に設
け、これらリヤアームとドライブシャフトの各後端部側
を上記後車輪の外側方に配設した場合において、上記リ
ヤアームの長手方向の中途部に上記クランク軸を支承し
たものである。
【0030】また、請求項2の発明は、後車輪よりも前
側に位置するリヤアームの前端部に、緩衝器の他端部を
連結させたものである。
【0031】また、請求項3の発明は、車体フレームが
その前端部を形成してフロントフォークを操向自在に支
承するヘッドパイプと、このヘッドパイプから後方に向
って延びる主フレームと、この主フレームの後端部から
上方に向って突設されその上端部にシートを支持するシ
ートフレームとを備え、上記主フレームの下側にリヤア
ームの前端部を配設したものである。
【0032】また、請求項4の発明は、車体フレーム、
もしくはリヤアームに対する緩衝器の連結を解除可能と
し、上記車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器
を離脱させ、かつ、枢支軸の回りに上記車体フレームと
リヤアームとを相対回動させることにより、これら車体
フレームとリヤアームとを互いに接近させて折り畳み可
能としたものである。
【0033】また、請求項5の発明は、シートフレーム
を、主フレームに固着されてこの主フレームの後端部か
ら上方に向って突設される固定フレームと、この固定フ
レームの上端側にこの固定フレームの長手方向で摺動自
在に嵌合してその上端部にシートを支持する可動フレー
ムとで構成し、車体フレームとリヤアームとを折り畳ん
だとき、上記固定フレームに対する可動フレームの摺動
軌跡の外部に上記リヤアームを位置させるようにしたも
のである。
【0034】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0035】請求項1の発明によれば、図1から図3に
おいて、車体フレーム2にリヤアーム20の前端部21
を枢支軸22により枢支し、上記車体フレーム2と、リ
ヤアーム20の長手方向の中途部とに緩衝器36を架設
し、上記リヤアーム20の長手方向の中途部に、ペダル
56を支持するクランク軸57を支承してある。
【0036】このため、乗員が上記ペダル56をその上
方から下方に向って踏み込んで、このときの動力を後車
輪27に伝えようとするときにおいて、クランク主軸6
0の回りのペダル56の回転軌跡(以下、これを単に
「回転軌跡」という)のほぼ前端に上記ペダル56が達
して踏み込み力(図3中矢印D)がほぼ最大となるこの
ペダル56と、このペダル56の後側に位置している枢
支軸22との間の前後方向の寸法Eが、同上枢支軸22
回りにペダル56を回転させるようにしていた従来に比
べて、より短くなることから、上記踏み込み力Dによっ
て生じる枢支軸22の回りのモーメント(以下、これを
単に「モーメント」という)が小さくなる。よって、上
記リヤアーム20の後端部23側を上方に回動させる力
が弱められ、これにより、上記リヤアーム20に押され
て緩衝器36が無駄に縮小させられるということが抑制
される。
【0037】また、上記したように「モーメント」が小
さくなる分、これに対応するための上記緩衝器36の容
量は小さくて足りる。
【0038】請求項2の発明によれば、図1から図3に
おいて、後車輪27よりも前側に位置するリヤアーム2
0の前端部21に、緩衝器36の他端部を連結させてあ
る。
【0039】このため、リヤアーム20の前端部21
は、後車輪27との接触を避けて車幅方向の車体中心7
1の近傍に配置させることができると共に、上記前端部
21に連結させた緩衝器36も同上後車輪27との接触
を避けて上記車体中心71の近傍(車体中心71上を含
む)に配置させることができる。これにより、自転車1
の走行時に、後車輪27側からリヤアーム20や緩衝器
36に衝撃力が与えられるとき、リヤアーム20から緩
衝器36に向う衝撃力と、緩衝器36からリヤアーム2
0に向うその反力とはほぼ上記車体中心71でリヤアー
ム20や緩衝器36に与えられる。よって、リヤアーム
20に捩りの生じることが抑制されて、このリヤアーム
20に無用に大きい負荷が与えられることが抑制され、
また、上記緩衝器36に曲げモーメントが与えられるこ
とが抑制されて、この緩衝器36の伸縮動作にこじりの
生じることが抑制される。
【0040】また、上記緩衝器36は車体中心71の近
傍に配設させることができるため、上記車体フレーム2
とリヤアーム20とに対する緩衝器36の位置精度は向
上させ易くなる。
【0041】更に、上記したように、リヤアーム20の
前端部21に緩衝器36を連結させたため、上記リヤア
ーム20の後端部23側の上方の空間78は後上方に向
って開放されることとなる。
【0042】よって、自転車1に着座しようとして、シ
ート7の後方からこのシート7に跨がろうとする場合に
は、上記空間78を利用できる。
【0043】前記したように、請求項1の発明によれ
ば、リヤアーム20を枢支する枢支軸22と、ペダル5
6を支持するクランク軸57とは別体とされており、こ
のため、これら枢支軸22とクランク軸57の配置が互
いに規制されるということが回避される。このため、上
記クランク軸57の存在にかかわらず、車体フレーム2
に対するリヤアーム20の枢支部を自由に配置できる。
【0044】そして、この構成に基づく請求項3の発明
によれば、図1と図3において、車体フレーム2がその
前端部を形成してフロントフォーク15を操向自在に支
承するヘッドパイプ3と、このヘッドパイプ3から後方
に向って延びる主フレーム6と、この主フレーム6の後
端部から上方に向って突設されその上端部にシート7を
支持するシートフレーム8とを備え、上記主フレーム6
の下側にリヤアーム20の前端部21を配設してある。
【0045】このため、上記主フレーム6に対するリヤ
アーム20の枢支部の配置が車体フレーム2の主フレー
ム6によって規制されることも回避される。
【0046】そこで、上記枢支部を十分に前方に位置さ
せれば、リヤアーム20の長さを十分に長くでき、よっ
て、このリヤアーム20に連結された緩衝器36のレバ
ー比の設定の自由度が向上する。
【0047】また、上記したように、主フレーム6の下
側にリヤアーム20の前端部21を配設したため、上記
主フレーム6の後端部は上記リヤアーム20に規制され
ずに十分に後方に延出させることができる。
【0048】よって、上記主フレーム6の後端部から上
方に向って突設されるシートフレーム8を、より垂直に
させることができ、これにより、シート7上の着座者の
負荷が上記シートフレーム8に曲げモーメントを与える
ことが抑制されて、この負荷は上記シートフレーム8に
その軸方向力として支持される。
【0049】請求項4の発明によれば、特に図7におい
て、車体フレーム2、もしくはリヤアーム20に対する
緩衝器36の連結を解除可能とし、上記車体フレーム
2、もしくはリヤアーム20から緩衝器36を離脱さ
せ、かつ、枢支軸22の回りに上記車体フレーム2とリ
ヤアーム20とを相対回動させることにより、これら車
体フレーム2とリヤアーム20とを互いに接近させて折
り畳み可能としてある。
【0050】このため、自転車1を持ち運びする際に
は、車体フレーム2、もしくはリヤアーム20から緩衝
器36を離脱させ、枢支軸22の回りで車体フレーム2
とリヤアーム20とを相対回動させて(図7中矢印F,
G)、これら車体フレーム2とリヤアーム20とを折り
畳む。すると、自転車1をコンパクトな形状にできる。
【0051】上記したように、請求項4の発明によれ
ば、車体フレーム2とリヤアーム20とを折り畳み可能
としてある。そして、この構成に基づく請求項5の発明
によれば、特に図7において、シートフレーム8を、主
フレーム6に固着されてこの主フレーム6の後端部から
上方に向って突設される固定フレーム9と、この固定フ
レーム9の上端側にこの固定フレーム9の長手方向で摺
動自在に嵌合してその上端部にシート7を支持する可動
フレーム10とで構成し、車体フレーム2とリヤアーム
20とを折り畳んだとき、上記固定フレーム9に対する
可動フレーム10の摺動軌跡79の外部に上記リヤアー
ム20を位置させるようにしてある。
【0052】このため、上記したように、車体フレーム
2とリヤアーム20とを折り畳んで、自転車1をコンパ
クトな形状にした状態での上記固定フレーム9に対する
可動フレーム10の摺動は、上記リヤアーム20に邪魔
されることなくできることとなる。
【0053】よって、上記したように車体フレーム2と
リヤアーム20とを折り畳み、更に、図7中矢印Hで示
すように、固定フレーム9に対し可動フレーム10を摺
動させて上記車体フレーム2やリヤアーム20に対しシ
ート7をより接近させれば、自転車1を更にコンパクト
にすることができる。
【0054】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0055】図1から図6において、符号1はシャフト
ドライブ式自転車で、矢印Frはその前方を示してい
る。また、下記する左右とは、上記前方に向っての車幅
方向をいうものとする。
【0056】特に図1から図3において、上記自転車1
の車体の車体フレーム2は、その前端部を形成するヘッ
ドパイプ3を備えている。このヘッドパイプ3は後上り
の縦向きの軸心4を有する円筒状をなしている。上記ヘ
ッドパイプ3から後下方に向ってほぼ直線的に主フレー
ム6が延び、この主フレーム6はその横断面が縦長の矩
形である角パイプ材で成形され、もって、十分の強度と
剛性とを備えている。
【0057】上記主フレーム6の後端部から後上方に向
って突設され、その上端部にシート7を支持するシート
フレーム8が設けられている。このシートフレーム8
は、上記主フレーム6に固着されてこの主フレーム6の
後端部から上方に向って突設される固定フレーム9と、
この固定フレーム9の上端側にこの固定フレーム9の長
手方向で摺動自在に嵌合してその上端部に上記シート7
を支持する可動フレーム10と、上記固定フレーム9に
対し所望の高さにまで摺動させた可動フレーム10を上
記固定フレーム9に着脱自在に締結させる締結具11と
で構成されている。
【0058】特に図1と図3において、上記シートフレ
ーム8をより具体的に説明すると、固定フレーム9と可
動フレーム10は共に断面円形のパイプ材で成形され、
固定フレーム9と可動フレーム10とは同じ軸心13上
に位置して、固定フレーム9に対し可動フレーム10が
その軸方向で摺動自在に嵌入され、いわゆるテレスコピ
ック形とされている。上記軸心13は後上り状の縦向き
とされている。
【0059】上記固定フレーム9に対し可動フレーム1
0を所望高さにまで摺動させて、締結具11により、上
記可動フレーム10を固定フレーム9に締結させること
で、上記可動フレーム10に支持されたシート7が上下
方向の任意位置に調整可能とされている。
【0060】前記ヘッドパイプ3にはその軸心4回りに
フロントフォーク15が操向自在に支承されている。こ
のフロントフォーク15の下端に前車軸16により前車
輪17が回転自在に支承され、同上フロントフォーク1
5の上端部にはバー式のハンドル18が取り付けられて
いる。
【0061】図1から図6において、上記車体フレーム
2の主フレーム6の後端部には、前後方向に延びるリヤ
アーム20の前端部21が枢支軸22により枢支されて
いる。この場合、上記前端部21は上記主フレーム6の
下側に配設されている。そして、上記枢支軸22の軸心
は左右に延び、この枢支軸22の軸心を中心として同上
リヤアーム20の後端部23が上下方向に揺動自在とさ
れている。上記リヤアーム20の揺動端である上記後端
部23には後車軸25が左右一対の軸受26,26によ
り左右に延びる軸心回りに回転自在に支承されている。
この後車軸25の一端部は上記リヤアーム20の後端部
23の側方に突出し、この後車軸25の自由端に後車輪
27が固着されて、この後車輪27は上記後車軸25と
共にその軸心回りに回転自在とされている。
【0062】図1から図5において、上記リヤアーム2
0は、その前端部21が前部ハウジング29で形成さ
れ、その後端部23が後部ハウジング30で形成されて
いる。また、同上リヤアーム20は、前後方向に延びて
上記前部ハウジング29と後部ハウジング30との間に
介設されこれらをそれぞれ互いに着脱自在に締結させる
中間部ハウジング31を有している。また、上記前端部
21は上記前部ハウジング29の前面から前方に一体的
に突出する第1ボス部32を有し、この第1ボス部32
の突出端が上記主フレーム6の下面側に固着されたブラ
ケット33に前記枢支軸22により枢支されている。な
お、上記ブラケット33は上記車体フレーム2の一部を
構成している。
【0063】上記車体フレーム2の後下部と、上記枢支
軸22から後車軸25に至る間のリヤアーム20の長手
方向の中途部との間に軸心35が少し前傾した縦向きの
緩衝器36が架設されている。より具体的には、この緩
衝器36の一端部である上端部は、上枢支具37により
上記固定フレーム9の軸方向の中途部に連結されてい
る。また、同上緩衝器36の他端部である下端部は、下
枢支具38によりリヤアーム20の長手方向の中途部で
ある前端部21の前後方向の中途部に連結されている。
なお、上記緩衝器36の軸心35は前後方向に延びるも
のであってもよい。
【0064】上記上枢支具37は上記固定フレーム9に
緩衝器36の上端部を枢支させる枢軸39で構成されて
いる。この枢軸39は上記固定フレーム9と緩衝器36
に着脱自在とされており、これにより、上記車体フレー
ム2に対する緩衝器36の連結が復元可能に解除可能と
されている。
【0065】上記下枢支具38はリンク機構41を有
し、このリンク機構41は上記可動フレーム10に枢軸
42により回動自在に枢支された第1リンク43と、上
記緩衝器36の下端部に枢軸44により回動自在に枢支
された第2リンク45と、これら第1リンク43と第2
リンク45のそれぞれの回動端を連結させる枢軸46と
を備えている。
【0066】上記リヤアーム20の前端部21の前部ハ
ウジング29から後上方に向って第2ボス部48が一体
的に突出し、この第2ボス部48は、上記リヤアーム2
0の前端部21の一部を構成している。上記第2ボス部
48の突出端が上記第2リンク45の長手方向の中途部
に枢軸49により枢支され、この枢支により、上記緩衝
器36の下端部が上記リンク機構41によりリヤアーム
20の前端部21に連結されている。なお、上記下枢支
具38がリンク機構41を備えず、枢軸44だけで構成
され、この枢軸44により緩衝器36を第2ボス部48
に直接的に連結させてもよい。
【0067】上記枢軸49にはハンドル50が取り付け
られていて、このハンドル50を回転操作すれば、上記
枢軸49が上記第2リンク45と第2ボス部48に着脱
自在であり、これにより、上記リヤアーム20に対する
緩衝器36の連結が復元可能に解除可能とされている。
【0068】上記車体フレーム2やシート7は、フロン
トフォーク15、リヤアーム20、および緩衝器36を
介し前車輪17と後車輪27とにより路面54上に支持
されている。上記緩衝器36は、油を内有して伸縮自在
なシリンダ52と、このシリンダ52を伸長する方向に
弾性的に付勢するばね53とで構成されている。そし
て、上記後車輪27側からリヤアーム20を介して車体
フレーム2側に伝わろうとする衝撃や振動は、上記リヤ
アーム20の揺動に伴う緩衝器36の伸縮動作によっ
て、吸収されるようになっている。
【0069】図3から図5において、上記リヤアーム2
0の長手方向の中途部にペダル56を支持するクランク
軸57が支承されている。このクランク軸57は、前記
枢支軸22とは別体として設けられたもので、上記前部
ハウジング29に対し、左右一対の軸受58,58によ
り左右に延びる軸心59回りに回動自在に支承されるク
ランク主軸60を備えている。このクランク主軸60の
左右両端はそれぞれ上記前部ハウジング29の外側方に
突出しており、このクランク主軸60の各端部にそれぞ
れクランクアーム62が取り付けられている。これら両
クランクアーム62,62は、上記クランク主軸60の
径方向外方に向って互いに逆方向に突出し、これら両ク
ランクアーム62,62の各突出端にそれぞれ上記ペダ
ル56が支承されている。
【0070】上記クランク主軸60は上記枢支軸22よ
りも後側に位置している。また、クランク主軸60の回
りに各ペダル56が回転して、一方のペダル56が「回
転軌跡」のほぼ前端に達したとき、このペダル56は上
記枢支軸22よりも前側に位置することとなっている。
【0071】図3から図6において、上記クランク軸5
7のクランク主軸60に上記後車輪27を連動連結させ
るドライブシャフト63が設けられている。このドライ
ブシャフト63は上記リヤアーム20の内部に収納され
るように設けられ、このリヤアーム20に前後軸受6
4,64によりその軸心65回りに回動自在に支承され
ている。上記リヤアーム20の中間部ハウジング31は
上記ドライブシャフト63の軸心65と同じ軸心を有し
ている。
【0072】上記クランク主軸60と、上記ドライブシ
ャフト63の前端部66とは前ベベルギヤ組67で連動
連結され、前記後車軸25と、同上ドライブシャフト6
3の後端部68とは後ベベルギヤ組69で連動連結され
ている。また、上記後車軸25と後ベベルギヤ組69と
の間にはワンウェイクラッチ70が介設され、このワン
ウェイクラッチ70は上記ドライブシャフト63側から
後車輪27へのみの動力伝達を許容する。
【0073】平面視で、上記車体フレーム2、フロント
フォーク15、前車輪17、リヤアーム20、後車軸2
5、後車輪27、クランク軸57は、車幅方向で車体の
中心を通る車体中心71上に位置している。
【0074】平面視で、上記リヤアーム20と、ドライ
ブシャフト63の各前端部21,66は上記後車輪27
よりも前側で上記車体中心71の右側の外側方近傍に配
設されている。一方、同上リヤアーム20と、ドライブ
シャフト63の各後端部23,68側は、上記後車輪2
7の右側の外側方近傍に配設されている。この場合、上
記各前端部21,66は、できるだけ車体中心71に接
近させるために、リヤアーム20とドライブシャフト6
3の軸心65は前側に進むに従い車体中心71に近づく
よう傾斜させられている。
【0075】図1、図2、および図6において、上記後
車輪27の回転を制動するディスク式の後ブレーキ74
が設けられている。この後ブレーキ74は上記後車軸2
5に支持されるディスク75と、このディスク75を油
圧力で挟み付けて上記制動を行うキャリパ76とで構成
され、このキャリパ76は上記リヤアーム20に支持さ
れている。
【0076】図1、図3、図5、および図6において、
シート7に着座した着座者がハンドル18を把持して、
上記両ペダル56,56を交互に踏み込むことにより、
上記クランク軸57をその軸心59回りに回転させれば
(図中矢印A)、この動力が上記前ベベルギヤ組67、
ドライブシャフト63、後ベベルギヤ組69、および後
車軸25を介して(図中矢印B)、上記後車輪27に伝
えられ、これによって、この後車輪27が路面54上を
転動し(図中矢印C)、この路面54上を自転車1が走
行させられる。
【0077】上記実施例の構成によれば、図1から図3
において、車体フレーム2の主フレーム6にリヤアーム
20の前端部21が枢支軸22により枢支され、上記車
体フレーム2と、リヤアーム20の長手方向の中途部と
に緩衝器36が架設され、上記リヤアーム20の長手方
向の中途部に、ペダル56を支持するクランク軸57が
支承されている。
【0078】このため、乗員が上記ペダル56をその上
方から下方に向って踏み込んで、このときの動力を後車
輪27に伝えようとするときにおいて、「回転軌跡」の
ほぼ前端に上記ペダル56が達して踏み込み力(図3中
矢印D)がほぼ最大となるこのペダル56と、このペダ
ル56の後側に位置している枢支軸22との間の前後方
向の寸法Eが、同上枢支軸22回りにペダル56を回転
させるようにしていた従来に比べて、より短くなること
から、上記踏み込み力Dによって生じる枢支軸22の回
りの「モーメント」が小さくなる。よって、上記リヤア
ーム20の後端部23側を上方に回動させる力が弱めら
れ、これにより、上記リヤアーム20に押されて緩衝器
36が無駄に縮小させられるということが抑制される。
【0079】なお、上記「回転軌跡」のほぼ前端に達し
たペダル56が、上記枢支軸22よりも後側に位置する
ように構成された場合には、上記ペダル56への踏み込
み力Dは、リヤアーム20の後端部23側を上方に回動
させることはないため、上記無用な動力損失の発生は未
然に防止される。
【0080】図1から図3において、前記したように後
車輪27よりも前側に位置するリヤアーム20の前端部
21に、緩衝器36の他端部が連結させられている。
【0081】このようにして、リヤアーム20の前端部
21は、後車輪27との接触を避けて車幅方向の車体中
心71の近傍に配置させられており、また、上記前端部
21に連結させた緩衝器36も同上後車輪27との接触
を避けて上記車体中心71の近傍(車体中心71上を含
む)に配置されている。これにより、自転車1の走行時
に、後車輪27側からリヤアーム20や上記緩衝器36
に衝撃力が与えられるとき、リヤアーム20から緩衝器
36に向う衝撃力と、緩衝器36からリヤアーム20に
向うその反力とはほぼ上記車体中心71でリヤアーム2
0や緩衝器36に与えられる。このため、リヤアーム2
0に捩りの生じることが抑制されて、このリヤアーム2
0に与えられる負荷が小さく抑制される。また、上記緩
衝器36に曲げモーメントが与えられることが抑制され
て、この緩衝器36の伸縮動作にこじりの生じることが
抑制される。
【0082】また、上記緩衝器36は車体中心71の近
傍に配設させられているため、上記車体フレーム2とリ
ヤアーム20とに対する緩衝器36の位置精度は向上さ
せ易くなり、その分、自転車1の組み立て等の成形がし
易くなる。また、緩衝器36が車体中心71の近傍に位
置した分、車体の幅寸法を小さくできて、車体の小形化
が達成され、かつ、車体の重心を車体中心71に接近さ
せることができて、運転時のバランスが改善される。
【0083】更に、前記したように、リヤアーム20の
前端部21に緩衝器36を連結させたため、上記リヤア
ーム20の後端部23側の上方の空間78は後上方に向
って開放されることとなる。
【0084】よって、自転車1に着座しようとして、シ
ート7の後方からこのシート7に跨がろうとする場合に
は、上記空間78を利用できて、上記自転車1への乗降
が容易にできることとなる。
【0085】また、前記したように、主フレーム6の下
側にリヤアーム20の前端部21を配設したため、上記
主フレーム6の後端部は上記リヤアーム20に規制され
ずに十分に後方に延出させることができる。そこで、主
フレーム6の後端部を後方に延出させることにより、こ
の主フレーム6の後端部から上方に向って突設されるシ
ートフレーム8を、より垂直にさせてある。このため、
シート7上の着座者の負荷が上記シートフレーム8に曲
げモーメントを与えることが抑制されて、この負荷は上
記シートフレーム8にその軸方向力として支持され、上
記着座者は上記シート7を介し、より強固に主フレーム
6に支持されている。
【0086】特に図7において、枢軸49とハンドル5
0への操作により、リヤアーム20の第2ボス部48に
対する緩衝器36の連結を解除し、上記リヤアーム20
から緩衝器36を離脱させ、かつ、枢支軸22の回りに
上記車体フレーム2の主フレーム6とリヤアーム20と
をこれらが互いに接近するよう相対回動させれば、これ
ら主フレーム6とリヤアーム20とが互いに接近して折
り畳み可能とされている。なお、枢軸39と枢軸42へ
の操作により、車体フレーム2に対する緩衝器36の連
結を解除させるようにして、上記と同様に折り畳み可能
としてもよい。この際、リンク機構41が設けられてい
ない場合には、枢軸39だけの操作で車体フレーム2に
対する緩衝器36の連結を解除させることができて、操
作が簡単である。
【0087】このため、自転車1を持ち運びする際に
は、車体フレーム2、もしくはリヤアーム20から緩衝
器36を離脱させ、枢支軸22の回りで車体フレーム2
の主フレーム6とリヤアーム20とを相対回動させて
(図7中矢印F,G)、これら車体フレーム2の主フレ
ーム6とリヤアーム20とを折り畳む。すると、自転車
1はコンパクトな形状となって、これの持ち運びが容易
となる。
【0088】また、上記したように、車体フレーム2と
リヤアーム20とを折り畳み可能としたのに加え、車体
フレーム2とリヤアーム20とを折り畳んだとき、上記
固定フレーム9に対する可動フレーム10の摺動軌跡7
9の外部に上記リヤアーム20が位置するようにしてあ
る。
【0089】このため、上記したように、車体フレーム
2の主フレーム6とリヤアーム20とを折り畳んで、自
転車1をコンパクトな形状にした状態での上記固定フレ
ーム9に対する可動フレーム10の摺動は、上記リヤア
ーム20に邪魔されることなくできることとなる。
【0090】よって、上記したように車体フレーム2の
主フレーム6とリヤアーム20とを折り畳み、更に、図
7中矢印Hで示すように、固定フレーム9に対し可動フ
レーム10を摺動させて上記主フレーム6やリヤアーム
20に対しシート7をより接近させれば、自転車1を更
にコンパクトにすることができる。
【0091】また、前記ハンドル18はフロントフォー
ク15の軸心4から前上方に突出しているため、上記ハ
ンドル18をフロントフォーク15と共に軸心4回りに
回転させて、図7で示すように上記ハンドル18をシー
ト7側に接近させれば、自転車1が、よりコンパクトに
なる。
【0092】
【発明の効果】この発明によれば、次の効果がある。
【0093】請求項1の発明によれば、車体フレームに
リヤアームの前端部を枢支軸により枢支し、上記車体フ
レームと、リヤアームの長手方向の中途部とに緩衝器を
架設し、上記リヤアームの長手方向の中途部に、ペダル
を支持するクランク軸を支承してある。
【0094】このため、上記ペダルを踏み込んで、この
ときの動力を後車輪に伝えようとするときにおいて、
「回転軌跡」のほぼ前端に上記ペダルが達して踏み込み
力がほぼ最大となるこのペダルと、このペダルの後側に
位置している枢支軸との間の前後方向の寸法が、同上枢
支軸回りにペダルを回転させるようにしていた従来に比
べて、より短くなることから、上記踏み込み力によって
生じる枢支軸の回りの「モーメント」が小さくなる。よ
って、上記リヤアームの後端部側を上方に回動させる力
が弱められ、これにより、上記リヤアームに押されて緩
衝器が無駄に縮小させられるということが抑制される。
【0095】よって、その分、ペダルから後車輪に伝え
られる動力が上記緩衝器によって無駄に消費されるとい
うことが抑制されて、無駄な動力損失の発生が防止され
る。
【0096】また、上記したように「モーメント」が小
さくなる分、これに対応するための上記緩衝器の容量は
小さくて足りる。
【0097】よって、上記緩衝器を小形にさせることが
できると共に、軽量にさせることができる。
【0098】請求項2の発明によれば、後車輪よりも前
側に位置するリヤアームの前端部に、緩衝器の他端部を
連結させてある。
【0099】このため、リヤアームの前端部は、後車輪
との接触を避けて車幅方向の車体中心の近傍に配置させ
ることができると共に、上記前端部に連結させた緩衝器
も同上後車輪との接触を避けて上記車体中心の近傍に配
置させることができる。これにより、自転車の走行時
に、後車輪側からリヤアームや緩衝器に衝撃力が与えら
れるとき、リヤアームから緩衝器に向う衝撃力と、緩衝
器からリヤアームに向うその反力とはほぼ上記車体中心
でリヤアームや緩衝器に与えられる。よって、リヤアー
ムに捩りの生じることが抑制されて、このリヤアームに
無用に大きい負荷が与えられることが抑制され、また、
上記緩衝器に曲げモーメントが与えられることが抑制さ
れて、この緩衝器の伸縮動作にこじりの生じることが抑
制される。
【0100】よって、その分、リヤアームや緩衝器には
大きい強度が要求されないことから、これらを小形、か
つ、軽量にすることができる。
【0101】また、上記緩衝器は車体中心の近傍に配設
させることができるため、上記車体フレームとリヤアー
ムとに対する緩衝器の位置精度は向上させ易くなり、よ
って、これらの成形や組立作業がし易くなる。
【0102】更に、上記したように、リヤアームの前端
部に緩衝器を連結させたため、上記リヤアームの後端部
側の上方の空間は後上方に向って開放されることとな
る。
【0103】よって、自転車に着座しようとして、シー
トの後方からこのシートに跨がろうとする場合には、上
記空間を利用することにより、上記自転車への乗降が容
易にできることとなる。
【0104】前記したように、請求項1の発明によれ
ば、リヤアームを枢支する枢支軸と、ペダルを支持する
クランク軸とは別体とされており、このため、これら枢
支軸とクランク軸の配置が互いに規制されるということ
が回避される。このため、上記クランク軸の存在にかか
わらず、車体フレームに対するリヤアームの枢支部を自
由に配置できる。
【0105】そして、この構成に基づく請求項3の発明
によれば、車体フレームがその前端部を形成してフロン
トフォークを操向自在に支承するヘッドパイプと、この
ヘッドパイプから後方に向って延びる主フレームと、こ
の主フレームの後端部から上方に向って突設されその上
端部にシートを支持するシートフレームとを備え、上記
主フレームの下側にリヤアームの前端部を配設してあ
る。
【0106】このため、上記主フレームに対するリヤア
ームの枢支部の配置が車体フレームの主フレームによっ
て規制されることも回避される。
【0107】そこで、上記枢支部を十分に前方に位置さ
せれば、リヤアームの長さを十分に長くでき、よって、
このリヤアームに連結された緩衝器のレバー比の設定の
自由度が向上して、この緩衝器による衝撃力の吸収が十
分になされることとなる。
【0108】また、上記したように、主フレームの下側
にリヤアームの前端部を配設したため、上記主フレーム
の後端部は上記リヤアームに規制されずに十分に後方に
延出させることができる。
【0109】よって、上記主フレームの後端部から上方
に向って突設されるシートフレームを、より垂直にさせ
ることができ、これにより、シート上の着座者の負荷が
上記シートフレームに曲げモーメントを与えることが抑
制されて、この負荷は上記シートフレームにその軸方向
力として支持される。この結果、上記着座者は上記シー
トを介し、より強固に主フレームに支持されることとな
る。
【0110】請求項4の発明によれば、車体フレーム、
もしくはリヤアームに対する緩衝器の連結を解除可能と
し、上記車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器
を離脱させ、かつ、枢支軸の回りに上記車体フレームと
リヤアームとを相対回動させることにより、これら車体
フレームとリヤアームとを互いに接近させて折り畳み可
能としてある。
【0111】このため、自転車を持ち運びする際には、
車体フレーム、もしくはリヤアームから緩衝器を離脱さ
せ、枢支軸の回りで車体フレームとリヤアームとを相対
回動させて、これら車体フレームとリヤアームとを折り
畳む。すると、自転車をコンパクトな形状にでき、よっ
て、この自転車の持ち運びが容易にできる。
【0112】上記したように、請求項4の発明によれ
ば、車体フレームとリヤアームとを折り畳み可能として
ある。そして、この構成に基づく請求項5の発明によれ
ば、シートフレームを、主フレームに固着されてこの主
フレームの後端部から上方に向って突設される固定フレ
ームと、この固定フレームの上端側にこの固定フレーム
の長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部にシートを
支持する可動フレームとで構成し、車体フレームとリヤ
アームとを折り畳んだとき、上記固定フレームに対する
可動フレームの摺動軌跡の外部に上記リヤアームを位置
させるようにしてある。
【0113】このため、上記したように、車体フレーム
とリヤアームとを折り畳んで、自転車をコンパクトな形
状にした状態での上記固定フレームに対する可動フレー
ムの摺動は、上記リヤアームに邪魔されることなくでき
ることとなる。
【0114】よって、上記したように車体フレームとリ
ヤアームとを折り畳み、更に、固定フレームに対し可動
フレームを摺動させて上記車体フレームやリヤアームに
対しシートをより接近させれば、自転車を更にコンパク
トにすることができ、この自転車の持ち運びが更に容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自転車の全体側面図である。
【図2】自転車の部分平面図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】図3の4‐4線矢視断面図である。
【図5】図2の部分拡大断面図である。
【図6】図2の部分拡大断面図である。
【図7】図1に相当する図で、折り畳みの作用説明図で
ある。
【符号の説明】
1 自転車 2 車体フレーム 3 ヘッドパイプ 6 主フレーム 7 シート 8 シートフレーム 9 固定フレーム 10 可動フレーム 15 フロントフォーク 17 前車輪 20 リヤアーム 21,66 前端部 22 枢支軸 23,68 後端部 25 後車軸 27 後車輪 35 軸心 36 緩衝器 54 路面 56 ペダル 57 クランク軸 60 クランク主軸 63 ドライブシャフト 71 車体中心 78 空間 79 摺動軌跡 D 踏み込み力 E 寸法

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレームに、前後方向に延びるリヤ
    アームの前端部を枢支軸により枢支し、この枢支軸を中
    心として同上リヤアームの後端部を上下方向に揺動自在
    とし、このリヤアームの後端部に後車輪を支承し、一端
    部が上記車体フレームに連結され、他端部が上記リヤア
    ームの長手方向の中途部に連結される緩衝器を設け、一
    方、ペダルを支持するクランク軸を設けると共に、この
    クランク軸に上記後車輪を連動連結させるドライブシャ
    フトを設け、このドライブシャフトを上記リヤアームの
    内部に設け、これらリヤアームとドライブシャフトの各
    後端部側を上記後車輪の外側方に配設したシャフトドラ
    イブ式自転車の懸架構造において、 上記リヤアームの長手方向の中途部に上記クランク軸を
    支承したシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
  2. 【請求項2】 後車輪よりも前側に位置するリヤアーム
    の前端部に、緩衝器の他端部を連結させた請求項1に記
    載のシャフトドライブ式自転車の懸架構造。
  3. 【請求項3】 車体フレームがその前端部を形成してフ
    ロントフォークを操向自在に支承するヘッドパイプと、
    このヘッドパイプから後方に向って延びる主フレーム
    と、この主フレームの後端部から上方に向って突設され
    その上端部にシートを支持するシートフレームとを備
    え、上記主フレームの下側にリヤアームの前端部を配設
    した請求項1、もしくは2に記載のシャフトドライブ式
    自転車の懸架構造。
  4. 【請求項4】 車体フレーム、もしくはリヤアームに対
    する緩衝器の連結を解除可能とし、上記車体フレーム、
    もしくはリヤアームから緩衝器を離脱させ、かつ、枢支
    軸の回りに上記車体フレームとリヤアームとを相対回動
    させることにより、これら車体フレームとリヤアームと
    を互いに接近させて折り畳み可能とした請求項1から3
    のうちいずれか1つに記載のシャフトドライブ式自転車
    の懸架構造。
  5. 【請求項5】 シートフレームを、主フレームに固着さ
    れてこの主フレームの後端部から上方に向って突設され
    る固定フレームと、この固定フレームの上端側にこの固
    定フレームの長手方向で摺動自在に嵌合してその上端部
    にシートを支持する可動フレームとで構成し、車体フレ
    ームとリヤアームとを折り畳んだとき、上記固定フレー
    ムに対する可動フレームの摺動軌跡の外部に上記リヤア
    ームを位置させるようにした請求項4に記載のシャフト
    ドライブ式自転車の懸架構造。
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